JPH09327637A - キャビテーション気泡生成用液中ノズル装置 - Google Patents

キャビテーション気泡生成用液中ノズル装置

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JPH09327637A
JPH09327637A JP16870296A JP16870296A JPH09327637A JP H09327637 A JPH09327637 A JP H09327637A JP 16870296 A JP16870296 A JP 16870296A JP 16870296 A JP16870296 A JP 16870296A JP H09327637 A JPH09327637 A JP H09327637A
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JP
Japan
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nozzle
columnar space
liquid
forming member
jet
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JP16870296A
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English (en)
Inventor
Naohisa Abe
直久 阿部
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Maruyama Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Maruyama Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビテーション気泡生成用水中ノズル装置
10において、騒音レベルの低減を図る。 【解決手段】 高圧噴流水28を噴射する噴孔18を備える
ノズル12にフード20を取り付ける。フード20内には、前
端開口24において前方を開口する円柱空間22が形成され
ている。噴孔18から前端開口24までの距離をL、噴孔18
及び円柱空間22の径をそれぞれφd、φDとすると、1
0≦L/φd≦60、20≦φD/φd≦70とされ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、キャビテーショ
ン気泡による壊食効果を利用して洗浄、バリ取り等を行
うキャビテーション気泡生成用液中ノズル装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】キャビテーション気泡により洗浄、バリ
取り等を行うキャビテーション気泡生成用水中ノズル装
置では、ノズルより高圧水を噴射して、周囲の水と高圧
噴射水との間の大きな相対速度により飽和水蒸気圧以下
の静圧部分を作り、キャビテーション気泡(=減圧気
泡)を発生させる。そして、そのキャビテーション気泡
を、被洗浄物等の置かれている静圧の高い部分へ送り、
周囲の水をキャビテーション気泡へ急激に押し寄せさせ
ることにより、局所的に高圧の部分を発生させ、洗浄や
バリ取り等を行っている。
【0003】従来のキャビテーション気泡生成用水中ノ
ズル装置では、ノズルから高圧噴流水を水中の対象物へ
向かって噴射しているのみである。
【0004】一方、特開平6−47672号公報では、
キャビテーション気泡生成用水中ノズル装置において、
噴孔の少し上流の高圧水通路の部位に超音波振動子を配
設し、超音波振動子により生成したキャビテーション気
泡を高圧水に混入してから、噴孔より高圧噴流水を噴射
して、キャビテーション気泡の生成量を増大しようとし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の水中ノズル装置
では、騒音に対する対策がなんら為されておらず、運転
中の騒音が増大している。
【0006】なお、特開平5−212317号公報のキ
ャビテーション気泡生成用水中ノズル装置では、噴孔の
前方に柱状空間を形成し、柱状空間の前端開口から高圧
噴流水を放出するようにしているが、φD/φd=約
5、L=約φD(ただし、φd,φDはそれぞ噴孔及び
柱状空間の径、Lはノズル12から柱状空間の前端開口ま
での中心線上距離である。)であり、特別な騒音抑制機
能は生じていない。
【0007】特開平6−47672号公報では、噴孔よ
り高圧噴流水の噴射前の高圧下で超音波振動子によりキ
ャビテーション気泡を生成するようになっているので、
キャビテーション気泡が周囲の高圧水により容易に押し
潰されて、噴孔より噴射後の高圧噴流水の生成量が低
い。
【0008】この発明の目的は、騒音を抑制できるキャ
ビテーション気泡生成用液中ノズル装置を提供すること
である。この発明の他の目的は、キャビテーション気泡
の生成量を効率良く増大できるキャビテーション気泡生
成用液中ノズル装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のキャビテーシ
ョン気泡生成用液中ノズル装置(10)は次の(a)及び
(b)の要素を有している。 (a)径φdの噴孔(18)より噴射した噴流液(28)が周囲
の液体(30)との相対速度によりキャビテーション気泡を
生成するように噴流液(28)を噴孔(18)より噴射するノズ
ル(12) (b)前端開口(24)において開口して径がφDでありか
つ噴孔(18)から前端開口(24)までの噴流液(28)の経路長
がLである柱状空間(22)をノズル(12)の前方に形成する
ようにノズル(12)に取り付けられて10≦L/φd≦6
0、20≦φD/φd≦70となっている柱状空間形成
部材(20)
【0010】噴流液(28)は、ノズル(12)の噴孔(18)より
噴射され、柱状空間形成部材(20)内の柱状空間(22)を通
って、柱状空間(22)の前端開口(24)から柱状空間形成部
材(20)の前方へ出る。柱状空間(22)内では、噴孔(18)か
らの噴流液(28)と周囲の液体(30)との相対速度により静
圧が、低下して、飽和蒸気圧より低い部分が生じ、キャ
ビテーション気泡が生成される。生成されたキャビテー
ション気泡は、噴流液(28)により取り込まれて、前方へ
送られる。図2〜図4の実験結果から分かるように、1
0≦L/φd≦60、20≦φD/φd≦70と選択す
ることによりキャビテーション気泡生成用液中ノズル装
置(10)の良好な騒音抑制効果を得ることができる。φD
/φd<20では、噴流液(28)が柱状空間形成部材(20)
の内面に衝突して、噴流液(28)が弱くなる。φD/φd
>70では騒音抑制効果が不十分となる。L/φd<1
0では、騒音抑制効果が不十分である。L/φd>60
では、噴流液(28)が柱状空間形成部材(20)の内面に衝突
し、噴流液(28)が弱くなる。
【0011】この発明の他のキャビテーション気泡生成
用液中ノズル装置(10)は次の(a)〜(c)の要素を有
している。 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)が周囲の液体(3
0)との相対速度によりキャビテーション気泡を生成する
ように噴流液(28)を噴孔(18)より噴射するノズル(12) (b)前端開口(24)において開口する柱状空間(22)をノ
ズル(12)の前方に形成するようにノズル(12)に取り付け
られる柱状空間形成部材(20) (c)噴流液(28)から離れた柱状空間(22)内の部位に配
設されキャビテーション気泡(40)を生成する超音波振動
子(38)
【0012】噴流液(28)は、ノズル(12)の噴孔(18)より
噴射され、柱状空間形成部材(20)内の柱状空間(22)を通
って、柱状空間(22)の前端開口(24)から柱状空間形成部
材(20)の前方へ出る。柱状空間(22)内では、噴孔(18)か
らの噴流液(28)と周囲の液体(30)との相対速度により静
圧が、低下して、飽和蒸気圧より低い部分が生じ、キャ
ビテーション気泡が生成される。生成されたキャビテー
ション気泡は、噴流液(28)により取り込まれて、前方へ
送られる。一方、超音波振動子(38)も、柱状空間(22)内
でキャビテーション気泡(40)を生成し、このキャビテー
ション気泡(40)は、噴孔(18)からの噴流液(28)へ吸い込
まれて、相対速度により生成されたキャビテーション気
泡と共に、噴流液(28)により前方へ送られる。超音波振
動子(38)は、噴孔(18)より上流側の高圧液通路内ではな
く、噴孔(18)より下流側にある柱状空間(22)内の部位
で、すなわち比較的低圧下でキャビテーション気泡(40)
を生成して、それを噴流液(28)により前方へ送るので、
噴流液(28)中のキャビテーション気泡の量を多くでき
る。また、超音波振動子(38)の生成したキャビテーショ
ン気泡(40)を押し潰そうと超音波振動子(38)のキャビテ
ーション気泡へ押し寄せようとする液体(30)の内、柱状
空間形成部材(20)の外のものは、柱状空間形成部材(20)
により阻まれるので、噴流液(28)中のキャビテーション
気泡の量を増大できる。
【0013】この発明の他のキャビテーション気泡生成
用液中ノズル装置(10)は次の(a)〜(c)の要素を有
している。 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)が周囲の液体(3
0)との相対速度によりキャビテーション気泡を生成する
ように噴流液(28)を噴孔(18)より噴射するノズル(12) (b)前端開口(24)において開口する柱状空間(22)をノ
ズル(12)の前方に形成するようにノズル(12)に取り付け
られる柱状空間形成部材(20) (c)柱状空間形成部材(20)の後端部に形成され柱状空
間(22)へ脱気液を注入する脱気液注入口(46)
【0014】噴流液(28)は、ノズル(12)の噴孔(18)より
噴射され、柱状空間形成部材(20)内の柱状空間(22)を通
って、柱状空間(22)の前端開口(24)から柱状空間形成部
材(20)の前方へ出る。柱状空間(22)内では、噴孔(18)か
らの噴流液(28)と周囲の液体(30)との相対速度により静
圧が、低下して、飽和蒸気圧より低い部分が生じ、キャ
ビテーション気泡が生成される。生成されたキャビテー
ション気泡は、噴流液(28)により取り込まれて、前方へ
送られる。一方、柱状空間形成部材(20)の後端部の脱気
液注入口(46)からは、脱気液が柱状空間(22)へ注入さ
れ、これにより、柱状空間(22)内の液体(30)は十分に脱
気された脱気液になる。したがって、噴流液(28)と周囲
の液体(30)との相対速度による生成されたキャビテーシ
ョン気泡の威力が増大する。
【0015】この発明の他のキャビテーション気泡生成
用液中ノズル装置(10)は次の(a)〜(c)の要素を有
している。 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)が周囲の液体(3
0)との相対速度によりキャビテーション気泡を生成する
ように噴流液(28)を噴孔(18)より噴射するノズル(12) (b)前端開口(24)において開口する柱状空間(22)をノ
ズル(12)の前方に形成するようにノズル(12)に取り付け
られる柱状空間形成部材(20) (c)柱状空間形成部材(20)の後端部に形成され噴流液
(28)とはほぼ反対方向へ柱状空間(22)内の液体(30)を柱
状空間形成部材(20)の外部へ吸引、排出する吸引排出口
(46)
【0016】噴流液(28)は、ノズル(12)の噴孔(18)より
噴射され、柱状空間形成部材(20)内の柱状空間(22)を通
って、柱状空間(22)の前端開口(24)から柱状空間形成部
材(20)の前方へ出る。柱状空間(22)内では、噴孔(18)か
らの噴流液(28)と周囲の液体(30)との相対速度により静
圧が、低下して、飽和蒸気圧より低い部分が生じ、キャ
ビテーション気泡が生成される。生成されたキャビテー
ション気泡は、噴流液(28)により取り込まれて、前方へ
送られる。一方、柱状空間形成部材(20)の後端部の吸引
排出口(46)からは、柱状空間(22)内の液体(30)が噴孔(1
8)からの噴流液(28)とはほぼ逆方向へ吸引、排出され
る。これにより、柱状空間(22)における噴流液(28)と液
体(30)との相対速度が増大し、噴流液(28)中のキャビテ
ーション気泡の量を増大できる。
【0017】この発明の他のキャビテーション気泡生成
用液中ノズル装置(10)は次の(a)〜(c)の要素を有
している。 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)が周囲の液体(3
0)との相対速度によりキャビテーション気泡を生成する
ように噴流液(28)を噴孔(18)より噴射するノズル(12) (b)柱状空間(22)をノズル(12)の前方に形成するよう
にノズル(12)に取り付けられ柱状空間(22)の前端開口(2
4)が噴孔(18)の向きとは異なる向きとなるように曲げ部
(56)を備える柱状空間形成部材(20)
【0018】噴流液(28)は、ノズル(12)の噴孔(18)より
噴射され、柱状空間形成部材(20)内の柱状空間(22)を通
って、柱状空間(22)の前端開口(24)から柱状空間形成部
材(20)の前方へ出る。柱状空間(22)内では、噴孔(18)か
らの噴流液(28)と周囲の液体(30)との相対速度により静
圧が、低下して、飽和蒸気圧より低い部分が生じ、キャ
ビテーション気泡が生成される。生成されたキャビテー
ション気泡は、噴流液(28)により取り込まれて、前方へ
送られる。柱状空間形成部材(20)は曲げ部(56)を備え、
噴孔(18)からの噴流液(28)は、柱状空間(22)を通過中、
柱状空間形成部材(20)の曲げ部(56)に合わせて、向きを
噴孔(18)の向きから前端開口(24)の向きへ転換し、前端
開口(24)の向きへ柱状空間形成部材(20)から出る。
【0019】この発明の他のキャビテーション気泡生成
用液中ノズル装置(10)は次の(a)〜(c)の要素を有
している。 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)が周囲の液体(3
0)との相対速度によりキャビテーション気泡を生成する
ように噴流液(28)を噴孔(18)より噴射するノズル(12) (b)前端開口(24)において開口する柱状空間(22)をノ
ズル(12)の前方に形成するようにノズル(12)に取り付け
られる柱状空間形成部材(20) (c)柱状空間形成部材(20)の内外を連通するように柱
状空間形成部材(20)に形成されている通孔(68,70)
【0020】噴流液(28)は、ノズル(12)の噴孔(18)より
噴射され、柱状空間形成部材(20)内の柱状空間(22)を通
って、柱状空間(22)の前端開口(24)から柱状空間形成部
材(20)の前方へ出る。柱状空間(22)内では、噴孔(18)か
らの噴流液(28)と周囲の液体(30)との相対速度により静
圧が、低下して、飽和蒸気圧より低い部分が生じ、キャ
ビテーション気泡が生成される。生成されたキャビテー
ション気泡は、噴流液(28)により取り込まれて、前方へ
送られる。一方、通孔(68,70)は柱状空間形成部材(20)
の内外を連通し、液体(30)は、柱状空間形成部材(20)の
通孔(68,70)を介して柱状空間形成部材(20)の内外を出
入りすることになる。こうして、柱状空間形成部材(20)
の付加にもかかわらず、柱状空間形成部材(20)の無い場
合と同様の仕様で、キャビテーション気泡入り噴流液(2
8)をキャビテーション気泡生成用液中ノズル装置(10)か
ら出すことができる。
【0021】この発明の他のキャビテーション気泡生成
用液中ノズル装置(10)によれば、噴孔(18)及び柱状空間
形成部材(20)の径をそれぞれφd、φDとし、さらに、
噴孔(18)から前端開口(24)までの噴流液(28)の経路長を
Lとしたとき、10≦L/φd≦60、20≦φD/φ
d≦70とされる。
【0022】L/φdの範囲を上述のように選択するこ
とによりキャビテーション気泡生成用液中ノズル装置(1
0)の良好な騒音抑制効果を得ることができる。φD/φ
d<20では、噴流液(28)が柱状空間形成部材(20)の内
面に衝突して、噴流液(28)が弱くなる。φD/φd>7
0では騒音抑制効果が不十分となる。L/φd<10で
は、騒音抑制効果が不十分である。L/φd>60で
は、噴流液(28)が柱状空間形成部材(20)の内面に衝突
し、噴流液(28)が弱くなる。こうして、超音波振動子(3
8)により生成されたキャビテーション気泡(40)の付加、
脱気液注入口(46)からの脱気液の注入による強力なキャ
ビテーション気泡の生成、吸引排出口(46)からの柱状空
間(22)内の液体(30)の吸引、排出によるキャビテーショ
ン気泡の生成効率の増大、噴流液(28)の向きの転換、及
び/又は柱状空間形成部材(20)における通孔(68,70)の
形成による柱状空間形成部材(20)無しキャビテーション
気泡生成用液中ノズル装置(10)と同仕様でのキャビテー
ション気泡入り噴流液(28)の放出を、享受しつつ、騒音
を低下できる。
【0023】この発明の他のキャビテーション気泡生成
用液中ノズル装置(10)によれば、柱状空間形成部材(20)
は、ノズル(12)からの前方突出量を調整自在にノズル(1
2)に取り付けられている。
【0024】ノズル(12)からの柱状空間形成部材(20)の
前方突出量を変更して、L/φdを種々に調整すること
により、騒音抑制機能、超音波振動子(38)により生成さ
れたキャビテーション気泡の量、脱気液注入口(46)から
の脱気液の注入効果、及び/又は吸引排出口(46)からの
液体(30)の吸引、排出効果等を、種々調整できる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明を
説明する。図1は水中ノズル装置10の前端部の縦断面図
である。ノズル12は、高圧ポンプ(図示せず)から送ら
れて来る高圧水を導く高圧水通路14を内部にもち、小径
孔16は、高圧水通路14の前端側にノズル12の内部に形成
され、高圧水通路14より径を縮小され、前端において噴
孔18となっている。フード20は後端側を閉口する円筒状
であり、円柱空間22は、フード20内に形成されて、前端
開口24において前方を開口する。フード20は、軸方向へ
摺動自在に後端部をノズル12の周部に嵌合させ、留めボ
ルト26によりノズル12に留められている。留めボルト26
を緩めて、フード20をノズル12に対して摺動させること
により、ノズル12へのフード20の留め位置を調整でき
る。高圧噴流水28は、噴孔18からフード20の中心線に沿
って噴射され、円柱空間22を通過して、前端開口24より
フード20の前方へ出る。高圧噴流水28は、円柱空間22内
を通過中、円柱空間22内の周囲の水30との相対速度によ
りキャビテーション気泡を生成し、そのキャビテーショ
ン気泡を取り込んで、前端開口24の前方にある洗浄、剥
離、はつり等の作業対象物へ向かう。
【0026】Sは高圧噴流水28の横断面を指示する。ま
た、以下、記号を次のように定義する。 φd:噴孔18の径 φD:円柱空間22の径 L:噴孔18から前端開口24までの中心線上の長さ=噴孔
18から前端開口24まで高圧噴流水28の経路長
【0027】図2はφD/φd=50の場合の騒音レベ
ルとL/φdとの関係を示す実験グラフである。L1,
L2,L3はそれぞれ噴孔18における高圧噴流水28の噴
射圧が300,200,100kgf/cm^2(ただし^2は自
乗を意味する。)のときの特性を示し、フード20を取り
外したときの特性L1’,L2’,L3’とそれぞれ対
比して示している。
【0028】図3はφD/φd=30の場合の騒音レベ
ルとL/φdとの関係を示す実験グラフである。L1,
L2,L3は、図2と同様に、それぞれ噴孔18における
高圧噴流水28の噴射圧が300,200,100kgf/cm
^2のときの特性を示す。
【0029】図2及び図3から、10≦L/φd≦60
であれば、所定の騒音抑制効果を得られることが分か
る。L/φd<10では、騒音抑制効果が不十分であ
る。L/φd>60では、高圧噴流水28がフード20の内
面に衝突し、高圧噴流水28が弱まってしまう。
【0030】図4はL/φd=60の場合の騒音レベル
とφD/φdとの関係を示す実験グラフである。φD/
φdが増大するに連れて、騒音レベルが増大している
が、φD/φd<20では、高圧噴流水28がフード20の
内面に衝突して、高圧噴流水28が弱くなる。φD/φd
>70では騒音抑制効果が不十分となる。
【0031】図1の水中ノズル装置10において、留めボ
ルト26を緩めて、ノズル12に対してノズル12の中心線方
向へフード20を摺動させ、L/φdを、噴孔18からの高
圧噴流水28の噴射圧等の条件に応じた値に調整すること
ができる。
【0032】図5は超音波振動子38を装備する水中ノズ
ル装置10の前端部の縦断面図、図6は図5の超音波振動
子38の範囲の詳細図である。なお、図5以降に種々の水
中ノズル装置10が示されるが、どの水中ノズル装置10
も、L/φd及びφD/φdについては、図1の水中ノ
ズル装置10と同じ数値範囲として、騒音レベルの低減を
実現している。図5及び図6の水中ノズル装置10につい
て、図1との相違点について述べると、超音波振動子38
は、噴孔18の近傍においてフード20の内周部に配設され
る。超音波振動子38により生成されたキャビテーション
気泡40は、高圧噴流水28に吸引され、高圧噴流水28と水
30との相対速度により生成されたキャビテーション気泡
と合流して、高圧噴流水28により前方へ送られる。円柱
空間22は、さほど圧力が高くなく、超音波振動子38によ
り生成されたキャビテーション気泡40は、周囲の高圧に
より直ちに押し潰されることなく、高圧噴流水28に吸引
されて、運ばれる。超音波振動子38により生成されたキ
ャビテーション気泡40が、高圧噴流水28により生成され
たキャビテーション気泡に加わって、高圧噴流水28によ
り運ばれるので、多量のキャビテーション気泡を被洗浄
物等へ当てて、作業効果を高めることができる。
【0033】図7は導管46を装備する水中ノズル装置10
の前端部の縦断面図である。図1との相違点について述
べると、導管46は、円柱空間22の底面と内周面との境界
角部に、フード20の中心線に対してやや傾斜した向きで
開口し、ポンプ48と円柱空間22とを相互に接続してい
る。ポンプ48が吐出側を導管46へ接続している場合に
は、ポンプ48は、導管46を介して脱気水を適切な流量で
円柱空間22内へ送り込み、これにより、水30は脱気水と
なり、結果、高圧噴流水28と水30との相対速度により生
成されたキャビテーション気泡の威力が増大する。すな
わち、水30に空気が混入している場合には、高圧噴流水
28と水30との相対速度による生成される気泡が空気をわ
ずかながらも混入するものとなり、キャビテーション気
泡による洗浄等の威力が低下する。
【0034】ポンプ48の吸引側を導管46へ接続する場合
は、ポンプ48の運転により、円柱空間22内から水30が高
圧噴流水28の方向とはほぼ反対方向へ導管46の方へ向か
って、吸引され、導管46より円柱空間22から排出され
る。結果、高圧噴流水28と水30との相対速度差が増大
し、高圧噴流水28によるキャビテーション気泡の生成効
率を上げることができる。
【0035】図8はフード20が前端側において湾曲して
いる水中ノズル装置10の前端部の縦断面図である。図1
との相違点を述べると、この水中ノズル装置10では、フ
ード20は、前端部が湾曲部56となっており、前端開口24
は、噴孔18の向きに対してほほ直角方向の向きとなって
いる。高圧噴流水28は、噴孔18から噴射された後、湾曲
部56の湾曲に沿って向きを転換し、前端開口24の向きで
フード20から出る。
【0036】図9は図8の水中ノズル装置10の使用状態
を示している。ワーク58は、貫通孔としての切り穴60を
備え、切り穴60の一端側の周囲には、切り穴60が存在す
る。ワーク58は、バリ62の削除のために、水中に沈めら
れ、所定のアクチュエータにより上下動、及び鉛直線の
周りの回転等を行われて、水中内での向きや位置を適宜
変更される。フード20は、水中内において、ワーク58の
バリ取りのために、切り穴60の中心線に沿って切り穴60
内へ挿入される。そして、前端開口24をバリ62に対峙さ
せて、前端開口24より出て来る高圧噴流水28をバリ62に
当てて、バリ62をワーク58から削除する。
【0037】図10はフード20が通孔68及び通孔70を備
えている水中ノズル装置10の前端部の縦断面図である。
複数個の通孔68は、フード20のノズル12側の端壁に、ノ
ズル12に平行に穿設され、フード20の内外を連通してい
る。通孔70は、通孔68より大径であり、フード20の軸方
向中間部において周壁に穿設され、フード20の内外を連
通している。通孔68及び通孔70により、それらを介して
水30がフード20の内外を行き来することになり、円柱空
間22内の高圧噴流水28の存在にもかかわらず、円柱空間
22内の水30は、フード20の外と水30と同一の圧力にな
り、フード20をノズル12に取り付けないときの水中ノズ
ル装置10の仕様で、フード20付きの水中ノズル装置10を
使用することができる。そして、騒音レベルの低減につ
いては、フード20により、図1の水中ノズル装置10と同
様に、達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】水中ノズル装置の前端部の縦断面図である。
【図2】φD/φd=50の場合の騒音レベルとL/φ
dとの関係を示す実験グラフである。
【図3】φD/φd=30の場合の騒音レベルとL/φ
dとの関係を示す実験グラフである。
【図4】L/φd=60の場合の騒音レベルとφD/φ
dとの関係を示す実験グラフである。
【図5】超音波振動子を装備する水中ノズル装置の前端
部の縦断面図、図6は図5の超音波振動子の範囲の詳細
図である。
【図6】図5の超音波振動子の範囲の詳細図である。
【図7】導管を装備する水中ノズル装置の前端部の縦断
面図である。
【図8】フードが前端側において湾曲している水中ノズ
ル装置の前端部の縦断面図である。
【図9】図8の水中ノズル装置の使用状態を示してい
る。
【図10】フードが通孔及び通孔を備えている水中ノズ
ル装置の前端部の縦断面図である。
【符号の説明】
10 水中ノズル装置(キャビテーション気泡生成用
液中ノズル装置) 12 ノズル 18 噴孔 20 フード(柱状空間形成部材) 22 円柱空間(柱状空間) 24 前端開口 28 高圧噴流水(噴流液) 30 水(液体) 38 超音波振動子 40 キャビテーション気泡 46 導管(脱気液注入口 吸引排出口) 56 湾曲部(曲げ部)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)径φdの噴孔(18)より噴射した噴
    流液(28)が周囲の液体(30)との相対速度によりキャビテ
    ーション気泡を生成するように噴流液(28)を前記噴孔(1
    8)より噴射するノズル(12)、及び(b)前端開口(24)に
    おいて開口して径がφDでありかつ前記噴孔(18)から前
    記前端開口(24)までの噴流液(28)の経路長がLである柱
    状空間(22)を前記ノズル(12)の前方に形成するように前
    記ノズル(12)に取り付けられて10≦L/φd≦60、
    20≦φD/φd≦70となっている柱状空間形成部材
    (20)、を有していることを特徴とするキャビテーション
    気泡生成用液中ノズル装置。
  2. 【請求項2】 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)
    が周囲の液体(30)との相対速度によりキャビテーション
    気泡を生成するように噴流液(28)を前記噴孔(18)より噴
    射するノズル(12)、(b)前端開口(24)において開口す
    る柱状空間(22)を前記ノズル(12)の前方に形成するよう
    に前記ノズル(12)に取り付けられる柱状空間形成部材(2
    0)、及び(c)前記噴流液(28)から離れた前記柱状空間
    (22)内の部位に配設されキャビテーション気泡(40)を生
    成する超音波振動子(38)、を有していることを特徴とす
    るキャビテーション気泡生成用液中ノズル装置。
  3. 【請求項3】 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)
    が周囲の液体(30)との相対速度によりキャビテーション
    気泡を生成するように噴流液(28)を前記噴孔(18)より噴
    射するノズル(12)、(b)前端開口(24)において開口す
    る柱状空間(22)を前記ノズル(12)の前方に形成するよう
    に前記ノズル(12)に取り付けられる柱状空間形成部材(2
    0)、及び(c)前記柱状空間形成部材(20)の後端部に形
    成され前記柱状空間(22)へ脱気液を注入する脱気液注入
    口(46)、を有していることを特徴とするキャビテーショ
    ン気泡生成用液中ノズル装置。
  4. 【請求項4】 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)
    が周囲の液体(30)との相対速度によりキャビテーション
    気泡を生成するように噴流液(28)を前記噴孔(18)より噴
    射するノズル(12)、(b)前端開口(24)において開口す
    る柱状空間(22)を前記ノズル(12)の前方に形成するよう
    に前記ノズル(12)に取り付けられる柱状空間形成部材(2
    0)、及び(c)前記柱状空間形成部材(20)の後端部に形
    成され前記噴流液(28)とはほぼ反対方向へ前記柱状空間
    (22)内の液体(30)を前記柱状空間形成部材(20)の外部へ
    吸引、排出する吸引排出口(46)、を有していることを特
    徴とするキャビテーション気泡生成用液中ノズル装置。
  5. 【請求項5】 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)
    が周囲の液体(30)との相対速度によりキャビテーション
    気泡を生成するように噴流液(28)を前記噴孔(18)より噴
    射するノズル(12)、及び(b)柱状空間(22)を前記ノズ
    ル(12)の前方に形成するように前記ノズル(12)に取り付
    けられ前記柱状空間(22)の前端開口(24)が前記噴孔(18)
    の向きとは異なる向きとなるように曲げ部(56)を備える
    柱状空間形成部材(20)、を有していることを特徴とする
    キャビテーション気泡生成用液中ノズル装置。
  6. 【請求項6】 (a)噴孔(18)より噴射した噴流液(28)
    が周囲の液体(30)との相対速度によりキャビテーション
    気泡を生成するように噴流液(28)を前記噴孔(18)より噴
    射するノズル(12)、(b)前端開口(24)において開口す
    る柱状空間(22)を前記ノズル(12)の前方に形成するよう
    に前記ノズル(12)に取り付けられる柱状空間形成部材(2
    0)、及び(c)前記柱状空間形成部材(20)の内外を連通
    するように前記柱状空間形成部材(20)に形成されている
    通孔(68,70)、を有していることを特徴とするキャビテ
    ーション気泡生成用液中ノズル装置。
  7. 【請求項7】 前記噴孔(18)及び前記柱状空間形成部材
    (20)の径をそれぞれφd、φDとし、さらに、前記噴孔
    (18)から前記前端開口(24)までの噴流液(28)の経路長を
    Lとしたとき、10≦L/φd≦60、20≦φD/φ
    d≦70となっていることを特徴とする請求項2〜6の
    いずれかに記載のキャビテーション気泡生成用液中ノズ
    ル装置。
  8. 【請求項8】 前記柱状空間形成部材(20)は、前記ノズ
    ル(12)からの前方突出量を調整自在に前記ノズル(12)に
    取り付けられていることを特徴とする請求項1〜7のい
    ずれかに記載のキャビテーション気泡生成用液中ノズル
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003080117A (ja) * 2001-09-07 2003-03-18 Keihin Corp 噴射ノズル
JP2003080119A (ja) * 2001-09-07 2003-03-18 Keihin Corp 噴射ノズル
JP2007203235A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Sugino Mach Ltd 液中ウォータージェット噴射装置およびそれに用いるキャビテーション消去器
JP2020151697A (ja) * 2019-03-12 2020-09-24 株式会社オプトジャパン 噴射ノズル及び気液混合流体生成方法

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