JP3565828B2 - 管球およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスバルブの外表面に透光赤外線反射膜が設けられた管球、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、管球の省エネルギー化および高効率化を目的として、ガラスバルブ外表面に透光赤外線反射膜が設けられたハロゲン電球等の管球が広く実用化されている。透光赤外線反射膜は、例えば、低屈折率の金属酸化物膜(低屈折率層)と高屈折率の金属酸化物膜(高屈折率層)とを複数交互に積層した多層干渉膜より構成される。透光赤外線反射膜は、フィラメントから放射された光のうち赤外線を選択的に反射させてフィラメントに帰還させることにより発光効率を向上させて、上記目的を達成している。
【0003】
さらに、透光赤外線反射膜を透過する光を拡散させることで管球から放射される光の光色を平均化して光色の変化を軽減するために、シリカ粉末等の拡散性粉末をガラスバルブ内面に被着させて拡散膜を形成した管球も実用化されている。しかしながら、拡散膜がガラスバルブ内面に形成された管球の場合、ガラスバルブ外表面に透光赤外線反射膜を設けても、拡散膜の介在によって赤外線反射効果が十分に得られない。これは、フィラメントから放射された光が透光赤外線反射膜に到達する前にガラスバルブ内面の拡散膜にて拡散されるので、透光赤外線反射膜による赤外線反射特性が十分に発揮されないためである。このため、ガラスバルブ内面に拡散膜が設けられた管球は、省エネルギー化および高効率化を達成することができなかった。
【0004】
また、拡散膜をガラスバルブ内面に設けて光拡散性を持たせる構成ではなく、ガラスバルブ外面または内面に凹凸を設けて粗面化することでガラスバルブ自体に光拡散性を持たせ、このようなガラスバルブの外表面に透光赤外線反射膜を設ける構成の電球が、例えば実開昭56−90367号公報に開示されている。しかしながら、この構成においても、やはり透光赤外線反射膜にフィラメントからの光が到達する前に光が拡散されるので、赤外線反射性が十分に発揮されず、省エネルギー化、高効率、長寿命化が達成できなかった。
【0005】
そこで、透光赤外線反射膜による十分な効果が得られ、かつ、光拡散性も有する管球の構成として、ガラスバルブに対して透光赤外線反射膜よりも外側に拡散膜を設ける構成が提案された。透光赤外線反射膜の外側に拡散膜を形成する方法としては、透光赤外線反射膜の外表面に拡散物質材料からなる微粒子を塗布し、その後焼付けを行う方法(以下、拡散物質塗布方法とする。)が用いられた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この拡散物質塗布方法を用いて拡散膜を形成する場合には、次のような二つの問題があった。
【0007】
まず一つは、拡散物質塗布方法を用いて透光赤外線反射膜よりも外側に拡散膜を形成した管球では、光透過性が低下してしまうという問題である。このため、良好な光透過性と光拡散性とを共に実現する管球を形成することが困難であった。
【0008】
もう一つは、ガラスバルブがいわゆるソーダガラス等の低融点ガラス材料(歪点が550℃以下程度のガラス材料)からなる場合は適用できないという問題である。上述のとおり、拡散物質塗布方法には焼付けという高温処理が含まれる。このような高温処理は、ガラスバルブが石英ガラス等の高融点ガラス材料からなる場合は問題ないが、低融点ガラス材料からなる場合はガラスバルブがこの処理温度に耐えられない。従って、ガラスバルブが低融点ガラス材料からなる場合は拡散物質塗布方法を適用することができず、透光赤外線反射膜の外側に拡散膜を設けることができなかった。
【0009】
本発明はこれらの問題を解決するために、ガラスバルブの材料が高融点ガラス材料であるか低融点ガラス材料であるかにかかわらず、透光赤外線反射膜による赤外線反射効果が十分に得られ、かつ、良好な光透過性と光拡散性とを共に実現できる管球を提供し、さらにその管球の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の管球は、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの外表面に設けられた透光赤外線反射膜と、前記ガラスバルブの外表面に対して最も外側に配置された拡散膜とを備えた管球であって、前記拡散膜が設けられていない状態の輝度(輝度A)と前記拡散膜が設けられた状態での輝度(輝度B)との比(輝度B)/(輝度A)が0.7以下であり、かつ、光透過率が95%以上であるとともに、前記拡散膜は、酸化タンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化モリブデンのうちの少なくとも二種を含むことを特徴とする。ただし、輝度Aおよび輝度Bは、ガラスバルブ内部にフィラメントを配置して前記フィラメントを発光させ、前記フィラメント上の発光中心付近における最大輝度を測定することにより得られる値である。なお、本発明においては、輝度比(輝度B)/(輝度A)を光拡散性を示す尺度として用いており、この輝度比が1に近づくほど光拡散性が悪く、0に近づくほど光拡散性が良いということになる。また、本明細書における光透過率とは可視光透過率のことである。また、ここでの光透過率の値は、ガラスバルブに拡散膜が形成された状態での値である
【0011】
本発明の構成においては、ガラスバルブの外表面に対して最も外側に拡散膜が配置される。このため、フィラメントから放射された光が透光赤外線反射膜に到達する前に拡散されて透光赤外線反射膜の赤外線反射性が十分に発揮されなくなるという問題が生じず、透光赤外線反射膜による効果、すなわち省エネルギー化および高効率化の諸特性を損なうことがない。また、実用上好ましい光拡散性(輝度比0.7以下)を実現しつつ、同時に光透過率95%以上の良好な光透過性も実現している。このように、本発明の管球によれば、透光赤外線反射膜による赤外線反射効果が十分に得られ、かつ、良好な光透過性と光拡散性とを共に実現できる。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の管球は、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの外表面に設けられた透光赤外線反射膜と、前記ガラスバルブの外表面に対して最も外側に配置された拡散膜とを備えた管球であって、前記ガラスバルブが歪点550℃以下のガラス材料からなり、かつ、光透過率が95%以上であるとともに、前記拡散膜は、酸化タンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化モリブデンのうちの少なくとも二種を含むことを特徴とする。なお、ここでの光透過率の値は、ガラスバルブに拡散膜が形成された状態での値である。
【0013】
本発明の第2の管球は、歪点が550℃以下の低融点ガラス材料からなるガラスバルブを用いているが、透光赤外線反射膜よりも外側に拡散膜が配置された構成を実現している。従って、透光赤外線反射膜による効果、すなわち省エネルギー化および高効率化の諸特性を損なうことなく、光拡散性を示すことができる。さらに、光透過率95%以上の良好な光透過性も同時に実現できる。
【0014】
また、本発明の第2の管球において、前記拡散膜が設けられていない状態の輝度(輝度A)と前記拡散膜が設けられた状態での輝度(輝度B)との比(輝度B)/(輝度A)が0.7以下であることが好ましい。ただし、輝度Aおよび輝度Bは、ガラスバルブ内部にフィラメントを配置して前記フィラメントを発光させ、前記フィラメント上の発光中心付近における最大輝度を測定することにより得られる値である。より良好な光拡散性を実現するためである。なお、ここでも、輝度比(輝度B)/(輝度A)は光拡散性を示す尺度として用いており、この輝度比が1に近づくほど光拡散性が悪く、0に近づくほど光拡散性が良いということになる。
【0015】
本発明の第1および第2の管球においては、拡散膜に含まれる金属元素全体に対するタンタル元素のモル百分率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。ガラスバルブに設ける拡散膜としてより効果的な光拡散性を実現するためである。
【0016】
また、本発明の管球の製造方法は、ガラスバルブの外表面に透光赤外線反射膜を形成する第1の工程と、前記透光赤外線反射膜の外表面に、酸化タンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化モリブデンのうちの少なくとも二種を含む透光金属酸化物膜を形成する第2の工程と、前記透光金属酸化物膜の外表面にプラズマエッチングを施すことにより拡散膜を形成する第3の工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の方法は、プラズマエッチングにより透光金属酸化物膜の表面に凹凸を形成することで、透光金属酸化物膜に拡散性をもたせて拡散膜とする方法である。このため、本発明の方法によれば、拡散物質塗布方法のように高温処理の問題を考慮する必要がないので、ガラスバルブが低融点ガラス材料からなる場合であっても使用でき、透光赤外線反射膜よりも外側に拡散膜を形成できる。さらに、本発明の方法にて拡散膜を形成した場合は光透過率の低下も生じにくい。このように、本発明の方法によれば、ガラスバルブの材料が高融点ガラス材料であるか低融点ガラス材料であるかにかかわらず、透光赤外線反射膜による赤外線反射効果が十分に得られ、かつ、良好な光透過性と光拡散性とを共に実現できる管球を作製できる。さらに、本発明の方法は、微粒子を含んでいなくてもよいから微粒子の被着強度の問題も考慮する必要がなく、製造時の作業性も向上するという点でも優れているといえる。
【0018】
本発明の管球の製造方法においては、前記プラズマエッチングの際に用いられるプラズマ励起型の反応性ガスが四弗化炭素を含んでいることが好ましく、四弗化炭素、四弗化炭素+水素、および四弗化炭素+酸素のうち何れか一種であることが好ましい。
【0019】
本発明の管球の製造方法においては、前記透光金属酸化物膜に含まれる金属元素全体に対するタンタル元素のモル百分率が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。ガラスバルブに設ける拡散膜としてより効果的な拡散性を実現するためである。
【0020】
本発明の管球の製造方法においては、ガラスバルブが低融点ガラス材料からなる場合でも用いることができるように、前記第1の工程および第2の工程ではスパッタリング法を用いて前記透光赤外線反射膜および透光金属酸化物膜を形成することが好ましい。従って、本発明の管球の製造方法においては、ガラスバルブを歪点550℃以下のガラス材料にて形成することも可能である。
【0021】
本発明の管球の製造方法においては、前記第3の工程において、前記ガラスバルブを回転させながら前記透光性金属酸化物膜にプラズマエッチングを施すことが好ましい。透光性金属酸化物膜全体に対し、エッチング度合いを均一にするためである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図1を参照しながら説明する。
【0023】
図1(a)は本実施の形態における管球の概略構成を示す断面図であり、図1(b)は(a)に示された管球のA部分を拡大した断面図である。なお、本発明の特徴はガラスバルブの外表面に形成される拡散膜にあるため、図1においては管球の詳細な構成を省略している。
【0024】
ソーダガラスや石英ガラス等の材料からなる回転楕円型形状のガラスバルブ1の外表面には透光赤外線反射膜2が被着され、さらに透光赤外線反射膜2の外表面には拡散膜3が被着されている。
【0025】
透光赤外線反射膜2は、高屈折率層と低屈折率層とを交互に複数層重ねて形成した多層干渉膜よりなる。本実施の形態においては、高屈折率層の材料として酸化タンタル膜(Ta膜)、低屈折率層の材料としてシリカ膜(SiO膜)が用いられている。
【0026】
拡散膜3は、酸化タンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化モリブデンのうちの少なくとも二種を含む透光金属酸化物より形成されている。図1(b)に示すように、拡散膜3の外表面は凹凸面4となっている。拡散膜3は、透光金属酸化物膜の外表面をプラズマエッチングして微細な凹凸面4を形成することにより、白濁した光拡散性を有する膜として仕上げられている。前記プラズマエッチングは、透光金属酸化物に対して侵食性を有する気体を用いて行われ、例えば四弗化炭素を含む気体を用いて行われる。また、プラズマエッチングを施す際には、ガラスバルブ1を回転させながら行うことが好ましい。透光金属酸化物膜全体に対し、エッチング度合いを均一にするためである。
【0027】
なお、ハロゲン電球等のようにガラスバルブ1が石英ガラス等の高融点ガラス材料からなる場合は問題ないが、一般的な白熱電球のようにガラスバルブ1がソーダガラス等の低融点ガラス材料からなる場合は、処理温度に制約がある。透光赤外線反射膜2や拡散膜3を形成するために透光金属酸化物膜を成膜する方法としてCVD(Chemical Vapor Deposition)法やディップ法を用いると、高温処理が不可欠となる。ディップ法で透光赤外線反射膜2を形成するに際しては、例えばシリカと酸化チタンの原料を含む有機液槽の一つにガラスバルブ1を浸漬した後、乾燥および約600℃で焼付けし、さらに次の有機液槽に浸漬後、乾燥および焼付けをするというように、浸漬・乾燥・焼付けの工程を複数回くり返して、多層の透光金属酸化物膜をガラスバルブ1の表面に被着させることとなる。ガラスバルブ1が石英ガラスや高珪酸ガラス等の高融点ガラス材料ではなく、例えばソーダガラス等の低融点ガラス材料よりなる場合は、約600℃での焼付け工程という高温処理のため採用できない。同様にCVD法の場合にも、例えばシリカや酸化タンタルなどが、高温のガラスバルブ温度もしくは雰囲気温度で、ガラスバルブ1に交互に複数回CVD処理される。従って、前記ディップ法同様、ガラスバルブ1の材料によって適、不適がわかれる。
【0028】
このため、ガラスバルブ1がソーダガラス等の低融点ガラス材料からなる場合は、CVD法やディップ法ではなくスパッタリング法を用いて透光金属酸化物膜を成膜し、透光赤外線反射膜2および拡散膜3を形成することが好ましい。
【0029】
なお、ガラスバルブ1が石英ガラス等の高融点ガラス材料からなる場合は、スパッタリング法、CVD法、およびディップ法等から、ガラスバルブ1の形状に応じて作業性の良い方法を任意に選択して実施できる。
【0030】
また、上述のとおり、四弗化炭素ガスを用いてプラズマエッチング処理を行う拡散膜3は、酸化タンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化モリブデンのうちの少なくとも二種を含む透光金属酸化物より形成されているが、他の金属酸化物にて形成した場合は十分な拡散効果が得られなかった。さらに検討を行ったところ、拡散膜3に含まれる金属元素において、タンタル元素がモル百分率で50%以上含まれており、他にチタン元素、モリブデン元素、およびタングステン元素等のうち少なくとも一種が含まれていることが好ましく、さらに、タンタル元素がモル百分率で60%以上である場合、特に光拡散性に優れた拡散膜が得られることが確認できた。
【0031】
以上のような方法で拡散膜3を作製することにより、拡散膜が設けられていない状態の輝度(輝度A)と拡散膜が設けられている状態の輝度(輝度B)との輝度比(輝度B)/(輝度A)が0.7以下程度の高い光拡散性を有し、かつ、光透過率95%以上の良好な光透過性を示す管球を提供できる。また、より望ましい光拡散性は、輝度比を0.6以下にすることである。
【0032】
なお、本実施の形態においては回転楕円型形状のガラスバルブ1を用いたが、直管状の石英管やボール形電球に用いる略球状のソーダガラスバルブを用いても、同様の効果を得ることが可能である。
【0033】
また、本実施の形態ではプラズマエッチング処理の際に四弗化炭素ガスを用いたが、四弗化炭素を主成分とするプラズマ励起型の反応性ガス(例えば四弗化炭素+水素、四弗化炭素+酸素)であれば、他のガスであっても構わない。
【0034】
【実施例】
以下に、本発明の管球およびその製造方法について、具体的に説明する。
【0035】
(実施例1)
本実施例では、ガラスバルブ1として、定格110V、90WのE11口金付きハロゲン電球用の回転楕円型発光部形状を有する、石英ガラス材(最大径14mm、長さ70mm、歪点990℃)のガラスバルブを用いた。
【0036】
まず、CVD法により、ガラスバルブ1の外表面に酸化タンタル(Ta)とシリカ(SiO)の透光薄膜を9層ずつ交互に被着して、約3μmの厚さを有する透光赤外線反射膜2を形成した。
【0037】
次に、透光赤外線反射膜2の外表面に透光金属酸化物膜を形成し、さらにプラズマエッチング方法を用いてこの透光金属酸化物膜の表面に凹凸を形成することで拡散膜3を形成するのだが、本実施例においては、拡散膜3と比較するために、拡散物質塗布方法を用いて白色拡散膜も作製した。すなわち、拡散膜3が設けられた透光赤外線反射膜2付ガラスバルブ1と、白色拡散膜が設けられた透光赤外線反射膜2付ガラスバルブ1との2種類を作製し、比較を行った。以下に、(イ)プラズマエッチング方法、および比較例としての(ロ)拡散物質塗布方法、それぞれの方法を用いた拡散膜の作製方法と比較結果とについて説明する。
【0038】
(イ)プラズマエッチング方法
透光赤外線反射膜2付ガラスバルブ1の外表面に、酸化タンタル、酸化モリブデン、および酸化チタンを含む透光金属酸化物膜を膜厚約0.3〜0.5μm程度になるように高周波スパッタリング法により成膜した。この透光金属酸化物膜に含まれる金属元素においては、タンタル元素が75mol%、モリブデン元素が24mol%、チタン元素が1mol%であった。具体的には、高真空室内に、成膜源となる酸化タンタル等の金属酸化物で構成されたターゲットとガラスバルブ1を配置し、約13MHz、600Wの高周波電力を供給し、さらにアルゴンガスを導入してスパッタリングを行った。その後、四弗化炭素を用いてプラズマエッチング処理を行い、透光金属酸化物膜の外表面に微細な凹凸面4を形成した。以上のような工程で、外表面が微細な凹凸面4を有する透光金属酸化物膜よりなる、白濁した拡散膜3を形成した。
【0039】
(ロ)拡散物質塗布方法
まず、拡散物質塗布方法を用いて拡散物質材料からなる微粒子を透光赤外線反射膜2の外表面に塗布した。具体的には、まず、シリカ微粉末を主成分とする無機白色微粉末をイソプロピルアルコール液と混合して得られる白色サスペンションを準備し、この白色サスペンションを透光赤外線反射膜2付ガラスバルブ1の外表面に塗布した後で焼付けて、白色拡散膜を形成した。
【0040】
以上のような(イ)、(ロ)の方法で作製された管球それぞれについての光拡散性を、次のような方法で測定した。まず、拡散膜を形成する前のクリアバルブ状態の管球に対し、電球フィラメントの最大輝度(輝度A)を測定した。次いで、輝度Aを測定した管球に(イ)および(ロ)それぞれの方法を用いて拡散膜を形成し、それぞれについて電球フィラメントの最大輝度(輝度B)を測定した。最大輝度は、110Vで点灯させた電球フィラメント上の発光中心付近における最大の輝度を輝度計を用いて測定した。そして、(輝度B)/(輝度A)の輝度比を光拡散性の尺度とした。この輝度比が1に近いほど光拡散性が悪く、0に近いほど光拡散性が良いということになる。(イ)、(ロ)それぞれの方法で作製した管球の輝度比は、(イ)0.53、(ロ)0.58であった。この結果から、(イ)、(ロ)の方法で作製した拡散膜は、共に実用上好ましい光拡散性を示すことが確認できた。
【0041】
次に、(イ)、(ロ)それぞれの方法で作製された管球の光透過率について比較した。なお、光透過率の測定は次のように行った。まず、積分球内に小型ハロゲン電球を配置し、その全光束値(光束値A)を測定した。次に、その小型ハロゲン電球に管球を被せて全光束値(光束値B)を測定した。全光束値の測定は、積分球を用いた全光束測定方法により行った。これらの測定値を用い、{(光束値B)/(光束値A)}×100(%)の値を光透過率とした。従って、この値が100に近いほど光透過率が高いことになる。(イ)、(ロ)それぞれの方法で作製した管球の光透過率は、(イ)96%、(ロ)93%であった。この結果から、(イ)の方法で拡散膜を形成した場合は光透過率95%以上の良好な光透過性を実現できるが、(ロ)の方法で拡散膜を形成した場合は光透過率が95%よりも低くなり、光透過性の低下が生じることが確認された。また、これらの管球を用いて実際にハロゲン電球を製作して確認したところ、(ロ)の方法で拡散膜を形成した管球を用いたものは、(イ)の方法で拡散膜を形成した管球に比べて、3%の発光光束低下が確認された。これは、無機白色微粉膜による光吸収の影響であると考えられる。従って、光透過率の点から、実用上は(イ)の方法、すなわち本発明の方法を用いて作製した拡散膜3が望ましいことが確認された。
【0042】
また、(ロ)の方法の場合は、有機溶媒としてイソプロピルアルコール等を用いているので、設備の維持浄化を含め廃液等の処理等にも環境対策を講じなければならないという課題があり、さらに、焼付け工程を付加する必要があるなど工程の簡略化についても課題があった。これらの点からも、実用上には、スパッタ蒸着とプラズマエッチング処理用の真空室の操作のみが必要な(イ)の方法が効果的であるといえる。
【0043】
なお、プラズマエッチング処理に際しては、エッチングされて形成される凹凸の凹部分の深さが拡散膜3の膜厚以内となるように施されるとよく、拡散膜3の膜厚を越えて透光赤外線反射膜2の最外側までエッチングされることが無いように制御することが好ましい。すなわち、透光赤外線反射膜2がフィラメントからの放射光に対する赤外線反射性能を損なわないように拡散膜3を設けることが好ましい。
【0044】
次に、(イ)の方法の延長として、拡散膜3形成用として透光金属酸化物膜の代わりに透光シリカ膜を設け、同様の方法でプラズマエッチングを試みたが、透光シリカ膜の表面に凹凸が形成できず、従って表面の凹凸に伴う白濁化により形成される拡散膜が得られなかった。
【0045】
以上のように、透光金属酸化物膜の表面にプラズマエッチング方法を用いて凹凸面を形成して拡散膜とする本発明の方法を用いることにより、実用上好ましい光拡散性を実現しつつ、同時に良好な光透過性も実現できる管球を得ることができた。
【0046】
(実施例2)
本実施例では、ガラスバルブ1として、一般照明用シリカ拡散膜付電球で定格100V、57W(最大径60mm、長さ約110mm)に用いるソーダガラスよりなるガラスバルブを用いた。ソーダガラスの歪点は473℃であった。
【0047】
ソーダガラスよりなるガラスバルブ1に対して、実施例1の(イ)、(ロ)と同等の方法で拡散膜を作製したところ、(ロ)の方法においてはガラスバルブ1の外表面にシリカ微粉よりなるサスペンジョンを付着させることはできても、ソーダガラスの融点以下の温度ではシリカ膜の焼付けができなかった。また、シリカ膜の焼付けが可能な温度で強引に焼付けを行ったところ、ガラスバルブ1の変形が生じた。このように、(ロ)の方法を用いることは実用上不向きであった。従って、(イ)の方法を用いて拡散膜3を作製した場合について具体的に説明する。
【0048】
ガラスバルブ1は低融点ガラス材料のソーダガラスからなるため、ガラスバルブ1の表面に透光赤外線反射膜2を形成する際に温度面での制約がある。そこで、まず、ガラスバルブ1の外表面に実施例1の(イ)の方法で透光金属酸化物膜を成膜した場合と同じスパッタ条件で、酸化タンタルとシリカとを9層ずつ交互に被着させて、厚さ3μmの透光赤外線反射膜2を作製した。その後同じく(イ)の方法と同じスパッタ条件で、酸化タンタル、酸化モリブデン、および酸化チタン(各金属元素のモル百分率は(イ)の場合と同じである。)を含む厚さ0.5μmの透光金属酸化物膜を透光赤外線反射膜2の外表面に形成した。さらにその後、(イ)の方法と同じ条件でプラズマエッチングを行い、透光金属酸化物膜に微細な凹凸表面4を形成して、その白濁による拡散膜3を完成させた。
【0049】
次に、以上のように(イ)の方法を用いて拡散膜3が形成された透光赤外線反射膜2付ガラスバルブ1を用いた電球が、通常の電球(シリカ粉末を静電塗装によりガラスバルブ内面に被着させた電球)と比較してどの程度の光透過率や光拡散性を有するのかについて測定した。比較した通常の電球には、100V、57Wの電球を用いた。まず、外面に拡散膜3を設ける、または内面にシリカ粉末を設ける前のクリアバルブの状態の電球について、積分球を用いて全光束値(光束値A)を測定した。次に、ガラスバルブ1の外面に拡散膜3を設けた電球、またはガラスバルブ内面にシリカ粉末を被着させた電球について、同様に全光束値(光束値B)を測定した。なお、全光束値の具体的な測定方法は実施例1の場合と同じである。これらの測定値を用い、{(光束値B)/(光束値A)}×100(%)の値を光透過率とした。従って、この値が100に近いほど光透過率が高いことになる。
【0050】
この比較によると、光透過率は、外面に拡散膜3を設けた電球が96.7%、シリカ粉末を内面に被着させた電球が96.8%と、ほぼ同性能であることが確認できた。また、光拡散性について実施例1で説明した方法と同様の方法で確認した結果、外面に拡散膜3を設けた電球は輝度比0.45、シリカ粉末をガラスバルブ内面に被着させた電球は輝度比0.38と、ほぼ同等の性能を得ることができることが確認された。
【0051】
さらに、本実施例の場合、拡散膜3は透光赤外線反射膜2の外側に設けられているので、透光赤外線反射膜2の赤外線反射性を低下させることがないという効果も得られた。
【0052】
なお、実施例1,2では回転楕円体形状のガラスバルブを用いた例を示したが、直管状の石英管やボール形電球に用いる略球状のソーダガラスバルブについても、前記各実施例と同様に透光赤外線反射膜および透光金属酸化物膜の順次被着とプラズマエッチングによる拡散膜形成などの実験を行ったところ、前記各実験と同様のプラズマエッチングによる拡散効果を有する管球を得ることができた。
【0053】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の管球および管球の製造方法によれば、ガラスバルブの材料が高融点ガラス材料であるか低融点ガラス材料であるかにかかわらず、透光赤外線反射膜による管球の省エネルギー化および高効率化の効果を損なうことなく拡散効果を実現することができ、かつ、良好な光透過性も実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態の管球の概略構成を示す断面図であり、(b)は(a)に示された管球のA部分を拡大した断面図である
【符号の説明】
1 ガラスバルブ
2 透光赤外線反射膜
3 拡散膜
4 凹凸面

Claims (12)

  1. ガラスバルブと、
    前記ガラスバルブの外表面に設けられた透光赤外線反射膜と、
    前記ガラスバルブの外表面に対して最も外側に配置された拡散膜とを備えた管球であって、
    前記拡散膜が設けられていない状態の輝度(輝度A)と前記拡散膜が設けられた状態での輝度(輝度B)との比(輝度B)/(輝度A)が0.7以下であり、かつ、光透過率が95%以上であるとともに、前記拡散膜は、酸化タンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化モリブデンのうちの少なくとも二種を含むことを特徴とする管球。
    ただし、輝度Aおよび輝度Bは、ガラスバルブ内部にフィラメントを配置して前記フィラメントを発光させ、前記フィラメント上の発光中心付近における最大輝度を測定することにより得られる値である。
  2. ガラスバルブと、
    前記ガラスバルブの外表面に設けられた透光赤外線反射膜と、
    前記ガラスバルブの外表面に対して最も外側に配置された拡散膜とを備えた管球であって、
    前記ガラスバルブが歪点550℃以下のガラス材料からなり、かつ、光透過率が95%以上であるとともに、前記拡散膜は、酸化タンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化モリブデンのうちの少なくとも二種を含むことを特徴とする管球。
  3. 前記拡散膜が設けられていない状態の輝度(輝度A)と前記拡散膜が設けられた状態での輝度(輝度B)との比(輝度B)/(輝度A)が0.7以下である請求項2に記載の管球。
    ただし、輝度Aおよび輝度Bは、ガラスバルブ内部にフィラメントを配置して前記フィラメントを発光させ、前記フィラメント上の発光中心付近における最大輝度を測定することにより得られる値である。
  4. 前記拡散膜に含まれる金属元素全体に対するタンタル元素のモル百分率が50%以上である請求項1〜3の何れか一項に記載の管球。
  5. 前記拡散膜に含まれる金属元素全体に対するタンタル元素のモル百分率が60%以上である請求項4に記載の管球。
  6. ガラスバルブの外表面に透光赤外線反射膜を形成する第1の工程と、
    前記透光赤外線反射膜の外表面に、酸化タンタル、酸化チタン、酸化タングステン、および酸化モリブデンのうちの少なくとも二種を含む透光金属酸化物膜を形成する第2の工程と、
    前記透光金属酸化物膜の外表面にプラズマエッチングを施すことにより拡散膜を形成する第3の工程とを含むことを特徴とする管球の製造方法。
  7. 前記プラズマエッチングの際に用いられるプラズマ励起型の反応性ガスが、四弗化炭素、四弗化炭素+水素、および四弗化炭素+酸素のうち何れか一種である請求項6に記載の管球の製造方法。
  8. 前記透光金属酸化物膜に含まれる金属元素全体に対するタンタル元素のモル百分率が50%以上である請求項に記載の管球の製造方法。
  9. 前記透光金属酸化物膜に含まれる金属元素全体に対するタンタル元素のモル百分率が60%以上である請求項に記載の管球の製造方法。
  10. 前記第1の工程および第2の工程では、スパッタリング法を用いて前記透光赤外線反射膜および透光金属酸化物膜を形成する請求項6に記載の管球の製造方法。
  11. 前記ガラスバルブが歪点550℃以下のガラス材料にて形成されている請求項6に記載の管球の製造方法。
  12. 前記第3の工程において、前記ガラスバルブを回転させながら前記透光性金属酸化物膜にプラズマエッチングを施す請求項6に記載の管球の製造方法。
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