JP3562679B2 - 車両用盗難防止装置及びその制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用盗難防止装置及びその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、諸外国において、車両の盗難が頻繁に発生するようになった。このため、従来より、この盗難を防止するための盗難防止装置が数多く提案され、車両に搭載されている。
【0003】
本出願人により先に提案された特願平6−181146号(特開平8−40206号)には、キーに固有のIDコードを記憶させ、このキーに搭載する送信機からIDコードを送信して、イモビライザユニット(immobilizer unit)に読み込ませると共に、イモビライザユニットにおいてキーに固有のIDコードを照合させ、照合した結果が不一致の場合、イグニッションスイッチをオンしても、エンジン始動を制御するEGIユニットにおいてエンジン始動できないように構成された車両用盗難防止装置が記載されている。
【0004】
また、本出願人の先の提案である特願平6−297086号(特開平8−150899号)には、イモビライザユニットでトランスポンダから読み込んだ固有のIDコードと、イモビライザユニットに登録されたIDコードとを照合し、両IDコードが一致すると、IDコードと異なる形態のコードワードをEGIユニットに対して出力し、EGIユニットでは、イモビライザユニットから読み込んだコードワードとEGIユニットに記憶したコードワードとを照合し、両コードワードが一致するとイモビライザユニットからEGIユニットにエンジン始動を許可する信号が送信されるように構成された車両用盗難防止装置が記載されている。
【0005】
また、本願出願人により先に提案された特願平6−324471号には、トランスポンダから読み込んだ固有のIDコードとイモビライザユニットに記憶したコードとを照合し、両IDコードが一致した場合にイモビライザユニットからEGIユニットにエンジン始動を許可する信号を送信する車両用盗難防止装置に関して、イモビライザユニットが、一旦エンジン始動を許可した後、再度トランスポンダのIDコードを照合し、その照合結果が不一致の場合、乗員に対してインジケータで報知する技術が記載されている。この技術は、イモビライザユニットのイグニッション電源ラインとバッテリ電源ラインとを直結して常時通電状態とし、イグニッションスイッチをオフしてもロック機能解除状態(エンジン始動許可状態)を保持させる(通常、イグニッションスイッチをオフすると自動的にロック機能設定状態となる)ことにより、第3者が同形状のキーを用いて、エンジン始動できるようになるのを防止するための技術である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように構成される従来技術では、以下のような問題点が挙げられる。即ち、
従来の車両用盗難防止装置では、イモビライザユニットに接続されるイグニッション電源ラインの断線やコネクタの嵌合不良等が発生すると、イモビライザユニット側ではイグニッションスイッチが常時オフ状態となってしまう。このため、イモビライザユニットとEGIユニットの間での通信が不能となってIDコード等の判定機能が損なわれると共に、自動的にロック機能設定状態となることにより、エンジン始動が不可能となってしまう。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、イモビライザユニットに接続されるイグニッション電源ラインの断線やコネクタの嵌合不良等が発生しても、EGIユニット間の通信が不能とならず、IDコード等の判定機能が正常に動作して、正規のIDコードを用いた場合にエンジン始動が可能となる車両用盗難防止装置及びその制御方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明の車両用盗難防止装置は以下の構成を備える。即ち、
送信機を備えるキーに固有の暗号コードを記憶し、該キーから読み込んだ該暗号コードを照合して一致した場合に、エンジン作動を許可するコマンドをエンジン制御部に送信するコード照合部を有し、該エンジン制御部では該コマンドに従ってエンジンを作動させる車両用盗難防止装置において、
前記コード照合部は、所定条件が成立した場合、スリープ状態に移行すると共に、イグニッション電源がオンされると該スリープ状態から復帰するスリープモードを有し、
前記イグニッション電源のオフ状態において、前記コード照合部と前記エンジン制御部とを接続する通信ラインが通信可能となると、前記コード照合部を前記スリープ状態から復帰させる。
【0009】
また、本発明の車両用盗難防止装置の制御方法は、以下の特徴を備える。即ち、送信機を備えるキーに固有の暗号コードを記憶し、該キーから読み込んだ該暗号コードを照合して一致した場合に、エンジン作動を許可するコマンドをエンジン制御部に送信するコード照合部を有し、該エンジン制御部では該コマンドに従ってエンジンを作動させる車両用盗難防止装置の制御方法であって、
前記コード照合部は、所定条件が成立した場合、スリープ状態に移行すると共に、イグニッション電源がオンされると該スリープ状態から復帰するスリープモードを有し、
前記イグニッション電源のオフ状態において、前記コード照合部と前記エンジン制御部とを接続する通信ラインが通信可能となると、前記コード照合部を前記スリープ状態から復帰させる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態につき、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【システム全体の構成】
先ず、図1、図2を参照して、本実施形態の車両用盗難防止装置のシステム全体のハードウェア構成について説明する。
【0011】
図1は、本発明に基づく実施形態の車両用盗難防止装置全体を示す模式図である。図2は、本発明に基づく実施形態の車両用盗難防止装置のシステムブロック図である。
【0012】
図1、図2に示すように、本発明に基づく実施の一形態を示す車両用盗難防止装置は、トランスポンダ1と、トランスポンダ1からの信号を受信するコイルアンテナ2と、コイルアンテナ2により取り込まれた信号を増幅するアンプ3と、アンプ3からの信号により制御されるイモビライザユニット4と、エンジン制御を司るEGIユニット9とを備えるシステムである。具体的に説明すると、トランスポンダ1は、自動車のイグニッションスイッチ(以下、IGスイッチと略称)のオン、オフを運転者側において行うイグニッションキー(以下、IGキーと略称)に内蔵されている。また、コイルアンテナ2は、イグニッションスイッチのオン、オフに連動して作動するイグニッションコイルアンテナである。アンプ3は、このコイルアンテナ2が作動し、電圧が付与されるときに、高電圧を得るために電圧を一定値に増幅させる。
【0013】
イモビライザユニット(immobilizer unit、以下IMユニットと略称)4は、最近ヨーロッパで車両の盗難防止用に開発され、エンジン制御を司るEGIユニット9によるエンジン始動を禁止するコントローラであり、車両の降車時等にIGスイッチをオフすること、或いはトランスポンダ1から読み込んだIDデータの照合結果によって、自動的にエンジン始動を禁止するロック機能がセットされる。
【0014】
IMユニット4は、バッテリ電源(+B)14及びIGスイッチ電源(IG)15に接続され、IGスイッチのオン、オフ操作に連動してオン、オフされる。また、IMユニット4は、アンプ3で増幅される電圧値に基づいて、トランスポンダ1からIDデータを読み込み、所定の制御コマンドをEGIユニット9に送信する。更に、IMユニット4は、バッテリ電源14に接続されているので、例えば、エンジンを停止するためにIGスイッチをオフしてもバッテリ電源14から電力を供給され、スタンバイ状態を保持している。また、IMユニット4は、LED等のインジケータ16に接続され、トランスポンダ1から読み込んだIDデータの照合結果に基づいて点灯、点滅、消灯を制御する。インジケータ16は、車内において、インストルメントパネル等の乗員に認識可能な位置に設けられる。
【0015】
IMユニット4の回路構成は、予め制御プログラム等やIDデータを格納しているEEPROM5、トランスポンダ1やEGIユニット9とのIDデータ等の授受において一時的にデータを格納するRAM6、これらメモリに格納されているIDデータ等を授受のタイミングを計時するタイマ7、タイマ7からの計時データに基づいてトランスポンダ1やEGIユニット9とのデータの授受を制御するCPU8とから構成される。
【0016】
EGIユニット9は、エンジンの回転数や燃料噴射量等を制御するコントローラである。また、EGIユニット9は、IMユニット4の回路構成と同様に、予めエンジン制御プログラムやIDデータを格納しているEEPROM10、IMユニット4とのIDデータ等の授受において一時的にデータを格納するRAM11、これらメモリに格納されているデータの授受のタイミングを計時するタイマ12、タイマ12からの計時データに基づいてIMユニット4とのデータの授受を制御するCPU13とから構成される。
【0017】
EGIユニット9は、IMユニット4から所定の制御コマンドを受信し、▲1▼後述するコマンドunlockを受信した場合、通常のエンジン制御を実行し、▲2▼後述するコマンドlockを受信した場合、インジェクタによる燃料噴射を停止する。また、EGIユニット9は、IMユニット4の場合とは異なり、IGスイッチ15のオン、オフに連動して動作するので、例えば、エンジンを停止して、イグニッションスイッチをオフすると電源は切れることになる。
【0018】
次に、図3を参照して、トランスポンダ1、IMユニット4、EGIユニット9との間での各種データの授受形態について説明する。図3は、トランスポンダ1、IMユニット4、EGIユニット9との間での各種データの授受形態を説明する図である。
【0019】
図3において、IMユニット4は、トランスポンダ1からIGキー毎に付与された固有のIDコードの読み込みを行い、IMユニット4からEGIユニット9へは、所定の制御コマンドと、IDコードと、コードワード(以下、CWと略称する)と呼ばれるIDコードとは異なる形態のパスワードの送信を行う。IMユニット4のEEPROM5と、EGIユニット9のEEPROM10には、最大8個(ID1〜ID8)のIDコードが登録できる。IMユニット4は、IDコードをEGIユニット9に送信する場合、IMユニット4に登録されたIDコードのアドレスと同一アドレスを指定する。EGIユニット9にIDコードを登録する場合は、EGIユニット9はIMユニット4から指定されたアドレスにIDコードを登録する。また、CWはIMユニット4とEGIユニット9に各1個登録され、各ユニットの夫々のEEPROM5、10に同一のCWが登録されている。
【コマンドについて】
ここで、IMユニットからEGIユニットへ送信される制御コマンド、或いはEGIユニットからIMユニットへ送信される制御コマンドについて説明する。
[IMユニットからEGIユニットへ送信される制御コマンド]
lock:EGIユニットにエンジン作動を禁止するコマンドである。
unlock:EGIユニットにエンジン作動を許可するコマンドである。
ADX(AD1〜AD8):EGIユニットをコード追加モードやIMユニット&EGIユニット交換モードに移行させるコマンドであり、コマンドAD1〜AD8で指定したEGIユニットのEEPROMのアドレスにIDコードを登録させる。
IE:IMユニットにIDコードが未登録である場合に、EGIユニットをIMユニット交換モードに移行させるコマンドである。
RG:IMユニットにIDコードが未登録であり、EGIユニットから後述するコマンドSRを受信した場合、EGIユニットをIMユニット&EGIユニット交換モードに移行させるコマンドである。
[EGIユニットからIMユニットユニットへ送信される制御コマンド]
req:IMユニットに対してコマンド、CW、IDコード等の送信を要求するコマンドである。
SR:IMユニットに対してコマンド、CW、IDコード等の送信を要求し、或いはEGIユニットのEEPROMにIDコードが未登録の場合にIMユニットをIMユニット&EGIユニット交換モードに移行させるコマンドである。
confirm lock:IMユニットから受信したコマンドlockに対して、ロックしたことを確認する返答コマンドである。
confirm unlock:IMユニットから受信したコマンドunlockに対して、アンロックしたことを確認する返答コマンドである。
replaced CW:IMユニット交換モードにおいて、EGIユニットにCWを新規又は変更登録したことを確認する返答コマンドである。
ID stored:コマンドADXやコマンドIEに対して、EGIユニットにCW、IDコードを新規又は上書き登録したことを確認する返答コマンドである。
[コマンドreq,SRの通信条件]
EGIユニットが、IMユニット4に対してコマンドreq又はSRを再送信できる最大送信回数は5回までとし、6回目のコマンドreq又はSRを送信する必要が生じた場合、故障コードX1をセットして、エンジンを停止し現在のモードを終了する。尚、故障コードX7がセットされている場合、最大送信回数を解除する。 <コマンドreqの通信条件>
ここで、EGIユニットがIMユニットに対してコマンドreqを送信する条件、或いは停止する条件について説明する。
【0020】
▲1▼通信開始条件
EGIユニットがIMユニットに対してコマンドreqを送信する条件は、通信カウンタNの値がゼロでない時では、エンジン回転数が500rpm以上で、且つIGスイッチオン後、500ミリ秒経過した時、通信カウンタNの値がゼロの時では、IGスイッチオン後、1000ミリ秒経過した時に通信開始条件が成立する。
【0021】
▲2▼通信停止条件
通信カウンタNの値がゼロでない時に、エンジン回転数が312.5rpm以下の時に通信停止条件が成立する。尚、EGIユニットの最低保証電圧6Vを下回ると通信を停止する。
<コマンドSRの通信条件>
▲1▼通信開始条件
IGスイッチオン後、1000ミリ秒経過した時に通信開始条件が成立する。
【0022】
▲2▼通信停止条件は特に設けていない。尚、EGIユニットの最低保証電圧6Vを下回ると通信を停止する。
【システム全体の動作】
次に、本実施形態の車両用盗難防止装置のシステム全体の動作の概略について説明する。図4は、本実施形態の車両用盗難防止装置のシステム全体の動作を示すフローチャートである。
【0023】
図4において、IMユニット4及びEGIユニット9は、乗員によりイグニッションスイッチがオンされることにより、後述する各モードの制御を開始する(ステップS2)。IMユニット4及びEGIユニット9は、乗員のIGキーを用いた所定の操作に基づいて、通常動作モード(ステップS6)、コード追加モード(ステップS8)、IMユニット交換モード(ステップS10)、EGIユニット交換モード(ステップS12)、IMユニット&EGIユニット交換モード(ステップS14)の中のいずれかの制御モードに移行する(ステップS4)。
【システム全体の共通動作】
以下に、IMユニット4の動作とEGIユニット9の上記各制御モードにおける詳細な動作を動作について説明する。
[IMユニット全体の共通動作]
先ず、図2、図5を参照して、IMユニット全体に共通する動作について説明する。図5は、IMユニットの各制御モードに共通する動作を示すフローチャートである。
【0024】
この共通動作では、IMユニット4は、IGキーによりIGスイッチ15がオンされた後、そのEEPROM5にIDコードが登録されているか否か、イグニッションスイッチのオン、オフによる所定操作、更にはIDコードの照合結果に基づいて上記いずれかの制御モードに移行する。
【0025】
図2、図5に示すように、ステップS20にて、IGキーをキー穴に差し込み、IGスイッチ15をオンさせると(ステップS20でYes)、ステップS22では、IMユニット4のEEPROM5にIDコードが登録されているか否かを判断する。このステップS22でEEPROM5に1個以上のIDコードが登録されている場合(ステップS22でYes)、ステップS24に進む。ステップS24では、IGキーにより、IGスイッチ15のオン/オフ操作が5回連続して行われたか否かを判断する。ステップS24で、IGスイッチ15が5回連続して操作された場合(ステップS24でYes)、ステップS26に進む。即ち、ステップS24でIGスイッチ15のオン/オフ操作が行われるか否かにより、後述する通常動作モード、或いは2キーエントリモードやCWエントリモードに移行することになる。
【0026】
尚、ステップS24のIGスイッチ15のオン/オフ操作(オン/オフ操作の時間間隔t1は、例えば、300〜2000ミリ秒に設定される)では、図9に示すように、IGスイッチ15がオン/オフ操作されている間、インジケータ16は点灯せず、IGスイッチ15のオン/オフ操作の後、所定時間t2(例えば、30秒)以内にIGスイッチ15がオン操作されると、後述する2キーエントリモード、CWエントリモードに移行してインジケータ16を点灯又は点滅させる。
【0027】
ステップS26では、IMユニット4は、IGスイッチ15をオンしたIGキーのトランスポンダ(以下、TPと略称)からIDコードを読み込む。ステップS28では、TPから読み込んだIDコードとEEPROM5に登録されたIDコードとを照合する。ここで、IDコードを照合する場合、1回でもEEPROMのIDコードと一致すればIDコードは正しいと判断し、一致しない場合には最大3回までTPからIDコードを読み込んで照合する(以下でも同様)。ステップS30にて、両IDコードが一致した場合(ステップS30でYes)、後述する2キーエントリモード(ステップS200)に移行する処理を実行する。また、両IDコードが一致しない場合(ステップS30でNo)、後述するCWエントリモード(ステップS300)に移行する処理を実行する。
【0028】
また、ステップS30において、トランスポンダ1からIDコードが読み込めない場合には、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0029】
ステップS200で2キーエントリモードに移行し、或いはステップS300でCWエントリモードに移行した場合には、ステップS32に進む。ステップS32にて、IGスイッチ15がオフされるのを待ち、次のステップS34でIGスイッチ15が再度オンされるのを待つ。ステップS34でIGスイッチ15がオンされると、後述するコード追加モード(ステップS400)に移行する。
【0030】
前述のステップS22において、IMユニット4のEEPROM5にIDコードが全く登録されていない場合、ステップS36に進んで、IMユニット4は、EGIユニット9からの制御コマンドを待つ。ステップS36で、IMユニット4は、EGIユニット9からリクエストコマンドreq(IMユニット4に対する通常のコマンド送信要求、以下コマンドreqと略称)を受信した場合、後述するIMユニット交換モード(ステップS500)に移行する。また、ステップS36で、IMユニット4は、EGIユニット9からスペシャルリクエストコマンドSR(IMユニット4に対する特別のコマンド送信要求、以下コマンドSRと略称)を受信した場合、後述するIMユニット&EGIユニット交換モード(ステップS600)に移行する。一方、ステップS36で、制御コマンドを受信しない状態(ステップS36でNo)が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS38にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。尚、コマンドSRの機能については、後述するIMユニット&EGIユニット交換モードにおいて説明する。
【0031】
前述のステップS24にて、IGスイッチが操作されない場合(ステップS24でNo)、ステップS40に進む。ステップS40では、IMユニット4は、EGIユニット9からの制御コマンドを待つ。ステップS40で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドreq又はコマンドSRを受信した場合、後述する通常動作モード(ステップS120)に移行する。一方、ステップS40で、制御コマンドを受信しない状態(ステップS40でNo)が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS42にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。また、IMユニット4は、通常動作モードの終了後、所定状態が3秒を越えると後述するスリープモードに移行する(ステップS44)。
[EGIユニット全体の共通動作]
次に、図2、図6〜図8を参照して、EGIユニット全体に共通する動作について説明する。図6〜図8は、EGIユニットの各制御モードに共通する動作を示すフローチャートである。
【0032】
EGIユニット全体の共通動作は、図5に示すIMユニット全体の共通動作に対応している。EGIユニット9は、IGキーによりIGスイッチ15がオンされた後、そのEEPROM10にIDコードが登録されているか否か、レジスタフラグRG(後述する)がセットされているか否か、車両走行中か否かを判断し、IMユニット4から受信した制御コマンドに基づいて上記いずれかの制御モードに移行する。
【0033】
図2、図6〜図8に示すように、ステップS50にて、IGキーをキー穴に差し込み、IGスイッチ15がオンさせると(ステップS50でYes)、ステップS52では、EGIユニット9のEEPROM10にIDコードが登録されているか否かを判断する。ステップS52で、EGIユニット9のEEPROM10にIDコードが登録されている場合(ステップS52でYes)、ステップS54に進み、IDコードが登録されていない場合(ステップS52でNo)、図7で後述するステップS88に進む。ステップS54では、EGIユニット9が、後述するIMユニット&EGIユニット交換モードに移行することを表わすRGフラグがセットされているか否かを判断する。RGフラグは、アッセンブリ前の新品時にはリセット状態であり、アッセンブリ後にEGIユニット9のEEPROM10にセット可能となる。ステップS54で、RGフラグがセットされていない場合(ステップS54でNo)、ステップS56に進む。即ち、ステップS54でRGフラグがセットされているか否かにより、後述するIMユニット&EGIユニット交換モード、或いは通常動作モード、IMユニット交換モード、コード追加モードに移行することになる。一方、ステップS54で、RGフラグがセットされている場合(ステップS54でYes)、ステップS80に進む。
【0034】
ステップS56では、車両が走行中か否かを判断する。ステップS56で車両が走行中の場合(ステップS56でYes)、図8で後述するステップS100に進み、走行中でない場合(ステップS56でNo)、ステップS58に進む。
【0035】
ステップS58では、通信カウンタNの値を判断する。この通信カウンタNは、IGスイッチ15がオンされた後、IMユニット4に対するコマンドreq又はSRの送信回数を表す。ステップS58で通信カウンタNが1〜6の場合、ステップS60に進み、エンジンをスタートさせてステップS66に進む。一方、ステップS58で通信カウンタNが1〜6以外の場合、ステップS62に進み、通信カウンタNの値をリセット(N→0)すると共に、ステップS64でエンジンをストップさせてステップS66に進む。
【0036】
ステップS66では、IMユニットユニット4に対してコマンドreqを送信する。ステップS68では、EGIユニット9は、IMユニット4から返答される制御コマンドを待つ。ステップS68で、EGIユニット9は、IMユニット4からアンロックコマンドunlock(エンジン作動を許可するコマンド)とCW、又はロックコマンドlock(エンジン作動を禁止するコマンド)を受信した場合、後述する通常動作モード(ステップS1100)に移行する。また、ステップS68で、EGIユニット9は、IMユニット4から追加登録コマンドADX(EGIユニットにIDコードを追加登録するコマンド)とCWとIDコードを受信した場合、後述するコード追加モード(ステップS1400)に移行する。また、ステップS68で、EGIユニット9は、IMユニット4からID未登録コマンドIE(IMユニットにIDコードが全く登録されていないことを表わすコマンド)とCWとIDコードを受信した場合、後述するIMユニット交換モード(ステップS1500)に移行する。一方、ステップS68で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0037】
その後、ステップS70では、通信カウンタNの値を判断する。ステップS70で通信カウンタNの値が1〜6の場合、ステップS72に進み、通信カウンタNがゼロの故障を表わす故障コードX7をクリアして、ステップS74でIGスイッチ15がオフされるのを待つ。ステップS74でIGスイッチ15がオフされると、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。一方、ステップS70で通信カウンタNの値がゼロの場合、ステップS76に進み、通信カウンタNがゼロの故障を表わす故障コードX7をセットして、ステップS78に進み、IDコード及び/又はCWの書き込み或いは読み込みの失敗を表わす故障コードX4がセット済みであるか否かを判断する。ステップS78において、故障コードX4がセット済みである場合(ステップS78でYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。一方、ステップS78において、故障コードX4がセットされていない場合(ステップS78でNo)、前述したステップS66にリターンして、ステップS66から処理を実行する。
【0038】
上述のステップS54において、RGフラグがセットされている場合(ステップS54でYes)、ステップS80に進み、エンジンをストップする。その後、ステップS82では、IMユニットユニット4に対してコマンドSRを送信する。ステップS84では、EGIユニット9は、IMユニット4から返答される制御コマンドを待つ。ステップS84で、EGIユニット9は、IMユニット4からアンロックコマンドunlockとCW、又はロックコマンドlockを受信した場合、後述する通常動作モード(ステップS1100)に移行する。また、ステップS68で、EGIユニット9は、IMユニット4から追加登録コマンドADXとCWとIDコードとレジスタコマンドRG(IMユニット&EGIユニット交換モードに移行するコマンド)を受信した場合、後述するIMユニット&EGIユニット交換モード(ステップS1600)に移行する。一方、ステップS84で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS86にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0039】
[図7に示す処理]
図6で説明した処理において、ステップS52で、EGIユニット9のEEPROM10にIDコードが登録されていない場合(ステップS52でNo)、図7に示すステップS88に進む。ステップS88では、EGIユニット9のEEPROM10にIDコードが未登録であることを表わす故障コードX5をセットする。ステップS90では、EGIユニット9のEEPROM10にCWが登録済みであるか否かを判断する。ステップS90でCWが登録済みである場合(ステップS90でYes)、ステップS92に進んでエンジンをストップする。一方、ステップS90でCWが登録済みでない場合(ステップS90でNo)、EEPROM10にCWが未登録であることを表わす故障コードX6をセットしてステップS92に進む。その後、ステップS94では、通信カウンタNの値を6にセットして、ステップS96では、IMユニット4に対してコマンドSRを送信する。ステップS98では、EGIユニット9は、IMユニット4から返答される制御コマンドを待つ。ステップS98で、EGIユニット9は、IMユニット4からアンロックコマンドunlockとCWを受信した場合、後述するEGIユニット交換モード(ステップS1700)に移行する。また、ステップS98で、EGIユニット9は、IMユニット4から追加登録コマンドADXとCWとIDコードとレジスタコマンドRGを受信した場合、後述するIMユニット&EGIユニット交換モード(ステップS1600)に移行する。また、ステップS98で、EGIユニット9は、IMユニット4から追加登録コマンドADXとCWとIDコードを受信した場合、後述するコード追加モード(ステップS1400)に移行する。一方、ステップS98で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0040】
[図8に示す処理]
図6で説明した処理において、ステップS56で車両が走行中でない場合(ステップS56でNo)、図8に示すステップS100に進む。ステップS100では、IGスイッチ15のオン後にエンジンを継続作動させる。ステップS102では、EGIユニットにエンジンの再始動が不可能となる故障が検出されたか否かを判断する。ステップS102にて故障が検出された場合(ステップS102でYes)、ステップS104に進んで、常時エンジン始動が可能となるフラグFをセットする(F→1)。このステップS104では、フラグFをセットすることによって、再度IGスイッチ15をオンした時に、IMユニット4から送信されるCWの照合処理をキャンセルさせる。その後、ステップS106にて、EGIユニット9からIMユニット4に故障発生を知らせると共に、IMユニット4を介して乗員に故障検出を報知するためにインジケータ16を点灯或いは点滅する。
【0041】
[走行中であるか否かの判断処理]
図6のステップS56における判断手順は、図13に示すフローチャートに示されている。図13に示すように、ステップS110でエンジン回転数が1000rpm以上の場合(ステップS110でYes)、ステップS112でスタータモータの駆動信号が入力されていない場合(ステップS112でYes)、ステップS114で速度センサVSP値が30km以上の場合(ステップS114でYes)、ステップS116で前回処理においてCWが一致している場合(ステップS116でYes)に走行中と判断され、それ以外の場合(ステップS110〜S116でNo)には走行中でないと判断される。
【0042】
[故障コードについて]
図18は、EGIユニット9に関する故障モードと故障コードとの関係を示す図である。図18に示すように、IMユニット4とEGIユニット9の間の通信ラインの故障(故障コードX1)は、通信ラインの断線等により、所定時間内にIMユニットから制御コマンドの返答が無い場合、IMユニット4から受信したIDコード/CWが不一致である場合、コマンドreqの送信回数がオーバした場合、即ち、EGIユニットがコマンドreqを送信した後、▲1▼IMユニットから返答が無い場合、或いは▲2▼コマンドlockが返答された場合に、通信カウンタNの値が初期値の”6”から”1”ずつ減じられ、(N=N−1)そして、最終的に”0”になったときに発生する。CW不一致の故障(故障コードX2)は、ノイズ等によりEEPROM10に登録したCWとIMユニット4から受信したCWが不一致となる場合に発生する。IDコード不一致の故障(故障コードX3)は、通信異常やEEPROM故障等によりEEPROM10に登録したIDコードとIMユニット4から受信したIDコードが不一致となる場合に発生する。CW/IDコードの書き込み/読み込み失敗の故障(故障コードX4)は、回路故障等によりEEPROM10にCW/IDコードを書き込み/読み込みできない場合に発生し、正常に書き込めるまで3回行ない、3回試みても書き込めない場合に登録失敗と判断する。ID未登録の故障(故障コードX5)及びCW未登録の故障(故障コードX6)は、何らかの理由で登録したIDコードやCWが消去された場合に発生する。通信カウンタNがゼロの故障(故障コードX7)は、EGIユニットがコマンドreqを送信した後、▲1▼IMユニットから返答が無い場合、或いは▲2▼コマンドlockが返答された場合に、通信カウンタNの値が初期値の”6”から”1”ずつ減じられる(N=N−1)。そして、最終的に”0”になったときに故障コードX7がセットされる。
【システムの通常動作モード】
次に、IMユニット4の動作とEGIユニット9の通常動作モードにおける詳細な動作を動作について説明する。
[IMユニットの通常動作モード]
先ず、IMユニット4の通常動作モード(EGIユニット交換モード含む)について説明する。図14は、IMユニットの通常動作モードを示すフローチャートである。
【0043】
この通常動作モードでは、IMユニット4は、TP1からIDコードを読み込み、IMユニット4のEEPROM5に登録されているIDコードとTP1から読み込んだIDコードとをCPU8において照合する。IMユニット4は、IDコードの照合結果が一致していればEGIユニット9にコマンドunlock(エンジン作動を許可するコマンド)と、CWを送信する。また、IDコードの照合結果が不一致の場合は、コマンドlock(エンジン作動を禁止するコマンド)を送信する。EGIユニット9は、いずれかのコマンドを受けてエンジン作動させ、又は停止させる。EGIユニット9は、IMユニット4からのCWをRAM11内に格納し、IMユニット4からのCWとEGIユニット9内のEEPROM10に登録されたCWとを照合し、一致していればエンジンを継続して運転し、一致していなければエンジンを停止させる。
【0044】
図14において、処理が開始され、ステップS122では、IGスイッチ15がオンされた後、一度IGキーから読み込んだIDコードが正規IDコードであることを確認したか否かを判断する。ステップS122にて、正規IDコードであることを確認済みの場合(ステップS122でYes)、後述するステップS138に進む。尚、この通常動作モードでは、IGスイッチのオン後に、正規IDコードであることを確認済みの場合(ステップS122でYes)には、再度IDコードの照合は行わない。また、何らかの原因でEGIユニットからコマンドreqが送信された場合には、EGIユニット9に対してIGスイッチ15がオフされるまでコマンドunlockとCWを送信する。
【0045】
ステップS122において、正規IDコードであることを確認済みでない場合(ステップS122でNo)、ステップS124に進み、TP1からIDコードを読み込む。ステップS126では、インジケータ16をオンして点灯させる。ここで、乗員は、インジケータ16の点灯中、IMユニット4がIDコードの照合処理を実行していることが認識できる。
【0046】
ステップS128では、IMユニット4に登録されたIDコードとTP1から読み込んだIDコードとが一致するか否かを判断する。ステップS130で、一致する場合(ステップS128でYes)、ステップS152に進み、EGIユニット9に対してコマンドunlockとCWを送信する。ステップS134では、IMユニット4は、EGIユニット9からの制御コマンドを待つ。ステップS134で、IMユニット4がEGIユニット9からコマンドreq又はコマンドSRを受信した場合、ステップS132にリターンして、再度EGIユニット9に対してコマンドunlockとCWを送信する。一方、ステップS134で、IMユニット4がEGIユニット9からアンロック確認コマンドconfirm unlockを受信した場合、ステップS136に進んで、インジケータをオフして消灯する。また、ステップS134で、制御コマンドを受信しない状態(ステップS134でNo)が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS152にてYes)、通常動作モードを終了し、共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。ここで、乗員は、インジケータ16の消灯により、IMユニット4でのIDコードの照合処理が終了して、IDコードが一致したことを認識できる。
【0047】
前述のステップS130において、IMユニット4に登録されたIDコードとTP1から読み込んだIDコードとが一致しない場合(ステップS128でNo)、ステップS148に進み、EGIユニット9に対してコマンドlockを送信する。ステップS150では、IMユニット4は、EGIユニット9からの制御コマンドを待つ。ステップS150で、IMユニット4がEGIユニット9からコマンドreq又はSRを受信した場合、ステップS124にリターンして、再度TP1のIDコードを読み込んでIDコードの照合処理を実行する。一方、ステップS152で、IMユニット4がEGIユニット9からロック確認コマンドconfirm lockを受信した場合、ステップS154に進んで、インジケータ16を点滅する。尚、インジケータの点滅方法によって故障の種類が判別できるようにしても良い。また、ステップS150で、制御コマンドを受信しない状態(ステップS150でNo)が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS152にてYes)、通常動作モードを終了し、共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。ここで、乗員は、インジケータ16の点滅により、IMユニット4でのIDコードの照合処理が終了して、IDコードが不一致であることを認識でき、更に泥棒に対する警報となる。また、インジケータ16の点滅と合わせて音を発すれば更に警報及び防犯効果は増大する。
[EGIユニットの通常動作モード]
次に、EGIユニット9の通常動作モードについて説明する。図15は、EGIユニットの通常動作モードを示すフローチャートである。
【0048】
この通常動作モードでは、EGIユニット9は、IMユニット4から受信したCWとEGIユニット9のEEPROM10に登録されているCWとをCPU13において照合する。EGIユニット9は、CWの照合結果が一致していればエンジンスタートを許可し、IMユニット4にコマンドconfirm unlockを送信する。また、CWの照合結果が不一致の場合は、エンジンを停止させる。
【0049】
図14において、処理が開始され、ステップS1102では、IMユニット4から受信した制御コマンドを判断し、コマンドunlockとCWを受信した場合、ステップS1104に進み、コマンドlockを受信した場合、後述するステップS1118に進む。
【0050】
ステップS1104では、IMユニット4から受信したCWとEEPROM10に登録されたCWとを照合する。ステップS1106で両CWが一致した場合(ステップS1106でYes)、ステップS1108に進み、不一致の場合(ステップS1106でNo)、後述するステップS1126に進む。
【0051】
ステップS1108では、IMユニット4に対して制御コマンドconfirm lockを送信し、ステップS1110でエンジンを始動させる。その後、ステップS1112では、故障コードX2,X3をクリアして、ステップS1114で通信カウンタNを6にセットして、ステップS1116でRGフラグをリセットする。
【0052】
ステップS1102で、IMユニット4からコマンドlockを受信した場合、ステップS1118に進む。ステップS1118では、コマンドlockを受信した2回連続して受信したか判断し、2回連続して受信した場合(ステップS1118でYes)、ステップS1119に進む。ステップS1119では、通信カウンタNの値を判断する。ステップS1119で通信カウンタNの値が1〜6の場合、ステップS1120に進み、通信カウンタNの値がゼロの場合、通常動作モードを終了して、図6に示すステップS50から処理を開始する。ステップS1118で、コマンドlockを受信した2回連続して受信していない場合(ステップS1118でNo)、ステップS1123で再度コマンドreq又はSRを送信し直して、ステップS84、S1102、S1118までの処理を繰り返す。
【0053】
ステップS1120では、IMユニット4に対してコマンドconfirm lockを送信し、ステップS1121でエンジンを停止し、ステップS1122で通信カウンタNの値を1つ減じる。その後、通常動作モードを終了して、図6に示すステップS50から処理を開始する。
【0054】
また、ステップS1106で、IMユニット4から受信したCWとEEPROM10に登録されたCWが不一致の場合(ステップS1106でNo)、ステップS1126に進む。ステップS1126では、CWが2回不一致となったか判断し、2回不一致となっていない場合(ステップS1126でNo)、ステップS1128で再度コマンドreq又はSRを送信し直して、ステップS84、S1102〜S1126までの処理を繰り返す。また、ステップS1126でCWが2回不一致となった場合(ステップS1126でYes)、ステップS1130で故障コードX2をセットして、ステップS1132でエンジンを停止させ、ステップS1134で通信カウンタNの値を1つ減じる。その後、通常動作モードを終了して、図6に示すステップS50から処理を開始する。
【0055】
図16は、通常動作モードにおけるIGスイッチ15の操作、及びIMユニット4、EGIユニット9の動作を示すタイミングチャートである。
【0056】
図16において、IGスイッチがオンされた後、IMユニット4が立上り、EGIユニット9からリクエストコマンドreq、或いはスペシャルリクエストコマンドSRを受信すると、IMユニット4はTP1のIDコードを読み込んで、EEPROM5に登録されたIDコードと照合する。そして、照合結果が一致した場合は、アンロックコマンドunlockとデータ(CW)を送信し、不一致の場合は、ロックコマンドlockのみを送信する。
【0057】
一方、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドunlockとCW、又はコマンドlockのみを受信すると、アンロック確認コマンドconfirm unlock、又はロック確認コマンドconfirm lockをIMユニット4に対して送信する。
【故障検出モード】
[IMユニットの故障検出]
次に、IMユニット4の故障検出モードについて説明する。IMユニット4は、図14で説明したフローチャートのステップS122で、正規IDコードを確認した後、エンジン作動中に、何らかのトラブルによりエンジンの再始動が不可となる故障を検出した場合には、IGスイッチ15をオフしてもエンジンを停止させないか、或いはIDコードの照合処理をキャンセルしてエンジンが始動できるようになっている。また、何らかの故障が発生したことを乗員に対してインジケータ16を用いて報知する。
【0058】
また、IMユニット4は、EGIユニット9にコマンドunlockを送信後、1分間隔で周期的に故障検出処理を実行し、同じ故障が所定回数(例えば、64回)検出されると、インジケータ16を点滅させ故障が発生したことを乗員に報知する。る。また、EGIユニット9にコマンドunlockを送信していない場合は、同じ故障が連続して所定回数(例えば、5回)検出されると、インジケータ16を点滅させ故障が発生したことを乗員に報知する。
【0059】
このように、車両の走行中に周期的に故障診断することにより、故障発生時に早急に乗員に報知でき、車両(エンジン)を停止させる前に修理工場等に持ち込んで修理可能となる。
【0060】
また、同じ故障を所定回数だけ検出させることで、車両が極悪な環境で電波障害等の影響により、故障の誤検出を無くすことができ、無意味なインジケータの点灯、点滅を防止できる。
【0061】
図17は、IMユニット4が検出するTP、コイルアンテナ、IMユニットの各故障モードを示す図である。図18に示すように、IMユニット4は、TP1に関する故障として、TP1が未登録のIDコードを有する場合やTP1の破壊、コイルアンテナの故障(コイルアンテナ2とIMユニット4間のハーネス断線を含む)、IMユニットに関する故障として、EEPROM5の不具合、IMユニット4とバッテリ電源14又はIG電源15間の断線(バッテリ未接続)、IMユニット4とEGIユニット9間の通信ラインの故障等を検出する。
【0062】
また、IMユニット4は、正規IDコードを確認した後、エンジン作動中であることを条件として、故障を検出した場合のみIGスイッチ15をオフしてもエンジンを停止させないか、或いはIDコードの照合処理をキャンセルしてエンジンが始動できるようになっている。この理由は、エンジン停止中に同様の故障検出を行なったならば、例えば、泥棒がTP1やコイルアンテナを破壊してしまえば簡単にエンジンを始動できてしまうからである。
【0063】
図14を参照して、故障検出モードの具体的な動作について説明する。故障検出モードの具体的な動作は、図14のステップS138〜ステップS146に示されている。
【0064】
図14において、ステップS122にて、正規IDコードであることを確認済みの場合(ステップS122でYes)、ステップS138に進む。ステップS138では、上述のシステムに関する故障が検出されたか否かを判断する。ステップS138にて故障が検出された場合(ステップS138でYes)、ステップS140に進んで、常時エンジン始動が可能となるフラグFをセットする(F→1)。ステップS140では、フラグFをセットすることによって、再度IGスイッチ15をオンした時に、IDコードの照合処理をキャンセルさせる。その後、ステップS142にて乗員に故障検出を報知するためにインジケータ16を点灯或いは点滅する。尚、ステップS142では、検出された故障の種類或いは度合によってインジケータ16の表示方法を変化させると、修理時等にどのような故障か判別できるため特に便利である。一方、ステップS138にて故障が検出されない場合(ステップS138でNo)、ステップS144に進んで、フラグFがセットされているか否かを判断し、フラグFがセットされていない場合(ステップS144でNo)、ステップS146に進む。また、ステップS144でフラグFがセットされている場合(ステップS144でYes)、ステップS146に進んでフラグFを解除して(F→0)、ステップS136に進む。
【0065】
また、IGスイッチ15をオフしてもエンジンを停止させない例では、上述のステップS120において、EGIユニット9に対してエンジンを停止させない特別なコマンドを送信すればよい。
【0066】
以上のように、IMユニット4は、正規IDコードを確認した後、エンジン作動中であることを条件として、故障を検出した場合のみIGスイッチ15をオフしてもエンジンを停止させないか、或いはIDコードの照合処理をキャンセルしてエンジンが始動できるようになっているので、IMユニット4にエンジンの再始動が不可能となるような故障が発生した場合に、IGスイッチをオフしても、エンジンの再始動が可能となり、修理のために車両を移動させることができる。
【0067】
また、IMユニット4の電源ライン等の断線による故障を検出して報知することにより、システム全体の利便性が向上できる。
[EGIユニットの故障検出]
次に、EGIユニット9の故障検出モードについて説明する。EGIユニット9は、図6で説明したステップS56で車両が走行中でない場合には、図8で説明したように、EGIユニット9にエンジンの再始動が不可能となる故障が検出された場合に、IGスイッチ15をオフしてもエンジンを停止させないか、或いはCWの照合処理をキャンセルしてエンジンが始動できるようになっている。また、何らかの故障が発生したことを乗員に対してインジケータ16を用いて報知する。但し、IMユニット4とEGIユニット9間の通信ラインが断線した場合は、EGIユニット9からIMユニット4に故障発生を知らせることができないため、インジケータ16を点灯或いは点滅せず、故障コードのみをそのEEPROM10にセットして、後日修理工場等において故障診断ツールを用いて点検できるようになっている。
【0068】
EGIユニット9の故障モードは、前述の図18で説明した通りである。
【0069】
以上のように、EGIユニット9は、車両が走行中である(エンジン作動中である)ことを条件として、故障を検出した場合のみIGスイッチ15をオフしてもエンジンを停止させないか、或いはCWの照合処理をキャンセルしてエンジンが始動できるようになっているので、EGIユニット9にエンジンの再始動が不可能となるような故障が発生した場合に、IGスイッチをオフしても、エンジンの再始動が可能となり、修理のために車両を移動させることができる。
【0070】
また、EGIユニット9の電源ライン等の断線による故障を検出して報知することにより、システム全体の利便性が向上できる。
【スリープモードにおける故障対策】
次に、図10〜図12を参照して、IMユニット4の故障対策について説明する。図10は、IMユニットのスリープモードにおける第1の故障対策として、IMユニット、IGスイッチ、通信ライン、インジケータの各動作を示すタイミングチャートである。図11は、IMユニットのスリープモードにおける第2の故障対策として、IMユニット、IGスイッチ、通信ライン、インジケータの各動作を示すタイミングチャートである。図12は、IMユニットのスリープモードにおける第3の故障対策として、IMユニット、IGスイッチ、通信ライン、インジケータの各動作を示すタイミングチャートである。
【0071】
IMユニット4は、図5に示すステップS44において、通常動作モードの終了後、所定状態が3秒を越えると、スリープモードに移行する。
【0072】
所定状態とは、「IGスイッチがオフ又はopen(断線)」且つ「通信ラインがlow又はopen(断線)」の状態である。また、スリープの状態から、「IGスイッチがオン又は通信ラインがhigh」となると、図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。尚、スリープモードは、通常動作モードを終了した後に移行するため、IMユニット4にIDコードが登録されていることが前提条件である。
[対象とする故障について]
対象とする故障としては、以下の▲1▼〜▲3▼が考えられる。即ち、
▲1▼通信ライン又はEGIユニットの故障によりIGスイッチ電源がオンされてもコマンドreqが送信されない場合。
【0073】
▲2▼何らかの原因によって、IMユニットのIGスイッチ電源を接続する部分にバッテリ電源が接続されてしまった、或いはIGスイッチが短絡してしまった場合。
【0074】
▲3▼IMユニットは、コネクタの嵌合不良等により、IMユニット4のIGスイッチの電源ラインが断線した場合、IGスイッチがオンされてもIMユニット4はウェイクアップしないため、EGIユニット9との間の通信ラインがhighとなっても、EGIユニット9との通信が不能となり、エンジン始動が不可能となる場合。
【0075】
<第1の故障対策>
上記▲1▼、▲2▼に対する第1の故障対策として、図10に示すように、IMユニット4がウェイクアップした後(即ち、IGスイッチがオンされた後)、所定時間t3(例えば、2分)経過しても通信ラインがlowの場合には、インジケータ16を点滅させて、何らかの故障が発生したことを乗員に報知するようにしている。尚、インジケータ16の点滅は、その後IGスイッチがオフされると終了する。
【0076】
以上のように、何らかの故障が発生したことを乗員に報知することで、故障検出効果を向上できる。
【0077】
<第2の故障対策>
上記▲1▼、▲2▼に対する第2の故障対策として、図11に示すように、IMユニット4がウェイクアップした後(即ち、IGスイッチがオンされた後)、所定時間t3(例えば、2分)経過しても通信ラインがlowの場合には、その後初めて乗員によりIGスイッチがオンされて通信ラインがhighとなった時に、インジケータ16を点滅を開始させて、何らかの故障が発生したことを乗員に報知するようにしている。尚、インジケータ16の点滅は、その後IGスイッチがオフされると終了する。
【0078】
第1の故障対策では、乗員が車両に乗り込まない限りインジケータの点滅には気付かないけれども、第2の故障対策では、乗員が車両に乗り込んでIGスイッチをオンした後にインジケータを点滅するので、インジケータの点滅に要する電力消費を低減でき、効率良く乗員に報知できる。
【0079】
<第3の故障対策>
上記▲3▼に対する故障対策として、エンジン始動が不可能となる状態を回避するため、図12に示すように、IGスイッチがオフでも、IMユニット4とEGIユニット9の間の通信ラインがhighになると、IMユニット4をウェイクアップさせ、ウェイクアップ後IGスイッチのオフ状態が所定時間t3(例えば、2分)経過した場合には、乗員に故障を報知するためにインジケータ16を点滅させる。
【0080】
以上のように、コネクタの嵌合不良等により、IMユニット4のIGスイッチの電源ラインが断線した場合でも、通信ラインがhighになることによりIMユニット4はウェイクアップするため、正規IGキーを用いてIGスイッチをオンすれば、IMユニット4でIDコードの照合を行なってエンジン始動が可能となる。
【0081】
また、IMユニットのウェイクアップ条件を、「IGスイッチがオン又は通信ラインがhigh」とすると、通常では通信ラインがhighになるタイミングより、IGスイッチがオンされるタイミングの方が早いので、通信ラインhighによるウェイクアップに比べて早くIDコードの照合を行なえ、故障が発生した場合では通信ラインhighによるウェイクアップにより対処できる。
【0082】
また、IMユニット4は、IGスイッチがオンでも所定時間継続して通信ラインがlowの状態、或いはIGスイッチがオフで所定時間継続して通信ラインがhighの状態を検出することで、スリープモードに移行した後でもIGスイッチの電源ライン等の故障を検出できる。
【IMユニットの2キーエントリモード】
次に、IMユニット4の2キーエントリモードにおける詳細な動作について説明する。図19、図20は、IMユニットの2キーエントリモードを示すフローチャートである。
【0083】
この2キーエントリモードは、IMユニット4又はEGIユニット9にIDコードを追加登録可能とするコード追加モードに設定するための前段段階の処理であり、異なるIDコードを有する正規キー2本を用いて行う。これは、例えば、駐車場等で正規キーと車両とを他人に預けた場合において、他人に預けた正規キー1本でコード追加モードに設定されて、勝手に第3者の所有する別キーのIDコードを登録されないようにするために、正規キー1本ではコード追加モードに入れないよう対策する場合に有効となる。この2キーエントリモードでは、IMユニット4は、先ず、図5で説明したように、ステップS24で1本目の正規キー(ID1)をキー穴に差し込んでIGスイッチが5回オン、オフされたか否かを判断し、次に、ステップS30でキー(ID1)のIDコードが正規のコードであるかを判断する(正規キーを用いていれば当然正規IDコードであると判断される)。
【0084】
ステップS30でキー(ID1)が正規IDコードと判断されると、2キーエントリモードに移行する。2キーエントリモードに移行した後、もう1本の正規キー(ID2)をキー穴に挿入してIGスイッチのオンさせて、キー(ID2)のIDコードを照合し、一致し、且つ1本目のキー(ID1)と2本目のキー(ID2)のIDコードが不一致であるとき、IMユニット4はコード追加モードに移行できる。そして、1本目と2本目のキー(ID1,ID2)のIDコードをIMユニット及びEGIユニットのEEPROMに登録し、その他をクリアする。その後、後述するコード追加モードに移行して次々に登録したい別キーのIDコードを登録できる。
【0085】
2キーエントリモードの具体的な動作は、図19、図20に示されている。
【0086】
図19、図20に示すように、図5に示すステップS20〜S30までの処理は同じであり、ステップS30で1本目のキー1(以下、説明の便宜上1本目のキー1のIDコードをID1とする)が正しいと判断された場合(ステップS30で判断がYes)、図19に示すステップS202に進む。ステップS202では、ID1をIMユニット4のRAM6に一時的に格納し、ステップS204でインジケータ16を点灯させる。ステップS206では、1本目のキー1でIGスイッチがオフされるのを待ち、ステップS206でIGスイッチがオフされると、ステップS208でインジケータ16を一旦消灯する。その後、ステップS210では、2本目のキー2(以下、説明の便宜上2本目のキー2のIDコードをID2とする)をキー穴に挿入して、IGスイッチがオンされるのを待つ。ステップS210でIGスイッチがオンされると、ステップS212でキー2のIDコードを読み込み、ステップS214でID2とIMユニット4に登録されているIDコードとを照合する。ステップS216でID2とIMユニットに登録されているIDコードとが一致していると判断された場合(ステップS216で判断がYes)、ステップS218に進み、IDコードが一致していないと判断された場合(ステップS216で判断がNo)、2キーエントリ不可として図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0087】
ステップS218では、1本目のID1と2本目のID2とが同じであるか否かを判断する。ステップS220で、ID1とID2とが不一致の場合(ステップS220で判断No)、ステップS222に進み、ID1とID2とが一致の場合(ステップS220で判断Yes)、同じ正規キーを用いて操作したことになり、2キーエントリモードにおける操作とは異なるため、2キーエントリ不可として図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。ここで、乗員は、最初から操作をやり直すことにより2キーエントリモードを再度実行することになる。
【0088】
その後、ステップS222でインジケータを点灯し、図20に示すステップS224に進む。ステップS224では、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS224で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドreq又はSRを受信した場合、ステップS228に進み、EGIユニット9に対して追加登録コマンドADXとCWとID1,ID2を送信する。一方、ステップS224で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS226にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0089】
ステップS230では、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS230で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドreq又はSRを受信した場合、ステップS228にリターンして、再度追加登録コマンドADXとCWとIDコードを送信する。また、ステップS230でIDコード登録の確認コマンドID storedを受信した場合、ステップS234に進む。一方、ステップS230で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS232にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0090】
ステップS234では、IMユニット4は1本目と2本目のキー(ID1,ID2)のIDコードをIMユニット及びEGIユニットのEEPROMに登録し、その他のIDコードが登録されていれば、それをクリアする。その後、ステップS236でインジケータを消灯して、2キーエントリ成功として、コード追加モードに移行して次々に登録したい別キーのIDコードを登録できる。
【0091】
前述のステップS206で、IGスイッチがオンされたままで、ステップS240でIMユニット4がEGIユニット9からコマンドreq又はSRを受信した場合、ステップS244に進み、EGIユニット9に対してコマンドunlockとCWを送信する。一方、ステップS240で、制御コマンドを受信しない状態(ステップS240でNo)が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS242にてYes)、通常動作モードを終了し、共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0092】
ステップS246では、IMユニット4は、EGIユニット9からの制御コマンドを待つ。ステップS246で、IMユニット4がEGIユニット9からコマンドreq又はコマンドSRを受信した場合、ステップS244にリターンして、再度EGIユニット9に対してコマンドunlockとCWを送信する。一方、ステップS246で、IMユニット4がEGIユニット9からアンロック確認コマンドconfirm unlockを受信した場合、ステップS250に進んで、インジケータ16をオフして消灯し、2キーエントリモードの処理を終了する。一方、ステップS246で、制御コマンドを受信しない状態(ステップS246でNo)が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS248にてYes)、通常動作モードを終了し、共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。ここで、乗員は、インジケータ16の消灯により、IMユニット4でのIDコードの照合処理が終了して、IDコードが一致したことを認識できる。
【0093】
以上説明した、IMユニットの2キーエントリモードでは、IGスイッチのオン状態が所定時間(例えば、60秒)経過、又は、オフ状態が所定時間(例えば、30秒)経過すると、2キーエントリ不可として図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【IMユニットのCWエントリモード】
次に、IMユニット4のCWエントリモードにおける詳細な動作について説明する。図21、図22は、IMユニットのCWエントリモードを示すフローチャートである。
【0094】
このCWエントリモードは、2キーエントリモードと同様に、IMユニット4又はEGIユニット9にIDコードを追加登録可能とするコード追加モードに設定するための前段段階の処理であり、IMユニット4が新品で、そのEEPROM5にIDコードが全く登録されていない場合に、新たに登録するキーを用いて行う。このCWエントリモードでは、IMユニット4は、先ず、図5で説明したように、ステップS24で未登録キーをキー穴に差し込んでIGスイッチが5回オン、オフされたか否かを判断し、次に、ステップS30でキーのIDコードが正規のコードであるかを判断する(未登録キーを用いているので当然正規IDコードでないと判断される)。
【0095】
ステップS30でキーが正規IDコードでない判断されると、CWエントリモードに移行する。CWエントリモードに移行した後、インジケータ16を点滅させ、このインジケータの16の点滅に合わせて、未登録キーによるIGスイッチのオン、オフ操作を行い、手入力でCWを入力することにより、IMユニット4はコード追加モードに移行できる。そして、未登録キーのIDコードをIMユニット及びEGIユニットのEEPROMに登録する。その後、後述するコード追加モードに移行して次々に登録したい別キーのIDコードを登録できる。
【0096】
図21、図22に示すように、図5に示すステップS20〜S30までの処理は同じであり、ステップS30でキーのIDコードが正しくないと判断された場合(ステップS30で判断がNo)、図21に示すステップS302に進む。ステップS302では、CWエントリモードの処理を開始すると判断し、インジケータを点滅する。ステップS304では、インジケータ点滅後、所定時間(例えば、5分間)経過するのを待つ。ステップS304では、無動作モードに入り、所定時間経過するまではEGIユニットからコマンドreq又はSRを受け付けない状態となる。また、この無動作モードにおけるインジケータの点滅間隔は、図23に示すように、300ミリ秒間隔で点滅される。この無動作モードが終了すると、ステップS306に進み、未登録キーを用いたIGスイッチの所定操作によりCW入力操作を実行する。ステップS308では、IMユニット4内のEEPROM5に登録されているCWと所定操作により入力されたCWとを照合する。そして、ステップS310でCWが一致するか否かを判定し、一致すると判断された場合(ステップS310で判断がYes)、ステップS312へ進み、インジケータ16を点灯させる。
【0097】
ステップS314では、未登録キーをキー穴に挿入して、IGスイッチがオンされるのを待つ。ステップS314でIGスイッチがオンされると、図22に示すステップS320に進む。一方、IGスイッチのオフ状態が所定時間継続(ステップS316でYes)すると、CWエントリ不可として図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0098】
ステップS320では、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS322で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドreq又はSRを受信した場合、ステップS324に進んで、追加登録コマンドADXとCWとIDコードを送信する。一方、ステップS320で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS322にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0099】
ステップS326では、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS326で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドreq又はSRを受信した場合、ステップS324にリターンして、再度追加登録コマンドADXとCWとIDコードを送信する。また、ステップS326でEGIユニット9からコマンドID storedを受信した場合、ステップS330に進む。一方、ステップS326で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS328にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0100】
ステップS330では、IMユニット4は、そのEEPROM5にIDコードが登録されていれば、そのIDコードをクリアする。その後、ステップS332では、現在使用されているIDコードを、コマンドADXで指定したIMユニット4のEEPROM5のアドレスに登録する。その後、ステップS334でインジケータを消灯して、CWエントリ成功として、コード追加モードに移行して次々に登録したい別キーのIDコードを登録できる。
【0101】
以上説明した、IMユニットのCWエントリモードでは、IGスイッチのオン状態が所定時間(例えば、60秒)継続、又は、オフ状態が所定時間(例えば、30秒)継続すると、CWエントリ不可として図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
[CWエントリモードの操作]
次に、上述したCWエントリモードにおけるIGスイッチ操作とインジケータの点滅タイミングについて説明する。図23は、CWエントリ操作中のIGスイッチ操作とインジケータの点滅タイミングを示すタイミングチャートである。
【0102】
図23に示すように、ステップS304の無動作モードにおいて、インジケータを点滅させ、その後、IGスイッチがオフされるとインジケータの点滅間隔は、図23に示すように、無動作モード時よりゆっくり点滅される。この無動作モードが終了すると、CWの入力受付状態となり未登録キーの所定操作によりCWの入力操作が実行される。そして、手入力したCWが一致すると、インジケータを点灯し、CW入力操作後30秒以内にIGスイッチをオンすることにより、未登録キーのIDコードがEEPROM5に登録される。また、IGスイッチのオン後60秒以内にオフ操作することによりコード追加モードに移行する。
[CW入力操作]
次に、図21に示すステップS306でのCW入力操作について説明する。図24は、CWを入力するためのインジケータの点滅タイミングとイグニッションスイッチのオン/オフタイミングを示すタイミングチャートである。
【0103】
図24に示すように、インジケータの点滅間隔は、約1.2ミリ秒とし、CWの入力は、IGスイッチをオンさせた状態でインジケータを2回点滅させ、30秒以内にIGスイッチをオンさせた状態で1回点滅させ、更に30秒以内にIGスイッチをオンさせた状態でインジケータを3回点滅させる。
【0104】
以上のように、キーを全て紛失した時に、キーボード等の特殊なツールを使わずに未登録キーを用いてIDコードの追加登録モードに設定できる。
【コード追加モード】
以下に、IMユニット4及びEGIユニット9のコード追加モードにおける詳細な動作をついて説明する。
【0105】
このコード追加モードは、前述の2キーエントリモード或いはCWエントリモードで2キー又はCWエントリに成功した場合のみ移行できる。
【0106】
コード追加モードは、キーを盗難或いは紛失し、第3者に紛失したキーを利用して、自動車を盗まれないようにするために、新たなキーを用意して、IMユニット4及びEGIユニット9の各EEPROM5、10に登録されたIDコードを変更したい場合に利用され、各EEPROM5、10には、最大8個までIDコードが登録できる。
[IMユニットのコード追加モード]
先ず、図2、図25を参照して、IMユニットのコード追加モードの動作について説明する。図25は、IMユニットのコード追加モードの動作を示すフローチャートである。
【0107】
IMユニットユニットのコード追加モードは、前述の2キーエントリモード或いはCWエントリモードで2キーエントリ又はCWエントリに成功し、図5に示すステップS32、S34でIGスイッチをオフした後再度オンすると、コード追加モードに移行する。
【0108】
図2、図25に示すように、図5に示すステップS34において、IGキーをキー穴に差し込み、IGスイッチ15をオンさせると、ステップS402に進む。ステップS402では、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS402で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドreq又はSRを受信した場合、ステップS404に進み、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS403にてYes)、ステップS426に進んでインジケータを消灯し、このフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0109】
ステップS404では、IMユニット4は、TPのIDコードを読み込み、ステップS406でインジケータを点灯する。ステップS408では、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有するか否かを判断する。ここで、IDコードが正しいデータフレームであるか否かの判断は、TPのIDコードを3回読み込み、この3回のIDコードが全て一致した場合にのみIDコードが正しいデータフレームであると判断する。ステップS408で、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有する場合(ステップS408でYes)、ステップS410に進み、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有さない場合(ステップS408でNo)、ステップS424に進んでEGIユニット9にコマンドlockを送信し、次のステップS426でインジケータを消灯して、コード追加モードを終了して、図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0110】
ステップS410では、IMユニット4は、EGIユニット9にコマンドADXとCWとIDコードを送信する。ステップS412では、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS412で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドreq又はSRを受信した場合、ステップS410にリターンして、再度コマンドADXとCWとIDコードを送信する。また、ステップS412でEGIユニット9からコマンドID storedを受信した場合、ステップS414に進む。一方、ステップS412で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS413にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、図5に示す共通動作フローチャートのステップS20から制御を開始する。
【0111】
ステップS414では、IMユニット4は、読み込んだIDコードを、コマンドADXで指定したIMユニット4のEEPROM5のアドレスに登録する。その後、ステップS416でインジケータを消灯して、ステップS418でIMユニット4のEEPROM5に登録されたIDコード数を判断する。ステップS418で、登録されたIDコード数が8個未満の場合、まだ空き領域があるので登録操作を続けられるようにステップS420に進み、8個登録されている場合、空き領域がないのでステップS426に進み、インジケータを消灯して、コード追加モードを終了して、図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0112】
ステップS420でIGスイッチが一旦オフされ、ステップS422で再度別キーでオンされると、ステップS402にリターンして同様のコード追加処理を実行する。
【0113】
以上説明した、IMユニットのコード追加モードでは、IGスイッチのオン状態が所定時間(例えば、60秒)継続、又は、オフ状態が所定時間(例えば、30秒)継続すると、2キーエントリ不可として図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
[EGIユニットのコード追加モード]
次に、図2、図26、図27を参照して、IMユニットのコード追加モードの動作について説明する。図26、図27は、EGIユニットのコード追加モードの動作を示すフローチャートである。
【0114】
EGIユニットは、IMユニットが前述の2キーエントリモード或いはCWエントリモードで2キーエントリ又はCWエントリに成功し、IMユニットからコマンドADXとCWとIDコードを受信することにより、コード追加モードに移行する。
【0115】
図2、図26、図27に示すように、図6に示すステップS68或いは図7に示すステップS98において、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドADXとCWとIDコードを受信すると、ステップS1402に進む。ステップS1402では、IMユニット4から受信したCW、IDコードをEGIユニット9のRAM11に一時的に格納する。ステップS1404では、EGIユニット9のEEPROM10に登録されたIDコード数を判断する。ステップS1404で、登録されたIDコード数が1個以上の場合、ステップS1408に進んでIMユニット4に対してコマンドreqを送信し、IDコードが全く登録されていない場合、IMユニット4に対してコマンドSRを送信する。その後、ステップS1410では、EGIユニット9は、IMユニット49から送信される制御コマンドを待つ。ステップS1410で、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドADXとCWとIDコードを受信すると、ステップS1414に進む。一方、ステップS1410で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS1412にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、図6に示す共通動作フローチャートのステップS50から制御を開始する。
【0116】
ステップS1414では、ステップS1402で一時的に格納したCW、IDコードとステップS1410で受信したCW、IDコードとを照合する。ステップS1416で、CW、IDコードが共に一致した場合(ステップS1416でYes)、図27に示すステップS1420に進み、いずれか一方又は共に不一致の場合(ステップS1416でNo)、ステップS1418に進んで、ステップS1410で受信したCW、IDコードをRAM11に一時的に格納して、ステップS1404にリターンする。
【0117】
図27に示すように、ステップS1420では、受信したCWとEGIユニット9のEEPROM10に登録されたCWとを照合する。ステップS1422で両CWが一致した場合(ステップS1422でYes)、ステップS1424に進み、受信したIDコードを、コマンドADXで指定されたEGIユニット9のEEPROM10のアドレスに登録する。その後、ステップS1426でEGIユニット9のEEPROM10にIDコードが確かに登録されたか判断し、確かに登録されている場合(ステップS1426でYes)、ステップS1428に進んで、IMユニット4にコマンドID storedを送信する。ここで、IDコードのEEPROMへの登録は、正常に書き込めるまで3回行ない、3回試みても書き込めない場合に登録失敗と判断する。
【0118】
ステップS1430では、エンジンの継続作動を許可し、ステップS1432で故障コードX2,X3がセットされていれば、これらをクリアする。その後、ステップS1434で通信カウンタNの値を6にセットし、ステップS1436では、故障コードX5がセットされていればクリアして、EGIユニット9におけるコード追加モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0119】
前述のステップS1422において、CWが不一致の場合(ステップS1422でNo)、ステップS1438に進み、故障コードX2をセットし、ステップS1440でエンジンをストップした後、ステップS1446進む。ステップS1446では、通信カウンタNの値を1つ減じる(N=N−1)。その後、EGIユニット9におけるコード追加モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0120】
また、前述のステップS1426において、IDコードの登録が失敗した場合(ステップS1426でNo)、ステップS1442に進み、故障コードX4をセットし、ステップS1444でエンジンを停止させた後、ステップS1446に進む。その後、EGIユニット9におけるコード追加モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【IMユニット交換モード】
以下に、IMユニットを新品に交換した場合の、IMユニット4とEGIユニット9の詳細な動作をついて説明する。
【0121】
IMユニット交換モードは、図5に示すステップS22でIMユニット4のEEPROM5にIDコードが全く登録されておらず、EGIユニット9からコマンドreqを受信した場合にのみ移行できる。尚、IMユニットは、製造メーカから納入された時点でCWが登録済みである。
【0122】
IMユニット交換モードでは、IMユニット4のEEPROM5にIDコードを登録すると共に、EGIユニット9のEEPROM10にCW、IDコードを再登録する。
[IMユニットのIMユニット交換モード]
先ず、図2、図28を参照して、IMユニットのIMユニット交換モードの動作について説明する。図28は、IMユニットのIMユニット交換の動作を示すフローチャートである。
【0123】
図2、図28に示すように、図5に示すステップS36において、EGIユニット9からコマンドreqを受信すると、ステップS502に進む。ステップS502では、IMユニット4は、TPのIDコードを読み込み、ステップS504でインジケータを点灯する。ステップS506では、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有するか否かを判断する。ここで、IDコードが正しいデータフレームであるか否かの判断は、TPのIDコードを3回読み込み、この3回のIDコードが全て一致した場合にのみIDコードが正しいデータフレームであると判断する。ステップS506で、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有する場合(ステップS506でYes)、ステップS508に進み、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有さない場合(ステップS506でNo)、ステップS516に進んでインジケータを消灯して、IMユニット交換モードを終了して、図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0124】
ステップS508では、IMユニット4は、EGIユニット9にIDコード未登録コマンドIEとCWとIDコードを送信する。ステップS510では、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS510で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドreqを受信した場合、ステップS508にリターンして、再度コマンドIEとCWとIDコードを送信する。また、ステップS510でEGIユニット9からCW変更登録確認コマンドreplaced CWを受信した場合、ステップS512に進む。一方、ステップS510で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると、ステップS516に進んでインジケータを消灯すると共に、このフローチャートのスタート時点にリターンして、図5に示す共通動作フローチャートのステップS20から制御を開始する。
[EGIユニットのIMユニット交換モード]
次に、図2、図29、図30を参照して、EGIユニットのIMユニット交換モードの動作について説明する。図29、図30は、EGIユニットのIMユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【0125】
EGIユニットは、IMユニットからコマンドIEとCWとIDコードを受信することにより、ユニット交換モードに移行する。
【0126】
図2、図29、図30に示すように、図6に示すステップS68において、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドIEとCWとIDコードを受信すると、ステップS1502に進む。ステップS1502では、IMユニット4から受信したCW、IDコードをEGIユニット9のRAM11に一時的に格納する。ステップS1504では、IMユニット4に対してコマンドreqを送信する。その後、ステップS1506では、EGIユニット9は、IMユニット4から送信される制御コマンドを待つ。ステップS1506で、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドIEとCWとIDコードを受信すると、ステップS1510に進む。一方、ステップS1506で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS1508でYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、図6に示す共通動作フローチャートのステップS50から制御を開始する。
【0127】
ステップS1510では、ステップS1502で一時的に格納したCW、IDコードとステップS1506で受信したCW、IDコードとを照合する。ステップS11512で、CW、IDコードが共に一致した場合(ステップS1512でYes)、図30に示すステップS1516に進み、いずれか一方又は共に不一致の場合(ステップS1512でNo)、ステップS1514に進んで、ステップS1506で受信したCW、IDコードをRAM11に一時的に格納して、ステップS1504にリターンする。
【0128】
図27に示すように、ステップS1516では、受信したIDコードとEGIユニット9のEEPROM10に登録されたIDコードとを照合する。ステップS1518で両IDコードが一致した場合(ステップS1518でYes)、ステップS1520に進み、受信したCWを、EGIユニット9のEEPROM10に登録する。その後、ステップS1522でEGIユニット9のEEPROM10にCWが確かに登録されたか判断し、確かに登録されている場合(ステップS1522でYes)、ステップS1524に進んで、IMユニット4にコマンドreplaced CWを送信する。ここで、CWのEEPROMへの登録は、正常に書き込めるまで3回行ない、3回試みても書き込めない場合に登録失敗と判断する。
【0129】
ステップS1526では、エンジンの継続作動を許可し、ステップS1528で故障コードX2,X3がセットされていれば、これらをクリアして、EGIユニット9におけるIMユニット交換モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0130】
前述のステップS1518において、IDコードが不一致の場合(ステップS1518でNo)、ステップS1530に進み、故障コードX3をセットし、ステップS1532でエンジンを停止させた後、ステップS1538に進む。ステップS1538では、通信カウンタNの値を1つ減じる(N=N−1)。その後、EGIユニット9におけるIMユニット交換モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0131】
また、前述のステップS1534において、CWの登録が失敗した場合(ステップS11522でNo)、ステップS1534に進み、故障コードX4をセットし、ステップS1536でエンジンを停止させた後、ステップS1538に進む。その後、EGIユニット9におけるIMユニット交換モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【IMユニット&EGIユニット交換モード】
以下に、IMユニット4及びEGIユニット9のIMユニット&EGIユニット交換モードにおける詳細な動作をついて説明する。
【0132】
このIMユニット&EGIユニット交換モードは、IMユニット及びEGIユニットの新品時(例えば、初期出荷時、或いは同時交換時)のように、IMユニット4及びEGIユニット9の各EEPROM5、10にIDコードが全く登録されていない場合に、IDコード若しくはCWの照合を行わずIDコード、CWを登録できるモードであり、EGIユニット9からコマンドSRを受信した場合にのみ移行できる。尚、IMユニットは、製造メーカから納入された時点でCWが登録済みである。また、CWをEGIユニットや両ユニットに予め登録させておくこともできる。
【0133】
IMユニット&EGIユニット交換モードでは、IMユニット4のEEPROM5に新規にIDコードを登録すると共に、EGIユニット9のEEPROM10にCW、IDコードを新規に登録する。また、IDコードは、キーを1本紛失、或いは破損した場合を考慮して、最低3つの異なるIDコードが登録される。[IMユニットにおけるIMユニット&EGIユニット交換モード]
先ず、図2、図31、図32を参照して、IMユニットにおけるIMユニット&EGIユニット交換モードの動作について説明する。図31、図32は、IMユニットにおけるIMユニット&EGIユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【0134】
IMユニット&EGIユニット交換モードにおいて、IMユニットユニットは、図5に示すステップS22でIMユニット4のEEPROM5にIDコードが全く登録されておらず、次のステップS36でEGIユニット9からコマンドSRを受信したときにIMユニット&EGIユニット交換モードに移行する。尚、ステップS22で、IMユニット4とEGIユニット9のいずれか一方にCWが登録されていない場合にステップS36に進むようにすることもできるし、IMユニット4とEGIユニット9のいずれか一方にIDコード未登録を表わすフラグがセットされている場合にステップS36に進むようにすることもできる。また、ステップS22で、上記全ての条件を満たすときにステップS36に進むようにしてもよい。
【0135】
図2、図31、図32に示すように、図5に示すステップS22でIMユニット4のEEPROM5にIDコードが全く登録されておらず、次のステップS36でEGIユニット9からコマンドSRを受信した場合、ステップS602に進む。ステップS602では、IMユニット4は、TPのIDコードを読み込み、ステップS640でインジケータを点灯する。ステップS606では、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有するか否かを判断する。ここで、IDコードが正しいデータフレームであるか否かの判断は、TPのIDコードを3回読み込み、この3回のIDコードが全て一致した場合にのみIDコードが正しいデータフレームであると判断する。ステップS606で、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有する場合(ステップS606でYes)、ステップS608に進み、読み込んだIDコードが正しいデータフレームを有さない場合(ステップS606でNo)、ステップS632に進んでインジケータを消灯し、、次のステップS634でRAM6に一時的に格納したIDコードをクリアして、IMユニット&EGIユニット交換モードを終了して、図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0136】
ステップS608では、IMユニット4は、EGIユニット9にコマンドADXとCWとIDコードを送信する。ステップS610では、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS610で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドSRを受信した場合、ステップS608にリターンして、再度コマンドADXとCWとIDコードを送信する。また、ステップS610でEGIユニット9からコマンドID storedを受信した場合、ステップS614に進む。一方、ステップS610で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS612にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、図5に示す共通動作フローチャートのステップS20から制御を開始する。
【0137】
ステップS614では、EEPROM5に既に登録済みのIDコードが有るか否かを判断し、登録済みIDコードがある場合(ステップS614でYes)、ステップS616に進み、IMユニット4は、今回のIDコードを、コマンドADXで指定したIMユニット4のEEPROM5のアドレスに登録する。その後、ステップS618でインジケータを消灯して、図32に示すステップS620でIMユニット4のEEPROM5に登録されたIDコード数を判断する。ステップS620で、登録されたIDコード数が8個未満の場合、まだ空き領域があるので登録操作を続けられるようにステップS622に進み、8個登録されている場合、空き領域がないのでステップS634にリターンし、RAM6に一時的に格納したIDコードをクリアして、IMユニット&EGIユニット交換モードを終了して、図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。
【0138】
ステップS622でIGスイッチが一旦オフされると、ステップS624でRAM5に一時格納されたIDコード数、或いはEEPROM5に登録されたIDコード数をインジケータを点滅して報知する。その後、ステップS626で再度別キーでIGスイッチがオンされると、ステップS628に進み、IMユニット4は、EGIユニット9から送信される制御コマンドを待つ。ステップS628で、IMユニット4は、EGIユニット9からコマンドSRを受信した場合、ステップS602にリターンして、TPのIDコードを読み込んでステップS604以降の処理を再度実行する。一方、ステップS628で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS630にてYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、図5に示す共通動作フローチャートのステップS20から制御を開始する。
【0139】
上述のステップS614において、EEPROM5に既に登録済みのIDコードない場合(ステップS614でYes)、これはIMユニット4への最初のIDコード登録作業に相当し、ステップS636に進む。ステップS636では、RAM6に既に一時格納されたIDコードが有るか否かを判断し、一時格納されたIDコードがある場合(ステップS636でYes)、ステップS640に進み、一時格納されたIDコードがない場合、ステップS638で今回のIDコードをRAM6に一時格納する。
【0140】
ステップS640では、一時格納されたIDコードと今回のIDコードとを照合する。ステップS642で両IDコードが一致した場合(ステップS642でYes)、ステップS618に進んでインジケータを消灯し、それ以降の処理を実行する。また、ステップS642で両IDコードが不一致の場合(ステップS642でNo)、ステップS644に進んでRAM6に一時格納された今回のIDコードをEEPROM5に登録する。その後、ステップS646でRAM6に一時格納されたIDコードをクリアして、ステップS618に進んでインジケータを消灯し、それ以降の処理を実行する。
【0141】
以上説明した、IMユニット&EGIユニット交換モードでは、IGスイッチのオン状態が所定時間(例えば、60秒)継続、又は、オフ状態が所定時間(例えば、30秒)継続すると、このモードを終了して、図5に示す共通動作フローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS20から制御を開始する。尚、本モードでは、IMユニットにおいて、IDコードをRAMに一時的に格納するようにしているが、EGIユニットに同様の仕様を適用できることは言うまでもない。また、本モードでは、2本のキーのIDコードを登録し終えるまでは、読み込んだIDコードをRAMに一時的に格納しておくように設定しているが、3本以上のキーのIDコードを登録するまで、読み込んだIDコードをRAMに格納するように設定してもよい。
【0142】
また、読み込んだ全てのIDコードをRAMに一時格納しておき、IMユニット&EGIユニット交換モードを終了した時点で一度に全てのIDコードをEEPROMに登録させることもできる。
【0143】
通常では、工場ラインでIDコードの登録作業を行う場合、例えば、IMユニットやEGIユニットにIDコードを新規に登録する際に、その登録作業中に何らかの要因で作業が中断したときには、後で登録作業を再開するときは、2キーエントリモードで、IDコードの追加、変更作業をするのが好ましい。なぜならば、作業時間の厳しい工場ライン等において、操作の複雑なCWエントリモードで作業するのは作業効率を考えると現実的でないからである。
【0144】
しかしながら、従来のシステムでは、IMユニットやEGIユニットにIDコードを新規に登録する際に、その登録作業中に何らかの要因で作業が中断してしまい、1種類のIDコードだけ登録して作業を終了したとすると、2キーエントリモードへ移行できなくなってしまう。
【0145】
このIMユニット&EGIユニット交換モードでは、1本目のキーID1の登録作業時にIDコードを登録しないまま作業を中断しても、IDコードの異なる2本目のキーID2で登録作業が再開されて1本目、2本目のキーID1,ID2のIDコードを登録し終えるまでは、1本目のIDコードをRAMに一時的に格納しておくので、作業再開後少なくとも2種類のIDコードは登録されることになり、2キーエントリモードへ移行できないという弊害を防止できるのである。
[第1実施形態のIDコード数報知]
次に、第1の実施形態として、上述したステップS624でのIDコード数の報知方法について説明する。図35は、RAMに一時格納されたIDコード数、或いはEEPROMに登録されたIDコード数を報知するためのインジケータの点滅タイミングとイグニッションスイッチのオン/オフタイミングを示すタイミングチャートである。
【0146】
図35に示すように、例えば、2本目のキーのIDコードを登録してIGスイッチをオフした後、3本目のキーでIGスイッチをオンするまで、所定の時間間隔でインジケータを2回連続して点滅させ報知することにより、2個の異なるIDコードが登録されていることが認識できる。
【0147】
従って、複数のIDコードを登録する場合に、現在のIDコード数が容易にわかり、また、同じキーを続けて登録することをインジケータの点滅により未然に防止でき、更に、仮に同じIDコードを重複して登録してもインジケータの点滅回数が増加しないので、重複して作業したことがわかり、作業効率の悪化を防止できる。
【0148】
また、IDコード数の報知は、インジケータを流用しているので、他に表示装置を設ける必要がなくコスト的にも有利である。
[第2実施形態のIDコード数報知]
次に、第2の実施形態のIDコード数の報知方法について説明する。図33、図34は、第2実施形態のIDコード数の報知動作を示すフローチャートである。図36は、第2実施形態として、RAMに一時格納されたIDコード数、或いはEEPROMに登録されたIDコード数を報知するためのインジケータの点滅タイミングとイグニッションスイッチのオン/オフタイミングを示すタイミングチャートである。
【0149】
尚、図33、図34において、図31、図32と同一の処理については同一のステップ番号を付して説明を省略し、異なるステップのみ説明する。
【0150】
第2実施形態では、第1実施形態のように、IDコードを登録してIGスイッチをオフした後インジケータを点滅させるのではなく、IDコードを登録した時点でインジケータの点滅を開始させる。従って、図33、図34では、図31に示すステップS604でインジケータを点灯せず、ステップS624でインジケータを点滅させないで、ステップS616でのIDコード後にインジケータを点滅させている(ステップS618’)。
【0151】
図36に示すように、例えば、2本目のキーのIDコードを登録した時点で、所定の時間間隔でインジケータを2回連続して点滅させ、IGスイッチをオフした後も点滅させ続ける。そして、3本目のキーのIDコードを登録した時点で、所定の時間間隔でインジケータを3回連続して点滅させ報知する。
【0152】
この第2実施形態でも、登録されたIDコード数が認識できる。また、IDコードの登録作業中、インジケータが点滅していることになるので常時IDコード数が把握でき、逆にインジケータが消灯することによって、IMユニット&EGIユニット交換モードが終了したことが容易にわかる。
【0153】
従って、複数のIDコードを登録する場合に、現在のIDコード数が容易にわかり、また、同じキーを続けて登録することをインジケータの点滅により未然に防止でき、更に、仮に同じIDコードを重複して登録してもインジケータの点滅回数が増加しないので、重複して作業したことがわかり、作業効率の悪化を防止できる。
【0154】
また、IDコード数の報知は、インジケータを流用しているので、他に表示装置を設ける必要がなくコスト的にも有利である。
[EGIユニットのIMユニット&EGIユニット交換モード]
次に、図2、図37を参照して、EGIユニットにおけるIMユニット&EGIユニット交換モードの動作について説明する。図37は、EGIユニットにおけるIMユニット&EGIユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【0155】
IMユニット&EGIユニット交換モードにおいて、EGIユニットは、図6に示すステップS52でそのEEPROM10にIDコードが全く登録されておらず、或いはステップS54でEGIユニット9のEEPROM10にRGフラグがセットされており、IMユニット4からコマンドADXとCWとIDコードとレジスタコマンドRGを受信したときにIMユニット&EGIユニット交換モードに移行する。
【0156】
図2、図37に示すように、図6に示すステップS84又はステップS98において、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドADXとCWとIDコードとコマンドRGを受信すると、ステップS1602に進む。ステップS1602では、EGIユニット9のEEPROM10にRGフラグをセットする。RGフラグは、IMユニット&EGIユニット交換モードに移行したことを表す。ステップS1604では、IMユニット4から受信したCW、IDコードをEGIユニット9のRAM11に一時的に格納する。ステップS1606では、IMユニット4に対してコマンドSRを送信する。その後、ステップS1608では、EGIユニット9は、IMユニット4から送信される制御コマンドを待つ。ステップS1608で、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドADXとCWとIDコードとレジスタコマンドRGを受信すると、ステップS1612に進む。一方、ステップS1608で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS1610でYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、図6に示す共通動作フローチャートのステップS50から制御を開始する。
【0157】
ステップS1612では、ステップS1604で一時的に格納したCW、IDコードとステップS1608で受信したCW、IDコードとを照合する。ステップS1614でCW、IDコードが共に一致した場合(ステップS1614でYes)、ステップS1618に進み、いずれか一方又は共に不一致の場合(ステップS1614でNo)、ステップS1616に進んで、ステップS1608で受信したCW、IDコードをRAM11に一時的に格納して、ステップS1606にリターンする。
【0158】
ステップS1618ではCW、IDコードを2回照合し、2回ともCW、IDコードが共に一致した場合(ステップS1618でYes)、ステップS1620に進み、2回照合していない場合(ステップS1618でNo)、ステップS1616にリターンして、再度IMユニット4に対してコマンドSRを送信する。
【0159】
ステップS1620では、受信したCWを、EGIユニット9のEEPROM10に登録する。その後、ステップS1622でEGIユニット9のEEPROM10にCW、IDコードが確かに登録されたか判断し、確かに登録されている場合(ステップS1622でYes)、ステップS1624に進んで、IMユニット4にコマンドID storedを送信し、EGIユニット9におけるIMユニット&EGIユニット交換モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0160】
また、ステップS1622において、CW、IDコードの登録が失敗した場合(ステップS1622でNo)、ステップS1626に進み、故障コードX4をセットし、その後、EGIユニット9におけるIMユニット&EGIユニット交換モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【EGIユニット交換モード】
次に、図2、図38を参照して、EGIユニット交換モードの動作について説明する。図38は、EGIユニットにおけるEGIユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【0161】
EGIユニット交換モードにおいて、EGIユニットは、IMユニットに既に登録されたCWをEEPROM10に登録する。従って、IMユニットは、図14に示す通常動作モードで動作する。EGIユニットは、図6に示すステップS52でそのEEPROM10にIDコードが全く登録されておらず、図7に示す98で、IMユニット4からコマンドunlockとCWを受信したときにEGIユニット交換モードに移行する。
【0162】
図2、図38に示すように、図7に示すステップS98において、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドunlockとCWを受信すると、ステップS1702に進む。ステップS1702では、IMユニット4から受信したCWをEGIユニット9のRAM11に一時的に格納する。ステップS1704では、IMユニット4に対してコマンドSRを送信する。その後、ステップS1706では、EGIユニット9は、IMユニット4から送信される制御コマンドを待つ。ステップS1706で、EGIユニット9は、IMユニット4からコマンドunlockとCWを受信すると、ステップS1710に進む。一方、ステップS1706で、制御コマンドを受信しない状態が所定時間以上継続されるか、或いはIGスイッチ15がオフされると(ステップS1708でYes)、このフローチャートのスタート時点にリターンして、図6に示す共通動作フローチャートのステップS50から制御を開始する。
【0163】
ステップS1710では、ステップS1702で一時的に格納したCW、IDコードとステップS1706で受信したCW、IDコードとを照合する。ステップS1712で両CWが一致した場合(ステップS1712でYes)、ステップS1716に進み、不一致の場合(ステップS1712でNo)、ステップS1714に進んで、ステップS1706で受信したCWをRAM11に一時的に格納して、ステップS1704にリターンする。
【0164】
ステップS1716では、EGIユニット9がIMユニット4に対して2回コマンドSRを送信してCWを2回照合したか判断し、2回とも一致した場合(ステップS1716でYes)、ステップS1718に進み、2回照合していない場合(ステップS1716でNo)、ステップS1704にリターンして、再度IMユニット4に対してコマンドSRを送信する。
【0165】
ステップS1718では、受信したCWを、EGIユニット9のEEPROM10に登録する。その後、ステップS1720でEGIユニット9のEEPROM10にCWが確かに登録されたか判断し、確かに登録されている場合(ステップS1720でYes)、ステップS1722に進んで、IMユニット4にコマンドconfirm unlockを送信し、EGIユニット9におけるEGIユニット交換モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0166】
また、ステップS1720において、CWの登録が失敗した場合(ステップS1720でNo)、ステップS1724に進み、故障コードX4をセットし、その後、EGIユニット9におけるEGIユニット交換モードを終了して、図6に示すフローチャートのスタート時点にリターンして、ステップS50から制御を開始する。
【0167】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0168】
例えば、本実施形態の盗難防止装置はIMユニットとEGIユニットとの両方の装置で実現するものであるが、いずれか一方の装置で処理を行うようにしたシステムを構築してもよい。
【0169】
例えば、IDコード、CWの照合や、各制御モードにおけるIGスイッチ操作やインジケータ点滅タイミング等は任意に設定できるものであることは言うまでもない。
【0170】
また、従来では、図41に示すように、コイルアンテナ2とアンプ3とは、リード線18により接続され、アンプ3とコネクタ17とは、リード線19により接続されていたものを、図40に示すように、アンプ3のみ廃止してコイルアンテナ2とコネクタ17とをリード線20により接続することにより、断線や接続不良等のリード線に起因する故障を少なくできる。また、図40に示すリード線20を太くすると、更に強度を高めることができる。
【0171】
また、図39に示すように、リード線18、19及びアンプ3を廃止して、コイルアンテナ2とコネクタ17とを一体成形することにより、コストダウンを図ることができる。
【0172】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コード照合部は、所定条件が成立した場合、スリープ状態に移行すると共に、イグニッション電源がオンされると該スリープ状態から復帰するスリープモードを有し、イグニッション電源のオフ状態において、コード照合部とエンジン制御部とを接続する通信ラインが通信可能となると、コード照合部をスリープ状態から復帰させることにより、イモビライザユニットに接続されるイグニッション電源ラインの断線やコネクタの嵌合不良等が発生しても、EGIユニット間の通信が不能とならず、IDコード等の判定機能が正常に動作して、正規のIDコードを用いた場合にエンジン始動が可能となる。
【0173】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく実施形態の車両用盗難防止装置全体を示す模式図である。
【図2】本発明に基づく実施形態の車両用盗難防止装置のシステムブロック図である。
【図3】トランスポンダ、IMユニット、EGIユニットとの間での各種データの授受形態を説明する図である。
【図4】本実施形態の車両用盗難防止装置のシステム全体の動作を示すフローチャートである。
【図5】IMユニットの各制御モードに共通する動作を示すフローチャートである。
【図6】EGIユニットの各制御モードに共通する動作を示すフローチャートである。
【図7】EGIユニットの各制御モードに共通する動作を示すフローチャートである。
【図8】EGIユニットの各制御モードに共通する動作を示すフローチャートである。
【図9】インジケータの点滅タイミングを示すフローチャートである。
【図10】IMユニットのスリープモードにおける第1の故障対策として、IMユニット、IGスイッチ、通信ライン、インジケータの各動作を示すタイミングチャートである。
【図11】IMユニットのスリープモードにおける第2の故障対策として、IMユニット、IGスイッチ、通信ライン、インジケータの各動作を示すタイミングチャートである。
【図12】IMユニットのスリープモードにおける第3の故障対策として、IMユニット、IGスイッチ、通信ライン、インジケータの各動作を示すタイミングチャートである。
【図13】車両が走行中であるか否かの判断処理を示すフローチャートである。
【図14】IMユニットの通常動作モードを示すフローチャートである。
【図15】EGIユニットの通常動作モードを示すフローチャートである。
【図16】通常動作モードにおけるIGスイッチの操作、及びIMユニット、EGIユニットの動作を示すタイミングチャートである。
【図17】IMユニット4が検出するTP、コイルアンテナ、IMユニットの各故障モードを示す図である。
【図18】EGIユニット9に関する故障モードと故障コードとの関係を示す図である。
【図19】IMユニットの2キーエントリモードを示すフローチャートである。
【図20】IMユニットの2キーエントリモードを示すフローチャートである。
【図21】IMユニットのCWエントリモードを示すフローチャートである。
【図22】IMユニットのCWエントリモードを示すフローチャートである。
【図23】CWエントリ操作中のIGスイッチ操作とインジケータの点滅タイミングを示すタイミングチャートである。
【図24】CWを入力するためのインジケータの点滅タイミングとイグニッションスイッチのオン/オフタイミングを示すタイミングチャートである。
【図25】IMユニットのコード追加モードの動作を示すフローチャートである。
【図26】EGIユニットのコード追加モードの動作を示すフローチャートである。
【図27】EGIユニットのコード追加モードの動作を示すフローチャートである。
【図28】IMユニットのIMユニット交換の動作を示すフローチャートである。
【図29】EGIユニットのIMユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【図30】EGIユニットのIMユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【図31】IMユニットにおけるIMユニット&EGIユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【図32】IMユニットにおけるIMユニット&EGIユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【図33】第2実施形態のIDコード数の報知動作を示すフローチャートである。
【図34】第2実施形態のIDコード数の報知動作を示すフローチャートである。
【図35】IDコード数を報知するためのインジケータの点滅タイミングとイグニッションスイッチのオン/オフタイミングを示すタイミングチャートである。
【図36】第2実施形態のIDコード数を報知するためのインジケータの点滅タイミングとイグニッションスイッチのオン/オフタイミングを示すタイミングチャートである。
【図37】EGIユニットにおけるIMユニット&EGIユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【図38】EGIユニットにおけるEGIユニット交換モードの動作を示すフローチャートである。
【図39】図41の構成でプリアンプを廃止し、コイルアンテナとコネクタを一体的に構成した変形例を示す図である。
【図40】図41の構成でプリアンプを廃止した変形例を示す図である。
【図41】従来のコイルアンテナとプリアンプとの構成を示す図である。
【符号の説明】
1…トランスポンダ
2…イグニッションコイルアンテナ
3…アンプ
4…イモビライザユニット
5…イモビライザユニットのEEPROM
6…イモビライザユニットのRAM
7…イモビライザユニットのタイマ
8…イモビライザユニットのCPU
9…EGIユニット
10…EGIユニットのEEPROM
11…EGIユニットのRAM
12…EGIユニットのタイマ
13…EGIユニットのCPU
14…バッテリ電源
15…イグニッションスイッチ電源
Claims (10)
- 送信機を備えるキーに固有の暗号コードを記憶し、該キーから読み込んだ該暗号コードを照合して一致した場合に、エンジン作動を許可するコマンドをエンジン制御部に送信するコード照合部を有し、該エンジン制御部では該コマンドに従ってエンジンを作動させる車両用盗難防止装置において、
前記コード照合部は、所定条件が成立した場合、スリープ状態に移行すると共に、イグニッション電源がオンされると該スリープ状態から復帰するスリープモードを有し、
前記イグニッション電源のオフ状態において、前記コード照合部と前記エンジン制御部とを接続する通信ラインが通信可能となると、前記コード照合部を前記スリープ状態から復帰させることを特徴とする車両用盗難防止装置。 - 前記イグニッション電源がオンされた後、所定時間経過しても前記通信ラインが通信可能とならない場合、報知する報知手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の車両用盗難防止装置。
- 前記報知手段は、前記イグニッション電源がオフされると報知を終了することを特徴とする請求項2に記載の車両用盗難防止装置。
- 前記報知手段は、前記イグニッション電源がオンされた後、所定時間経過しても前記通信ラインが通信可能とならない場合、次に通信ラインが通信可能となった時点で報知を開始することを特徴とする請求項2に記載の車両用盗難防止装置。
- 前記通信ラインが通信可能となった後、所定時間経過しても前記イグニッション電源がオンされない場合、報知する報知手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の車両用盗難防止装置。
- 送信機を備えるキーに固有の暗号コードを記憶し、該キーから読み込んだ該暗号コードを照合して一致した場合に、エンジン作動を許可するコマンドをエンジン制御部に送信するコード照合部を有し、該エンジン制御部では該コマンドに従ってエンジンを作動させる車両用盗難防止装置の制御方法であって、
前記コード照合部は、所定条件が成立した場合、スリープ状態に移行すると共に、イグニッション電源がオンされると該スリープ状態から復帰するスリープモードを有し、
前記イグニッション電源のオフ状態において、前記コード照合部と前記エンジン制御部とを接続する通信ラインが通信可能となると、前記コード照合部を前記スリープ状態から復帰させることを特徴とする車両用盗難防止装置の制御方法。 - 前記イグニッション電源がオンされた後、所定時間経過しても前記通信ラインが通信可能とならない場合、報知することを特徴とする請求項6に記載の車両用盗難防止装置の制御方法。
- 前記報知は、前記イグニッション電源がオフされると終了することを特徴とする請求項7に記載の車両用盗難防止装置の制御方法。
- 前記報知は、前記イグニッション電源がオンされた後、所定時間経過しても前記通信ラインが通信可能とならない場合、次に通信ラインが通信可能となった時点で報知を開始することを特徴とする請求項7に記載の車両用盗難防止装置の制御方法。
- 前記通信ラインが通信可能となった後、所定時間経過しても前記イグニッション電源がオンされない場合、報知することを特徴とする請求項6に記載の車両用盗難防止装置の制御方法。
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