JP3565579B2 - ネコ伝染性腹膜炎i型ウイルスのスパイク蛋白質遺伝子rnaに対応するdna - Google Patents
ネコ伝染性腹膜炎i型ウイルスのスパイク蛋白質遺伝子rnaに対応するdna Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ネコ伝染性腹膜炎を起こす原因となるウイルスのうちI型ウイルスの外被膜に存在する表面抗原であるスパイク蛋白質遺伝子RNAに対応するDNAとその塩基配列に関する。さらにまた、そのDNA塩基配列によりコードされるスパイク蛋白質に関する。
【0002】
本明細書において、アミノ酸の略号は下記の通りである。
A:アラニン
C:システイン
D:アスパラギン酸
E:グルタミン酸
F:フェニルアラニン
G:グリシン
H:ヒスチジン
I:イソロイシン
K:リジン
L:ロイシン
M:メチオニン
N:アスパラギン
P:プロリン
Q:グルタミン
R:アルギニン
S:セリン
T:スレオニン
V:バリン
W:トリプトフアン
Y:チロシン
【0003】
【従来の技術】
ネコの伝染性腹膜炎(Feline Infectious peritonitis,以下FIPと呼称する)は、多くのネコ科動物に見られる慢性進行性のウイルス性伝染病である。この疾病はコロナウイルスであるFIPウイルス(FIPV)の感染によって起こされ、発症した動物は腹膜炎を主とした症状を示し、腹水貯留により進行性腹位膨満を示す。このような疾病に対する治療法は未だ確立されていないため、発症すれば致死的経過をたどるしかない。
【0004】
また、FIPVに対する抗体を保有するネコは、保有しないネコに比べてFIPVの感染およびその発症が早まる抗体依存性の感染及び発症の増強効果が知られている〔Pedersenら,Am.J.Vet.Res.,41巻、868,(1980)〕。従って、この点を考慮されていないワクチンが作製されたとしても、そのままでは予防のためには使用できず、却って感染や発症を促進する逆効果の危険を生ずるという困難な面を持っている。
【0005】
このFIPVは、直径が約100〜150nmでスパイク(S)、メンブラン(M)、ヌクレオキャプシド(N)の3つの主要構造蛋白質を持っている。ウイルスのゲノムは約20,000塩基のプラス鎖の1本鎖RNAである。FIPVは培養細胞における増殖の違いからI型(増殖が悪い)、II型(増殖が良い)にそれぞれ分類されている〔Pedersenら、Adv.Exp.Med.Biol.,173巻,365,(1984)〕。
【0006】
上記のメンブラン(M)とヌクレオキャプシド(N)蛋白質はI型とII型の間で免疫学的に交差するが、感染の成立に重要な役割を果たすスパイク(S)蛋白質に関する交差性は殆ど見られなかった。また、FIPを発症したネコの7割は、I型で、残りはII型であった〔宝達ら、J.Vet.Med.Sci.54巻、557、(1992)〕。
【0007】
FIPVのこれまでの研究は、細胞における増殖性が高く、ウイルス材料を入手しやすいII型で進められてきた。II型のスパイク蛋白質遺伝子の塩基配列はすでに決定されている〔de Grootら,J.gen.Virol.,68巻,2639,(1987)〕。一方、I型のFIPVに関してはこれまでのところ遺伝子関係の研究は全くなされていない。免疫学的な研究においてはI型とII型のスパイク蛋白質の交差性は殆どみられなかったことから、それらの遺伝子の塩基配列は非常に異なっていると推定される。従って、その塩基配列から推定されるI型FIPVのスパイク蛋白質のアミノ酸配列は全く新規なものと考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、ネコ伝染性腹膜炎を発症したネコの7割を占めるI型FIPVの感染に中心的な役割を果たすスパイク蛋白質の遺伝子に関する研究はこれまで全くなされていなかった。従って、I型FIPVの感染防止、治療に有益なワクチンが望まれていた。それ故、本発明者らはI型FIPVの感染に中心的な役割を果たすスパイク蛋白質の遺伝子に関する研究を行った結果、I型FIPVのスパイク蛋白質のアミノ酸配列を見出すことに成功した。
【0009】
本発明の目的はネコ伝染性腹膜炎を起こす原因となるウイルスのうちI型ウイルスの外被膜に存在する表面抗原であるスパイク蛋白質の遺伝子RNAに対応するDNAとその塩基配列を提供することにあり、さらにまた、その塩基配列によりコードされるスパイク蛋白質を提供し、I型FIPVの感染防止、治療に有益なワクチンを提供するものである。なお、本発明における実施例で後に示される通り、スパイク蛋白質のアミノ酸配列はI型とII型とでは非常に異なるという結果が得られている。これは免疫学的な交差性より推測されていた結果でもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)I型FIPVの培養、ウイルスRNA抽出
本発明では、I型FIPVは本発明者らにより分離されたKU2株を使用した〔宝達ら,Vet.Microbiol.,28巻,13,(1991)〕。ウイルスの型の決定はPedersenらの方法〔Adv.Exp.Med.Biol.,173巻、(1984)〕に従い行った。
【0011】
ネコ胎児株化細胞の単層培養に約1,000PFUのKU2ウイルスを感染させ、37℃、7日間培養後、細胞変性を生じた感染細胞を回収し、ホモジェナイザーで細胞を破砕して、3,000rpm、15分で細胞核を除去した。上清を30%ショ糖に重層して20万×g2時間でウイルス沈澱を得た。沈澱を0.1M食塩水に溶かしSDSを0.5%、フェノールを等量加えて15,000rpm、5分で変性蛋白質を除去した。水層にエタノールを加えて冷却しRNAを15,000rpm、5分で沈澱させて回収した。
【0012】
(2)I型FIPVのM遺伝子断片のcDNAクローニングと塩基配列決定
I型のFIPVは感染細胞から遊離した状態で集め難いので、感染細胞を破砕してウイルスを集めなくてはならない。そのため、出発材料中に細胞由来の不純物を含む率がII型ウイルスよりも高い。この点を考慮して、cDNA合成の際には非特異的なランダムプライマーを使用せずに特異的なプライマーを使用する。従って、スパイク遺伝子の下流に存在するI型FIPVのM遺伝子の塩基配列を決定することを最初に行った。
【0013】
図5のFIPV遺伝子地図に示す通り、スパイク遺伝子の下流にはメンブランやヌクレオキャプシド遺伝子が存在する。これらがコードするメンブランやヌクレオキャプシド蛋白質はI型とII型で免疫学的によく交差することは上記した通りである。従って、この領域においてII型とI型の塩基配列のホモロジーは高いものと考えられる。なお、II型FIPVのM遺伝子の塩基配列はすでに論文として報告されている〔Vennemaら、Virology,181巻,327,(1991)〕ので、これを参考にして下記の+鎖、−鎖の2種類のDNAプライマーを合成する。
【0014】
TGGGGATCCGATTTTACGTAGTAAGCCCA(−)
CAAGAATTCGTGAACGCTACTGTGCCATG(+)
これらのプライマーを利用して図6に概略で示した、いわゆるRT(逆転写酵素)−PCR法によりI型FIPVのメンブラン(M)遺伝子断片のcDNAを増幅して、それをクローニングし(図8におけるクローン1)、その塩基配列を決定した。
【0015】
(3)スパイク蛋白質遺伝子のcDNAクローニング
上記した(2)で得られたI型FIPVのM遺伝子断片の塩基配列を参考にして、それと相補性を持つ(マイナス鎖)プライマーDNAである、CGAAGAATTCATATCTGGAAACTTGGTACTC(−)を合成した。これを用いて、図7に概略を示した方法により、スパイク蛋白質遺伝子RNAのcDNAクローニングと塩基配列の決定を行った。
【0016】
この場合、基本的方法は前述の(2)と同様であるが、5’末端側の塩基配列が未知であるため、cDNAにポリdAテイルを付加しておき、オリゴdTプライマー、CTGTGAATTCTGCAGGATCCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTをプラス鎖プライマーとして加えて、図6に概略で示した、いわゆるRT(逆転写酵素)−PCR法によりI型FIPVの(M)遺伝子断片のcDNAを増幅して、それをクローニングし(図8におけるクローZ2)、その塩基配列を決定した。下流の3’末端側塩基配列を決定することで、該当するcDNAクローンがFIPVの遺伝子断片であることが確認される。又、上流5’末端側の塩基配列は未知のスパイク蛋白質側の塩基配列となる。
【0017】
得られた5’末端側の塩基配列を参考にして、さらにマイナス鎖プライマーDNAを合成し、以降この方法を4回繰り返すことによって図8に示すようなI型FIPVのスパイク蛋白質遺伝子の全領域をカバーするcDNAクローンを取得でき、それらの塩基配列を決定することにより、I型FIPVスパイク蛋白質遺伝子の全塩基配列を決定することができた。
【0018】
(4)組換え型I型スパイク蛋白質の発現
上記した(3)のI型スパイク蛋白質遺伝子の塩基配列を参考にして、任意の領域においてプラス鎖とマイナス鎖の1組のプライマーを合成して、PCRを行えばその領域の遺伝子断片を増幅することができる。これらには必要ならば、開始コドン(ATG)や終了コドン(TGAなど)、あるいは制限酵素部位などを含ませることができる。こうして増幅された遺伝子断片は、公知の大腸菌、酵母、バキュロウイルス、ワクシニアウイルスなどの発現用ベクターに結合させて発現させることが可能である。
【0019】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれにより制限されるものでないことはいうまでもまない。
実施例1
I型FIPVスパイク蛋白質遺伝子の塩基配列の決定:
本発明においては、I型FIPVであるKU2株ウイルスを使用して、上記(2)、(3)で概略を示した方法により、I型のスパイク蛋白質遺伝子のcDNAクローニングと塩基配列の決定を行った。
【0020】
本実施例においては、cDNA合成の際に非特異的なランダムプライマーを使用せずに特異的なプライマーを使用した。そのためにはスパイク遺伝子の下流に存在するI型FIPVのM遺伝子の塩基配列の決定をまず行った。図5のFIPV遺伝子地図に示すとおり、スパイク遺伝子の下流にはメンブラン(M)やヌクレオキャプシド(N)遺伝子が存在する。
【0021】
これらがコードするメンブランやヌクレオキャプシド蛋白質はI型とII型で免疫学的に良く交差することは上述した通りであるため、この領域においてはI型とII型の塩基配列のホモロジーは高いはずである。II型のFIPVのメンブラン遺伝子の塩基配列はすでに報告されている〔Vennemaら、Virology,181巻,p327,(1991)〕ので、これを参考にして2種類のDNAプライマーを合成した。それらの塩基配列は下記の通りである。
【0022】
TGGGGATCCGATTTTACGTAGTAAGCCCA(−)
CAAGAATTCGTGAACGCTACTGTGCCATG(+)
これらのDNAプライマーを利用して図6に概略で示した方法によりI型FIPVのM遺伝子断片のcDNAクローニングと塩基配列を決定した。まず、I型FIPV−RNAにプライマー、TGGGGATCCGATTTTACGTAGTAAGCCCA(マイナス鎖)を加え、逆転写酵素によりI型FIPVのcDNAを合成する。
【0023】
そして、その一部を取り、PCR用反応液(ベーリンガー社製)と上記したマイナス鎖とプラス鎖のプライマーを加えてPCRを行い、メンブラン遺伝子のDNA断片を増幅した。これをプラスミドベクターpUC18のBamHI、EcoRI部位にT4DNAライゲースで結合させ、カルシウムで処理された大腸菌HB101の菌液に加えてcDNAをクローニングした。このcDNAの塩基配列はABI(アプライドバイオシステム社)のシークエンス用キットを用い、自動塩基配列決定機(アプライドバイオシステム社製)により決定した。この決定に際しては、アプライドバイオシステム社から市販されている塩基配列用のキットに記載された蛍光プライマー法に従った。
【0024】
ここでは、Sangerらによるジデオキシ法〔Pro.N.A.S.,74巻,p5463(1971)〕を基本として、この方法で使用されるM13プライマーをA、C、G及びTをそれぞれ識別できるように蛍光標識させたものである。標識されたDNAを電気泳動にかけて塩基配列を決定する工程では、アプライドバイオシステム社製の自動塩基配列決定機373Aを使用して行った。このようにして、決定されたI型FIPVのメンブラン遺伝子断片の塩基配列をもとにして、それと相補性を持つ(マイナス鎖)プライマーDNA、すなわちCGAAGAATTCATATCTGGAAACTTGGTACTCをあらたに合成した。
【0025】
このプライマーを用いて、図7に概略を示した方法により、スパイク蛋白質遺伝子RNAのcDNAクローニングと塩基配列の決定を行った。メンブラン遺伝子の場合と同様に、I型ウイルスRNAにプライマー、すなわちTGGGGATCCGATTTTACGTAGTAAGCCCA(−)を加えて、逆転写酵素でcDNAを合成する。これに2M NaOHを1/10量加えて60℃、1時間でFIPV−RNAを分解して合成された一本鎖のcDNAを回収する。
【0026】
このcDNAの3’末端に末端転移酵素(TdT)でポリdA鎖を付加して、プライマー、すなわちCGAAGAATTCATATCTGGAAACTTGGTACTC(−)とオリゴdTプライマー、すなわちCTGTGAATTCTGCAGGATCCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT(+)を用いてPCRを行った。
【0027】
そして、増幅したDNAを低融点アガロース電気泳動にかけて、1kbより長いDNA分画を回収した。これを制限酵素EcoRIで切断し、プラスミドベクターのpUC18のEcoRI部位にクローニングして、塩基配列を決定した。この場合、3’末端側であるプライマー、CGAAGAATTCATATCTGGAAACTTGGTACTC(−)側の塩基配列を決定することで、該当するcDNAクローンがFIPVの遺伝子断片であることが確認され、また、5’末端側であるプライマー、すなわちCTGTGAATTCTGCAGGATCCTTTTTTTTTTTTTTTTTTTTT側の塩基配列は未知のスパイク蛋白質遺伝子側の塩基配列となる。
【0028】
これを基にして、更に下記のマイナス鎖プライマー、すなわち
GACTCTTCAATATCCAGCTGAA(−)、
GGGGAATTCAGAGGTAAATAATACTTTAAGTG(−)
を合成した。以降まったく同様にしてこの方法を4回繰り返すことによって、図8に示すようなI型FIPVのスパイク蛋白質遺伝子の全領域をカバーするcDNAクローンを取得でき、それらの塩基配列を決定することで、I型FIPVスパイク蛋白質遺伝子の全塩基配列を決定することができた。
【0029】
図1〜図4にI型FIPVのスパイク蛋白質遺伝子に対応するDNAの塩基配列とそれによりコードされるアミノ酸配列とを示す。これらは免疫学的な交差性から予想された通りde Grootらによりすでに報告されているII型FIPVのもの〔J.gen.Virol.,68巻,p2639(1987)〕とは非常に異なるものであった。スパイク蛋白質をコードする遺伝子は4392塩基長(1464アミノ酸残基)である。
【0030】
I型とII型のスパイク蛋白質のアミノ酸配列のコンピューター解析を行って比較すると、全体でのホモロジーは約46%であったが、ウイルスの感染に重要な役割を持つと考えられるスパイク蛋白質の頭部にあたるN末端側の方が、その部分をウイルスの外被膜に固定させる役割を持つと考えられているC末端側よりホモロジーは低くそれぞれ31%、及び60%であり、その中でもN末端側の290個のアミノ酸配列では25%と全く異なっていた。
【0031】
実施例2
スパイク蛋白質の発現:
実施例1で得たスパイク蛋白質のN末端側の276アミノ酸残基の配列は、I型とII型とでは全く異なることが明らかとなったので、この領域のペプタイドは両型を識別する抗原として最も有用なものとなり得ると考えられる。そこで、この領域のペプタイドの発現を大腸菌の発現ベクターpGEX−2T(図9)を用いて行った。そのため、まず、図1におけるアミノ酸配列番号33〜276のペプタイドを発現させる遺伝子断片をPCRで増幅させるため以下のDNAプライマーを合成した。
CCCGGATCCGAAAGGTTTGAACTTAATTTC(+)
CCCGAATTCCTAAGCATAGCCAGCACAAT (−)
【0032】
これらをプライマーとして、図8におけるクローン5のcDNAを鋳型としてPCRを行い、目的とする遺伝子断片を増幅させた。低融点アガロース電気泳動により精製したDNAを制限酵素BamHI、EcoRIで切断し、同じ制限酵素で切断したpGEX−2T(図9)にT4DNAライゲースで結合させ、カルシウム処理した大腸菌JM105株に加えて、このペプタイドを発現し得る菌株I−N244を得た。さらにJM105、pGEX−2Tベクターだけを含む菌株を対象として用意した。
【0033】
これらを対数増殖期まで培養してイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)を1mMとなるように加えて、目的蛋白質を発現させた。これらをSDS−10%ポリアクリルアミド電気泳動にかけてクマシー色素で染色させた。その結果を図10に示した。図10において、レーンの4にI−244の目的ペプタイドが発現されていることが確認できた。
【0034】
【発明の効果】
未知であったI型FIPVのスパイク遺伝子の塩基配列が本発明により初めて決定され、そして、それは既に知られていたII型のものと非常に異なることが明らかとなった。このことは、ネコ伝染性腹膜炎の感染を防御するためにすでに知られていたII型ウイルスのワクチンだけでは不十分であることを示している。しかも発症したネコを調べた場合、I型の割合が7割を占めていることから、I型ウイルスの感染を防ぐことが非常に重要であり、これは本発明により解決し得ることが認められた。
【0035】
また、スパイク蛋白質のN末端におけるI型とII型では全くホモロジーのない領域をコードしているI型のペプタイドを発現することができ、II型についても同様な手法を実行すれば相当するII型のペプタイドを発現できるため、両者を識別する最も有用な抗原として診断等に適用すればその効果が発揮される。
【0036】
【配列表】
【0037】
配列の長さ:4392
配列の型:DNA
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
起源
生物名:ネコ伝染性腹膜炎ウイルス
配列
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【図面の簡単な説明】
【図1】I型FIPVスパイク蛋白質遺伝子の塩基配列と、それによりコードされるアミノ酸配列とを示すものである。
【図2】図1に続くI型FIPVスパイク蛋白質遺伝子の塩基配列と、それによりコードされるアミノ酸配列とを示すものである。
【図3】図2に続くI型FIPVスパイク蛋白質遺伝子の塩基配列と、それによりコードされるアミノ酸配列とを示すものである。
【図4】図3に続くI型FIPVスパイク蛋白質遺伝子の塩基配列と、それによりコードされるアミノ酸配列とを示すものである。
【図5】FIPVのウイルス構成蛋白質遺伝子に関する遺伝子地図である。
【図6】メンブラン遺伝子断片をRT(逆転写酵素)−PCR法によるcDNAクローニングの工程の概略である。
【図7】スパイク蛋白質遺伝子をTdT(末端転位酵素)を用いてpolydA鎖を付加してPCRをかける方法による、cDNAクローニングの工程の概略である。
【図8】本発明で取得されたcDNAを遺伝子地図上に配置させたものである。
【図9】大腸菌における発現ベクターpGEX−2Tの遺伝子地図である。
【図10】実施例2においてI型およびII型のスパイク蛋白質の一部の領域をpGEX−2Tを用いて発現されていることを、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動により確認した結果である。
Claims (8)
- ネコ伝染性腹膜炎I型ウイルスのスパイク蛋白質遺伝子RNAに対応するDNAであり、請求項2に記載された蛋白質を発現せしめ得るように構築された発現用プラスミドのベクターDNA構造物。
- ネコ伝染性腹膜炎I型ウイルスのスパイク蛋白質であり、請求項3記載の発現用ベクターDNAを含む菌あるいは動物の細胞の培養によって生産された蛋白質。
- アミノ酸配列が請求項2で示される蛋白質を発現し得るように構築されたプラスミドにより形質転換された形質転換体。
- 形質転換体が微生物あるいは動物細胞である請求項5記載の形質転換体。
- 微生物が、E.coliである請求項5記載の形質転換体。
- 微生物が酵母である請求項5記載の形質転換体。
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