JP3561185B2 - 床版用デッキ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、道路橋や歩道橋などの橋梁や人口地盤などの床版に使用する床版用デッキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば橋梁では、下部構造として地中に構築した基礎の上に橋脚をたて、この橋脚の上に上部構造として橋桁を設け、この橋桁の上に床版を設けているが、この床版には、従来、種々のタイプがあり、最も一般的なコンクリート床版は主桁等にジベルを取り付け、これを現場で打設した床版コンクリート内に埋設して床版を主桁に接合する。
【0003】
また、金属製床版は鋼製床版を主桁や床組みと現場で溶接により接合し、PC床版は主桁などに取り付けたスタッドジベルをPC床版に予め設けた孔に挿入し、この孔をコンクリートで埋めることでPC床版を主桁に接合している。
【0004】
しかしながら、前記コンクリート床版は現場で構築するものであるため、コンクリートを打設し、養生するために必要な足場を仮設したり型枠を組む必要があるだけでなく、コンクリートが固化するまで次の作業に移行できないため、床版の構築には時間と労力を要する。
【0005】
鋼製床版やPC床版は、床版の重量が大きく、溶接作業やコンクリート充填作業などの現場での作業にも時間と手間を要し、作業性がよくない。特に、鋼鉄の直交異方性のデッキの隅肉溶接部は疲労破壊の原因となる。また、横方向、すなわち主要な交通の流れ方向に直交する方向には柔軟性がないため、被覆表面の欠損にいたることになり、結果として高価なものとなる。さらに、鋼製床版やコンクリート床版、PC床版の内部の補強鋼材は錆びやすいため、高価な耐食処理、検査、ないしはペイント処理を必要とする。
【0006】
そこで、軽量で保護コーティングなしでも耐蝕性があり、取扱いも便利であり、厳しい規格に対してもこれを満足させる製造が可能であり、強度的にも信頼でき、溶接個所が少なく、双方向の剛性があり、被覆層の剥離に対して抵抗力があり、被覆層の接着力が強く、リサイクルした材料の使用も可能で、全体的に製造が安価にできる床版として、例えば米国特許第5651154号に記載のようなアルミニウム製のものがある。
【0007】
これは、図11、図12に示すようにアルミニウム合金の中空押出形材でデッキパネルのエレメント21を作製し、該エレメント21を長さ方向および横方向に接合してデッキパネル1を形成するもので、エレメント21は、一般的な塗装を必要とせずに塩化物や他の腐食の原因となる薬品に対して優れた耐性を有するものとして、例えばアルミニウム合金6063−T6または他の同様な合金を材質として、形状は図12に示すように、上部フランジ22、これに平行に対向する下部フランジ23、この上部フランジ22と下部フランジ23との間に設けた縦方向のウェブ24、斜めのウェブ25とで構成し、細長いエレメント21の長さ方向に対して直交する方向にトラス形状の断面三角形の空所26を形成するものである。
【0008】
そして、このような形状のエレメント21を横方向に並列させ、隣接するエレメント21同士の上部フランジ22の先端同士を長さ方向にそって突き合わせ、また、下部フランジ23の先端同士も同様にして突き合わせて、これらの突き合わせ部を溶接し接合する。かかる溶接作業は工場に設置の溶接装置を使用して行う。
【0009】
このようにして工場で形成された片側完全溶込み溶接部27、28によって横方向に隣接するエレメント21が接合されてデッキパネル1が形成され、該デッキパネル1には斜めのウェブ25と下部フランジ23とによって隣接のエレメント21間に比較的大きなほぼ三角形の断面の空所29が形成され、一体に溶接されたエレメント21の上部および下部フランジ22、23間のスムーズな歪み転移が可能となり、交通の方向に対して平行および垂直の両方向の曲げに耐えうるようにデッキに対して相当の剛性を与えるように機能する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、一般的には中空押出形材同士を溶接で接合する場合、溶接方法としてはアーク溶接などの溶融溶接が適用されており、前記した従来例でもエレメント21の上部フランジ22同士や下部フランジ23同士の接合は、片側完全溶込み溶接により行っている。溶融溶接は溶接材に荷重がほとんどかからないため、溶接構造も軽量構造になっているが、接合後の変形が大きかったり、接合部の欠陥が多かったりして、溶接接合部の強度低下が生じるおそれがあるという問題がある。
【0011】
そこで、かかる不都合を解消するものとして、摩擦攪拌溶接法(FSW)が考えられ、これは、例えば、加工物よりも実質的に硬い材質からなるツールを加工物の溶接部に挿入し、挿入したツールを回転させながら移動させることにより溶接線方向の溶接を行うようにした溶接方法、すなわち、回転ツールと加工物との間に生じる摩擦熱による塑性流動を利用して摩擦溶接するものである。
【0012】
この摩擦攪拌溶接法は、溶接部材を固定した状態でツールを回転させながら移動することにより接合することができるので、溶接方向に対して実質的に無限に長い部材でもその長手方向に連続的に固相接合することが可能である。そして、回転ツールと溶接部材との摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合のため、接合部を溶融させることなく接合できるという特徴があり、加熱温度が低いため、接合後の変形が少ないということや、接合部は溶融されないため、欠陥が少ないなどの利点があり、押出形材の接合に適しているものと考えられる。
【0013】
しかしながら、この摩擦攪拌溶接法は、固定した溶接部材である押出形材に対して、ツールを上方向からのみ溶接部に挿入するものである。このため、デッキパネルを形成する中空押出形材の上面と下面との両面に溶接部が存在する場合には、例えば上面の接合部を上側にしてこの部分を最初に溶接したならば、次に、中空押出形材の天地をひっくり返して今度は下面側を上にして、この状態で下面側の接合部を溶接する必要があり、中空押出形材を反転させる手間を要し作業性がよくないものであった。
【0014】
また、当初から上面と下面とに面板を備えたデッキパネルにおいて、両面板の間の空所に補剛材を配設しようとする場合には、少なくとも一方の側の面板を切欠き、この切欠き部を介して面板間の空所に補剛材をリブとして配設し、その後、面板の切欠き個所を復旧する必要があり、作業性がよくないだけでなく、デッキパネルに切欠き部、復旧部などが生じて強度的にも低下するおそれがあった。
【0015】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、中空押出形材を溶接で接合する場合に、溶接法として摩擦攪拌溶接法の使用が容易となり、溶接接合部が大きく変形することや、接合部に欠陥が生じることを防止して、溶接接合部の強度低下を防ぎ、強度的に信頼でき、しかも、摩擦攪拌溶接法を使用するに際し、施工性が低下することもなく、さらに軽量化やそれによる施工性の向上も図れる床版用デッキを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、第1に、アルミニウム合金の短冊状の中空押出形材をエレメントとして、その多数を幅方向に溶接してデッキパネルを形成するデッキにおいて、エレメントとしてのアルミニウム合金の中空押出形材は断面逆台形状に形成した中空部の上面板の両側に長手方向にそってフランジを突出させたもので、隣接する中空押出形材の前記フランジの先端縁を長手方向にそって突き合わせ、この突き合わせ部を連続的に摩擦攪拌溶接法による溶接で接合しデッキパネルを形成したことを要旨とするものである。
【0017】
第2に、隣接する中空押出形材のフランジの接合部の下方に形成される空所に、補剛材としての側面T型形材を適宜間隔で配置して溶接し、該側面T型形材をビームまたは桁などのデッキパネル支持部に固定することを要旨とするものである。
【0018】
第3に、側面T型形材は、下部を延長し、隣接する空所に溶接されるもの同士の下部の延長部を相互に連成することを要旨とするものである。
【0019】
第4に、隣接する中空押出形材のフランジの接合部の下方に形成される空所に、補剛材としての側面T型形材を適宜間隔で配置して溶接するとともに、中空押出形材の下面から長手方向にそって逆T形のビームを一体に成形し、該逆T形のビームのフランジを下方の桁に固定することを要旨とするものである。
【0020】
第5に、隣接する中空押出形材のフランジの接合部の下方に形成される空所に、補剛材としての側面T型形材を適宜間隔で配置して溶接するとともに、前記側面T型形材の下部に中空押出形材の長手方向にそってH型ビームを摩擦攪拌溶接法による溶接で接合し、該H型ビームの下部フランジを下方の桁に固定することを要旨とするものである。
【0021】
請求項1記載の本発明によれば、中空押出形材の上面長手方向にそって突出したフランジの先端縁を長手方向にそって突き合わせ、この突き合わせ部を連続的に接合するから、摩擦攪拌溶接法による接合も容易に行うことができる。そして、摩擦攪拌溶接法による溶接で接合するから、溶接部が大きく変形することや、接合部に欠陥が生じることがなく、溶接接合部の強度低下を防ぎ、強度的に信頼できるデッキパネルが得られる。そして、このデッキパネルは、アルミニウム合金を材質としているから、軽量で、保護コーティングなしでも耐蝕性があり、取扱いも便利であり、厳しい規格に対してもこれを満足させる製造が可能であり、施工性の向上も図れる。
【0022】
また、前記作用に加えて、中空押出形材は、中空部を断面逆台形状に形成し、隣接する中空押出形材を接合した状態ではフランジの接合部の下方に形成される空所を断面台形状としたから、トラス構造と同様の強度を確保できる。
【0023】
請求項2記載の本発明によれば、前記作用に加えて、隣接する中空押出形材のフランジの接合部の下方に形成される空所に、側面T型形材を適宜間隔で配置して溶接することにより補強を図れると同時に、該側面T型形材をビームまたは桁などのデッキパネル支持部に固定することにより、側面T型形材を継手として利用でき、この場合、結果として固定個所にのみ継手となる側面T型形材が配設されることになるから、さらに軽量化が図れる。
【0024】
請求項3記載の本発明によれば、前記作用に加えて、側面T型形材の下部に延長部を設けたことにより、この延長部の高さを適宜設定することで最適な水勾配が得られる。
【0025】
請求項4記載の本発明によれば、前記作用に加えて、中空押出形材の下面から長手方向にそって逆T形のビームを一体に成形し、該逆T形のビームのフランジを下方の桁に固定することにより、デッキパネルを桁に固定するためのビームを別途設ける必要がなくなり、側面T型形材に固定のためのボルト孔を穿設する必要もなくなるからデッキパネルの強度をアップできる。
【0026】
請求項5記載の本発明によれば、前記作用に加えて、側面T型形材の下部に中空押出形材の長手方向にそってH型ビームを摩擦攪拌溶接法による溶接で接合する場合でも、上面側のフランジを溶接する場合と同方向からH型ビームの溶接も行えるから、中空押出形材を反転せずにそのままの状態で上下2個所の溶接が行えて施工性が向上する。また、H型ビームの下部フランジを下方の桁に固定するから、側面T型形材などに固定のためのボルト孔を穿設する必要がなくなり、デッキパネルの強度を向上できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の床版用デッキの第1実施形態を示す一部切欠いた斜視図、図2は同上縦断正面図、図3は同上縦断側面図で、本発明のデッキも図11に示した従来例と同様にアルミニウム合金の中空押出形材2をエレメントとして、その複数を長手方向および幅方向に溶接してデッキパネル1を形成するものであり、アルミニウム合金としては、例えば熱処理合金系の6000系、5000系合金を使用する。
【0028】
この中空押出形材2は、長手方向にそって両側にフランジ2aを突出させた上面板2bと、該上面板2bと平行で上面板2bより幅狭の下面板2cと、該上面板2bと下面板2cとを接続する斜めの側面板2dとで構成して中空部2eを断面逆台形状に形成した。
【0029】
図中3は後述するように中空押出形材2を横方向に接合したときにフランジ2aの下方に形成される空所4に取り付ける補剛材兼継手となる側面T型形材を示し、空所4に配置される正面台形状の本体3aと下部フランジ3bとで形成する。
【0030】
次にかかる中空押出形材2と側面T型形材3とでデッキパネル1を作製する方法について説明する。中空押出形材2を長手方向と横方向とに接合するが、横方向への接合は、中空押出形材2の上面両側に長手方向にそって突出しているフランジ2aを、隣接する中空押出形材2同士で長手方向にそって突き合わせ、この突き合わせ部を連続的に摩擦攪拌溶接法(FSW)による溶接で接合しデッキパネル1を形成する。
【0031】
摩擦攪拌溶接法は、例えば、図2に示すように加工物(本実施形態では中空押出形材2)よりも実質的に硬い材質からなるツール6を加工物の溶接部5に挿入し、挿入したツール6を回転させながら移動させることにより溶接線方向の溶接を行うようにした溶接方法、すなわち、回転ツール6と加工物との間に生じる摩擦熱による塑性流動を利用して摩擦溶接するものである。
【0032】
この摩擦攪拌溶接法は、溶接部材を固定した状態でツール6を回転させながら移動することにより接合することができるので、溶接方向に対してその長手方向に連続的に固相接合することが可能である。そして、回転ツール6と溶接部材との摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合のため、接合部を溶融させることなく接合できるという特徴があり、加熱温度が低いため、接合後の変形が少ないということや、接合部は溶融されないため、欠陥が少ないなどの利点があり、押出形材の接合に適しているものと考えられる。
【0033】
なお、ツール6は上から下方向に向けて挿入するものであり、中空押出形材2のフランジ2aを溶接する場合は、フランジ2aの側を下側にして行う。こうして工場などで中空押出形材2を横方向に適宜数接合して輸送可能なユニットとする。
【0034】
そして、接合したフランジ2aの下方に形成される断面台形状の空所4に補剛材兼継手となる側面T型形材3の複数を適宜間隔、例えば2〜3m間隔で配置し、その本体3aの上部および側部をMIGまたはTIG溶接法によりフランジ2aの下面および側面板2dの外側に接合する。これにより中空押出形材2と直交する方向に側面T型形材3が配置される。
【0035】
この第1実施形態は、橋軸と直交する方向に中空押出形材2が配置される場合であり、中空押出形材2の下面板2cおよび側面T型形材3の下部フランジ3bをデッキパネル1の支持部であるH型鋼によるビーム7の上部フランジ7aの上に配置し、側面T型形材3の下部フランジ3bとビーム7の上部フランジ7aとをボルト8で締めつけ固定する。これにより橋軸であるビーム7と直交する方向に中空押出形材2が並列されたデッキパネル1が配設される。
【0036】
図4〜図6に示す第2実施形態は第1実施形態と同様に橋軸と直交する方向に中空押出形材2を配置する場合で、中空押出形材2の構造は第1実施形態と同様であるから、ここでの詳細な説明は省略する。この第2実施形態では、中空押出形材2を横方向に接合したときにフランジ2aの下方に形成される空所4に取り付ける補剛材兼継手となる側面T型形材3の形状として、空所4に溶接される本体3aの下部を延長し、隣接する空所4に溶接されるもの同士の下部の延長部3cを相互に連成し、全体形状を略櫛の歯状に形成した。
【0037】
この中空押出形材2と側面T型形材3とでデッキパネル1を作製する方法について説明する。中空押出形材2を長手方向と横方向とに接合するが、横方向への接合は、第1実施形態と同様にして中空押出形材2の上面両側に長手方向にそって突出しているフランジ2aを、隣接する中空押出形材2同士で長手方向にそって突き合わせ、この突き合わせ部を連続的に摩擦攪拌溶接法による溶接で接合しデッキパネル1を形成する。
【0038】
そして、接合したフランジ2aの下方に形成される空所4に補剛材兼継手となる側面T型形材3を適宜間隔で配置し、本体3aの上部と側部をMIGまたはTIG溶接法により中空押出形材2のフランジ2aの下面および側面板2dの外側に、また、延長部3cの上部を中空押出形材2の下面板2cの下面に溶接した。
【0039】
次に側面T型形材3の下部フランジ3bをデッキパネル1の支持部であるH型鋼によるビーム7の上部フランジ7aの上に配置し、側面T型形材3の下部フランジ3bとビーム7の上部フランジ7aとをボルト8で締めつけ固定する。これにより橋軸であるビーム7と直交する方向に中空押出形材2が並列されたデッキパネル1が配設される。
【0040】
この場合、側面T型形材3の延長部3cの高さを適宜設定することにより、デッキパネル1に勾配を設けることができ、排水用の水勾配とすることができる。
【0041】
図7、図8は第3実施形態を示し、橋軸と平行方向に中空押出形材2を配置する場合で、中空押出形材2の基本構造は前記第1、第2実施形態と同様であるが、前記した構造に加えてこの第3実施形態では中空押出形材2の下面板2cの下面から長手方向にそって逆T形のビーム9を一体に成形し、このビーム9の下部のフランジ9aを下方のH形鋼10による桁の上部フランジ10aにボルト8で固定する。
【0042】
中空押出形材2の複数を横方向に摩擦攪拌溶接法による溶接により接合する構成、側面T型形材3を空所4にMIGまたはTIG溶接法による溶接により接合する構成は前記第1、第2実施形態と同様である。
【0043】
これにより、第3実施形態では中空押出形材2は橋軸である桁、すなわちH形鋼10に対してこれと平行の同方向に配置される。この場合は、ビームとして機能する部材が逆T形のビーム9として中空押出形材2の下部に一体に成形されるから、別途格別にビームを中空押出形材2に結合する必要がなく、よって、結合のためのボルト孔を穿設する必要もなくなるから、より大きな強度を確保できることになる。
【0044】
図9、図10は第4実施形態を示し、これも第3実施形態と同様に橋軸と平行方向に中空押出形材2を配置する場合で、中空押出形材2の基本構造は前記第1、第2、第3実施形態と同様であるが、側面T型形材3の構造は、前記第1、第2、第3実施形態とは異なり、下部フランジ3bを備えない一枚ものの板状に形成する。
【0045】
そして、デッキパネル1を作製するには、第1実施形態と同様にして中空押出形材2を横方向に摩擦攪拌溶接法による溶接により接合し、さらに、この接合によってフランジ2aの下方に形成される空所4に側面T型形材3をMIGまたはTIG溶接法による溶接により接合した後に、側面T型形材3の下面に中空押出形材2の長手方向にそってH型ビーム11を摩擦攪拌溶接法による溶接で接合する。
【0046】
この接合は、H型ビーム11の上部フランジ11aの両側の先端縁を長さ方向にそって中空押出形材2の側面板2dと下面板2cとの角部に溶接することになり、H型ビーム11の上部フランジ11aが空所4の下方を塞ぐかたちでH型ビーム11が中空押出形材2と同方向に接合される。そして、H型ビーム11の溶接は、中空押出形材2を横方向に溶接する場合と同じ方向から溶接できるから、中空押出形材2を反転させずにそのままの状態で行えるから、作業性がよい。
【0047】
次にH型ビーム11の下部フランジ11bを下方のH形鋼10による桁の上部フランジ10aにボルト8で固定する。これにより、第4実施形態では中空押出形材2は橋軸である桁、すなわちH形鋼10に対してこれと平行の同方向に配置される。この場合は、H型ビーム11は中空押出形材2の下部に摩擦攪拌溶接法による溶接で接合されるから、H型ビーム11を中空押出形材2に結合するためのボルト孔を穿設する必要がなく、より大きな強度を確保できることになる。
【0048】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の床版用デッキは、中空押出形材の上面長手方向にそって突出したフランジの先端縁を長手方向にそって突き合わせ、この突き合わせ部を連続的に接合するから、接合法に摩擦攪拌溶接法を採用する場合でも容易に接合を行うことができる。そして摩擦攪拌溶接法による溶接で接合するから、溶接部が大きく変形することや、接合部に欠陥が生じることがなく、溶接接合部の強度低下を防ぎ、強度的に信頼できるデッキパネルが得られる。
【0049】
さらに、このデッキパネルは、アルミニウム合金を材質としているから、軽量で、保護コーティングなしでも耐蝕性があり、取扱いも便利であり、厳しい規格に対してもこれを満足させる製造が可能であり、施工性の向上も図れる。
【0050】
また、中空押出形材のフランジの接合部の下方に形成される空所に、側面T型形材を適宜間隔で配置して溶接したから、より補強を図れると同時に、下方のビームや桁との固定個所にのみ継手となる側面T型形材が配設されることになるから、さらに軽量化が図れる。
【0051】
そして、側面T型形材の下部に延長部を設けたことにより、この延長部の高さを適宜設定することで最適な水勾配が得られる。
【0052】
さらに、中空押出形材の下面から長手方向にそって逆T形のビームを一体に成形するタイプでは、デッキパネルを桁に固定するためのビームを別途設ける必要がなくなり、側面T型形材に固定のためのボルト孔を穿設する必要もなくなるからデッキパネルの強度をよりアップできる。
【0053】
側面T型形材の下部に中空押出形材の長手方向にそってH型ビームを摩擦攪拌溶接法による溶接で接合して空所を塞ぐ場合でも、上面側のフランジを溶接する場合と同方向からH型ビームの溶接も行えるから、中空押出形材を反転せずにそのままの状態で上下2個所の溶接が行えて施工性が向上する。また、H型ビームの下部フランジを下方の桁に固定するから、側面T型形材などに固定のためのボルト孔を穿設する必要がなくなり、デッキパネルの強度を向上できる。
【0054】
そして、中空押出形材は、中空部を断面逆台形状に形成し、隣接する中空押出形材を接合した状態ではフランジの接合部の下方に形成される空所を断面台形状としたから、トラス構造と同様の強度を確保できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床版用デッキの第1実施形態を示す一部切欠いた斜視図である。
【図2】本発明の床版用デッキの第1実施形態を示す縦断正面図である。
【図3】本発明の床版用デッキの第1実施形態を示す縦断側面図である。
【図4】本発明の床版用デッキの第2実施形態を示す一部切欠いた斜視図である。
【図5】本発明の床版用デッキの第2実施形態を示す縦断正面図である。
【図6】本発明の床版用デッキの第2実施形態を示す縦断側面図である。
【図7】本発明の床版用デッキの第3実施形態を示す縦断正面図である。
【図8】本発明の床版用デッキの第3実施形態を示す縦断側面図である。
【図9】本発明の床版用デッキの第4実施形態を示す縦断正面図である。
【図10】本発明の床版用デッキの第4実施形態を示す縦断側面図である。
【図11】従来のデッキの一部切欠いた平面図である。
【図12】従来のデッキのデッキパネルの縦断正面図である。
【符号の説明】
1…デッキパネル 2…中空押出形材
2a…フランジ 2b…上面板
2c…下面板 2d…側面板
2e…中空部 3…側面T型形材
3a…本体 3b…下部フランジ
3c…延長部
4…空所 5…溶接部
6…ツール 7…ビーム
7a…上部フランジ 8…ボルト
9…ビーム 9a…フランジ
10…H形鋼 10a…上部フランジ
11…H型ビーム 11a…上部フランジ
11b…下部フランジ 21…エレメント
22…上部フランジ 23…下部フランジ
24…縦方向のウェブ 25…斜めのウェブ
26…空所 27…溶接部
28…溶接部 29…空所

Claims (5)

  1. アルミニウム合金の短冊状の中空押出形材をエレメントとして、その多数を幅方向に溶接してデッキパネルを形成するデッキにおいて、エレメントとしてのアルミニウム合金の中空押出形材は断面逆台形状に形成した中空部の上面板の両側に長手方向にそってフランジを突出させたもので、隣接する中空押出形材の前記フランジの先端縁を長手方向にそって突き合わせ、この突き合わせ部を連続的に摩擦攪拌溶接法による溶接で接合しデッキパネルを形成したことを特徴とする床版用デッキ。
  2. 隣接する中空押出形材のフランジの接合部の下方に形成される空所に、補剛材としての側面T型形材を適宜間隔で配置して溶接し、該側面T型形材をビームまたは桁などのデッキパネル支持部に固定する請求項1記載の床版用デッキ。
  3. 側面T型形材は、下部を延長し、隣接する空所に溶接されるもの同士の下部の延長部を相互に連成する請求項2記載の床版用デッキ。
  4. 隣接する中空押出形材のフランジの接合部の下方に形成される空所に、補剛材としての側面T型形材を適宜間隔で配置して溶接するとともに、中空押出形材の下面から長手方向にそって逆T形のビームを一体に成形し、該逆T形のビームのフランジを下方の桁に固定する請求項1記載の床版用デッキ。
  5. 隣接する中空押出形材のフランジの接合部の下方に形成される空所に、補剛材としての側面T型形材を適宜間隔で配置して溶接するとともに、前記側面T型形材の下部に中空押出形材の長手方向にそってH型ビームを摩擦攪拌溶接法による溶接で接合し、該H型ビームの下部フランジを下方の桁に固定する請求項1記載の床版用デッキ。
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