JP3561614B2 - 冷蔵庫の扉装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、扉の内側に物品収納用の棚を備えた冷蔵庫の扉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より例えば特開平8−247606号公報に示される如き家庭用の冷蔵庫は、扉の内側に物品収納用の棚やポケットが取り付けられている。そして、下部のポケット(或いは棚)には牛乳パックなどの比較的大型の物品を立てて収納すると共に、上部の棚には卵やバターなどの比較的小さい物品を整理して収納できるように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように扉内側上部の棚やポケットには、冷蔵庫の貯蔵室内の前端部に位置する扉内側の空間を有効に活用して、寸法の小さい物品を整理して収納できるため、出来るだけ段数多く棚を形成すれば、より効率的な収納が可能となる。
【0004】
しかしながら、係る棚を下部のポケットの近傍まで形成してしまうと今度は棚が邪魔となってペットボトルなどの背の高い物品を収納できなくなる問題があった。
【0005】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、扉内側の空間を有効に活用することができる冷蔵庫の扉装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の冷蔵庫の扉装置は、扉の内側に物品収納用の棚を備えたものであって、扉内面の左右に構成され、少なくとも対向する面が開放した係合部と、この係合部の内面に形成された係止部と、係合部の手前側の壁面に形成された切欠部と、係合部の手前側の扉内面に突設された支持部と、左右面の奥側から突出する回動軸を備えた棚本体と、この棚本体が水平状態において回動軸の側面から奥方に突出する係止突起とを備えており、各回動軸は切欠部より進入して各係合部内に回動自在に係合すると共に、棚本体が起立した状態で係止突起は係止部に係脱可能に係止され、棚本体が水平状態に回動された状態で、当該棚本体の左右手前側は支持部に支持されるものである。
【0007】
本発明によれば、扉の内側に物品収納用の棚を備えた冷蔵庫において、扉内面の左右に構成され、少なくとも対向する面が開放した係合部と、この係合部の内面に形成された係止部と、係合部の手前側の壁面に形成された切欠部と、係合部の手前側の扉内面に突設された支持部と、左右面の奥側から突出する回動軸を備えた棚本体と、この棚本体が水平状 態において回動軸の側面から奥方に突出する係止突起とを備えており、各回動軸を各係合部内に回動自在に係合するようにしたので、棚本体を扉の内側において水平とし、或いは、それから回動して起立させることができるようになる。
【0008】
これにより、棚本体を使用するか否か、或いは、当該棚本体より下方に収納する物品の背の高さ寸法に応じて棚本体の姿勢を水平状態と起立状態とに変更することができるので、収納物品の種類や寸法に応じて扉内側の空間を有効に使用することができるようになる。
【0009】
特に、棚本体が起立した状態で係止突起は係止部に係脱可能に係止されるので、棚本体の起立状態は安定的に保持され、扉の開閉時などの衝撃で不用意に回動することを防止できる。また、棚本体が水平状態に回動された状態では、棚本体の左右手前側は支持部に支持されるので、物品の重量によって棚本体が水平状態より更に回動してしまう不都合も確実に防止できるものである。また、回動軸は係合部の切欠部から当該係合部内に進入できると共に、切欠部は係合部の手前側の壁面に形成され、係止突起は棚本体が水平状態において回動軸の側面から奥方に突出しているので、棚本体を水平状態として切欠部より回動軸を進入させれば、係止突起が邪魔になることもない。これにより、取付作業は容易となる。
【0010】
請求項2の発明の冷蔵庫の扉装置は、上記において係合部は弾性を備え、切欠部は拡開した状態で回動軸が通過可能とされているものである。
【0011】
請求項2の発明によれば、上記において係合部は弾性を備え、切欠部は拡開した状態で回動軸が通過可能とされているので、係合部の弾性を利用して切欠部を拡開させ、回動軸を押し込むことによって棚本体の回動軸を係合部に係合させることが可能となる。これにより、棚本体の取付作業と容易としながら、脱落も効果的に防止できるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明を適用した冷蔵庫の扉1の縦断側面図、図2は同扉1の斜視図である。各図において、扉1は図示しない冷蔵庫を構成する断熱箱体の前面開口を開閉自在に閉塞するものであり、その上下一側を断熱箱体に回動自在に枢支されるものである。
【0013】
この扉1は、鋼板製の外板2と、この外板2の内側に組み合わせられた硬質樹脂製の内板3と、これら両板2、3間に発泡充填されたウレタン断熱材4とから構成されている。この内板2左右には突壁6、7が上下に渡って一体に突出形成されており、これら突壁6、7間の上部には比較的浅い扉棚8、9が二段突壁6、7間に渡って取り付けられると共に、突壁6、7間の最下部には大型の扉ポケット(棚)11が取り付けられている。
【0014】
この場合、内板2には突壁6、7間に渡って水平方向に延在する突壁12、13、14がそれぞれ形成されており、各扉棚8、9及び扉ポケット11の後部は各突壁12、13、14上に保持され、左右は突壁6、7に保持される構成とされている。そして、上部の扉棚8、9には卵やバターなどの比較的寸法の小さい物品が載置収納されると共に、最下部の扉ポケット11には牛乳パックや缶飲料、ペットボトルなどの大型で背の高い物品が収納される。
【0015】
また、扉ポケット11の上方、即ち、扉棚9と扉ポケット11の間における突壁6、7の対向する面(内面)の奥部には係合部材21が設けられている。この係合部材21は或程度の弾性を有する硬質樹脂にて成形されており、突壁6、7(内板3)の図示しない孔から断熱材4側に挿入される取付部22と、突壁6、7(内板3)に密接する鍔部23と、この鍔部23上に形成された環状の縦壁24を備えている。
【0016】
そして、縦壁24の内側に相互に対向する面(係合部材21が対向する面)が開放した係合部26が構成されると共に、縦壁24の手前側の部分(壁面)は所定の幅で切り欠かれ、切欠部27が構成されている。また、この切欠部27の両側には相互に離間するように手前側に延在する案内壁28が縦壁24と一体に鍔部23上に形成されている。
【0017】
更に、縦壁24の内面は切欠部27と対向する位置にて所定の範囲で外側(半径方向)に拡張され、そこに拡張部31が形成されると共に、拡張部31の前端部より少許後方の位置には内方に突出した係止部32が係合部26の内面に形成されている。また、各係合部材21、21の手前側下には上面が平坦とされた支持部33、33が各突壁6、7から一体に突出形成されている。
【0018】
そして、前記係合部材21、21には小物棚41が取り付けられる。この小物棚41は上下寸法の大なる前面42と、それよりも低い後面43と、左右側面44、44と、底面46から成り、上面に開放した容器状の棚本体45から構成されている。また、棚本体45の左右側面44、44の奥部には外方(左右方向)に突出する円柱状の回動軸48、48が設けられている。また、この回動軸48の側面には半径方向に突出する係止突起49が、水平状態において奥下方に突出するように一体に形成されている。
【0019】
尚、回動軸48の直径は、前記保持部材21の保持部26の内径と略同等か少許小さく、且つ、切欠部27の開口寸法よりも少許多くなるように設定されている。
【0020】
係る小物棚41を取り付ける際には、左右の回動軸48、48を保持部材21、21の案内部28、28間に宛って押し込む。このとき、保持部材21は弾性を有しているので、切欠部27はこのときの力で拡開し、それによって回動軸48、48は切欠部27を通過して各保持部材21、21の保持部26内に進入できる。
【0021】
これによって、小物棚41は扉1の内側の突壁6、7間に渡り、回動軸48、48を中心として回動自在に取り付けられる。その際、回動軸48の係止突起49は、縦壁24の拡張部31内に移動自在に進入する。
【0022】
そして、扉ポケット11内に図1の如く牛乳パックや缶飲料などの比較的背の低い物品を収納する際には、小物棚41を図5中時計回りに回動して水平状態とする(図1、図2)。このとき、小物棚41の底面46の前部左右は図5に実線で示す如く支持部33、33上に載置され、支持される。従って、小物棚41内に小さいチューブ食品などの小物品を収納されても、更に回動してしまうことはない。
【0023】
また、扉ポケット11内に図6の如くペットボトルなどの背の高い物品を収納する際には、小物棚41を図5中半時計回りに回動して起立状態とする(図6)。このとき、小物棚41の回動軸48の係止突起49は、係止部材21の係止部32を乗り越えてその手前側に係脱可能に係止される(図5に二点鎖線で示す)。
【0024】
これによって、小物棚41は図6に示す如く内板3の内側に沿って起立した状態となるので、ペットボトルなどの背の高い物品を下方の扉ポケット11に収納しても邪魔にならずに支障無くそれら物品を収納できるようになる。また、係止突起49は係止部32に係止されるので、不用意に起立状態から小物棚41が回動してしまうことも防止される。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、扉の内側に物品収納用の棚を備えた冷蔵庫において、扉内面の左右に構成され、少なくとも対向する面が開放した係合部と、この係合部の内面に形成された係止部と、係合部の手前側の壁面に形成された切欠部と、係合部の手前側の扉内面に突設された支持部と、左右面の奥側から突出する回動軸を備えた棚本体と、この棚本体が水平状態において回動軸の側面から奥方に突出する係止突起とを備えており、各回動軸を各係合部内に回動自在に係合するようにしたので、棚本体を扉の内側において水平とし、或いは、それから回動して起立させることができるようになる。
【0026】
これにより、棚本体を使用するか否か、或いは、当該棚本体より下方に収納する物品の背の高さ寸法に応じて棚本体の姿勢を水平状態と起立状態とに変更することができるので、収納物品の種類や寸法に応じて扉内側の空間を有効に使用することができるようになる。
【0027】
特に、棚本体が起立した状態で係止突起は係止部に係脱可能に係止されるので、棚本体の起立状態は安定的に保持され、扉の開閉時などの衝撃で不用意に回動することを防止できる。また、棚本体が水平状態に回動された状態では、棚本体の左右手前側は支持部に支持されるので、物品の重量によって棚本体が水平状態より更に回動してしまう不都合も確実に防止できるものである。また、回動軸は係合部の切欠部から当該係合部内に進入できると共に、切欠部は係合部の手前側の壁面に形成され、係止突起は棚本体が水平状態において回動軸の側面から奥方に突出しているので、棚本体を水平状態として切欠部より回動軸を進入させれば、係止突起が邪魔になることもない。これにより、取付作業は容易となる。
【0028】
請求項2の発明によれば、上記において係合部は弾性を備え、切欠部は拡開した状態で回動軸が通過可能とされているので、係合部の弾性を利用して切欠部を拡開させ、回動軸を押し込むことによって棚本体の回動軸を係合部に係合させることが可能となる。これにより、棚本体の取付作業と容易としながら、脱落も効果的に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した冷蔵庫の扉の縦断側面図である。
【図2】小物棚を水平とした状態の扉の斜視図である。
【図3】小物棚を取り付ける前の扉の斜視図である。
【図4】係合部材部分の扉の拡大斜視図である。
【図5】小物棚の動作を説明する図である。
【図6】小物棚を起立させた状態の扉の斜視図である。
【符号の説明】
1 扉
2 外板
3 内板
6、7 突壁
8、9 扉棚
11 扉ポケット
21 保持部材
26 保持部
27 切欠部
32 係止部
33 支持部
41 小物棚
45 棚本体
48 回動軸
49 係止突起
Claims (2)
- 扉の内側に物品収納用の棚を備えた冷蔵庫において、
前記扉内面の左右に構成され、少なくとも対向する面が開放した係合部と、この係合部の内面に形成された係止部と、前記係合部の手前側の壁面に形成された切欠部と、前記係合部の手前側の前記扉内面に突設された支持部と、左右面の奥側から突出する回動軸を備えた棚本体と、該棚本体が水平状態において前記回動軸の側面から奥方に突出する係止突起とを備え、前記各回動軸は前記切欠部より進入して前記各係合部内に回動自在に係合すると共に、前記棚本体が起立した状態で前記係止突起は前記係止部に係脱可能に係止され、前記棚本体が水平状態に回動された状態で、当該棚本体の左右手前側は前記支持部に支持されることを特徴とする冷蔵庫の扉装置。 - 係合部は弾性を備え、前記切欠部は拡開した状態で前記回動軸が通過可能とされていることを特徴とする請求項1の冷蔵庫の扉装置。
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