JP3025061B2 - Pacapの製造法 - Google Patents

Pacapの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脳の視床下部、精巣等由
来の、生理活性を有するペプチドの新規な製造法に関
し、特に神経細胞を用いたPituitary adenylate cyclas
e activating polypeptide (脳下垂体由来のアデニレー
トサイクラーゼ活性化ポリペプチド、以下、PACAP
と略記する)の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】脳の視床下部、下垂体から分泌されるホ
ルモンには種々のものが知られている。甲状腺刺激ホル
モン放出ホルモン(Thyrotropin releasing hormone)や
黄体形成ホルモン放出ホルモン(Leutenizing hormone r
eleasing hormone)、ソマトスタチン(Somatostatin)、
副腎皮質刺激ホルモン(Adrenocorticotropic hormon
e)、成長ホルモン(Growth hormone)、プロラクチン(Pro
lactin)などがその例で、これらの作用についてはよく
研究されている。一方、これ以外の新しい視床下部由来
の生理活性のある物質として、アデニレート サイクラ
ーゼ アクティヴィティ(adenylate cyclase activity)
を指標にしての探求の結果、それまでには報告されてい
ない、38個のアミノ酸残基からなるペプチドが発見さ
れ、その構造が決定され、このものはPACAP38と
命名された〔バイオケミカル・バイオフィジカル・リサ
ーチ・コミュニケーション(Biochem. Biophys. Res. Co
mmun.) 164,567-574(1989)〕。本発明者等はヒツジ
PACAP38のcDNAの特許出願(特願平1−1557
91号、同1−284771号)、およびヒトPACAP38の
cDNAの部分構造の特許出願(特願平1−259924号)
を先に行なっており、ヒツジ、ヒト両者のPACAP3
8の成熟部分のアミノ酸配列は同一、前駆体においては
アミノ酸の置換があることを見出している。また先のヒ
ツジ、ヒトに加えてラットからもPACAP38のペプ
チドをコードするcDNAを、ラット脳由来のメッセン
ジャーRNAから作成したcDNAライブラリーから単
離し、その塩基配列を決定することに成功し、これら3
種のPACAP38成熟蛋白のアミノ酸配列が同一であ
ることを見出している(特願平2−39841号)。更に、
PACAP38成熟蛋白の内の1〜27番目のアミノ酸
配列を有するPACAP27もPACAP38と同様の
アデニレートサイクラーゼ活性を有することが見出され
た〔Miyata ら、バイオケミカル・バイオフィジカル・
リサーチ・コミュニケーション(Biochem. Biophys. Re
s. Commun.), 170, 643-648(1990)〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のと
おりPACAP38ペプチドの存在は確認したものの、
該ペプチドおよびその前駆体を視床下部等から単離、精
製することは非常に複雑な操作を必要として困難である
上に、少量しか目的のペプチドが得られないという問題
がある。したがって、該ペプチドを容易に且つ大量に得
る方法の提供が望まれているのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはPACAP
の効率生産のための方法を開発すべく、PACAPの産
生誘導や先にクローニングしたヒトゲノムDNAのプロ
モーター活性を検討することをも目的として、ヒトPA
CAP cDNAとのノザンブロッティングやEIA系
を使用し、種々の細胞がPACAPを産生するのかどう
かを検討した結果、神経細胞の一種たるヒトの神経芽腫
細胞(Human neuro blastoma) IMR−32(ATC
C CCL 127)がPACAPを産生している事を
見出した。このIMR−32を大量培養し、PACAP
を製造することができると同時に、又IMR−32細胞
はPACAPの産生を促進する薬剤の開発に利用するこ
ともできると考えられる。即ち、本発明は神経細胞を培
地に培養し、培養物からPACAPを採取することを特
徴とするPACAPの製造法、詳しくは神経芽腫細胞を
培地に培養し、培養上清からPACAPを採取すること
からなるPACAPの製造法に関するものである。本発
明においてはPACAP38およびPACAP27の成
熟蛋白ならびにこれらの前駆体をPACAPと総称す
る。
【0005】IMR−32細胞としては、アメリカのA
TCC(American Type Culture Collection)より購入
することができ、例えばATCCカタログ(第6版)の
75〜76頁に記載のATCCCCL127などが挙げ
られる。培養の際の培地としては、たとえば約5〜20
%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Scienc
e)122,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Viro
-logy),8,396(1959)〕,RPMI1640培地〔ジャー
ナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエー
ション(The Jounal of the American Medical Associa
tion) 199,519(1967)〕,199 培地〔プロシージング・オ
ブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・
メディスン(Proceeding of the Societyfor the Biolo
gical Medicine)73, 1 (1950)〕などが挙げられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30〜40
℃で約 15〜60 時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加
える。
【0006】上記培養物からPACAP38の成熟ペプ
チドを分離精製するには、例えば下記の方法により行な
うことができる。PACAP38の成熟ペプチドを細胞
から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で細胞を
集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、凍結融解
などによって細胞を破壊したのち、10倍量の1M 酢酸
(10μg/ml ペプスタチン)を加えてホモゲナイズ
した後、100℃で10分間加熱する。その後遠心分離やろ
過によりPACAPの成熟ペプチドの粗抽出液を得る方
法などが適宜用い得る。培養液中にPACAP前駆体た
んぱくや成熟ペプチドが分泌される場合には、培養終了
後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを
分離し、上清を集める。このようにして得られた培養上
清、あるいは抽出液中に含まれるPACAP前駆体たん
ぱくや成熟ペプチドは、自体公知の分離・精製法を適切
に組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分
離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を
利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およ
びSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主
として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマト
グラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニテ
ィークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する
方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の
差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差
を利用する方法などが挙げられる。
【0007】かくして生成するPACAP前駆体たんぱ
くや成熟ペプチドは特異抗体を用いたエンザイムイムノ
アッセイなどにより測定することができる。またIMR
−32細胞よりmRNAを抽出、これからcDNAライ
ブラリーを作成、その中からPACAP(あるいはその
前駆体)をコードするcDNAをクローニング、該cD
NAをベクターに組込んでPACAP(あるいはその前
駆体)を発現させるという遺伝子工学的手法を用いて、
PACAP(前駆体)を製造することもできる。
【0008】
【作用】IMR−32細胞はヒト・PACAPを分泌す
るので、これを培地に培養することによりPACAPを
製造できる。また得られたPACAPはその抗体を得る
ことによってPACAPの精製材料とすることもでき、
IMR−32細胞はi)PACAP産生誘導剤剤の開発
のためのアッセイ細胞、ii)ヒト・PACAPの前駆体
をコードするcDNAをクローニングし、PACAPの
mRNAの構造を知り、PACAPの遺伝子のイントロ
ンとエクソンの相互の構造を検討するためのmRNAの
供給細胞、iii)PACAP精製取得に利用し得るIM
R−32細胞として用いることもできる。
【0009】本発明明細書および図面において、塩基や
アミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IU
B Commision on Biochemical Nomenclature による略
号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであ
り、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体
があり得る場合は、特に明示しなければL−体を示すも
のとする。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA:相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA:メッセンジャーリボ核酸 dATP:デオキシアデノシン三リン酸 dTTP:デオキシチミジン三リン酸 dGTP:デオキシグアノシン三リン酸 dCTP:デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA:エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニールアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン。
【0010】
【実施例】以下に本発明の実施例を記載するが、本発明
はこの実施例に限定されるものでないことは言うまでも
ない。なお後述の実施例6で得られたE.coli M
V1184/phPACAP(I)は1991年6月21日
から通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所にFE
RM BP−3462としてブダペスト条約に基き寄託
されており、また該微生物は発酵研究所に1991年6
月25日からIFO 15205として寄託されてい
る。
【0011】
【実施例1】 細胞の培養 アメリカのATCCより購入したIMR−32細胞CC
L127を、10%の牛胎児血清を含むEagle's ME
M中でストレプトマイシン、カナマイシンの存在下に3
7℃、5%のCO2の存在下で、150cm2のプラスチッ
ク製フラスコ(ファルコン社製)で4〜5日培養する。
【0012】
【実施例2】 IMR−32細胞培養液中のPACAP
の測定 IMR−32細胞培養開始後、4〜5日に無血清培地に
交換し、3〜4日後に培養液を回収した。その培養液を
TOMYの冷却遠心機で15,000回転、4℃で遠心した
後、その上清をPACAP測定用のEIAのサンプルバ
ッファーで希釈した後、免疫反応性のあるPACAP活
性を検出した。その値を表1に示した。 表1 細胞名 種 類 免疫反応陽性PACAP(pg/ml) IMR−32 ヒト神経芽腫細胞 8.75±7.6 A−172 ヒト・グリオブラストーマ − T−98G ヒト・グリオブラストーマ − 。
【0013】
【実施例3】 各種細胞から抽出したRNAのノーザン
・ブロッティング ヒトのグリオブラストーマ A172細胞(A)、ヒト
神経芽腫細胞 IMR−32(I)、ヒトグリオブラス
トーマ T−98G(T)を実施例5に記載の方法によ
りmRNAを抽出し、Thomas ら〔プロシージングス・
オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Pr
oc. N. A. S. U.S.A.) 77, 5201(1980)〕のグリオキ
サールを使用する方法によりノーザン・ブロッティング
を行なった。プローブとしてヒトPACAP cDNA
フラグメント(pHT38PのPACAPの領域を含
む)を32P−dCTPで標識して使用した。図1に示し
た如く、IMR−32細胞(I)から抽出したmRNA
のみが強くハイブリダイズすることからヒト神経芽腫細
胞IMR−32はPACAPを合成していることがわか
る。mRNAの大きさは平均で4.5kbと推定され
た。
【0014】
【実施例4】 ヒト・PACAP cDNAの一部をコ
ードするDNAプローブの作製 ヒト・PACAP cDNAの配列の一部のDNAプロ
ーブ、EcoR1フラグメント1.2kbをpHT38
から切り出し、IMR−32細胞由来のcDNAライブ
ラリーとのハイブリダイゼーションに用いた。
【0015】
【実施例5】 mRNAの抽出とcDNAライブラリー
の作製 IMR−32細胞からtotal RNAの抽出 ヒト神経芽腫細胞IMR−32(ATCC,CCL 1
27)を10%子牛血清を含むダルベッコ 最少必須培地
(Dulbecco's minimum essential medium, D−ME
M)で5%CO2、95%Air、37℃の条件で〔150cm2
のフラスコ(ファルコン社)で10本分〕培養し、3〜4
日後、培養液を除き、リン酸塩緩衝生理食塩水(phosph
ate buffered saline,PBS)で洗浄した。次いで、フ
ラスコ1本に付き10mlのグアニジン・イソチオシアネ
ート液(5M グアニジン・チオシアネート、50mM Tris-H
Cl、10mM EDTA、5%メルカプトエタノール)を加え、
細胞を溶解した後、150mlのガラス製ホモゲナイザーに
集め、よく磨砕した。20%のザルコシン酸ソーダ液(20
% N-ラウロイル ザルコシン酸ナトリウム、50mM Tris-
HCl(pH7.6)、10mM EDTA、5%メルカプトエタノール)
を最終濃度が5%となるように加えた後、さらによく磨
砕した。セシウムクロライドを、0.2gram/mlとなるよう
に加え、さらによく溶かしながら磨砕した。次いで、0.
5Mのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)に溶解した
5.2Mのセシウムクロライド溶液をベックマン社のSW2
8ローター用のチューブに5ml入れ、この上層に上記
の細胞溶解液を30ml重層し、22℃、28,000回転で48時
間、SW28ローターで遠心した。RNAをチューブのペ
レットに集め、上層の液を吸収して除いた後〔Kaplain
の方法、バイオケミカル・ジャーナル(Biochem.
J.),183, 181-184(1979)〕、RNAを0.4%のザルコ
シン溶液に溶解した後、食塩を最終濃度0.25Mとなるよ
うに加え、冷エタノールを2.5容加えて−20℃に貯蔵し
た。
【0016】ポリA+ RNAの分離 Total RNAを遠心(25,000回転で20分間)して集め、
ファルマシア製のpolyA+ RNA精製法マニュアルに従
ってオリゴdTカラムクロマト法でpolyA+ RNAを部
分精製した。Total RNA含有の約5%をpolyA+ RN
Aとして回収した。 cDNAの合成とファージλgt11を用いたcDN
Aライブラリーの作製 上記5で得られたpolyA+ RNA 5μgをAmersham社
のcDNA合成キットを使用し、マニュアルに従って、
32P−dCTPをcDNA合成のマーカーとして用い
て、cDNAの合成を行った。使用したpolyA+ RNA
5μgの約10%を二本鎖DNA(double-stranded DNA,
ds DNA)として得た。同じく、Amersham社のcDNAク
ローニングキットを使用して、このdsDNAに制限酵
素EcoRIのアダプターをligation反応により結合
し、EcoRIで処理してds DNAの5’,3’端
にEcoRIアダプターが結合したdsDNAを得た。
このEcoRIアダプターが結合したcDNAをファー
ジλgt11DNAのEcoRIサイトに組み込み、フ
ァージ粒子に再構築し、ファージλgt11のcDNA
ライブラリーとして得た。得られたファージλgt11
のcDNAライブラリーの感染価は約2×106プラー
ク形成単位/mlであった。
【0017】
【実施例6】 ヒト・PACAP cDNAのクローニ
ング ヒト・PACAP cDNAを持つファージクローンの
単離 実施例5で得られた組み換えファージ(λgt11)を
ペントンおよびデービス(Pentone and Davis) の方法
〔サイエンス(Science),196,180-182(1977)〕により1
シャーレ当り15,000プラークの条件で大腸菌Y1090に感
染させた後、ニトロセルロースにファージを移しとり、
常法どおりフィルターを処理した。ヒト・cDNAのP
ACAPをコードする核酸配列〔Kimura ら、バイオケ
ミカル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーシ
ョン(Biochem. Biophys. Res. Commun.)(B.B.R.C.) 1
66, 81-89(1990)〕の部分DNA断片EcoRIフラ
グメントをα−32P・dCTPを用いてランダムプライ
ム法によって32P−標識プローブを作成した。ニトロセ
ルロースに移した組み換えファージDNAとこの32P−
標識PACAPプローブとをペントンとデービスの方法
〔サイエンス(Science),196,180-182(1977)〕によりハ
イブリダイゼーションを行ない、ハイブリッドを形成し
たファージクローンをスクリーニングして、陽性のプラ
ークを数個得た。単一化したファージを大腸菌Y1090に
感染させ(37℃、LBブロス、5〜6時間)、遠心して
大腸菌を除いた後、培養液1mlに20%ポリエチレング
リコール・0.15M食塩溶液を200μl添加して、4℃、
2〜3時間静置してファージ粒子を15,000回転で20分間
遠心して沈殿させた。100μlの蒸留水を加えてファー
ジ粒子を懸濁し、95℃で10分間加熱した。この組み換え
ファージDNAはλgt11であるので、cDNAの組
み換え部位であるEcoRIサイトの近くの5’GGT
GGCGACGACTCCTGGAGCCCG(配列番
号:1)と5’TTGACACCAGACCAACTG
GTAATG(配列番号:2)のDNA断片をλgt1
1のプライマーとして用いて、ポリマーチェインリアク
ション(PCR)法〔Michael I.A. Iunis, PCRプロ
トコールズ(PCR Protocols)(Academic Press, 199
0)〕で、このcDNA部分を増巾合成した。PCR法で
増巾合成したDNAをEcoRIで処理した後、プラス
ミドpUC118のEcoRI部位にligation により
結合し、大腸菌DH5αを形質転換して数個のクローン
を得た。この中の2種類をE.coli MV1184/p
hPACAP(C)、E.coli MV1184/phP
ACAP(I)とした。
【0018】
【実施例7】 クローン化したDNAの塩基配列の決定 上記実施例6で得られたプラスミドDNAを精製し、ジ
デオキシ鎖ターミネーション法によりDNAの塩基配列
を決定した〔サンガー、プロシージング・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Proc. Nat
l. Acad. Sci. U.S.A.) 74, 5463〜5467(1977)〕。図2
にその決定方向と塩基配列の一部を示した。
【0019】ヒト・PACAPの前駆体をコードするc
DNA phPACAP(C)は1.8kbからなり、
PACAPの前駆体176個のアミノ酸をコードしてい
る。白抜きの枠で示しているヒト・PACAP部分およ
びその前に同様に枠で囲んだPACAP Relate
d Peptide(PRP)部分が存在する。さらに
cDNA phPACAP(I)は約1.8kbで、P
RPの部分が完全に欠損した構造を持つものである(図
2)。以上より、ヒト・PACAPの前駆体をコードす
るcDNAをクローニングし、その構造を決定した。こ
のcDNAを発現ベクターに組み込み、PACAPおよ
びその前駆体を発現させることが可能となった。
【0020】
【発明の効果】本発明でヒト・神経芽腫のIMR−32
細胞を培養することにより、ヒト・PACAPを製造す
ることができ、ヒト・PACAPの大量生産及びPAC
AP産生の誘導効果のある薬剤をアッセイする道が拓け
たものである。
【0021】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:フラグメント型 配列の特徴:primer 配列 GGTGGCGACG ACTCCTGGAG CCCG 24。
【0022】配列番号:2 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:フラグメント型 配列の特徴:primer 配列 TTGACACCAG ACCAACTGGT AATG 24。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種細胞から抽出したpoly A+ RNAのノザ
ン・ブロッティングを示した図である。
【図2】クローン化したPACAPの前駆体をコードす
るcDNAと、PACAP Related Pepti
de(PRP)部分を欠損しているが PACAPの部
分を持つプラスミドcDNAの模式図を示す。
【図3】PRPを欠損したプラスミドphPACAP
(I)の詳細な配列を示す。いずれのcDNAも3’側
の一部の配列を示してある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】神経芽腫細胞を培地に培養し、培養物から
    PACAPを採取することを特徴とするPACAPの製
    造法。
  2. 【請求項2】培養上清よりPACAPを回収する請求項
    1記載のPACAPの製造法。
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