JP3561960B2 - 輸液用容器 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、医療機関などにおいて点滴注射等に用いられる溶解液と粉末薬剤を、無菌的でかつ簡便に混合するクローズドキットに関する。特に、クローズドキット内のエアーを両頭針に設けた開口部から混合液内に給供できるようにしたキットの提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療機関などにおいて、バイアル等の薬剤容器に入った粉末薬剤と、蒸留水や生理食塩水、ブドウ糖液などの溶解液を混合し、点滴注射等に用いる場合において、粉末薬剤を収容したバイアルをカプセル内に収納し、溶解液を収容した可撓性容器と直列状に連結しておき、使用時にこれら二つの容器を両頭針などの連通手段によって無菌的に連通するようにした輸液用容器が存在する(特表昭61−501129号公報、実公平4−22745号公報、特公平5−72830号公報、特開平6−14973号公報、特開平6−14976号公報など)。
【0003】
これらいずれもが、無菌的に溶解液と粉末薬剤を保持しており、使用時に両者を混合する点ですぐれているが、両者をスムーズに混合させたり、混合後容器に外部からエアー針を刺さずに混合液を滴下するためには、容器内に予めエアーを注入しておく必要があった。また容器内に予めエアーを注入していない場合には、混合液を滴下するに際し、別に通気針を使用するか、通気孔が付設された輸液セットを使用する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
ところで、混合液を滴下するに必要なエアーを予め容器内に充填した場合、容器を高圧蒸気滅菌することにより、内部に充填されたエアーの影響で容器が変形したり、容器が膨張することにより容器内に容器の構成材料から微粒子が混入するという問題があった。また、容器外から通気針を介してエアーを導入する場合には、混合液が外気によって汚染される可能性が生じるという問題もあった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来技術の問題点をすべて解決するために新規特考されたものであり、基本的には、粉末薬剤を収容したバイアルと、連通通路を有する両頭針と、該両頭針と前記バイアルをこの順序で収納したカプセルと、溶解液を収容した、実質上空間部を有さないがエアーを注入可能な可撓性容器とを備えた輸液容器において、カプセル系内を無菌状態の空間に形成すると共に、両頭針の上下針先部以外の部分に前記連通通路を連通する開口部を設け、該開口部に疎水性フィルターを付設したことを特徴とする輸液用容器採用している。
【0006】
【作用】
カプセル内のバイアルを押圧下降させると、連通手段の系内の空気圧が高まり、両頭針がバイアルと可撓性容器を連通すると共に、両頭針部の開口部から圧縮エアーが両頭針の連通通路を介してバイアル及び可撓性容器内に移入する。
なお、両頭針の開口部には疎水性フィルターが付設されているので、混合過程で溶解液あるいは混合液が開口部から漏出することもない。そして、最終的には可撓性容器内に混合液と共に一定のエアーが注入されるため、輸液の滴下がスムーズに行なわれる。
【0007】
【実施例】
本発明の一実施例を図面にしたがって説明すれば次のとおりである。なお、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の文言や実施例に限定されず、その均等な範囲にも及ぶ。
図1は、本発明の一実施例の概略断面図、図2は、本発明を実施した両頭針の例を示す部分拡大断面図、図3は、疎水性フィルターの例を示す斜視図である。
【0008】
図1に示すように、輸液用容器の一実施例は、上部にカプセル1とその内部には粉末薬剤(乾燥薬剤)を収容したバイアル2が嵌入されており、バイアル2はカプセルの軸方向に移動しうる構造となっている。このスライド手段としては、図1では、外部のキャップ6を回転させれば、その内壁には螺旋溝が形成されており、一方バイアルは筒状のバイアルガイドに保持されており、該バイアルガイドの外壁には前記螺旋溝と係合する突条が突設されているため、バイアルが下方にスライドする構成であるが、キャップ6の上面を可撓性押圧部材とし、上方外部から押圧してバイアルを下方へスライドする方法もある。あるいは、両頭針のハブをカプセルの内壁に固定し、カプセルを伸縮可能な蛇腹状にしてスライドすることも考えられる。要は、後記の無菌空間9内のエアーが両容器の連通過程で圧縮される構造であれば良い。
下部には、蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖液などの溶解液を収容した可撓性容器3があり、点滴時にはこの容器を逆さにして混合液を注射することとなる。但し、可撓性容器3の下部に混合液取出口を設けておいて、そのままの状態で混合液を注入する方法もある。
【0009】
カプセル1の下部と可撓性容器3とは密封されており、その密封手段は限定されていない。要は、カプセル1内のバイアル2を除く空間と可撓性容器3の上部との間に無菌空間9が保持されれば良い。
このバイアル2の口蓋部はゴム栓4等によって密封されており、また可撓性容器3の口蓋部も同様にゴム栓5等によって密封されている。そして両容器の間にはカプセル1の無菌空間9内をスライドしバイアル2と可撓性容器3とを連通する両頭針7が装着されている。両頭針7には、カプセル1内を軸方向に垂直にスライドできるよう、一般には両頭針7からカプセル1の内壁面と接触するハブ8が横方向に張り出して設けられている。そして、ハブ8の端部はカプセル1の内壁面に突設された軸方向のリブに沿ってスライドする。
ハブ8の平面形状は限定されない。両頭針の側部から放射状に複数本樹設された形状、あるいは両頭針を軸とする円盤状、さらには、円盤の一部を欠截した形状等、任意の形状が考えられる。
【0010】
本発明では、両頭針7の上下針先部を除く部分に、特別の工夫がなされている。
図2は、両頭針7の一部分を拡大した断面図であるが、両頭針7には本来的に上部(バイアル側)と下部(可撓性容器側)に針先部があり内部には軸方向の連通通路10が存在する。この連通通路10は1本であっても2本であっても良い。2本の場合には、通常一方を液体通路とし、他方を気体通路とする。また両頭針7の上下針先部は断面斜めにカットされたいわゆるベベル状の刃先を有するものでも、先端の閉塞されたいわゆるロケット針でも良い(図1ではロケット針の一例を表示)。
両頭針7の素材としては、金属、ABS、PC、PP、HDPE、アクリル系樹脂等が好ましいが、限定はされない。
両頭針7の上下針先部以外の部分に開口部11を設け、該開口部11と連通通路10とをエアー導入通路15によって連ねる。この開口部11は、両頭針の針部の外周部でも、またハブ8の上部、下部、側部あるいは端部に位置してもよい。さらに、開口部11の数は限定されない。
【0011】
開口部11には疎水性フィルター13を付設する。疎水性フィルター(通常メンブレンフィルターを使用)としては、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ニトロセルロースなどが掲げられる。
付設方法としては、図3の(A)のように両側からネット12ではさむ構成、同じく(B)のように両側から凹凸状のソケット14ではさみ、両頭針からの突部に嵌め込んだり、凹部圧入したり、両頭針と素材が同一の場合には直接に溶着固定したり、その他公知の接着付設手段を使用すれば良い。
また、疎水性フィルター13を他部材で両方からはさむ構成にも限定されず、要は開口部を疎水性フィルターで閉塞すれば良い。
【0012】
なお、両頭針7の上下針先部とバイアル2の口蓋部及び可撓性容器3の口蓋部とは未使用時は隔離されているが、後記の使用時において圧縮空気が疎水性フィルター13の開口部11のみから連通通路10に入るようバイアル2側の針先にゴムキャップ15等の両頭針7の上部針先で穿刺可能な軟性部材で被覆することも考えられる。
また、可撓性容器3に収容された溶解液の残空間には、空気を注入しておく必要はない。
【0013】
さて、カプセル1内の無菌空間9には一定のエアーが入っているが、バイアル2を下方へスライドさせると無菌空間9内の容積が小さくなるためエアーが圧縮される。さらにバイアル2を下降させると両頭針7の上下の針先はそれぞれバイアル2のゴム栓4及び可撓性容器3のゴム栓5を穿刺貫通し、溶解液と粉末薬剤とが混合できる状態となる。
バイアル2と可撓性容器3とが上記両頭針7によって連通すると連通系内の無菌空間9の圧縮エアーは逃げ場を求め、両頭針7の開口部11からエアー導入通路15を経て連通通路10からバイアル2及び可撓性容器3内に移入する。
仮に可撓性容器3内に予めエアーが注入されておれば、上記両頭針7の開口部11を設けておいても無菌空間9内の圧縮エアーは逃げ場がないため、空気圧がそのまま維持される。したがって、バイアル2と可撓性容器3との距離を大きく縮め、両頭針7による連通を完了するのにかなりの力を要することになるが、本発明の場合、そのような問題は生じない。
また、両頭針7の開口部11には疎水性フィルター13が付設されているため、溶解液や混合液が外部へ液漏れすることを防止できる。さらに、上記圧縮エアーが両頭針7の連通通路10に一方的に外部から移入されることによって、副次的に溶解液や混合液の外部への液漏れを防止する作用もある。
【0014】
無菌空間9内のエアーが最終的には可撓性容器3の混合液との残部に注入されるため、混合後直ちに点滴が可能となる。
【0015】なお、可撓性容器のエアー量を変化させ、滅菌後の変化の有無(○は変形なし、×は大きく変形、△はやや変形)、滅菌後の微粒子の混入量を実施例及び比較例によって実験した結果は次のとおりである。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採択することにより、
(1) 溶解液の収容された可撓性容器内に予めエアーを注入しないままの状態で高圧蒸気滅菌をすることができるので、エアーが注入されていた場合のように、エアーの影響により容器が変形することがなく、見栄えを維持することが可能となる。
(2) さらに、エアーの影響による可撓性容器の伸縮を殆んど考えなくて良いので、容器の膨張による内容液への微粒子の混入を防止でき、衛生面での向上が期待できる。
(3) 可撓性容器にエアーを予め注入しておく必要がないため、無菌空間内の圧縮エアーが一方的に内部に移入することにより液漏れを防止することができる。
(4) 点滴使用時に通気針を介してエアーを導入する必要がない。
(5) 全体としてコンパクト化することができるのでコストダウンを図ることができる。
(6) バイアルを下方にスライドさせ、バイアルと可撓性容器を連通させる際に、大きな力を加える必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略断面図である。
【図2】A、Bは本発明を実施した両頭針の例を示す部分拡大断面図である。
【図3】A、Bは本発明の疎水性フィルターの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 カプセル
2 バイアル
3 可撓性容器
7 両頭針
8 ハブ
9 無菌空間
10 連通通路
11 開口部
13 疎水性フィルター
15 エアー導入通路
【産業上の利用分野】
本発明は、医療機関などにおいて点滴注射等に用いられる溶解液と粉末薬剤を、無菌的でかつ簡便に混合するクローズドキットに関する。特に、クローズドキット内のエアーを両頭針に設けた開口部から混合液内に給供できるようにしたキットの提供に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療機関などにおいて、バイアル等の薬剤容器に入った粉末薬剤と、蒸留水や生理食塩水、ブドウ糖液などの溶解液を混合し、点滴注射等に用いる場合において、粉末薬剤を収容したバイアルをカプセル内に収納し、溶解液を収容した可撓性容器と直列状に連結しておき、使用時にこれら二つの容器を両頭針などの連通手段によって無菌的に連通するようにした輸液用容器が存在する(特表昭61−501129号公報、実公平4−22745号公報、特公平5−72830号公報、特開平6−14973号公報、特開平6−14976号公報など)。
【0003】
これらいずれもが、無菌的に溶解液と粉末薬剤を保持しており、使用時に両者を混合する点ですぐれているが、両者をスムーズに混合させたり、混合後容器に外部からエアー針を刺さずに混合液を滴下するためには、容器内に予めエアーを注入しておく必要があった。また容器内に予めエアーを注入していない場合には、混合液を滴下するに際し、別に通気針を使用するか、通気孔が付設された輸液セットを使用する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
ところで、混合液を滴下するに必要なエアーを予め容器内に充填した場合、容器を高圧蒸気滅菌することにより、内部に充填されたエアーの影響で容器が変形したり、容器が膨張することにより容器内に容器の構成材料から微粒子が混入するという問題があった。また、容器外から通気針を介してエアーを導入する場合には、混合液が外気によって汚染される可能性が生じるという問題もあった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】
本発明は、上記のような従来技術の問題点をすべて解決するために新規特考されたものであり、基本的には、粉末薬剤を収容したバイアルと、連通通路を有する両頭針と、該両頭針と前記バイアルをこの順序で収納したカプセルと、溶解液を収容した、実質上空間部を有さないがエアーを注入可能な可撓性容器とを備えた輸液容器において、カプセル系内を無菌状態の空間に形成すると共に、両頭針の上下針先部以外の部分に前記連通通路を連通する開口部を設け、該開口部に疎水性フィルターを付設したことを特徴とする輸液用容器採用している。
【0006】
【作用】
カプセル内のバイアルを押圧下降させると、連通手段の系内の空気圧が高まり、両頭針がバイアルと可撓性容器を連通すると共に、両頭針部の開口部から圧縮エアーが両頭針の連通通路を介してバイアル及び可撓性容器内に移入する。
なお、両頭針の開口部には疎水性フィルターが付設されているので、混合過程で溶解液あるいは混合液が開口部から漏出することもない。そして、最終的には可撓性容器内に混合液と共に一定のエアーが注入されるため、輸液の滴下がスムーズに行なわれる。
【0007】
【実施例】
本発明の一実施例を図面にしたがって説明すれば次のとおりである。なお、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の文言や実施例に限定されず、その均等な範囲にも及ぶ。
図1は、本発明の一実施例の概略断面図、図2は、本発明を実施した両頭針の例を示す部分拡大断面図、図3は、疎水性フィルターの例を示す斜視図である。
【0008】
図1に示すように、輸液用容器の一実施例は、上部にカプセル1とその内部には粉末薬剤(乾燥薬剤)を収容したバイアル2が嵌入されており、バイアル2はカプセルの軸方向に移動しうる構造となっている。このスライド手段としては、図1では、外部のキャップ6を回転させれば、その内壁には螺旋溝が形成されており、一方バイアルは筒状のバイアルガイドに保持されており、該バイアルガイドの外壁には前記螺旋溝と係合する突条が突設されているため、バイアルが下方にスライドする構成であるが、キャップ6の上面を可撓性押圧部材とし、上方外部から押圧してバイアルを下方へスライドする方法もある。あるいは、両頭針のハブをカプセルの内壁に固定し、カプセルを伸縮可能な蛇腹状にしてスライドすることも考えられる。要は、後記の無菌空間9内のエアーが両容器の連通過程で圧縮される構造であれば良い。
下部には、蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖液などの溶解液を収容した可撓性容器3があり、点滴時にはこの容器を逆さにして混合液を注射することとなる。但し、可撓性容器3の下部に混合液取出口を設けておいて、そのままの状態で混合液を注入する方法もある。
【0009】
カプセル1の下部と可撓性容器3とは密封されており、その密封手段は限定されていない。要は、カプセル1内のバイアル2を除く空間と可撓性容器3の上部との間に無菌空間9が保持されれば良い。
このバイアル2の口蓋部はゴム栓4等によって密封されており、また可撓性容器3の口蓋部も同様にゴム栓5等によって密封されている。そして両容器の間にはカプセル1の無菌空間9内をスライドしバイアル2と可撓性容器3とを連通する両頭針7が装着されている。両頭針7には、カプセル1内を軸方向に垂直にスライドできるよう、一般には両頭針7からカプセル1の内壁面と接触するハブ8が横方向に張り出して設けられている。そして、ハブ8の端部はカプセル1の内壁面に突設された軸方向のリブに沿ってスライドする。
ハブ8の平面形状は限定されない。両頭針の側部から放射状に複数本樹設された形状、あるいは両頭針を軸とする円盤状、さらには、円盤の一部を欠截した形状等、任意の形状が考えられる。
【0010】
本発明では、両頭針7の上下針先部を除く部分に、特別の工夫がなされている。
図2は、両頭針7の一部分を拡大した断面図であるが、両頭針7には本来的に上部(バイアル側)と下部(可撓性容器側)に針先部があり内部には軸方向の連通通路10が存在する。この連通通路10は1本であっても2本であっても良い。2本の場合には、通常一方を液体通路とし、他方を気体通路とする。また両頭針7の上下針先部は断面斜めにカットされたいわゆるベベル状の刃先を有するものでも、先端の閉塞されたいわゆるロケット針でも良い(図1ではロケット針の一例を表示)。
両頭針7の素材としては、金属、ABS、PC、PP、HDPE、アクリル系樹脂等が好ましいが、限定はされない。
両頭針7の上下針先部以外の部分に開口部11を設け、該開口部11と連通通路10とをエアー導入通路15によって連ねる。この開口部11は、両頭針の針部の外周部でも、またハブ8の上部、下部、側部あるいは端部に位置してもよい。さらに、開口部11の数は限定されない。
【0011】
開口部11には疎水性フィルター13を付設する。疎水性フィルター(通常メンブレンフィルターを使用)としては、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ニトロセルロースなどが掲げられる。
付設方法としては、図3の(A)のように両側からネット12ではさむ構成、同じく(B)のように両側から凹凸状のソケット14ではさみ、両頭針からの突部に嵌め込んだり、凹部圧入したり、両頭針と素材が同一の場合には直接に溶着固定したり、その他公知の接着付設手段を使用すれば良い。
また、疎水性フィルター13を他部材で両方からはさむ構成にも限定されず、要は開口部を疎水性フィルターで閉塞すれば良い。
【0012】
なお、両頭針7の上下針先部とバイアル2の口蓋部及び可撓性容器3の口蓋部とは未使用時は隔離されているが、後記の使用時において圧縮空気が疎水性フィルター13の開口部11のみから連通通路10に入るようバイアル2側の針先にゴムキャップ15等の両頭針7の上部針先で穿刺可能な軟性部材で被覆することも考えられる。
また、可撓性容器3に収容された溶解液の残空間には、空気を注入しておく必要はない。
【0013】
さて、カプセル1内の無菌空間9には一定のエアーが入っているが、バイアル2を下方へスライドさせると無菌空間9内の容積が小さくなるためエアーが圧縮される。さらにバイアル2を下降させると両頭針7の上下の針先はそれぞれバイアル2のゴム栓4及び可撓性容器3のゴム栓5を穿刺貫通し、溶解液と粉末薬剤とが混合できる状態となる。
バイアル2と可撓性容器3とが上記両頭針7によって連通すると連通系内の無菌空間9の圧縮エアーは逃げ場を求め、両頭針7の開口部11からエアー導入通路15を経て連通通路10からバイアル2及び可撓性容器3内に移入する。
仮に可撓性容器3内に予めエアーが注入されておれば、上記両頭針7の開口部11を設けておいても無菌空間9内の圧縮エアーは逃げ場がないため、空気圧がそのまま維持される。したがって、バイアル2と可撓性容器3との距離を大きく縮め、両頭針7による連通を完了するのにかなりの力を要することになるが、本発明の場合、そのような問題は生じない。
また、両頭針7の開口部11には疎水性フィルター13が付設されているため、溶解液や混合液が外部へ液漏れすることを防止できる。さらに、上記圧縮エアーが両頭針7の連通通路10に一方的に外部から移入されることによって、副次的に溶解液や混合液の外部への液漏れを防止する作用もある。
【0014】
無菌空間9内のエアーが最終的には可撓性容器3の混合液との残部に注入されるため、混合後直ちに点滴が可能となる。
【0015】なお、可撓性容器のエアー量を変化させ、滅菌後の変化の有無(○は変形なし、×は大きく変形、△はやや変形)、滅菌後の微粒子の混入量を実施例及び比較例によって実験した結果は次のとおりである。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採択することにより、
(1) 溶解液の収容された可撓性容器内に予めエアーを注入しないままの状態で高圧蒸気滅菌をすることができるので、エアーが注入されていた場合のように、エアーの影響により容器が変形することがなく、見栄えを維持することが可能となる。
(2) さらに、エアーの影響による可撓性容器の伸縮を殆んど考えなくて良いので、容器の膨張による内容液への微粒子の混入を防止でき、衛生面での向上が期待できる。
(3) 可撓性容器にエアーを予め注入しておく必要がないため、無菌空間内の圧縮エアーが一方的に内部に移入することにより液漏れを防止することができる。
(4) 点滴使用時に通気針を介してエアーを導入する必要がない。
(5) 全体としてコンパクト化することができるのでコストダウンを図ることができる。
(6) バイアルを下方にスライドさせ、バイアルと可撓性容器を連通させる際に、大きな力を加える必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略断面図である。
【図2】A、Bは本発明を実施した両頭針の例を示す部分拡大断面図である。
【図3】A、Bは本発明の疎水性フィルターの例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 カプセル
2 バイアル
3 可撓性容器
7 両頭針
8 ハブ
9 無菌空間
10 連通通路
11 開口部
13 疎水性フィルター
15 エアー導入通路
Claims (6)
- 粉末薬剤を収容したバイアルと、連通通路を有する両頭針と、該両頭針と前記バイアルをこの順序で収納したカプセルと、溶解液を収容した、実質上空間部を有さないがエアーを注入可能な可撓性容器とを備えた輸液容器において、カプセル系内を無菌状態の空間に形成すると共に、両頭針の上下針先部以外の部分に前記連通通路と連通する開口部を設け、該開口部に疎水性フィルターを付設したことを特徴とする輸液用容器。
- 開口部が両頭針の外周部に付設された請求項1記載の輸液用容器。
- 開口部が両頭針のハブの所要箇所に付設された請求項1記載の輸液用容器。
- 疎水性フィルターを開口部に直接固着した請求項1ないし3の何れかに記載の輸液用容器。
- 疎水性フィルターをネット又はソケットにより両側からはさみ込んだ請求項1ないし3の何れかに記載の輸液用容器。
- 両頭針のバイアル側針先を該針先で容易に刺通可能な軟性部材で被覆した請求項1ないし5の何れかに記載の輸液用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18876294A JP3561960B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 輸液用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18876294A JP3561960B2 (ja) | 1994-07-19 | 1994-07-19 | 輸液用容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0824312A JPH0824312A (ja) | 1996-01-30 |
JP3561960B2 true JP3561960B2 (ja) | 2004-09-08 |
Family
ID=16229334
Family Applications (1)
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