JP3563795B2 - ロール状記録紙及びこのロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジ - Google Patents
ロール状記録紙及びこのロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジ Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、中空の紙管の外周面上に記録紙を巻回して成るロール状記録紙及びこのロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空の紙管の外周面上に記録紙を巻回して成るロール状記録紙は、ファクシミリ,プロッター,大型図面複写機等で広く用いられており、1個のロール状記録紙から送り出された記録紙に対して、その長さ方向に自在の寸法で記録画を作成することができると共に記録紙の給紙機構が簡易であって、給紙ミスの発生も少いといった利点がある。
【0003】
このようなロール状記録紙を記録装置に装着する場合、ロール状記録紙を回転自在に軸支する可動フランジが取付けられる。最も簡易で確実なフランジの取付け方法としては、紙管の両端に可動フランジを嵌め込み、これら可動フランジと上記紙管とを貫通させて軸を通した後、この軸と可動フランジとが相対的にずれないようにネジ固定する方法が知られている。
【0004】
しかしながら、例えば、その幅が1メートル前後の記録紙を適用する場合、軸はそれ以上の長さになり、かつロール状記録紙の重さも10キログラム以上の重量となるため、可動フランジを固定するための大きな作業スペースが必要となり、かつ作業性がきわめて悪くなる。
【0005】
一方、軸を通さずに可動フランジを紙管に取付ける方法としては、例えば特開平1−123780号公報(以下、従来例と称する)の装置が知られている。
この装置は、図11に示すように、中空の紙管2の外周面上に記録紙4を巻回して成るロール状記録紙6は、紙管2の両端に取り付けられた第1及び第2の可動フランジ8,10によって回転自在に支持されている。
【0006】
このような第1及び第2の可動フランジ8,10は、夫々、その一端部が紙管2の内周面に係合していると共に、その一端部から紙管2外へ突出した他端部は、U字形に切込んだ第1及び第2の軸受け板12,14上へ落とし込まれて軸支されている。
【0007】
更に、ロール状記録紙6に回転力を与えるように、第1の可動フランジ8の他端部は、カプラー16,18を介してモータ20の駆動軸(図示しない)に連結されており、第2の可動フランジ10の他端部には、板22を介してネジ24が当接されている。
【0008】
このような構成において、ネジ24を螺進させて、第2の可動フランジ10の他端部をスラスト方向に与圧することによって、カプラー16,18相互の結合状態が維持されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図11に開示したように、紙管2に対して第1及び第2の可動フランジ8,10をスラスト方向に圧接させる外部作用力を与えることが可能な構成をとる場合、第1及び第2の可動フランジ8,10のうち、紙管2の内周面に係合する部分の長さを比較的短くさせることができるため、紙管2に対する第1及び第2の可動フランジ8,10の着脱作業を容易に行うことが可能となる。
【0010】
これに対して、外部作用力が与えられない構成、即ち単に第1及び第2の可動フランジ8,10をはめ込むだけの構成では、紙管2に対して第1及び第2の可動フランジ8,10が、容易に傾斜して脱落してしまう場合がある。
【0011】
また、記録紙4の幅が異なるロール状記録紙6を選択的に着脱可能な記録装置を用いる場合、図11で説明したような与圧機構を設けることが困難であり装置が複雑してしまうため、紙管2に対する第1及び第2の可動フランジ8,10の簡易且つ確実な着脱方法が望まれていた。
【0012】
本発明の目的は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、紙管に対する可動フランジの着脱作業を容易に行うことが可能であって、且つ、所定の与圧力を与えることなく、紙管に対して可動フランジを確実に固定させることが可能な簡単な構成のロール状記録紙及びこのロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
中空の紙管の外周面上に巻回されるロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジであって、
前記ロール状記録紙の紙管の端面に圧接可能なフランジディスクと、
前記フランジディスクの内側回転中心部に設けられ、前記紙管の中空部分に対して挿入可能であり、前記紙管内周面に対して嵌合可能な嵌合部と、
前記嵌合部に設けられ、前記嵌合部の軸心に対し接近及び離間する方向に沿って移動可能なフックと、
前記フックの移動を制御する操作ハンドルと、
を有し、
前記紙管の中空部分に可動フランジの嵌合部を挿入し前記操作ハンドルを操作して前記フックを前記嵌合部の軸心から離間する方向に移動させて前記フックを前記紙管内周面に係合させることにより、可動フランジが紙管から抜けない状態に固定されると共に、フランジディスクを紙管端面に圧接させることが出来る、ことを特徴としている。
【0015】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、前記紙管の中空部分に可動フランジの嵌合部を挿入し操作ハンドルを操作してフックを嵌合部の軸心から離間する方向に移動させてフックを紙管内周面に係合させることにより、可動フランジが紙管から抜けない状態に固定されると共に、フランジディスクを紙管端面に圧接させることが出来る、ので、紙管に対する可動フランジの着脱作業を容易に行うことが可能であって、且つ、所定の与圧力を与えることなく、紙管に対して可動フランジをゆるみや脱落を防止して確実に固定させることが可能であり、巻き径が大きく且つ重量の大きなロール状記録紙であっても確実に支持することが可能になる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の第1の実施例に係るロール状記録紙について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、本実施例は、中空の紙管30の外周面上に記録紙32を巻回して成り且つ第1及び第2の可動フランジ(図示しない)によって回転自在に支持されるロール状記録紙34であって、中空の紙管30の内周面両端部近傍には、紙管30に対して第1及び第2の可動フランジを着脱自在に支持するフランジ固定補助部材36が設けられている。
【0017】
本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36は、図1(a)に示すように、紙管30の内周面両端部(同図では、片側のみ示す)に整列して一体不分離に突設されている。
【0018】
このような構成において、フランジ固定補助部材36が突設された紙管30は、フランジ固定補助部材36と共に使い捨て可能に構成されており、この場合、後述する第1及び第2の可動フランジは、フランジ固定補助部材36の内周面に嵌入固定されることになる。
【0019】
また、図1(b)に示すように、紙管30の内周面両端部(同図では、片側のみ示す)の内側に、支持手段としてリング状フランジ固定補助部材36を突設させても良い。この場合、後述する第1及び第2の可動フランジは、紙管30の端部内周面に嵌入固定されることになる。
【0020】
このように、本実施例に係るロール状記録紙34に適用された紙管30は、第1及び第2の可動フランジを固定するためのリング状フランジ固定補助部材36を内周面に一体分離に突設しただけの簡単な構成になっている。この結果、フランジ固定補助部材36の軽量化及び低価格化が達成されるため、紙管30は、フランジ固定補助部材36と共に使い捨て可能に構成することが可能となる。また、フランジ固定補助部材36をコンパクト且つ容易に成形することができるため、紙管30全体のコンパクト化を達成することが可能となる。
【0021】
ところで、フランジ固定補助部材36が、大径の貫通孔を有するリング状部材で形成されている場合には、フランジ固定補助部材36を予め紙管30の内周面に突設した後、紙管30上に記録紙32を巻回する加工をが行われる。また、フランジ固定補助部材36の貫通孔が小径であったり、貫通孔がない場合には、紙管30に記録紙32を巻回加工した後に、フランジ固定補助部材36を突設させればよい。
【0022】
しかしながら、本実施例のロール状記録紙34によれば、上記いずれの加工工程を実施する場合にも、その工程に支障を来たすことはない。
次に、本発明の第2の実施例に係るロール状記録紙について、図2を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第1の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0023】
図2に示すように、本実施例のロール状記録紙34には、紙管30の両端部近傍(同図には、片側のみ示す)の内周面に嵌合可能に構成された支持手段即ちフランジ固定補助部材36(図2(b)参照)が設けられている。
【0024】
本実施例において、フランジ固定補助部材36は、樹脂又は紙製の小径円筒状部材で構成されており、紙管30の両端部内周面に接着剤(特に、図示しない)を介して接着固定されるように構成されている。
【0025】
このように、本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36は、所定の長尺部材から適当な長さに切断することによって簡単に作成することができると共に、フランジ固定補助部材36と紙管30とは、接着剤によって簡単に接着固定させることができる。このため、ロール状記録紙34を極めて安価に製造することが可能となる。
【0026】
しかも、本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36は、その内径R(図2(b)参照)が大きく構成されている。従って、予め紙管30内周面にフランジ固定補助部材36を接着固定すると共に、ロール紙加工用の加工機(図示しない)にフランジ固定補助部材36の内径に適合する加工軸を配設する。このような構成によれば、紙管30をフランジ固定補助部材36を介して加工軸に装着することにより、紙管30の外周面に対する記録紙34の巻き加工を行うことが可能となる。
【0027】
次に、本発明の第3の実施例に係るロール状記録紙について、図3を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第1及び第2の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0028】
図3(a)に示すように、本実施例に適用された支持手段は、紙管30の両端部近傍(同図には、片側のみ示す)の内周面に圧入可能に構成されたプラスチック製の中空円筒状フランジ固定補助部材36を備えている。なお、同図には、記録紙32(図1及び図2参照)は省略されている。
【0029】
本実施例において、フランジ固定補助部材36は、紙管30への圧入が容易に行われるように、その圧入側端部にテーパー部36aが形成されている(同図 (a),(b)参照)。なお、テーパー部36aは、フランジ固定補助部材36の圧入側端部を大きく面取りした形状に加工されていることが好ましい。
【0030】
更に、本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36の外周面上には、圧入方向に平行にであって且つ周方向に一定間隔で突設された断面略山形の複数の凸部36bが設けられている。なお、このようなフランジ固定補助部材36は、その全体をプラスチックモールドによって製作することができる。
【0031】
このような構成によれば、テーパー部36aによって、フランジ固定補助部材36を紙管30内に簡単に圧入させることが可能となると共に、圧入後、複数の凸部36bが紙管30の内周面に食い込むことによって、フランジ固定補助部材36を紙管30内に堅牢に固定させることが可能となる。
【0032】
更に、フランジ固定補助部材36を紙管30の端部よりも内側、即ち例えば図1(b)に示すような位置まで圧入すると、圧入方向とは逆方向の力が作用した場合でも、凸部36bが紙管30の内壁に食い込むことにより、紙管30からフランジ固定補助部材36が脱落することが防止される。
【0033】
このように本実施例によれば、第2の実施例と同様に、フランジ固定補助部材36は、極めて安価に製造することができるため、紙管30と共に使い捨ててしまう場合でも、コスト的に不利になることはない。また、フランジ固定補助部材36と紙管30の固定方法は、圧入方法を採用しているため、その圧入作業を簡単且つ短時間に行うことが可能となる。しかも、フランジ固定補助部材36は、その内径R(同図(a),(c)参照)の大きな中空円筒状部材で構成されているため、加工前に予め紙管30に圧入させておくことができ、ロール状記録紙34の製造上も極めて好都合が良い。
【0034】
次に、本発明の第4の実施例に係るロール状記録紙について、図4を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0035】
図4(a)に示すように、本実施例に適用された支持手段は、紙管30の両端部近傍(同図には、片側のみ示す)の内周面に圧入可能に構成され且つその中心部にネジ部36cが形成されたプラスチック製の中空円筒状フランジ固定補助部材36を備えている。なお、同図には、記録紙32(図1及び図2参照)は省略されている。また、他の構成及びフランジ固定補助部材36の作成方法は、第3の実施例(図3参照)と同様であるため、その説明は省略する。更に、フランジ固定補助部材は、その軽量化及び低価格化を達成するために、ネジ部36cを設ける部分以外は内径Rは、大きくしておくことが好ましい。
【0036】
このような構成によれば、第1及び第2の可動フランジ(図示しない)の嵌合面を紙管30の内周面両端部に規定させるために、フランジ固定補助部材36は、紙管30の内周面両端部より内側まで圧入させることが好ましい。なお、この場合、圧入固定によらずに、接着固定であっても良い。
【0037】
このように、本実施例によれば、フランジ固定補助部材36にネジ部36cが設けられているため、第1及び第2の可動フランジ(図示しない)を紙管30の両端部に固定する締結手段としてネジ部材(図示しない)を用いることができるため、極めて簡易に第1及び第2の可動フランジを紙管30に固定することが可能となる。なお、他の効果は、第2の実施例と同様であるため、その説明は省略する。
【0038】
次に、本発明の第5の実施例に係るロール状記録紙について、図5を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0039】
図5(a)に示すように、本実施例に適用された支持手段は、紙管30の両端部近傍(同図には、片側のみ示す)の内周面に圧入可能に構成され且つその中心部に締結孔38が形成されたプラスチック製の中空円筒状フランジ固定補助部材36を備えている。なお、同図には、記録紙32(図1及び図2参照)は省略されている。また、他の構成及びフランジ固定補助部材36の作成方法は、第3の実施例(図3参照)と同様であるため、その説明は省略する。
【0040】
フランジ固定補助部材36に形成された締結孔38は、大径孔38aと小径孔38bとの組み合わせによって構成されている。そして、大径孔38aは、第1又は第2の可動フランジ(図示しない)を紙管30に固定するための締結部材 (図示しない)が挿入可能に構成されており、且つ、小径孔38bは、挿入した締結部材を係止可能に構成されている。
【0041】
即ち、本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36は、締結手段が挿入可能な大径孔38aと締結手段を係止する小径孔38bとが組み合わされた締結孔38を備えた点に特徴がある。
【0042】
このような構成によれば、第1及び第2の可動フランジ(図示しない)の嵌合面を紙管30の内周面両端部に規定させるために、フランジ固定補助部材36は、紙管30の内周面両端部より内側まで圧入させることが好ましい。なお、この場合、圧入固定によらずに、接着固定であっても良い。
【0043】
また、本実施例の効果については、第3の実施例(図3参照)と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第6の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図6を参照して説明する。
【0044】
図6に示すように、本実施例の可動フランジは、図1に示されたロール状記録紙34に対して着脱自在に構成されている。
具体的には、本実施例の可動フランジは、第1及び第2の可動フランジ40から構成されており、第1及び第2の可動フランジ40は、夫々、中空の紙管30の外周面上に記録紙32を巻回して成るロール状記録紙34の紙管端面30aに圧接可能なフランジディスク42と、ロール状記録紙34の紙管30の内周面両端部近傍に設けられた支持手段に係合可能であり、且つ、支持手段に係合した際にフランジディスク42を紙管端面30aに圧接させるように、可動フランジ40をロール状記録紙34に対して着脱自在に支持する締結手段とを備えている。
【0045】
なお、第1及び第2の可動フランジ40の構成は相互に同一であるため、本実施例及び後述する第7ないし第10の実施例の説明では、一方の可動フランジ40についてのみ言及する。
【0046】
支持手段には、紙管30の内周面両端部(同図では、片側のみ示す)に整列して一体不分離に突設したリング状フランジ固定補助部材36が設けられている。フランジディスク42の内側回転中心部には、紙管30の端部内周面に嵌合可能に構成された嵌合部42aが一体的に設けられている。
【0047】
締結手段は、フランジディスク42の嵌合部42aの先端部に設けられた回動軸44を中心に紙管30の半径方向に回動自在に構成され且つフランジ固定補助部材36に係合可能に構成されたフック46と、フランジディスク42の中心孔42bを介して進退可能に構成された締結軸48と、この締結軸48の先端部に突設され且つフック46の傾斜面46aに摺接可能に構成された摺接部48aと、締結軸48の基端部に形成された第1のねじ部48bに螺合可能な第2のねじ部50aを有するハンドル50と、摺接部48aと嵌合部42aとの間に張設され、摺接部48aと嵌合部42aとが互いに離間するように常時付勢力を作用させる付勢ばね52と、フック46の先端部と摺接部48aとの間に張設され、フック46を摺接部48a方向即ち紙管30の軸心方向に常時引っ張る引張ばね54とを備えている。
【0048】
なお、図6に示された可動フランジ40には、この可動フランジ40を介してロール状記録紙34を回転自在に支持するように、フランジディスク42の外側回転中心部には、支持軸42cが一体的に設けられているが、フランジディスク42の外周面によってロール状記録紙34を支持する場合には、同図に示されたような支持軸42cは不要である。
【0049】
次に、本実施例の動作について説明する。なお、本動作の説明において、第1及び第2の可動フランジ40の動作は相互に同一であるため、その一方の可動フランジ40の動作についてのみ言及する。
【0050】
まず、可動フランジ40の組み立てを行うために、フランジディスク42を締結軸48の基端部即ち第1のねじ部48b側から挿入した後、ハンドル50を締結軸48の基端部にセットして、その第2のねじ部50aを第1のねじ部48bに螺合させるように、ハンドル50を回転(例えば、正転)させる。
【0051】
装着時、締結軸48の摺接部48aとフランジディスク42の嵌合部42aとが相対的に離間するように、ハンドル50を逆転させた場合、フランジディスク42に対して締結軸48が相対的に移動する。
【0052】
この締結軸48の移動に伴って、摺接部48aがフック46の傾斜面46aに沿って移動するが、フック46には引張ばね54の引張力が作用しているため、フック46は、紙管30の軸心方向に回転することになる。
【0053】
ここで、中空の紙管30の外周面上に記録紙32を巻回して成るロール状記録紙34を用意した後、上述した状態にセットされた可動フランジ40を紙管30の端部側から挿入すると、フック46をフランジ固定補助部材36の内周面を通過させることができるため、フランジディスク42を紙管30の紙管端面30aに当接させることができる。なお、フランジディスク42を紙管30の紙管端面30aに当接させた際、嵌合部42aは、フランジ固定補助部材36の端部内周面に嵌合することになる。
【0054】
次に、ハンドル50を正転させることによって、付勢ばね52の付勢力に抗して締結軸48をフランジディスク42に対して相対的に移動させる。
この締結軸48の移動に伴って、摺接部48aは、嵌合部42aに接近する方向に移動する。
【0055】
このとき、摺接部48aは、フック46の傾斜面46aに沿って移動しつつ、フック46を引張ばね54の付勢力に抗して軸心から離間する方向即ちフランジ固定補助部材36方向に押し上げる。
【0056】
この結果、フック46がフランジ固定補助部材36の縁部に当接して係合することによって、可動フランジ40を紙管30から抜けない状態に固定することができると同時に、フランジディスク42を紙管端面30aに圧接させることができる。
【0057】
このように本実施例の可動フランジ40によれば、紙管30に対する装着スペースを縮減させることができると共に、ロール状記録紙34に対する着脱作業を容易に行うことができる。また、フランジディスク42には、締結手段によって、常時、紙管30の紙管端面30a方向に引き寄せる力が作用しているため、可動フランジ40のゆるみや脱落を防止することが可能となる。この結果、巻き径が大きく且つ重量の大きなロール状記録紙34であっても確実に支持することが可能となる。更に、本実施例によれば、記録紙32の幅が複数種類ある場合でも同一の可動フランジ40を適用することができるため、記録紙幅に対応させた専用の部材を別途用意する必要がない。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されることはなく、例えば、本実施例では、フック46は、図面上1個のみを示したが、フランジ固定補助部材36の周方向に沿って等間隔に複数個配置させることも好ましい。
【0059】
次に、本発明の第7の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図7を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第6の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
図7に示すように、本実施例は締結手段の改良に係り、図1に示されたロール状記録紙34に対して可動フランジ40を着脱させるように、締結軸48の先端部には、フック支持部48cが突設されており、このフック支持部48cには、回動軸56を介してフック58が回動自在に軸支されている。
【0061】
このフック58の先端部には、フランジ固定補助部材36に係合可能な係合爪58aが設けられている。また、フック58は、その一端がフック支持部48cに固定された付勢ばね60によって、常時、フランジ固定補助部材36方向に付勢された状態に維持されている。
【0062】
また、本実施例に適用された嵌合部42aは、フランジディスク42の内側回転中心部の周りに円筒状に突設されており、このような嵌合部42aには、フック58の傾斜面58bに摺接可能に構成された摺接部42dが突設されている。
【0063】
また、フック支持部48cとフランジディスク42との間には、フック支持部48cとフランジディスク42とが互いに離間するように常時付勢力を作用させる付勢ばね52が張設されている。
【0064】
なお、図7に示された可動フランジ40には、この可動フランジ40を介してロール状記録紙34を回転自在に支持するように、フランジディスク42の外側には、支持軸42cが一体的に設けられているが、フランジディスク42の外周面によってロール状記録紙34を支持する場合には、同図に示されたような支持軸42cは不要である。
【0065】
次に、本実施例の動作について説明する。なお、本動作の説明において、第1及び第2の可動フランジ40の動作は相互に同一であるため、その一方の可動フランジ40の動作についてのみ言及する。
【0066】
まず、可動フランジ40の組み立てを行うために、フランジディスク42を締結軸48の基端部即ち第1のねじ部48b側から挿入した後、ハンドル50を締結軸48の基端部にセットして、その第2のねじ部50aを第1のねじ部48bに螺合させるように、ハンドル50を回転(例えば、正転)させる。
【0067】
装着時、ハンドル50は、締結軸48のフック支持部48cとフランジディスク42とが相対的に離間するように、逆転させることになるが、この結果、フランジディスク42に対して締結軸48が相対的に移動する。
【0068】
締結軸48の移動に伴って、フック支持部48cに軸支されたフック58も移動するが、摺接部42dは固定位置にあって移動しないため、フック58の傾斜面58bには、摺接部42dからの作用力が働く。この結果、フック58は、その係合爪58aがフランジ固定補助部材36に当らない位置まで、軸心方向へ回動することになる。
【0069】
ここで、中空の紙管30の外周面上に記録紙32を巻回して成るロール状記録紙34を用意した後、上述した状態にセットされた可動フランジ40を紙管30の端部側から挿入すると、フック58をフランジ固定補助部材36の内周面を通過させることができるため、フランジディスク42を紙管30の紙管端面30aに当接させることができる。なお、フランジディスク42を紙管30の紙管端面30aに当接させた際、嵌合部42aは、フランジ固定補助部材36の端部内周面に嵌合することになる。
【0070】
次に、ハンドル50を正転させることによって、付勢ばね52の付勢力に抗して締結軸48をハンドル50方向に引き寄せる。
このとき、締結軸48とフック支持部48cとフック58は、同時にフランジディスク42に接近する方向に移動し、また、フック58の傾斜面58bも摺接部42dに接する位置に移動する。この結果、フック58は、付勢ばね60の付勢力によって、軸心から離間する方向に、係合爪58aがフランジ固定補助部材36に係合する位置まで回動する。
【0071】
更にハンドル50を正転させると、フック58は、締結軸48と共にハンドル50方向へ引き寄せられる。そして、フック58の係合爪58aが、フランジ固定補助部材36の端面に当接した際、フランジディスク42には、紙管端面30a方向に押圧する力が作用することになる。同時に、可動フランジ40は、紙管30に堅牢に装着されることになる。
【0072】
このように本実施例の可動フランジ40によれば、紙管30に対する装着スペースを縮減させることができると共に、着脱作業も容易に行うことができる。また、フランジディスク42は、締結手段によって、常時、紙管30の紙管端面30aに引き寄せられる方向の力が作用しているため、可動フランジ40のゆるみや脱落を防止することが可能となる。この結果、巻き径が大きく且つ重量の大きなロール状記録紙34であっても確実に支持することが可能となる。
【0073】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されることはなく、例えば、本実施例では、フック58は、図面上1個のみを示したが、フランジ固定補助部材36の周方向に沿って等間隔に複数個配置させることも好ましい。
【0074】
次に、本発明の第8の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図8を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第6の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
図8(d)に示すように、本実施例は締結手段の改良に係り、この締結手段には、図4に示されたロール状記録紙34に対して可動フランジ40を着脱させるように、ハンドル50には、フランジディスク42の中心孔42bに挿通可能であって且つ先端部にフランジ固定補助部材36のねじ部36cに螺合可能な締結ねじ部62aを有する締結軸62が一体的に設けられている。
【0076】
このような構成によれば、可動フランジ40をロール状記録紙34に装着する場合には、フランジディスク42の嵌合部42aが紙管30の端部内周面に嵌合するように、フランジディスク42を紙管端面30aにつき当たるまで押し込んだ後、締結軸62をフランジ固定補助部材36のねじ部36cに螺合させるだけでよい。
【0077】
即ち、ハンドル50を介して締結軸62を回転させて締結ねじ部62aを螺進させることにより、フランジディスク42には、紙管端面30aに押圧する方向の作用力が働く。この結果、可動フランジ40は、ロール状記録紙34に着脱自在に取り付けられ、且つ、フランジディスク42は、紙管30に対して堅牢に固定されるため、スラスト方向へ脱落することはない。更に、嵌合部42aが紙管30の内周面に嵌合するため、フランジディスク42のラジアル方向の位置決めが確保される。
【0078】
なお、本実施例に適用されたロール状記録紙34のフランジ固定補助部材36作用効果については、第4の実施例(図4参照)と同様であるため、その説明は省略する。
【0079】
このように本実施例によれば、締結手段の構成を極めて簡略化させることができるため、可動フランジ40のロール状記録紙34に対する着脱作業を容易に行うことが可能となる。また、フランジ固定補助部材36も小型軽量であり、モールド加工等によって大量に且つ低コストで製作することができるため、紙管30への取付けも極めて簡易に行うことが可能となる。
【0080】
次に、本発明の第9の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図9を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第6の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0081】
なお、特に、同図(a)は、フランジ固定補助部材を設けたロール状記録紙34の縦断面図であって、同図(c)のN−N線に沿う断面図、また、同図(c)は、同図(a)の矢印S方向から見た部分平面図、また、同図(d)は、ロール状記録紙34に可動フランジ40を装着した状態を示す縦断面図であって、同図(c)のM−M線に沿う断面図、そして、同図(e)は、同図(d)の矢印P方向から見た部分平面図である。
【0082】
図9に示すように、本実施例は締結手段の改良に係り、この締結手段には、図5に示されたロール状記録紙34に対して可動フランジ40を着脱させるように、その基端部にハンドル50のねじ部50aに螺合可能な締結ねじ部64が形成され且つその先端部にフランジ固定補助部材36に係合可能な係合手段66を一体的に備えた締結軸68が設けられている。このような締結軸68は、フランジディスク42の中心孔42内を移動可能に構成されている。
【0083】
係合手段66には、フランジ固定補助部材36に形成された締結孔38のうち、大径孔38aに対して挿脱可能であり且つ小径孔38bに対して挿脱不可能な係合爪66aを有する止め金部66bが設けられている。
【0084】
このような構成において、まず、フランジディスク42の中心孔42に締結軸68を挿通させた状態で、締結軸68の締結ねじ部64にハンドル50のねじ部50aを螺合させて可動フランジ40を組み立てる。
【0085】
次に、止め金部66bの係合爪66aをフランジ固定補助部材36の大径孔38aから挿入した後、ハンドル50を時計方向(同図(e)の矢印L方向)に回転して止め金部66bを回転させると、係合爪66aは、小径孔38b側に延出形成された大径孔延出部38a′へ移動して当接する(同図(e)参照)。
【0086】
このとき、止め金部66bの回転移動が停止した場合であってもハンドル50は回転可能状態に維持されている。従って、ハンドル50を更に時計方向Lに回転させると、ハンドル50のねじ部50aと締結軸68の締結ねじ部64とが相互に螺合して、締結軸68はハンドル50方向に引き寄せられることになる。
【0087】
この結果、止め金部66bの係合爪66aがフランジ固定補助部材36に当接するため、フランジディスク42には、紙管端面30aに押圧する方向の作用力が働く。従って、可動フランジ40は、ロール状記録紙34に着脱自在に取り付けられ、且つ、フランジディスク42は、紙管30に対して堅牢に固定されるため、スラスト方向へ脱落することはない。更に、嵌合部42aが紙管30の内周面に嵌合するため、フランジディスク42のラジアル方向の位置決めが確保される。
【0088】
一方、ロール状記録紙34から可動フランジ40を取り外す場合、ハンドル50を反時計方向(同図(e)の矢印R方向)に回転させる。
この結果、ハンドル50のねじ部50aと締結軸68の締結ねじ部64との間の螺合状態が徐々に解除されるため、締結軸68は、ハンドル50から離間する方向に移動する。この締結軸68の移動によって、止め金部66bの係合爪66aは、大径孔延出部38a′から浮き上る。そして、更にハンドル50を反時計方向Rに回転して、止め金部66bを反時計方向へ回転することによって、係合爪66aは、大径孔38aに当接することになる。
【0089】
この状態でハンドル50を引き抜くと、止め金部66b及び係合爪66aは、共に大径孔38aを通ってフランジ固定補助部材36から引き抜かれる。
なお、本実施例に適用されたロール状記録紙34のフランジ固定補助部材36の作用効果については、第5の実施例(図5参照)と同様であるため、その説明は省略する。
【0090】
このように本実施例によれば、締結手段の構成を極めて簡略化させることができるため、可動フランジ40の着脱作業も容易に行うことが可能となる。また、フランジ固定補助部材36も小型軽量であり、モールド加工等によって大量に且つ低コストで製作することができるため、紙管30への取付けも極めて簡易に行うことが可能となる。
【0091】
次に、本発明の第10の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図10(a)を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第9の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0092】
図10(a)に示すように、本実施例の可動フランジ40は、ロール状記録紙34に対して着脱作業が容易であって且つその締結手段による締結力が一定レベル以上に大きくならないように構成されている。
【0093】
即ち、本実施例に適用された締結軸68は、その基端部がハンドル50に対して一体的に連結されており、且つ、その先端部には、係合手段66が一体的に設けられている。また、ハンドル50とフランジディスク42との間には、ハンドル50とフランジディスク42とを互いに離間させる方向に付勢する付勢ばね70が介装されている。
【0094】
なお、他の構成は、第9の実施例と同一であるため、その説明は省略する。
このように構成された可動フランジ40をロール状記録紙34に装着する場合、止め金部66b及び係合爪66aをフランジ固定補助部材36の大径孔38aに合わせて送り込んだ後、ハンドル50を付勢ばね70の付勢力に抗して押し込みながら時計方向に回転させる。このとき、係合爪66aは、小径孔38b側に延出形成された大径孔延出部38a′へ移動して当接する。この結果、ハンドル50の回転は制止される。
【0095】
この状態でハンドル50から手を離すと、係合爪66aは、フランジ固定補助部材36と係合すると共に、付勢ばね70の付勢力が作用することによって、フランジディスク42は、紙管端面30aに圧接される。この結果、可動フランジ40は、ロール状記録紙34に装着されることになる。
【0096】
このように本実施例によれば、可動フランジ40の構成を極めて簡略化させることができるため、着脱作業も容易且つワンタッチで行うことが可能となる。しかも、フランジ固定補助部材36と締結手段との間に作用する力は、付勢ばね70の付勢力のみであるため、締め過ぎによるフランジ固定補助部材36や可動フランジ40の破損を防止することが可能となる。なお、他の効果は、第9の実施例と同様であるため、その説明は省略する。
【0097】
なお、本発明は、上述した各実施例の構成に限定されることはなく、例えば、図10(b)に示すような係合手段66を用いることも可能である。同図(b)は同図(a)のT−T線に沿う断面図である。即ち、この係合手段66は、止め金部66bから係合爪66aに亘って略長方形に構成されており、大径孔38aの寸法に整合されている。このような構成によれば、係合手段66の加工を簡略化させることができるため、製造コストを低減させることが可能となる。
【0098】
以上、実施例に基づいて説明したが、本明細書には以下の発明が含まれる。
(1) 中空の紙管の外周面上に記録紙を巻回して成り且つ可動フランジによって回転自在に支持されるロール状記録紙であって、
中空の紙管の内周面両端部近傍には、紙管に対して可動フランジを着脱自在に支持するフランジ固定補助部材が設けられていることを特徴とするロール状記録紙。
【0099】
この発明に関する実施例は、例えば第1ないし第10の実施例が対応する。
(2) 前記フランジ固定補助部材は、円筒状の紙筒から成り、紙管両端部近くの内周面に接着剤によって接着されて構成される上記(1)のロール状記録紙。
【0100】
この発明に関する実施例は、例えば第2の実施例が対応する。
(3) 前記フランジ固定補助部材は、円筒状のプラスチック製リングであり、紙管両端部近くの内周面に圧入固定されている上記(1)のロール状記録紙。
【0101】
この発明に関する実施例は、例えば第3の実施例が対応する。
(4) 前記フランジ固定補助部材は、その中心部にネジ加工を施したプラスチックリングによって構成される上記(1)のロール状記録紙。
【0102】
この発明に関する実施例は、例えば第4の実施例が対応する。
(5) 前記フランジ固定補助部材は、その円周方向に中心孔が大径部分と小径部分を有するプラスチック製リングによって構成される上記(1)のロール状記録紙。
【0103】
この発明に関する実施例は、例えば第5の実施例が対応する。
(6) 中空の紙管の外周面上に記録紙を巻回して成るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジであって、
前記ロール状記録紙の紙管端面に圧接可能なフランジディスクと、
前記ロール状記録紙の紙管の内周面両端部近傍に設けられたフランジ固定補助部材に係合可能であり、且つ、前記フランジ固定補助部材に係合した際に前記フランジディスクを前記紙管端面に圧接させるように、前記可動フランジを前記ロール状記録紙に対して着脱自在に支持する締結手段とを備えていることを特徴とするロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジ。
【0104】
この発明に関する実施例は、例えば第6ないし第10の実施例が対応する。
(7) 前記可動フランジは、紙管と係合するはめ合い部を有するフランジディスクのはめ合い部の先端に設けられた支点と、この支点を中心に紙管の半径方向に回動可能なフックと、フランジディスクの中心部を貫通して進退可能な軸と、軸と一体に設けフックの傾斜面に係合する摺動板と、フランジディスクの外側で軸に加工したネジにはめ合うネジ部を加工したハンドルと、フックを紙管の軸心方向へ付勢するスプリングと、摺動板を紙管の奥側へ付勢するスプリングとを備えている上記(6)に記載の可動フランジ。
【0105】
この発明に関する実施例は、例えば第6の実施例が対応する。
(8) 前記可動フランジは、フランジディスクの中心部を貫通し進退可能な軸と、軸の挿入側端部に設けたフック支持板と、このフック支持板に回動可能に支持されたフックと、フランジディスクに設けた紙管に対するはめ合い部の挿入側に設けられ且つフックの傾斜面に係合する摺動板と、フランジ固定補助部材の奥側端面に係合し且つフックに設けられたツメと、フックを開き方向に付勢するスプリングと、フック保持板を紙管の奥側に付勢するスプリングと、軸の一端に加工したネジ部と、このネジ部にはめ合うネジ部を設けたハンドルとを備えている上記(6)に記載の可動フランジ。
【0106】
この発明に関する実施例は、例えば第7の実施例が対応する。
(9) 前記可動フランジは、紙管に係合するはめ合い部を有するフランジディスクと、フランジディスクを貫通する孔とを備えており、一端にハンドル且つ他端にネジ加工が施された軸をフランジディスク貫通孔を通して配置する上記(6)に記載の可動フランジ。
【0107】
この発明に関する実施例は、例えば第8の実施例が対応する。
(10) 前記可動フランジは、紙管に係合するはめ合い部を有するフランジディスクと、ディスクを貫通し且つ一端に操作ハンドルに結合するネジ及び他端にフランジ固定補助部材の大径部を通過するが小径部を通過しないツメを設けた止め金を設けた軸とを備える上記(6)に記載の可動フランジ。
【0108】
この発明に関する実施例は、例えば第9の実施例が対応する。
(11) 前記可動フランジは、紙管に係合するはめ合い部を有するフランジディスクと、ディスクを貫通し、その一端に操作ハンドルが固着され且つ他端にフランジ固定補助部材の大径部を通るが小径部は通過しないツメが設けられた止め金を有する軸と、操作ハンドルとフランジディスク間に設けられた圧縮バネとを備える上記(6)に記載の可動フランジ。
この発明に関する実施例は、例えば第10の実施例が対応する。
【0109】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、前記紙管の中空部分に可動フランジの嵌合部を挿入し操作ハンドルを操作してフックを嵌合部の軸心から離間する方向に移動させてフックを紙管内周面に係合させることにより、可動フランジが紙管から抜けない状態に固定されると共に、フランジディスクを紙管端面に圧接させることが出来る、ので、紙管に対する可動フランジの着脱作業を容易に行うことが可能であって、且つ、所定の与圧力を与えることなく、紙管に対して可動フランジをゆるみや脱落を防止して確実に固定させることが可能であり、巻き径が大きく且つ重量の大きなロール状記録紙であっても確実に支持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図であって、(a)は、紙管端部内周面にフランジ固定補助部材が突設された状態を示す図、(b)は、紙管端部よりも内側の内周面にフランジ固定補助部材が突設された状態を示す図。
【図2】(a)は、本発明の第2の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の断面図。
【図3】(a)は、本発明の第3の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図。
【図4】(a)は、本発明の第4の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図。
【図5】(a)は、本発明の第5の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図。
【図6】本発明の第6の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す部分断面図。
【図7】本発明の第7の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す部分断面図。
【図8】(a)は、本発明の第8の実施例に適用されたロール状記録紙の構成を概略的に示す断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図、(d)は、本発明の第8の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す部分断面図。
【図9】(a)は、本発明の第9の実施例に適用されたロール状記録紙の構成を概略的に示す断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図、(d)は、本発明の第8の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す部分断面図、(e)は、締結軸の係合手段がフランジ固定補助部材に係合した状態を示す図。
【図10】(a)は、本発明の第10の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す断面図、(b)は、本発明の変形例に係り、締結軸の係合手段がフランジ固定補助部材に係合した状態を示す図。
【図11】従来のロール状記録紙及び可動フランジの構成を示す断面図。
【符号の説明】
30…紙管、32…記録紙、34…ロール状記録紙、36…フランジ固定補助部材、40…可動フランジ、42…フランジディスク、42a…嵌合部、44…回動軸、46…フック、46a…傾斜面、48…締結軸、48a…摺接部、48b…第1のねじ部、50…ハンドル、50a…第2のねじ部、52…付勢ばね、54…引張ばね。
【産業上の利用分野】
本発明は、中空の紙管の外周面上に記録紙を巻回して成るロール状記録紙及びこのロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空の紙管の外周面上に記録紙を巻回して成るロール状記録紙は、ファクシミリ,プロッター,大型図面複写機等で広く用いられており、1個のロール状記録紙から送り出された記録紙に対して、その長さ方向に自在の寸法で記録画を作成することができると共に記録紙の給紙機構が簡易であって、給紙ミスの発生も少いといった利点がある。
【0003】
このようなロール状記録紙を記録装置に装着する場合、ロール状記録紙を回転自在に軸支する可動フランジが取付けられる。最も簡易で確実なフランジの取付け方法としては、紙管の両端に可動フランジを嵌め込み、これら可動フランジと上記紙管とを貫通させて軸を通した後、この軸と可動フランジとが相対的にずれないようにネジ固定する方法が知られている。
【0004】
しかしながら、例えば、その幅が1メートル前後の記録紙を適用する場合、軸はそれ以上の長さになり、かつロール状記録紙の重さも10キログラム以上の重量となるため、可動フランジを固定するための大きな作業スペースが必要となり、かつ作業性がきわめて悪くなる。
【0005】
一方、軸を通さずに可動フランジを紙管に取付ける方法としては、例えば特開平1−123780号公報(以下、従来例と称する)の装置が知られている。
この装置は、図11に示すように、中空の紙管2の外周面上に記録紙4を巻回して成るロール状記録紙6は、紙管2の両端に取り付けられた第1及び第2の可動フランジ8,10によって回転自在に支持されている。
【0006】
このような第1及び第2の可動フランジ8,10は、夫々、その一端部が紙管2の内周面に係合していると共に、その一端部から紙管2外へ突出した他端部は、U字形に切込んだ第1及び第2の軸受け板12,14上へ落とし込まれて軸支されている。
【0007】
更に、ロール状記録紙6に回転力を与えるように、第1の可動フランジ8の他端部は、カプラー16,18を介してモータ20の駆動軸(図示しない)に連結されており、第2の可動フランジ10の他端部には、板22を介してネジ24が当接されている。
【0008】
このような構成において、ネジ24を螺進させて、第2の可動フランジ10の他端部をスラスト方向に与圧することによって、カプラー16,18相互の結合状態が維持されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図11に開示したように、紙管2に対して第1及び第2の可動フランジ8,10をスラスト方向に圧接させる外部作用力を与えることが可能な構成をとる場合、第1及び第2の可動フランジ8,10のうち、紙管2の内周面に係合する部分の長さを比較的短くさせることができるため、紙管2に対する第1及び第2の可動フランジ8,10の着脱作業を容易に行うことが可能となる。
【0010】
これに対して、外部作用力が与えられない構成、即ち単に第1及び第2の可動フランジ8,10をはめ込むだけの構成では、紙管2に対して第1及び第2の可動フランジ8,10が、容易に傾斜して脱落してしまう場合がある。
【0011】
また、記録紙4の幅が異なるロール状記録紙6を選択的に着脱可能な記録装置を用いる場合、図11で説明したような与圧機構を設けることが困難であり装置が複雑してしまうため、紙管2に対する第1及び第2の可動フランジ8,10の簡易且つ確実な着脱方法が望まれていた。
【0012】
本発明の目的は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、紙管に対する可動フランジの着脱作業を容易に行うことが可能であって、且つ、所定の与圧力を与えることなく、紙管に対して可動フランジを確実に固定させることが可能な簡単な構成のロール状記録紙及びこのロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
中空の紙管の外周面上に巻回されるロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジであって、
前記ロール状記録紙の紙管の端面に圧接可能なフランジディスクと、
前記フランジディスクの内側回転中心部に設けられ、前記紙管の中空部分に対して挿入可能であり、前記紙管内周面に対して嵌合可能な嵌合部と、
前記嵌合部に設けられ、前記嵌合部の軸心に対し接近及び離間する方向に沿って移動可能なフックと、
前記フックの移動を制御する操作ハンドルと、
を有し、
前記紙管の中空部分に可動フランジの嵌合部を挿入し前記操作ハンドルを操作して前記フックを前記嵌合部の軸心から離間する方向に移動させて前記フックを前記紙管内周面に係合させることにより、可動フランジが紙管から抜けない状態に固定されると共に、フランジディスクを紙管端面に圧接させることが出来る、ことを特徴としている。
【0015】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、前記紙管の中空部分に可動フランジの嵌合部を挿入し操作ハンドルを操作してフックを嵌合部の軸心から離間する方向に移動させてフックを紙管内周面に係合させることにより、可動フランジが紙管から抜けない状態に固定されると共に、フランジディスクを紙管端面に圧接させることが出来る、ので、紙管に対する可動フランジの着脱作業を容易に行うことが可能であって、且つ、所定の与圧力を与えることなく、紙管に対して可動フランジをゆるみや脱落を防止して確実に固定させることが可能であり、巻き径が大きく且つ重量の大きなロール状記録紙であっても確実に支持することが可能になる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の第1の実施例に係るロール状記録紙について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、本実施例は、中空の紙管30の外周面上に記録紙32を巻回して成り且つ第1及び第2の可動フランジ(図示しない)によって回転自在に支持されるロール状記録紙34であって、中空の紙管30の内周面両端部近傍には、紙管30に対して第1及び第2の可動フランジを着脱自在に支持するフランジ固定補助部材36が設けられている。
【0017】
本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36は、図1(a)に示すように、紙管30の内周面両端部(同図では、片側のみ示す)に整列して一体不分離に突設されている。
【0018】
このような構成において、フランジ固定補助部材36が突設された紙管30は、フランジ固定補助部材36と共に使い捨て可能に構成されており、この場合、後述する第1及び第2の可動フランジは、フランジ固定補助部材36の内周面に嵌入固定されることになる。
【0019】
また、図1(b)に示すように、紙管30の内周面両端部(同図では、片側のみ示す)の内側に、支持手段としてリング状フランジ固定補助部材36を突設させても良い。この場合、後述する第1及び第2の可動フランジは、紙管30の端部内周面に嵌入固定されることになる。
【0020】
このように、本実施例に係るロール状記録紙34に適用された紙管30は、第1及び第2の可動フランジを固定するためのリング状フランジ固定補助部材36を内周面に一体分離に突設しただけの簡単な構成になっている。この結果、フランジ固定補助部材36の軽量化及び低価格化が達成されるため、紙管30は、フランジ固定補助部材36と共に使い捨て可能に構成することが可能となる。また、フランジ固定補助部材36をコンパクト且つ容易に成形することができるため、紙管30全体のコンパクト化を達成することが可能となる。
【0021】
ところで、フランジ固定補助部材36が、大径の貫通孔を有するリング状部材で形成されている場合には、フランジ固定補助部材36を予め紙管30の内周面に突設した後、紙管30上に記録紙32を巻回する加工をが行われる。また、フランジ固定補助部材36の貫通孔が小径であったり、貫通孔がない場合には、紙管30に記録紙32を巻回加工した後に、フランジ固定補助部材36を突設させればよい。
【0022】
しかしながら、本実施例のロール状記録紙34によれば、上記いずれの加工工程を実施する場合にも、その工程に支障を来たすことはない。
次に、本発明の第2の実施例に係るロール状記録紙について、図2を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第1の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0023】
図2に示すように、本実施例のロール状記録紙34には、紙管30の両端部近傍(同図には、片側のみ示す)の内周面に嵌合可能に構成された支持手段即ちフランジ固定補助部材36(図2(b)参照)が設けられている。
【0024】
本実施例において、フランジ固定補助部材36は、樹脂又は紙製の小径円筒状部材で構成されており、紙管30の両端部内周面に接着剤(特に、図示しない)を介して接着固定されるように構成されている。
【0025】
このように、本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36は、所定の長尺部材から適当な長さに切断することによって簡単に作成することができると共に、フランジ固定補助部材36と紙管30とは、接着剤によって簡単に接着固定させることができる。このため、ロール状記録紙34を極めて安価に製造することが可能となる。
【0026】
しかも、本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36は、その内径R(図2(b)参照)が大きく構成されている。従って、予め紙管30内周面にフランジ固定補助部材36を接着固定すると共に、ロール紙加工用の加工機(図示しない)にフランジ固定補助部材36の内径に適合する加工軸を配設する。このような構成によれば、紙管30をフランジ固定補助部材36を介して加工軸に装着することにより、紙管30の外周面に対する記録紙34の巻き加工を行うことが可能となる。
【0027】
次に、本発明の第3の実施例に係るロール状記録紙について、図3を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第1及び第2の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0028】
図3(a)に示すように、本実施例に適用された支持手段は、紙管30の両端部近傍(同図には、片側のみ示す)の内周面に圧入可能に構成されたプラスチック製の中空円筒状フランジ固定補助部材36を備えている。なお、同図には、記録紙32(図1及び図2参照)は省略されている。
【0029】
本実施例において、フランジ固定補助部材36は、紙管30への圧入が容易に行われるように、その圧入側端部にテーパー部36aが形成されている(同図 (a),(b)参照)。なお、テーパー部36aは、フランジ固定補助部材36の圧入側端部を大きく面取りした形状に加工されていることが好ましい。
【0030】
更に、本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36の外周面上には、圧入方向に平行にであって且つ周方向に一定間隔で突設された断面略山形の複数の凸部36bが設けられている。なお、このようなフランジ固定補助部材36は、その全体をプラスチックモールドによって製作することができる。
【0031】
このような構成によれば、テーパー部36aによって、フランジ固定補助部材36を紙管30内に簡単に圧入させることが可能となると共に、圧入後、複数の凸部36bが紙管30の内周面に食い込むことによって、フランジ固定補助部材36を紙管30内に堅牢に固定させることが可能となる。
【0032】
更に、フランジ固定補助部材36を紙管30の端部よりも内側、即ち例えば図1(b)に示すような位置まで圧入すると、圧入方向とは逆方向の力が作用した場合でも、凸部36bが紙管30の内壁に食い込むことにより、紙管30からフランジ固定補助部材36が脱落することが防止される。
【0033】
このように本実施例によれば、第2の実施例と同様に、フランジ固定補助部材36は、極めて安価に製造することができるため、紙管30と共に使い捨ててしまう場合でも、コスト的に不利になることはない。また、フランジ固定補助部材36と紙管30の固定方法は、圧入方法を採用しているため、その圧入作業を簡単且つ短時間に行うことが可能となる。しかも、フランジ固定補助部材36は、その内径R(同図(a),(c)参照)の大きな中空円筒状部材で構成されているため、加工前に予め紙管30に圧入させておくことができ、ロール状記録紙34の製造上も極めて好都合が良い。
【0034】
次に、本発明の第4の実施例に係るロール状記録紙について、図4を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0035】
図4(a)に示すように、本実施例に適用された支持手段は、紙管30の両端部近傍(同図には、片側のみ示す)の内周面に圧入可能に構成され且つその中心部にネジ部36cが形成されたプラスチック製の中空円筒状フランジ固定補助部材36を備えている。なお、同図には、記録紙32(図1及び図2参照)は省略されている。また、他の構成及びフランジ固定補助部材36の作成方法は、第3の実施例(図3参照)と同様であるため、その説明は省略する。更に、フランジ固定補助部材は、その軽量化及び低価格化を達成するために、ネジ部36cを設ける部分以外は内径Rは、大きくしておくことが好ましい。
【0036】
このような構成によれば、第1及び第2の可動フランジ(図示しない)の嵌合面を紙管30の内周面両端部に規定させるために、フランジ固定補助部材36は、紙管30の内周面両端部より内側まで圧入させることが好ましい。なお、この場合、圧入固定によらずに、接着固定であっても良い。
【0037】
このように、本実施例によれば、フランジ固定補助部材36にネジ部36cが設けられているため、第1及び第2の可動フランジ(図示しない)を紙管30の両端部に固定する締結手段としてネジ部材(図示しない)を用いることができるため、極めて簡易に第1及び第2の可動フランジを紙管30に固定することが可能となる。なお、他の効果は、第2の実施例と同様であるため、その説明は省略する。
【0038】
次に、本発明の第5の実施例に係るロール状記録紙について、図5を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0039】
図5(a)に示すように、本実施例に適用された支持手段は、紙管30の両端部近傍(同図には、片側のみ示す)の内周面に圧入可能に構成され且つその中心部に締結孔38が形成されたプラスチック製の中空円筒状フランジ固定補助部材36を備えている。なお、同図には、記録紙32(図1及び図2参照)は省略されている。また、他の構成及びフランジ固定補助部材36の作成方法は、第3の実施例(図3参照)と同様であるため、その説明は省略する。
【0040】
フランジ固定補助部材36に形成された締結孔38は、大径孔38aと小径孔38bとの組み合わせによって構成されている。そして、大径孔38aは、第1又は第2の可動フランジ(図示しない)を紙管30に固定するための締結部材 (図示しない)が挿入可能に構成されており、且つ、小径孔38bは、挿入した締結部材を係止可能に構成されている。
【0041】
即ち、本実施例に適用されたフランジ固定補助部材36は、締結手段が挿入可能な大径孔38aと締結手段を係止する小径孔38bとが組み合わされた締結孔38を備えた点に特徴がある。
【0042】
このような構成によれば、第1及び第2の可動フランジ(図示しない)の嵌合面を紙管30の内周面両端部に規定させるために、フランジ固定補助部材36は、紙管30の内周面両端部より内側まで圧入させることが好ましい。なお、この場合、圧入固定によらずに、接着固定であっても良い。
【0043】
また、本実施例の効果については、第3の実施例(図3参照)と同様であるため、その説明は省略する。
次に、本発明の第6の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図6を参照して説明する。
【0044】
図6に示すように、本実施例の可動フランジは、図1に示されたロール状記録紙34に対して着脱自在に構成されている。
具体的には、本実施例の可動フランジは、第1及び第2の可動フランジ40から構成されており、第1及び第2の可動フランジ40は、夫々、中空の紙管30の外周面上に記録紙32を巻回して成るロール状記録紙34の紙管端面30aに圧接可能なフランジディスク42と、ロール状記録紙34の紙管30の内周面両端部近傍に設けられた支持手段に係合可能であり、且つ、支持手段に係合した際にフランジディスク42を紙管端面30aに圧接させるように、可動フランジ40をロール状記録紙34に対して着脱自在に支持する締結手段とを備えている。
【0045】
なお、第1及び第2の可動フランジ40の構成は相互に同一であるため、本実施例及び後述する第7ないし第10の実施例の説明では、一方の可動フランジ40についてのみ言及する。
【0046】
支持手段には、紙管30の内周面両端部(同図では、片側のみ示す)に整列して一体不分離に突設したリング状フランジ固定補助部材36が設けられている。フランジディスク42の内側回転中心部には、紙管30の端部内周面に嵌合可能に構成された嵌合部42aが一体的に設けられている。
【0047】
締結手段は、フランジディスク42の嵌合部42aの先端部に設けられた回動軸44を中心に紙管30の半径方向に回動自在に構成され且つフランジ固定補助部材36に係合可能に構成されたフック46と、フランジディスク42の中心孔42bを介して進退可能に構成された締結軸48と、この締結軸48の先端部に突設され且つフック46の傾斜面46aに摺接可能に構成された摺接部48aと、締結軸48の基端部に形成された第1のねじ部48bに螺合可能な第2のねじ部50aを有するハンドル50と、摺接部48aと嵌合部42aとの間に張設され、摺接部48aと嵌合部42aとが互いに離間するように常時付勢力を作用させる付勢ばね52と、フック46の先端部と摺接部48aとの間に張設され、フック46を摺接部48a方向即ち紙管30の軸心方向に常時引っ張る引張ばね54とを備えている。
【0048】
なお、図6に示された可動フランジ40には、この可動フランジ40を介してロール状記録紙34を回転自在に支持するように、フランジディスク42の外側回転中心部には、支持軸42cが一体的に設けられているが、フランジディスク42の外周面によってロール状記録紙34を支持する場合には、同図に示されたような支持軸42cは不要である。
【0049】
次に、本実施例の動作について説明する。なお、本動作の説明において、第1及び第2の可動フランジ40の動作は相互に同一であるため、その一方の可動フランジ40の動作についてのみ言及する。
【0050】
まず、可動フランジ40の組み立てを行うために、フランジディスク42を締結軸48の基端部即ち第1のねじ部48b側から挿入した後、ハンドル50を締結軸48の基端部にセットして、その第2のねじ部50aを第1のねじ部48bに螺合させるように、ハンドル50を回転(例えば、正転)させる。
【0051】
装着時、締結軸48の摺接部48aとフランジディスク42の嵌合部42aとが相対的に離間するように、ハンドル50を逆転させた場合、フランジディスク42に対して締結軸48が相対的に移動する。
【0052】
この締結軸48の移動に伴って、摺接部48aがフック46の傾斜面46aに沿って移動するが、フック46には引張ばね54の引張力が作用しているため、フック46は、紙管30の軸心方向に回転することになる。
【0053】
ここで、中空の紙管30の外周面上に記録紙32を巻回して成るロール状記録紙34を用意した後、上述した状態にセットされた可動フランジ40を紙管30の端部側から挿入すると、フック46をフランジ固定補助部材36の内周面を通過させることができるため、フランジディスク42を紙管30の紙管端面30aに当接させることができる。なお、フランジディスク42を紙管30の紙管端面30aに当接させた際、嵌合部42aは、フランジ固定補助部材36の端部内周面に嵌合することになる。
【0054】
次に、ハンドル50を正転させることによって、付勢ばね52の付勢力に抗して締結軸48をフランジディスク42に対して相対的に移動させる。
この締結軸48の移動に伴って、摺接部48aは、嵌合部42aに接近する方向に移動する。
【0055】
このとき、摺接部48aは、フック46の傾斜面46aに沿って移動しつつ、フック46を引張ばね54の付勢力に抗して軸心から離間する方向即ちフランジ固定補助部材36方向に押し上げる。
【0056】
この結果、フック46がフランジ固定補助部材36の縁部に当接して係合することによって、可動フランジ40を紙管30から抜けない状態に固定することができると同時に、フランジディスク42を紙管端面30aに圧接させることができる。
【0057】
このように本実施例の可動フランジ40によれば、紙管30に対する装着スペースを縮減させることができると共に、ロール状記録紙34に対する着脱作業を容易に行うことができる。また、フランジディスク42には、締結手段によって、常時、紙管30の紙管端面30a方向に引き寄せる力が作用しているため、可動フランジ40のゆるみや脱落を防止することが可能となる。この結果、巻き径が大きく且つ重量の大きなロール状記録紙34であっても確実に支持することが可能となる。更に、本実施例によれば、記録紙32の幅が複数種類ある場合でも同一の可動フランジ40を適用することができるため、記録紙幅に対応させた専用の部材を別途用意する必要がない。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されることはなく、例えば、本実施例では、フック46は、図面上1個のみを示したが、フランジ固定補助部材36の周方向に沿って等間隔に複数個配置させることも好ましい。
【0059】
次に、本発明の第7の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図7を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第6の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0060】
図7に示すように、本実施例は締結手段の改良に係り、図1に示されたロール状記録紙34に対して可動フランジ40を着脱させるように、締結軸48の先端部には、フック支持部48cが突設されており、このフック支持部48cには、回動軸56を介してフック58が回動自在に軸支されている。
【0061】
このフック58の先端部には、フランジ固定補助部材36に係合可能な係合爪58aが設けられている。また、フック58は、その一端がフック支持部48cに固定された付勢ばね60によって、常時、フランジ固定補助部材36方向に付勢された状態に維持されている。
【0062】
また、本実施例に適用された嵌合部42aは、フランジディスク42の内側回転中心部の周りに円筒状に突設されており、このような嵌合部42aには、フック58の傾斜面58bに摺接可能に構成された摺接部42dが突設されている。
【0063】
また、フック支持部48cとフランジディスク42との間には、フック支持部48cとフランジディスク42とが互いに離間するように常時付勢力を作用させる付勢ばね52が張設されている。
【0064】
なお、図7に示された可動フランジ40には、この可動フランジ40を介してロール状記録紙34を回転自在に支持するように、フランジディスク42の外側には、支持軸42cが一体的に設けられているが、フランジディスク42の外周面によってロール状記録紙34を支持する場合には、同図に示されたような支持軸42cは不要である。
【0065】
次に、本実施例の動作について説明する。なお、本動作の説明において、第1及び第2の可動フランジ40の動作は相互に同一であるため、その一方の可動フランジ40の動作についてのみ言及する。
【0066】
まず、可動フランジ40の組み立てを行うために、フランジディスク42を締結軸48の基端部即ち第1のねじ部48b側から挿入した後、ハンドル50を締結軸48の基端部にセットして、その第2のねじ部50aを第1のねじ部48bに螺合させるように、ハンドル50を回転(例えば、正転)させる。
【0067】
装着時、ハンドル50は、締結軸48のフック支持部48cとフランジディスク42とが相対的に離間するように、逆転させることになるが、この結果、フランジディスク42に対して締結軸48が相対的に移動する。
【0068】
締結軸48の移動に伴って、フック支持部48cに軸支されたフック58も移動するが、摺接部42dは固定位置にあって移動しないため、フック58の傾斜面58bには、摺接部42dからの作用力が働く。この結果、フック58は、その係合爪58aがフランジ固定補助部材36に当らない位置まで、軸心方向へ回動することになる。
【0069】
ここで、中空の紙管30の外周面上に記録紙32を巻回して成るロール状記録紙34を用意した後、上述した状態にセットされた可動フランジ40を紙管30の端部側から挿入すると、フック58をフランジ固定補助部材36の内周面を通過させることができるため、フランジディスク42を紙管30の紙管端面30aに当接させることができる。なお、フランジディスク42を紙管30の紙管端面30aに当接させた際、嵌合部42aは、フランジ固定補助部材36の端部内周面に嵌合することになる。
【0070】
次に、ハンドル50を正転させることによって、付勢ばね52の付勢力に抗して締結軸48をハンドル50方向に引き寄せる。
このとき、締結軸48とフック支持部48cとフック58は、同時にフランジディスク42に接近する方向に移動し、また、フック58の傾斜面58bも摺接部42dに接する位置に移動する。この結果、フック58は、付勢ばね60の付勢力によって、軸心から離間する方向に、係合爪58aがフランジ固定補助部材36に係合する位置まで回動する。
【0071】
更にハンドル50を正転させると、フック58は、締結軸48と共にハンドル50方向へ引き寄せられる。そして、フック58の係合爪58aが、フランジ固定補助部材36の端面に当接した際、フランジディスク42には、紙管端面30a方向に押圧する力が作用することになる。同時に、可動フランジ40は、紙管30に堅牢に装着されることになる。
【0072】
このように本実施例の可動フランジ40によれば、紙管30に対する装着スペースを縮減させることができると共に、着脱作業も容易に行うことができる。また、フランジディスク42は、締結手段によって、常時、紙管30の紙管端面30aに引き寄せられる方向の力が作用しているため、可動フランジ40のゆるみや脱落を防止することが可能となる。この結果、巻き径が大きく且つ重量の大きなロール状記録紙34であっても確実に支持することが可能となる。
【0073】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されることはなく、例えば、本実施例では、フック58は、図面上1個のみを示したが、フランジ固定補助部材36の周方向に沿って等間隔に複数個配置させることも好ましい。
【0074】
次に、本発明の第8の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図8を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第6の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0075】
図8(d)に示すように、本実施例は締結手段の改良に係り、この締結手段には、図4に示されたロール状記録紙34に対して可動フランジ40を着脱させるように、ハンドル50には、フランジディスク42の中心孔42bに挿通可能であって且つ先端部にフランジ固定補助部材36のねじ部36cに螺合可能な締結ねじ部62aを有する締結軸62が一体的に設けられている。
【0076】
このような構成によれば、可動フランジ40をロール状記録紙34に装着する場合には、フランジディスク42の嵌合部42aが紙管30の端部内周面に嵌合するように、フランジディスク42を紙管端面30aにつき当たるまで押し込んだ後、締結軸62をフランジ固定補助部材36のねじ部36cに螺合させるだけでよい。
【0077】
即ち、ハンドル50を介して締結軸62を回転させて締結ねじ部62aを螺進させることにより、フランジディスク42には、紙管端面30aに押圧する方向の作用力が働く。この結果、可動フランジ40は、ロール状記録紙34に着脱自在に取り付けられ、且つ、フランジディスク42は、紙管30に対して堅牢に固定されるため、スラスト方向へ脱落することはない。更に、嵌合部42aが紙管30の内周面に嵌合するため、フランジディスク42のラジアル方向の位置決めが確保される。
【0078】
なお、本実施例に適用されたロール状記録紙34のフランジ固定補助部材36作用効果については、第4の実施例(図4参照)と同様であるため、その説明は省略する。
【0079】
このように本実施例によれば、締結手段の構成を極めて簡略化させることができるため、可動フランジ40のロール状記録紙34に対する着脱作業を容易に行うことが可能となる。また、フランジ固定補助部材36も小型軽量であり、モールド加工等によって大量に且つ低コストで製作することができるため、紙管30への取付けも極めて簡易に行うことが可能となる。
【0080】
次に、本発明の第9の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図9を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第6の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0081】
なお、特に、同図(a)は、フランジ固定補助部材を設けたロール状記録紙34の縦断面図であって、同図(c)のN−N線に沿う断面図、また、同図(c)は、同図(a)の矢印S方向から見た部分平面図、また、同図(d)は、ロール状記録紙34に可動フランジ40を装着した状態を示す縦断面図であって、同図(c)のM−M線に沿う断面図、そして、同図(e)は、同図(d)の矢印P方向から見た部分平面図である。
【0082】
図9に示すように、本実施例は締結手段の改良に係り、この締結手段には、図5に示されたロール状記録紙34に対して可動フランジ40を着脱させるように、その基端部にハンドル50のねじ部50aに螺合可能な締結ねじ部64が形成され且つその先端部にフランジ固定補助部材36に係合可能な係合手段66を一体的に備えた締結軸68が設けられている。このような締結軸68は、フランジディスク42の中心孔42内を移動可能に構成されている。
【0083】
係合手段66には、フランジ固定補助部材36に形成された締結孔38のうち、大径孔38aに対して挿脱可能であり且つ小径孔38bに対して挿脱不可能な係合爪66aを有する止め金部66bが設けられている。
【0084】
このような構成において、まず、フランジディスク42の中心孔42に締結軸68を挿通させた状態で、締結軸68の締結ねじ部64にハンドル50のねじ部50aを螺合させて可動フランジ40を組み立てる。
【0085】
次に、止め金部66bの係合爪66aをフランジ固定補助部材36の大径孔38aから挿入した後、ハンドル50を時計方向(同図(e)の矢印L方向)に回転して止め金部66bを回転させると、係合爪66aは、小径孔38b側に延出形成された大径孔延出部38a′へ移動して当接する(同図(e)参照)。
【0086】
このとき、止め金部66bの回転移動が停止した場合であってもハンドル50は回転可能状態に維持されている。従って、ハンドル50を更に時計方向Lに回転させると、ハンドル50のねじ部50aと締結軸68の締結ねじ部64とが相互に螺合して、締結軸68はハンドル50方向に引き寄せられることになる。
【0087】
この結果、止め金部66bの係合爪66aがフランジ固定補助部材36に当接するため、フランジディスク42には、紙管端面30aに押圧する方向の作用力が働く。従って、可動フランジ40は、ロール状記録紙34に着脱自在に取り付けられ、且つ、フランジディスク42は、紙管30に対して堅牢に固定されるため、スラスト方向へ脱落することはない。更に、嵌合部42aが紙管30の内周面に嵌合するため、フランジディスク42のラジアル方向の位置決めが確保される。
【0088】
一方、ロール状記録紙34から可動フランジ40を取り外す場合、ハンドル50を反時計方向(同図(e)の矢印R方向)に回転させる。
この結果、ハンドル50のねじ部50aと締結軸68の締結ねじ部64との間の螺合状態が徐々に解除されるため、締結軸68は、ハンドル50から離間する方向に移動する。この締結軸68の移動によって、止め金部66bの係合爪66aは、大径孔延出部38a′から浮き上る。そして、更にハンドル50を反時計方向Rに回転して、止め金部66bを反時計方向へ回転することによって、係合爪66aは、大径孔38aに当接することになる。
【0089】
この状態でハンドル50を引き抜くと、止め金部66b及び係合爪66aは、共に大径孔38aを通ってフランジ固定補助部材36から引き抜かれる。
なお、本実施例に適用されたロール状記録紙34のフランジ固定補助部材36の作用効果については、第5の実施例(図5参照)と同様であるため、その説明は省略する。
【0090】
このように本実施例によれば、締結手段の構成を極めて簡略化させることができるため、可動フランジ40の着脱作業も容易に行うことが可能となる。また、フランジ固定補助部材36も小型軽量であり、モールド加工等によって大量に且つ低コストで製作することができるため、紙管30への取付けも極めて簡易に行うことが可能となる。
【0091】
次に、本発明の第10の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジについて、図10(a)を参照して説明する。なお、本実施例の説明に際し、第9の実施例と同一の構成には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0092】
図10(a)に示すように、本実施例の可動フランジ40は、ロール状記録紙34に対して着脱作業が容易であって且つその締結手段による締結力が一定レベル以上に大きくならないように構成されている。
【0093】
即ち、本実施例に適用された締結軸68は、その基端部がハンドル50に対して一体的に連結されており、且つ、その先端部には、係合手段66が一体的に設けられている。また、ハンドル50とフランジディスク42との間には、ハンドル50とフランジディスク42とを互いに離間させる方向に付勢する付勢ばね70が介装されている。
【0094】
なお、他の構成は、第9の実施例と同一であるため、その説明は省略する。
このように構成された可動フランジ40をロール状記録紙34に装着する場合、止め金部66b及び係合爪66aをフランジ固定補助部材36の大径孔38aに合わせて送り込んだ後、ハンドル50を付勢ばね70の付勢力に抗して押し込みながら時計方向に回転させる。このとき、係合爪66aは、小径孔38b側に延出形成された大径孔延出部38a′へ移動して当接する。この結果、ハンドル50の回転は制止される。
【0095】
この状態でハンドル50から手を離すと、係合爪66aは、フランジ固定補助部材36と係合すると共に、付勢ばね70の付勢力が作用することによって、フランジディスク42は、紙管端面30aに圧接される。この結果、可動フランジ40は、ロール状記録紙34に装着されることになる。
【0096】
このように本実施例によれば、可動フランジ40の構成を極めて簡略化させることができるため、着脱作業も容易且つワンタッチで行うことが可能となる。しかも、フランジ固定補助部材36と締結手段との間に作用する力は、付勢ばね70の付勢力のみであるため、締め過ぎによるフランジ固定補助部材36や可動フランジ40の破損を防止することが可能となる。なお、他の効果は、第9の実施例と同様であるため、その説明は省略する。
【0097】
なお、本発明は、上述した各実施例の構成に限定されることはなく、例えば、図10(b)に示すような係合手段66を用いることも可能である。同図(b)は同図(a)のT−T線に沿う断面図である。即ち、この係合手段66は、止め金部66bから係合爪66aに亘って略長方形に構成されており、大径孔38aの寸法に整合されている。このような構成によれば、係合手段66の加工を簡略化させることができるため、製造コストを低減させることが可能となる。
【0098】
以上、実施例に基づいて説明したが、本明細書には以下の発明が含まれる。
(1) 中空の紙管の外周面上に記録紙を巻回して成り且つ可動フランジによって回転自在に支持されるロール状記録紙であって、
中空の紙管の内周面両端部近傍には、紙管に対して可動フランジを着脱自在に支持するフランジ固定補助部材が設けられていることを特徴とするロール状記録紙。
【0099】
この発明に関する実施例は、例えば第1ないし第10の実施例が対応する。
(2) 前記フランジ固定補助部材は、円筒状の紙筒から成り、紙管両端部近くの内周面に接着剤によって接着されて構成される上記(1)のロール状記録紙。
【0100】
この発明に関する実施例は、例えば第2の実施例が対応する。
(3) 前記フランジ固定補助部材は、円筒状のプラスチック製リングであり、紙管両端部近くの内周面に圧入固定されている上記(1)のロール状記録紙。
【0101】
この発明に関する実施例は、例えば第3の実施例が対応する。
(4) 前記フランジ固定補助部材は、その中心部にネジ加工を施したプラスチックリングによって構成される上記(1)のロール状記録紙。
【0102】
この発明に関する実施例は、例えば第4の実施例が対応する。
(5) 前記フランジ固定補助部材は、その円周方向に中心孔が大径部分と小径部分を有するプラスチック製リングによって構成される上記(1)のロール状記録紙。
【0103】
この発明に関する実施例は、例えば第5の実施例が対応する。
(6) 中空の紙管の外周面上に記録紙を巻回して成るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジであって、
前記ロール状記録紙の紙管端面に圧接可能なフランジディスクと、
前記ロール状記録紙の紙管の内周面両端部近傍に設けられたフランジ固定補助部材に係合可能であり、且つ、前記フランジ固定補助部材に係合した際に前記フランジディスクを前記紙管端面に圧接させるように、前記可動フランジを前記ロール状記録紙に対して着脱自在に支持する締結手段とを備えていることを特徴とするロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジ。
【0104】
この発明に関する実施例は、例えば第6ないし第10の実施例が対応する。
(7) 前記可動フランジは、紙管と係合するはめ合い部を有するフランジディスクのはめ合い部の先端に設けられた支点と、この支点を中心に紙管の半径方向に回動可能なフックと、フランジディスクの中心部を貫通して進退可能な軸と、軸と一体に設けフックの傾斜面に係合する摺動板と、フランジディスクの外側で軸に加工したネジにはめ合うネジ部を加工したハンドルと、フックを紙管の軸心方向へ付勢するスプリングと、摺動板を紙管の奥側へ付勢するスプリングとを備えている上記(6)に記載の可動フランジ。
【0105】
この発明に関する実施例は、例えば第6の実施例が対応する。
(8) 前記可動フランジは、フランジディスクの中心部を貫通し進退可能な軸と、軸の挿入側端部に設けたフック支持板と、このフック支持板に回動可能に支持されたフックと、フランジディスクに設けた紙管に対するはめ合い部の挿入側に設けられ且つフックの傾斜面に係合する摺動板と、フランジ固定補助部材の奥側端面に係合し且つフックに設けられたツメと、フックを開き方向に付勢するスプリングと、フック保持板を紙管の奥側に付勢するスプリングと、軸の一端に加工したネジ部と、このネジ部にはめ合うネジ部を設けたハンドルとを備えている上記(6)に記載の可動フランジ。
【0106】
この発明に関する実施例は、例えば第7の実施例が対応する。
(9) 前記可動フランジは、紙管に係合するはめ合い部を有するフランジディスクと、フランジディスクを貫通する孔とを備えており、一端にハンドル且つ他端にネジ加工が施された軸をフランジディスク貫通孔を通して配置する上記(6)に記載の可動フランジ。
【0107】
この発明に関する実施例は、例えば第8の実施例が対応する。
(10) 前記可動フランジは、紙管に係合するはめ合い部を有するフランジディスクと、ディスクを貫通し且つ一端に操作ハンドルに結合するネジ及び他端にフランジ固定補助部材の大径部を通過するが小径部を通過しないツメを設けた止め金を設けた軸とを備える上記(6)に記載の可動フランジ。
【0108】
この発明に関する実施例は、例えば第9の実施例が対応する。
(11) 前記可動フランジは、紙管に係合するはめ合い部を有するフランジディスクと、ディスクを貫通し、その一端に操作ハンドルが固着され且つ他端にフランジ固定補助部材の大径部を通るが小径部は通過しないツメが設けられた止め金を有する軸と、操作ハンドルとフランジディスク間に設けられた圧縮バネとを備える上記(6)に記載の可動フランジ。
この発明に関する実施例は、例えば第10の実施例が対応する。
【0109】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明によれば、前記紙管の中空部分に可動フランジの嵌合部を挿入し操作ハンドルを操作してフックを嵌合部の軸心から離間する方向に移動させてフックを紙管内周面に係合させることにより、可動フランジが紙管から抜けない状態に固定されると共に、フランジディスクを紙管端面に圧接させることが出来る、ので、紙管に対する可動フランジの着脱作業を容易に行うことが可能であって、且つ、所定の与圧力を与えることなく、紙管に対して可動フランジをゆるみや脱落を防止して確実に固定させることが可能であり、巻き径が大きく且つ重量の大きなロール状記録紙であっても確実に支持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図であって、(a)は、紙管端部内周面にフランジ固定補助部材が突設された状態を示す図、(b)は、紙管端部よりも内側の内周面にフランジ固定補助部材が突設された状態を示す図。
【図2】(a)は、本発明の第2の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の断面図。
【図3】(a)は、本発明の第3の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図。
【図4】(a)は、本発明の第4の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図。
【図5】(a)は、本発明の第5の実施例に係るロール状記録紙の構成を概略的に示す部分断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図。
【図6】本発明の第6の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す部分断面図。
【図7】本発明の第7の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す部分断面図。
【図8】(a)は、本発明の第8の実施例に適用されたロール状記録紙の構成を概略的に示す断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図、(d)は、本発明の第8の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す部分断面図。
【図9】(a)は、本発明の第9の実施例に適用されたロール状記録紙の構成を概略的に示す断面図、(b)は、フランジ固定補助部材の側面図、(c)は、フランジ固定補助部材の底面図、(d)は、本発明の第8の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す部分断面図、(e)は、締結軸の係合手段がフランジ固定補助部材に係合した状態を示す図。
【図10】(a)は、本発明の第10の実施例に係るロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジの構成を概略的に示す断面図、(b)は、本発明の変形例に係り、締結軸の係合手段がフランジ固定補助部材に係合した状態を示す図。
【図11】従来のロール状記録紙及び可動フランジの構成を示す断面図。
【符号の説明】
30…紙管、32…記録紙、34…ロール状記録紙、36…フランジ固定補助部材、40…可動フランジ、42…フランジディスク、42a…嵌合部、44…回動軸、46…フック、46a…傾斜面、48…締結軸、48a…摺接部、48b…第1のねじ部、50…ハンドル、50a…第2のねじ部、52…付勢ばね、54…引張ばね。
Claims (2)
- 中空の紙管の外周面上に巻回されるロール状記録紙を回転可能に支持する可動フランジであって、
前記ロール状記録紙の紙管の端面に圧接可能なフランジディスクと、
前記フランジディスクの内側回転中心部に設けられ、前記紙管の中空部分に対して挿入可能であり、前記紙管内周面に対して嵌合可能な嵌合部と、
前記嵌合部に設けられ、前記嵌合部の軸心に対し接近及び離間する方向に沿って移動可能なフックと、
前記フックの移動を制御する操作ハンドルと、
を有し、
前記紙管の中空部分に可動フランジの嵌合部を挿入し前記操作ハンドルを操作して前記フックを前記嵌合部の軸心から離間する方向に移動させて前記フックを前記紙管内周面に係合させることにより、可動フランジが紙管から抜けない状態に固定されると共に、フランジディスクを紙管端面に圧接させることが出来る、ことを特徴とする可動フランジ。 - 前記操作ハンドルと前記フックとの間に介在し、
前記操作ハンドルの操作によって前記嵌合部の軸心に沿い前記ディスクフランジ側に移動することにより前記フックを前記ディスクフランジ側に押圧させる摺接部を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の可動フランジ。
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