JP3562960B2 - インバータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機の減速制御を改良したインバータ装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば車両用の電動機を駆動する場合に、車両の停止位置制御があまり要求されない用途では、開ループ位置制御が使われる。開ループ位置制御の公知技術としては、特開平5−161374号公報に示されるように、停止時もしくは減速時の移動距離を運転速度(電動機の運転周波数)に関係なく一定となるように制御するものがある。
【0003】
このものにおいては、図18に示すように電動機を制御するようにしている。この図18(a)には、インバータ装置の出力周波数が車両の最大速度に対応する電動機の最大周波数fsであるとき、時間tsでの停止までの基準減速パターンを示しており、この基準減速パターンは記憶部に記憶されている。この図18(a)においては、停止指令が入力されてから停止されるまでの車両の移動距離Dは、
D=(1/2)・fs・ts
となる。つまり、この移動距離Dは、最大周波数fsの暫減パターンの周波数積算値(基準周波数積算値)で示される。
【0004】
同図(b)には、車両がある速度で運転されている場合に対応する電動機の運転周波数fxを示しており、この運転周波数fxにおいて停止指令が入力された場合、移動距離Dxは、
Dx=(1/2)・fx・t3
で示される。この場合も、移動距離Dxは、運転周波数の暫減パターンの時間t3までの周波数積算値で示される。そして、移動距離Dxが上記基準の移動距離Dと同一となるように時間t3を決定すれば良く、この場合、
t3=fs・ts/fx
となる。つまり、fs・tsは一定値であるので、運転周波数fxと停止時間t3とは反比例の関係にある。
【0005】
このようにして、運転周波数fxに対して停止時間t3を決定した場合、運転周波数fxが低いときにはこの停止時間t3が長くなる。この場合、車両の速度変化率Δvは
Δv=(v0/t0)・Δt
となる。ここで、
v0:運転速度(運転周波数fxに対応する車両の運転速度)
t0:停止までの時間(停止時間t3)
Δt:マイクロコンピュータの速度処理分解能で定まる微小時間
しかして、運転周波数fxが低いときには上記停止までの時間t3が長くなり、つまり、減速度合いが小さくなって、上記(v0/t0)における余りの割合が大きくなり、移動距離の誤差が大きくなる。換言すると、停止指令が入力されてから直ちに出力周波数を暫減する方式では、運転周波数が低いときに、停止までの時間が長くなってしまうと共に、移動距離の誤差が大きくなってしまう。このような問題は、車両を運転周波数から指定周波数まで減速する制御の場合も同様にいえることであった。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運転周波数から停止させる場合もしくは指定周波数まで減速する場合に、移動距離の一定化を図りつつ、時間短縮を図り得、さらに運転周波数が低い状態から停止もしくは減速する場合でも移動距離にずれがないようにできるインバータ装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、直流を可変周波数及び可変電圧の交流に変換して出力し、電動機を可変速するインバータ装置において、
停止指令を入力する停止指令入力手段と、
基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンを記憶した記憶手段と、
停止パターンとして運転周波数をキープするキープ期間とその後に停止まで暫減する暫減期間とを設定し、前記停止指令が入力されたときに、前記基準減速パターンにおける基準周波数設定値から停止までの基準周波数積算値を演算し、運転周波数のキープ期間と暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するようにこれらキープ期間の所要時間、及び暫減期間の減速度もしくは所要時間を設定する出力周波数制御手段と
を備えてなる。
【0008】
この構成においては、運転周波数出力状態から停止までの合計周波数積算値が基準周波数積算値と一致するように制御するから、車両の停止時の移動距離が運転周波数に関係なく一定となる。この場合、停止パターンとして運転周波数をキープするキープ期間とその後に停止まで暫減する暫減期間とを設定し、運転周波数のキープ期間と暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するようにこれらキープ期間の所要時間、及び暫減期間の減速度もしくは所要時間を設定するから、停止までの所要時間が短くなると共に、運転周波数が低いような場合でも、移動距離にずれが発生することがない。
【0009】
すなわち、停止パターンが、運転周波数を直ちに暫減するようなパターンであると、移動距離一定制御(周波数積算値一定制御)をしようとすると、運転周波数が低い場合に、停止までの所要時間が長くなるし、制御にマイクロコンピュータを用いたときに移動距離に誤差が発生する。しかし、上記構成においては、停止パターンとして運転周波数をキープするキープ期間とその後に停止まで暫減する暫減期間とを設定しているから、移動距離一定としながら停止制御所要時間を短くできるようになり、また、運転周波数のキープ期間を設けた分、暫減期間における減速度が必然的に大きくなり、つまり、減速度が小さくなる場合に比して移動距離誤差が少なくなる。
【0010】
請求項2の発明は、直流を可変周波数及び可変電圧の交流に変換して出力し、電動機を可変速するインバータ装置において、
指定周波数まで減速するための減速指令を入力する減速指令入力手段と、
基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンを記憶した記憶手段と、
減速パターンとして運転周波数をキープするキープ期間とその後指定周波数まで暫減する暫減期間とを設定し、前記減速指令が入力されたときに、前記基準減速パターンにおける基準周波数設定値から指定周波数までの基準周波数積算値を演算し、運転周波数のキープ期間と暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するようにキープ期間の所要時間、及び暫減期間の減速度もしくは所要時間を設定する出力周波数制御手段と
を備えてなる。
【0011】
この構成においては、運転周波数出力状態から指定周波数への減速までの合計周波数積算値が基準周波数積算値と一致するように制御するから、車両の減速時の移動距離が運転周波数に関係なく一定となる。この場合、減速パターンとして運転周波数をキープするキープ期間とその後指定周波数まで暫減する暫減期間とを設定し、運転周波数のキープ期間と暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するようにキープ期間の所要時間、及び暫減期間の減速度もしくは所要時間を設定するから、運転周波数が低いような場合でも、指定周波数までの減速所要時間が短くなると共に、運転周波数が低いような場合でも、移動距離にずれが発生することがない。
【0012】
請求項3の発明は、暫減期間の減速度は基準減速パターンの減速度と同一としたところに特徴を有する。
基準周波数設定値は、通常、最大値に設定されるものであり、従って、この基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンにおける減速度は、許容最大減速度といえる。この結果、暫減期間の減速度は許容最大減速度たるものであり、従って、機械系の許容強度を超えない範囲において、暫減期間を短くでき、減速時間を可能な限り短くできるようになる。
【0013】
請求項4の発明は、暫減期間の所要時間は、基準減速パターンの所要時間と同一としたところに特徴を有する。
この構成においては、減速時間が常に一定となり、使用者が車両の減速開始時点から減速終了を停止までを予測できるようになる。
【0014】
請求項5の発明は、直流を可変周波数及び可変電圧の交流に変換して出力し、電動機を可変速するインバータ装置において、
停止指令を入力する停止指令入力手段と、
基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンを記憶した記憶手段と、
停止パターンとして、運転周波数から中間周波数まで暫減する第1の暫減期間と、中間周波数をキープするキープ期間と、その後に停止まで暫減する第2の暫減期間とを設定し、前記停止指令が入力されたときに、前記基準減速パターンにおける基準周波数設定値から停止までの基準周波数積算値を演算し、第1の暫減期間と、キープ期間と、第2の暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するように、第1の暫減期間の減速度、及びキープ期間の所要時間、並びに第2の暫減期間の減速度を設定する出力周波数制御手段と
を備えてなる。
【0015】
この構成においては、基本的に請求項1の発明と同様の作用を得ることができることに加え、第1の暫減期間による減速制御が直ちに開始されるので、停止指令時に直ちに減速を確認できる利点がある。
【0016】
請求項6の発明は、直流を可変周波数及び可変電圧の交流に変換して出力し、電動機を可変速するインバータ装置において、
指定周波数まで減速するための減速指令を入力する減速指令入力手段と、
基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンを記憶した記憶手段と、
減速パターンとして、運転周波数から、指定周波数より高い中間周波数まで暫減する第1の暫減期間と、中間周波数をキープするキープ期間と、その後指定周波数まで暫減する第2の暫減期間とを設定し、前記減速指令が入力されたときに、前記基準減速パターンにおける基準周波数設定値から指定周波数までの基準周波数積算値を演算し、第1の暫減期間と、キープ期間と、第2の暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するように、第1の暫減期間の減速度、及びキープ期間の所要時間、並びに第2の暫減期間の減速度を設定する出力周波数制御手段と
を備えてなる。
【0017】
この構成においては、基本的に請求項2の発明と同様の作用を得ることができることに加え、第1の暫減期間による減速制御が直ちに開始されるので、減速指令時に直ちに減速を確認できる利点がある。
【0018】
請求項7の発明は、第1の暫減期間及び第2の暫減期間の減速度は基準減速パターンの減速度と同一としたところに特徴を有する。
基準周波数設定値は、通常、最大値に設定されるものであり、従って、この基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンにおける減速度は、許容最大減速度といえる。この結果、第1の暫減期間及び第2の暫減期間の減速度は許容最大減速度たるものであり、従って、キープ期間をより長くできて停止あるいは減速までの時間を可能な限り(つまり機械系の許容強度を超えない範囲において)短くできるようになる。
【0019】
請求項8の発明は、基準減速パターンが、基準周波数設定値が一定時間継続しその後基準停止時間まで暫減するパターンであり、
出力周波数制御手段は、基準周波数設定値が継続するときの周波数積算値と、その後基準停止時間までの周波数積算値との合計を基準周波数積算値として演算するようになっているところに特徴を有する。
この構成においては、停止指令もしくは減速指令が発生してからインバータ装置の制御開始までに時間的遅れがある場合に、これを補償できる。
【0020】
請求項9の発明は、運転周波数から直ちに出力周波数を減速制御する瞬時減速制御手段と、
前記瞬時減速制御手段と出力周波数制御手段とを選択するための減速形態切換手段とを設け、
減速指令もしくは停止指令が入力されたときには前記瞬時減速手段と出力周波数制御手段とのうちこの減速形態切換手段により選択された方を動作させるようにしたところに特徴を有する。
この構成においては、出力周波数制御手段による減速形態と運転周波数から直ちに出力周波数を暫減する形態とを切り換えることができるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、車両駆動用の電動機を可変速するインバータ装置に適用して、その第1の実施例につき図1ないし図4を参照しながら説明する。
まず図2において、車両としての搬送車1は、例えばレール等の走行路2を走行するように設けられており、工場等で物品を無人で搬送するものである。上記走行路2には、停止位置PSTが定められており、この停止位置PSTの手前には停止指令入力手段たる停止指令装置3が配設されており、この停止指令装置3は例えば反射型光センサを用いた位置検出センサからなる。
【0022】
上記搬送車1は、図1に示す電動機たる誘導電動機4を駆動源とするものであり、この誘導電動機4は、インバータ装置5により駆動制御されるものである。以下、このインバータ装置5について述べる。三相交流電源6は、ダイオードブリッジ7及び平滑コンデンサ8を有する直流電源回路9により直流化され、その直流出力はインバータ主回路10に与えられる。このインバータ主回路10は、スイッチング素子たるIGBTを備えて構成されており、このインバータ主回路10の各出力端子は前記誘導電動機4の各相巻線に接続されている。
【0023】
インバータ制御部11は、マイクロコンピュータ12、PWM回路13及びゲートドライブ回路14を有して構成されている。マイクロコンピュータ12には、前記停止指令装置3からの位置検出信号が停止指令Stとして入力されると共に、搬送車1の定速時の走行速度指令Ssが与えられるようになっている。なお、この走行速度指令Ssは、搬送車1に設けられた図示しない入力用パネルに設けられた速度入力ダイヤルの操作により発生する。また、このマイクロコンピュータ12には、停止位置PSTの位置で発車指令信号が適宜の手段から与えられるようになっている。
【0024】
上記マイクロコンピュータ12の記憶手段たるROM12aには、基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンが記憶されている。この基準減速パターンは図4(a)に示すように、基準周波数設定値fsと基準停止時間tsとが記憶されており、この基準周波数設定値fsは誘導電動機4の許容最大回転速度に対応するものであり、基準停止時間tsは、機械系の強度上の安全を考慮したときの許容最大回転速度状態からの最速停止時間である。この基準周波数設定値fsは、予め設定され記憶された固定的なものであるが、適宜の外部入力手段を設けて調節し得るようにしても良い。
【0025】
マイクロコンピュータ12は、走行速度指令Ssに応じた運転周波数fxを発生してPWM回路13に与える。PWM回路13は、この運転周波数fxに応じたPWM信号を発生し、これに応じたゲート制御信号をゲートドライブ回路14に与えて各スイッチング素子をオンオフ制御し、もって誘導電動機4を駆動制御する。
【0026】
上記マイクロコンピュータ12は出力周波数制御手段として機能するものであり、以下、その機能を図2のフローチャートに従って説明する。搬送車1の走行中には、マイクロコンピュータ12は、ステップP110において基準停止時間ts、基準周波数設定値fsを読み込んでいるとと共に、走行速度指令Ssに対応する運転周波数fxを読み込んでいる。そして、ステップP120及びステップP130から判るように、常に(正確にはきわめて短い時間周期で)停止指令装置3から停止指令Stが入力されたか否かを判断しており、搬送車1の通過が停止指令装置3により検出されて停止指令Stがマイクロコンピュータ12に入力されると、ステップP140移行の停止制御を実行する。
【0027】
ステップP140を説明する前に、本実施例の制御の考え方を述べる。
図4(a)には、基準周波数設定値fsと、この設定値fsからの基準停止時間tsとが示されており、この時の減速度γは
γ=fs/ts
で示される。この減速度γは、許容最大減速度といえる。
【0028】
いま、例えば、運転周波数が基準周波数設定値fsであるときには、停止指令Stが発生した時点で上述の減速度γで減速すると、搬送車1は図2の停止位置PSTで停止する。つまり移動距離はDとなる。なお、この時停止までの周波数の積算値(基準周波数積算値)M(図4(a)の斜線部分に示される)は
M=fs・ts/2
となる。そして、運転周波数が基準周波数設定値fsに対して異なっている場合でも、上記移動距離Dを一定にするには、停止までの周波数の積算値を上記基準周波数積算値Mと等しくするように停止までの時間及び周波数変化を設定すれば良い。
【0029】
そして、本実施例では、運転周波数fxが上記基準周波数設定値fsを超えないようになっており、停止パターンとしては、同図(b)に示すように、最初に運転周波数fxをキープするキープ期間Taとその後暫減する暫減期間Tbとを設定するようになっている。この時の周波数積算値が前記基準周波数積算値Mと同一となるようにキープ期間Taの所要時間t1と暫減期間Tbの減速度αとを設定するものである。
【0030】
さて、図3のステップP140においては、周波数積算値を演算すると共に、上述の減速度γ=fs/tsを演算し、さらに、上述の所要時間t1を演算し、さらには、このマイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δfを設定するものである。
すなわち、図4(b)の停止パターンの周波数積算値Mx(図4(b)の斜線部分に示される)は
Mx=fx・t1+fx(t2−t1)/2
ここで移動距離Dを一定とするには上記積算値Mxは基準周波数積算値Mと等しくすれば良いから、M=Mx、つまり
fs・ts/2=fx・t1+fx(t2−t1)/2 …(1)
となる。
【0031】
この時暫減期間Tbの減速度αは
α=fx/(t2−t1)となり、この場合減速度αは上記基準減速パターンの減速度γと同等もしくはそれ以下に設定するものである。すなわち、Δf≧α、つまり、
fs/ts≧fx/(t2−t1) …(2)
の条件となる。
【0032】
前記αを(1)式に代入するとキープ期間Taの所要時間t1は
t1=fs・ts/2fx−fx/2α
となる。このとき上記(2)の条件を加味して上記t1を決定するものである。上記減速度αを設定するとt1が決定されるものである。
【0033】
しかるに本実施例では、暫減期間Tbの減速度αを、基準減速パターンの減速度γと同一(α=γ)としており、
fx/(t2−t1)=fs/ts
が成立し、
t1=(fs/fx−fx/fs)・ts/2 …(3)
となる。
【0034】
また、このマイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δfは、
Figure 0003562960
このようにして、周波数積算値、減速度γ、所要時間t1を演算し、さらには、このマイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δfを設定するものである。
【0035】
次のステップP150においては、時間カウントを開始し、ステップP160においてカウント時間が、キープ期間Taの所要時間t1を経過したことが判断されるとステップP170に移行する。上記ステップP150及びステップP160からかわるように運転周波数fxでの運転がキープ期間Ta(所要時間t1)で実行される。
【0036】
そして、ステップP170及びステップP180では、周波数を暫減してゆく。すなわち、ステップP170では、現在の出力周波数f(この時点では運転周波数fx)から前記周波数減少分Δfを差し引くように演算し、この演算された周波数fを出力して誘導電動機4を駆動する。これにて、誘導電動機4が出力周波数fの減少に同期して減速されていく。そして、出力周波数fが「0」となったところ(誘導電動機4が停止したところ)で出力周波数制御を終了する。このときの出力周波数fの変化は図4(b)のようになる。
この場合、周波数積算値(同図(b)に斜線で示す)は図4(a)の基準周波数積算値と同一となり、もって搬送車1は移動距離Dを移動したところで停止される。
【0037】
上述において、搬送車1の速度つまり運転周波数fxが異なっても、周波数積算値Mzを基準周波数積算値Mに一致するように演算して所要時間t1を設定する(減速度αは減速度γと同一とする)から、常に移動距離Dを一定とすることができる。
【0038】
この場合、停止パターンとして運転周波数fxをキープするキープ期間Taとその後に停止まで暫減する暫減期間Tbとを設定し、運転周波数fxのキープ期間Taと暫減期間Tbとの合計周波数積算値Mxが前記基準周波数演算結果Mと一致するようにこれらキープ期間Taの所要時間t1及び暫減期間Tbの減速度αを設定するから、運転周波数fxが低いような場合でも、図4(b)と図18(b)との比較から理解できるように、停止までの所要時間が短くなる。しかも、運転周波数fxが低いような場合でも、所要時間t1の調整により暫減期間Tbにおける減速度を過度に低くせずに済み、マイクロコンピュータ12により周波数減少分Δf(Δf=(fx/(t2−t1))・Δt、本実施例ではΔf=(fs/ts)・Δt)を演算する場合に、余り分が大きくならず、移動距離D一定制御が精度低下することがない。
特に、暫減期間Tbの減速度αを基準減速パターンの減速度γと同一としたから、機械系の許容強度を超えない範囲において、暫減期間Tbを短くでき、減速時間を可能な限り短くできる。
【0039】
図5は本発明の第2の実施例を示しており、この第2の実施例において、同図(b)に示す暫減期間Tbの所要時間(t2′−t1′)を同図(a)の基準停止時間tsと同一となるように、暫減期間Tbの減速度αとキープ期間Taの所要時間t1′とを演算するものである。この場合第1の実施例で示した(1)式(下記に再掲する)の(t2−t1)をtsとすれば良く、
fs・ts/2=fx・t1+fx(t2−t1)/2 …(1)
これにて、
t1=(fs−fx)・ts/2fx …(4)
が求められる。
【0040】
そして、この時の暫減期間tbでの減速度αは
α=fx/tsとなり、Δfは(fx/ts)・Δtとなる。
【0041】
上記演算結果であるt1とΔfとを用いて図3のステップP160、ステップP170を実行することとなる。
この第2の実施例では、停止位置STで使用者(作業者等)が搬送車1を待っている場合や、搬送車1に使用者が乗っているような場合に、移動距離Dが一定でありながらも減速時間が常に一定であることから感覚的に停止時間を予測できるものである。
【0042】
図6ないし図8は本発明の第3の実施例を示しており、この実施例では、指定された低速度まで減速する時の制御に特徴がある。図6の符号21は減速指令入力手段たる減速指令装置であり、この減速指令装置21は例えば反射型光センサを用いた位置検出センサからなる。この減速指令装置21は、低速度開始位置PDWよりも距離DA前側に位置して設けられている。この場合、低速とはクリーピング速度(いつでも停止できるような速度)であり、このクリーピング速度に対応するPWMの周波数(指定周波数)は図8においてfAで示されている。
【0043】
この場合、マイクロコンピュータ12は、図7のフローチャートに示す制御を行う。搬送車1の走行中には、マイクロコンピュータ12は、ステップQ110において基準停止時間ts、基準周波数設定値fsを読み込んでいるとと共に、走行速度指令Ssに対応する運転周波数fx及び指定周波数fAを読み込んでいる。そして、ステップQ120及びステップQ130から判るように、常に(正確にはきわめて短い時間周期で)減速指令装置21から減速指令が入力されたか否かを判断しており、搬送車1の通過が停止指令装置3により検出されて減速指令がマイクロコンピュータ12に入力されると、ステップQ140以降の停止制御を実行する。
【0044】
さて、ステップQ140においては、周波数積算値を演算すると共に、減速度γ=fs/tsを演算し、さらに、上述の所要時間t1を演算し、さらには、このマイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δfを設定するものである。
すなわち、図8(a)に示す基準減速パターンにおいて、基準周波数fsから指定周波数fAまでの基準周波数積算値Mは、
M=(fs+fA)・t0/2
図4(b)においてキープ期間Ta及び暫減期間Tb(運転周波数fxから指定周波数fAまでの減速期間)の合計周波数積算値Mxは
Mx=fx・t1+(fx+fA)・(t2−t1)/2
ここで移動距離DAを一定とするには上記積算値Mxは基準周波数積算値Mと等しくすれば良いから、M=Mx、つまり
(fs+fA)・t0/2=fx・t1+(fx+fA)・(t2−t1)/2 …(5)
ここでt0は
t0=(fs−fA)・ts/fs
であり、
この時暫減期間Tbの減速度αは
α=(fx−fA)/(t2−t1)
であり、t0、αを(5)式に代入するとキープ期間Taの所要時間t1が求められる。
【0045】
t1=((fs−fA)・ts/ts−(fx−fA)/α)/2fx
となり、ここで、αが上記基準減速パターンの減速度γ(γ=(fs/ts))と同一に設定すると、
t1=(fs/fx−fx/fs)・ts/2
となり、これは第1の実施例の(3)式と等しくなる。
【0046】
また、このマイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δfは、第1の実施例の場合と同じで、
Δf=αΔt=(fx/(t2−t1))・Δt=γΔt=(fs/ts)・Δtとなる。
このようにして、周波数積算値、減速度γ、所要時間t1を演算し、さらには、このマイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δfを設定するものである。
【0047】
次のステップQ150においては、時間カウントを開始し、ステップQ160においてカウント時間が、キープ期間Taの所要時間t1を経過したことが判断されるとステップQ170に移行する。上記ステップQ150及びステップQ160からかわるように運転周波数fxでの運転がキープ期間Ta(所要時間t1)で実行される。
【0048】
そして、ステップQ170及びステップQ180では、周波数を暫減してゆく。すなわち、ステップQ170では、現在の出力周波数f(この時点では運転周波数fx)から前記周波数減少分Δfを差し引くように演算し、この演算された周波数fを出力して誘導電動機4を駆動する。これにて、誘導電動機4が出力周波数fの減少に同期して減速されていく。そして、出力周波数fが指定周波数「fA」となったところで出力周波数制御を終了する。このときの出力周波数fの変化は図8(b)のようになる。
この場合、周波数積算値(同図(b)に斜線で示す)は図8(a)の基準周波数積算値と同一となり、もって搬送車1は移動距離DAを移動したところでクリーピング速度となる。
【0049】
上述において、搬送車1の速度つまり運転周波数fxが異なっても、周波数積算値Mxを基準周波数積算値Mに一致するように演算して所要時間t1を設定する(減速度αは減速度γと同一とする)から、常に、減速指令が入力されてからクリーピング速度となるまでの移動距離DAを一定とすることができる。
【0050】
この場合、停止パターンとして運転周波数fxをキープするキープ期間Taとその後に停止まで暫減する暫減期間Tbとを設定し、運転周波数fxのキープ期間Taと、運転周波数fxから指定周波数fAまでの暫減期間Tbとの合計周波数積算値Mxが前記基準周波数演算結果Mと一致するようにこれらキープ期間Taの所要時間t1及び暫減期間Tbの減速度αを設定するから、運転周波数fxが低いような場合でも、クリーピング速度までの所要時間t2が短くなる。しかも、運転周波数fxが低いような場合でも、所要時間t1の調整により暫減期間Tbにおける減速度を過度に低くせずに済み、マイクロコンピュータ12により周波数減少分Δf(Δf=((fx−fA)/(t2−t1))・Δt、本実施例ではΔf=(fs/ts)・Δt)を演算する場合に、余り分が大きくならず、移動距離DA一定制御が精度低下することがない。
特に、暫減期間Tbの減速度αを基準減速パターンの減速度γと同一としたから、機械系の許容強度を超えない範囲において、暫減期間Tbを短くでき、減速時間を可能な限り短くできる。なお、上記実施例において、搬送車1の減速速度はクリーピング速度でなくても良い。
【0051】
図9には本発明の第4の実施例を示しており、上記第3の実施例と異なるところは、暫減期間Tbにおける所要時間(t2′−t1′)を基準周波数パターンにおける指定周波数fAまでの所要時間t0と同一となるようにしたところにある。
このとき、(5)式から、キープ期間Taの所要時間t1は
t1=(fs−fA)(fs−fx)・ts/(2fs・fx) …(6)
となり、
また、暫減期間Tbにおける減速度αは
α=(fx−fA)/t0
となり、周波数減少分Δfは
Δf=((fx−fA)/t0)・Δtとなる。
【0052】
この第4の実施例においては、減速開始位置Pdwで使用者(作業者等)が搬送車1を監視している場合や、搬送車1に使用者が乗っているような場合に、移動距離DAが一定でありながらも減速時間が常に一定であることから感覚的に減速時間を予測できるものである。
【0053】
図10及び図11は本発明の第5の実施例を示しており、この実施例では、第1の実施例と次の点が異なる。ただしハード構成については図示しないが図1及び図2と同じである。
マイクロコンピュータ12は、図11(b)に示すように、停止パターンとして、運転周波数fxから中間周波数fyまで暫減する第1の暫減期間Ta1と、中間周波数fyをキープするキープ期間Tbと、その後に停止まで暫減する暫減期間Ta2とを設定し、停止指令Stが入力されたときに、基準減速パターンにおける基準周波数設定値fsから停止までの基準周波数積算値Mを演算し、第1の暫減期間Ta1と、キープ期間Tbと、第2の暫減期間Ta2との合計周波数積算値Mxが前記基準周波数演算結果Mと一致するように、第1の暫減期間Ta1の減速度、及びキープ期間Tbの所要時間(t5−t4)、並びに第2の暫減期間Ta2の減速度を設定するようにしている。
【0054】
マイクロコンピュータ12には、図示しない外部入力手段から搬送車1の減速途中の所定周波数として中間周波数fyが設定されており、マイクロコンピュータ12は、図10のステップR111に示すように、基準停止時間ts、基準周波数設定値fs、走行速度指令Ssに対応する運転周波数fx及び中間周波数fyを読み込んでいる。そして、ステップR120及びステップR130から判るように、常に(正確にはきわめて短い時間周期で)停止指令装置3から減速指令が入力されたか否かを判断しており、搬送車1の通過が停止指令装置3により検出されて減速指令がマイクロコンピュータ12に入力されると、ステップR141以降の停止制御を実行する。
【0055】
さて、ステップR141においては、周波数積算値M、Mxを演算すると共に、減速度γ=fs/tsを演算し、さらに、上述の所要時間(t5−t4)を演算し、さらには、このマイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δf1、Δf2を設定するものである。
すなわち、図11(a)に示す基準減速パターンにおいて、基準周波数fsから停止までの基準周波数積算値Mは、
M=fs・ts/2
図11(b)において第1の暫減期間Ta1、キープ期間Tb及び第2の暫減期間Ta2の合計周波数積算値Mxは
Mx=(fx+fy)・t4/2 +fy・(t5−t4)+fy・(t6−t5)/2
ここで、M=Mxとするから
fs・ts/2=(fx+fy)・t4/2 +fy・(t5−t4)+fy・(t6−t5)/2 …(7)
第1の暫減期間Ta1の減速度をα、第2の暫減期間Ta2の減速度をβとすると、
α=(fx−fy)/t4
β=fy/(t6−t5)
で示される。これらを(7)式に代入するとキープ期間Tbの所要時間(t5−t4)が下記のように求められる。
【0056】
t5−t4=fs・ts/2fy−(fx+fy)(fx−fy)/2α・fy−fy/2β …(8)
ここで、上記α、βを基準減速パターンの減速度γ(=fs/ts)と同一とした場合、
t5−t4=(fs−fx)ts(2fs・fy)
となる。
【0057】
また、第1の暫減期間Ta1におけるマイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δf1はこの場合もγ・Δt、第2の暫減期間Ta1におけるΔf2もγ・Δtに設定するものである。
【0058】
なお、ステップR142、ステップR143では、第1の暫減期間Ta1での減速を制御し、ステップR150、ステップR161では、キープ期間Tbでの定速制御を行い、ステップR171、ステップR180では、第2の暫減期間Ta2での減速制御を行っている。
【0059】
このような制御により、停止指令入力からの移動距離Dを一定とすることができる。さらには、第1の暫減期間Ta1による減速制御が直ちに開始されるので、停止指令時に直ちに減速を確認できる効果がある。なお、上記中間周波数fyは、運転周波数fxを下回る周波数であれば良く、例えば、運転周波数fxの1/2に設定しても良い。
【0060】
図12ないし図14は本発明の第6の実施例を示しており、この実施例においては、停止指令発生から減速制御開始までに時間的遅れがある場合でも移動距離一定制御を確実に行なうようにしている。すなわち、停止指令発生から減速制御開始までに時間的遅れがほとんどない場合、図17に示すように、停止指令発生地点PSs(搬送車1の通過時点)から一定の移動距離Dで搬送車1が停止することになるが、インバータ制御の動作誤差あるいは機械系の動作速度誤差等により、停止指令発生から減速制御開始までに時間的遅れ(その遅れ時間をtgとする)がある場合、その移動距離は距離D′となる。この距離D′のうち、前記理想的な移動距離Dを差し引いた距離(以下空走行距離という)Dgが、上記遅れ時間tgによる走行分となる。
【0061】
この空走行距離Dgは、搬送車1の運転速度によって異なるものであり、運転速度が速いと、遅れ時間tgによる空走行距離が符号Dg0で示すように長くなり、全体の移動距離も長くなる。そこで、この第6の実施例では、基準減速パターンとして、図13(a)のように、基準周波数設定値fsが一定時間td継続しその後基準停止時間(ts+td)まで暫減するパターンを備えている。上記一定時間tdは、予測される上記遅れ時間tgとほぼ同等に設定されている。そして、図12に示すように、停止指令装置31は第1の実施例の停止指令装置3の位置よりも前側に位置している。
【0062】
この実施例においては、基準減速パターンは第1の実施例と異なるが、基準周波数積算値Mは、
M=fs・td+fs・tsとなり、
また、図13(b)の停止パターンの周波数積算値Mxは
Mx=fx・t1+fx(t2−t1)/2
いま、暫減期間Tbの減速度をαとすれば、
t1=fs・ts/2fx−fx/2α+(fs−fx)・td/fx
となる。
【0063】
ここで、図14のフローチャートにおいて、特徴的なところは、上記一定時間tdをステップU110にて読み込み、上記所要時間t1はステップU140にて演算するところにある。
しかして、この所要時間t1でキープ期間Taを制御した後、暫減期間taを減速制御すれば、停止指令Ssの発生から制御開始までに時間遅れがあっても、走行速度に関係なく一定の移動距離DZで搬送車1が停止位置PSTに停止するようになる。従って、この実施例によれば、停止指令Ssが発生してからインバータ装置の制御開始までに時間的遅れがある場合に、これを補償できる。
このような制御は、減速指令に基づいて指定周波数まで減速する場合にも適用できるものである。
【0064】
図15及び図16は本発明の第7の実施例を示しており、この実施例では、次の点が第1の実施例と異なる。すなわち、マイクロコンピュータ12には、出力周波数制御手段(その制御形態は図16(b)参照)としての機能の他に、図17(c)のように運転周波数fxから直ちに出力周波数を減速する瞬時減速制御手段としての機能を備え、さらに、この瞬時減速制御手段と出力周波数制御手段とを選択するための例えば切換スイッチからなる減速形態切換手段(図示せず)が設けられており、マイクロコンピュータ12は、この切換スイッチがオン操作されると、瞬時減速制御手段による制御を選択し、オフの時には出力周波数制御手段による制御を選択するようになっている。
【0065】
しかして、図15のフローチャートにおいて特徴的なところについて述べると、ステップS112においては、基準停止時間ts、基準周波数設定値fs、運転周波数fx、切換スイッチオン・オフ状況を読み込んでいる。ステップS130において、停止指令Ssの入力有りが判断されると、ステップS200に移行して切換スイッチオンか否かを判断し、オンでなければ(オフであれば)、ステップS141以降に移行して、第1の実施例で述べた出力周波数制御(図16(b)参照)が実行される。ステップS200においてオンであることが判断されると、ステップS210に移行して、マイクロコンピュータ12の周波数処理周期Δtでの周波数減少分Δfを演算する。この場合、減速度を例えば基準減速パターンでの減速度(fs/ts)と同一に設定するものであり、従って、Δfは
Δf=(fs/ts)・Δt
となる。
この後ステップS170に移行して、減速する。
【0066】
この構成においては、出力周波数制御手段による減速制御形態と、運転周波数から直ちに出力周波数を減速する瞬時減速形態とを切り換えることができるものである。従って、例えば、インバータ制御試験運転時において、瞬時減速形態に切換えておけば、試験を迅速に行なうことができて便利である。あるいは、緊急停止を必要とする場合に、これに対処できるようになる。
【0067】
なお、停止指令入力手段及び喘息指令入力手段としては、リミットスイッチ等でも良い。また、上記各実施例では、本発明を車両用交流電動機のインバータ装置に適用したが、本発明は、各種分野の用いられる交流電動機のインバータ装置に広く適用できるものである。
【0068】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、次の効果を得ることができる。
請求項1の発明によれば、運転周波数出力状態から停止までの合計周波数積算値が基準周波数積算値と一致するように制御するから、車両の停止時の移動距離を運転周波数に関係なく一定にできる。そして、停止パターンとして運転周波数をキープするキープ期間とその後に停止まで暫減する暫減期間とを設定し、運転周波数のキープ期間と暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数演算結果と一致するようにこれらキープ期間の所要時間、及び暫減期間の減速度もしくは所要時間を設定するから、停止までの所要時間が短くできると共に、移動距離にずれが発生することをなくし得るものである。
【0069】
請求項2の発明によれば、運転周波数出力状態から指定周波数へ減速する場合に、移動距離をずれなく一定化できると共に、停止までの所要時間を短くできるものである。
請求項3の発明によれば、暫減期間の減速度を基準減速パターンの減速度と同一としたから、機械系の許容強度を超えない範囲において、減速時間を可能な限り短くすることが可能となる。
【0070】
請求項4の発明によれば、暫減期間の所要時間を、基準減速パターンの所要時間と同一としたから、減速時間が常に一定となり、使用者が減速開始時点から減速終了を停止までを予測できるようになる。
請求項5の発明によれば、基本的に請求項1の発明と同様の効果を得ることができることに加え、減速制御が直ちに開始されるので、停止指令時に直ちに減速を確認できる効果がある。
【0071】
請求項6の発明によれば、基本的に請求項2の発明と同様の効果を得ることができることに加え、減速制御が直ちに開始されるので、停止指令時に直ちに減速を確認できる効果がある。
請求項7の発明によれば、第1の暫減期間及び第2の暫減期間の減速度は基準減速パターンの減速度と同一としたから、キープ期間をより長くできて停止あるいは減速までの時間を機械系の許容強度を超えない範囲において可能な限り短くできるものである。
【0072】
請求項8の発明によれば、基準減速パターンを、基準周波数設定値が一定時間継続しその後基準停止時間まで暫減するパターンとし、基準周波数設定値が継続するときの周波数積算値と、その後基準停止時間までの周波数積算値の合計を基準周波数積算値として演算するようにしたから、停止指令もしくは減速指令が発生してからインバータ装置の制御開始までに時間的遅れがある場合に、これを補償できる。
【0073】
請求項9の発明によれば、運転周波数から直ちに出力周波数を減速する瞬時減速制御手段と、この瞬時減速制御手段と出力周波数制御手段とを選択するための減速形態切換手段とを設け、減速指令もしくは停止指令が入力されたときには前記瞬時減速制御手段と出力周波数制御手段とのうちこの減速形態切換手段により選択された方を動作させるようにしたから、出力周波数制御手段による減速方法と運転周波数から直ちに出力周波数を暫減する方法とを切り換えることができ、試運転時等の好都合となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電気的構成図
【図2】搬送システムを示す側面図
【図3】出力周波数制御の内容を示すフローチャート
【図4】基準減速パターン及び出力周波数変化を示す図
【図5】本発明の第2の実施例に関わる出力周波数変化を示す図
【図6】本発明の第3の実施例に関わる図2相当図
【図7】図3相当図
【図8】図4相当図
【図9】本発明の第4の実施例に関わる図4相当図
【図10】本発明の第5の実施例に関わる図3相当図
【図11】図4相当図
【図12】本発明の第6の実施例に関わる図2相当図
【図13】図4相当図
【図14】図3相当図
【図15】本発明の第7の実施例に関わる図3相当図
【図16】図3相当図
【図17】参考例を示す図2相当図
【図18】従来例を示す図4相当図
【符号の説明】
1は搬送車、2は走行路、3は停止指令装置(停止指令入力手段)、4は誘導電動機、5はインバータ装置、9は直流電源回路、10はインバータ主回路、11はインバータ制御部、12はマイクロコンピュータ(出力周波数制御手段)、21は減速指令装置(減速指令入力手段)を示す。

Claims (9)

  1. 直流を可変周波数及び可変電圧の交流に変換して出力し、電動機を可変速するインバータ装置において、
    停止指令を入力する停止指令入力手段と、
    基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンを記憶した記憶手段と、
    停止パターンとして運転周波数をキープするキープ期間とその後に停止まで暫減する暫減期間とを設定し、前記停止指令が入力されたときに、前記基準減速パターンにおける基準周波数設定値から停止までの基準周波数積算値を演算し、運転周波数のキープ期間と暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するようにこれらキープ期間の所要時間、及び暫減期間の減速度もしくは所要時間を設定する出力周波数制御手段と
    を備えたことを特徴とするインバータ装置。
  2. 直流を可変周波数及び可変電圧の交流に変換して出力し、電動機を可変速するインバータ装置において、
    指定周波数まで減速するための減速指令を入力する減速指令入力手段と、
    基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンを記憶した記憶手段と、
    減速パターンとして運転周波数をキープするキープ期間とその後指定周波数まで暫減する暫減期間とを設定し、前記減速指令が入力されたときに、前記基準減速パターンにおける基準周波数設定値から指定周波数までの基準周波数積算値を演算し、運転周波数のキープ期間と暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するようにキープ期間の所要時間、及び暫減期間の減速度もしくは所要時間を設定する出力周波数制御手段と
    を備えたことを特徴とするインバータ装置。
  3. 暫減期間の減速度は基準減速パターンの減速度と同一としたことを特徴とする請求項1または2記載のインバータ装置。
  4. 暫減期間の所要時間は、基準減速パターンの所要時間と同一としたことを特徴とする請求項1または2記載のインバータ装置。
  5. 直流を可変周波数及び可変電圧の交流に変換して出力し、電動機を可変速するインバータ装置において、
    停止指令を入力する停止指令入力手段と、
    基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンを記憶した記憶手段と、
    停止パターンとして、運転周波数から中間周波数まで暫減する第1の暫減期間と、中間周波数をキープするキープ期間と、その後に停止まで暫減する第2の暫減期間とを設定し、前記停止指令が入力されたときに、前記基準減速パターンにおける基準周波数設定値から停止までの基準周波数積算値を演算し、第1の暫減期間と、キープ期間と、第2の暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するように、第1の暫減期間の減速度、及びキープ期間の所要時間、並びに第2の暫減期間の減速度を設定する出力周波数制御手段と
    を備えたことを特徴とするインバータ装置。
  6. 直流を可変周波数及び可変電圧の交流に変換して出力し、電動機を可変速するインバータ装置において、
    指定周波数まで減速するための減速指令を入力する減速指令入力手段と、
    基準周波数設定値から基準停止時間までの基準減速パターンを記憶した記憶手段と、
    減速パターンとして、運転周波数から、指定周波数より高い中間周波数まで暫減する第1の暫減期間と、中間周波数をキープするキープ期間と、その後指定周波数まで暫減する第2の暫減期間とを設定し、前記減速指令が入力されたときに、前記基準減速パターンにおける基準周波数設定値から指定周波数までの基準周波数積算値を演算し、第1の暫減期間と、キープ期間と、第2の暫減期間との合計周波数積算値が前記基準周波数積算値と一致するように、第1の暫減期間の減速度、及びキープ期間の所要時間、並びに第2の暫減期間の減速度を設定する出力周波数制御手段と
    を備えたことを特徴とするインバータ装置。
  7. 第1の暫減期間及び第2の暫減期間の減速度は基準減速パターンの減速度と同一としたことを特徴とする請求項5または6記載のインバータ装置。
  8. 基準減速パターンは、基準周波数設定値が一定時間継続しその後基準停止時間まで暫減するパターンであり、
    出力周波数制御手段は、基準周波数設定値が継続するときの周波数積算値と、その後基準停止時間までの周波数積算値との合計を基準周波数積算値として演算するようになっていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインバータ装置。
  9. 運転周波数から直ちに出力周波数を減速制御する瞬時減速制御手段と、
    前記瞬時減速制御手段と出力周波数制御手段とを選択するための減速形態切換手段とを設け、
    減速指令もしくは停止指令が入力されたときには前記瞬時減速手段と出力周波数制御手段とのうちこの減速形態切換手段により選択された方を動作させるようにしたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のインバータ装置。
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