JP3562407B2 - 記録媒体装填装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は記録媒体装填装置に係り、特に外部からの衝撃にも耐えられるように耐衝撃性を高めるよう構成した記録媒体装填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、パーソナルコンピュータあるいはワードプロセッサ等の電子装置では、情報を記録または再生する手段として磁気ディスク装置(記録媒体記録再生装置)を装備している。そして、磁気ディスク装置としては、例えば特開平8−55402号公報にみられるように、記録媒体としてのディスクカートリッジが装着されると、ディスクカートリッジ内に収容された磁気ディスクが回転駆動されると共に、磁気ヘッドが磁気ディスクに摺接して磁気記録再生を行うよう構成されたものがある。
【0003】
また、上記磁気ディスク装置は、ディスクカートリッジを装填位置(磁気ディスクに対し記録再生処理が行われる位置)と挿入・イジェクト位置(ディスクホルダに対しディスクカートリッジが挿入またはイジェクトされる位置)との間で移動させる記録媒体装填装置を有している。
この記録媒体装填装置は、ディスクカートリッジが挿入される挿入・イジェクト位置またはディスクカートリッジが記録再生可能な装填位置に移動可能に設けられたディスクホルダと、ディスクカートリッジの挿入操作により摺動動作を行ってディスクホルダを挿入・イジェクト位置から装填位置へ移動させるスライダーと、ディスクホルダが挿入・イジェクト位置にある時にスライダーを係止すると共にディスクカートリッジの挿入操作によりスライダーの係止を解除するラッチレバー等を有した構成とされている。
【0004】
上記構成とされた記録媒体装填装置において、ディスクカートリッジが挿入されると、ラッチレバーがディスクカートリッジの端部に押圧されて回動し、これに伴いラッチレバーによるスライダーの係止が解除される。これにより、スライダーはコイルバネのバネ力で移動し、これに伴ってディスクホルダは装填位置に向けて移動する。よって、ディスクホルダに収納されたディスクカートリッジは装填位置に移動され、ディスクカートリッジ内の磁気ディスクはターンテーブル上にチャッキングされる。
【0005】
また、上記のように構成された従来の記録媒体装填装置では、装置の薄型化及び小型化、軽量化が進められており、これに伴って前述したディスクホルダやスライダーに使用される板金の板厚も薄くなっている。そのため、ディスクホルダやスライダの機械的強度が必要最小限に抑えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図21は従来の記録媒体装填装置の落下テストを行った場合の変形状態を説明するための正面断面図である。
図21に示されるように、従来の記録媒体装填装置では、装置の薄型化及び小型化、軽量化に伴ってディスクホルダ1を形成する板金も薄くなっており、しかもディスクホルダ1が平板状のディスクカートリッジ(図示せず)を両側から抱えるように構成されているので、平面部1aの中間部分が長く、且つ両側面がスライダ2の側板2aにより支持されている。
【0007】
そして、スライダー2は、両側より突出する突出片2bがフレーム3の摺動部3aを摺動可能に当接しており、ディスクカートリッジの挿入操作及びイジェクト操作に連動して摺動するように設けられている。
このように構成された従来の記録媒体装填装置の落下テスト(装置を1m程度の高さから落下させる)を行うと、ディスクホルダ1にディスクカートリッジが挿入されている状態では、ディスクカートリッジが内部からディスクホルダ1を支えているが、ディスクカートリッジがディスクホルダ1に挿入されていない状態では、フレーム3の摺動部3aに当接するスライダー2の突出片2bが図中破線で示すように変形してディスクホルダ1及びスライダー2の平面部の中間部分が衝撃荷重により下方に撓むおそれがあった。
【0008】
さらに、ディスクホルダが挿入・イジェクト位置にあるとき、ディスクホルダの平面部には、ロード圧を確保するためのトーションバネに附勢されたヘッドキャリッジのアッパーアームが当接しており、アッパーアームに支持された上側磁気ヘッドはディスクホルダが装填位置に降下するのに伴ってディスクカートリッジ内の磁気ディスクに摺接する。
【0009】
そのため、ディスクホルダの平面部が撓んでしまうと、ヘッドキャリッジのアッパーアームのロード位置が変動してしまい、ひいては磁気ヘッドのロード位置を正規の位置に保持できなくなるばかりかディスクカートリッジが挿入される過程で上側磁気ヘッドがディスクカートリッジに接触して破損してしまうおそれもある。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決した記録媒体装填装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有する。
上記請求項1記載の発明は、ディスク状記録媒体が収納されたディスクカートリッジが挿入されるディスクホルダと、該ディスクカートリッジの挿入動作に連動して摺動し前記ディスクホルダをカートリッジ挿入・イジェクト位置からカートリッジ装填位置に移動させるスライダーと、該スライダーを摺動可能に支持するフレームとを有する記録媒体装填装置において、
前記ディスクホルダが前記カートリッジ挿入・イジェクト位置にあるとき、前記ディスクホルダの平面部を支持するように前記フレームの平面部と前記ディスクホルダの平面部との間に介在し、前記ディスクホルダに前記ディスクカートリッジが挿入される過程で前記ディスクホルダの平面部の支持を解除する変形防止機構を備えており、
前記変形防止機構は、
前記ディスクカートリッジの挿入方向に対し直交する方向に延在し、前記ディスクホルダの平面部に支持される回動軸と、
前記ディスクホルダ内に挿入された前記ディスクカートリッジに押圧される被押圧部と、
該被押圧部と一体に形成され、前記回動軸の半径方向に延在形成された支持脚と、
を有するものである。
【0012】
従って、請求項1記載の発明によれば、変形防止部材が、ディスクカートリッジの挿入方向に対し直交する方向に延在し、ディスクホルダの平面部に支持される回動軸と、ディスクホルダ内に挿入されたディスクカートリッジに押圧される被押圧部と、被押圧部と一体に形成され、フレームの平面部に近接するように回動軸の半径方向に延在形成された支持脚と、を有するため、ディスクホルダにディスクカートリッジが挿入されない状態で装置が落下されても、ディスクホルダ及びスライダーが落下時の衝撃により変形することが防止される。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の記録媒体装填装置であって、
被押圧部は、ディスクホルダが前記カートリッジ挿入・イジェクト位置にあるとき、ディスクホルダの平面部に形成された開口から前記ディスクホルダ内に回動し、ディスクカートリッジが前記ディスクホルダ内に挿入される際、ディスクカートリッジに押圧されてディスクホルダの平面部の開口に収納される方向に回動することを特徴とするものである。
【0014】
従って、請求項2記載の発明によれば、被押圧部が、ディスクホルダがカートリッジ挿入・イジェクト位置にあるとき、ディスクホルダの平面部に形成された開口からディスクホルダ内に横架されるように回動し、ディスクカートリッジがディスクホルダ内に挿入される際、ディスクカートリッジに押圧されてディスクホルダの平面部の開口に収納される方向に回動するため、比較的簡単な構成によりディスクホルダ及びスライダーが落下時の衝撃により変形することを防止できる。
【0015】
さらに、ディスクホルダにディスクカートリッジを挿入する際は、附勢部材の附勢力に抗して変形防止部材を押圧するため、ディスクカートリッジの挿入速度を減速させて挿入動作を緩衝することができると共に、イジェクト操作時には変形防止部材がディスクカートリッジを押圧しているのでイジェクト動作を緩衝することができ、ディスクカートリッジの挿入・イジェクトをスムーズに行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1乃至図3は本発明の一実施例である記録媒体装填装置10の分解斜視図、平面図、側面図、及び斜視図である。また、図4は記録媒体装填装置10に装填されるディスクカートリッジ20を示す図であり、(A)はディスクカートリッジ20の斜視図、(B)はディスクカートリッジ20の底面図である。また、図5はディスクカートリッジが挿入される前の状態を示す磁気ディスク装置の平面図である。また、図6ディスクカートリッジが挿入された状態を示す磁気ディスク装置の平面図である。尚、図5、図6ではカバー部材15を外した状態の内部構成を示している。
【0017】
本実施例に係る記録媒体装填装置10は、例えば磁気ディスク装置11(図5及び図6参照)等のディスク装置に設けられるものである。この記録媒体装填装置10は、大略するとディスクホルダ12、スライダー13、カバー部材15、シャッター開閉機構16、及び後述するダンパー機構17、ホルダロック機構40、ホルダ・スライダ変形防止機構42、カートリッジ飛び出し防止部材44等により構成されている。
【0018】
この記録媒体装填装置10は、ディスクカートリッジ20が挿入されるディスクホルダ12と、図中矢印X1,X2方向に移動してディスクホルダ12を昇降(図中矢印Z1,Z2方向に移動)させるスライダー13とが重ね合わされた状態でフレーム14上に取り付けられることにより、磁気ディスク装置11に装着される。また、フレーム14の上部には、カバーとして機能するカバー部材15が取り付けられる。スライダー13は、ディスクホルダ12の上方に位置し、カバー部材15の下方で矢印X1,X2方向に摺動可能に取り付けられている。
【0019】
ディスクカートリッジ20は、図4(A)(B)に示すように、内部に記録媒体となる磁気ディスク21が装着されており、右側の下面にはカートリッジ飛び出し防止部材44により係止される凹部20aが設けられている。さらに、ディスクカートリッジ20の下面には、装填位置を規制するための係合凹部20bが設けられている。
【0020】
また、ディスクカートリッジ20は、ディスクホルダー12への挿入方向前方(図中、矢印X2方向前方)にはシャッター23が配設されている。このシャッター23は図中矢印Y1,Y2方向に移動する構成とされている。
シャッター23にはシャッター開口24が形成されており、閉じられた状態においてディスクカートリッジ20に設けられた開口22(図4(A)(B)中、破線で示す)を塞ぐよう構成されている。また、ディスクカートリッジ20がディスクホルダ12に挿入されることにより、シャッター23は後述するシャッター開閉機構16により開かれる構成とされている。このシャッター23が開かれた状態において、シャッター開口24と開口22とは一致し、よって磁気ディスク21はシャッター開口24及び開口22を介して露出され記録再生処理が可能な状態となる。
【0021】
以下、記録媒体装填装置10を構成する各構成要素について詳述する。
ディスクホルダ12は、大略すると平面部12aと、この平面部12aの両側からディスクカートリッジ20を抱え込むように折曲されたカートリッジガイド部12b,12cとから構成されている。従って、平面部12aと両側のカートリッジガイド部12b,12cに囲まれた空間がディスクカートリッジ20が挿入されるカートリッジ挿入部となる。
【0022】
また、ディスクホルダ12の平面部12aには、ヘッドキャリッジ18が移動するため開口12d,12pが設けられている。また、平面部12aの開口部12dの矢印X1方向側の位置には、若干量突出した段部12sが形成されており、この段部12sの略中央位置には軸部12gが立設されている。更に、段部12sの軸部12gを中心として両側部には、溝部12k,12lが形成されている。尚、軸部12gには、後述するシャッター開閉機構16を構成するシャッターアーム27が配設される。
【0023】
一方、平面部12aの図中右肩部(平面部12aの図中矢印X2方向で、かつ矢印Y2方向の端部)には軸部12mが立設されている。また、この軸部12mの近傍位置にはリブ12uが立設されると共に、切り欠き部12q,12rが形成されている。尚、軸部12mには、後述するシャッター開閉機構16を構成するラッチレバー32が配設される。
【0024】
更に、カートリッジガイド部12b,12cの側面部には、外側に向け突出した係合ピン12eとガイド部12fが形成されている。この係合ピン12eは、後述するようにスライダー13に形成されている傾斜溝13dと係合する。また、ガイド部12fはフレーム14に上下方向(図中矢印Z1,Z2方向)に形成された案内溝(図示せず)に摺動自在に係合される。このようにガイド部12fがフレーム14に形成された案内身溝と係合することにより、ディスクホルダ12は上下方向(図中矢印Z1,Z2方向)へのみ移動する構成となっている。
【0025】
また、カートリッジガイド部12cの略中央位置には凹部12tが形成されており、この凹部12tには誤挿入防止用バネ33が配設される。この誤挿入防止用バネ33の先端部は、凹部12tからディスクホルダ12の内部に突出するよう構成されており、ディスクカートリッジ20が適正にディスクホルダ12に挿入された際、ディスクカートリッジ20に形成されている誤挿入防止部26(テーパ部)と係合するよう構成されている。
【0026】
よって、ディスクカートリッジ20が適正にディスクホルダ12に挿入された場合は、テーパ状の誤挿入防止部26により誤挿入防止用バネ33は変位しディスクホルダ12の挿入を許容するが、不適正に挿入された場合にはディスクカートリッジ20は誤挿入防止用バネ33に当接し、その挿入を阻止される構成となっている。
【0027】
スライダー13は、大略するとディスクホルダ12の上方で図中矢印X1,X2方向に移動(スライド)する平板部13aと、この平板部13aの両側より下方に折曲された側面13b,13cとにより構成されている。平板部13aの略中央位置には中央開口13fが形成されており、その内部に延出した延出部13nにはダンパー用連結ピン13mが立設されている。また、平板部13aの両側部(図中矢印Y1,Y2方向側の側部)には、フレーム14の両側面14a,14b(図5参照)の上端に当接する当接部13eが形成されている。
【0028】
また、スライダー13の図中右肩部(平板部13aの図中矢印X2方向で、かつ矢印Y2方向の端部)には、L字状溝13kが形成されることにより、カム部31が形成されている。このカム部31は、図中矢印Y1,Y2方向に延在する第1の辺部31aと、図中矢印X1,X2方向に延在する第2の辺部31bとを有している。
【0029】
また、スライダー13の側面13b,13cには、ディスクホルダ12に配設された係合ピン12eと係合する傾斜溝13dが形成されている。また、前記したように、ディスクホルダ12は上下方向(図中矢印Z1,Z2方向)にのみ移動を許容されている。よって、スライダー13が図中矢印X1,X2方向に移動することにより、ディスクホルダ12はスライダー13に対し昇降動作する。
【0030】
具体的には、スライダー13が図中矢印X1方向に移動することによりディスクホルダ12は装填位置(磁気ディスク21に対し記録再生処理が行われる位置)に向け下降(図中矢印Z2方向に移動)し、スライダー13が図中矢印X2方向に移動することによりディスクホルダ12は排出位置(ディスクホルダ12に対しディスクカートリッジ20が挿入脱される位置)に向け上昇(図中矢印Z1方向に移動)する。
【0031】
また、スライダー13の平板部13aには、スライダー13を図中矢印X1方向に付勢するコイルバネ29,30が装架される開口13g,13hが設けられている(開口13gは中央開口13fと一体化している)。この開口13g,13hは矢印X1,X2方向に延在するよう形成されており、矢印X2方向の端部にコイルバネ29,30の一端が掛止される掛止部13i,13jが突出形成されている。
【0032】
また、コイルバネ29,30の他端は、ディスクホルダ12の平面部12aに突出形成された掛止部12i,12jに掛止されている。このため、スライダー13は、コイルバネ29,30のバネ力により常に矢印X1方向に付勢された構成となっている。
尚、フレーム14には磁気ディスク21をクランプするターンテーブル(図示せず)と、磁気ヘッド19(図5及び図6参照)を支持するヘッドキャリッジ18が図中矢印X1,X2方向に移動可能に取り付けられている。また、フレーム14の背面には、ヘッドキャリッジ18を駆動するモータが配設されると共に、ターンテーブル及びこれを回転駆動するディスクモータが搭載された回路基板(図に現れず)が取り付けられる。
【0033】
カバー部材15は、両側面14a,14bに固定されてフレーム14上に配設される(スライダー13の移動は許容する構成となっている)。即ち、カバー部材15はフレーム14に配設された状態において、スライダー13と対向した構成となる。このカバー部材15の背面には、後述するダンパー機構16が配設される。
【0034】
また、カバー部材15の側面には凹部15cが形成されており、スライダー13の側面13cに立設形成された上方延出部13lはこの凹部15cを介してカバー部材15の上部に突出するよう形成されている。そして、この上方延出部13lのカバー部材15の上部に突出した部位には、イジェクト釦34が配設されている。
【0035】
従って、カバー部材15上でイジェクト釦34を操作することが可能となり、ディスクホルダ12が装填位置にある時にイジェクト釦34を図中矢印X2方向に移動操作することにより、スライダー13は矢印X2方向に移動し、よってディスクホルダ12を排出位置に移動させること(イジェクト動作)ができる。
シャッター開閉機構16は、前記したディスクホルダ12とスライダー13との間に配設されている。このシャッター開閉機構16は、大略するとディスクホルダ12,スライダー13,シャッターアーム27,及びラッチレバー32等により構成されている。
【0036】
シャッターアーム27は略への字状とされた板状アームであり、ディスクホルダ12にディスクカートリッジ20を挿入することにより回動し、ディスクカートリッジ20に設けられているシャッター23を開く機能を奏するものである。このシャッターアーム27は、大略すると軸孔27a、下方延出部27b,27c、掛止部27d、ラッチ連結ピン27e,及び係合爪27f等を有した構成とされている。
【0037】
軸孔27aはディスクホルダ12に配設された軸部12gに挿入され、これによりシャッターアーム27は軸部12gを中心として回動可能な構成となる。また、下方延出部27b,27cは、ディスクホルダ12に形成された溝部12k,12lに挿入されることにより段部12sと係合する構成となっている。この下方延出部27b,27cが段部12sと係合することにより、シャッターアーム27がディスクホルダ12から離脱するのを防止している。
【0038】
また、掛止部27dにはコイルバネ28の一端部が掛止されており、またコイルバネ28の他端部はディスクホルダ12に形成された掛止部12Hに掛止されている。このコイルバネ28は、シャッターアーム27を常に図5及び図6に矢印A2で示す方向(時計方向)に回動付勢している。
また、係合爪27fは下方(矢印Z2方向)に向け所定量突出した形状を有しており、ディスクホルダ12にディスクカートリッジ20が挿入された際、シャッター23の端部に形成されたシャッター係合部25(図4(A)(B)参照)と係合する構成とされている。
【0039】
更に、係合爪27fの形成位置より所定量X1方向にずれた位置には、ラッチ連結ピン27eが植設されている。このラッチ連結ピン27eは下方(矢印Z2方向)に向け所定量突出しており、後述するラッチレバー32と連結される構成となっている。
続いて、ラッチレバー32について説明する。本実施例では、ラッチレバー32はシャッターアーム27と別体とされている。このラッチレバー32は、ディスクホルダ12が排出位置にある時にスライダー13の移動をロックすると共に、ディスクカートリッジ20の挿入に伴いスライダー13のロックを解除し、ディスクホルダ12を装填位置に移動させる機能を奏するものである。
【0040】
ラッチレバー32は略U字状を有した板状レバーであり、大略すると軸孔32a,第1のレバー部32b,第2のレバー部32c,U字状溝32d,及び掛止部32f等を有した構成とされている。
軸孔32aはディスクホルダ12に配設された軸部12mに挿入され、これによりラッチレバー32は軸部12mを中心として回動可能な構成となる。また、軸孔32aの外周位置には切り欠き32g(図5参照)が形成されており、この切り欠き32gにはディスクホルダ12に形成されたリブ12uが挿通される構成とされている。
【0041】
この切り欠き32gは、ラッチレバー32がその機能を奏する回動範囲においてはリブ12uの形成位置と一致しないよう構成されている。よって、リブ12uがラッチレバー32の軸部12mの外周部分と係合することにより、ラッチレバー32がディスクホルダ12から離脱するのを防止している。
第1のレバー部32bは、前記したシャッターアーム27の下部に位置しており、またその先端部は二股状に分かれることによりU字状溝32dを形成している。このU字状溝32dはシャッターアーム27に形成されたラッチ連結ピン27eと係合しており、よってU字状溝32dとラッチ連結ピン27eが係合することにより、シャッターアーム27とラッチレバー32とは連結された構成となっている。
【0042】
従って、シャッターアーム27が図中矢印A1方向に回動することによりラッチレバー32は図中矢印B1方向に回動し、またシャッターアーム27が図中矢印A2方向に回動することによりラッチレバー32は図中矢印B2方向に回動する。即ち、シャッターアーム27とラッチレバー32とを連結することにより、シャッターアーム27の回動と、ラッチレバー32の回動とを同調(同期)させることが可能となる。
【0043】
尚、シャッターアーム27とラッチレバー32との連結位置の上部には、ディスクホルダ12に形成された舌片状部12nが位置するよう構成されており、この舌片状部12nによりラッチ連結ピン27eがU字状溝32dから離脱することを防止している。
一方、第2のレバー部32cには、矩形溝32e及び係止部32fが設けられている。矩形溝32eは第2のレバー部32cの略中央位置を貫通するよう形成されている。よって、第2のレバー部32cの矩形溝32eが形成された位置は、他の部位に比べて弾性変形し易い弾性変形部として機能する。
【0044】
また、係止部32fは、第2のレバー部32cの端部に起立するよう形成されると共に、その先端部に折り曲げ部32hを有した構成とされている。この係止部32fは上方(図中矢印Z1方向)に延出することにより、スライダー13に形成されたカム部31と係合するよう構成されている。
続いて、上記構成とされたシャッター開閉機構16において、ディスクカートリッジ20が装填される時の動作について説明する。
【0045】
図5及び図7、図9(B)は、ディスクホルダ12がカートリッジ挿入・イジェクト位置にある状態(以下、この状態を排出状態という)を示している。この状態では、コイルバネ28に付勢されることにより、シャッターアーム27は図示される矢印A2方向限位置に移動しており、またラッチレバー32は図示される矢印B2方向限位置に移動した状態となっている。また、排出状態では、ラッチレバー32に設けられた係止部32fはカム部31の第1の辺部31aと係合しており、よってスライダー13の矢印X1方向への移動はロックされている。
【0046】
上記の排出状態において、ディスクホルダ12にディスクカートリッジ20が図中矢印X2方向に装填されると、先ず図7に示されるように、ディスクカートリッジ20のシャッター23(シャッター係合部25)はシャッターアーム27の係止爪27fと係合する。
この状態より更にディスクカートリッジ20を矢印X2方向に挿入すると、この挿入力によりシャッターアーム27はコイルバネ28の付勢力に抗して、図中矢印A1方向に回動を開始する。また、前記のようにラッチレバー32は、ラッチ連結ピン27eを介してシャッターアーム27に連結されているため、シャッターアーム27が矢印A1方向に回動することにより、ラッチレバー32は図中矢印B1方向に回動を開始する。
【0047】
このように、ディスクカートリッジ20の挿入に伴いシャッターアーム27が回動することにより、ディスクカートリッジ20に設けられているシャッター23は開方向(矢印Y1方向)に移動を開始し、またラッチレバー32が矢印B1方向に回動することにより、係止部32fは第1の辺部31a上を矢印B1方向に摺動する(図9(B)参照)。
【0048】
図6及び図8は、ディスクホルダ12に対しディスクカートリッジ20が完全に挿入された状態(以下、この状態をディスクカートリッジ挿入状態という)を示している。このディスクカートリッジ挿入状態では、ディスクカートリッジ20に設けられているシャッター23はシャッターアーム27により完全に開かれた状態となっている。また、ラッチレバー32に設けられた係止部32fは、カム部31の第1の辺部31aと第2の辺部31bとの境界位置(図9(A)(B)に符合31cで示す位置)に位置している。
【0049】
第2の辺部31bは図中矢印X1,X2方向に延在しており、かつカム部31が形成されたスライダー13はコイルバネ29,30により図中矢印X1方向に付勢されている。よって、係止部32fが第2の辺部31bと係合することにより、ラッチレバー32によるスライダー13のロックは解除され、スライダー13は図中矢印X1方向に移動する。
【0050】
また、スライダー13の側部には傾斜溝13dが形成されており、この傾斜溝13dにはディスクホルダ12の係合ピン12eが係合している。従って、スライダー13が矢印X1方向に移動することにより、ディスクホルダ12は下動(図中、矢印Z2方向に移動)し、ディスクカートリッジ20を磁気ディスク装置11内の所定装填位置に移動させる。
【0051】
この装填完了状態において、シャッター23が開かれることにより開口22から露出した磁気ディスク21に磁気ヘッド19は摺接し、磁気ディスク21に対し記録再生処理が行われる。
上記のように、本実施例のシャッター開閉機構16では、シャッターアーム27とラッチレバー32がラッチ連結ピン27により連結されている。このため、シャッターアーム27とラッチレバー32とを別体とした構成としても、シャッター23が完全に開かれるタイミングと、スライダー13のロック(係止)が解除されるタイミング(ホルダが下降するタイミング)を同調(同期)させることが可能となる。
【0052】
即ち、シャッターアーム27によりシャッター23が完全に開かれた後に、スライダー13のロックを解除しディスクホルダ12の下動を開始させることができる。よって、シャッター23が完全に開く前にディスクホルダ12が移動してしまうことはなく、磁気ヘッド19がシャッターに当接し破損することを確実に防止することができる。
【0053】
図8及び図9(A)はカートリッジ挿入状態を示しているが、ディスクカートリッジ20がディスクホルダ12に勢い良く挿入された場合でも、本実施例の構成では係止爪27fはシャッター23を開く方向に移動し、シャッター23から離間することはない。
よって、ディスクカートリッジ20をディスクホルダ12に勢い良く挿入しても、シャッター23とシャッターアーム27との係合を確実に維持することができる。よって、従来発生していたシャッターアーム27がシャッター23から離脱することにより磁気ヘッド19がシャッター23に挟まれることを確実に防止することができる。
【0054】
尚、装填位置にあるディスクホルダ12をカートリッジ挿入・イジェクト位置に移動させるには、前記したイジェクト釦34を図中矢印X2方向に操作することにより行われる。このイジェクト釦34の操作による各構成要素の動作は、上記した装填時における動作と逆の動作となるため、その説明は省略する。
次に、ラッチレバー32に設けられている係止部32fに注目し、以下説明する。
【0055】
前記したように、係止部32fはラッチレバー32の第2のレバー部32cの先端部に起立するよう形成されている。また、第2のレバー部32cには矩形溝32eが形成されることにより、弾性変形可能な構成となっている。また、係止部32fの先端部には折り曲げ部32hが形成されており、この折り曲げ部32hは係止部32fがカム部31の第2の辺部31bと対向した状態(即ち、装填完了状態)においても、この第2の辺部31bと係合するよう構成されている。
【0056】
また、図9(A)(B)に示されるように、前述したラッチレバー32の回動に伴い、係止部32fはカム部31と係合しつつ、スライダー13に形成されたL字状溝13k内を移動する構成とされている。
前記したように、スライダー13はコイルバネ29,30により図中矢印X1方向に移動付勢されている。しかるに、ディスクホルダ12が排出位置にある状態では、係止部32fはカム部31の図中矢印Y1,Y2方向に延在する第1の辺部31aと係合するよう構成されている。また、係止部32fが形成されたラッチレバー32はディスクホルダ12に配設されている。よって、係止部32fがカム部31の第1の辺部31aと係合することにより、スライダー13の図中矢印X1方向の移動はロックされる(図9(B)を参照)。
【0057】
また、ラッチレバー32が図中矢印B1方向に回動すると、これに伴い係止部32fも矢印B1方向に移動する。そして、係止部32fがカム部31の図中矢印X1,X2方向に延在する第2の辺部31bと対向する位置まで移動すると、係止部32fによるスライダー13のロックは解除され、スライダー13は図中矢印X1方向の移動可能な状態となる(図9(A)を参照)。よって、スライダー13は、コイルバネ29,30に付勢されて図中矢印X1方向に移動する。 尚、図15(A)に示されるように、係止部32fが第2の辺部31bと対向した状態となっても、係止部32fの上端に形成された折り曲げ部32hは第2の辺部31bと係合した状態を維持するよう構成されている。
【0058】
ここで、ディスクホルダ12に設けられたホルダロック機構40について説明する。
図10はホルダロック機構40を拡大して示す斜視図である。また、図11(A)〜(E)はホルダロック部材50の構成を示す平面図、側面図、正面図、A−A断面図、B−B断面図である。また、図12はホルダロック部材50がフレーム14に係合した状態を示す図である。
【0059】
図10及び図11(A)〜(E)に示されるように、ホルダロック機構40は、外部からの衝撃が加えられたときディスクホルダ12の平面部12aが撓んで変形することを防止するために設けられている。
このホルダロック機構40は、ディスクホルダ12の平面部12aに取り付けられたホルダロック部材50と、ホルダロック部材50の端部が係合するフレーム14の側壁に形成された係合孔52とからなる。
【0060】
ホルダロック部材50は、L字状に形成されており、図中矢印X1,X2方向に延在する第1の延在部50aと、図中矢印Y1,Y2方向に延在する第2の延在部50bとを有する。第1の延在部50aの端部には、フレーム14の係合孔52に係合する係合端部50cが設けられ、第1の延在部50aには、ディスクホルダ12の平面部12aから切り起こされて図中矢印X1,X2方向に延在する一対の係合片54が係合する係合部50dが設けられている。
【0061】
尚、係合部50dは、図中矢印X1,X2方向に延在する長方形の孔50e内に横架されるように形成されており、係合片54との係合により摺動方向が規制されると共に、ディスクホルダ12の平面部12aに上下方向への移動ができないように保持される。また、係合端部50c及び係合部50dは、図11(D)(E)に示されるように、夫々断面形状がU字状またはV字状にプレス加工されており、強度が高められている。
【0062】
また、第2の延在部50bには、シャッターアーム27の先端部より突出する係合部41に係合する孔50fが設けられている。従って、ホルダロック部材50は、ディスクホルダ12にディスクカートリッジ20が挿入される過程でシャッターアーム27が回動するのに連動して図中矢印X1方向に摺動し、ディスクカートリッジ20のイジェクト動作に連動して図中矢印X2方向に摺動する。
【0063】
すなわち、ホルダロック部材50は、ディスクホルダ12にディスクカートリッジ20が挿入されていないとき、図中矢印X2方向に摺動して図12に示されるように係合端部50cをフレーム14の側壁に設けられた係合孔52に係合させる。
また、係合端部50cは、ディスクホルダ12の平面部12aから垂立した垂立部55の孔55aに貫通しており、ディスクホルダ12及びフレーム14の係合孔52に係合することによりディスクホルダ12をフレーム14に対して上下方向に動作しないようにロックする。
【0064】
これにより、ディスクカートリッジ20がディスクホルダ12に挿入されていない状態において、ディスクホルダ12の平面部12aは、ホルダロック部材50を介してフレーム14に結合されており、フレーム14の側壁にロックされることにより耐衝撃性がより高められている。従って、落下テストあるいは運搬中の落下等により外部から衝撃が加えられた場合でもディスクホルダ12の平面部12aが撓んで変形してしまうことが防止される。
【0065】
よって、記録媒体装填装置10は、例え外部から衝撃が加えられても、ディスクホルダ12の平面部12aが変形しないため、従来のようにヘッドキャリッジ18のアッパーアーム18aのロード位置が変動せず、磁気ヘッド19のロード位置を正規の位置に保持することができ、ディスクカートリッジ20が挿入される過程で磁気ヘッド19がディスクカートリッジ20に接触することが防止される。
【0066】
また、ホルダロック部材50は、ディスクホルダ12にディスクカートリッジ20が挿入されるのに伴って、図中矢印X1方向に摺動して係合端部50cが係合孔52から離間する。そのため、ディスクホルダ12は、ディスクカートリッジ20が挿入されると共に、ホルダロック部材50によるロックが解除されて、装填位置への下降動作が可能になる。
【0067】
次に、ディスクホルダ12に設けられたホルダ・スライダ変形防止機構42について説明する。
ホルダ・スライダ変形防止機構42は、図1に示されるようにディスクホルダ12の平面部12aに回動可能に支持されたホルダ・スライダ変形防止部材56と、ホルダ・スライダ変形防止部材56を垂直状態に保持するように附勢するトーションバネ(附勢手段)58とから構成されている。
【0068】
また、ホルダ・スライダ変形防止部材56は、ディスクカートリッジ20がディスクホルダ12に挿入されていないときは、図3及び図5に示されるように垂直状態に保持されており、ディスクホルダ12の平面部12a及びスライダー13の変形を防止している。そして、図6に示されるように、ディスクカートリッジ20がディスクホルダ12に挿入される過程で、ホルダ・スライダ変形防止部材56は、ディスクカートリッジ20の挿入側端部に押圧されて回動し、水平状態になってディスクカートリッジ20の挿入動作を妨げないように設けられている。
【0069】
図13(A)〜(C)はホルダ・スライダ変形防止機構42のホルダ・スライダ変形防止部材56の正面図、底面図、側面図である。また、図14はホルダ・スライダ変形防止部材56の支持機構を示す斜視図である。
図13(A)〜(C)に示されるように、ホルダ・スライダ変形防止部材56は、図中矢印Y1,Y2方向に延在する軸部56aと、軸部56aの両端付近で軸部56aの延在方向と直交する半径方向に延在する一対の支持脚56b,56cと、一対の支持脚56b,56c間に横架された梁56dと、軸部56aの両端より軸方向に突出し回動可能に支持される回動軸56e,56fとからなる。ホルダ・スライダ変形防止部材56は、ディスクホルダ12の平面部12aの中央に設けられた開口57に横架されるように取り付けられており、回動軸56e,56fが開口57の両側で切り起こされた支持部57a,57bにより回動可能に支持される。
【0070】
また、軸部56aの右端には、トーションバネ58が巻装されている。このトーションバネ58は、一端58aが開口57の周縁部より突出する掛止部57cに掛止され、他端58bが支持脚56cに形成された掛止溝56gに嵌合掛止される。
図14に示されるように、ホルダ・スライダ変形防止部材56は、トーションバネ58のバネ力により回動附勢されており、支持部57a,57bが垂下方向に延在する向きでディスクホルダ12の開口57に設けられたストッパ12vにより垂直状態に掛止される。従って、ホルダ・スライダ変形防止部材56は、ディスクカートリッジ20がディスクホルダ12に挿入されていないとき、ディスクホルダ12の内部に支持脚56b,56cが下方に延在してディスクホルダ12の一部に当接し、垂直状態に保持される。このとき、支持脚56b,56cの端部は、フレーム14の平板部14aに近接した状態となる。
【0071】
図15(A)(B)はディスクカートリッジ挿入前・イジェクト後の状態を示す側面図、ディスクカートリッジ挿入後の装填状態を示す側面図である。また、図16(A)(B)はディスクカートリッジ挿入前・イジェクト後の状態を示す正面断面図、ディスクカートリッジ挿入後の装填状態を示す正面断面図である。図15(A)及び図16(A)に示されるように、ディスクカートリッジ20が挿入されていない状態で上下方向の加速度(図中矢印Z1,Z2方向の衝撃)を受けると、支持脚56b,56cがフレーム14の平面部14aに当接し、ディスクホルダ12の平面部12a及びスライダー13を支持する。これにより、ディスクカートリッジ20が挿入されていない状態では、運搬中に落下されてもホルダ・スライダ変形防止部材56が落下の荷重を支えることができ、ホルダ・スライダ変形防止部材56によりディスクホルダ12の平面部12a及びスライダー13の耐衝撃性が向上している。
【0072】
よって、ディスクホルダ12の平面部12aは、外部からの衝撃荷重を受けてもホルダ・スライダ変形防止部材56により支持されて変形が防止される。その結果、記録媒体装填装置10は、例え外部から衝撃が加えられても、ディスクカートリッジ20をスムーズにディスクホルダ12に挿入することができる。
さらに、ホルダ・スライダ変形防止部材56の作用により、外部からの衝撃荷重を受けてディスクホルダ12の平面部12aが変形することが防止されるため、例えば互いに対向する上下側の磁気ヘッド19,19間の間隔が狭くなり、磁気ヘッド19,19同志が衝突して破損することが防止される。
【0073】
また、スライダー13は、両側に突出する突出部70を有しており、この突出部70がフレーム14の側壁14b,14cの上端に形成された摺動部72に摺動可能に当接されている。この突出部70は、上下方向の衝撃荷重が作用すると変形するおそれがある(図21を参照)。
しかしながら、ディスクカートリッジ20が挿入されていない状態では、ディスクホルダ12を介してホルダ・スライダ変形防止部材56が上下方向の衝撃荷重を支えることによりスライダー13の突出部70の変形が防止される。
【0074】
図15(B)及び図16(B)に示されるように、ディスクカートリッジ20がディスクホルダ12に挿入される際は、支持脚56b,56c及び梁56d(被押圧部)にディスクカートリッジ20の挿入側端部が当接すると共に、ホルダ・スライダ変形防止部材56が挿入方向に回動し、ディスクホルダ12の平面部12aとほぼ同じ高さで水平状態になる。そのため、ディスクカートリッジ20は、ホルダ・スライダ変形防止部材56を回動させながら挿入されることになる。
【0075】
従って、ディスクカートリッジ20がディスクホルダ12に挿入される際は、ホルダ・スライダ変形防止部材56を附勢するトーションバネ58のバネ力に抗してディスクカートリッジ20がホルダ・スライダ変形防止部材56を押圧して回動させる。
また、ディスクカートリッジ20をイジェクトする際は、ホルダ・スライダ変形防止部材56がディスクカートリッジ20の上面に当接して下方に押圧しているので、ディスクカートリッジ20のイジェクト動作が緩衝されてディスクカートリッジ20がイジェクト方向に飛び出すことが防止される。
【0076】
次にカートリッジ飛び出し防止機構44について説明する。
図15(B)及び図9(A)に示されるように、カートリッジ飛び出し防止部材44は、ディスクカートリッジ20の右側面後部に位置するようにディスクホルダ12に取り付けられている。そして、カートリッジ飛び出し防止部材44は、ディスクカートリッジ装填時はディスクカートリッジ20を係止してディスクカートリッジ20の飛び出しを防止する。
【0077】
また、図15(A)及び図9(B)に示されるように、カートリッジ飛び出し防止部材44は、ディスクカートリッジ挿入・イジェクト時はディスクカートリッジ20の挿入動作またはイジェクト動作を妨げないように係止解除位置に変位する。
図17(A)〜(C)はカートリッジ飛び出し防止部材44の構成を示す平面図、正面図、側面図である。
【0078】
図17(A)〜(C)に示されるように、カートリッジ飛び出し防止部材44は、ディスクホルダ12の平面部12aに固定される固定部44aと、固定部44aの側部から垂下方向に延在する側板44bと、固定部44aの下方に対向するように図中矢印X1,X2方向に延在する板バネ状の腕部44cと、腕部44cの先端で鉤型に形成された係止部44dと、係止部44dの近傍で上方に垂立する垂立部44eとを有する。
【0079】
固定部44aと腕部44cとの間は、側板44bにより結合されており、断面がコ字状となるように形成されている。固定部44aは、ディスクホルダ12の平面部12aに固定される係止孔44f,44gを有する。側板44bは、ディスクホルダ12の側面に当接し、腕部44cがディスクホルダ12の下面に当接するように設けられている。そして、腕部44cは、矢印X2方向に延在し、先端部分が自由端になっている。
【0080】
また、垂立部44eの上端には、ディスクカートリッジ挿入前・イジェクト後にスライダー13に当接する当接部44hが設けられている。ディスクカートリッジ挿入・イジェクト時は、当接部44hがスライダー13の下面に当接して腕部44cの先端部分を下方に押圧している。
そのため、カートリッジ飛び出し防止部材44の腕部44cが先端部分を下方に移動させるように撓む。係止部44dはディスクホルダ12に挿入されたディスクカートリッジ20の下方に変位して凹部20a(図4(A)(B)参照)から離間する。
【0081】
そして、ディスクホルダ12にディスクカートリッジ20が挿入されると、スライダー13の移動によりディスクホルダ12が装填位置に降下する。その際、カートリッジ飛び出し防止部材44の当接部44hがスライダー13から離間する。これにより、カートリッジ飛び出し防止部材44の腕部44cが水平状態に復帰すると共に、係止部44dがディスクカートリッジ20の凹部20aに嵌合してディスクカートリッジ20がディスクホルダ12から飛び出すことを防止する。
【0082】
従って、記録媒体装填装置10は、外部からの衝撃を受けてディスクカートリッジ20を所定の装填位置に位置決めするボス64(フレーム14上に固定された突起、図15(B)参照)がディスクカートリッジ20の係合凹部20b(図4(A)(B)参照)から外れても、カートリッジ飛び出し防止部材44によりディスクカートリッジ20の飛び出しが確実に防止される。
【0083】
また、外部からの衝撃を受けて外部からの衝撃を受けた場合、ディスクホルダ12が上下動してフレーム14上に突出するボス64がディスクカートリッジ20の係合凹部20bから外れても、カートリッジ飛び出し防止部材44よりディスクカートリッジ20が係止されているので、ディスクホルダ12が装填位置に復帰したとき、再びディスクカートリッジ20の係合凹部20bにフレーム14上のボス64が係合してディスクカートリッジ20を所定の装填位置に位置決めすることができる。
【0084】
次にダンパー機構17について説明する。
図18はダンパー機構17の取付状態を下面側からみた状態を示す斜視図である。また、図19(A)(B)はダンパーアームの平面図、断面図である。また、図20(A)はディスクカートリッジ挿入・イジェクト時のダンパーアーム35の動作位置を示す平面図、図20(B)はディスクカートリッジ装填時のダンパーアーム35の動作位置を示す平面図である。
【0085】
図18に示されるように、ダンパー機構17は大略すると、ダンパーアーム35、ダンパーアーム35の摺動部35dに塗布されたグリス(図示せず)により構成されている。
ダンパーアーム35は、大略すると軸孔35a、連結孔35b、腕部35c、摺動部35d、及び突起35e等を有した構成とされている。軸孔35aはカバー部材15の背面に突出形成された軸部15aに挿入され、これによりダンパーアーム35は軸部15aに回動可能に軸承された構成となる。また、軸孔35aの外周位置には切り欠き35fが形成されており、この切り欠き35fにはカバー部材15に形成されたリブ15bが挿通される構成とされている。
【0086】
この切り欠き35fは、ダンパーアーム35がその機能を奏する回動範囲においてはリブ15bの形成位置と一致しないよう構成されている。また、ダンパーアーム35の先端(図中矢印D1方向先端)に形成された突起部35eは、カバー部材15に切り起こし形成された係合部15fと係合するよう構成されている。
【0087】
よって、リブ15bがダンパーアーム35の外周部分35gと係合することにより、ダンパーアーム35がカバー部材15から離脱するのを防止している。また、ダンパーアーム35の突起部35eが係合部15fと係合することにより、ダンパーアーム35の図中矢印Z1,Z2方向の変動は規制され、安定した回動を行えるよう構成されている。
【0088】
連結孔35bは軸孔35aに対し図中矢印Y2方向端部に配設された長孔であり、この連結孔35bには前記したスライダー13に形成されたダンパー用連結ピン13mが係合する。これにより、ダンパーアーム35はスライダー13と連結された構成となる。
前記したように、スライダー13は図中矢印X1,X2方向に移動する構成とされている。よって、スライダー13が図中矢印X1方向に移動することによりダンパーアーム35は図中矢印K1方向に回動し、またスライダー13が図中矢印X2方向に移動することによりダンパーアーム35は図中矢印K2方向に回動する。尚、カバー部材15のダンパー用連結ピン13mの移動範囲と対向する部位には貫通孔15eが形成されており、カバー部材15とダンパー用連結ピン13mとが摺接することを防止している。
【0089】
また、ダンパーアーム35は、図中矢印D1,D2方向に延在する腕部35cの中央に開口35hが形成されており、開口35hには摺動部35dが設けられている。この摺動部35dは、図中矢印D1方向に延在する板バネ35iにより支持されている。
板バネ35iは、一端が開口35hの縁部と一体的に結合されており、他端が摺動部35dと結合されている。そして、板バネ35iは、カバー部材15に向けて傾斜しており、摺動部35dを所定圧でカバー部材15に押圧するように撓んでいる。
【0090】
ダンパーアーム35は、図20(A)(B)において、破線で示すように、ディスクカートリッジ20の挿入・イジェクト操作に伴うスライダー13の動作に連動して図中矢印K1,K2方向に回動する。その際、摺動部35dは、板バネ35iの撓み量に応じて常にカバー部材15に対し一定圧で押圧しながら摺動する。そして、摺動部35dのカバー部材15に対向する摺動面には、所定の粘性を有するグリスが塗布されている。
【0091】
ダンパーアーム35は、摺動部35dがグリスを介在させてカバー部材15を摺動するため、カバー部材15に対しグリスによる粘性抵抗を受けながら回動することになる。従って、スライダー13は、ダンパーアーム35の回動動作に伴う粘性抵抗によりディスクカートリッジ20の挿入動作及びイジェクト動作を減速するように動作する。
【0092】
このように、スライダー13の摺動動作に伴って摺動部35dがカバー部材15を摺動することにより一定の粘性抵抗が発生する。この抵抗力がスライダー13の摺動動作を減速するように作用し、ひいてはディスクホルダ12がカートリッジ挿入・イジェクト位置またはカートリッジ装填位置に移動する際の加速度を減速させて移動時の衝撃を緩和できる。
【0093】
また、ダンパー機構17は、従来用いられていたオイルダンパー等に比べて小型化でき、よって記録媒体装填装置の小型化を図ることができる。
さらに、ダンパーアーム35は、図19(A)(B)に示されるように、1枚の板金をプレス加工することにより一体形成されているので、部品点数が大幅に減少しており、製造コストも安価で済むので、ひいては装置のコストダウンにも貢献している。
【0094】
尚、上記した実施例では、記録媒体装填装置10を磁気ディスク装置11に適用した例を挙げて説明したが、本発明の適用は磁気ディスク装置に限定されるものではなく、これ以外の例えば光ディスク装置あるいは光磁気ディスク装置あるいはメモリカード等のカード状の記録媒体が装着される記録再生装置等にも適用することも可能である。
【0095】
また、上記実施例では、スライダー13がディスクホルダ12の上方を摺動する構成を一例として説明したが、これに限らず、例えばスライダー13がディスクホルダ12の下方を摺動する構成のものにも本発明を適用することができる。
【0096】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1記載の発明によれば、変形防止部材が、ディスクカートリッジの挿入方向に対し直交する方向に延在し、ディスクホルダの平面部に支持される回動軸と、ディスクホルダ内に挿入されたディスクカートリッジに押圧される被押圧部と、被押圧部と一体に形成され、フレームの平面部に近接するように回動軸の半径方向に延在形成された支持脚と、を有するため、ディスクホルダにディスクカートリッジが挿入されない状態で装置が落下されても、ディスクホルダ及びスライダーが落下時の衝撃により変形することを防止できる。
【0097】
また、請求項2記載の発明によれば、被押圧部が、ディスクカートリッジの挿入方向に対し直交する方向に延在し、ディスクホルダの平面部に支持される回動軸と、ディスクホルダ内に挿入されたディスクカートリッジに押圧される被押圧部と、被押圧部と一体に形成され、フレームの平面部に近接するように回動軸の半径方向に延在形成された支持脚と、を有するため、比較的簡単な構成によりディスクホルダ及びスライダーが落下時の衝撃により変形することを防止できる。
【0098】
さらに、ディスクホルダにディスクカートリッジを挿入する際は、附勢部材の附勢力に抗して変形防止部材を押圧するため、イジェクト操作時には変形防止部材がディスクカートリッジを押圧しているのでイジェクト動作を緩衝することができ、ディスクカートリッジの挿入・イジェクトをスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である記録媒体装填装置を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例である記録媒体装填装置を示す図であり、(A)は記録媒体装填装置の平面図、(B)は記録媒体装填装置の側面図である。
【図3】本発明の一実施例である記録媒体装填装置を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例である記録媒体装填装置に装填されるディスクカーカートリッジを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は底面図である。
【図5】本発明の一実施例である記録媒体装填装置に配設されるシャッター開閉機構の動作を説明するためスライダーを取り外した状態を示す図である(排出状態)。
【図6】本発明の一実施例である記録媒体装填装置に配設されるシャッター開閉機構の動作を説明するためスライダーを取り外した状態を示す図である(カートリッジ挿入状態)。
【図7】本発明の一実施例である記録媒体装填装置に配設されるシャッター開閉機構の動作をディスクカートリッジの挿入動作と共に説明するための図である(排出状態)。
【図8】本発明の一実施例である記録媒体装填装置に配設されるシャッター開閉機構の動作をディスクカートリッジの挿入動作と共に説明するための図である(カートリッジ挿入状態)。
【図9】本発明の一実施例である記録媒体装填装置に配設されるラッチレバーの掛止部近傍を拡大して示す斜視図であり、(A)は装填完了状態を、(B)は排出状態を示す図である。
【図10】ホルダロック機構40を拡大して示す斜視図である。
【図11】ホルダロック部材50の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は正面図、(D)はA−A断面図、(E)はB−B断面図である。
【図12】ホルダロック部材50の先端部がフレーム14に係合した状態を示す図である。
【図13】ホルダ・スライダ変形防止機構42のホルダ・スライダ変形防止部材56を示す図であり、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)は側面図である。
【図14】ホルダ・スライダ変形防止部材56の支持機構を示す斜視図である。
【図15】記録媒体装填装置の装填動作及びイジェクト動作を示す側面図であり、(A)はディスクカートリッジ挿入前・イジェクト後の状態を示す側面図、(B)はディスクカートリッジ挿入後の装填状態を示す側面図である。
【図16】記録媒体装填装置の装填動作及びイジェクト動作を示す図であり、(A)はディスクカートリッジ挿入前・イジェクト後の状態を示す正面断面図、(B)はディスクカートリッジ挿入後の装填状態を示す正面断面図である。
【図17】カートリッジ飛び出し防止部材44の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は側面図である。
【図18】ダンパー機構17の取付状態を下面側からみた状態を示す斜視図である。
【図19】ダンパーアーム35の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図20】ダンパーアーム35の動作を示す図であり、(A)はディスクカートリッジ挿入・イジェクト時のダンパーアーム35の動作位置を示す平面図、(B)はディスクカートリッジ装填時のダンパーアーム35の動作位置を示す平面図である。
【図21】従来の記録媒体装填装置の落下テストを行った場合の変形状態を説明するための正面断面図である。
【符号の説明】
10 記録媒体装填装置
11 磁気ディスク装置
12 ディスクホルダ
13 スライダー
14 フレーム
15 カバー部材
16 シャッター開閉機構
17 ダンパー機構
18 ヘッドキャリッジ
20 カートリッジ
21 磁気ディスク
23 シャッター
27 シャッターアーム
32 ラッチレバー
35 ダンパーアーム
40 ホルダロック機構
42 ホルダ・スライダ変形防止機構
44 カートリッジ飛び出し防止部材
50 ホルダロック部材
52 係合孔
54 係合片
56 ホルダ・スライダ変形防止部材
58 トーションバネ
70 突出部
72 摺動部
Claims (2)
- ディスク状記録媒体が収納されたディスクカートリッジが挿入されるディスクホルダと、該ディスクカートリッジの挿入動作に連動して摺動し前記ディスクホルダをカートリッジ挿入・イジェクト位置からカートリッジ装填位置に移動させるスライダーと、該スライダーを摺動可能に支持するフレームとを有する記録媒体装填装置において、
前記ディスクホルダが前記カートリッジ挿入・イジェクト位置にあるとき、前記ディスクホルダの平面部を支持するように前記フレームの平面部と前記ディスクホルダの平面部との間に介在し、前記ディスクホルダに前記ディスクカートリッジが挿入される過程で前記ディスクホルダの平面部の支持を解除する変形防止機構を備えており、
前記変形防止機構は、
前記ディスクカートリッジの挿入方向に対し直交する方向に延在し、前記ディスクホルダの平面部に支持される回動軸と、
前記ディスクホルダ内に挿入された前記ディスクカートリッジに押圧される被押圧部と、
該被押圧部と一体に形成され、前記回動軸の半径方向に延在形成された支持脚と、
を有することを特徴とする記録媒体装填装置。 - 前記請求項1記載の記録媒体装填装置であって、
前記被押圧部は、
前記ディスクホルダが前記カートリッジ挿入・イジェクト位置にあるとき、前記ディスクホルダの平面部に形成された開口から前記ディスクホルダ内に回動し、前記ディスクカートリッジが前記ディスクホルダ内に挿入される際、前記ディスクカートリッジに押圧されて前記ディスクホルダの平面部の開口に収納される方向に回動することを特徴とする記録媒体装填装置。
Priority Applications (1)
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JP31019799A JP3562407B2 (ja) | 1999-10-29 | 1999-10-29 | 記録媒体装填装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP31019799A JP3562407B2 (ja) | 1999-10-29 | 1999-10-29 | 記録媒体装填装置 |
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JP2001126461A JP2001126461A (ja) | 2001-05-11 |
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Family Applications (1)
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- 1999-10-29 JP JP31019799A patent/JP3562407B2/ja not_active Expired - Fee Related
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