JP2004009292A - 構成部材輪郭を加工するための装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特にばり取りおよび/または丸み付けおよび/または硬化を行うための加工装置であって、圧縮空気を供給するための圧縮空気通路32が設けられており、研磨剤26を供給するための研磨剤通路24が設けられており、研磨剤26を噴射するための噴射ノズル34が設けられている形式のものを改良する。
【解決手段】噴射ノズル34の軸線が、圧縮空気通路32および研磨剤通路24の延伸長手方向に対して実質的に横向きに配置されており、研磨剤26の加速が、実質的に噴射ノズル34内で行われるようにした。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にばり取りおよび/または丸み付けおよび/または硬化を行うための加工装置であって、圧縮空気を供給するための圧縮空気通路が設けられており、研磨剤を供給するための研磨剤通路が設けられており、研磨剤を噴射するための噴射ノズルが設けられている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような加工装置は実際に公知であり、たとえば表面加工のためのガラス球ブラスト装置または鋼球ブラスト装置として形成されている。このような加工装置では、圧縮空気通路を介して案内される圧縮空気によって、研磨剤が、ノズル領域に供給され、このノズル領域から圧縮空気と共に噴射ノズルを介して加工しようとする表面に向かって吹き付けられる。
【0003】
内燃機関では、特に燃料噴射技術分野において、圧力負荷される構成要素もしくは構成部材の負荷は、高圧下で脈動する負荷である。この場合高い噴射圧では、場合によっては問題が生じ、一般的な形式で製作される構成部材は高い疲れ強さを有して設計することはできない。特に内部に位置する孔交差領域に存在し得るようなばり、シャープなエッジおよび凹凸は、該当する構成部材の、圧力負荷される内部領域で疲れ強さの減少をもたらす。これに基づいて、構成部材の、圧力負荷される内部領域を、均整のとれた、ばりのない、または所定の形式で丸み付けされた輪郭で被覆する必要があり、それも内部に位置するアプローチしにくい孔交差領域でも必要である。
【0004】
圧力負荷される構成部材の内部に位置する面を、たとえばサーマルデバリング法、ハイドロエロージョン(流体侵食)式の丸み付け法、電気機械式の加工法またはと粒流動加工法に基づいて加工することが実際に公知である。
【0005】
しかしながらこれらの方法は、部分的に大きな欠点を有しており、記載のこれら全ての加工方法は共通して極めてコスト高である。
【0006】
いわゆるサーマルデバリング法(TEM)では、たとえば熱作用によって不都合な引張残留応力が生じる。
【0007】
ハイドロエロージョン式の丸み付け法では、加工後の洗浄コストが極めて高くなっている。なぜならば加工に際して油が使用され、この油を除去する必要があるからである。さらに生産の信頼性が低くなっている。なぜならば塊状のばり形成に際して問題が生じるからである。
【0008】
同様に電気機械式の加工では、使用される油に基づいて、洗浄コストが比較的高くなっている。また電極と構成部材とが接触する際に生産障害が生じ得る。
【0009】
AFM(abrasive flow machining)とも呼ばれると粒流動加工の際にも同様に高い洗浄コストが生じる。その上高価な構成要素の摩耗と使用される消費材料とによって高いコストが生じる。さらにこのような方法で加工される構成部材は、場合によっては後加工する必要がある。
【0010】
さらに構成部材の内部に位置する面を加工するためにいわゆる内部−乾式−ブラスト装置(Innen−Trocken−Strahlspansysteme)が公知であり、この場合研磨材はブラストランスの延伸部に対して共軸的に加速され、必要に応じてノズルから噴出する直前に耐摩耗性の変向プレートで変向される。しかしながらこのような装置では満足できる結果がもたらされない。なぜならば変向過程によって、加工しようとする面に向かって噴射される研磨剤の噴射密度の正確に統計学的な分配が保証されていないからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の課題は、冒頭で述べたような形式の加工装置を改良することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するための本発明の装置によれば、噴射ノズルの軸線が、圧縮空気通路および研磨剤通路の延伸長手方向に対して実質的に横向きに配置されており、研磨剤の加速が、実質的に噴射ノズル内で行われるようにした。
【0013】
【発明の効果】
そのような配置構成によって、本発明の加工装置では、小さくてコンパクトな構造形式が実現され、このような構造形式によって本発明の加工装置はアプローチしにくい内室に容易に導入することができ、噴射ノズルは十分な程度に摩耗しにくいものとなっている。なぜならば研磨材が加工装置から噴出する直前で初めて噴射ノズル内で加速され、もはや変向されないからである。
【0014】
さらに本発明に基づく噴射ノズルの方向調整によって、実質的に円錐状の噴流が保証されるので、噴流密度は、噴流幅にわたって所定の統計学的な分布を有している。
【0015】
特に有利には、噴射ノズルが、ベンチュリ効果に基づいて形成されており、ここではベンチュリ効果とエジェクタ効果との組み合わせが提供される。すなわち研磨剤は圧縮空気によって吸い込まれ、圧縮空気と共に噴出され、圧縮空気がベンチュリ効果に基づいて、つまり横断面狭幅部を介して研磨剤と共に簡単な形式で加速される。
【0016】
さらに本発明の加工装置によって、該当する表面の短い加工時間が実現可能で、この場合圧縮残留応力の形成によって、加工される領域において構成部材に比較的高い疲れ強さが所与される。圧縮残留応力は、衝突時の研磨剤の衝撃作用によって形成され、この場合構成部材の、加工される領域における構造物の圧縮がもたらされる。
【0017】
本発明の加工装置の運転時のコストは極めて僅かなものとなっている。というのも圧縮空気と研磨剤とだけしか使用されないからであり、これによって低コストになっている。
【0018】
研磨剤として、たとえば鋼球または鋼粒を用いることができ、これによって加工後の洗浄コストが僅かになっている。
【0019】
さらに研磨剤たとえば鋼粒の使用によって、該当する構成部材の、加工される領域における比較的高い研磨が保証され、これによって構成部材の、加工される領域における確実なばり取りもしくは丸み付けがもたらされる。
【0020】
圧縮空気を研磨剤と共に加速することは、有利な形式では、噴射ノズルがブシュによって形成されていることによって達成することができ、このブシュは、ケーシングの軸線に対して実質的に直角に向けられており、このケーシングの長手方向で、圧縮空気通路および研磨剤通路が延びている。
【0021】
ねじ山付管に嵌め込むことのできるブシュは、有利にはケーシングの横孔に配置されていて、かつ横孔の横断面狭幅部を規定している。実質的に研磨剤の加速は、3mmより小さな長さを有することのできるブシュを通過する間に行われる。
【0022】
研磨剤通路は、有利にはブシュの上流側で、かつ圧縮空気通路の下流側で横孔に通じている。
【0023】
圧縮空気通路が少なくとも部分的に、ケーシングの周における溝によって形成されている場合、本発明の加工装置の圧縮空気通路の簡単な製作が保証されている。
【0024】
本発明にの加工装置を封入(カプセル封止)するため、もしくは圧縮空気通路を形成する溝を半径方向で制限するために、ケーシングは、外套部によって取り囲むことができる。
【0025】
研磨剤通路の開口横断面が実質的に楕円形に形成されている場合、横孔への研磨剤の特に均整のとれた導入が達成される。
【0026】
横孔へ圧縮空気を導入するために、圧縮空気通路と横孔との間に圧縮空気ノズルを配置することができる。
【0027】
本発明の加工装置の特別な実施形態では、丸い横断面を有する研磨剤通路の領域と、実質的に楕円形の横断面を有する開口横断面との間の均整のとれた移行が保証されており、研磨剤通路は少なくとも部分的に変形された孔から成っている。孔の変形された領域は次のように製作することができ、つまりケーシングを形成する、長孔を備えた素材に、スピンドルプレスによって部分的に圧力が及ぼされ、素材の部分的な変形が行われ、ひいては孔の変形が行われることによって製作することができる。
【0028】
特に本発明の加工装置は、小さな横断面を有する孔の場合に、内部に位置する孔交差領域を加工するために適している。たとえば本発明の加工装置は、10mmより小さな直径たとえば6mmの直径を有する孔に挿入できるように設計することができる。内部に位置するアプローチの困難な孔交差領域のための典型的な使用例は、コモンレール燃料噴射系のレールもしくは蓄圧器の場合に生じる。
【0029】
したがって本発明は、特に燃料噴射系の構成部材の、内部に位置する孔交差領域をばり取り、丸み付けおよび硬化するための加工装置に用いる使用法も対象としている。
【0030】
特に前述の加工装置を製作するための、構成部材輪郭を加工、たとえばばり取りおよび/または丸み付けおよび/または硬化するための装置を製作する特に有利な方法は、請求項15〜18の対象である。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図示の実施例を用いて詳しく説明する。
【0032】
図1には、ショットブラスト装置10として形成された本発明の加工装置の第1実施例が、図示していない内燃機関のコモンレール−燃料噴射系の蓄圧器12に使用されている状態で示されている。
【0033】
加工装置10は、ここでは主孔14と横孔16との間の交差領域におけるばり取りおよび丸み付けに用いられる。加工装置10は主孔14内で案内されている。ここでは交差領域は符号18もしくは20で示されており、ここから判るように、交差領域は、領域18に示したように、加工前にはばりを有して形成されていて、領域20に示したように、加工装置10による加工後には丸み付けおよびばり取り(デバリング)の行われた状態で表されている。
【0034】
加工装置10はケーシング体22を備えており、このケーシング体22の軸線は、蓄圧器12の延伸方向に対して平行に向けられている。ケーシング体22には、研磨剤26を供給するための通路24が形成されており、ここでは研磨剤26は約250μmの粒度の鋼粒(鋼球)から成っている。研磨剤26は、図示していない貯蔵容器から矢印Xの方向で研磨剤通路24に搬送される。
【0035】
研磨剤通路24は、先細の開口領域28を介してケーシング体22の横孔30に通じている。この横孔30は、ここでは5mmの直径を有している。
【0036】
図示の実施例では、蓄圧器12の内径およびケーシング体22の外径は10mmの長さを有している。研磨剤通路24の直径は6mmであり、研磨剤通路24の先細の領域の直径は3mmである。
【0037】
ケーシング体22の、研磨剤通路24とは反対側で、圧縮空気通路32は横孔30に通じており、ここでは圧縮空気通路32は、溝としてケーシング体22の周に沿って形成されていて、かつケーシング体22の延伸方向に対して平行に向けられている。圧縮空気通路32を介して、加工装置10の運転中に、圧縮空気が矢印Yで示した経路で横孔30に搬送される。ここでは圧縮空気は、圧縮空気通路32において約5barの圧力下で存在する。
【0038】
圧縮空気通路32とは反対側の端部で横孔30に、ブシュ34が嵌め込まれており、ここではこのブシュ34は、2.9mmの長さを有していて、かつ約2mmの内径を有している。図1に示した位置では、ブシュ34の軸線は、蓄圧器12の横孔16の軸線と整合している。有利には、ブシュ34は、放電加工法(Funkenerosions−Verfahren)に基づく耐摩耗性の超微粒子硬質合金から製作されている。
【0039】
ブシュ34の領域では、加工装置10と蓄圧器12の内壁との間にギャップ36が位置しており、このギャップ36はケーシング体22の切欠によって形成されている。
【0040】
加工装置10は以下に記載の形式で作動する。
【0041】
研磨剤通路24とその開口領域28とを介して研磨剤26が供給される。研磨剤は、矢印Yの方向で圧縮空気通路32を介して横孔30に搬送される圧縮空気によって横孔30に吸い込まれ、そこからブシュ34の、噴射ノズルを形成する孔を介して、加速され、実質的に円錐状の噴流で、加工装置10から孔14と孔16との間の交差領域に噴出される。
【0042】
実質的に研磨剤26の加速は、ブシュ34を通る貫通孔の短い距離で行われる。
【0043】
ノズルヘッドを成す加工装置10は、交差領域18もしくは20の加工の間に、蓄圧器12に対して半径方向運動し、軸方向運動し、連続運動しかつ振動することができ、これによって研磨剤26の噴流は、提供される使用例に応じて意図的に影響を及ぼすことができる。
【0044】
加工装置10によって噴出される研磨剤の衝撃効果は、交差領域18,20における冷間硬化つまり工作物縁部域の圧縮をもたらし、この場合残留応力の形成が助成され、このことによって蓄圧器12の疲れ強さにポジティブに働く。同時に交差領域18、20は丸み付けされる。
【0045】
ブシュ34によって形成されるノズルのコンパクトで小さな構造形式および非摩耗性(摩耗しないこと)は、研磨剤26がノズル34から噴出される直前になって初めて加速され、もはや変向されないことによって実現される。その機能は、研磨剤26を吸い込むために十分に強い負圧が横孔30に形成されることを前提としている。このことはベンチュリ効果とエジェクタ効果とを組み合わして用いることによって得られ、この場合研磨剤26は、一方では吸い込まれ、他方ではブシュにおける短い区間で十分に加速され、これによって所望の効果が得られる。
【0046】
図2〜図4には、それぞれ原理図として抽象的に本発明の加工装置40の第2実施例が示されており、この実施例の加工装置は図1の加工装置と同じ原理で作動する。
【0047】
この加工装置40と図1の加工装置との相違点によれば、ケーシング体22に形成された研磨剤通路24と圧縮空気通路32とが、同じ方向から延びてきていて、ケーシング体22の横孔30に通じている。
【0048】
ケーシング体22にはさらに接続管片42が続いており、この接続管片42は、圧縮空気管44の接続および研磨剤管46の接続に役立つ。圧縮空気管44は、ほぼリング状の中空室48に通じており、この中空室48は圧縮空気通路32に通じていて、かつケーシング体22のピン状の領域を取り囲んでおり、このピン状の領域50に、研磨剤通路24の一領域が形成されている。研磨剤管46の軸線は、研磨剤通路24の軸線と整合している。
【0049】
加工装置40は、さらに外套部52を備えており、この外套部52は圧縮空気通路32を半径方向で制限していて、かつ切欠54を備えており、この切欠54にケーシング体22の横孔30が通じている。
【0050】
圧縮空気通路32は、圧縮空気ノズル56を介して横孔30に通じており、この圧縮空気ノズル56はクランプリング58によってケーシング体22に固定されていて、かつ下流側の端面で面取部60を備えている。ノズル56は、図4に示した楕円形の開口横断面を有する研磨剤通路24の開口の上流側で、横孔30の上流側の端面に配置されている。
【0051】
さらに横孔30には、ノズルを形成するブシュ62が配置されており、このブシュ62の軸線は、ケーシング体22の軸線に対して直角に配置されており、このブシュ62はねじ山付管64に嵌め込まれおり、このねじ山付管64は、横孔30の、対応するねじ山にねじ込まれている。着脱のために、ねじ山付管64は、外側に位置する端面で、ねじ工具の係合のためのスリット66を備えている。
【0052】
さらに加工装置40は2つのねじ山付管68,70を備えており、これらのねじ山付管は、図示していない支持体に取り付けるために用いられる。
【0053】
図5のa〜図5のlには、本発明の加工装置の第3実施例の製作が示されている。この加工装置は、6mmの内径を有する管を加工するのに用いられる。
【0054】
加工装置を成すノズルヘッドを製作するために、図5のaに示した素材80が用いられ、この素材は、17mmの外径を有していて、かつ2.5mmの直径を有する偏心的に配置された長孔82を備えており、この長孔82は完成品で研磨剤通路として役立つ。素材80ははだ焼鋼たとえばタイプ20MnCrS5の鋼から成っている。
【0055】
図5のbに結果を示した最初の作業ステップでは、素材80に面平行な2つの面84,86が設けられ、この場合面86は載設面を成し、面84はスピンドルプレス88のための作用面を成し、これは図5のcに示した。
【0056】
スピンドルプレス88は作用面84の領域に当接され、その結果半径方向圧力が素材80に及ぼされ、素材80が変形される。変形によってスピンドルプレス88が当接される領域において、孔82は、距離d1だけ降下される。さらに孔82は、降下された領域において変形されるので、孔82は楕円形の横断面を有する。
【0057】
図5のdには、このような過程が、素材80の変形されない領域の端面を示す図と、変形された領域の端面を示す図とで示されている。
【0058】
次の方法ステップで、製作しようとするノズル体における孔82の位置が規定される。この位置規定は、スピンドルプレス88によって変形された孔領域の位置が正確には設定可能でない、ということに基づいて必要である。
【0059】
孔82の変形領域の規定位置に対応して、素材80は、ここでは6mmの所望の外径d2にされる。このために有利には、素材80に先ず直径d2を有する丸いピン90がフライス加工され、これは図5のeに示した。
【0060】
図5のfに示した次のステップで、素材80はその全長に沿って6mmの直径d2に旋削加工される。成形されない端部で、素材80は15°の斜面94を備えている。さらに孔82の、斜面94とは反対側の端部は、たとえば溶接キャップ96によって閉鎖される。
【0061】
図5のfにおいて矢印Gで示した観察方向に相当する方向でみた図である図5のgに結果を示した次の作業ステップで、変形および旋削加工の施された素材80に縦溝98が設けられ、この縦溝98は完成品で圧縮空気通路を成る。さらに加工された素材80に、溶接キャップ96に対応配設された端部領域で横孔100が設けられ、この横孔100はここでは3mmの直径を有していて、かつ溝98の、溶接キャップ96に向いた側の端部に通じている。
【0062】
図5のhに示した別の製作ステップで、孔82は、横孔100とは反対側の端部領域で、研磨材供給管と接続するために、4mmの直径d3に穿孔される。さらにキャップ96が取り外される。
【0063】
さらに3mmの直径を有する、圧縮空気ノズルとしてのピン104が製作され、このピン104は、素材80と同一材料から成っていて、かつ横孔100に挿入するのに用いられる。素材80とピン104とは、浸炭して硬化される。
【0064】
そのように加工された素材80は、図5のiに示したステップで、全長にわたって5.8mmの直径に研削される。さらにピン104は横孔100にたとえば接着によって固定されるので、ピン104の端面は、溝98の、半径方向内側の画設部と同一平面を成す。さらに加工された素材80に、閉鎖プレート106が設けられる。
【0065】
図5のjに示した別の方法ステップでは、ピン104は、横孔100に挿入される放電加工工具108によって次のように加工され、それも孔98が管を成すピン104を通って自由に横孔100に開口し、ピン104が溝98とは反対側の端面で、面取部110を備えるように加工される。
【0066】
さらに図5のkに示したように、有利には放電加工法に基づいて3mmの直径を有するピン素材112からブシュ114が製作され、このブシュ114は、硬質合金たとえば微粒子タイプの硬質合金から成っており、この硬質合金は商標名「Bidurit−MG12」で公知であり、かつ2mmの内径を有している。
【0067】
スリーブ114は、図5のlに結果を示した別の作業ステップで、横孔100に押し込められ、そのようにして噴射ノズルが形成される。
【0068】
ここでは5.8mmの直径を有している素材80は、最終的に6×0.1mmの寸法を有する管で被覆される。このためにノズル体は有利には深冷処理され、管は加熱され、場合によっては管に黒鉛が塗布される。
【0069】
図5のlは完成品を使用状態で示しており、この完成品は約400mmの長さを有している。このために孔114とは反対側の端部で、プラスチックスリーブ116がノズル体120に被せ嵌められてるので、孔82が研磨剤管122と接続され、溝98が圧縮空気管124と接続され、研磨剤36は圧縮空気と共にノズル114から噴出される。
【0070】
図5のlに示した加工装置は、図1に示した実施例に関して記載した原理に基づいて作動する。
【0071】
もちろん製作方法の、説明したステップは、使用例に応じて別の順序で実施することができ、場合によっては個々のステップを省略するか、または別の加工ステップを追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加工装置の第1実施例を、孔交差領域のばり取りを行う状態で示す原理図である。
【図2】本発明の加工装置の第2実施例を示す図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った、図2の実施例を示す断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿った、図2および図3の実施例を示す横断面図である。
【図5】a〜lは、本発明の加工装置の第3実施例を、製作プロセスのそれぞれ異なる製作時期で示す原理図である。
【符号の説明】
10 加工装置、 12 蓄圧器、 14 主孔、 16 横孔、 18,20 交差領域、 22 ケーシング体、 24 通路、 26 研磨剤、 28開口領域、 30 横孔、 32 圧縮空気通路、 34 ブシュ、 36 ギャップ、 40 加工装置、 42 接続管片、 44 圧縮空気管、 46研磨剤管、 48 中空室、 50 領域、 52 外套部、 54 切欠、56 圧縮空気ノズル、 58 クランプリング、 60 面取部、 62 ブシュ、 64 ねじ山付管、 66 スリット、 68,70 ねじ山付管、80 素材、 82 長孔、 84,86 面、 88 スピンドルプレス、90 ピン、 94 斜面、 96 溶接キャップ、 98 長孔、 100横孔、 104 ピン、 106 閉鎖プレート、 108 放電加工工具、110 面取部、 112 ピン素材、 114 ブシュ、 116 プラスチックスリーブ、 120 ノズル体、 122 研磨剤管、 124 圧縮空気管、 X 矢印、 Y 矢印、 d1 距離、 d2 外径、 G 矢印

Claims (18)

  1. たとえばばり取りおよび/または丸み付けおよび/または硬化を行うための加工装置であって、圧縮空気を供給するための圧縮空気通路(32,98)が設けられており、研磨剤(26)を供給するための研磨剤通路(24,82)が設けられており、研磨剤(26)を噴射するための噴射ノズル(34,62,114)が設けられている形式のものにおいて、
    噴射ノズル(34,62,114)の軸線が、圧縮空気通路(32,98)および研磨剤通路(24,82)の延伸長手方向に対して実質的に横向きに配置されており、研磨剤(26)の加速が、実質的に噴射ノズル(34,62,114)内で行われるようになっていることを特徴とする、加工装置。
  2. 噴射ノズル(34,62,114)における研磨剤(26)の加速が、ベンチュリ効果に基づいて行われるようになっている、請求項1記載の装置。
  3. 噴射ノズルが、ブシュ(34,62,114)によって形成されており、該ブシュが、ケーシング(22,80)の軸線に対して実質的に直角に向けられており、該ケーシングの長手方向で、圧縮空気通路(32,98)および研磨剤通路(24,82)が延びている、請求項1または2記載の装置。
  4. ブシュ(62)が、ねじ山付管(64)に嵌め込まれている、請求項3記載の装置。
  5. 研磨剤通路(24)が、ブシュ(34,62,114)の、上流側の端部で、かつ圧縮空気通路(32,98)の下流側で、ケーシングの横孔(30,100)に開口している、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
  6. 圧縮空気通路が、少なくとも部分的に、ケーシング(32,80)の周における溝(32,98)によって形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
  7. ケーシング(22,80)が、外套部(52)によって取り囲まれている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
  8. 研磨剤通路(24,82)の開口横断面が、実質的に楕円形である、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
  9. 圧縮空気通路(32,98)が、圧縮空気ノズル(56,104)に通じており、該圧縮空気ノズル(56,104)が、研磨剤通路(24,82)の開口の上流側に位置する、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
  10. 研磨剤通路(82)が、少なくとも部分的に変形された孔(26)から形成されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
  11. 研磨剤(26)が、鋼球または鋼粒から成っている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
  12. 圧縮空気通路(32,98)における圧縮空気が、約5barである、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
  13. 当該加工装置が、約10mmよりも小さい直径を有する丸い横断面を有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
  14. 請求項1から13までのいずれか1項記載の加工装置の使用法において、たとえば車両の燃料噴射系の構成部材の内側に位置する孔交差領域において、ばり取り、丸み付けおよび硬化を行うために用いることを特徴とする使用法。
  15. たとえば請求項1から14までのいずれか1項記載の加工装置である、構成部材輪郭にたとえばばり取りおよび/または丸み付けおよび/または硬化を行って加工するための装置を製作する方法において、
    長孔(82)を備えた実質的に円筒形の素材(80)を、プレス加工によって少なくとも部分的に変形する方法ステップ、
    孔(82)の位置を規定し、素材(80)の直径を設定可能な直径(d2)に加工する方法ステップ、
    孔(82)の一方の端部を閉鎖し、該閉鎖領域で横孔(100)を素材(80)に穿設し、完成製品で圧縮空気通路を成す縦溝(98)を該横孔(100)に開口させる方法ステップ、
    横孔(100)に応じた直径を有する管状のピン(104)を、該横孔(100)に挿入し、ピン(104)の端面を、前記長溝(98)の半径方向内側の画設部と少なくともほぼ同一平面を成すようにし、素材(80)およびピン(104)を予め有利には浸炭処理して硬化しておく方法ステップ、
    有利には放電加工によって、硬質合金から製作される、噴射ノズルを形成するブシュ(114)を、横孔(100)に挿入する方法ステップ、
    のうちの少なくともいずれか1つの方法ステップを有していることを特徴とする、加工装置を製作する方法。
  16. 素材(80)のプレス加工を、スピンドルプレス(88)によって行い、素材(80)に、有利には予めスピンドルプレス(88)のための作用面(84)と載設面(86)とを設ける、請求項15記載の方法。
  17. ピン(104)において、孔(98)から横孔(100)に向かう貫通孔を、放電加工によって組込状態で加工する、請求項15または16記載の方法。
  18. 加工された、有利には外径で研削された素材(80)に管を被覆し、素材(80)に有利には深冷処理を施し、管を加熱し、場合によっては管に黒鉛を塗布する、請求項15から17までのいずれか1項記載の方法。
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