JP3562101B2 - スライドドアクローザー装置の制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドドアクローザー装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスライドドアクローザー装置の制御装置としては、トヨタ自動車株式会社より1990年5月に発行されたエスティマ新型車解説書に開示されたものが知られている。
【0003】
これは、ドアとボデーとの間に設けられドアとボデーとの接触の検出に基づく給電システムの作動によりドアに設けられたクローザーシステムに電力を供給するべく給電システムを制御すると共にロック機構の作動によるドアのボデーに対する不完全閉状態の検出に基づいてロック機構を作動させてドアをボデーに対して完全閉状態とするようにクローザーシステムを正転作動させるべくクローザーシステムを制御し且つクローザーシステムの正転作動中におけるドアをボデーに対して開状態とする操作システムの入力に基づいてクローザーシステムの正転作動を中止するべくクローザーシステムを制御するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来装置であると、操作システムの入力に基づいてクローザーシステムの正転作動を中止させるが、クローザーシステムの正転作動開始に機械的なタイムラグがあり且つその正転作動が中止される際に惰性で正転作動が若干継続することから、クローザーシステムの作動開始タイミングの直後に操作システムからの入力があると、図9に示されるように、ロック機構のラッチAのドアを開状態とする方向の回動がラッチAのピンA2とクローザ機構のアームBとの当接により規制される。結果、クローザーシステムの正転作動中止と同時になされるドアの開状態以降、ラッチAがアームBによりドアが開状態であるときのラッチAの回動位置直前でアームBにより保持されてしまうこととなり、ラッチAの溝A1にストライカCが進入できないつまりドアを閉状態とすることができない噛み込み現象を生じさせる恐れがあった(図9e,図9f参照)。
【0005】
この噛み込み現象を防止するために、実開平5−78857号公報に示されるように、操作システムに連動したストッパによりアームの惰性による正転回動を強制的に規制することが知られている。しかしながら、ストッパが必要となり、部品点数が増加すると共にクローザーシステムのアーム,ロック機構のラッチと係合するポール及び操作システムに連係されストッパとポールを作動させるオープンレバーの配置が規制されることとなり、夫々の配置自由度が損なわれることとなる。
【0006】
故に、本発明は、部品点数を増大させることなく、クローザーシステムの作動を電気的に制御して噛み込み現象の発生を低減することを、その技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、クローザーシステムの正転作動開始タイミングから計測を開始するタイマ手段と、該タイマ手段が計測する基準時間内における操作システムからの入力に基づいて前記クローザーシステムの正転作動中止タイミングから所定時間後に前記クローザーシステムの逆転作動開始タイミングを設定する設定手段とを有した、ことである。
【0008】
この技術的手段によれば、クローザーシステムの正転作動中止から所定時間後に逆転作動が開始する。よって、逆転作動によりクローザーシステムの正転作動が中止される際の惰性による正転作動の継続を極力抑え得る。これにより、ロック機構がドアが開状態であるときの直前の状態で保持されてしまうことが回避され、結果、噛み込み現象の発生を低減させ得る。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示されるように、制御装置1は、車両のボデー2内に配設された給電リレー11とボデー2に対してスライド動作してボデー2の開口部2aを開閉するドア3内に配設されたドアコントロールリレー12より構成されている。
【0010】
図2に示されるように、給電リレー11は、タイマ11aを内蔵したものであって、車両のバッテリ4に接続されている。この給電リレー11の入力端子SENは、ボデー2とドア3との間に設けられたジャンクションスイッチ5を介して接地されるようになっており、出力端子UNITは、ジャンクションスイッチ5を介してドアコントロールリレー12の電源端子UNITに接続されるようになっている。ジャンクションスイッチ5は、図1に示されるように、ボデー2に設けられた雄端子51とドア3に設けられた雌端子52とから構成され、開状態にあるドア3が閉状態へとボデー2に対してスライド動作して開口部2aが閉塞され、ドア3とボデー2とが接触した際に両者が接続されるように構成されている。
【0011】
ドアコントロールリレー12は、タイマ12a,12bを内蔵したマイクロコンピュータよりなる。ドアコントロールリレー12の電源端子UINTは、前述したように、給電リレー11のUNITがジャンクションスイッチ5を介して接続されるようになっており、出力ポートP3及びP4には、ロック機構6に併設されたクローザー機構7のモータ71に接続されている。図1及び図3に示されるように、ロック機構6は、ボデー2とドア3との間に設けられ、周知のように、ドア側のラッチ62及びポール63とボデー側のストライカ61とを備え、ストライカ61のラッチ62の溝62bへの進入によるラッチ62の回動でポール63とラッチ61とを係合させることにより、ボデー2の開口部2aを閉塞したドア3をボデー2に対して不完全閉状態及び完全閉状態とするように構成されている。図1及び図4に示されるように、クローザー機構7は、周知のように、モータ71の作動によりロック機構6のラッチ62のピン62aと当接してラッチ62を回動させるアーム72を備え、ドア3をボデー2に対して不完全閉状態から完全閉状態とするように構成されている。ドアコントロールリレー12の入力ポートP6には、ドア3のボデー2に対する不完全閉状態3をロック機構6の動作から検出するハーフラッチスイッチ8が接続されている。このハーフラッチスイッチ8は、ロック機構6に内蔵されており、ドア3がボデー2に対して開状態から不完全閉状態となると、ロック機構5のラッチの動きからオフからオンへと切り換わるものである。又、ドアコントロールリレー12の入力ポート1には、カムスイッチ9が接続されている。このカムスイッチ9は、クローザー機構7に内蔵されており、クローザー機構5の動きからオフからオンへと又オフからオンへと切り換わるものである。更に、ドアコントロールリレ12の入力ポートP7には、キャンセルスイッチ10が接続されている。このキャンセルスイッチ10は、ドアハンドル(図示せず)に設けられており、ドア3を開状態とするハンドルの操作によりオンからオフへと切り換わるものである。尚、ドアコントロールリレー12の電源端子GNDは、ジャンクションスイッチ5を介して接地されるようになっている。
【0012】
次に図5ないし図8に基づいて作動について説明する。
【0013】
開状態にあるドア3がボデー2に対してスライド動作して開口部2aを閉塞すると、ドア3とボデー2との接触によりジャンクションスイッチ5が接続され、給電リレー11のSEN及びドアコントロールリレー12のGNDがジャンクションスイッチ5を介して夫々接地される共に給電リレー11のUNITがジャンクションスイッチ5を介してドアコントロールリレー12のUNITに接続される。これにより、給電リレー11内のタイマー11aが計測を開始し、給電システム11のUNITからドアコントロールリレー12のUNITにタイマ11aが計測する所定時間Dだけ電力を供給して、ドアコントロールリレー12がタイマ11aが計測する所定時間Dだけ作動する。ドアコントロールリレー12が作動すると、ステップS1で、ドア3がボデー2に対して不完全閉状態となったか否かがハーフラッチイッチ8の状態から判断され、ハーフラッチスイッチ8がオンつまりドア3が不完全閉状態であると判断されると、ステップS2で、クローザー機構7を正転作動してドア3を不完全閉状態から完全閉状態とする。この後、ステップS3で、カムスイッチ9の一回目のオンを判断すると共にステップS4でタイマ12aの計測を開始する。
【0014】
ステップS6で、カムスイッチ9の一回目のオフを判断すると共にステップS7で、ドア3がボデー2に対して完全閉状態となったか否かがカムスイッチ9の状態から判断され、カムスイッチ9が二回目のオンつまりドア3が完全閉状態であると判断されると、ステップS8で、クローザー機構7の正転作動を一旦停止する共にドアコントロールリレー12のタイマ12bの計測を開始し、ステップS9,S10で、クローザー機構7の正転作動停止から計測するドアコントロールリレー12のタイマ12bの第1所定時間E後にクローザー機構7を逆転作動させてクローザー機構7を正転作動前の初期状態に復帰させる。この後、ステップS11でクローザー機構7が正転作動前の初期状態に復帰したか否かがカムスイッチ9の状態から判断され、カムスイッチ9が二回目のオフつまりクローザー機構7が初期状態に復帰したと判断されると、ステップS12でクローザー機構7の逆転作動を停止し、処理を終了する。
【0015】
クローザー機構7の正転作動中、ドアハンドルが操作されてキャンセルスイッチ10がオフされると、ステップS5で、クローザー機構7の正転作動を中止するか否かがキャンセルスイッチ10の状態から判断される。ステップS5で、キャンセルスイッチ10がオフつまりクローザー機構7の正転作動を中止すると判断されると、ステップS13で、キャンセルスイッチ10のオフタイミングがクローザー機構7の正転作動開始直後であるか否かがドアコンドロールリレー12のタイマ12aの計測経過から判断される。ステップS10で、ドアコントロールリレー12が基準時間Fを経過しているつまりキャンセルスイッチ10のオフタイミングがクローザー機構7の正転作動開始からある程度時間が経過していると判断されると、ステップS8で、クローザー機構7の正転作動を一旦停止してタイマ12bの計測を開始すると共にステップS9,S10で、クローザー機構7の正転作動停止から計測するドアコントロールリレー12のタイマ12bの第1所定時間E後にクローザー機構7を逆転作動させてクローザー機構7を正転作動前の初期状態に復帰させる。又、ドアコントロールリレー12が基準時間Fを経過していないつまりキャンセルスイッチ10のオフタイミングがクローザー機構7の正転作動開始直後であると判断されると、ステップS14で、クローザー機構7の正転作動を一旦停止すると共にタイマ12bの計測を開始する。その後、ステップS15,S10で、クローザー機構7の正転作動停止から計測するドアコントロールリレー12のタイマ12bの第2所定時間G後にクローザー機構7を逆転作動させてクローザー機構7を正転作動前の初期状態に復帰させる。この後は、ステップS11,S12で、前述と同様に、クローザー機構7の正転作動前の初期状態へと復帰後、クローザー機構7の逆転作動を停止して、処理を終了する。
【0016】
このように、クローザー機構7の正転作動開始直後にクローザー機構7の正転作動を中止する場合には、通常のクローザー機構7の正転作動停止後の逆転作動開始と異なり、クローザー機構7の正転作動停止後に第2所定時間G経過の後、ただちにクローザー機構7が逆転作動を開始する。よって、クローザー機構7の逆転作動によりクローザー機構の正転作動が中止される際の惰性によるクローザー機構7の正転作動の継続が極力抑えられることになり、よって、噛み込み現象の発生が低減されることになる。
【0017】
尚、タイマ12bが計測する第1所定時間Eは、クローザー機構7を作動させるモータ駆動回路(図示せず)の耐久性を考慮して決定され、タイマ12bが計測する第2所定時間Gは、モータ駆動回路の耐久性を考慮しつつ且つ第1所定時間Eより短い時間で設定される。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、設定手段により、クローザーシステムの正転作動中止タイミングを操作システムからの入力に基づいて所定時間後に設定することができ、上記した技術的課題を達成することができる。つまり、噛み込み現象の発生を低減させることができる。又、クローザースシステムに新たに部品を追加する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライドドアクローザー装置を搭載したスライドドアの斜視図である。
【図2】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置を示すシステム回路図である。
【図3】本発明に係るスライドドアクローザー装置のロック機構を示す平面図である。
【図4】本発明に係るスイライドドアクローザー装置のクローザー機構を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置の作動を示すタイミングチャート図である。
【図6】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置の作動を示すタイミングチャート図である。
【図7】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置の作動を示すタイミングチャート図である。
【図8】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置の作動を示すフローチャートである。
【図9】従来のスライドドアクローザー装置の噛み込み現象を説明する図である。
【符号の説明】
2 ボデー
3 ドア
5 ジャンクションスイッチ(給電システム)
6 ロック機構
7 クローザー機構(クローザーシステム)
D 基準時間
G 第2所定時間(所定時間)
10 操作システム
11 給電リレー(給電システム)
12 ドアコントロールリレー(クローザーシステム)
12a タイマ(タイマ手段)
12b タイマ(設定手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドドアクローザー装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスライドドアクローザー装置の制御装置としては、トヨタ自動車株式会社より1990年5月に発行されたエスティマ新型車解説書に開示されたものが知られている。
【0003】
これは、ドアとボデーとの間に設けられドアとボデーとの接触の検出に基づく給電システムの作動によりドアに設けられたクローザーシステムに電力を供給するべく給電システムを制御すると共にロック機構の作動によるドアのボデーに対する不完全閉状態の検出に基づいてロック機構を作動させてドアをボデーに対して完全閉状態とするようにクローザーシステムを正転作動させるべくクローザーシステムを制御し且つクローザーシステムの正転作動中におけるドアをボデーに対して開状態とする操作システムの入力に基づいてクローザーシステムの正転作動を中止するべくクローザーシステムを制御するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来装置であると、操作システムの入力に基づいてクローザーシステムの正転作動を中止させるが、クローザーシステムの正転作動開始に機械的なタイムラグがあり且つその正転作動が中止される際に惰性で正転作動が若干継続することから、クローザーシステムの作動開始タイミングの直後に操作システムからの入力があると、図9に示されるように、ロック機構のラッチAのドアを開状態とする方向の回動がラッチAのピンA2とクローザ機構のアームBとの当接により規制される。結果、クローザーシステムの正転作動中止と同時になされるドアの開状態以降、ラッチAがアームBによりドアが開状態であるときのラッチAの回動位置直前でアームBにより保持されてしまうこととなり、ラッチAの溝A1にストライカCが進入できないつまりドアを閉状態とすることができない噛み込み現象を生じさせる恐れがあった(図9e,図9f参照)。
【0005】
この噛み込み現象を防止するために、実開平5−78857号公報に示されるように、操作システムに連動したストッパによりアームの惰性による正転回動を強制的に規制することが知られている。しかしながら、ストッパが必要となり、部品点数が増加すると共にクローザーシステムのアーム,ロック機構のラッチと係合するポール及び操作システムに連係されストッパとポールを作動させるオープンレバーの配置が規制されることとなり、夫々の配置自由度が損なわれることとなる。
【0006】
故に、本発明は、部品点数を増大させることなく、クローザーシステムの作動を電気的に制御して噛み込み現象の発生を低減することを、その技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、クローザーシステムの正転作動開始タイミングから計測を開始するタイマ手段と、該タイマ手段が計測する基準時間内における操作システムからの入力に基づいて前記クローザーシステムの正転作動中止タイミングから所定時間後に前記クローザーシステムの逆転作動開始タイミングを設定する設定手段とを有した、ことである。
【0008】
この技術的手段によれば、クローザーシステムの正転作動中止から所定時間後に逆転作動が開始する。よって、逆転作動によりクローザーシステムの正転作動が中止される際の惰性による正転作動の継続を極力抑え得る。これにより、ロック機構がドアが開状態であるときの直前の状態で保持されてしまうことが回避され、結果、噛み込み現象の発生を低減させ得る。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に示されるように、制御装置1は、車両のボデー2内に配設された給電リレー11とボデー2に対してスライド動作してボデー2の開口部2aを開閉するドア3内に配設されたドアコントロールリレー12より構成されている。
【0010】
図2に示されるように、給電リレー11は、タイマ11aを内蔵したものであって、車両のバッテリ4に接続されている。この給電リレー11の入力端子SENは、ボデー2とドア3との間に設けられたジャンクションスイッチ5を介して接地されるようになっており、出力端子UNITは、ジャンクションスイッチ5を介してドアコントロールリレー12の電源端子UNITに接続されるようになっている。ジャンクションスイッチ5は、図1に示されるように、ボデー2に設けられた雄端子51とドア3に設けられた雌端子52とから構成され、開状態にあるドア3が閉状態へとボデー2に対してスライド動作して開口部2aが閉塞され、ドア3とボデー2とが接触した際に両者が接続されるように構成されている。
【0011】
ドアコントロールリレー12は、タイマ12a,12bを内蔵したマイクロコンピュータよりなる。ドアコントロールリレー12の電源端子UINTは、前述したように、給電リレー11のUNITがジャンクションスイッチ5を介して接続されるようになっており、出力ポートP3及びP4には、ロック機構6に併設されたクローザー機構7のモータ71に接続されている。図1及び図3に示されるように、ロック機構6は、ボデー2とドア3との間に設けられ、周知のように、ドア側のラッチ62及びポール63とボデー側のストライカ61とを備え、ストライカ61のラッチ62の溝62bへの進入によるラッチ62の回動でポール63とラッチ61とを係合させることにより、ボデー2の開口部2aを閉塞したドア3をボデー2に対して不完全閉状態及び完全閉状態とするように構成されている。図1及び図4に示されるように、クローザー機構7は、周知のように、モータ71の作動によりロック機構6のラッチ62のピン62aと当接してラッチ62を回動させるアーム72を備え、ドア3をボデー2に対して不完全閉状態から完全閉状態とするように構成されている。ドアコントロールリレー12の入力ポートP6には、ドア3のボデー2に対する不完全閉状態3をロック機構6の動作から検出するハーフラッチスイッチ8が接続されている。このハーフラッチスイッチ8は、ロック機構6に内蔵されており、ドア3がボデー2に対して開状態から不完全閉状態となると、ロック機構5のラッチの動きからオフからオンへと切り換わるものである。又、ドアコントロールリレー12の入力ポート1には、カムスイッチ9が接続されている。このカムスイッチ9は、クローザー機構7に内蔵されており、クローザー機構5の動きからオフからオンへと又オフからオンへと切り換わるものである。更に、ドアコントロールリレ12の入力ポートP7には、キャンセルスイッチ10が接続されている。このキャンセルスイッチ10は、ドアハンドル(図示せず)に設けられており、ドア3を開状態とするハンドルの操作によりオンからオフへと切り換わるものである。尚、ドアコントロールリレー12の電源端子GNDは、ジャンクションスイッチ5を介して接地されるようになっている。
【0012】
次に図5ないし図8に基づいて作動について説明する。
【0013】
開状態にあるドア3がボデー2に対してスライド動作して開口部2aを閉塞すると、ドア3とボデー2との接触によりジャンクションスイッチ5が接続され、給電リレー11のSEN及びドアコントロールリレー12のGNDがジャンクションスイッチ5を介して夫々接地される共に給電リレー11のUNITがジャンクションスイッチ5を介してドアコントロールリレー12のUNITに接続される。これにより、給電リレー11内のタイマー11aが計測を開始し、給電システム11のUNITからドアコントロールリレー12のUNITにタイマ11aが計測する所定時間Dだけ電力を供給して、ドアコントロールリレー12がタイマ11aが計測する所定時間Dだけ作動する。ドアコントロールリレー12が作動すると、ステップS1で、ドア3がボデー2に対して不完全閉状態となったか否かがハーフラッチイッチ8の状態から判断され、ハーフラッチスイッチ8がオンつまりドア3が不完全閉状態であると判断されると、ステップS2で、クローザー機構7を正転作動してドア3を不完全閉状態から完全閉状態とする。この後、ステップS3で、カムスイッチ9の一回目のオンを判断すると共にステップS4でタイマ12aの計測を開始する。
【0014】
ステップS6で、カムスイッチ9の一回目のオフを判断すると共にステップS7で、ドア3がボデー2に対して完全閉状態となったか否かがカムスイッチ9の状態から判断され、カムスイッチ9が二回目のオンつまりドア3が完全閉状態であると判断されると、ステップS8で、クローザー機構7の正転作動を一旦停止する共にドアコントロールリレー12のタイマ12bの計測を開始し、ステップS9,S10で、クローザー機構7の正転作動停止から計測するドアコントロールリレー12のタイマ12bの第1所定時間E後にクローザー機構7を逆転作動させてクローザー機構7を正転作動前の初期状態に復帰させる。この後、ステップS11でクローザー機構7が正転作動前の初期状態に復帰したか否かがカムスイッチ9の状態から判断され、カムスイッチ9が二回目のオフつまりクローザー機構7が初期状態に復帰したと判断されると、ステップS12でクローザー機構7の逆転作動を停止し、処理を終了する。
【0015】
クローザー機構7の正転作動中、ドアハンドルが操作されてキャンセルスイッチ10がオフされると、ステップS5で、クローザー機構7の正転作動を中止するか否かがキャンセルスイッチ10の状態から判断される。ステップS5で、キャンセルスイッチ10がオフつまりクローザー機構7の正転作動を中止すると判断されると、ステップS13で、キャンセルスイッチ10のオフタイミングがクローザー機構7の正転作動開始直後であるか否かがドアコンドロールリレー12のタイマ12aの計測経過から判断される。ステップS10で、ドアコントロールリレー12が基準時間Fを経過しているつまりキャンセルスイッチ10のオフタイミングがクローザー機構7の正転作動開始からある程度時間が経過していると判断されると、ステップS8で、クローザー機構7の正転作動を一旦停止してタイマ12bの計測を開始すると共にステップS9,S10で、クローザー機構7の正転作動停止から計測するドアコントロールリレー12のタイマ12bの第1所定時間E後にクローザー機構7を逆転作動させてクローザー機構7を正転作動前の初期状態に復帰させる。又、ドアコントロールリレー12が基準時間Fを経過していないつまりキャンセルスイッチ10のオフタイミングがクローザー機構7の正転作動開始直後であると判断されると、ステップS14で、クローザー機構7の正転作動を一旦停止すると共にタイマ12bの計測を開始する。その後、ステップS15,S10で、クローザー機構7の正転作動停止から計測するドアコントロールリレー12のタイマ12bの第2所定時間G後にクローザー機構7を逆転作動させてクローザー機構7を正転作動前の初期状態に復帰させる。この後は、ステップS11,S12で、前述と同様に、クローザー機構7の正転作動前の初期状態へと復帰後、クローザー機構7の逆転作動を停止して、処理を終了する。
【0016】
このように、クローザー機構7の正転作動開始直後にクローザー機構7の正転作動を中止する場合には、通常のクローザー機構7の正転作動停止後の逆転作動開始と異なり、クローザー機構7の正転作動停止後に第2所定時間G経過の後、ただちにクローザー機構7が逆転作動を開始する。よって、クローザー機構7の逆転作動によりクローザー機構の正転作動が中止される際の惰性によるクローザー機構7の正転作動の継続が極力抑えられることになり、よって、噛み込み現象の発生が低減されることになる。
【0017】
尚、タイマ12bが計測する第1所定時間Eは、クローザー機構7を作動させるモータ駆動回路(図示せず)の耐久性を考慮して決定され、タイマ12bが計測する第2所定時間Gは、モータ駆動回路の耐久性を考慮しつつ且つ第1所定時間Eより短い時間で設定される。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、設定手段により、クローザーシステムの正転作動中止タイミングを操作システムからの入力に基づいて所定時間後に設定することができ、上記した技術的課題を達成することができる。つまり、噛み込み現象の発生を低減させることができる。又、クローザースシステムに新たに部品を追加する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスライドドアクローザー装置を搭載したスライドドアの斜視図である。
【図2】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置を示すシステム回路図である。
【図3】本発明に係るスライドドアクローザー装置のロック機構を示す平面図である。
【図4】本発明に係るスイライドドアクローザー装置のクローザー機構を示す斜視図である。
【図5】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置の作動を示すタイミングチャート図である。
【図6】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置の作動を示すタイミングチャート図である。
【図7】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置の作動を示すタイミングチャート図である。
【図8】本発明に係るスライドドアクローザー装置の制御装置の作動を示すフローチャートである。
【図9】従来のスライドドアクローザー装置の噛み込み現象を説明する図である。
【符号の説明】
2 ボデー
3 ドア
5 ジャンクションスイッチ(給電システム)
6 ロック機構
7 クローザー機構(クローザーシステム)
D 基準時間
G 第2所定時間(所定時間)
10 操作システム
11 給電リレー(給電システム)
12 ドアコントロールリレー(クローザーシステム)
12a タイマ(タイマ手段)
12b タイマ(設定手段)
Claims (1)
- ドアとボデーとの間に設けられ前記ドアと前記ボデーとの接触の検出に基づく給電システムの作動により前記ドアに設けられたクローザーシステムに電力を供給するべく前記給電システムを制御すると共にロック機構の作動による前記ドアの前記ボデーに対する不完全閉状態の検出に基づいて前記ロック機構を作動させて前記ドアを前記ボデーに対して完全閉状態とするように前記クローザーシステムを正転作動させるべく前記クローザーシステムを制御し且つ前記クローザーシステムの正転作動中における前記ドアを前記ボデーに対して開状態とする操作システムの入力に基づいて前記クローザーシステムの正転作動を中止するべく前記クローザーシステムを制御するスライドドアクローザー装置の制御装置において、前記クローザーシステムの正転作動開始タイミングから計測を開始するタイマ手段と、該タイマ手段が計測する基準時間内における前記操作システムからの入力に基づいて前記クローザーシステムの正転作動中止タイミングから所定時間後に前記クローザーシステムの逆転作動開始タイミングを設定する設定手段とを有するスライドドアクローザー装置の制御装置。
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JPH09228736A JPH09228736A (ja) | 1997-09-02 |
JP3562101B2 true JP3562101B2 (ja) | 2004-09-08 |
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