JP3561168B2 - レバー式コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レバー操作によって雌雄一対のコネクタを嵌合させ、その嵌合を解除させるレバー式コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来品の一例を示す分解斜視図である。このレバー式コネクタAは、図外の雌型端子を収容する端子収容室B1が多数形成された雄型ハウジングBと、この雄型ハウジングBが嵌入されるフード部C1を有する雌型ハウジングCと、フード部C1内に揺動自在に立設され一端がフード部C1外へ突出したレバーDとを備えている。
【0003】
雌型ハウジングCには、前記雌型端子に接続される雄型端子Eが多数植設されており、各雄型端子Eはフード部C1内に起立している。雌型ハウジングCは、レバーD一端側のフード部C1に、レバーDの一端を揺動自在に突出させるスリットC2が形成されている。
【0004】
このスリットC2の互いに対向する両対向面C3には、レバーDの一端側底部の両面に突設されたガイド用ボスD1を、フード部C1内への雄型ハウジングBの嵌入方向Y1及びフード部C1内からの雄型ハウジングBの脱出方向Y2へ移動可能に保持するガイド用保持溝C4が形成されている。フード部C1の底壁には、レバーDの他端側底部の両面に設けられ揺動支点となる支点用ボスD2を、嵌入方向Y1及び脱出方向Y2と直交する直交方向Xへ移動可能に保持する支点用保持溝C5が形成されている。
【0005】
雄型ハウジングBは、その底部に、レバーDが挿入されるレバー用凹部B2が形成されている。このレバー用凹部B2には、ガイドリブB3が配設されている。レバーDは、その頂部に、ガイドリブB3と係合して雄型ハウジングBを嵌入方向Y1又は脱出方向Y2へ押進させるカム溝D3が形成されている。
【0006】
このレバー式コネクタAでは、レバーDの一端を持ち上げた状態で雄型ハウジングBの底部を雌型ハウジングCのフード部C1内に挿入し、レバーDのカム溝D3に雄型ハウジングBのガイドリブB3を導入してレバーDの一端を押し下げることにより、レバーDのカム溝D3の上面と雄型ハウジングBのガイドリブB3とが係合して、雄型ハウジングBが嵌入方向Y1へ押進される。従って、てこの原理によって雌雄一対のコネクタを小さい力で嵌合させることができる。
【0007】
また、雌雄一対のコネクタが嵌合している状態でレバーDの一端を持ち上げることにより、レバーDのカム溝D3の下面と雄型ハウジングBのガイドリブB3とが係合して、雄型ハウジングBが脱出方向Y2へ押進される。従って、てこの原理によって雌雄一対のコネクタの嵌合を小さい力で解除させることもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レバー式コネクタAでは、レバーDは、雄型ハウジングBのレバー用凹部B2と協働して、雌雄一対のコネクタの嵌合時に雄型ハウジングBを嵌入方向Y1へ案内し、嵌合解除時に雄型ハウジングBを脱出方向Y2へ案内している。しかし、レバーDは、その一端側底部に設けられたガイド用ボスD1と、他端側底部に設けられた支点用ボスD2との2箇所でしか雌型ハウジングCに保持されておらず、カム溝D3を有する頂部が不安定である。
【0009】
このため、レバー式コネクタAでは、雄型ハウジングBのフード部C1内への嵌入時やフード部C2内からの脱出時にレバーDの頂部がよれて、雄型ハウジングBが傾き、雌雄一対のコネクタの嵌合が歪になったり、嵌合解除に異常な力を要したりする場合がある。
【0010】
そこで、本発明では、雄型ハウジングのフード部内への嵌入時やフード部内からの脱出時に生じるレバー頂部のよれを防止することができ、雌雄一対のコネクタの嵌合や嵌合解除の安定性を向上させることができるレバー式コネクタを提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、一方の端子が配設される雄型ハウジングと、該雄型ハウジングが嵌入されるフード部を有し他方の端子が配設される雌型ハウジングと、前記フード部内に揺動自在に立設され一端がフード部外へ突出したレバーとを備え、レバー一端側のフード部に、レバーの一端を揺動自在に突出させる一端側スリットと、レバーの一端側に設けられた揺動ガイド部を雄型ハウジングのフード部内への嵌入方向及びフード部内からの脱出方向へ移動可能に保持する第1保持部とが形成され、フード部の底壁に、レバーの底部に設けられた揺動支点部を前記嵌入方向及び脱出方向と直交する直交方向へ移動可能に保持する第2保持部が形成され、雄型ハウジングに、レバーが挿入されるレバー用凹部が形成され、該レバー用凹部にガイドリブが配設され、レバーの頂部に、該ガイドリブと係合して雄型ハウジングを前記嵌入方向又は脱出方向へ押進させるカム溝が形成されているレバー式コネクタであって、レバー他端側の前記フード部に、レバーの他端部を揺動可能に保持する第3保持部を設けたことを特徴としている。
【0012】
この発明では、レバーは、その一端側に設けられた揺動ガイド部が、雌型ハウジングのフード部に設けられた第1保持部によって、雄型ハウジングのフード部内への嵌入方向及びフード部内からの脱出方向へ移動可能に保持されている。
【0013】
レバーの底部に設けられた揺動支点部は、フード部の底壁に設けられた第2保持部によって、前記嵌入方向及び脱出方向と直交する直交方向へ移動可能に保持されている。レバーの他端部は、フード部に設けられた第3保持部によって揺動可能に保持されている。
【0014】
このため、3点保持によってレバーを安定的に揺動させることができ、従って、雄型ハウジングのフード部内への嵌入時やフード部内からの脱出時に生じるレバー頂部のよれを防止することができ、雌雄一対のコネクタの嵌合や嵌合解除の安定性を向上させることができる。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載のレバー式コネクタであって、第3保持部は、レバーの他端部が挿入された他端側スリットであることを特徴としている。
【0016】
この発明では、雌型ハウジングの第3保持部は、レバーの他端部が挿入された他端側スリットであるので、この他端側スリットでレバーの他端部を揺動可能に確実に保持することができ、従って、雄型ハウジングのフード部内への嵌入時やフード部内からの脱出時に生じるレバー頂部のよれを確実に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を図1〜図5を使用して以下に説明する。図1は、一実施形態を示す分解斜視図である。図2は、図1に示すものの雌コネクタの平面図である。図3は、図2に示すものの右側面図である。図4は、図2に示すもののV−V線断面図である。図5は、図2に示すものの雌型ハウジングのW−W線断面図である。ただし、図1,図5では、レバーは揺動上死点位置に位置し、図2〜図4では、レバーは揺動下死点位置に位置している。
【0018】
図1に示すように、このレバー式コネクタ1は、雄型ハウジング2と、この雄型ハウジング2が嵌入されるフード部31を有する雌型ハウジング3と、フード部31内に揺動自在に立設され一端がフード部31外へ突出したレバー4とを備えている。
【0019】
雄型ハウジング2には、図外の雌型端子(一方の端子)を収容する端子収容室21が左右2列に配列され各列同数づつ所定のピッチで形成されている。各端子収容室21は、雄型ハウジング2の頂面22から底面23まで雄型ハウジング2を貫通し、頂面22側の開口部から、リード線の先端に取り付けられた雌型端子が装着され、底面23側の開口部から、雌型ハウジング3に植設されてフード部31内に起立する雄型端子5(他方の端子)が挿入されるようになっている。
【0020】
雄型ハウジング2の底面23には、レバー4が挿入されるレバー用凹部24が形成されている。このレバー用凹部24は、端子収容室21の配列の中間に位置し、その配列に沿って雄型ハウジング2の底部を貫通している。レバー用凹部24には、所定位置にガイドリブ25が配設されている。このガイドリブ25は、レバー用凹部24の互いに対向する両対向面を連結して雄型ハウジング2を補強している。
【0021】
図1〜図5に示すように、レバー4は、雌型ハウジング3のフード部31から突出する一端側の頂部に、レバー4を揺動させる操作部41が設けられている。レバー4の他端部42は、雌型ハウジング3のレバー4他端側のフード部31に設けられた他端側スリットである第3保持部32に挿入され、この第3保持部32によって揺動可能に保持されている。
【0022】
レバー4の他端側底部の両壁面には、レバー4の揺動支点となる揺動支点部としての支点用ボス43がそれぞれ突設されている。レバー4の一端側底部の両壁面には、レバー4の揺動をガイドする揺動ガイド部としてのガイド用ボス44がそれぞれ突設されている。
【0023】
レバー4の頂部には、雄型ハウジング2のガイドリブ25と係合して雄型ハウジング2を、フード部31内への雄型ハウジング2の嵌入方向Y1又はフード部31内からの雄型ハウジング2の脱出方向Y2へ押進させるカム溝45が形成されている。レバー4の操作部41下方の一壁面には、その下端に、雌型ハウジング3の外壁面下部に設けられたロック片33と係脱自在に係合してレバー4を揺動下死点で固定する弾性片46が配設されている。
【0024】
雌型ハウジング3には、雄型端子5が多数植設されている。各雄型端子5は、その一端が雌型ハウジング3の底部から左右両側へそれぞれ所定のピッチで突出している。雄型端子5の他端部は、雌型ハウジング3のフード部31内で左右2列に配列されて各列同数づつ所定のピッチで起立し、フード部31内に雄型ハウジング2を嵌入させることによって、雄型ハウジング2の端子収容室21に配設される雌型端子に挿入接続されるようになっている。
【0025】
レバー4は、フード部31内における雄型端子5の配列間に、その配列に沿って揺動自在に配設されている。雌型ハウジング3のフード部31には、レバー4の一端側に配設された操作部41をフード部31から揺動自在に突出させる一端側スリット34が形成されている。
【0026】
この一端側スリット34は、フード部31の開放端面31aに開口部を有し、この開口部からレバー4の頂部が出没自在に突出するようになっている。一端側スリット34の互いに対向する両対向面34aには、レバー4のガイド用ボス44を嵌入方向Y1及び脱出方向Y2へ移動可能に保持する第1保持部としてのガイド用保持溝35がそれぞれ形成されている。
【0027】
フード部31の底壁31bには、一端側スリット34の下端から雄型端子5の配列に沿って延びレバー4の底部が揺動可能に挿入された揺動用凹部36が形成されている。この揺動用凹部36の底部には、その左右両側に、レバー4の支点用ボス43を嵌入方向Y1及び脱出方向Y2と直交する直交方向Xへ移動可能に保持する第2保持部としての支点用保持溝37が形成されている。
【0028】
従って、揺動用凹部36及び支点用保持溝37は、一端側スリット34及びガイド用保持溝35と互いに連通している。雌型ハウジング3の底面には、雌型ハウジング3を電気回路基板等に取り付けるための位置決め突部38が2個設けられている。
【0029】
以上説明したレバー式コネクタ1では、レバー4を揺動上死点位置に位置させた状態で雄型ハウジング2の底部を雌型ハウジング3のフード部31内に挿入し、レバー4のカム溝45に雄型ハウジング2のガイドリブ25を導入してレバー4の操作部41を押し下げることにより、レバー4のカム溝45の上面と雄型ハウジング2のガイドリブ25とが係合して、雄型ハウジング2が嵌入方向Y1へ押進される。従って、てこの原理により雌雄一対のコネクタを小さい力で嵌合させることができる。
【0030】
また、雌雄一対のコネクタが嵌合している状態でレバー4の操作部41を持ち上げることにより、レバー4のカム溝45の下面と雄型ハウジング2のガイドリブ25とが係合して、雄型ハウジング2が脱出方向Y2へ押進される。従って、この原理により雌雄一対のコネクタの嵌合を小さい力で解除させることもできる。
【0031】
しかも、レバー式コネクタ1では、レバー4は、雌型ハウジング3のガイド用保持溝35によってガイド用ボス44が嵌入方向Y1及び脱出方向Y2へ移動可能に保持され、雌型ハウジング3の支点用保持溝37によって支点用ボス43が直交方向Xへ移動可能に保持され、雌型ハウジング3の第3保持部32によって他端部42が揺動可能に保持されている。
【0032】
このため、3点保持によってレバー4を安定的に揺動させることができ、従って、雄型ハウジング2のフード部31内への嵌入時やフード部31内からの脱出時に生じるレバー4頂部のよれを防止することができ、雌雄一対のコネクタの嵌合や嵌合解除の安定性を向上させることができる。
【0033】
加えて、レバー式コネクタ1では、雌型ハウジング3の第3保持部32が、レバー4の他端部42が挿入された他端側スリットであるので、この他端側スリットでレバー4の他端部42を揺動可能に確実に保持することができ、従って、雄型ハウジング2のフード部31内への嵌入時やフード部31内からの脱出時に生じるレバー4頂部のよれを確実に防止することができる。
【0034】
なお、雌型ハウジング3のフード部31に設けられた第3保持部32は、スリットに限定されず、例えば、図6に示すように、フード部31の内壁面に凹設されレバー4の他端部42を揺動可能に保持する他端用保持溝であっても良い。あるいは、図7に示すように、フード部31の内壁面に突設された平行な2本のガイド壁50によって形成され、レバー4の他端部42を揺動可能に保持する他端用保持溝であっても良い。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明では、レバーは、その一端側に設けられた揺動ガイド部が、雌型ハウジングのフード部に設けられた第1保持部によって、雄型ハウジングのフード部内への嵌入方向及びフード部内からの脱出方向へ移動可能に保持されている。レバーの底部に設けられた揺動支点部は、フード部の底壁に設けられた第2保持部によって、前記嵌入方向及び脱出方向と直交する直交方向へ移動可能に保持されている。レバーの他端部は、フード部に設けられた第3保持部によって揺動可能に保持されている。このため、3点保持によってレバーを安定的に揺動させることができ、従って、雄型ハウジングのフード部内への嵌入時やフード部内からの脱出時に生じるレバー頂部のよれを防止することができ、雌雄一対のコネクタの嵌合や嵌合解除の安定性を向上させることができる。
【0036】
請求項2の発明では、請求項1の発明の効果に加えて、雌型ハウジングの第3保持部は、レバーの他端部が挿入された他端側スリットであるので、この他端側スリットでレバーの他端部を揺動可能に確実に保持することができ、従って、雄型ハウジングのフード部内への嵌入時やフード部内からの脱出時に生じるレバー頂部のよれを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の一例を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すものの雌コネクタを示す平面図である。
【図3】図2に示すものの右側面図である。
【図4】図2に示すもののV−V線断面図である。
【図5】図2に示すものの雌型ハウジングのW−W線断面図である。
【図6】実施形態の他の一例の要部を示す平面図である。
【図7】実施形態の更に他の一例の要部を示す平面図である。
【図8】従来品の一例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 レバー式コネクタ
2 雄型ハウジング
3 雌型ハウジング
4 レバー
5 雄型端子(他方の端子)
24 レバー用凹部
25 ガイドリブ
31 フード部
31b 底壁
32 第3保持部(他端側スリット)
34 一端側スリット
35 ガイド用保持溝(第1保持部)
37 支点用保持溝(第2保持部)
42 他端部
43 支点用ボス(揺動支点部)
44 ガイド用ボス(揺動ガイド部)
45 カム溝
X 直交方向
Y1 嵌入方向
Y2 脱出方向

Claims (2)

  1. 一方の端子が配設される雄型ハウジングと、該雄型ハウジングが嵌入されるフード部を有し他方の端子が配設される雌型ハウジングと、前記フード部内に揺動自在に立設され一端がフード部外へ突出したレバーとを備え、
    レバー一端側のフード部に、レバーの一端を揺動自在に突出させる一端側スリットと、レバーの一端側に設けられた揺動ガイド部を雄型ハウジングのフード部内への嵌入方向及びフード部内からの脱出方向へ移動可能に保持する第1保持部とが形成され、フード部の底壁に、レバーの底部に設けられた揺動支点部を前記嵌入方向及び脱出方向と直交する直交方向へ移動可能に保持する第2保持部が形成され、雄型ハウジングに、レバーが挿入されるレバー用凹部が形成され、該レバー用凹部にガイドリブが配設され、レバーの頂部に、該ガイドリブと係合して雄型ハウジングを前記嵌入方向又は脱出方向へ押進させるカム溝が形成されているレバー式コネクタであって、
    レバー他端側の前記フード部に、レバーの他端部を揺動可能に保持する第3保持部を設けたことを特徴とするレバー式コネクタ。
  2. 請求項1記載のレバー式コネクタであって、
    第3保持部は、レバーの他端部が挿入された他端側スリットであることを特徴とするレバー式コネクタ。
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