JP3562833B2 - 情報処理端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は情報処理端末に関し、特に情報提供者から受信した情報の情報処理端末の外部への出力を制御する情報処理端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の高度情報社会の発展、さらにはディジタル技術の発展に伴い、情報処理端末間においてディジタル信号でやりとりされる情報そのものの価値が以前にも増して高くなってきた。ディジタル信号で符号化された情報は、振幅が連続的に変化するアナログ入力信号を標本化及び量子化して「0」と「1」のディジタル値列に変換することにより得られるものであるため、一般的にノイズに強く、品質を劣化させることなく原情報を忠実に再現することができるという特徴を有する。このようなディジタル信号に基づいて画像、音声等の情報の伝達が行われる状況においては、雑音等により画像、音声等の情報の品質を劣化させることなく、原画像、原音声等を再現することができるが、ディジタル信号で符号化された情報を入手した者は誰でも、原画像、原音声等の品質を劣化させることなくいくらでも不正コピーを作成できるという新たな問題を生じた。
【0003】
この問題を解決するため、情報送信者が送信すべき情報に対して暗号化処理を施す方法がある。この方法によれば、原画像、原音声等の情報を暗号化処理して情報を伝送し、復号化の鍵を有する受信者のみが原画像等を再生することが可能であり、暗号化された情報を第三者が不正コピーしても、復号化する鍵を入手しない限り原情報を再生できないため、原情報の不正コピーをを防止することができる。
【0004】
しかし情報提供者がいかに複雑で頑強な暗号方式によりディジタル情報を暗号化して送信したとしても、復号化鍵を有する受信者により復号された後のディジタル情報が不正コピーされる場合には、原情報の再生を防止することはできない。
【0005】
例えば、図4(a)に示す情報処理端末191の受信者が、 情報提供者により暗号化された記事情報180を入力部192から情報処理端末に入力し、暗号文復号化部193により復号化し、その復号された平文情報を蓄積部194に展開する。この平文情報を出力部195から外部に出力することにより、受信者は復号された平文情報を得ることができる。
【0006】
ここで、この復号化された平文情報を通信回線を通じて第三者に伝送することにより、第三者は平文情報を入手することが可能である。従って、この平文情報がディジタル信号により符号化された情報である場合には、第三者は原情報と比較して品質の劣らない情報を入手することが可能となり、原情報の不正コピーを防止することができないという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上詳述したように、ディジタル信号により符号化された情報は品質を劣化させることなく不正にコピーされるという欠点があり、また暗号化されたディジタル情報を伝送する場合であっても、ディジタル情報が復号化された後には同様の欠点を生ずるという問題があった。
本発明は、情報提供者により配布されたディジタル情報が、劣化することなしに大量のソフトコピーが流通することを防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報処理端末においては、暗号化されたディジタル情報を入力する入力部と、そのディジタル情報を復号化する復号化部と、その復号化された情報を蓄積する蓄積部と、その蓄積された情報をディジタル情報に符号化する符号化部と、その符号化されたディジタル情報を出力する出力部とを具備し、前記暗号化されたディジタル情報に付加された制御情報に応じて、そのディジタル情報を復号化して蓄積された情報の品質を劣化させる劣化情報を生成して、その劣化情報に基づき前記蓄積された情報の品質を劣化させる処理を施す手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また本発明の情報処理端末においては、前記制御情報に応じて、前記暗号化されたディジタル情報を復号化して蓄積された情報の品質を劣化させる処理と品質を劣化させない処理とを切り替える手段を有することを特徴とする。
【0010】
また本発明の情報処理端末においては、前記復号化部は、暗号化されたディジタル情報を復号化する暗号文復号化部と、その暗号文復号化された情報を量子化されたディジタル情報に変換する情報源復号化部とを備えるとともに、前記符号化部は、量子化されたディジタル情報を所定のディジタル情報に変換する情報源符号化部と、その情報源符号化された情報を暗号化する暗号化部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の情報処理端末においては、前記制御情報は、暗号化されたディジタル情報の作成者の情報を含むことを特徴とする。
さらに本発明の情報処理端末においては、前記制御情報は、暗号化されたディジタル情報の品質の劣化の度合い、または性質を規定する情報を含むことを特徴とする。
【0012】
【作用】
本発明の情報処理端末は、暗号化されたディジタル情報を入力する入力部、暗号化されたディジタル情報を復号化する復号化部、復号化されたディジタル情報を蓄積する蓄積部、蓄積されたディジタル情報を出力する出力部に加えて、劣化情報を生成して選択的に元の情報の品質を劣化させる処理を施すことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、暗号化されたディジタル情報を復号化し、そのディジタル情報を情報源復号化された情報を蓄積部に蓄積して出力することにより、原情報の品質を劣化させることなく原情報を再現することができると共に、蓄積部の情報を情報処理端末の外部に出力する際には情報の品質を劣化させる処理を施すため、原情報の品質を維持した複製情報が出力されるのを防ぐことができる。
【0014】
また本発明の情報処理端末によれば、情報提供者は送信するディジタル情報に劣化制御情報を付加しておくことにより、送信したディジタル情報を受信した情報処理端末が、該ディジタル情報を該情報処理端末の外部に出力する際に、該ディジタル情報を劣化させることが可能となる。
【0015】
さらにディジタル情報の種類、性質等に応じて品質を劣化させる度合を制御する情報を元のディジタル情報に付加することにより、その制御情報に基づいて、原情報の品質の劣化の種類、性質、量等を制御することも可能である。この場合には、その制御情報に基づいて品質の劣化の程度を制御して、原情報の複製制御をすることが可能となる。
【0016】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例に係わる情報処理端末の構成を示すブロック図である。本実施例の情報処理端末100は、該情報処理端末100の外部からディジタル著作物を入力するための入力部103と、ディジタル著作物を該情報処理端末100の外部へ出力するための出力部104と、ディジタル著作物を該情報処理端末100のユーザへ出力するためのユーザ出力部105と、該ユーザが該情報処理端末100へディジタル著作物を入力するためのユーザ入力部106と、該ユーザがアクセス可能な蓄積部B107と、該ユーザが変更不可能なカーネル101とを含んで構成されている。
【0017】
カーネル101は、入力部からのディジタル著作物を復号化し、アナログデータを量子化することにより得られる量子化ディジタルデータを出力する復号化部110と、ディジタル著作物を符号化する符号化部120と、暗号文を復号化および平文を暗号化する際に使用する鍵を蓄積する鍵蓄積部130と、該情報処理端末100に入力されたディジタル著作物の一部に記述されている、該ディジタル著作物の劣化の制御に関する劣化制御情報を理解する制御情報理解部131と、該ディジタル著作物を蓄積する、該情報処理端末100のユーザはアクセス不可能な蓄積部A133と、該劣化制御情報に基づいて該ディジタル著作物を劣化させる劣化情報を生成する劣化情報生成部132と、該劣化情報により該量子化ディジタルデータを劣化させる情報劣化部134とを含んで構成されている。
【0018】
復号化部110は暗号化されているディジタル著作物を復号化する暗号文復号化部113と、誤りを制御する誤り制御復号化部112と、受信したディジタル著作物を、アナログデータを量子化することにより得られる量子化ディジタルデータに変換する情報源復号化部111とを含んで構成されている。また、符号化部120は出力するディジタル著作物の冗長度を圧縮する情報源符号化部121と、誤りを制御するための情報を付加する誤り制御符号化部122と、暗号化を行なう暗号化部123とを含んで構成されている。
【0019】
次に、以上のように構成された情報処理端末100が、図3にのブロック図に示すディジタル著作物160を受信した場合の動作について説明する。なお、ディジタル著作物160は、少くとも劣化制御情報161と記事情報162とを含んで構成されており、劣化制御情報161には、少くとも著作者ID165と劣化量166が記述されている。
【0020】
まず、入力部103を経て入力されたディジタル著作物は、復号化部110により、量子化ディジタルデータに変換される。ここで、復号化部110内では、情報源復号化部111と誤り制御復号化部112と暗号文復号化部113との処理の順番は問わない。また、暗号文復号化部113の処理の際には、復号化に用いた鍵を鍵蓄積部130に蓄積しておく。復号化部110から出力された量子化ディジタルデータは、制御情報理解部131において、劣化制御情報161を理解され、該劣化制御情報161は劣化情報生成部132に送られる。ここで、制御情報理解部131は復号化部110内にあっても良い。制御情報理解部131を経た該量子化ディジタルデータは、該情報処理端末100のユーザの著作物が変換されたものであれば蓄積部Bへ、該ユーザ以外の著作物であれば蓄積部Aへ渡される。
【0021】
図2を用いて、ディジタル著作物の出力について説明する。該ユーザが該量子化ディジタルデータを、通信回線を経由しての送信あるいは情報処理端末100の外部の記憶装置へのセーブを行なう命令を、ユーザ入力部106から入力すると、処理ステップ140は該ユーザの著作物であるか否か調べる。これは、劣化制御情報161内に記述されている著作者ID165を参照することにより行なわれる。該ユーザの著作物であれば、処理ステップ141、142、146、147により、該ユーザの指定により暗号化あるいは劣化が施される。さらに、これらの処理を施さずに出力も可能である。処理ステップ142により暗号化する際には、該ユーザはユーザ入力部106より暗号化するために必要な情報を入力し、制御情報理解部は暗号化を行なうために符号化部120及び鍵蓄積部130を制御し、情報源符号化部121により情報源符号化し、誤り制御符号化部122により誤り制御のための情報を付加し、暗号化部123により暗号化を行なう。 ここで、情報源符号化部121と誤り制御符号化部122と暗号化部123との処理の順番は交換可能である。処理ステップ147により劣化させる場合は、該ユーザはユーザ入力部106より劣化させるために必要な情報を入力し、該情報に基づいて劣化情報生成部132により生成された劣化情報を用いて情報劣化部は、該量子化ディジタルデータを劣化させる。該ユーザの意志により、暗号化と劣化のどちらの操作も施さないことも可能である。
【0022】
次に、処理ステップ143により、該ユーザが送信を行なうのかセーブするのか判断し、セーブを行なうのであれば処理ステップ144でセーブを行ない、送信するのであれば処理ステップ148により送信を行なう。
【0023】
処理ステップ140において、他人の著作物であると判断された場合は、処理ステップ150において、該ユーザが該量子化ディジタルデータを送信するのかセーブするのか判断する。セーブする場合は、制御情報理解部131から符号化部120と鍵蓄積部130に、該量子化ディジタルデータを得る際に暗号文復号化部で用いた鍵を用いて暗号化する制御を行なう。これにより、処理ステップ151により暗号化を行ない、処理ステップ152でセーブを行なう。
【0024】
該ユーザが該量子化ディジタルデータを送信する場合は、処理ステップ154にて、該情報処理端末100と同様の機構を具備した情報処理端末に送信するか否か判断する。これは該ユーザがユーザ入力部106より入力し、制御情報理解部131が判断する。処理ステップ154が真の場合には、制御情報理解部131から符号化部120と鍵蓄積部130に、該量子化ディジタルデータを得る際に暗号文復号化部で用いた鍵を用いて暗号化する制御を行なう。これにより処理ステップ155において暗号化を行ない、処理ステップ152において送信を行なう。処理ステップ154が偽の場合には、処理ステップ158において劣化を行なう。これは劣化制御情報161内に記述してある劣化量166に従い、劣化情報生成部132が劣化情報を生成し、この劣化情報により情報劣化部134が該量子化ディジタルデータを劣化させる。劣化された該量子化ディジタルデータは処理ステップ156において送信を行なう。
【0025】
処理ステップ147および158の劣化の処理の一例としては、雑音を付加する処理がある。この場合は劣化情報生成部132は乱数を用いて雑音を発生させ、情報劣化部134では量子化ディジタルデータに該雑音を付加する。別の例としては、量子化ディジタルデータの帯域を狭帯域化する処理がある。この場合は劣化情報生成部132はディジタルフィルタの係数を生成し、情報劣化部134では該係数と量子化ディジタルデータのたたみ込み演算を行なう。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の情報処理端末により、情報提供者が著作したディジタル著作物の劣化しないままの大量のソフトコピーの流通を防ぐことができる。また、情報提供者が配布するディジタル著作物に課金をするシステムを考えた場合、劣化したディジタル著作物を情報提供者と該情報処理端末のユーザ以外の第三者が知ることにより、第三者の劣化していない該ディジタル著作物の購買への意欲を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる情報処理端末の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係わる情報処理端末のディジタル著作物の出力処理の流れ図である。
【図3】ディジタル著作物の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】従来の情報処理端末及び暗号化記事情報の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 情報処理端末
101 カーネル
131 制御情報理解部
132 劣化情報生成部
134 情報劣化部

Claims (4)

  1. 暗号化されたディジタル情報を入力する入力部と、そのディジタル情報を復号化する復号化部と、その復号化された情報を蓄積する蓄積部と、その蓄積された情報をディジタル情報に符号化する符号化部と、その符号化されたディジタル情報を出力する出力部とを具備する情報処理端末において、
    前記暗号化されたディジタル情報に付加された、暗号化されたディジタル情報の品質の劣化の度合いを規定する情報を含む制御情報に応じて、そのディジタル情報を復号化して蓄積された情報の品質を劣化させる劣化情報を生成して、その劣化情報に基づき前記蓄積された情報の品質を劣化させる処理を施す手段を備えたことを特徴とする情報処理端末。
  2. 前記制御情報に応じて、前記暗号化されたディジタル情報を復号化して蓄積された情報の品質を劣化させる処理と品質を劣化させない処理とを切り替える手段を有することを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
  3. 前記復号化部は、暗号化されたディジタル情報を復号化する暗号文復号化部と、その暗号文復号化された情報を量子化されたディジタル情報に変換する情報源復号化部とを備え、
    前記符号化部は、量子化されたディジタル情報を所定のディジタル情報に変換する情報源符号化部と、その情報源符号化された情報を暗号化する暗号化部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
  4. 前記制御情報は、暗号化されたディジタル情報の作成者の情報を含むことを特徴とする請求項1記載の情報処理端末。
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