JP3566241B2 - 噴射ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1の液体を第2の液体中に浸漬されているワークに向けて噴射して該ワークのバリを洗浄除去する噴射ノズルに関し、より詳細には前記第2の液体中にキャビテーションを発生させて、該ワークの成形時、加工時、または成形加工時等に形成されたバリを容易かつ確実に洗浄除去することが可能な噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋳造、鍛造、溶接、プレス加工、成形、成形加工等で製造されたワークに残存しているバリおよび前記ワークの表面に依然として付着しているバリの切り屑、工作油等の異物を洗浄除去する装置として、キャビテーション発生装置がある。本出願人はこの種のキャビテーション発生装置として、ワークが浸漬された液中に噴射ノズルから液を噴射することに伴ってキャビテーションを発生させる装置(例えば、特開平6−134414号公報および特開平6−134415号公報参照)を提案している。具体的には、図13に示す噴射ノズル100において、噴射口106の径と該噴射口106からワークまでの距離との比を一定の範囲内とすることによって、または図14に示す噴射ノズル110において、突端部112の吐出口114の径と、噴射口106の径との比を一定の範囲とすることによって、切り屑、工作油等の異物を洗浄除去するキャビテーション発生装置を提案している。ここで該噴射ノズル100および110は、液路104から噴射口106にかけて徐々に縮径された構造107を有している(以後、該噴射ノズル100、110を収縮ノズルという)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のキャビテーション発生装置にあっては、キャビテーションの気泡の壊食力が弱く、ワークに付着する異物等を洗浄除去することは可能であるが、ワークの成形時、加工時、または成形加工時等に形成されたバリを確実に安定して除去するまでには至らなかった。
【0004】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、キャビテーションの気泡の壊食力を向上して、例えば水のみでワークにおける異物の洗浄除去やバリ取りを確実に安定して行うことが可能な、キャビテーション発生装置用の噴射ノズルを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る噴射ノズルは、噴射口から第1の液体を第2の液体中に噴射することによって前記第2の液体中にキャビテーションを発生させる噴射ノズルであって、前記第1の液体を噴射口へ流通する液路が設けられた筒状部と、前記筒状部の先端壁部に設けられ、前記第2の液体内で開口しているとともに、オリフィス状に急激に絞られている噴射口を有する噴射部とを備えて構成されている。また、前記噴射部の断面積は、前記筒状部の断面積よりも小さくなるように形成する。上記したような構成とすることで、前記噴射口においては、噴流が急激に絞られ縮流が発生する。この縮流の発生により、第1の液体の流量は減少するので、該噴射ノズルに対し前記液体を送液するポンプを小型化することが可能となり、洗浄除去に要するコストの削減が実現できる。その上、さらに強いキャビテーションを発生できるので、前記噴射ノズルからワークまでの距離を短くすることが可能となり、キャビテーション発生装置の小型化も実現できる。
【0006】
また、噴射部内において、自己共鳴させるようにしたので、キャビテーションの発生効率を著しく向上させることができる。
【0007】
また、前記噴射口を囲繞するように突端部を形成し、該突端部には前記噴射口に連通する吐出口を設けると好ましい。すなわち、このような構成とすることにより、前記吐出口内部においても噴流と第2の液体との間に強い渦流が発生する。その結果、キャビテーションの発生が促進され、ワークのバリ取り洗浄効果がさらに向上する。
【0008】
また、第2の液体内で開口しているとともに、噴射ノズルをオリフィス状に急激に絞られている噴射口を備えた噴射部材と、前記噴射口に連通する吐出口を備えた突端部材とから構成するとより好ましい。この場合、前記突端部材を噴射口を有する前記噴射ノズルの先端壁面にはめ込んで噴射ノズルを形成する。すなわち、ワークの種類に応じて噴射ノズルの形状を変えたい場合には、形状の異なる突端部材を交換するだけでよい。従って、噴射ノズルに要するコストを削減することが可能となる。

【0009】
さらに、前記噴射部材の断面積を前記筒状部材の断面積よりも小さくするように形成する。これにより、噴射部内において、自己共鳴させるようにしたので、キャビテーションの発生効率を著しく向上させることができる。
【0010】
また、前記突端部または前記突端部材の吐出口先端を面取りすることによって、さらなるキャビテーションの発生が得られる。すなわち、吐出口内部に加え、吐出口先端付近にも強い渦流が発生するため、広範囲にわたり効率よくキャビテーションを発生させることが可能となる。
【0011】
さらに、前記突端部または前記突端部材の吐出口を、テーパ状に拡開したテーパ部として形成すると、より一層強い渦流を発生させることができ、さらに高いキャビテーション効果が得られる。
【0012】
また、上記したような噴射ノズルを、第2の液体中に浸漬されたワークのバリ取りまたは洗浄を行う噴射ノズルに用いることによって、従来の収縮ノズルと比較して、該ワークにおけるより効率的なバリ、バリ屑および異物の洗浄除去を行うことができる。
【0013】
また、前記筒状部の先端壁面内側に前記噴射部と同じ断面積を有するリング部材を配設すると、リング部材の全長を変化することによって、噴射部の全長を容易に調整することが可能となり、キャビテーション発生量を制御することができる。従って、より効果的なキャビテーション発生が可能となる。
【0014】
また、噴射口の流入側端部を円弧状に加工することによって、摩耗防止と噴流の安定化を実現できる。なお、前記加工は曲率半径が0.01mm〜0.1mmの範囲で形成するようにすれば、噴流の流量は安定化し、噴射口の摩耗による流量変化を防止することができる。
【0015】
また、上記した噴射ノズルにおいて、噴射部の全長または前記噴射部とリング部材との長さを変化することによって、キャビテーション発生量を調整することが可能である。これは、噴射路内部の噴流の共鳴周波数を、噴射ノズルの形状によって決定される該噴射ノズルの固有振動数と一致したとき、噴流の共振が発生し、キャビテーションの著しい増加をもたらすが、上記した現象は、噴射部の全長または前記噴射部とリング部材との長さを変化することによって実現するからである。それ故、従来技術では得ることができない著しい量のキャビテーションが発生する。従って、ワークに対する洗浄除去を容易に行うことができる。また、噴射口の大きさおよび第1の液体の圧力が変化した場合でも、前記リング部材の全長を調整することによって、最適なキャビテーションを得ることができる。
【0016】
そして、噴射口から噴射される第1の液体に、脱気された液体を用いることによって、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。これは例えば、水道水のように溶存気体量が多いと、キャビテーションで発生する気泡径が大きくなるが、キャビテーション気泡破壊時、それら大きなキャビテーション気泡同士がクッション作用を生じてしまい、破壊時における衝撃力を弱めてしまう。しかしながら、脱気手段にてあらかじめ脱気された液体は、著しく溶存気体量が低いので、上記クッション作用が極力防止される。このため、キャビテーション気泡破壊時における衝撃力が弱まることなく最大限に発揮できるので、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。従って、異物およびバリがほとんどない良好なワークが得られる。
【0017】
さらに、前記第1の液体に加え、第2の液体も脱気された液体とすることで、より一層良好な異物の洗浄除去・バリ取り効果が得られる。
【0018】
最後に第1の液体および第2の液体は、脱気された水であることが好ましい。水を使用することにより、作業環境を安全なものとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る噴射ノズルの好適な実施形態を、図1〜図12を参照しながら説明する。
【0020】
まず、第1実施形態に係る噴射ノズル10Aは、図1に示すように液路12が設けられた筒状部材14と、該筒状部材14の先端壁部に設けられた噴射口16から構成される。さらに、前記筒状部材14は、第1の液体であるキャビテーション発生用液L1を流通する筒状部18と、噴射口16を有する噴射部20から構成される。そして、前記噴射口16から排出される第1の液体であるキャビテーション発生用液L1は、第2の液体である浸漬液L2内で開口した噴射口16を介して浸漬液L2内に噴射される。
【0021】
図1から諒解されるように、液路12の直径は、前記筒状部18の内径をD1、前記噴射部20の内径をD2とすると、D1>D2となるように設計する。また、噴射口16は直径が略一定となるように設けられている。また、筒状部材14においては、内周壁部と先端壁部とが互いに略90°の角度をなしており、また、噴射部20においても、内周壁部と先端壁部とが互いに略90°の角度をなしている。この噴射部20においては、噴射口16がオリフィス状に急激に絞られて設けられており、噴射部20における液路から噴射口16にかけて、従来の収縮ノズルのように徐々に絞られた部分は設けられていない。また、噴射部20の先端壁部に設けられた噴射口16の流入側端部24は、面取り(例えば、半径0.01〜0.1)されており、これにより噴射口16における摩耗防止と、噴流22の安定化をともに実現できる。
【0022】
また、噴射部20の全長Lを、前記噴射部20内部における噴流の共鳴周波数Nに対応させることにより、より一層多量のキャビテーションCAが得られる。すなわち、噴射口16の直径をd、マッハ数をM、噴流の流速をVとしたとき、D1/D2≫1、かつD2/d≫1であれば、Lは次式で求めることができる。
【0023】
L=K・d/(M・S) …(1)
K=(2n−1)/4 …(2)
S=N・d/V …(3)
【0024】
ただし、nは整数であり、1または2が選択される。例えば、d=0.9mm、D1=7mm、D2=3.5mmに設定した場合、n=1ではL=6.4mm、他方、n=2ではL=19.2mmにおいて著しいキャビテーションの発生が起こり得る。
【0025】
図2は、浸漬液L2に浸漬されたワーク26表面の異物やバリを、前記噴射ノズル10Aによって除去する様子を示す。噴射ノズル10Aの液路12に送液された、例えば脱気純水は、該噴射ノズル10Aを介して、キャビテーション発生用液L1として、例えば脱気純水(浸漬液L2)中に噴射される。すなわち、脱気純水は、噴射ノズル10Aを構成する筒状部材14の液路12を流通した後、該筒状部材14に設けられた噴射口16から排出され、さらに、クランプ台28に固定された状態で浸漬液L2中に浸漬されたワーク26に指向して噴射される。このとき、噴流22と浸漬液L2との摩擦によって、キャビテーションCAが多数発生する。このキャビテーションCAがワーク26に衝突した際に破壊されることに伴って生じる壊食力により、該ワーク26からバリ、切り屑および工作油(異物)が洗浄除去される。
【0026】
ここでは、溶存気体量が著しく低い脱気純水をキャビテーション発生用液L1および浸漬液L2として使用している。このため、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。従って、このときに生じる壊食力が著しく大きくなるので、異物やバリを効率よく除去することができる。
【0027】
しかも、キャビテーションCAの壊食力は著しく大きいので、複雑な形状を有するワークであっても、該ワークに残存するバリは確実に除去される。勿論、キャビテーションCAがワーク26に衝突する位置を適宜調整することによって、最適なバリ取り加工が行える。
【0028】
上記した噴射の際、図1に示すように、噴射部20の噴射口16が噴射部20内の液路に対してオリフィス状に急激に絞られているため、該噴射口16において、脱気純水の縮流COが発生する。このようにして縮流COが発生することにより、縮流COの周りには、従来の収縮ノズルでは得ることのできない大きなせん断応力が発生し、噴流22の内部から強いキャビテーションCAが発生する。また、上記したように、D1>D2とし、噴射部20の全長Lを、噴射部20内部における噴流の共鳴周波数Nに対応させる。すなわち、噴流周りの渦発生頻度と噴射部20内に生じる圧力変動の周波数とを自己共鳴長さに対応させるようにしたので、キャビテーションの発生効率を著しく向上させることができる。従って、従来の収縮ノズル100および110と比較して、ワーク26からバリ、切り屑および工作油(異物)を一層確実に除去することができる。なお、キャビテーション発生用液L1の吐出圧力が2.9〜19.6MPaに設定されているので、該キャビテーション発生用液L1の噴流が、ワーク26に衝突した場合であっても、該ワーク26が損傷することはない。
【0029】
以上のようにして、バリがほとんど存在しないワークが得られるに至る。
【0030】
そして、キャビテーション発生用液L1および浸漬液L2として、例えば脱気純水を使用すれば、ワーク26から異物やバリを効率よくかつ確実に除去することが可能となる。
【0031】
図3は、第2実施形態に係る噴射ノズル10Bの断面図を示す。
【0032】
該噴射ノズル10Bは、液路12が設けられた筒状部材14と、該筒状部材14の先端壁部に設けられた噴射口16とに加え、前記噴射口16を囲繞するように突端部30を備えている。そして、前記突端部30の一端部には円柱状孔部(リセス)32を備えた吐出口34が設けられている。なお、筒状部材14と、噴射口16と、円柱状孔部32とは、その中心が略合致する位置に設けられている。
【0033】
ここで、前記噴射ノズル10Bを図2に示すワーク26の洗浄に用いた場合について説明する。
【0034】
この噴射ノズル10Bにおいて、筒状部材14の液路12に流通した、例えば脱気純水は、該筒状部材14に設けられた噴射口16から噴流22として浸漬液L2に排出される。その際、突端部30の吐出口32を介して、クランプ台28に固定された状態で浸漬液L2中に浸漬されたワーク26に指向して噴射される。このとき、噴流22と浸漬液L2との摩擦の他に、前記噴流と円柱状孔部32近傍の浸漬液L2との間に強い渦流が発生するため、より一層多くのキャビテーションCAが発生する。従って、第1実施形態の噴射ノズル10Aの場合と比較して、さらなる該ワーク26の洗浄除去効果が得られる。
【0035】
図4は、前記噴射ノズル10Bと従来の収縮ノズル110によるワーク26の壊食量を比較したものである。この場合、噴射ノズル10Bにおける噴射部20の内径D2と、従来の噴射ノズル110における液路108の内径D3とは同じ大きさに設定している。また、噴射ノズル10Bにおける吐出口32の内径D4と、噴射ノズル100における吐出口114の内径D5も同じ大きさに設定している。そして、キャビテーション発生用液L1を7MPaの圧力で、ワーク26に対して30秒間噴射した。壊食量の最大値を比較すると噴射ノズル110の場合、0.004gであったが、噴射ノズル10Bの場合は0.016gまで増加した。すなわち、本発明に係る噴射ノズル10Bとすることによって、4倍の壊食量が得られたことになる。
【0036】
図5は、吐出口34を面取りした噴射ノズル10Cの断面図を示す。
【0037】
該噴射ノズル10Cの構成は、前記面取り以外は、噴射ノズル10Bと同じ構成である。ここで面取りした結果、前記吐出口34のなす角度θは、30°〜70°の範囲内に設定することが好ましい。このような構成とすることで、円柱状孔部(リセス)32近傍の浸漬液L2に加え、吐出口34近傍の浸漬液L2と噴流22との間にも強い渦流を発生することができ、噴射ノズル10Bよりも広範囲にわたってキャビテーションCAが発生する。従って、より強力な該ワーク26の洗浄除去効果が得られる。
【0038】
図6は、噴射ノズル10Bまたは10Cの円柱状孔部(リセス)32をテーパ状に拡径したテーパ状孔部36を備えた噴射ノズル10Dを示す。ここで、テーパ状孔部36のなす角度θは、30°〜70°の範囲内に設定することが好ましい。このような構成とすることで、テーパ状孔部36内部における噴流22の周辺に強い渦流CWが生じ、噴射ノズル10Bおよび10Cと比較して、より高いキャビテーションCA効果が得られる。従って、より効果的な該ワーク26の洗浄除去効果が得られる。
【0039】
図7は、噴射口16近傍に小径孔部38が設けられている噴射ノズル10Eを示す。この小径孔部38が存在することにより、テーパ状孔部36の中心軸と噴射口16の中心軸が位置ずれしている場合であっても、キャビテーション発生用液L1は、テーパ状孔部36の略中心軸近傍から噴射される。また、この場合でも、テーパ状孔部36のなす角度θは、30°〜70°の範囲内に設定することが好ましい。
【0040】
ここで、上記についてさらに説明すると、図6に示す噴射ノズル10Dのものでは、テーパ状孔部32と噴射口16の同軸ずれがあると、噴流22が傾いてしまったり、噴流22におけるキャビテーションCAの発生量が低下する等の不具合が発生するが、図7に示す噴射ノズル10Eのものでは、テーパ状孔部36と噴射孔16との間に小径孔部38を設けるようにしたので、上記同軸ずれの影響をなくすことが容易に可能となるからである。また、この噴射ノズル10Eは、上記のように同軸精度を高くする必要がないにもかかわらず、噴射ノズル10Dに比して、壊食力が低下することが極力抑制されるという効果もある。また、噴射ノズル10Eのものでは、同軸精度を高くする必要がないので、噴射ノズル10Dに比して、その加工工具の製作およびその加工を容易にすることができるという、さらなる効果もある。
【0041】
なお、上記の実施形態では、噴射液体として脱気純水を使用したものを示したが、この液体に限定されるものではなく、脱気水、水等でもよい。
【0042】
図8は、第3実施形態に係る噴射ノズル10Fを示す。
【0043】
これは、図3に示す噴射ノズル10Bの円柱状孔部(リセス)32が、突端部30を前記噴射ノズル10Bと別体にした突端部材40Fとして形成したものである。従って、噴射ノズル10Fの噴射部材42Fは、噴射ノズル10Aを流用したものである。この突端部材40Fを交換可能にすることで、キャビテーションCAによる円柱状孔部(リセス)32に例えば摩耗が発生しても、前記突端部材40Fのみを交換すればよいので、噴射ノズル10Fそのものを交換する必要はない。また、ワーク26の種類に応じて噴射ノズル10Fの形状を変えたい場合には、形状の異なる突端部材40Fを交換するだけでよい。従って、噴射ノズル10Fに要するコストを低減することができる。また、前記突端部材40Fの構成材料としては、焼入れ処理が施された金属や超硬合金、セラミックス等、耐摩耗性が良好なものが好適である。なお、前記突端部材40Fと噴射部材42Fとを組み合わせる方法としては、交換可能とする場合は、ねじ等によって連結され、また、例えば条件設定後で交換可能とする必要がない場合は、ろう付け、溶接、圧入、加熱融着等、どのような方法を用いてもよい。
【0044】
従って、第2実施形態に係る噴射ノズル10B〜10Eの突端部30を、前記噴射ノズルとは別体とし、突端部材として形成することができる。
【0045】
すなわち、噴射ノズル10Cは、図9に示す噴射ノズル10Gに変形することができる。この噴射ノズル10Gは、吐出口30を面取りした突端部材40Gと噴射部材42Gとを備えたものである。
【0046】
また、図10に示すように、噴射ノズル10Dを変形した噴射ノズル10Hであってもよい。この噴射ノズル10Hは、テーパ状に拡径したテーパ状孔部36を有する突端部材40Hと噴射部材42Hとを備えたものである。
【0047】
また、図11に示すように、噴射ノズル10Eを変形した噴射ノズル10Iであってもよい。この噴射ノズル10Iは、噴射口16の端部を小径孔部38とテーパ状に拡径したテーパ状孔部36を有する突端部材40Iと噴射部材42Hとを備えたものである。
【0048】
図12は第4実施形態に係る噴射ノズル10Jを示す。この噴射ノズル10Jは、筒状部18における先端壁面内側にリング部材44を配置したものであり、前記リング部材44は中空部46を有している。この噴射ノズル10Jの噴射口16の大きさ、ノズル噴射圧力等を変更する場合、最適な噴流の共鳴を得るために、前述したL寸法を調整することがあるが、リング部材44の厚さを変更することにより、L寸法を容易に調整することができる。このため、噴射ノズル10Jをあらためて製作する必要がなく、噴射ノズル10Jの製作コストの削減が可能となる。なお、このリング部材44は、本実施形態に係る噴射ノズル10Jに限らず、第1〜第3実施形態の噴射ノズルにも適用できることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】
本発明に係る噴射ノズルによれば、噴射口がオリフィス状に急激に絞られているとともに、噴射口を有する噴射部の断面積を、前記噴射部に液体を供給する筒状部の断面積よりも小さくなるように形成するため、縮流が発生するとともに、噴射部内において自己共鳴させるようにしたので、著しいキャビテーション発生が実現できる。それ故、ワークのバリ、切り屑および工作油等の異物を効率よく洗浄除去することができる。従って、清浄でかつバリのないワークを得ることができるという効果が達成される。なお、噴流液体として、脱気手段によって予め脱気された液体を噴射するようにすれば、より一層の洗浄除去効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る噴射ノズルの断面図である。
【図2】噴射ノズルによるワークの洗浄除去作業を示す図である。
【図3】第2実施形態に係る噴射ノズルであり、噴射口を囲繞する突端部を備えた噴射ノズルの断面を示す図である。
【図4】図3の噴射ノズルと、従来の噴射(収縮)ノズルのワークに対する壊食量を比較した図である。
【図5】噴射ノズルの吐出口を面取りした噴射ノズルの断面図である。
【図6】テーパ状孔部を有する突端部を備えた噴射ノズルの断面図である。
【図7】噴射ノズルの噴射口近傍に小径孔部を設けた噴射ノズルの断面図である。
【図8】第3実施形態に係る噴射ノズルであり、突端部材と噴射部材とから構成される噴射ノズルの断面を示す図である。
【図9】突端部材の先端が面取りされた噴射ノズルの断面を示す図である。
【図10】テーパ状孔部を有する突端部材を備えた噴射ノズルの断面図である。
【図11】小径孔部とテーパ状孔部とを有する突端部材を備えた噴射ノズルの断面図である。
【図12】筒状部の先端壁面内側にリング部材が配置された噴射ノズルの断面図である。
【図13】従来技術に係る噴射(収縮)ノズルの断面図である。
【図14】従来技術に係る噴射(収縮)ノズルの断面図である。
【符号の説明】
10A〜10J、100、110…噴射ノズル
12、108…液路 14…筒状部材
16、106…噴射口 18…筒状部
20…噴射部 22…噴流
24…交差部 26…ワーク
28…クランプ台 30、112…突端部
32…円柱状孔部(リセス) 34…吐出口
36…テーパ状孔部 38…小径孔部
40F〜40I…突端部材 42F〜42I…噴射部材
44…リング部材 46…中空部
L1…キャビテーション発生用液 L2…浸漬液
CA…キャビテーション CO…縮流
CW…渦流 D1…筒状部の内径
D2…噴射部の内径 D3…液路の内径
D4、D5…吐出口の内径 L…噴射部の全長

Claims (13)

  1. 噴射口から第1の液体を第2の液体中に噴射することによって前記第2の液体中にキャビテーションを発生させるとともに、前記噴射口が前記第2の液体中で開口している噴射ノズルにおいて、
    前記噴射ノズルは、前記第1の液体を前記噴射口へ流通する液路が設けられた筒状部と、前記筒状部の先端壁部に設けられ、かつオリフィス状に急激に絞られている前記噴射口を有する噴射部とを備え、
    前記噴射部は、その内周壁部と前記先端壁部とが互いに略90°の角度をなし、
    前記噴射部の断面積は、前記筒状部の断面積よりも小さく、
    前記噴射口が前記液路に対してオリフィス状で急激に絞られることにより、前記噴射口において前記第1の液体の縮流が発生すること
    を特徴とする噴射ノズル。
  2. 請求項1記載の噴射ノズルにおいて、
    噴射ノズルの噴射口を囲繞する突端部を有し、かつ前記噴射口に連通する吐出口が該突端部に設けられていること
    を特徴とする噴射ノズル。
  3. 噴射口から第1の液体を第2の液体中に噴射することによって前記第2の液体中にキャビテーションを発生させるとともに、前記噴射口が前記第2の液体中で開口している噴射ノズルにおいて、
    前記噴射ノズルは、オリフィス状に急激に絞られている噴射口を備えた噴射部材と、前記噴射口に連通する吐出口を備え、前記噴射部材の先端壁面にはめ込み可能な突端部材とから構成され
    前記噴射部材は、前記第1の液体を前記噴射口へ流通する液路が設けられた筒状部と、前記筒状部の先端壁部に設けられた前記噴射口を有する噴射部とを備え、
    前記噴射部は、その内周壁部と前記先端壁部とが互いに略90°の角度をなし、
    前記噴射口が前記液路に対してオリフィス状で急激に絞られることにより、前記噴射口において前記第1の液体の縮流が発生すること
    を特徴とする噴射ノズル。
  4. 請求項3記載の噴射ノズルにおいて
    記噴射部材の断面積は、前記筒状部材の断面積よりも小さいこと
    を特徴とする噴射ノズル。
  5. 請求項2または3記載の噴射ノズルにおいて、
    前記吐出口の先端が面取りされていること
    を特徴とする噴射ノズル。
  6. 請求項2または3記載の噴射ノズルにおいて、
    前記吐出口がテーパ状に拡開したテーパ部を有すること
    を特徴とする噴射ノズル。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の噴射ノズルにおいて、
    前記筒状部の先端壁面内側に、リング部材を配設すること
    を特徴とする噴射ノズル。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の噴射ノズルにおいて、
    前記噴射口の流入側端部を円弧状に加工すること
    を特徴とする噴射ノズル。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の噴射ノズルにおいて、
    前記噴射部の全長と、前記噴射部とリング部材との長さを調整することによって、噴射路内部の噴流の共鳴周波数を変更すること
    を特徴とする噴射ノズル。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の噴射ノズルにおいて、
    前記噴射ノズルは、前記第2の液体中に浸漬されたワークのバリ取りまたは洗浄を行う噴射ノズルであること
    を特徴とする噴射ノズル。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の噴射ノズルにおいて、
    前記第1の液体は、脱気された液体であること
    を特徴とする噴射ノズル。
  12. 請求項11記載の噴射ノズルにおいて、
    前記第1の液体および前記第2の液体は、脱気された液体であること
    を特徴とする噴射ノズル。
  13. 請求項12記載の噴射ノズルにおいて、
    前記第1の液体および前記第2の液体は、脱気された水であること
    を特徴とする噴射ノズル。
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