JP3563702B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体記憶装置に係わり、例えば電気的書換え可能な不揮発性半導体記憶装置(EEPROM)に係わり、また、トンネル電流によりメモリセルに対して書き込み/消去を行うEEPROMに関する。さらに、このようなEEPROMの調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
EEPROMの1つとして、高集積化が可能なNANDセル型EEPROMが知られている。これは、複数のメモリセルをそれらのソース・ドレインを隣接するもの同士で共用する形で直列接続して1単位としてビット線に接続するものである。メモリセルは通常、電荷蓄積層(浮遊ゲート)と制御ゲートが積層されたFETMOS構造を有する。メモリセルアレイは、p型基板又はp型ウェル内に集積形成される。NANDセルのドレイン側は選択ゲートを介してビット線に接続され、ソース側はやはり選択ゲートを介して共通ソース線に接続される。メモリセルの制御ゲートは、行方向に連続的に配設されてワード線となる。
【0003】
このNANDセル型EEPROMの動作は、次の通りである。データ書き込みは、ビット線から最も離れた位置のメモリセルから順に行う。選択されたメモリセルの制御ゲートには高電圧VppW (=18V程度)を印加し、それよりビット線側にあるメモリセルの制御ゲート及びドレイン側の選択ゲートには中間電圧Vm10 (=10V程度)を印加し、ビット線にはデータに応じて0V又は中間電圧Vm8(=8V程度)を与える。
【0004】
ビット線に0Vが与えられた時、その電位は選択メモリセルのドレインまで転送されて、電荷蓄積層に電子注入が生じる。これにより、選択されたメモリセルのしきい値は正方向にシフトする。この状態を例えば“0”とする。ビット線にVm8が与えられた時は電子注入が実効的に起こらず、従ってしきい値は変化せず、負に止まる。この状態は消去状態で“1”とする。データ書き込みは制御ゲートを共有するメモリセルに対して同時に行われる。
【0005】
データ消去は、選択されたNANDセル内の全てのメモリセルに対してブロック単位で同時に行われる。即ち、選択されたNANDセルブロック内の全ての制御ゲートを0Vとし、p型ウェルを20Vとする。このとき、p型ウェルに印加される高電圧に対して選択ゲート,ビット線,ソース線も20Vにされる。これにより、選択されたNANDセルブロック内の全てのメモリセルで電荷蓄積層の電子がp型ウェルに放出され、しきい値は負方向にシフトする。消去しないNANDセルブロック内のメモリセルの全制御ゲートは20Vにされる。書き込みや消去に必要な高電圧は、内部で昇圧回路で発生している。
【0006】
データ読み出しは、選択されたメモリセルの制御ゲートを0Vとし、それ以外のメモリセルの制御ゲート及び選択ゲートを電源電位Vcc(例えば3V)として、選択メモリセルで電流が流れるか否かを検出することにより行われる。このため、書き込み後のメモリセルのしきい値はVcc以下でなければならない。
【0007】
このようなNANDセル型EEPROMでは、0V〜Vpp(〜20V)の広い範囲の電圧を扱うため、例えば0V〜Vm10 (〜10V)の範囲の電圧を扱うトランジスタ(以下、Vm系Tr.と略す)と、0V〜Vppまでの範囲の電圧を扱う高耐圧構造トランジスタ(以下、Vpp系Tr.)とが必要であった。これは、Vm10 以下の電圧しか印加されない回路は、比較的トランジスタサイズの小さいVm系Tr.で構成し回路面積を抑え、Vppが印加されるトランジスタのみVpp系Tr.とするためである。
【0008】
しかしながら、この種の装置にあっては次のような問題があった。即ち、Vpp系Tr.としてnチャネル及びpチャネルの各MOSトランジスタを使うと、トランジスタの種類が増加し、製造コストが増加するという問題があった。また、Vpp系Tr.として例えばnチャネルMOSトランジスタのみで回路を構成すると、トランジスタのしきい値による電圧転送効率の低下のため、電源電圧を低くできないという問題があった。さらに、Vpp系Tr.として低いしきい値を持つ例えばnチャネルMOSトランジスタで回路を構成すると、トランジスタのリーク電流によって、待機中の消費電流が増加する、或いは電源電圧から昇圧されるはずの高電圧Vppが昇圧できない、などの問題があった。
【0009】
また、書き込み電圧や消去電圧を内部で昇圧回路によって発生しているため製造ばらつきに弱い、メモリセルの書き込み後のしきい値ばらつきはある所定の範囲内に収めなければならない、などの問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来のNANDセル型EEPROMでは、Vpp系Tr.としてnチャネル及びpチャネルの各MOSトランジスタを使うと、トランジスタの種類が増加し、製造コストが増加するという問題があった。また、Vpp系Tr.として、例えばnチャネルMOSトランジスタのみで回路を構成すると、トランジスタのしきい値による電圧転送効率の低下のため、電源電圧を低くできないという問題があった。さらに、Vpp系Tr.として低いしきい値を持つ例えばnチャネルMOSトランジスタで回路を構成すると、トランジスタのリーク電流によって、待機中の消費電流が増加する、或いは電源電圧から昇圧されるはずの高電圧Vppが昇圧できない、などの問題があった。また、書き込み電圧や消去電圧を内部で昇圧回路によって発生しているため製造ばらつきに弱い、メモリセルの書き込み後のしきい値ばらつきはある所定の範囲内に収めなければならない、などの問題があった。
【0011】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、所定のしきい値範囲内にある標準セルに対して最適な書き込み電圧や消去電圧を設定することができ、これにより歩留まりを上げて製造コストの低減をはかり得る半導体記憶装置、更には半導体記憶装置の調整方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0014】
即ち、本発明は、半導体層上に形成される複数の電気的に書き替え可能なメモリセルと、前記複数のメモリセルに書き込み電圧を印加してデータを書き込むための書き込み回路と、前記書き込み電圧を調整するための書き込み電圧調整回路と、前記書き込み電圧を前記複数のメモリセルに印加し、前記複数のメモリセルの期待される特性値と実際の特性値の差から前記書き込み電圧の調整を行うテストシステムとを備え、前記テストシステムは前記複数のメモリセルのうち所定のしきい値範囲外のしきい値を持つセルを除外して前記実際の特性値を割り出すことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、半導体層上に形成される複数の電気的に書き替え可能なメモリセルと、前記複数のメモリセルに消去電圧を印加してデータを消去するための消去回路と、前記消去電圧を調整するための消去電圧調整回路と、前記消去電圧を前記複数のメモリセルに印加し、前記複数のメモリセルの期待される特性値と実際の特性値の差から前記消去電圧の調整を行うテストシステムとを備え、前記テストシステムは前記複数のメモリセルのうち所定のしきい値範囲外のしきい値を持つセルを除外して前記実際の特性値を割り出すことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるNANDセル型EEPROMの構成を示している。2分割されたメモリセルアレイ1A,1Bに対して、それぞれビット線を制御するための主ビット線制御回路2A,2Bと、副ビット線制御回路3A,3Bが設けられている。メモリセルアレイ1に対して、読み出し時にセンスアンプとして、書き込み時に書き込みデータラッチ回路として動作するデータラッチ兼センスアンプ4が設けられている。主、副ビット線制御回路2A,2B,3A,3B及びデータラッチ兼センスアンプ4は、カラム系制御回路5によって制御される。
【0020】
ブロックアドレスバッファ8の出力を受けブロック選択を行うブロック選択回路7A,7Bと、選択されたブロックのワード線を制御するワード線制御回路6A,6Bが、メモリセルアレイ1A,1Bに対してそれぞれ設けられている。ブロック選択回路7A,7Bとワード線制御回路6A,6Bは、ロウ系制御回路9によって制御される。
【0021】
また、メモリセルアレイ1が形成されるセルウェルとメモリセルのソース線を制御するために、それぞれセルウェル制御回路10とセルソース制御回路11が設けられている。
【0022】
書き込み/消去に必要なVpp(〜20V),Vm10 (〜10V),Vm8(〜8V)の電圧は、Vpp昇圧回路12,Vm10 昇圧回路13,Vm8昇圧回路14でそれぞれ電源電圧Vcc(例えば3V)から昇圧される。
【0023】
図2(a)は、本実施形態で用いられ、電圧Vppが印加される高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタ(以下、HV n−ch Tr. )Qhを示している。図2(b)(c)はこのトランジスタの静特性を示していて、図2(a)に見られるように、ソースと基板を接地し5極管動作するようにドレインに電圧を印加した場合のゲート電圧Vg をパラメータとしたドレイン電流Id を示している。しきい値Vt は図2(b)に示されるように定義する。このHV n−ch Tr. Qhのしきい値はエンハンスメントタイプのトランジスタに比べ低く、図2(c)に見られるようにゲート電圧Vg が0Vでもカットオフしない、弱反転状態にある。しきい値Vt は負でもよいが、しきい値Vt は正であってゲート電圧Vg が0Vで弱反転状態となるのが望ましい。
【0024】
基板バイアス電圧を動作に合わせて適宜印加してもよいが、接地しておくのが望ましい。
【0025】
図3(a)は、HV n−ch Tr. Qhで構成された、スイッチング回路を示している。HV n−ch Tr. Qh1とQh2がノードN1 で接続され、ゲート電圧はどちらもV1 である。ノードN1 にバイアス回路15が接続される。以下、nチャネルMOSトランジスタの基板バイアスは断らない限り0Vである。
【0026】
HV n−ch Tr. Qh1のドレイン電圧VinをHV n−ch Tr. Qh2のソース電圧Vout に転送する場合、電圧V1 をVin+Vt(sub=Vin)以上とする。Vt(sub=Vsub )は、基板バイアスが−Vsub の時の HV n−ch Tr.のしきい値を示している。この時、バイアス回路15は非活性化状態にあり、ノードN1 に影響を与えないようにされている。
【0027】
電圧VinとVout を電気的に遮断する場合、V1 を十分低い電圧(例えば0V)にしてノードN1 には活性化状態のバイアス回路15によって所定の十分高い電圧が印加される。電圧Vin或いはVout が所定の十分高い電圧であれば、HV n−ch Tr. Qh1或いはQh2はカットオフ状態となり、電圧VinとVout は電気的に遮断される。また、このスイッチング回路が待機中は、バイアス回路15も非活性化状態となる。
【0028】
このスイッチング回路のより具体的な回路を図3(b)に示し、本実施形態での具体的な動作例を説明する。HV n−ch Tr. Qh1とQh2が直列接続され、HV n−ch Tr. Qh3で構成されるバイアス回路がノードN1 に接続される。バイアス回路の電源Vbiasは例えば電源電圧Vcc(〜3V)とされる。電圧Vinが昇圧電位Vpp(〜20V)であって、これをVout に転送する時、電圧V1 はVpp+Vt(sub=Vpp)以上とされる。また、バイアス回路の制御電圧V2 は例えば0Vにされる。ソース,ドレインがVcc、基板バイアス,ゲートが0Vの状態でHV n−ch Tr. Qhがカットオフ状態であれば、電圧VinはVout にのみ転送される。
【0029】
バイアス回路の制御電圧V2 が例えばVccでも、バックバイアス効果により、ノードN1 からVbiasに電荷が転送されなければよい。
【0030】
電圧Vinが昇圧電位Vpp(〜20V)であって、これとVout を電気的に遮断する時、電圧V1 は例えば0Vとされる。また、電圧V2 は例えばVccとなる。HV n−ch Tr. Qh3によって転送されるノードN1 の電圧をVn1とし、ソース,ドレインがVn1、基板バイアス,ゲートが0Vの状態でHV n−ch Tr. Qhがカットオフ状態であれば、HV n−ch Tr. Qh1はカットオフ状態となり、Vinに入力される電圧VppはVout と電気的に遮断される。
【0031】
例えば、本実施形態のNANDセル型EEPROMが待機中(全ての回路は待機中)、図3(b)に示されるスイッチング回路も電圧V1 が例えば0Vで待機中となる。電圧Vout が0Vの場合、電圧V2 が例えばVccであると、電圧Vbiasであるところの例えばVccがVout にリークする。そこでこのスイッチング回路が待機中は、電圧V2 は例えば0Vにされバイアス回路15は非活性化される。これによってVbiasからVout へのリーク電流は格段に低減される。待機中VinはVcc程度であることが多いのでVinからVout へのリーク電流も存在するが、電圧V2 が例えばVccである場合のVbiasからVout へのリーク電流に比べれば格段に少ない。
【0032】
図3(c)はスイッチング回路の変形例である。HV n−ch Tr. Qh3と電圧Vbiasの間にエンハンスメントタイプpチャネルMOSトランジスタ(以下、p−ch Tr.)Qp1が直列に接続され、HV n−ch Tr. Qh3とでバイアス回路15を構成する。このp−ch Tr.は高耐圧構造ではない。また、そのゲート電圧はV3 である。待機中は電圧V3 が例えばVccとされ、電圧VbiasからVout へのリーク電流を遮断する。非待機中(活性化中)はV3 は例えば0Vとされる。このスイッチング回路では、待機中、電圧V2 は例えばVccでもよい。
【0033】
図3に示されたスイッチング回路は、しきい値の低いHV n−ch Tr. Qhで構成されるため、電圧Vinに印加される高電圧Vppを転送する場合、電圧V1 の電位を低く抑えることができゲート絶縁膜耐圧を下げることができるなど、の利点がある。
【0034】
図4は、メモリセルアレイ1の具体的な構成を示している。メモリセルM1 〜M16が直列接続され、一端はデプレッションタイプ選択トランジスタS1 とエンハンスメントタイプ選択トランジスタS2 を介してビット線BLに接続され、他端はデプレッションタイプ選択トランジスタS3 とエンハンスメントタイプ選択トランジスタS4 を介して共通ソース線Vsourceに接続され、NAND型セルユニットNCU1を構成する。
【0035】
メモリセルM1 〜M16のゲート電極はそれぞれ制御ゲートCG1 〜CG16に接続され、複数個のNAND型セルユニットで共有する。制御ゲートを共有する、NANDセルユニットNCU1 に隣接したNANDセルユニットNCU2 は、選択トランジスタS1 のタイプが異なる。これは、選択トランジスタS2 〜S4 に関しても同じである。つまり、1本の選択ゲート、例えばSGD1 を共有する選択トランジスタS1 は、デプレッションタイプとエンハンスメントタイプのものが交互に配置される。
【0036】
交互に配置されたNAND型セルユニットNCU1 とNCU2 は、隣接した1組でビット線BLを共有する。また、制御ゲートCG1 〜CG16、選択ゲートSGD1 ,SGD2 ,SGS1 ,SGS2 を共有するNAND型セルユニットでブロックを構成する。メモリセルM及び選択トランジスタSはnチャネルタイプであり、このメモリセルアレイは、専用のpタイプウェル C−p−well 上に形成される。
【0037】
図5は、図1に示されるワード線制御回路6とブロック選択回路7を図4で示したメモリセルアレイとともに具体的に示している。
【0038】
HV n−ch Tr. Qh20 〜24とエンハンスメントタイプnチャネルMOSトランジスタ(以下、n−ch Tr.)Qn4で選択ゲート、例えばSGD1 を制御する選択ゲート制御回路を構成する。n−ch Tr. Qnは高耐圧構造ではない。HV n−ch Tr. Qh21 〜23で構成される回路は、図3(c)に示したHV n−ch Tr. Qh1〜3 で構成されるスイッチング回路と同じ構成である。 HV n−ch Tr.Qh25 で制御ゲート、例えばCG1を制御する制御ゲート制御回路を構成する。4つの選択ゲート制御回路と16個の制御ゲート制御回路で、1つのセルブロックのワード線を制御するワード線制御回路6を構成する。
【0039】
各ワード線制御回路6は、ブロック選択回路7の出力N2 をブロック選択信号として、選択されたブロックの制御ゲートSGD1 ,SGD2 ,SGS1 ,SGS2 と制御ゲートCG1 〜16に、各ブロックに共通の電圧VSGD1 ,VSGD2 ,VSGS1 ,VSGS2 と電圧VCG1 〜16をそれぞれ選択的に転送し印加する。
【0040】
ブロック選択回路7は、大きく2つの回路から構成される。1つは、p−ch Tr.Qp2〜5 、n−ch Tr.Qn1〜3 、ヒューズF1 、インバータI1 ,I2 、NORゲートG1 ,G2 から構成されるブロックアドレスデコーダである。ヒューズFが切断されている場合、或いはブロックアドレス信号RA,RB,RCのうち1つでも“L”である場合、デコーダ活性化反転信号RDENBBが“L”の時、ブロックアドレスデコーダの出力N3 は“L”となってブロック非選択状態となる。この時、副デコーダ活性化反転信号RDENBBDが“L”なら、信号φは“H”となる。
【0041】
もう1つは、NANDゲートG3 ,インバータI3 ,HV n−ch Tr. Qh4〜19で構成される電圧変換回路である。ノードN3 が“H”でブロック選択状態となって、信号RNGRDが発振すると、このブロック選択回路の出力N2 が電圧VppRW+Vt(sub=VppRW)となる。待機時、全てのブロック選択回路7は、電圧VppRWからのリーク電流を防ぐため、信号RDENBBが“H”とされノードN3 が“H”となってブロック選択状態となる。
【0042】
電圧変換回路が正常に動作するためには、HV n−ch Tr. QhのVt(sub=VppRW)がVcc以下であるのが望ましい。また、HV n−ch Tr. Qhは基板バイアス0V、ソース電圧とゲート電圧がVccで、極弱い反転状態或いはカットオフ状態であるのが望ましい。
【0043】
図6は、図1に示される主ビット線制御回路2、副ビット線制御回路3とデータラッチ兼センスアンプ4の具体的な構成を示している。
【0044】
主ビット線制御回路2Aは、n−ch Tr.Qn14 のゲート電極である信号SAが“H”となるとデータラッチ兼センスアンプ4と接続される。n−ch Tr.Qn15,16は、データラッチ兼センスアンプ4に記憶されているデータに応じて、ベリファイ信号VRFYAが“H”になると、デプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタQd1のゲート電極を充電する。デプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタのチャネルは、メモリセルアレイ中のディプリションタイプの選択トランジスタのチャネル形成時に同時に形成すれば、製造工程を増加させることなく形成される。或いは、このデプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタの代わりに、HV n−ch Tr. QhでMOSキャパシタを形成してもよい。
【0045】
信号SRが“H”、信号SS1 又はSS2 が“H”となってメモリセルアレイ1Aのビット線BL1 又はBL2 と主ビット線制御回路2を選択的に接続する。このため、n−ch Tr.Qn17,19,20 とHV n−ch Tr. Qh28,29が設けられている。n−ch Tr.Qn18 は信号RSTが“H”でビット線をリセットする。
【0046】
主ビット線制御回路2Bは主ビット線制御回路2Aと同じ回路構成であるが、セルアレイ1Bのビット線BL3 ,BL4 に対応して、信号SAに対して信号SB、信号VRFYAに対して信号VRFYBが制御信号として設定される。
【0047】
データラッチ兼センスアンプ4は、n−ch Tr.Qn11 〜13とp−ch Tr.Qp6〜8 で構成されるフリップフロップFFと、イコライズ回路であるn−ch Tr.Qn10 と、カラム選択ゲートであるn−ch Tr.Qn21,22と、カラムアドレスデコーダであるNOR回路G4 で構成される。
【0048】
信号φN ,φp がそれぞれ“H”,“L”でフリップフロップFFは活性化され、それぞれ“L”,“H”で非活性化される。信号φE が“H”となると、フリップフロップFFの2端子はイコライズされる。電圧VBITHはフリップフロップFFの電源電圧である。カラムアドレス反転信号CADDBn(n=1,2,3)が全て“L”、カラムアドレスデコーダ活性化反転信号CENBBが“L”で、カラム選択ゲートが“ON”となり、フリップフロップFFとデータ入出力線IOA,IOBが接続される。
【0049】
副ビット線制御回路3Aは、HV n−ch Tr. Qh26,27とn−ch Tr.Qn5,6で構成されるビット線選択ゲートと、ビット線リセットのためのn−ch Tr.Qn7と、ビット線に電圧VAを転送するためのn−ch Tr.Qn8と、ビット線電位検出回路であるn−ch Tr.Qn9と、欠陥ビット線救済のためのヒューズF2,3 で構成される。
【0050】
信号SS1 とSS2 によって選択的にビット線BL1 又はBL2 を副ビット線制御回路3Aに接続する。信号RSTDが“H”でビット線をリセットする。信号PREが“H”で、ビット線充電電圧VAをビット線に転送する。ビット線電位検出回路の出力はφDTCAとして出力される。リーク欠陥のあるビット線ではヒューズF2,3 が切断される。
【0051】
副ビット線制御回路3Bは副ビット線制御回路3Aと同じ回路構成であるが、セルアレイ1Bのビット線BL3 ,BL4 に対応して、電圧VAに対して電圧VB、信号φDTCAに対して信号φDTCBが設定される。
【0052】
図7,8〜13に従って、メモリセルアレイ1、主ビット線制御回路2、副ビット線制御回路3、データラッチ兼センスアンプ4、ワード線制御回路6、ブロック選択回路7の動作を説明する。図中のセルアレイ部とはメモリセルアレイ1の部分、ロウデコーダ部とはワード線制御回路6とブロック選択回路7の部分、センスアンプ部とは主ビット線制御回路2と副ビット線制御回路3とデータラッチ兼センスアンプ4の部分のことを示している。
【0053】
図7,8は、NANDセルユニットNCU1 が選択され、制御ゲートCG2 が選択され、ビット線BL1 が選択されている場合の読み出し動作のタイミングを示している。この場合、ビット線BL3 がダミービット線となり、ビット線BL2,4 はシールド線となる。
【0054】
まず、信号SS1 が“L”となって、ビット線BL1 が副ビット線制御回路3A、ビット線BL2 が主ビット線制御回路2A、ビット線BL3 が副ビット線制御回路3B、ビット線BL4 が主ビット線制御回路2B、に接続される。信号PREが“H”となって電圧VA(例えば1.2V)、VB(例えば1.0V)がそれぞれビット線BL1 ,BL3 に充電される。充電終了後、信号PREが“L”、続いて信号SS2 が“L”となって、全ビット線はフローティングとなる。信号RSTが“L”、続いて、信号RSTDが“H”、SS1 が“H”となって、選択ビット線BL1 とダミービット線BL3 が主ビット線制御回路2に接続され、ビット線BL2,4 は副ビット線制御回路3に接続され接地される。
【0055】
信号RDENBBが“L”となって、ブロックアドレス信号RAn,RBn,RCn(図7,8ではまとめてAddRとしている)が全て“H”となったブロック選択回路7のみ、その出力N2 は“H”となる。信号RDENBBDが“L”となり、信号RNGRDが発振すると、ブロック選択回路7の出力N2 はVcc+Vt(sub=Vcc)まで昇圧される。また、信号LINKもVcc+Vt(sub=Vcc)以上に昇圧される。
【0056】
信号VCG1,3 〜16、VSGD2 ,VSGS2 がVccとなって、選択された制御ゲートCG2 のみ0V、その他のCG1,3 〜16はVccとなる。メモリセルMのしきい値が0V以上ならビット線BL1 の電位は変化せず、0V以下ならビット線BL1 の電位はダミービット線BL3 の電位以下に低下する。書き込みベリファイ時には、図7,8中点線のようにVCG2 は例えば0.5VとなってCG2 が0.5Vとなり、ビット線BL1 の電位がダミービット線BL3 の電位以下に低下するのは、メモリセルMのしきい値が0.5V以下の時となる。
【0057】
信号VSGD2 ,VSGS2 ,VCG1 〜16が全て0V、信号RNGRDの発振が止まり、信号RDENBBDが“H”続いてRDENBBが“H”になった後、信号SRが“L”となり、選択ビット線BL1 の電位はデプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタQd1のゲート電極に、ダミービット線BL3 の電位はデプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタQd2のゲート電極に取り込まれる。この後、書き込みベリファイ時のみ信号VRFYAが“H”となって、“1”書き込み後のデプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタQd1のゲート電極の電位は、デプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタQd2のゲート電極の電位以上にされる。
【0058】
信号φN ,φP がそれぞれ“L”,“H”、続いて信号φE が“H”となってデータラッチ兼センスアンプ4はリセットされる。信号SA,SBが“H”となって主ビット線制御回路2とデータラッチ兼センスアンプ4が接続され、信号φP が“L”、φN が“H”となってデプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタQd1,2のゲート電極の電位がセンスされ、そのデータはラッチされる。信号SRが“H”となって、センスされた情報はビット線BLを介して、ビット線電位検出回路であるn−ch Tr.Qn9のゲートに転送される。
【0059】
書き込みベリファイ時に書き込みが終了している場合は、全てのダミ−ビット線BL3 が“L”となっているので、前もって“H”に充電されている信号φDCTBは“H”のままとなる。消去ベリファイ時に消去が終了している場合は、全ての選択ビット線BL1 が“L”となっているので、前もって“H”に充電されている信号φDCTAは“H”のままとなる。
【0060】
本実施形態では、デプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタQd1,2のゲート電極にビット線BLの電位を取り込んでセンスしているが、図7,8に一点鎖線で示されているように信号SRを制御すれば、ビット線BLを直接センスできる。
【0061】
読み出し中は、ブロック選択回路7の電圧VppRWとデータラッチ兼センスアンプ4の電圧VBITHは電源電圧Vccである。
【0062】
図9,10は、NANDセルユニットNCU1 が選択され、制御ゲートCG2 が選択され、ビット線BL1 が選択されている場合の書き込み動作のタイミングを示している。
【0063】
信号RDENBBが“L”となり、ブッロクアドレスAddRが確定し、信号RDENBBDが“L”となって、信号RNGRDが発振すると、ブッロク選択回路の出力N2 がVppRW+Vt(sub=VppRW)になる。
【0064】
信号SS2 が“L”となって、選択ビット線BL1 は主ビット線制御回路2Aに、非選択ビット線BL2 は副ビット線制御回路3Aに接続される。また、信号RSTが“L”となる。
【0065】
信号VSGD2 ,VSGS1 ,VCG1 〜16、電圧Vsource,VA、信号PRE,VRFYAが電源電圧Vccとなる。このとき選択ビット線BL1 は、“1”書き込みの場合“H”で“0”書き込みの場合“L”となる。信号VRFYAが“L”となって、信号SAが“H”となるとビット線BL1 とデータラッチ兼センスアンプ4は、主ビット線制御回路2Aを介して接続される。
【0066】
続いて、電圧Vsource,VA,VBITHがVm8昇圧回路14の出力Vm8(〜8V)に、信号LINK、電圧VppRWがVpp昇圧回路12の出力VppW (〜18V)に、信号SS1 ,PRE,SA,SRがVm10 昇圧回路13の出力Vm10 (〜10V)になる。
【0067】
また、信号VSGD2 ,VSGS1 ,VCG1,3 〜16がVm10 となる。このタイミングは電圧VBITHがVm8に昇圧されるタイミングと同じでもよい。続いて、信号VCG2 がVppW となり、選択された制御ゲートCG2 が書き込み電圧VppW となる。このとき選択ビット線BL1 は、“1”書き込み時Vm8、“0”書き込み時0Vである。また、非選択ビット線BL2 はVm8である。これによって“0”書き込みのメモリセルMでのみ、制御ゲートCGの電位VppW とチャネル電位0Vの電位差で電荷蓄積層に電子注入が起こりしきい値が正に方向にシフトする。
【0068】
この実施形態では、“1”書き込み時のビット線BL1 、非選択ビット線BL2 とVsourceの電圧をVm8としたが、ビット線BL1 ,BL2 、ソース線Vsource、選択ゲートSGD2 ,SGS1 をVccとして制御ゲートCG1 〜16がVccからVm10 又はVppW に高められるのを利用して、制御ゲートCGとメモリセルMのチャネルの静電容量結合でメモリセルMのチャネルをVm8程度にしてもよい。この場合は図9,10の点線で示されているようになり、チャネルフローティング方式と呼ぶ。
【0069】
信号VCG2 がVppW からVccとなり選択された制御ゲートCG2 がVccとなる。続いて信号VSGD2 ,VSGS1 ,VCG1,3 〜16がVm10 からVccとなり、各信号、電圧は待機状態にリセットされる。書き込み動作中、信号φN はVcc、φpとφE は0Vである。
【0070】
図11は、書き込み動作中に電圧Vm8,Vm10 ,VppW が印加されるメモリセルアレイ以外の回路の書き込みストレス試験の動作を示している。
【0071】
基本的に書き込み動作と同じであるが、書き込み電圧VppW はどの制御ゲートにも印加されない。さらに、選択ゲートSGD1 ,SGD2 ,SGS1 ,SGS2 は同時に選択され、信号SS1 ,SS2 、電圧VA,VBも同時に選択される。信号SA,SBはどちらも“L”のままである。信号SA,SBが“L”であるのは、メモリセルアレイに電圧ストレスが印加されないようにするためで、信号SA,SBにVm10 が印加される場合のストレス試験は消去ストレス試験時に行う。これは図13でのちほど説明する。
【0072】
また、全てのブロックを選択するようにブロックアドレスAddRは発生させられる。このときブロック選択回路7中のヒューズF1 が切断されたブロックは選択されないが、このようなブロックも選択するには信号RDENBBとRDENBBDを“H”にしておけばよい。
【0073】
図11の実線は第1書き込みストレス試験を示していて、メモリセルアレイの選択ゲート,制御ゲートにVm10 が、ビット線とソース線にVm8が印加される。図9,10を用いて説明した書き込み動作でチャネルフローティング方式の場合は、点線のようになる。図11の1点鎖線は第2書き込みストレス試験を示していて、選択ゲート,制御ゲート,ビット線,ソース線は全て0Vである。第1の書き込みストレス試験時のデータラッチ兼センスアンプ4のデータは、第2の書き込みストレス試験時に反転させられる。
【0074】
図12は消去動作を示すタイミング図である。まず、信号VCG1 〜16が全てVECG となる。このVECG という電圧は、HV n−ch Tr. QhのソースとドレインにVECG を印加し、ゲート及び基板電圧を0Vにしたとき、HV n−ch Tr. Qhがカットオフ状態になる電圧であり、1V程度ある。ブロックアドレス信号RA,RB,RCは、選択ブロックで全て“H”(図12でAddRが“H”として示される)、非選択ブロックではいずれかが“L”(図12でAddRが“L”として示される)である。
【0075】
信号RDENBB,LINK、SS1 とSS2 が“L”となり、ビット線と非選択ブロックの制御ゲートはフローティングとなる。また、ソース線Vsourceもフローティング状態にされている。続いて、信号VSGD1,2 とVSGS1,2 がVccとなり、メモリセルアレイ1が形成されるセルウェル C−p−well がVccとなる。この結果、全ビット線BL,ソース線Vsource,全選択ゲートSG,全非選択ブロックの制御ゲートCGは、セルウェル C−p−well の電位によってほぼVccまで引き上げられる。選択ブロックの全制御ゲートCGのみVECG である。
【0076】
さらに、セルウェル C−p−well がVpp昇圧回路12の出力である消去電圧VppE (〜20V)となると、全ビット線BL,ソース線Vsource,全選択ゲートSG,全非選択ブロックの制御ゲートCGは、セルウェル C−p−well の電位によってほぼVppE まで引き上げられる。選択されたブロックの制御ゲートCGの電位VECG とセルウェル C−p−well の電位VppE との電位差によって、選択ブロックのメモリセルMでは電荷蓄積層から電子が放出され、しきい値は負の方向へシフトする。
【0077】
セルウェル C−p−well が消去電圧VppE からVccになってから、各信号、電圧は待機状態にリセットされる。消去動作中、電圧VppRWはVcc、信号RNGRDは0Vで、センスアンプ部の各信号、電圧は信号SS1 ,SS2 を除いて待機中と同じである。
【0078】
図13は、メモリセルアレイ以外の消去電圧が印加される周辺回路の消去ストレス試験の動作を示している。基本的に消去動作と同じであるが、どのブロックも選択されない。また、書き込みストレス試験で行われない、信号VCG1 〜16のVpp出力(書き込みではVppW だがVppE を出力)が行われ、信号φN が“L”、φpが“H”となってデータラッチ兼センスアンプ4が非活性化され信号SA、SBがVm10 となる。
【0079】
図14〜37は、図1に示されたカラム系制御回路5,ロウ系制御回路9,セルウェル制御回路10,セルソース制御回路11,昇圧回路12〜14のうち、電圧Vm8,Vm10 ,Vppを扱う全ての主要回路を示している。
【0080】
図14(a)は、書き込み電圧/消去電圧(Vpp)と接地電位を切り替えるためのVppスイッチ回路16の具体的な構成を示している。図14(b)はこのVppスイッチ回路の略式記号を示している。HV n−ch Tr. Qh34 〜36,Qh37 〜39,Qh40 〜42,Qh43 〜45はそれぞれ図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。信号PONBが“H”で出力Vout は0V、信号PONBが“L”で信号RNGが発振すると出力Vout は、書き込み電圧/消去電圧(Vpp)以上のVpp+Vt(sub=Vpp)となる。図38はこの動作タイミングを示している。待機中は信号RNGは0V、信号PONBはVcc、電圧VppはVccでVout は0Vである。信号PONBが0VとなるとVout はVcc−Vt(sub=Vcc)程度となる。信号RNGが発振すると、電圧VppがVqqのときVout はVqq+Vt(sub=Vqq)となる。電圧VppがVccとなり信号PONBがVccとなるとVout は0Vとなる。
【0081】
図15(a)は、電圧Vm8又はVm10 と接地電位を切り替えるためのVmスイッチ回路17の具体的な構成を示している。図15(b)はこのVmスイッチ回路の略式記号を示している。HV n−ch Tr. Qh50 〜52,Qh53 〜55はそれぞれ図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。信号PONBが“H”で出力Vout は0V、信号PONBが“L”で信号RNGが発振すると出力Vout はVm+Vt(sub=Vm)となる。図39はこの動作タイミングを示している。待機中は信号RNGは0V、信号PONBはVccでVout は0Vである。信号PONBが0VとなるとVout はVcc−Vt(sub=Vcc)程度となる。信号RNGが発振すると、Vout はVm+Vt(sub=Vm)となる。信号PONBがVccとなるとVout は0Vとなる。
【0082】
図16(a)は、電源電圧Vccと接地電位を切り替えるためのVccスイッチ回路18の具体的な構成を示している。図16(b)はこのVccスイッチ回路の略式記号を示している。信号PONBが“H”で出力Vout は0V、信号PONBが“L”で信号RNGが発振すると出力Vout はVcc+2Vt(sub=Vcc)程度となる。図40はこの動作タイミングを示している。待機中は信号RNGは0V、信号PONBはVccでVout は0Vである。信号PONBが0VとなるとVout はVcc−Vt(sub=Vcc)程度となる。信号RNGが発振すると、Vout はVcc+2Vt(sub=Vcc)程度となる。信号PONBがVccとなるとVout は0Vとなる。
【0083】
図17(a)は、書き込み電圧/消去電圧と電源電圧Vcc電位を切り替えるためのVpp−Vccスイッチ回路19の具体的な構成を示している。図17(b)はこのVpp−Vccスイッチ回路の略式記号を示している。信号EVCCBが“L”で信号EVPPが“L”の時は出力Vout はVcc、信号EVCCBが“H”で信号EVPPが“H”で信号RNGが発振すると出力Vout はVppとなる。図41はこの動作タイミングを示している。待機中は信号RNGは0V、信号EVCCB,EVPPは0VでVout はVcc程度のフローティングである。信号RNGが発振すると、Vout はVccとなる。信号EVCCBがVccとなり続いて信号EVPPがVccとなるとVout はVppとなる。信号EVPPが0Vとなって、続いて信号EVCCBが0VとなるとVout はVccとなる。
【0084】
この回路では、HV n−ch Tr. Qh63,64,70,71,72,78,79 をよりしきい値の低いデプレッションタイプにすると安定性が増す。このときのデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタは、ゲート電圧がVcc、ソース電圧がVcc、ドレイン電圧がVcc、基板電圧が0Vで反転状態となり、ゲート電圧が0V、ソース電圧がVcc、ドレイン電圧がVcc、基板電圧が0Vでカットオフ状態となるようなものが望ましい。また、デプレッションタイプを用いた場合、NAND回路G8,9 の入力信号RNGは必要なく0Vにしておけばよい。さらに、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhd1,2 を用いて図61のようにしてもよい。この図61に示される回路は、用いられるトランジスタの数が少なく回路面積を小さくできる。
【0085】
図5に示したブロック選択回路7のHV n−ch Tr. Qh4,5,6,7を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにして、Qh4,5のゲートを信号RDENBBDとしてもよい。また、図14,15,16のHV n−ch Tr. Qh30,31,32,33,46,47,48,56,57,58を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにして、Qh30,31,46,47,56,57のゲートを信号PONBにしてもよい。
【0086】
図18は、信号VCGn(n=1〜16)を出力する制御ゲートドライバの具体的な構成を示している。HV n−ch Tr. Qh95 〜97,Qh98 〜100 はそれぞれ図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。図42はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,CGVGL,CGVCC,CGVM,CGVPP,WPnは0Vである。WPn(n=1〜16)はそれぞれ出力VCGn(n=1〜16)に対応していて、WPnBはその反転信号である。また、待機中、信号CG0V,CGTRはVcc、電圧VPPCG1 ,VPPCG2 はVcc、電圧VGLは0Vである。よって出力VCGnは0Vである。
【0087】
読み出し時などでは、信号CG0Vが0Vとなって、信号CGVGLとCGVCCがVccとなる。このときWPnがVccの場合、電圧VGLが出力される。VGLは読み出し時0V、書き込みベリファイ時はベリファイ電圧(〜0.5V)、メモリセルのしきい値を測定するテスト動作の時は0V〜Vcc程度となる。WPnが0Vの時、出力VCGnはVccとなる。
【0088】
書き込み時などでは、信号CG0Vが0V、CGTRが0V、CGVCCがVccとなって、まずVccが出力される。その後、信号CGVCCが0Vとなって、信号CGVPPとCGVMがVccとなり、電圧VPPCG1,2 がVppW となる。この時、信号WPnがVccの場合はVppWが出力され、WPnが0Vの場合はVm10 が出力される。電圧VPPCG2 がVccに戻ると、WPnがVccの場合出力はVccとなる。こののちVPPCG1 がVccに戻る。続いて、信号CGVPPが0V、CGVMが0Vとなる。再度信号CGVCCをVccにすると、WPnが0Vの場合出力がVccになる。信号CGVCCが0V、CG0VとCGTRがVccとなって出力は0Vに戻る。
【0089】
消去時などでは、信号CG0Vが0V、WPnは全てVccとなって、信号CVGLがVccとなることで電圧VGLが出力される。電圧VGLはVECG (〜1V)となっている。
【0090】
HV n−ch Tr. Qh94 を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0091】
図19は、信号VSGXn(X=D,S、n=1,2)を出力する選択ゲートドライバの具体的な構成を示している。HV n−ch Tr. Qh105〜107 は図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。図43はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,SGGND,SGVCC,SGVM,WSXnは0Vである。信号WSXn(X=D,S、n=1,2)は出力VSGXn(X=D,S、n=1,2)に対応していて、WSXnBはその反転信号である。信号SG0VはVccである。
【0092】
読み出し時などでは、信号SG0Vが0Vとなって信号SGGND,SGVCCがVccとなると、信号WSXnがVccの場合はVccが出力され、WSXnが0Vの場合は出力は0Vとなる。書き込み時などでは、信号SG0Vが0Vとなって、信号WSXnが0Vの場合はVccとなる信号SGGNDによって0Vが出力される。信号WSXnがVccの場合は、SGVCCがVccの場合にVcc、信号SGVMがVccの場合にVm10 がそれぞれ出力される。消去時などでは信号WSXnが全てVccとなり、全VSGXnはVccとなる。
【0093】
図20は、電圧VPPCGn(n=1,2)を制御する回路を示している。信号CDVPPn(n=1,2)とCDVCCnB(n=1,2)はそれぞれ出力VPPCGn(n=1,2)に対応している。信号CDVPPnとCDVCCnBが0Vで出力はVcc、CDVPPnとCDVCCnBがVccで信号RNGが発振するとVppが出力される。
【0094】
図21は、電圧VppRWを制御する回路を示している。信号RWVPPとRWVCCBが0Vで出力はVcc、RWVPPとRWVCCBがVccで信号RNGが発振するとVppが出力される。
【0095】
図22は、信号LINKを出力する回路の具体的な構成を示している。図44はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,LK0V,LKBT,LKVCCBは0Vで、信号LKTR,LKVPPBはVcc、電圧VPPLK1,2 はVccである。よって出力はVccとなる。
【0096】
読み出し時などでは、信号LKTRが0Vとなり信号LKVCCBがVccとなって、信号LKBTがVccとなると出力LINKはVccから昇圧されVcc+αとなる。αはVcc以下である。書き込み時などでは、信号LKTRが0V、LKVCCBがVcc、LKVPPBが0Vとなって、電圧VPPLK1,2 がVppWとなって出力LINKはVppW となる。電圧VPPLK2がVccとなって、出力LINKはVccとなる。消去時などでは、信号LKVCCBとLK0VがVccとなって、出力LINKは0Vとなる。
【0097】
HV n−ch Tr. Qh108,109を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0098】
図23は、電圧VPPLKn(n=1,2)を制御する回路を示している。信号LKVPPn(n=1,2)とLKVCCnB(n=1,2)はそれぞれ出力VPPLKn(n=1,2)に対応している。信号LKVPPnとLKVCCnBが0Vで出力はVcc、LKVPPnとLKVCCnBがVccで信号RNGが発振するとVppが出力される。
【0099】
図24は、電圧VPPCPWn(n=1,2)を制御する回路を示している。信号CPVPPn(n=1,2)とCPVCCnB(n=1,2)はそれぞれ出力VPPCPWn(n=1,2)に対応している。信号CPVPPnとCPVCCnBが0Vで出力はVcc、CPVPPnとCPVCCnBがVccで信号RNGが発振するとVppが出力される。
【0100】
図25は、電圧 C−p−well を出力する回路の具体的な構成を示している。HV n−ch Tr. Qh115〜117 は図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。図45はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNGE,READ,MVTDは0Vで、信号CPW0V,CPW3VB,CPWTR,CPWVPPBはVcc、電圧VPPCPW1,2 はVccである。よって出力は0Vとなる。
【0101】
読み出し時などでは、出力 C−p−well は0Vであるが、信号MVTDがVccとなると電圧VPWを出力する。電圧VPWは0V〜Vccで、メモリセルMの負のしきい値を測定するテスト動作時に用いられる。消去時などでは、信号CPW0V,CPW3VB,CPWTR,CPWVPPBが0Vとなって、電圧VPPCPW1,2がVppE となってVppE が出力される。電圧VPPCPW2がVccとなって、 C−p−well はVccとなり、信号CPW0V,CPW3VB,CPWTR,CPWVPPBがVccとなって0Vとなる。
【0102】
HV n−ch Tr. Qh114を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0103】
図26は、電圧Vsourceを出力する回路の具体的な構成を示している。HV n−ch Tr. Qh120〜122 は図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。図46はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,READ,MVTDは0Vで、信号CS0V,CSTR,CS3VB,CSVCCB,CSVM8BはVccである。よって出力は0Vとなる。
【0104】
読み出し時などでは、出力Vsourceは0Vであるが、信号MVTDがVccとなると電圧VPWを出力する。電圧VPWは0V〜Vccで、メモリセルMの負のしきい値を測定するテスト動作時に用いられる。書き込み時などでは、信号CS0Vが0VとなってCS3VBとCSVCCBが0Vとなると、Vccが出力される。その後、信号CSVCCBがVccとなって、CSTRとCSVM8Bが0Vとなると、Vm8が出力される。消去時などでは、信号CS0V,CS3VB,CSTRが0Vとなって、出力Vsourceはフローティングとなる。このとき、電圧 C−p−well に従って電位は変化する。
【0105】
HV n−ch Tr. Qh118を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0106】
図27は、信号SX(X=A,B)を出力する回路の具体的な構成を示している。HV n−ch Tr. Qh127〜129 は図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。図47はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,SABTRB,SAB3V,SABBT,SAB10V,CELLXは0Vで、信号SAB0VはVccである。よって出力は0Vとなる。信号CELLX(X=A,B)は出力SX(X=A,B)に対応している。
【0107】
読み出し時などでは、信号SAB0Vが0V、SAB3VがVcc、CELLA,CELLBが共にVccとなって、続いて信号SABTRBとSABBTがVccとなると出力はVcc+αとなる。αはVcc以下である。書き込み時などでは、信号SAB0Vが0V、信号SAB3VがVccとなって、続いて信号SABTRBがVccとなってSAB10VがVccとなると、信号CELLXがVccの場合、出力はVm10 +Vcc−Vt(sub=Vm10 )程度となる。
【0108】
HV n−ch Tr. Qh123,124を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0109】
図28は、信号SSn(n=1,2)を出力する回路の具体的な構成を示している。図48はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,SSRSTB,SSGND,SSBT,SSVCC,SS10V,SBLnは0Vである。よって出力はVccとなる。信号SBLn(n=1,2)は出力SSn(n=1,2)に対応している。信号SBLnBは、その反転信号である。
【0110】
読み出し時などでは、信号SSRSTBがVcc、SSGNDがVccとなってSSBTがVccとなると、信号SBLnがVccの場合は出力がVcc+αに昇圧される。αはVcc以下である。信号SBLnが0Vの場合、出力は0Vとなる。書き込み時などでは、信号SSRSTBとSSGNDがVccとなり、信号SS10VがVccとなると、信号SBLnがVccの場合はVm10 +Vcc−Vt(sub=Vm10 )程度となる。信号SBLnが0Vの場合は、0Vが出力される。消去時などでは、信号SSRSTBとSSGNDがVccとなり、SBL1 ,SBL2 が共に0Vとなって出力SS1 ,SS2 は共に0Vとなる。
【0111】
図29は、電圧VBITHを制御する回路の具体的な構成を示している。図49はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,NW8Vは0Vで、信号NW8VDBはVccである。よって出力はVccとなる。信号NW8VがVcc、NW8VDBが0Vとなると電圧VBITHはVm8となる。
【0112】
HV n−ch Tr. Qh138を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0113】
図30は、電圧VX(X=A,B)を出力する回路の具体的な構成を示している。HV n−ch Tr. Qh144〜146 は図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。図50はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,VABRSTB,VAB0V,VABL,VABH,VAB8V,PRCXは0Vであり、電圧VHL,VHHとも0Vである。よって出力は0Vとなる。信号PRCX(X=A,B)は出力VX(X=A,B)に対応している。信号PRCXBはPRCXの反転信号である。
【0114】
読み出し時などでは、信号VABRSTBがVcc、VABLとVABHがVccで、PRCXがVccの場合は電圧VHHが出力される。信号PRCXが0Vの場合は、電圧VHLが出力される。書き込み時などでは、信号VABRSTBがVccとなる。信号PRCXが0Vの場合は、信号VAB0VがVccとなることで出力は0Vである。信号PRCXがVccの場合は、信号VABHと電圧VHHがVccとなることで出力はVccとなり、信号VAB8VがVccとなることで出力はVm8となる。
【0115】
図31は、信号PREを出力する回路の具体的な構成を示している。HV n−ch Tr. Qh151〜153 は図3(c)に示したスイッチング回路と同じ構成である。図51はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,PREBT,PRE10Vは0Vで、信号PR0V,PRTRはVccである。よって出力は0Vとなる。
【0116】
読み出し時などでは、信号PR0Vが0V、PRTRが0Vとなって、信号PRBTがVccとなると出力はVcc+αとなる。αはVcc以下である。書き込み時などでは、信号PR0Vが0V、信号PRTRが0Vとなって、続いて信号PR10VがVccとなると、出力はVm10 +Vcc−Vt(sub=Vm10 )程度となる。
【0117】
HV n−ch Tr. Qh147,148を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0118】
図32は、信号SRを出力する回路の具体的な構成を示している。図52はこの動作タイミングを示している。待機中、信号RNG,SR0V,SRBT,SRVCCBは0Vで、信号SR10VBはVccである。よって、出力はVccとなる。
【0119】
読み出し時などでは、信号SRVCCBがVccとなって、信号SRBTがVccとなると出力はVcc+αとなる。αはVcc以下である。続いてSR0VがVccとなると出力は0Vとなる。書き込み時などでは、信号SRVCCBがVccとなって、続いて信号SR10VBが0Vとなると、出力はVm10 +Vcc−Vt(sub=Vm10 )程度となる。
【0120】
図33は、信号φE を出力する回路の具体的な構成を示している。図53はこの動作タイミングを示している。待機中、信号FIETRB,FIEBTは0Vで、信号FIE3VBはVccである。よって出力は0Vとなる。
【0121】
読み出し時などでは、信号FIE3VBが0Vとなって、信号FIETRBがVccとなり、続いて信号FIEBTがVccとなると出力はVcc+αとなる。αはVcc以下である。HV n−ch Tr. Qh162,163を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0122】
図34は、信号VRFYX(X=A,B)を出力する回路の具体的な構成を示している。図54はこの動作タイミングを示している。待機中、信号VR3V,VRTRB,VRBT,PRCXは0Vである。よって出力は0Vとなる。信号PRCX(X=A,B)は出力VRFYX(X=A,B)に対応している。信号PRCXBはPRCXの反転信号である。
【0123】
読み出し時などでは、信号VR3VがVccとなって、信号VRTRBがVccとなり、続いて信号VRBTがVccとなると、信号PRCXがVccの場合は出力はVcc+αとなる。αはVcc以下である。信号PRCXが0Vの場合は、出力は0Vである。
【0124】
HV n−ch Tr. Qh164,165を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0125】
図35(a)は、昇圧回路で用いられる昇圧セルを具体的に示している。信号PRSTが十分高くなると、この昇圧セルはリセットされる。信号PRSTが0Vで、信号φが0Vで、信号φBがVccとなると、入力電圧VinがVout に転送される。この後、信号φがVccとなって電圧Vout は昇圧される。図35(b)はこの昇圧セル20の略式記号である。
【0126】
HV n−ch Tr. Qh166,169,170,172を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。
【0127】
図36は、昇圧回路の具体的な構成を示している。Vpp昇圧回路12、Vm10 昇圧回路13、Vm8昇圧回路14とも、図36に示される回路であるが、それぞれ昇圧セル20の個数nがちがう。昇圧電位が低いものは、昇圧セルの個数は少なくてよい。この図36では出力がVPUMPとなっているが、Vpp昇圧回路12,Vm10 昇圧回路13,Vm8昇圧回路14に対して、それぞれVpp,Vm10 ,Vm8である。信号PRSTBがVccで昇圧回路はリセットされる。信号PRSTBが0Vとなって、信号φ1〜4が発振すると出力VPUMPは昇圧される。
【0128】
HV n−ch Tr. Qh173,174,176,178を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。Qh174,176のゲートは信号PRSTBにするとよい。
【0129】
図37は、昇圧電位リミッタ回路の具体的な構成を示している。Vpp昇圧回路12,Vm10 昇圧回路13,Vm8昇圧回路14の出力に接続される昇圧電位リミッタとも、図37に示される回路であるが、それぞれスイッチSWの接続がちがう。この図37では出力がVPUMPとなっているが、Vpp昇圧回路12,Vm10 昇圧回路13,Vm8昇圧回路14に対して、それぞれVpp,Vm10 ,Vm8である。信号PRSTBがVccで、出力VPUMPはVccとなる。
【0130】
信号EXVは通常0Vで、テスト動作時に外部からVpp,Vm10 ,Vm8を供給する場合には、EXVはVccとなる。信号PRSTBが0Vとなると、電圧VPUMPと接地電位の間の抵抗R1〜Rnによって、VPUMPに比例した電圧がスイッチSWを介して電圧比較器21に入力される。この電圧は、参照電圧Vrefと比較され、Vrefの方が高いとn−ch Tr.Qn35 のゲート電極に電圧比較器によって“L”レベルの電圧が印加され、Vrefの方が低いとn−ch Tr.Qn35 のゲート電極に電圧比較器によって“H”レベルの電圧が印加されVPUMPの電位が下げられる。このリミッタ回路では、製造後にスイッチSWの接続を変えることで、製造ばらつきに対応して電圧トリミングができる。図55はこの昇圧動作のタイミングを示している。また、図55に対応して、例としてVpp昇圧回路の出力Vppが昇圧される様子が図56に示されている。
【0131】
HV n−ch Tr. Qh181を、上述のデプレッションタイプ高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタQhdにしてもよい。Qh181のゲートは信号PRSTBにするとよい。
【0132】
図57は、電圧Vddを制御する回路の具体的な構成を示している。待機中は、信号CESBがVccで電圧Vddは電源電圧Vccと切り離される。待機中でなければ、信号CESBは0Vとなり、VddはVccとなる。
【0133】
図58は、このようなNAND型EEPROMの書き込み動作後のメモリセルMのしきい値分布を示している。この分布は、どのメモリセルMにも同じ書き込み電圧、同じ書き込み時間で“0”書き込みをしたときのものである。実際の書き込みは書き込み動作とビット毎ベリファイ動作を繰り返しながら行われるので、メモリセルMのしきい値分布幅はより狭くなる。しかしながら、所定の書き込み時間内に所定の分布範囲に収めるには、図58に示されたような分布も所定の範囲内になければならないので、その所定範囲から離れたしきい値を持つセル(離れビット)は冗長セルに置き換える必要がある。また、書き込み電圧が設定値からずれている場合は、トリミングしなければならない。そこで、適当な分布度数K以上の分布度数を持つしきい値範囲を測定する。その下限をVt−min 、上限をVt−max とする。
【0134】
図59,60は、このVt−min 、Vt−max を用いた書き込み電圧VppW トリミングと離れビットの検出方法を示している。
【0135】
まず、所定個数以上の例えば全メモリセルを消去する(P1)。書き込み電圧VppW を初期値VppW0にして(P2)、固定書き込み時間TpWで前述の消去されたメモリセルに書き込みを行う(P3)。書き込み後、前述の書き込みが行われたメモリセルのしきい値分布を測定し、Vth−minとVth−maxを求める(P4)。Vt−min が0V以下となっている場合は書き込み電圧が低すぎる、Vt−max が電源電圧Vccを越えている場合は書き込み電圧が高すぎるので、書き込み電圧VppWを、低すぎる場合はΔVppだけ高め、高すぎる場合はΔVppだけ低めた方がよい。これは、精度良く測定できるしきい値の範囲をはずれているためである。そして、全ビット消去して、再測定する。但し、書き込み電圧VppW の上限VppW−max を越えるVppW や、下限VppW−min を下回るVppW となったときは、測定を中止し、不良品として扱う。(P5,P6,P17〜21)
Vt−centerを(Vt−max +Vt−min )/2とする(P7)。
【0136】
Vt−centerがV2 より高い場合は書き込み電圧が高すぎる、Vt−centerがV1 より低い場合は書き込み電圧が低すぎるので、書き込み電圧VppW を、低すぎる場合はΔVppだけ高め、高すぎる場合はΔVppだけ低めた方がよい。これは、精度良く測定できるしきい値の範囲を外れているためである。そして、全ビット消去して、再測定する。但し、書き込み電圧VppW の上限VppW−max を越えるVppW や、下限VppW−min を下回るVppW となったときは、測定を中止し、不良品として扱う。(P8,P9,P22〜26)
書き込み電圧の初期値VppW0と測定に用いた書き込み電圧VppW の差を考慮して、Vt−centerを補正しVt1とする。例えば、Vt−centerをVppW0−VppW だけ補正したものをVt1とする(P10)。それから、Vt1の最適値Vt0からのずれΔVtを求める(P11)。ΔVtがトリミング可能な値でなければ、測定を中止し不良品として扱う(P12)。
【0137】
ΔVtから、書き込み電圧トリミングを行い(P13)、Vt−centerを中心に所定の範囲外のしきい値を持つメモリセルMを離れビットとする(P14)。離れビットが、救済不可能であれば不良品として扱う(P15)。最後に、離れビットを救済して(P16)、終了する。
【0138】
書き込み電圧VppW のトリミングは、例えばΔVtだけずらす。つまり、製造直後のVppW が20VでΔVtが1Vであれば、VppW が21Vに最も近くなるようにトリミングする。なお、消去電圧トリミングや消去後の離れビットに対しては、消去後のしきい値分布から同様に行うことができる。
【0139】
以上、説明のように本発明では、書き込み電圧や消去電圧が印加される高耐圧構造のトランジスタを、しきい値が低く、ゲート電圧,ソース電圧,基板電圧が0Vのとき反転又は弱反転状態であるようなトランジスタのみとした。またさらに、その高耐圧トランジスタの種類を1種類のみとすることもできることを説明した。本実施形態では、高耐圧構造トランジスタとしてnチャネルMOSトランジスタを例に説明したが、pチャネルMOSトランジスタでも同様に実施できる。 さらに本発明では、ベリファイ動作を伴わない書き込み動作後のメモリセルのしきい値分布の内、所定の分布度数を持つしきい値範囲から、書き込み電圧トリミングやしきい値分布の裾を形成する離れたしきい値を持つメモリセルの検出を行うことができる。本実施形態では、書き込み後のしきい値をもとに行ったが、NOR型EEPROMなどでは、消去後のしきい値をもとに同様に行うことができる。
【0140】
本発明に係わる不揮発性半導体記憶装置は、上記実施形態の如くNANDセル型EEPROMに限らず、NORセル型EEPROMなどにも同様に適用できる。さらに部分的に、DRAM,SRAM,MROMなどの各種半導体記憶装置にも適用できる。
【0141】
また、以上の主旨に従ってさまざまな応用もできる。例えば、図3(b)(c)に示されるスイッチング回路は、HV n−ch Tr. Qh3をデプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタにして、そのゲート電圧を例えば0Vに固定してもよい。このときのデプレッションタイプnチャネルMOSトランジスタは、基板バイアスとゲート電圧が0V、ソース電圧がVccの条件でカットオフ状態であるのが望ましく、また、基板バイアスとゲート電圧が0V、ドレイン電圧がVccの条件でソースに転送される電圧が基板バイアスとゲート電圧が0VのHV n−ch Tr. Qhのソースに印加された場合、HV n−ch Tr. Qhがカットオフ状態になるのが望ましい。
【0142】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ベリファイ動作を伴わない書き込み動作後のメモリセルのしきい値分布の内、所定の分布度数を持つしきい値範囲から、書き込み電圧トリミングやしきい値分布の裾を形成する離れたしきい値を持つメモリセルの検出を、精度良く行うことができる。これによって、歩留まりを上げることができ、製造コストの低い半導体記憶装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係わるNANDセル型EEPROMの構成を示すブロック図。
【図2】実施形態に係わる高耐圧構造MOSトランジスタの特性を示す図。
【図3】実施形態に係わるスイッチング回路の構成を示す図。
【図4】実施形態に係わるNAND型メモリセルアレイの構成を示す図。
【図5】実施形態に係わるブロック選択回路とブロック制御回路の構成を示す図。
【図6】実施形態に係わる主ビット線制御回路、副ビット線制御回路、データラッチ兼センスアンプの構成を示す図。
【図7】実施形態に係わる読み出し動作を説明するためのタイミング図。
【図8】実施形態に係わる読み出し動作を説明するためのタイミング図。
【図9】実施形態に係わる書き込み動作を説明するためのタイミング図。
【図10】実施形態に係わる書き込み動作を説明するためのタイミング図。
【図11】実施形態に係わる書き込み周辺回路ストレス試験動作を説明するためのタイミング図。
【図12】実施形態に係わる消去動作を説明するためのタイミング図。
【図13】実施形態に係わる消去周辺回路ストレス試験動作を説明するためのタイミング図。
【図14】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図15】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図16】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図17】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図18】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図19】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図20】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図21】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図22】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図23】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図24】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図25】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図26】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図27】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図28】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図29】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図30】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図31】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図32】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図33】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図34】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図35】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図36】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図37】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図38】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図39】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図40】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図41】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図42】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図43】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図44】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図45】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図46】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図47】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図48】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図49】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図50】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図51】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図52】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図53】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図54】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図55】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図56】実施形態に係わる制御回路の動作を説明するためのタイミング図。
【図57】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【図58】実施形態に係わるメモリセルの書き込み後のしきい値分布を示す図。
【図59】実施形態に係わる書き込み電圧トリミングと離れビット検出方法のアルゴリズムを示す図。
【図60】実施形態に係わる書き込み電圧トリミングと離れビット検出方法のアルゴリズムを示す図。
【図61】実施形態に係わる制御回路の具体的な構成を示す図。
【符号の説明】
1…メモリセルアレイ 2…主ビット線制御回路、
3…副ビット線制御回路 4…データラッチ兼センスアンプ、
5…カラム系制御回路 6…ワード線制御回路、
7…ブロック選択回路 8…ブロックアドレスバッファ、
9…ロウ系制御回路 10…セルウェル制御回路、
11…セルソース制御回路 12…Vpp昇圧回路、
13…Vm10 昇圧回路 14…Vm8昇圧回路、
15…バイアス回路 16…Vppスイッチ回路、
17…Vmスイッチ回路 18…Vccスイッチ回路、
19…Vpp−Vccスイッチ回路 20…昇圧セル、
21…電圧比較器
Qh…高耐圧構造nチャネルMOSトランジスタ
Qhd…高耐圧構造ディプリーションタイプnチャネルMOSトランジスタ
Qd…ディプリーションタイプnチャネルMOSトランジスタ
Qn…nチャネルMOSトランジスタ
Qp…pチャネルMOSトランジスタ
S…選択トランジスタ M…メモリセル
SG…選択ゲート CG…制御ゲート
I…インバータ回路 G…論理ゲート回路
R…抵抗器 SW…スイッチ回路
Claims (5)
- 半導体層上に形成される複数の電気的に書き替え可能なメモリセルと、
前記複数のメモリセルに書き込み電圧を印加してデータを書き込むための書き込み回路と、
前記書き込み電圧を調整するための書き込み電圧調整回路と、
前記書き込み電圧を前記複数のメモリセルに印加し、前記複数のメモリセルの期待される特性値と実際の特性値の差から前記書き込み電圧の調整を行うテストシステムとを備え、
前記テストシステムは前記複数のメモリセルのうち所定のしきい値範囲外のしきい値を持つセルを除外して前記実際の特性値を割り出すことを特徴とする半導体記憶装置。 - 半導体層上に形成される複数の電気的に書き替え可能なメモリセルと、
前記複数のメモリセルに消去電圧を印加してデータを消去するための消去回路と、
前記消去電圧を調整するための消去電圧調整回路と、
前記消去電圧を前記複数のメモリセルに印加し、前記複数のメモリセルの期待される特性値と実際の特性値の差から前記消去電圧の調整を行うテストシステムとを備え、
前記テストシステムは前記複数のメモリセルのうち所定のしきい値範囲外のしきい値を持つセルを除外して前記実際の特性値を割り出すことを特徴とする半導体記憶装置。 - さらに、前記メモリセルのしきい値を測定するためのしきい値検出回路を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体記憶装置。
- 半導体層上に形成される複数の電気的に書き替え可能なメモリセルと、複数のメモリセルに書き込み電圧を印加してデータを書き込むための書き込み回路と、書き込み電圧を調整するための書き込み電圧調整回路と、
を備えた半導体記憶装置に対し、前記書き込み電圧を最適化するために、
前記書き込み電圧を前記複数のメモリセルに印加し、前記複数のメモリセルの期待される特性値と実際の特性値の差から前記書き込み電圧の調整を行い、且つ前記実際の特性値を割り出す際に前記複数のメモリセルのうち所定のしきい値範囲外のしきい値を持つセルを除外することを特徴とする半導体記憶装置の調整方法。 - 半導体層上に形成される複数の電気的に書き替え可能なメモリセルと、複数のメモリセルに消去電圧を印加してデータを消去するための消去回路と、消去電圧を調整するための消去電圧調整回路と、
を備えた半導体記憶装置に対し、前記消去電圧を最適化するために、
前記消去電圧を前記複数のメモリセルに印加し、前記複数のメモリセルの期待される特性値と実際の特性値の差から前記消去電圧の調整を行い、且つ前記実際の特性値を割り出す際に前記複数のメモリセルのうち所定のしきい値範囲外のしきい値を持つセルを除外することを特徴とする半導体記憶装置の調整方法。
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