JP3563378B2 - 固体高分子型燃料電池用電極構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池に用いられる電極構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
石油資源が枯渇化する一方、化石燃料の消費による地球温暖化等の環境問題が深刻化しており、二酸化炭素の発生を伴わないクリーンな電動機用電力源として燃料電池が注目されて広範に開発されると共に、一部では実用化され始めている。前記燃料電池を自動車等に搭載する場合には、高電圧と大電流とが得やすいことから、高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池が好適に用いられる。
【0003】
前記固体高分子型燃料電池に用いる電極構造体として、白金等の触媒がカーボンブラック等の触媒担体に担持されイオン導伝性高分子バインダーにより一体化されることにより形成されている一対の電極触媒層を備え、両電極触媒層の間にイオン導伝可能な高分子電解質膜を挟持すると共に、各電極触媒層の上に、拡散層を積層したものが知られている。前記電極構造体は、さらに各電極触媒層の上に、ガス通路を兼ねたセパレータを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成する。
【0004】
前記固体高分子型燃料電池では、一方の電極触媒層を燃料極として前記拡散層を介して水素、メタノール等の還元性ガスを導入すると共に、他方の電極触媒層を酸素極として前記拡散層を介して空気、酸素等の酸化性ガスを導入する。このようにすると、燃料極側では、前記電極触媒層に含まれる触媒の作用により、前記還元性ガスからプロトン及び電子が生成し、前記プロトンは前記高分子電解質膜を介して、前記酸素極側の電極触媒層に移動する。そして、前記プロトンは、前記酸素極側の電極触媒層で、前記電極触媒層に含まれる触媒の作用により、該酸素極に導入される前記酸化性ガス及び電子と反応して水を生成する。従って、前記燃料極と酸素極とを導線により接続することにより、前記燃料極で生成した電子を前記酸素極に送る回路が形成され、電流を取り出すことができる。
【0005】
従来、前記電極構造体では、前記高分子電解質膜としてパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品名))が広く利用されている。前記パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物は、スルホン化されていることにより優れたプロトン導伝性を備えると共に、フッ素樹脂としての耐薬品性とを併せ備えているが、非常に高価であるとの問題がある。
【0006】
そこで、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物に代わる比較的廉価なイオン導伝性材料を用いて、固体高分子型燃料電池用電極構造体を構成することが検討されている。前記廉価なイオン導伝性材料として、例えば、炭化水素系高分子化合物を挙げることができる。
【0007】
しかしながら、前記炭化水素系高分子化合物は耐酸化性に劣り、劣化しやすい上、十分な発電性能を得ることが難しいとの不都合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、耐酸化性と発電性能とに優れた固体高分子型燃料電池用電極構造体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は種々検討を重ねた結果、高分子電解質膜を構成する前記炭化水素系高分子化合物において、前記主鎖に含まれる各基のうち、側鎖にスルホン化可能な芳香族基を備える基の数と、スルホン化されない2価の芳香族残基の数と、オキシ基の数との関数として、該炭化水素系高分子化合物の疎水性の程度を表すことができ、前記疎水性の程度を所定の範囲とすることにより耐酸化性に優れた炭化水素系高分子化合物が得られることを見出した。そして、前記疎水性の程度が所定の範囲にある前記炭化水素系高分子化合物をスルホン化して所定のイオン交換容量を付与することにより、発電性能に優れた高分子電解質膜が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
そこで、本発明の固体高分子型燃料電池用電極構造体は、一対の電極触媒層と、両電極触媒層に挟持された高分子電解質膜とを備える固体高分子型燃料電池用電極構造体において、前記高分子電解質膜は、複数の2価の芳香族残基がオキシ基もしくは芳香族残基を除く他の2価の基を介してまたは直接結合している主鎖を備え、側鎖にスルホン化可能な芳香族基を備える高分子化合物のスルホン化物からなり、前記高分子化合物は、前記主鎖に含まれる各基のうち、スルホン化可能な基の数をA、スルホン化されない2価の芳香族残基の数をB、オキシ基の数をCとするときに、(B/C)×(B+C)−Aの値が35〜380の範囲にあることを特徴とする。
【0011】
本発明において、前記高分子化合物の疎水性の程度は、前記高分子化合物の親水性レベルと疎水性レベルとの差として表される。ここで、前記親水性レベルは、前記高分子化合物の主鎖に含まれる各基のうち、スルホン化可能な基の数Aにより表される。
【0012】
一方、前記疎水性レベルは、前記高分子化合物の主鎖に含まれる各基のうち、スルホン化されない2価の芳香族残基の数Bと、オキシ基の数Cとに関わり、オキシ基の数Cに対するスルホン化されない2価の芳香族残基の数Bの比B/Cが大きく、両者の和B+Cが大きいほど高レベルとなる。そこで、前記疎水性レベルは、(B/C)×(B+C)により表される。
【0013】
この結果、前記高分子化合物の疎水性の程度は、次式(I)により表される。尚、本明細書では、以下、前記「疎水性の程度」を「疎水性指数」と記載する。
【0014】
疎水性指数=(B/C)×(B+C)−A ・・・(I)
本発明によれば、前記疎水性指数が35〜380の範囲にある前記高分子化合物をスルホン化してなる高分子電解質膜を備えることにより、耐酸化性と発電性能とに優れた固体高分子型燃料電池用電極構造体を得ることができる。前記疎水性指数が35未満または380を超えるときには、十分な耐酸化性を得ることができない。
【0015】
本発明の電極構造体において、前記高分子化合物の主鎖は、一般式(1)で表される第1の繰返し単位と、一般式(2)で表される第2の繰返し単位とを備え、さらに一般式(3)で表される第3の繰返し単位を備えていてもよい。
【0016】
【化3】
【0017】
尚、本明細書において、前記電子吸引性基とは、−CO−、−CONH−、−(CF2)p−(pは1〜10の整数)、−C(CF3)2−、−COO−、−SO−、−SO2−等のハメット置換基常数がフェニル基のメタ位では0.06以上、フェニル基のパラ位では0.01以上の値となる2価の基をいう。また、本明細書において、前記電子供与性基とは、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−等の2価の基をいう。
【0018】
ここで、前記スルホン化は、電子吸引性基が結合していないベンゼン環に対してのみ起きる。従って、主鎖に一般式(1)で表される第1の繰返し単位と、一般式(2)で表される第2の繰返し単位とを備える高分子化合物をスルホン化すると、第1の繰返し単位の主鎖となるベンゼン環と、第2の繰返し単位の各ベンゼン環とにはスルホン酸基が導入されず、第1の繰返し単位の側鎖のベンゼン環にのみスルホン酸基が導入されることになる。そこで、前記高分子化合物では、第1の繰返し単位と第2の繰返し単位とのモル比を調整することにより、導入されるスルホン酸基の量を制御して、前記高分子電解質膜のイオン導伝率を調整することができる。
【0019】
また、前記高分子化合物の主鎖は、一般式(1)で表される第1の繰返し単位と、一般式(2)で表される第2の繰返し単位と共に、一般式(3)で表される第3の繰返し単位を備えていることにより、オキシ基の数Cを制限しつつ、スルホン化されない2価の芳香族残基の数Bを増大せしめ、疎水性指数を制御することができる。
【0020】
本発明の電極構造体は、一方の面に酸化性ガスを供給すると共に、他方の面に還元性ガスを供給することにより発電する固体高分子型燃料電池を構成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の電極構造体の構成を示す説明的断面図であり、図2は疎水性指数と高分子電解質膜の耐酸化性との関係を示すグラフである。
【0022】
本実施形態の電極構造体は、図1示のように、一対の電極触媒層1,1と、両電極触媒層1,1に挟持された高分子電解質膜2と、各電極触媒層1,1の上に積層された拡散層3,3とからなる。
【0023】
電極触媒層1は、触媒粒子とイオン導伝性高分子バインダーとからなる触媒ペーストを拡散層3上に触媒含有量が所定の量(例えば、0.5mg/cm2)となるようにスクリーン印刷し、乾燥させることにより形成されている。前記触媒粒子は、カーボンブラック(ファーネスブラック)に白金粒子を所定の重量比(例えば、カーボンブラック:白金=1:1)で担持させることにより作成される。また、前記触媒ペーストは、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(例えば、デュポン社製ナフィオン(商品名))等のイオン導伝性高分子バインダー溶液に、前記触媒粒子を所定の重量比(例えば、触媒粒子:バインダー溶液=1:1)で均一に分散させることにより調製される。
【0024】
前記拡散層3は、下地層とカーボンペーパーとからなる。前記下地層は、カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを所定の重量比(例えば、カーボンブラック:PTFE粒子=4:6)で混合し、得られた混合物をエチレングリコール等の溶媒に均一に分散させたスラリーを前記カーボンペーパーの片面に塗布、乾燥させることにより形成される。拡散層3上にスクリーン印刷された前記触媒ペーストは、例えば60℃で10分間の乾燥を行い、次いで120℃で60分間の減圧乾燥を行うことにより乾燥される。
【0025】
高分子電解質膜2は、一般式(1)で表される第1の繰返し単位と、一般式(2)で表される第2の繰返し単位とを所定のモル比で重合させて得られる共重合体または、一般式(1)で表される第1の繰返し単位と、一般式(2)で表される第2の繰返し単位と、一般式(3)で表される第3の繰返し単位と、を所定のモル比で重合させて得られる共重合体のスルホン化物からなる。
【0026】
【化4】
【0027】
前記一般式(1)で表される第1の繰り返し単位として用いるモノマーとしては、次式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0028】
また、前記一般式(2)で表される第2の繰り返し単位として用いるモノマーとしては、次式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンまたは次式(6)で示される2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕スルホン等を挙げることができる。
【0029】
また、前記一般式(3)で表される第3の繰り返し単位として用いるモノマーとしては、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0030】
【化5】
【0031】
前記共重合体は、ポリマー分子量がポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万の範囲にあることが好ましい。前記ポリマー分子量が1万未満では高分子電解質膜として好適な機械的強度が得られないことがあり、100万を超えると後述のように成膜のために溶媒に溶解する際に溶解性が低くなったり、溶液の粘度が高くなり、取り扱いが難しくなる。
【0032】
前記共重合体は、主鎖に含まれる各基のうち、側鎖としてスルホン化可能な芳香族基が結合している基の数をA、スルホン化されない2価の芳香族残基の数をB、オキシ基の数をCとするときに、疎水性指数=(B/C)×(B+C)−Aの値が35〜380の範囲にあることにより、優れた耐酸化性を得ることができる。次に、前記疎水性指数の算出方法について説明する。
【0033】
例えば、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(第3の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、p:q:rのモル比で重合させ、次式(7)の共重合体を得るとする。
【0034】
【化6】
【0035】
前記スルホン化は電子吸引性基が結合していないベンゼン環に対してのみ起きるので、前記式(7)の共重合体では、第1の繰返し単位の側鎖のベンゼン環にのみスルホン酸基が導入される。ここで、前記共重合体の主鎖においては、前記第1の繰返し単位自体が1つの基であるので、スルホン化可能な基の数A=pとなる。
【0036】
次に、前記式(7)の共重合体において、2価の芳香族残基とは、各繰返し単位のベンゼン環である。従って、スルホン化されない2価の芳香族残基の数は、第1の繰返し単位では0、第3の繰返し単位では2、第2の繰返し単位では6であり、スルホン化されない2価の芳香族残基の数B=2q+6rとなる。また、前記式(7)の共重合体におけるオキシ基の数は、第1の繰返し単位及び第3の繰返し単位では0、第2の繰返し単位では2であるので、オキシ基の数C=2rとなる。
【0037】
従って、前記疎水性指数は、次式(II)により算出される。
【0038】
前記共重合体は、次に濃硫酸を加え、スルホン酸基を0.5〜3.0ミリグラム当量/gの範囲で含むようにスルホン化する。前記スルホン化物は、含有するスルホン酸基の量が0.5ミリグラム当量/g未満であるときには十分なイオン導伝率を得ることができない。また、含有するスルホン酸基の量が3.0ミリグラム当量/gを超えると十分な靱性が得られず、後述の電極構造体を構成する際に取り扱いが難しくなる。
【0039】
次に、前記共重合体のスルホン化物を、N−メチルピロリドンに溶解して高分子電解質溶液とし、該高分子電解質溶液からキャスト法により成膜し、オーブンにて乾燥することにより、例えば、乾燥膜厚50μmの高分子電解質膜を作成する。
【0040】
図1示の電極構造体は、高分子電解質膜2を前記電極の電極触媒層1側で挟持し、ホットプレスを行うことにより得られる。前記ホットプレスは、例えば150℃、2.5MPaで1分間行う。
【0041】
図1示の電極構造体は、拡散層3,3の上にさらにガス通路を兼ねるセパレータを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成することができる
次に、本実施形態の実施例と比較例とを示す。
【0042】
【実施例1】
本実施例では、まず、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(第3の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、6:2:2のモル比で重合させ、前記式(7)の共重合体(p:q:r=6:2:2)を得た。
【0043】
本実施例では、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により算出され、
(B/C)×(B+C)−A=(16/4)×(16+4)−6=74
となる。
【0044】
次に、前記共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化し、イオン交換容量2.0meq/gのスルホン化物を得た。次に、前記共重合体のスルホン化物を、N−メチルピロリドンに溶解して高分子電解質溶液とし、該高分子電解質溶液からキャスト法により成膜し、オーブンにて乾燥することにより、乾燥膜厚50μmの膜を作成し、高分子電解質膜2とした。
【0045】
次に、カーボンブラック(ファーネスブラック)に白金粒子を、カーボンブラック:白金=1:1の重量比で担持させ、触媒粒子を作成した。次に、パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(デュポン社製ナフィオン(商品名))の溶液をイオン導伝性高分子バインダーとして、該バインダーに前記触媒粒子を、バインダー:カーボンブラック=1:1の重量比で均一に分散させ、触媒ペーストを調製した。
【0046】
次に、カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とをカーボンブラック:PTFE粒子=4:6の重量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコール等の溶媒に均一に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布、乾燥させて下地層とし、該下地層とカーボンペーパーとからなる拡散層3を2つ作成した。
【0047】
次に、各拡散層3上に、前記触媒ペーストを、白金含有量が0.5mg/cm2となるようにスクリーン印刷し、乾燥させることにより電極触媒層1とし、電極触媒層1と拡散層3とからなる一対の電極を作成した。
【0048】
次に、高分子電解質膜2を前記電極の電極触媒層1側で挟持し、ホットプレスを行って図1示の電極構造体を得た。
【0049】
次に、本実施例の電極構造体について、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。
【0050】
前記高分子電解質膜2の耐酸化性は、3%のH2O2と、20ppmのFeとを含む40℃の水溶液(フェントン試薬)中に前記高分子電解質膜2を9時間浸漬した後の高分子電解質膜2の重量低下率(%)として測定した。前記重量低下率は、前記高分子電解質膜2がフェントン試薬中に溶解した量を示し、数値が小さいほど耐酸化性に優れていることを意味する。結果を表1に示す。また、疎水性指数と耐酸化性(重量低下率)との関係を図2に示す。
【0051】
前記発電性能は、前記電極構造体を単セルとし、一方の拡散層3の側を酸素極として空気を供給すると共に、他方の拡散層3の側を燃料極として純水素を供給して発電を行うことにより評価した。発電条件は、温度90℃、燃料極側の相対湿度50%、酸素極側の相対湿度80%とした。このとき、電流密度0.5A/cm2でのセル電圧を測定し、0.4V以上あれば、良好な発電性能を有するものと判定した。結果を表1に示す。
【0052】
【実施例2】
本実施例では、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(第3の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、6:3:1のモル比で重合させ、式(7)の共重合体(p:q:r=6:3:1)を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0053】
本実施例ではp:q:r=6:3:1であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=78となる。
【0054】
次に、本実施例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0055】
【実施例3】
本実施例では、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(第3の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、6:1:3のモル比で重合させ、式(7)の共重合体(p:q:r=6:1:3)を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0056】
本実施例ではp:q:r=6:1:3であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=80となる。
【0057】
次に、本実施例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0058】
【実施例4】
本実施例では、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(第3の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、5:4:1のモル比で重合させ、式(7)の共重合体(p:q:r=5:4:1)を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0059】
本実施例ではp:q:r=5:4:1であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=107となる。
【0060】
次に、本実施例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0061】
【実施例5】
本実施例では、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(第3の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、4:5:1のモル比で重合させ、式(7)の共重合体(p:q:r=4:5:1)を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0062】
本実施例ではp:q:r=4:5:1であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=140となる。
【0063】
次に、本実施例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0064】
【実施例6】
本実施例では、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(第3の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、3:1:1のモル比で重合させ、式(7)の共重合体(p:q:r=3:1:1)を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0065】
本実施例ではp:q:r=3:1:1であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=37である。
【0066】
次に、本実施例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0067】
【実施例7】
本実施例では、式(7)の共重合体に替えて、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、9:8のモル比で重合させて得られた式(8)の共重合体(p:r=9:8)を用いると共に、該共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化し、イオン交換容量1.9meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0068】
【化7】
【0069】
式(8)の共重合体は式(7)の共重合体においてq=0の場合に相当し、本実施例ではp:r=9:8であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=183となる。
【0070】
次に、本実施例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0071】
【実施例8】
本実施例では、式(7)の共重合体に替えて、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、9:12のモル比で重合させて得られた式(8)の共重合体(p:r=9:12)を用いると共に、該共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化し、イオン交換容量2.0meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0072】
式(8)の共重合体は式(7)の共重合体においてq=0の場合に相当し、本実施例ではp:r=9:12であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=279となる。
【0073】
次に、本実施例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0074】
【実施例9】
本実施例では、式(7)の共重合体に替えて、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、9:15のモル比で重合させて得られた式(8)の共重合体(p:r=9:15)を用いると共に、該共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化し、イオン交換容量2.0meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0075】
式(8)の共重合体は式(7)の共重合体においてq=0の場合に相当し、本実施例ではp:r=9:15であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=351となる。
【0076】
次に、本実施例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0077】
【比較例1】
本比較例では、式(7)の共重合体に替えて、式(9)で表されるポリエーテルエーテルケトンを用い、該ポリエーテルエーテルケトンに濃硫酸を加えてスルホン化してイオン交換容量1.5meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0078】
【化8】
【0079】
式(9)で表されるポリエーテルエーテルケトンでは、電子供与性基である2個のオキシ基に挟まれているベンゼン環のみがスルホン化され、他のベンゼン環は電子吸引性基であるケトン基と結合しているためにスルホン化されない。従って、本比較例では、スルホン化可能な基の数A=1、スルホン化されない2価の芳香族残基の数B=2、オキシ基の数C=2であり、疎水性指数は前記式(I)により、(B/C)×(B+C)−A=(2/2)×(2+2)−1=3となる。
【0080】
次に、本比較例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0081】
【比較例2】
本比較例では、式(7)の共重合体に替えて、式(10)で表されるポリエーテルエーテルケトン系共重合体を用い、該ポリエーテルエーテルケトン系共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化してイオン交換容量1.5meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0082】
式(10)で表されるポリエーテルエーテルケトン系共重合体では、式(11)で示されるフルオレン残基のベンゼン環のみがスルホン化され、他のベンゼン環はスルホン化されない。
【0083】
【化9】
【0084】
尚、前記スルホン化は立体障害のために側鎖のベンゼン環に対して起こり易く、主鎖のベンゼン環には起こり難い。この結果、式(10)で表されるポリエーテルエーテルケトン系共重合体では、主鎖に電子供与性基であるオキシ基とメチレン基(前記フルオレン残基の一部を構成する)とに結合しているベンゼン環を備えているにも拘わらず、該ベンゼン環はスルホン化されない。
【0085】
従って、本比較例では、スルホン化可能な基の数A=1、スルホン化されない2価の芳香族残基の数B=4、オキシ基の数C=2であり、疎水性指数は前記式(I)により、(B/C)×(B+C)−A=(2/2)×(2+2)−1=11となる。
【0086】
次に、本比較例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0087】
【比較例3】
本比較例では、式(7)の共重合体に替えて、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、9:20のモル比で重合させて得られた式(8)の共重合体(p:r=9:20)を用いると共に、該共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化し、イオン交換容量1.9meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0088】
式(8)の共重合体は式(7)の共重合体においてq=0の場合に相当し、本比較例ではp:r=9:20であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=471となる。
【0089】
次に、本比較例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0090】
【比較例4】
本比較例では、式(7)の共重合体に替えて、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、1:1のモル比で重合させて得られた式(8)の共重合体(p:r=1:1)を用いると共に、該共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化し、イオン交換容量1.9meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0091】
式(8)の共重合体は式(7)の共重合体においてq=0の場合に相当し、本比較例ではp:r=1:1であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=23となる。
【0092】
次に、本比較例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0093】
【比較例5】
本比較例では、式(7)の共重合体に替えて、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、9:1のモル比で重合させて得られた式(8)の共重合体(p:r=9:1)を用いると共に、該共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化し、イオン交換容量1.9meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0094】
式(8)の共重合体は式(7)の共重合体においてq=0の場合に相当し、本比較例ではp:r=9:1であるので、前記共重合体の疎水性指数は前記式(II)により、(B/C)×(B+C)−A=15である。
【0095】
次に、本比較例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0096】
【比較例6】
本比較例では、式(7)の共重合体に替えて、式(4)で示される2,5−ジクロロ−4’−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノン(第1の繰返し単位)と、式(9)で表されるポリエーテルエーテルケトンと、式(5)で示される2,2−ビス〔4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(第2の繰返し単位)とを、6:2:1のモル比で重合させて得られた式(12)の共重合体を用いると共に、該共重合体に濃硫酸を加えてスルホン化し、イオン交換容量2.0meq/gのスルホン化物を得た以外は、実施例1と全く同一にして図1示の電極構造体を得た。
【0097】
【化10】
【0098】
式(12)で表される共重合体では、スルホン化は第1の繰返し単位の側鎖のベンゼン環のみに対して起きる。ここで、第3の繰返し単位にも、電子供与性基である2個のオキシ基に挟まれているベンゼン環があるが、前述のように前記スルホン化は立体障害のために側鎖のベンゼン環に対して起こり易く、主鎖のベンゼン環には起こり難いので、第3の繰返し単位の前記ベンゼン環はスルホン化されない。
【0099】
従って、本比較例では、スルホン化可能な基の数A=1×6=6、スルホン化されない2価の芳香族残基の数B=3×2+6×1=12、オキシ基の数C=2×2+2×1=6であり、疎水性指数は前記式(I)により、(B/C)×(B+C)−A=(12/6)×(12+6)−6=30となる。
【0100】
次に、本比較例の電極構造体について、実施例1と同一にして、前記高分子電解質膜2の耐酸化性と、該電極構造体の発電性能とを評価した。結果を表1、図2に示す。
【0101】
【表1】
【0102】
表1、図2から、疎水性指数が35〜380の範囲にある実施例1〜9によれば、重量低下率が小さく耐酸化性に優れていると共に、発電性能にも優れていることが明らかである。これに対して、疎水性指数が35未満である比較例1,2,4〜6と、疎水性指数が380を超える比較例3とでは、重量低下率が大であって十分な耐酸化性が得られず、比較例3は発電性能も劣ることが明らかである。
【0103】
尚、比較例3のように疎水性指数が380を超える場合には、スルホン化可能な基を備える繰返し単位の量に対し、スルホン化されない2価の芳香族残基を備える繰返し単位の量が過剰であると、主鎖長が長大になり、分子の会合、凝集が激しくなるため、耐酸化性が低下するものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電極構造体の構成を示す説明的断面図。
【図2】疎水性指数と高分子電解質膜の耐酸化性との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…電極触媒層、 2…高分子電解質膜。
Claims (4)
- 一対の電極触媒層と、両電極触媒層に挟持された高分子電解質膜とを備える固体高分子型燃料電池用電極構造体において、
前記高分子電解質膜は、複数の2価の芳香族残基がオキシ基もしくは芳香族残基を除く他の2価の基を介してまたは直接結合している主鎖を備え、側鎖にスルホン化可能な芳香族基を備える高分子化合物のスルホン化物からなり、
前記高分子化合物は、前記主鎖に含まれる各基のうち、スルホン化可能な基の数をA、スルホン化されない2価の芳香族残基の数をB、オキシ基の数をCとするときに、(B/C)×(B+C)−Aの値が35〜380の範囲にあることを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極構造体。 - 一対の電極触媒層と、両電極触媒層に挟持された高分子電解質膜とを備え、前記高分子電解質膜は、複数の2価の芳香族残基がオキシ基もしくは芳香族残基を除く他の2価の基を介してまたは直接結合している主鎖を備え、側鎖にスルホン化された芳香族基を備える高分子化合物からなり、前記主鎖に含まれる各基のうち、スルホン化可能な基の数をA、スルホン化されない2価の芳香族残基の数をB、オキシ基の数をCとするときに、(B/C)×(B+C)−Aの値が35〜380の範囲にある電極構造体を備え、一方の面に酸化性ガスを供給すると共に、他方の面に還元性ガスを供給することにより発電することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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