JP3566335B2 - 写真フィルム間接合部の分離装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルムの接合部分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、大規模現像所では、現像処理や焼付処理等を能率良く行うため、フィルムスプライサを使用し、50本〜100本程度のフィルムをスプライステープを介して接合し、長尺化した状態で処理を行っている。
【0003】
処理が終了したフィルムは、テープ貼付領域を取り除いてフィルム1本毎に分離し、さらに、所定数(例えば、6コマ)毎に切断してピースネガを形成した後、ネガシートと称される収容体にピースネガを収容した状態で顧客へ返却するようになっている。
【0004】
ところで、米国特許第4834306 号明細書、同第4846413 号明細書、さらには特開平3−37645号公報には、パトローネ本体を樹脂成形品で組み立てると共に、スプールの回転によって写真フィルムをパトローネ本体外に送り出す機能を持った写真フィルムパトローネが提案されている。
【0005】
この写真フィルムパトローネはこれまでのものと異なり、未使用状態そして使用済状態の何れでも写真フィルムのリーダ部がパトローネ本体から突出しておらず、写真フィルムをより光密に収容できるだけでなく、使用前後の取扱いが簡単になるという利点がある。
【0006】
上記写真フィルムパトローネにおいては、再利用を可能とするため、従来の135フィルムの如く、後端部を切断するのではなく、パトローネ本体内のスプールに写真フィルムの後端を係止しておき、専用の治具によってこの係止を解除することにより、写真フィルムをパトローネから分離するようにしている。分離された写真フィルムは従来通り、50本〜100本をスプライステープを介して接合して、効率よく処理することが望ましい。
【0007】
ここで、顧客に返却する際に現像済の写真フィルムをパトローネに巻き戻した状態で返却するためには、写真フィルムの後端に形成されたスプールに係止可能な加工を残しておく必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の手段のように、処理が終了した写真フィルムのスプライステープ貼付領域を切断すると、写真フィルムの後端部に施した特別な加工(スプールへ係止するための加工)がカットされ、スプールに係止できなくなる。
【0009】
スプライステープ貼付領域を切断した後の写真フィルムの後端部に再度スプールへの係止を可能とする加工を施すことが考えられるが、工数が増え、作業効率が低下することになる。また、再プリント、再々プリント時にフィルム長が短くなっていくことが考えられ、フィルム屑も多く発生することになる。
【0010】
このため、2本の写真フィルムの先後端を接合するスプライステープを剥がすことが望ましく、また、この作業は自動で行うことが要求される。しかし、前記接合部を所定の位置に自動的に位置決めすることは非常に困難である。
【0011】
本発明は上記事実を考慮し、2本の写真フィルムの先後端を接合したスプライステープを分離する際に、この接合部を正確に分離位置に位置決めすることができる写真フィルム接合部間の分離装置を得ることが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルム間接合部の分離装置であって、前記写真フィルム間の接合部が位置決めされ、前記接合部中央のテープのみが対応するテープ支持台と、前記写真フィルムの搬送経路に沿った位置に配設され、前記テープ支持台中央からの距離が予め決められており、前記テープの端部から前記接合部中央までの距離が予め定められている前記接合部のテープのエッジを検出するセンサと、前記センサで写真フィルム又はテープの一部を検出したときに、前記接合部の中央から前記テープ支持台中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする位置決め手段と、前記テープ支持台に対向し、加熱手段によって所定温度に加熱されたヘッド部と、前記ヘッド部を保持し、前記写真フィルムの接合部がテープ支持台に位置決めされたとき、前記ヘッド部をテープ支持台へ接近させ、該接合部を所定の圧力で所定時間挟持する駆動手段と、前記駆動手段によるヘッド部での所定時間の加熱加圧後に2本の写真フィルムを互いに離反する方向へ引き離す引き離し手段と、を有している。
【0013】
請求項2に記載の発明は、2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルム間接合部の分離装置であって、
前記写真フィルム間の接合部が位置決めされ、前記接合部中央のテープのみが対応するテープ支持台と、前記写真フィルムの搬送経路に沿った位置に配設され、前記テープ支持台中央からの距離が予め決められており、2本の写真フィルムの何れか一方の端部を検出するセンサと、前記センサで写真フィルム又はテープの一部を検出したときに、前記接合部の中央から前記テープ支持台中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする位置決め手段と、前記テープ支持台に対向し、加熱手段によって所定温度に加熱されたヘッド部と、前記ヘッド部を保持し、前記写真フィルムの接合部がテープ支持台に位置決めされたとき、前記ヘッド部をテープ支持台へ接近させ、該接合部を所定の圧力で所定時間挟持する駆動手段と、前記駆動手段によるヘッド部での所定時間の加熱加圧後に2本の写真フィルムを互いに離反する方向へ引き離す引き離し手段と、を有している。
【0014】
請求項3に記載の発明は、2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルム間接合部の分離装置であって、
前記写真フィルム間の接合部が位置決めされ、前記接合部中央のテープのみが対応するテープ支持台と、前記写真フィルムの搬送経路に沿った位置に2個配設され、前記テープ支持台中央からの距離が予め決められており、一方が前記テープのエッジを検出し、他方が2本の写真フィルムの何れか一方の端部を検出するセンサと、前記センサで写真フィルム又はテープの一部を検出したときに、前記接合部の中央から前記テープ支持台中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする位置決め手段と、前記テープ支持台に対向し、加熱手段によって所定温度に加熱されたヘッド部と、前記ヘッド部を保持し、前記写真フィルムの接合部がテープ支持台に位置決めされたとき、前記ヘッド部をテープ支持台へ接近させ、該接合部を所定の圧力で所定時間挟持する駆動手段と、前記駆動手段によるヘッド部での所定時間の加熱加圧後に2本の写真フィルムを互いに離反する方向へ引き離す引き離し手段と、を有している。
【0015】
請求項4に記載の発明は、2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルム間接合部の分離装置であって、前記写真フィルム間の接合部が位置決めされ、前記接合部中央のテープのみが対応するテープ支持台と、前記写真フィルムの搬送経路に沿った位置に配設され、前記テープ支持台中央からの距離が予め決められており、予め前記写真フィルムに設けられ前記写真フィルムの後端から所定の距離だけ離れた後端位置検出用パーフォレーションを検出するセンサと、前記センサで写真フィルム又はテープの一部を検出したときに、前記接合部の中央から前記テープ支持台中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする位置決め手段と、前記テープ支持台に対向し、加熱手段によって所定温度に加熱されたヘッド部と、前記ヘッド部を保持し、前記写真フィルムの接合部がテープ支持台に位置決めされたとき、前記ヘッド部をテープ支持台へ接近させ、該接合部を所定の圧力で所定時間挟持する駆動手段と、前記駆動手段によるヘッド部での所定時間の加熱加圧後に2本の写真フィルムを互いに離反する方向へ引き離す引き離し手段と、を有している。
【0017】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、2本の写真フィルム間をそれぞれテープによって接合する。例えば、50〜100本程度の写真フィルムを連結することにより、現像処理や焼付処理等の処理効率が向上する。
【0018】
処理が終了した写真フィルムは、再度1本毎に分離する必要がある。このとき、写真フィルムの先後端に特別な加工が施されている場合には、テープ貼付領域を切断することにより、この特別な加工部分が切り取られてしまう。
【0019】
なお、特別な加工の一例としては、写真フィルムの後端部に写真フィルムを収容するパトローネ(カートリッジ)のスプールと係合離反可能な孔等が形成されているような場合である。この孔が形成された部分が切り取られると、スプールへの再係合ができなくなることになる。
【0020】
そこで、写真フィルムの接合部間を分離する際に、この接合部をテープ支持台に位置決めする。
【0021】
この状態で駆動手段を駆動させることによって、ヘッド部とテープ支持台とで接合部を挟持し、圧力及び熱が加えられる。
【0022】
テープの接着材は熱により軟化し、この状態で写真フィルムを互いに離反する方向へ引っ張ることにより、写真フィルムとテープとを引き離すことができる。
【0023】
ここで、上記分離の前提として、接合部の位置を精度良く位置決めする必要がある。すなわち、写真フィルム間の所定の間隔(テープのみが存在する部分)をテープ支持台上に配置する必要がある。
【0024】
そこで、センサを写真フィルムの搬送路上に設け、テープのエッジを検出する。テープは、その中心が前記所定間隔の中央と一致するように貼付けられるため、位置決めされた状態でのテープのエッジと前記所定間隔の中央との距離は、テープ幅から容易に得ることができる。このため、テープエッジをセンサによって検出し、テープのエッジから接合部の中央までの距離分搬送距離に対して補正(センサが台座よりも上流側に配設されている場合は増加)すれば、所定位置までの搬送距離を認識することができる。テープのエッジを検出した後、このテープのエッジから前記接合部中央までの距離が分かっているので、これらに基づいて、前記接合部の中央から前記テープ支持台の中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し、前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする。
【0025】
これにより、接合部を確実にテープ支持台に位置決めすることができる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、写真フィルムの端部を検出するこにより、写真フィルム間の所定間隔の寸法は決められているため、容易に位置決めが可能となる。
【0028】
請求項3に記載の発明によれば、2個のセンサで、それぞれテープエッジ及び写真フィルムの端部を検出することによって、パーフォレーション等を誤って写真フィルムの端部と誤認することを防止することができる。
【0029】
請求項4に記載の発明によれば、写真フィルムに予めフィルム端部からの距離が決められた位置にフィルム後端検出用パーフォレーションを設けることにより、位置決めはさらに容易となる。
【0030】
例えば、センサをテープ支持台の上流側に配置し、かつテープ支持台からの距離を写真の先後端から後端検出用パーフォレーションの距離と対応させておけば、センサで検出した時点で所定の位置となる。
【0031】
【実施例】
図1には本実施例に係る写真フィルム接合部分離装置(以下、デスプライサという)10が示されている。
【0032】
このデスプライサ10は、ネガフィルム12を上下方向に移動させる構成となっており、最上部には、ロール状に巻き取られたネガフィルム12を装填する装填部14が配設されている。
【0033】
ネガフィルム12は、図2に示される如く、その前後端がスプライステープ16によって接合されており、上述の1ロールは50本〜100本程度のネガフィルム12が接合されることによって形成されている。
【0034】
ここで、本実施例に適用されるネガフィルム12の前後端は、特別な加工が施されている。すなわち、ネガフィルム12の先端部は、その端面が斜面状にカットされており、また後端部は一対の円孔18とこの円孔18の間に長孔20が設けられている。
【0035】
上記ネガフィルム12は、パトローネに設けられたスプール(共に、図示省略)を回転させることによって、前記先端部の斜面部がスプール内の案内部材に案内されて、引出口から引き出すことができるようになっている。また、ネガフィルム12の後端部は、前記スプールにテープ等で結合されておらず、前記円孔18がスプールに設けられた爪等に係止された状態で巻き取られ収容されている。従って、この爪と円孔18との係止状態を解除することによって、ネガフィルム12をパトローネから簡単に分離することができる。
【0036】
さらに、現像済のネガフィルム12の後端部を前記長孔20に治具を取付けてパトローネの引出口から挿入することによって、再度円孔18を前記爪に係止して、スプールへ巻き取ることができる。
【0037】
このように、特別な加工が施されているため、ネガフィルム12の前後端は接合し易いようにカットせず、原型のまま接合されている。
【0038】
図1に示される如く、装填部14に装填されたロール状のネガフィルム12の最外層は、ガイド板24に案内されて、引き出されるようになっている。
【0039】
装填部14から引き出されたネガフィルム12は、大径ローラ26と一対の小径ローラ28、32で構成されたローラ群33によって挟持され、大径ローラ26に巻掛け略90°方向転換されて、ローラ群33の駆動力によって、ガイド板34に案内され、さらにローラ群29を通過して分離部30へ搬送されるようになっている。なお、この巻掛角度は90°に限らず、90°〜180°の範囲が好ましい巻掛け角度であるため、必要に応じて変更可能である。
【0040】
ここで、装填部14とローラ群33との間には、ネガフィルム12の表裏面に対応してガイド板34が設けられているが、一方のガイド板は円弧状に形成されている。
【0041】
また、ローラ群29は、図1の矢印Bに示される如く、正逆方向に回転可能となっている。従って、ローラ群29を逆転すると、ネガフィルム12は、ローラ群33とローラ群29の間で引き戻されるようになっている。この引き戻されたネガフィルム12は、前記ガイド板34の円弧状に沿って、円弧状に弛み(図1の鎖線参照)、折り曲がり等が防止されている。
【0042】
分離部30の上流側には、ネガイルム12の搬送路を挟むように投光部と受光部が対向して設けられた透過型赤外線センサ101が配設されている。このセンサ101は後述する台座52の縦壁部62の幅(短辺)方向中間点から所定の寸法の位置に位置決めされている。このセンサ101の機能については後述する。
【0043】
分離部30の下流側には、大径ローラ36と一対の小径ローラ38、40で構成されたローラ群42が配設されている。これらのローラ群42は、図1の矢印Cに示される如く一方向のみの回転駆動とされ、ガイド板44で案内されて搬送されてくるネガフィルム12を大径ローラ36の巻掛けて略90°方向転換させる役目を有している。なお、この巻掛角度は90°に限らず、90°〜180°の範囲が好ましい。
【0044】
この方向転換されたネガフィルム12は、このネガフィルム12を再度パトローネへ収容するための装置46に送り込まれるようになっている。
【0045】
すなわち、この装置46では、前記円孔18をスプールの爪に係止し、かつこのスプールに巻取り、ネガフィルム12の全てをパトローネに収容するようになっている。
【0046】
分離部30には、ネガフィルム12の一方の面(図1の左側面)に対向して、ヘッド部48が配設されている。ヘッド部48は、シリンダ50のロッド50Aの先端部に取付けられている。このため、ヘッド部48は、シリンダ50の駆動力(エア等の吸入、排出)によって、ネガフィルム12に接近、離間可能とされている。
【0047】
分離部30における、ネガフィルム12の他方の面(図1の右側面)に対向して、台座52が配設されている。
【0048】
ヘッド部48は、図示しない加熱手段によって所定の温度に加熱されており、ネガフィルム12間の接合部が台座52の所定位置に位置決めされた状態(図3の状態)で、シリンダ50の駆動力でネガフィルム12方向へ接近し、ネガフィルム12の接合部に貼付けられたスプライステープ16を加圧、加熱することによって、スプライステープ16は軟化して接着力が弱まるようになっている。
【0049】
図4には、台座52の詳細が示されている。
台座52は、ベース部54の幅方向両端から立設された一対の側壁56が形成された本体58と、この本体58内に収容される一対のバックパッドと呼ばれるバックパッド60と、によって構成されている。
【0050】
側壁56の間隔寸法は、ネガフィルム12の幅寸法よりも若干大きく形成され、ネガフィルム12はこの側壁56間を通過するようになっている(図3参照)。
【0051】
前記側壁56の中間位置同士は縦壁部62が設けられており、その上端面がテープ支持台面64とされ、図3に示される如くスプライステープ16のみが対向する位置とされている。
【0052】
ここで、この縦壁部62の中央(図2の一点鎖線CL参照)は、前記センサ101の取付け位置の基準とされており、所定の寸法L分上流側とされている。
【0053】
センサ101の投光部から照射された光は、ネガフィルム12は透過するが、スプライステープ16は透過しない。このため、ネガフィルム12の搬送中にスプライステープ16のエッジを検出することが可能となる。
【0054】
また、スプライステープ16も、スプライステープ中央とフィルム間の隙間の中央が一致するように貼付けられるため、スプライステープ16の幅寸法(W)が認識されていれば、フィルム間の隙間の中央から両端エッジまでの寸法(W/2)は容易に得ることができる。
【0055】
ここで、ネガフィルム12の搬送中にスプライステープ16の搬送方向下流側エッジがセンサ101によって検出され、この検出点からL+(W/2)分搬送されることによって、スプライステープ16の中央を前記テープ支持台面64上に位置決めすることができ、この結果、上記の如く、テープ支持台面64には、スプライステープ16のみ(ネガフィルム12間の隙間)が対向されることになる。
【0056】
また、縦壁部62には、スリット状の貫通孔66が形成されており、底部側から図示しないエア供給手段からのエアが供給による、テープ支持台面64からエアが吐出されるようになっている。
【0057】
縦壁部62で仕切られたベース部54上には、バックパッド60が配設されている。バックパッド60のその上端面は前記テープ支持台面64と面一となる位置に配設されるベース面68とされ、このベース面68の下部に形成された脚部70と一体形成されている。
【0058】
脚部70には、両側面を貫通する長孔72が形成され、シャフト74が貫通されている。一方、側壁56には、それぞれ同軸状の円孔76が形成されており、前記シャフト74の両端部が嵌合されている。これにより、バックパッド60は、長孔72に沿って上下動可能となっている。脚部70の下端部とベース部54との間には圧縮コイルばね78が配設されており、バックパッド60を上方へ付勢している。このため、バックパッド60は、シャフト74が長孔72の図4の下端位置となる状態で保持されている。このとき、ベース面68は、前記テープ支持台面64と面一となっている(図5(A)参照)。
【0059】
また、図4に示される如く、ベース面68には、ネガフィルム12の搬送方向に沿って複数の溝68Aが形成されている。この溝68Aは、溝幅が1mmで、かつ1mm間隔で設けられている。この溝68Aの形成によって、前記ヘッド部48によるネガフィルム12の挟持状態での、ベース面68とネガフィルム12との接触面積が小さくなる。
【0060】
ここで、前述の如く、ヘッド部48が接近し、台座52との間にネガフィルム12の接合部を挟持すると、スプライステープ16のみが対向されるテープ支持台面64では、スプライステープ16が確実に挟持され、ネガフィルム12とスプライステープ16とが重なりあっている部分が対向されるベース面68では、ネガフィルム12の肉厚寸法分圧縮コイルばね78の付勢力に抗してバックパッド60が下降しており、この部分に加わる圧力は、圧縮コイルばね78の付勢力のみの軽い圧力となっている(図5(B)参照)。さらに、溝68Aの形成によって、接触面積が小さくなっている。
【0061】
この状態で、ローラ群29を逆転させ、かつローラ群42を駆動させることにより、2本のネガフィルム12は、ヘッド部48の圧力に関係なく、容易にスプライステープ16から離れ、分離することができるようになっている(図6参照)。また、溝68Aがネガフィルム12の引張方向に沿って設けられているため、ネガフィルム12はさらに円滑に移動が可能となっている。
【0062】
ネガフィルム12が引き離された後の台座52上には、スプライステープ16のみが残存することになるが、ヘッド部48が台座52との間にスプライステープ16のみを挟持したままのとき(図6参照)、テープ支持台面64に設けられた貫通孔66からエアが吐出され、ヘッド部48が離脱されると共に、エアの勢いによってスプラステープがヘッド部48に吹付けられ(図6(B)参照)、エア停止後は自重によって落下し、ガイド板80に案内されて廃棄箱82に収容されるようになっている(図1参照)。
【0063】
以下に本実施例の作用を説明する。
ロール状に巻き取られたネガフィルム12が装填部14に装填され、最外層のネガフィルム12がガイド板24に案内されて引き出される。
【0064】
このネガフィルム12は、ローラ群33に挟持され、正転駆動されてガイド板34に案内されローラ群29を通過して、分離部30へ送り込まれる。
【0065】
この送り込み途中で、センサ101では、スプライステープ16のエッジを検出する。すなわち、センサ101の投光部から射出された光は、ネガフィルム12は透過するが、スプライステープ16は透過しない。従って、受光部でこの光を検出できなくなったときが、センサ101位置にスプライステープ16の搬送方向下流側エッジが到達したと判断できる。
【0066】
ここで、センサ101と、テープ支持台面64の中央(図2の一点鎖線CL参照)との寸法Lは、予め定められており、スプライステープ16の幅寸法(W)も認識されているため、センサ101でスプライステープ16のエッジを検出してから、L+(W/2)分搬送することによって、スプライステープ16の中央、すなわち、ネガフィルム12間の隙間をテープ支持台面64上へ対向させることができ、これが、所定位置となる。
【0067】
分離部30の台座52に接合部が到達し、図3に示されるように所定位置に位置決めされると、シリンダ50が駆動され、このシリンダ50のロッド50Aの先端部に取付けられたヘッド部48がネガフィルム12に接近する。
【0068】
ここで、ヘッド部48は、加熱手段によって予め所定の温度に加熱されており、この加熱されたヘッド部48と、台座52とによって、ネガフィルム12間の接合部は挟持される。
【0069】
この加熱、加圧処理によって、スプライステープ16が軟化され、接着力が弱まる。ここで、ネガフィルム12を互いに離反する方向に引っ張ることによって、ネガフィルム12とスプライステープ16とが引き離されることになるが、ヘッド部48と台座52とによって比較的強い加圧力で加圧している状態でネガフィルム12を引っ張ると、ネガフィルム12が変形したり、損傷したりすることがあった。この加圧力の低減には限度があり、ネガフィルム12がベース面68に密着して、抵抗力を増加させることもあり、ネガフィルム12を大きな力で引っ張る必要があった。
しかし、本実施例では、台座52をテープ支持台面64と、このテープ支持台面64を挟むように設けられたベース面68とに分け、さらに、ベース面68にネガフィルム12の引張方向に沿った溝68Aを設け、ベース面68を圧縮コイルばね78の付勢力によって保持されているバックパッド60に形成した。
【0070】
このため、通常は、圧縮コイルばね78の付勢力によって、バックパッド60は長孔72の図5の右端位置に保持され、ベース面68がテープ支持台面64と面一の状態となっている。ここで、ヘッド部48による加圧(加熱)が開始されると、テープ支持台面64では、スプライステープ16のみが対向されているため、確実に加圧されている。これに対して、ベース面68では、ネガフィルム12とスプライステープ16とが重なり合った部分が対向されているため、ネガフィルム12の肉厚寸法分、バックパッド60が圧縮コイルばね78の付勢力に抗して移動される(図5(B)に示される如く、シャフト74が右端位置から移動される)。
【0071】
これにより、ネガフィルム12とスプライステープ16との重なり部分には、圧縮コイルばね78の付勢力に応じた比較的小さい圧力のみがかかっている。
【0072】
ここで、上流側のローラ群29を逆転させ、下流側のローラ群42を正転させると、ネガフィルム12は容易に互い離反する方向へ移動され、スプライステープ16から引き離される。このとき、ベース面68に溝68Aが形成され、かつこの溝68Aがネガフィルム12の引張方向に沿って設けられているため、ネガフィルム12の引張り力がさらに軽減される。
【0073】
ここで、ローラ群29によって引き戻されるネガフィルム12は、ローラ群29とローラ群33の間で弛むようにガイド板34の円弧状に沿って湾曲されているため、折れ曲がるような不具合はない。
【0074】
ローラ群42に挟持されたネガフィルム12は単体となり、この状態で装置46へと送られる。装置46では、前記円孔18をスプールの爪に係止し、かつこのスプールに巻取り、ネガフィルム12の全てをパトローネに収容する。
【0075】
ネガフィルム12が引き離された後の台座52には、スプライステープ16が残っており、若干の接着力でテープ支持台面64に貼り付いている。そこで、ヘッド部48が離脱する前(図6(A)の状態)に、テープ支持台面64に設けられた貫通孔66からエアを吐出させることにより、ヘッド部48の離脱と共に、エアの勢いでスプライステープ16は、ヘッド部48に吹付けられ(図6(B)参照)、その後は、エア停止後自重によって落下し、かつガイド板80に案内されて廃棄箱82へ収容される。
【0076】
ここで、ネガフィルム12が全てパトローネに収容されると、顧客はネガフィルムに記録された画像を見ることができなくなる。そこで、顧客へこのパトローネを返却する場合には、ネガフィルムに記録された画像が1枚のシートにマトリクス状に記録されたインデックスプリントを添えて返却することが好ましい。
【0077】
なお、パトローネ、プリントされた印画紙、インデックスプリントは、DP袋に収容して返却しているが、デスプライサ10及び/又は装置46でパトローネとインデックスプリント、プリントした印画紙、DP袋の照合をするために、このデスプライサ10及び/又は装置46にパトローネに設けられたIDによって行う機能をもたせてもよい。パトローネには予めバーコードが記録されたシールが貼付けられており、これを読取る装置を設けることによって、容易に照合作業が行える。
【0078】
また、装置46において、DP袋に写真材料を収容する能力を持たせ、デスプライサ10と組み合わせて、全自動としてもよい。
【0079】
このように、本実施例では、圧縮コイルばね78によるバックパッド60の保持構造によって、ヘッド部48による圧力をネガフィルム12に加わることを軽減し、さらに、ベース面68に溝68を形成することによって、ベース面68とネガフィルム12との接触面積を減らし、密着による抵抗力を減少させたため、加圧、加熱後のネガフィルム12の引き離し作業時にネガフィルム12が変形等を起こすことがない。
【0080】
また、残ったスプライステープ16をエアの勢いで吹き飛ばすようにしたので、作業者がその都度取り除く作業が不要となる。
【0081】
さらに、本実施例ではローラ群29、33がネガフィルム12とスプライステープ16の分離と、ネガフィルム12の搬送も同時に行うので、作業効率が向上する。
【0082】
なお、本実施例では、90°を一例として挙げたが、巻掛角度が90°〜180°が好ましい。なお、90°よりも小さい巻掛角度であっても、全く効果がない訳ではなく、実用上顕著に効果が現れる(滑り等の失敗が全くない)のが90°以上である。また、1個のローラでの巻掛角度に限らず、複数のローラへの巻掛角度の総和が90°以上であれば、効果は顕著となる。
〔ネガフィルム12とスプライステープ16との分離時の各制御因子を決めるための実験結果〕
ネガフィルム12とスプライステープ16とを分離するための制御因子としては、デスプライス速度、バックパッド種類、デスプライス温度、デスプライス時間が挙げられる。
【0083】
デスプライス速度は、ネガイルム12の引張り速度である。
バックパッド種類は、表面はテフロンが好ましく、これを付勢するためにウレタンフォームや本実施例のようにばねを用いることが考えられる。
【0084】
デスプライス温度は、ヘッド部48の温度である。
デスプライス時間は、ヘッド部48が移動してスプライステープ16に接触してからフィルムとテープを分離し始めるまでの時間である。
【0085】
デスプライスの最適条件はフィルムに残るスプライステープ16の糊残り量が少ないこと、フィルムとテープを分離するための分離力、つまりデスプライス力が小さいことが考えられる。
【0086】
上記制御因子の実験値は、以下の表1に示されるように設定した。
【0087】
【表1】
上記各制御因子の実験値に基づいて各要因のフィルムへの糊残りの厚み効果を得ると、図7の如くなる。なお、縦軸のSN比はデシベル値が高い程フィルム上への糊残りの厚みが小さいことを意味する。
【0088】
この図7に示される如く、デスプライス速度は水準4、バックパッド種類は水準3、デスプライス温度は水準2、デスプライス時間は水準1がそれぞれ最適であることが分かる。
【0089】
しかし、一方においてデスプライス力効果においては、図8に示される如く、上記フィルム上の糊残りの厚み効果とは異なる結果が得られた。すなわち、デスプライス速度は水準1、バックパッド種類は水準3、デスプライス温度は水準3、デスプライス時間は水準2がそれぞれ最適となる。
【0090】
この結果に基づいて、制御因子の最適水準を考えると以下の表2及び表3の如くなる。なお、表2はデスプライス力を40N以下(30N以下も同様)とした場合であり、表3はデスプライス力を50N以下とした場合である。
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
さらに、バックパッド60のベース面68に溝68Aを設けることによりデスプライス力を軽減することができた。また、上記のように各制御因子の最適化を計ることでフィルム上の糊残り厚みをできるかぎり小さくする方向にもっていくことができ、ネガフィルム12をカートリッジへ巻き込んで、長期保存してもフィルム上の糊残りによる再接着を無くすことができた。
〔各部の変形例〕
(▲1▼台座52の変形例)
上記実施例で示した台座52は、バックパッド60を圧縮コイルばね78の付勢力で押圧し、ベース面68をテープ支持台面64と面一とし、ヘッド部48による加圧時にネガフィルム12の肉厚寸法分だけ引き込むように構成したが、この台座52の構成については、以下の態様が考えられる。
「▲1▼−変形例1」
図9に示される如く、台座84のベース面86を形成する部位に凹陥部88を設け、まずウレタンフォーム、シリコンゴム又はフッ素ゴム等の耐熱性の軟質材料90を充填し、その表層にテフロン板やSUSにテフロンコートした板材92を貼付ける。この表層面がテープ支持台面94と面一となるようすれば、通常は台座84は平面性が維持され、ヘッド部48の加圧時に軟質材料90に対応する部分のみが弾性変形して、ネガフィルム12の肉厚寸法分引き込ませることができる。
「▲1▼−変形例2」
図10に示される如く、台座100のベース面102を形成する部位に凹陥部104を設け、全体にシリコンゴム又はフッ素ゴム等の耐熱性の軟質材料106を充填し、その上面をベース面102とする。簡単な構成で上記変形例1と同等の効果が得られるものの、ネガフィルム12の滑り性を考慮すれば、▲1▼−変形例1の方がより良い。
「▲1▼−変形例3」
変形例3は、構造については第1実施例に示したバックパッド60と圧縮コイルばね78によるものと同一であり、台座52全体、バックパッド60の全てにテフロン加工を施した点にある。これによって、滑り性が向上される。
(▲2▼接合部位置決めセンサの変形例)
「▲2▼−変形例1」
上記実施例では、スプライステープ16が、正確な位置(中央がネガフィルム12間の隙間位置)に貼付けられていることが前提となっており、仮に、ネガフィルム12の搬送方向にずれていると、このずれた分だけ精度が悪くなる。
【0093】
そこで、図11に示される如く、センサ101(ネガフィルム12の幅方向中央部)の他に、ネガフィルム12の幅方向一端部に対応してセンサ101Aを配設している。センサ101は、上述と同様にスプライステープ16の搬送方向下流側のエッジ(図11のA部)を検出する。
【0094】
このセンサ101Aは、ネガフィルム12のベース濃度で透過しないように感度が調整され、ネガフィルム12の搬送方向前側の後端角部(図11のB部)を検出する役目を有している。ここで、センサ101Aの配置位置には、ネガフィルム12に設けられた各画像コマ毎のパーフォレーション12Aやフィルム先端部近傍に設けられたノッチ12Bが存在し、このパーフォレーション12Aやノッチ12Bを誤検出することがある。しかし、前記センサ101を併用することにより、センサ101でまずスプライステープ16のエッジを検出し、その所定時間後に検出したときを、ネガフィルム12の後端角部(図11のB部)の検出とすることにより、誤検出を防止することができる。
【0095】
また、正確にスプライステープ16が貼付けられたときのこのA部からB部までの寸法は、予め記憶されており、実際にセンサ101でA部を検出し、センサ101AでB部を検出するまでの時間と搬送速度とから得られる距離と前記記憶された寸法との誤差を演算することによって、この誤差分、正規の位置を補正すれば、正確にネガフィルム12間の隙間を前記テープ支持台面64上へ対向させることができる。
「▲2▼−変形例2」
図12に示される如く、2個のセンサ101B、101Cをそれぞれネガフィルム12の幅方向両端部位置に配設することによって、ネガフィルム12の搬送方向前側の後端角部(図12のB部及びC部)を検出することができ、この検出結果に基づいてネガフィルム12を正確に位置決めすることができる。
「▲2▼−変形例3」
図13に示される如く、ネガフィルム12の幅方向全域を走査可能なラインセンサ101Dを配設することによって、接合部の形状を認識することができ、容易に正確に位置決めすることができる。
「▲2▼−変形例4」
図14に示される如く、この▲2▼−変形例4では、▲2▼−変形例1のセンサ101Aのみを配設している。このため、センサ101Aによる誤検出(パフォレーション12Aやノッチ12Bの検出)をしてしまうが、パーフォレーション12Aは規則的に設けられ、ノッチ12Bは、最終パーフォレーション12Aの検出からの位置が決められているため、この規則性を予め記憶しておき、ソフト的にキャンセルするようにすればよい。これにより、1個のセンサ101Aで正確な位置決めができ、スプライステープ16の貼付位置がずれていても、このずれを補正することができる。
「▲2▼−変形例5」
図15に示される如く、変形例5では、1個のセンサ101Eを、パーフォレーション12A及びノッチ12Bが無い側のネガフィルム12の幅方向端部に配設した。これにより、ソフト的にパーフォレーション12A及びノッチ12Bの検出をキャンセルする必要がなくなる。
「▲2▼−変形例6」
図16に示される如く、ネガフィルム12の搬送方向端部から所定の距離に新たにパーフォレーション12Cを設ける。このパーフォレーション12Cをセンサ101Aによって検出することにより、ネガフィルム搬送方向端部を正確に認識することができる。
(▲3▼ベース面68への加工形状の変形例)
「▲3▼−変形例1」
図17(A)及び(B)に示される如く、ベース面68に、ネガフィルム12の幅方向に沿った溝68Bを形成した。この溝68Bによってネガフィルム12とベース面68との密着が防止され、かつ接触面積の減少による摩擦力の軽減を図ることができる。
「▲3▼−変形例2」
図18(A)及び(B)に示される如く、ベース面68に、複数のディンプル68C(半球状の溝)を形成した。これにより、ネガイルム12とベース面68との密着が防止され、かつ接触面積の減少による摩擦力の軽減を図ることができる。すなわち、溝に限らず、ローラ形状やボール形状等様々な形状でネガフィルム12の接触面積を軽減することにより、効果を得ることができる。
(▲4▼分離部30の上下流に配設されたネガフィルム12をスプライステープ16から引き離すための構造の変形例)
「▲4▼−変形例1」
図19に示される如く、分離部30の上下流側にそれぞれ複数のローラ対(▲4▼−変形例では3対)220、222、224を配設し、これらのローラ対220、222、224を正転、逆転することにより、ネガフィルム12をスプライステープ16から引き離す構造とした。各ローラ対220、222、224の1つ1つの挟持力が弱いが、複数設けらればその分挟持力は倍増し、ネガフィルム12が滑りを起こすことはない。
「▲4▼−変形例2」
図20に示される如く、分離部30の上下流側に搬送系とは別体とされたネガフィルム12を平面で挟持する挟持体200を配設した。この挟持体200は、通常は一対の平板200A、200Bが離反されており、この間をネガフィルム12が通過する。ネガフィルム12とスプライステープ16との引き離し時に、この平板200A、200Bは互いに接近する方向に、或いは何れか一方が他方に接近する方向に移動され、ネガフィルム12を挟持し、挟持体200全体をネガフィルム12の搬送方向(分離部30の上流側は引き戻す方向、下流側は送り方向)に移動させる。
【0096】
これにより、ネガフィルム12を互いに離反する方向に引張り、スプライステープ16から引き離すことができる。ネガフィルム12を面で挟持しているため、挟持が確実となる。
「▲4▼−変形例3」
図21に示される如く、それぞれ、分離部30の上下流側に3個のローラ202、204、206をネガフィルム12の搬送路を挟むように千鳥状に配設し、各ローラ202、204、206の軸心が正三角形の各頂点に位置するようにした構成となっている。このため、ネガフィルム12は、各ローラ202、204、206の駆動力でこれらの所定角度巻掛けられた状態で蛇行して搬送されるようになっている。このように各ローラ202、204、206に若干量巻掛けることにより、単に挟持したときのみに比べ、数段挟持力が増し、確実にネガフィルム12を引っ張ることができる。
【0097】
なお、ネガフィルム12の通常搬送時の蛇行を防止するため、1個のローラ204を軸直角方向に移動可能としてもよい。
「▲4▼−変形例4」
図22に示される如く、形状は▲4▼−変形例3と同一であるが、この▲4▼−変形例4では、ネガフィルム12のスプライステープ16からの引き離し時に、各ローラ202、204、206の駆動を停止し、ネガフィルム12の搬送方向に移動させるようになっている。すなわち、各ローラ202、204、206に若干量巻掛けることによって、ネガフィルム12を挟持したのと同等となり、そのまま引っ張ることにより、ネガフィルム12をスプライステープ16から引き離すことができる。
(▲5▼スプライステープ16を分離部30から取り除くための構造の変形例)
「▲5▼−変形例1」
図23に示される如く、この▲5▼−変形例1では、ヘッド部48にエア吸い込み口48Aを設け、図示しない吸引手段によってエアを吸い込むようにした構造である。このため、図23(A)示される如く、ヘッド部48を分離部30へ接近させて加圧したあと、図23(B)の状態でネガフィルム12を引き離し、引き離した後に吸い込み口48Aからの吸引を開始し、スプライステープ16を吸引しながら、ヘッド部48を分離部30から離反させることにより(図23(C)参照)、スプライステープ16を分離部30から剥離し、その後、吸引を解除することによって自重により廃棄箱82へ落下する。
「▲5▼−変形例2」
図24に示される如く、この▲5▼−変形例2では、ベース面68から押出しピン208が突出する構造となっている。すなわち、図24(A)に示される如く、ヘッド部48を分離部30へ接近させて加圧したあと、図24(B)の状態でネガフィルム12を引き離し、引き離した後にヘッド部48を元に戻すと、スプラステープ16がベース面68及びテープ支持台面64に残る。この状態で押出しピン208を突出させることによって、スプライステープ16はこの押出しピン208の先端に押されて、ベース面68及びテープ支持台面64から離反する(図24(C)参照)。ここで、押出しピン208を元に戻すことにより、スプライステープ16は既に接着力が無くなっているため、ベース面68及びテープ支持台面64を滑り落ち、廃棄箱82へ落下させることができる。
「▲5▼−変形例3」
図25に示される如く、この▲5▼−変形例3の特徴は、ネガフィルム12の引き離し後、ベース面68を圧縮コイルばね78の付勢力に抗してテープ支持台面64に対して凹ませることにある。
【0098】
図25(A)に示される如く、ヘッド部48を分離部30へ接近させて加圧したあと、図25(B)の状態でネガフィルム12を引き離し、引き離した後にヘッド部48を元に戻すと、スプラステープ16がベース面68及びテープ支持台面64に残る。この状態でベース面68を凹ませると、スプライステープ16はテープ支持台面64のみに支持されることになる(図25(C)参照)。このテープ支持台面64は小さい面積であるため、自重による落下が接着力に勝って、スプライステープ16は廃棄箱82へ落下する。なお、本実施例のように、スリット孔66からエアを吹き出すようにしてもよい。
「▲5▼−変形例4」
図26に示される如く、▲5▼−変形例4では、テープ支持台面64にネガフィルム12の幅方向に亘って、細幅の溝212が形成されている。この溝212の延長方向には剥離部材214が配設されている。この剥離部材214は図示しない駆動手段の駆動力でテープ支持台面64の幅方向一方から溝212内へ入り込み他方へ抜ける爪部214Aを備えている。すなわち、爪部214Aの幅寸法は、前記溝212の幅寸法よりも若干幅狭とされている。
【0099】
ここで、ネガフィルム12の引き離しが終了して、スプライステープ16のみが分離部30へ残されている状態で、剥離部材214を駆動させテープ支持台面64の一方から溝212方向へ移動させる。これにより、爪部214Aが溝212を通過する際に、スプライステープ16と当接し、テープ支持台面の幅方向から徐々に剥離していく。剥離部材214が他方側へ抜けると、スプライステープ16は完全に分離部30から引き離され、自重で廃棄箱82へ落下する。
【0100】
このように、▲5▼−変形例4では、直接的にスプライステープ16を取り除くため、作業の確実性が最もよい。
【0101】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る写真フィルム接合部間の分離装置は、2本の写真フィルムの先後端を接合したスプライステープを分離する際に、この接合部を正確に分離位置に位置決めすることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る接合部間の分離装置の概略構成図である。
【図2】ネガフィルムの前後端の接合部分を示す平面図である。
【図3】台座上にネガフィルムの接合部が位置決めされた状態を示す平面図である。
【図4】台座の分解斜視図である。
【図5】(A)は接合部が台座上に位置決めされた状態、(B)はヘッド部が作動して加圧、加熱している状態を示す分離部の拡大図である。
【図6】スプライステープを剥離するときのヘッド部及び台座の動作状態を示す側面図である。
【図7】各制御因子における糊残り要因効果図である。
【図8】各制御因子におけるデスプライス力要因効果図である。
【図9】台座の変形例を示す側面図である(▲1▼−変形例1)。
【図10】台座の変形例を示す側面図である(▲1▼−変形例2)。
【図11】接合部位置決めのためのセンサの配置状態の変形例を示す平面図である(▲2▼−変形例1)。
【図12】接合部位置決めのためのセンサの配置状態の変形例を示す平面図である(▲2▼−変形例2)。
【図13】接合部位置決めのためのセンサの配置状態の変形例を示す平面図である(▲2▼−変形例3)。
【図14】接合部位置決めのためのセンサの配置状態の変形例を示す平面図である(▲2▼−変形例4)。
【図15】接合部位置決めのためのセンサの配置状態の変形例を示す平面図である(▲2▼−変形例5)。
【図16】接合部位置決めのためのセンサの配置状態の変形例を示す平面図である(▲2▼−変形例6)。
【図17】ベース面に形成した接触面積低減のための加工の変形例を示す平面図である(▲3▼−変形例1)。
【図18】ベース面に形成した接触面積低減のための加工の変形例を示す平面図である(▲3▼−変形例2)。
【図19】ネガフィルムをスプライステープから引き離す際の保持構造の変形例を示す側面図である(▲4▼−変形例1)。
【図20】ネガフィルムをスプライステープから引き離す際の保持構造の変形例を示す側面図である(▲4▼−変形例2)。
【図21】ネガフィルムをスプライステープから引き離す際の保持構造の変形例を示す側面図である(▲4▼−変形例3)。
【図22】ネガフィルムをスプライステープから引き離す際の保持構造の変形例を示す側面図である(▲4▼−変形例4)。
【図23】スプライステープの取り除き工程の変形例を示す側面図である(▲5▼−変形例1)。
【図24】スプライステープの取り除き工程の変形例を示す側面図である(▲5▼−変形例2)。
【図25】スプライステープの取り除き工程の変形例を示す側面図である(▲5▼−変形例3)。
【図26】スプライステープの取り除き工程の変形例を示す側面図である(▲5▼−変形例4)。
【符号の説明】
10 デスプライサ(分離装置)
12 ネガフィルム(写真フィルム)
30 分離部
48 ヘッド部
50 シリンダ
52 台座
58 本体
60 バックパッド
64 テープ支持台面
68 ベース面
78 圧縮コイルばね
Claims (4)
- 2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルム間接合部の分離装置であって、
前記写真フィルム間の接合部が位置決めされ、前記接合部中央のテープのみが対応するテープ支持台と、
前記写真フィルムの搬送経路に沿った位置に配設され、前記テープ支持台中央からの距離が予め決められており、前記テープの端部から前記接合部中央までの距離が予め定められている前記接合部のテープのエッジを検出するセンサと、
前記センサで写真フィルム又はテープの一部を検出したときに、前記接合部の中央から前記テープ支持台中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする位置決め手段と、
前記テープ支持台に対向し、加熱手段によって所定温度に加熱されたヘッド部と、
前記ヘッド部を保持し、前記写真フィルムの接合部がテープ支持台に位置決めされたとき、前記ヘッド部をテープ支持台へ接近させ、該接合部を所定の圧力で所定時間挟持する駆動手段と、
前記駆動手段によるヘッド部での所定時間の加熱加圧後に2本の写真フィルムを互いに離反する方向へ引き離す引き離し手段と、
を有する写真フィルム間接合部の分離装置。 - 2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルム間接合部の分離装置であって、
前記写真フィルム間の接合部が位置決めされ、前記接合部中央のテープのみが対応するテープ支持台と、
前記写真フィルムの搬送経路に沿った位置に配設され、前記テープ支持台中央からの距離が予め決められており、2本の写真フィルムの何れか一方の端部を検出するセンサと、
前記センサで写真フィルム又はテープの一部を検出したときに、前記接合部の中央から前記テープ支持台中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする位置決め手段と、
前記テープ支持台に対向し、加熱手段によって所定温度に加熱されたヘッド部と、
前記ヘッド部を保持し、前記写真フィルムの接合部がテープ支持台に位置決めされたとき、前記ヘッド部をテープ支持台へ接近させ、該接合部を所定の圧力で所定時間挟持する駆動手段と、
前記駆動手段によるヘッド部での所定時間の加熱加圧後に2本の写真フィルムを互いに離反する方向へ引き離す引き離し手段と、
を有する写真フィルム間接合部の分離装置。 - 2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルム間接合部の分離装置であって、
前記写真フィルム間の接合部が位置決めされ、前記接合部中央のテープのみが対応するテープ支持台と、
前記写真フィルムの搬送経路に沿った位置に2個配設され、前記テープ支持台中央からの距離が予め決められており、一方が前記テープのエッジを検出し、他方が2本の写真フィルムの何れか一方の端部を検出するセンサと、
前記センサで写真フィルム又はテープの一部を検出したときに、前記接合部の中央から前記テープ支持台中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする位置決め手段と、
前記テープ支持台に対向し、加熱手段によって所定温度に加熱されたヘッド部と、
前記ヘッド部を保持し、前記写真フィルムの接合部がテープ支持台に位置決めされたとき、前記ヘッド部をテープ支持台へ接近させ、該接合部を所定の圧力で所定時間挟持する駆動手段と、
前記駆動手段によるヘッド部での所定時間の加熱加圧後に2本の写真フィルムを互いに離反する方向へ引き離す引き離し手段と、
を有する写真フィルム間接合部の分離装置。 - 2本の写真フィルムの先後端を所定の間隔をあけて熱融着テープにて接合された接合部を分離するための写真フィルム間接合部の分離装置であって、
前記写真フィルム間の接合部が位置決めされ、前記接合部中央のテープのみが対応するテープ支持台と、
前記写真フィルムの搬送経路に沿った位置に配設され、前記テープ支持台中央からの距離が予め決められており、予め前記写真フィルムに設けられ前記写真フィルムの後端から所定の距離だけ離れた後端位置検出用パーフォレーションを検出するセンサと、
前記センサで写真フィルム又はテープの一部を検出したときに、前記接合部の中央から前記テープ支持台中央までの距離を演算し、この演算結果に基づいて写真フィルムを搬送し前記接合部のテープが前記テープ支持台に対向する位置に位置決めする位置決め手段と、
前記テープ支持台に対向し、加熱手段によって所定温度に加熱されたヘッド部と、
前記ヘッド部を保持し、前記写真フィルムの接合部がテープ支持台に位置決めされたとき、前記ヘッド部をテープ支持台へ接近させ、該接合部を所定の圧力で所定時間挟持する駆動手段と、
前記駆動手段によるヘッド部での所定時間の加熱加圧後に2本の写真フィルムを互いに離反する方向へ引き離す引き離し手段と、
を有する写真フィルム間接合部の分離装置。
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JPH07281397A (ja) | 1995-10-27 |
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