JP3563119B2 - フラットディスプレイ用パネルヒータ及びタッチパネル並びにタッチパネルの座標変換設定方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ディスプレイの表示及び操作に関して改良を加えたフラットディスプレイ用パネルヒータ及びタッチパネル並びにタッチパネルの座標変換設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶等のフラットディスプレイは、低温環境下で使用すると正常に動作しない。このため、フラットディスプレイを暖めてやる必要がある。この場合、パネルヒータが用いられる。このパネルヒータはディスプレイの裏面に密着して配設される。
【0003】
また、フラットディスプレイにバックライトを使用している場合、前記パネルヒータは透明度の高い材料を使用する必要がある。さらに、その材料は製造上加工が容易で、熱容量の小さい材質である必要がある。
【0004】
これらの条件を満たすものとして、PETフィルムにITO膜を蒸着したパネルヒータが用いられている。
【0005】
具体的には図7に示すように、PETフィルム1の表面にITO膜2が蒸着されてパネルヒータ3が構成されている。ITO膜2は1枚の膜として構成され、PETフィルム1の全体に蒸着される。ITO膜2の両側にはこのITO膜2を挟んで電極4,5が設けられ、これらの電極4,5が電源6に接続されている。
【0006】
一方、コンピュータの入力装置の1つにタッチパネルがある。このタッチパネルはコンピュータの表示装置として使用される前記フラットディスプレイやCRTディスプレイ等の前面に取り付けられる。なお、タッチパネルとしては、光学式タッチパネル、抵抗膜方式タッチパネル、静電容量式タッチパネルや超音波式タッチパネル等が用いられる。例えば光学式のタッチパネル7の場合、図8に示す構成となっている。光学式の場合は、LED8とフォトトランジスタ9とからなる光センサ10を縦横に配設し、赤外線を格子状に通して物体を検出する方式をとる。検出に際しては、対向する複数の光センサ10の素子対をそれぞれスキャンニングすることにより、遮光の有無を検出する。この遮光の有無及び位置を検出し、ホストコンピュータに座標データとして送信する。
【0007】
タッチパネル7の操作は、マウスのボタンと対応されている。即ち、タッチパネル7におけるタッチONはマウスのボタンプレスに、タッチMOVEはマウスのボタンドラッグに、タッチOFFはマウスのボタンリリースにそれぞれ対応されている。ここで、タッチONとはタッチしていない状態からタッチパネル7の表面に指をタッチした瞬間をいう。タッチMOVEとはタッチパネル7の表面に指をタッチしている状態で別の座標位置に指を移動させることをいう。タッチOFFとはタッチパネル7の表面にタッチしている状態からタッチしていない状態が発生した瞬間をいう。
【0008】
マウスには複数の指示ができるように、通常複数のボタンが設けられている。これに対してタッチパネル7では1つの内容しか指示できないため、マウスの複数のボタンのうち1つのボタンに対応する内容のみを指示できるように予め設定されている。この設定として、ホストコンピュータのプログラム(例えばファイルmouse.btn)にL(左ボタン)、M(中ボタン)、R(右ボタン)のようにL,M,Rの記号で設定しておく。
【0009】
このタッチパネル7は、図9に示すように、CRTディスプレイ11の前面に取り付けられる。このタッチパネル7は通信ケーブル12を介してタッチパネル7を制御するコンピュータ13に接続されている。このコンピュータ13にCRTディスプレイ11の表示をタッチパネル7上の物体の位置に合致させるタッチパネル7の座標変換設定機能が格納されている。このタッチパネル7は、2次元直交(X−Y)座標データとして出力されるが、座標のスケールは用いられるタッチパネル7の種類によって様々である。
【0010】
タッチパネル7の座標とCRTディスプレイ11の座標とは、一般的には図10に示すような関係にある。即ち、タッチパネル7の座標がCRTディスプレイ11の座標より大きくなっている。なお、各座標の符号及び方向は様々であるが、ここでは同符号及び同方向に設定されている。
【0011】
タッチパネル7の座標(X,Y)とCRTディスプレイ11の座標(x,y)とが図10に示すような関係にあると、座標変換式は、
X=X1 +{(X2 −X1 )/(x2 −x1 )}・ (x−x1 )
Y=Y1 +{(Y2 −Y1 )/(y2 −y1 )}・ (y−y1 )
(1) これにより、タッチパネル7の座標からCRTディスプレイ11の座標への変換式は、
x=Ax・X−Bx
y=Ay・Y−By
となる。
【0012】
(2) また、CRTディスプレイ11の座標からタッチパネル7の座標への変換式は、
X=Cx・x−Dx
Y=Cy・y−Dy
となる。
【0013】
ただし、Ax =1/Cx ,Bx =Dx /Cx ,Cx =(X2 −X1 )/(x2 −x1 ),Dx =X1 −Cx・x1 ,Ay =1/Cy ,By =Dy /Cy ,Cy =(Y2 −Y1 )/(y2 −y1 ),Dy =Y1 −Cy・y1 である。
【0014】
上述の式のうち(1)の式により、CRTディスプレイ11の座標を算出し、これを後述する各種の作業に使用する。
【0015】
図11に示すように、CRTディスプレイ11上に、2点(xl ,yt )・
(xr ,yb )を対角線上の頂点とするボックスを描き、この2点(xl ,yt )・(xr ,yb )を囲む○部15に合せてタッチパネル7上をタッチする。これにより、2点(Xl ,Yt )・(Xr ,Yb )が求まり、これに基づいて次のようにして座標変換係数を求める。
【0016】
Cx =(Xr −Xl )/(xr −xl )
Cy =(Yb −Yt )/(yb −yt )
Dx =Xl
Dy =Yt
これに基づいてAx ,Bx ,Ay ,By が求められる。変換係数の精度を上げるためには、図12のように、タッチする位置を4点に増やし、Xl ,Yt ,Xr ,Yb を以下のようにして求める。
【0017】
Xl =(X0 +X2 )/2
Yt =(Y0 +Y1 )/2
Xr =(X1 +X3 )/2
Yb =(Y2 +Y3 )/2
変換係数の精度をさらに上げるためには、図13のように、タッチする位置を6点に増やし、Xl ,Yt ,Xr ,Yb を以下のようにして求める。
【0018】
Xl =(X0 +X3 +X5 )/3
Yt =(Y0 +Y1 +Y2 )/3
Xr =(X2 +X4 +X7 )/3
Yb =(Y5 +Y6 +Y7 )/3
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のフラットディスプレイでは、PETフィルム1の全体にITO膜2を蒸着するが、この蒸着によって成形する膜は必ずしも均一な厚さになるとは限らず、部分的に不均一な厚さになることがある。仮にITO膜2に厚さの不均一な部分ができると、その部分と他の部分とで抵抗値が異なることになる。即ち、抵抗値にばらつきが生じてパネルヒータ3の温度分布が不均一になり、ディスプレイの画質にばらつきが生じてしまうという問題点がある。
【0020】
また、タッチパネル7での指示内容をマウスの特定ボタン(例えば左ボタン)に対応した指示内容に設定されている場合、使用途中で他の指示内容、即ち他のボタン(中ボタン又は右ボタン)に対応した指示内容に切り換えて使用することが不可能であった。このため、他のボタンに対応した指示内容に切り換える場合は、起動している処理を一旦終了してから設定しなおさなければならず、不便であった。
【0021】
さらに、前記タッチパネルの座標変換設定方法においては、次に述べる2つの原因によって座標変換係数及び変換座標値に誤差が生じた。
【0022】
[原因1]
座標変換係数を算出するためには、図11〜図13のいずれかに示す○部15に指等でタッチするが、例えば指の場合、タッチした指の幅は10mm〜15mm程度であり、この指のサイズが○部15より大きい。このサイズの違いによる誤差や、タッチする人の視角及び操作ずれによる誤差ΔX,ΔYが、図14に示すように生じる。この誤差ΔX,ΔYは、タッチする人や、CRTディスプレイ11とタッチパネル7との視差によってタッチする毎にランダムな値となる。特に、光学式タッチパネルを用いる場合に、視差による誤差ΔX,ΔYが大きくなる。
【0023】
[原因2]
図15は、左右の位置合わせをする場合の例である。
【0024】
タッチする対象であるターゲットAがLED−Ptr(フォトトランジスタ)のペアの光軸上にたまたま表示されていて、指が同図のBの位置にタッチされたとする。この場合、ターゲットAはタッチパネル座標Xn の光軸上に一致している。これに対して指でタッチしたBの位置もXn となる。これは、指で遮光された光軸の幅がタッチパネル座標Xn−1 ,Xn ,Xn+1 に亘っているため、その中間であるXn がタッチ位置の座標とされるためである。この結果、ターゲットAと指のタッチ位置Bとは同じ位置になる。
【0025】
ところが実際には、指のタッチ位置Bはタッチパネル座標Xn の光軸上からΔxだけずれて位置する。即ち、指のタッチ位置BはターゲットAに対してΔxの誤差が生じたことになる。ここで、Δxは、タッチパネル7上では単位長さより小さい数値であるが、CRTディスプレイ11上では単位長さより大きい数値である。
【0026】
なおここでは、ターゲットAがタッチパネル座標Xn の光軸上に一致し、指でタッチした位置Bがタッチパネル座標Xn の光軸上からΔxだけずれた場合を例に説明したが、ターゲットAがタッチパネル座標Xn の光軸からずれた場所に位置し、指でタッチした位置Bがタッチパネル座標Xn の光軸上に一致する場合等、種々の態様があり、それぞれの場合に誤差が生じる。
【0027】
このような誤差Δx(X軸方向の誤差)が例えば図11のCRTディスプレイ11上の点xl とタッチパネル7上の点Xl との間で生じた場合、CRTディスプレイ11及びタッチパネル7の他のすべての点でX軸方向にΔxだけ誤差が生じることになる。このような誤差が生じるタッチパネル7としては、光学式に限らず、他の方式のタッチパネルにおいても同様である。
【0028】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、温度分布が均一なフラットディスプレイ用パネルヒータ及びマウスのボタンに対応したタッチパネル並びに変換誤差の少ないタッチパネルの座標変換設定方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために第1の発明に係るフラットディスプレイ用パネルヒータは、フラットディスプレイに面して設けられる基体と、この基体の表面に配設された抵抗体とからなるフラットディスプレイ用パネルヒータにおいて、前記抵抗体として、複数の帯状抵抗体を並列に配設したことを特徴とする。
【0030】
第2の発明は、前記帯状抵抗体として直線状の帯状抵抗体を用いたことを特徴とする。
【0031】
第3の発明は、前記帯状抵抗体として湾曲した帯状抵抗体を用いたことを特徴とする。
【0032】
第4の発明は、前記フラットディスプレイが液晶であることを特徴とする。
【0033】
第5の発明は、前記基体が合成樹脂であることを特徴とする。
【0034】
第6の発明に係るタッチパネルは、複数のランプ付きスイッチを備え、このランプ付きスイッチの切り換えにより入力時の操作内容を切り換えることを特徴とする。
【0035】
第7の発明に係るタッチパネルの座標変換設定方法は、ディスプレイの座標と、このディスプレイの前面に配設されたタッチパネルの座標との間で座標変換を行なうタッチパネルの座標変換設定方法において、前記タッチパネルにタッチした物体の位置をディスプレイに表示させ、このディスプレイの表示をタッチパネル上の物体の位置に合致させることを特徴とする。
【0036】
【作用】
第1の発明では、複数の、帯状であって当該帯の幅がその全長に亘って10mmの均一な抵抗体を、0.5mm間隔毎に並列に配設したので、電流はこの1つ1つの帯状抵抗体を個別にほぼ同じ電流値で流れる。このため、仮に膜厚の不均一な部分ができた場合、その部分で電流が流れにくくなるが、それは1つの帯状抵抗体内でのことであり、この1つの帯状抵抗体内で部分的に流れにくくなる部分が生じる。これにより、温度分布が不均一になるが、これはごく限られた局部的なものであり、全体的に見ればほぼ均一な温度分布となる。
【0037】
前記帯状抵抗体としては、第2の発明のように直線状の帯状抵抗体を用いても、第3の発明のように湾曲した帯状抵抗体を用いてもよい。これにより、ディスプレイを均一に暖めることができる。
【0038】
第4の発明のようにフラットディスプレイが液晶の場合、帯状抵抗体を並列に配設したパネルヒータで温度分布が不均一になることなく効率的に暖めることができ、特に有効である。
【0039】
第5の発明では、基体を合成樹脂で構成したので、軽くて丈夫で、ディスプレイからの光をより効率的に透過させることができる。
【0040】
第6の発明に係るタッチパネルでは、入力時の操作内容を切り換えることができる複数のランプ付きスイッチを備えたので、必要とする操作内容に応じて各ランプ付きスイッチのいずれかを押す。押されたランプ付きスイッチは点灯し、押されている状態が外部から分かると共に、ホストコンピュータのプログラムが切り換わったランプ付きスイッチに対応する操作内容に設定され、マウスと同じように操作することができる。
【0041】
第7の発明に係るタッチパネルの座標変換設定方法では、タッチパネルにタッチした物体の位置をディスプレイに表示させ、このディスプレイの表示を見ながら調整してこの表示とタッチパネル上の物体とを合致させるので、より正確な座標変換の設定を行なうことができる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0043】
[第1実施例]
本実施例に係るフラットディスプレイ用パネルヒータは、図1に示すように構成されている。
【0044】
図中の21はPETフィルムである。このPETフィルムは液晶からなるフラットディスプレイに面して設けられる基体として構成されている。このPETフィルム21の表面には抵抗体としてのITO膜22が蒸着されている。このようにPETフィルム21にITO膜22が蒸着されてパネルヒータ23が構成されている。ITO膜22の両側には電極24,25が設けられ、これらの電極24,25が電源(図示せず)に接続されている。
【0045】
ITO膜22には一定間隔毎に並列に直線上の未蒸着部分27が設けられている。この未蒸着部分27は各電極24,25の間に架け渡すように配設されている。これにより、各電極24,25の間に複数の帯状抵抗体28を並列に配設する構成になっている。なお、未蒸着部分27は、PETフィルム21の全体に蒸着されたITO膜22を部分的に切り取って成形する。
【0046】
前記未蒸着部分27及び帯状抵抗体28の具体的な数値としては、例えば未蒸着部分27が0.5 mm、帯状抵抗体28が10mm程度に設定される。
【0047】
また、フラットディスプレイとしては、寒冷地仕様の車に搭載する機器に用いられる液晶フラットディスプレイや、液晶ポータブルテレビ、液晶表示を有するビデオカメラ、液晶表示を有するCDプレーヤ等の液晶フラットディスプレイを備えた装置で、屋外等の低温環境で仕様されるものに用いられる。
【0048】
以上のように構成されたパネルヒータ23は、フラットディスプレイに面して設けられた状態で、電極24,25に通電されると、複数の帯状抵抗体28にそれぞれ電流が流れて個別に発熱する。各帯状抵抗体28での電流値はほぼ同じ値になっている。
【0049】
各帯状抵抗体28においては、厚さが不均一な部分を生じることがあるが、その不均一な部分は帯状抵抗体28の全体からすれば小さく、各帯状抵抗体28の抵抗値に大きな影響を及ぼすものではない。このため、不均一な部分を有する帯状抵抗体28と全体に均一な帯状抵抗体28とで抵抗値に大きな違いは生じない。この結果、パネルヒータ23は、厚さの不均一な部分を有する場合でも、全体としては温度分布がほぼ均一になり、低温環境下でもディスプレイの画質にばらつきが生じず、鮮明な画像を得ることができる。
【0050】
なお、前記実施例では、帯状抵抗体28を直線状に成形したが、湾曲した帯状の抵抗体を用いた場合でも、各帯状抵抗体が等間隔に配設され、帯の幅もその全長に亘って均一であれば、前記同様の作用、効果を奏することができる。また、直線上に帯状抵抗体28を電極24,25に対して斜めに配設してもよい。
【0051】
[第2実施例]
本実施例は、タッチパネルにマウスの機能を持たせた例である。図2に示すようにタッチパネル31は、外殻を構成するケーシング32と、このケーシング32の表面に設けられたタッチ領域33と、このタッチ領域33の近傍に位置して設けられたランプ付きボタン34,35,36から構成されている。
【0052】
ランプ付きボタン34,35,36はマウス37のボタンに対応する機能を備えたもので、マウス37のボタンの数に応じて3つ設けられている。ここでは、3つのランプ付きボタン34,35,36は、マウス37の左ボタン(L)、中ボタン(M)及び右ボタン(R)に対応して左からL,M,Rに設定されている。このランプ付きボタン34,35,36は押すことでランプが点灯し、そのランプ付きボタン34,35,36に対応した指示内容がホストコンピュータのプログラムにおいて設定されるようになっている。なお、ランプ付きボタン34,35,36は、マウス37のボタンの数に対応して3つ設けたが、マウス37のボタンの数の違いに対応して1,2又は4以上設けることもある。
【0053】
ランプ付きボタン34,35,36の回路系は図3に示すように構成されている。3つのランプ付きボタン34,35,36はそれぞれスイッチ部34A,35A,36Aとランプ部34B,35B,36Bとから構成され、ランプ付きボタン駆動検出回路41にそれぞれ接続されている。このランプ付きボタン駆動検出回路41はマイクロプロセッサ42に接続され、このマイクロプロセッサ42がドライバ・レシーバ43を介してホストコンピュータ44に接続されている。ドライバ・レシーバ43とホストコンピュータ44との間は、RS232Cで接続されている。このランプ付きボタン駆動検出回路41は、いずれかのランプ付きボタン34,35,36のスイッチ部34A,35A,36Aが押された場合に、ランプ部34B,35B,36Bを点灯させると共に、スイッチ部34A,35A,36Aが押された情報をマイクロプロセッサ42に送信する。マイクロプロセッサ42ではどのランプ付きボタン34,35,36が押されたかを判断し、その情報をドライバ・レシーバ43を介してホストコンピュータ44に送信する。
【0054】
このランプ付きボタン34,35,36に関する情報は、例えば次のような形態で座標データと共に送信される。
【0055】
ホストコンピュータ44では、ランプ付きボタン34,35,36の押圧情報(前記座標データと共に送られる信号)に応じたモードに切り換えられるようにプログラムされている。即ち、特定のランプ付きボタン34,35,36を押すことで、特定のボタンを押したマウス37によって操作するモードと同じモードに設定されるようになっている。このモードの設定は、いずれかのランプ付きボタン34,35,36を押すことで、前記座標データと共に送られる信号等により、ホストコンピュータ44内のプログラムの設定が切り替わるようになっている。
【0056】
以上の構成により、タッチパネル31を操作するときは、必要とするモードに合せてランプ付きボタン34,35,36を押し、タッチパネル31のタッチ領域33を指でタッチオン等をして、CRTディスプレイ11上を見ながら必要な情報を入力して操作する。マウス37のボタンに対応して操作モードを変える場合は、対応するランプ付きボタン34,35,36を押す。押されたランプ付きボタン34,35,36はそのランプ部34B,35B,36Bが点灯する。これと同時にランプ付きボタン34,35,36の押圧情報が前述のような形式で座標データと共に送信される。
【0057】
ホストコンピュータ44では、ランプ付きボタン34,35,36の押圧情報に応じてプログラムのモードが切り換えられる。このようにしてランプ付きボタン34,35,36で切り換えられたモードでタッチパネル31を操作する。
【0058】
これにより、必要とする入力モードに容易に切り換えてマウス37と同様の使い易さで、情報の入力や画面の操作等が可能になる。
【0059】
なお、前記実施例では、ランプ付きボタン34,35,36をタッチパネル31の表面に実際のボタンとして設けたが、CRTディスプレイ11の画面上に表示してもよい。これによっても前記実施例同様の作用、効果を奏することができる。
【0060】
[第3実施例]
本実施例はタッチパネルの座標変換設定方法に関するものである。
【0061】
まず、従来技術で示した方法により、座標変換係数Ax ,Bx ,Cx ,Dx ,Ay ,By ,Cy ,Dy を求めておく。次に図4に示す方法で補正するための作業を行なう。なおここでは説明を容易にするために、従来技術で示した方法で求めた座標変換係数をランク1の座標変換係数と、新たに誤差修正を行なった座標変換係数をランク2の座標変換係数と呼ぶ。
【0062】
図4に示すように、CRTディスプレイ11の左端、右端、上端及び下端の近傍に指をタッチする。このタッチしたタッチパネル31上の位置座標から、ランク1の座標変換係数を使って、CRTディスプレイ11上の座標を算出し、このCRTディスプレイ11上に表示棒51を表示する。
【0063】
その後、キーボードやマウスを操作して表示棒51を目視で少しずつ移動させ、4ヵ所におけるそれぞれの指の位置Bと表示棒51の位置とを一致させる。これにより、視差Δx1 ,Δx2 ,Δy1 ,Δy2 を求めることができる。
【0064】
前記表示棒51を移動させる際には、指を軽く揺らしながら指の位置Bと表示棒51とを一致させていくのが望ましい。即ち、指を適当に軽く表示面に沿って揺らすことで表示棒51がリアルタイムでその指の動きに追従するようにプログラムを作成し、揺れる指の真中の位置に表示棒51がくるように目視でキーボード等を操作する。これにより、より正確な座標変換係数を算出できる。なお、キーボードを使用するときは、図5に示す矢印キー52を使うのが便利である。例えば、矢印の方向に表示棒51を移動させたい場合、その矢印キー52を1回押せば表示棒51がCRTディスプレイ11の座標上で1ドット分だけ矢印の方向に移動するように設定する。また、図6に示すようなマウス53を使用するときは、例えば左ボタン54を左方向への移動に、右ボタン55を右方向への移動に使用する。または左ボタン54を下方向への移動に、右ボタン55を上方向への移動に使用する。各ボタン54,55を1回クリックすることで、表示棒51がCRTディスプレイ11の座標上で1ドット分だけ指示方向に移動するように設定する。
【0065】
このようにして得られた視差Δx1 ,Δx2 ,Δy1 ,Δy2 の値による補正値、即ちタッチパネル31上の指の位置座標X1 ,X2 ,Y1 ,Y2 に対応するCRTディスプレイ11上の座標であってランク1の座標変換係数によるものx1 ′,x2 ′,y1 ′,y2 ′に対して視差を補正した値x1 ,x2 ,y1 ,y2 は、
x1 =x1 ′−Δx1 ←→ X1 に対応
y1 =y1 ′−Δy1 ←→ Y1 に対応
x2 =x2 ′−Δx2 ←→ X2 に対応
y2 =y2 ′−Δy2 ←→ Y2 に対応
となる。
【0066】
これより、x1 ,y1 ,x2 ,y2 を用いたランク2の座標変換係数は次式で求まられる。
【0067】
Cx =(X2 −X1 )/(x2 −x1 )
Cy =(Y2 −Y1 )/(y2 −y1 )
Dx =X1 −Cx・x1
Dy =Y1 −Cy・y1
さらにこれらにより、Ax ,Bx ,Ay ,By も求められる。
【0068】
これらの操作は1回以上行なう。なお、数回繰り返すと、より良い結果が得られる。即ち、前述のようにして得られたランク2の座標変換係数をランク1の座標変換係数とみなし、前述の作業を再び繰り返すことによって最初に求めたランク2の座標変換係数よりもさらに良い座標変換係数を得ることができる。
【0069】
また、座標変換係数を求めた後は、実際に十字カーソル等を表示させて、座標変換係数が正しく求められているかどうかを検査するテスト機能を持たせることが望ましい。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば以下のような効果を奏することができる。
【0071】
(1) パネルヒータの抵抗体として直線や湾曲の帯状抵抗体を並列に配設したので、全体をほぼ均一な温度分布にすることができ、ディスプレイを均一に暖めることができる。
【0072】
(2) 入力時の操作内容(入力モード)を切り換える複数のランプ付きスイッチを備えたので、必要とする入力モードに容易に切り換えて、マウスと同様の使い易さで、情報の入力や画面の操作等が可能になる。
【0073】
(3) タッチパネルにタッチした物体の位置をディスプレイに表示させ、このディスプレイの表示をタッチパネル上の物体の位置に合致させるようにしたので、位置合わせ時の誤差の微調整が可能になり、より正確に座標変換を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフラットディスプレイ用パネルヒータを示す平面図である。
【図2】本発明に係るタッチパネルを示す正面図である。
【図3】本発明に係るランプ付きボタンの回路系を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る座標変換設定方法に用いるディスプレイを示す正面図である。
【図5】キーボードの矢印キーを示す平面図である。
【図6】マウスを示す平面図である。
【図7】従来のパネルヒータを示す平面図である。
【図8】光学式タッチパネルの構成を示す概略平面図である。
【図9】タッチパネルがCRTディスプレイに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図10】CRTディスプレイにタッチパネルを重ねた状態を示す正面図である。
【図11】CRTディスプレイ上に描かれたボックスを示す模式図である。
【図12】CRTディスプレイ上に描かれたボックスを示す模式図である。
【図13】CRTディスプレイ上に描かれたボックスを示す模式図である。
【図14】タッチした人の指とターゲットとを比較して示す模式図である。
【図15】ディスプレイとタッチパネルの各座標の位置合わせ作業を示す模式図である。
【符号の説明】
21…PETフィルム、22…ITO膜、23…パネルヒータ、24,25…
Claims (4)
- フラットディスプレイに面して設けられる基体と、この基体の表面に配設された抵抗体とからなるフラットディスプレイ用パネルヒータにおいて、
前記抵抗体として、複数の、帯状であって当該帯の幅がその全長に亘って10mmの均一な抵抗体を、0.5mm間隔毎に並列に配設したことを特徴とするフラットディスプレイ用パネルヒータ。 - 請求項1に記載のフラットディスプレイ用パネルヒータにおいて、前記帯状抵抗体として直線状の帯状抵抗体を用いたことを特徴とするフラットディスプレイ用パネルヒータ。
- 請求項1に記載のフラットディスプレイ用パネルヒータにおいて、前記フラットディスプレイが液晶であることを特徴とするフラットディスプレイ用パネルヒータ。
- 請求項1に記載のフラットディスプレイ用パネルヒータにおいて、前記基体が合成樹脂であることを特徴とするフラットディスプレイ用パネルヒータ。
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