JP3560854B2 - ロータリーバルブを備えた食品加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固形食品素材を加圧加熱処理するための加圧加熱処理部を備えた食品加工装置に関するもので、特に、固形食品素材を充填したリテーナの搬送にロータリーバルブを使用するように構成した食品加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器に充填した固形食品素材を、容器を密封することなく加圧加熱処理するための加圧加熱処理部を備えた食品加工装置として、例えば、固形物をカップに充填し、カップを複数個ずつカセットに収納した後、このカセットを殺菌機に投入して固形物を蒸気で直接殺菌し、殺菌後、クリーンブース内でカセットからカップを取り出して、固形物を調味液とともに容器に充填して密封包装する固形物含有食品の殺菌装置が、特開平9−84567号公報に開示されている。
また、それぞれ上流側に入口、下流側に出口を有する食品供給部、直線筒加熱器、直線筒冷却器、排出部からなり、それぞれを順次、出口と入口とを密閉ゲートを介して、互いに平行あるいは直角に接続して配置し、食品移動方向のそれぞれの上流側に剛性容器を押し出すための押し出し装置を設けた食品殺菌装置が、特開平7−67595号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平9−84567号公報に開示されているようなバッチ処理装置では、殺菌処理の生産性を高めるために、加圧と殺菌と減圧を制御するための制御機構を備えた殺菌釜を複数準備する必要性があり、バッチ処理装置の設備サイズが大きくなり、設備費用が莫大のものになるおそれがあった。
また、特開平7−67595号公報に開示されているような連続処理装置では、加圧加熱装置(殺菌釜)に固形物を充填したリテーナを搬入する場合、或いは、殺菌された固形物を収容したリテーナを殺菌釜から搬出する場合、常圧状態から加圧状態への圧力の制御と、加圧状態から減圧させる制御とが必要であった。このような処理装置では、具体的には、殺菌釜の上流側及び下流側にそれぞれ設けられた調圧室の2つの遮断扉(バルブ)をリテーナを搬入するときと、リテーナを搬出するときに、交互に開閉しなければならなかった。このため、処理装置の操作が煩雑であり、操作に一定の時間を必要としていた。
このような連続処理装置において、処理の生産性を高めるために、複数のリテーナをまとめて調圧室に搬入し、あるいは、複数のリテーナをまとめて調圧室から搬出するように構成すると、調圧室から搬出した後、直ちに、食品素材をリテーナから製品用容器に移し替えすることができない移し替え待機中のリテーナが生じる。このような移し替え待機中のリテーナにおいて、食品素材の菌汚染が発生するおそれを生じさせるという課題があった。
【0004】
【発明の目的】
本発明の目的は、従来のこのような課題を解決するために、連続稼動が可能で、固形食品素材に確実に調理及び又は殺菌等の加工を行うことができ、生産性が高く、さらには、設備全体を小型化することができる食品加工装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、調理及び又は殺菌等の加工を行っているときの無菌性を高く維持することができる食品加工装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、連続的に無菌包装処理することができる食品加工装置であって、容器に充填した固形食品素材を、容器を密封することなく、加圧加熱状態で殺菌及び又は調理するための加圧加熱処理部を備え、固形食品素材を充填した容器を加圧加熱処理部の中へ導入するための容器搬入部が、加圧加熱処理部の上流側端に設けられ、固形食品素材を充填した容器を加圧加熱処理部から搬出するための容器搬出部が、加圧加熱処理部の下流側端に設けられ、容器搬出部に配置され、固形食品素材を充填した容器を加圧加熱処理部の内部から加圧加熱処理部の外部に移動させるための送出用ロータリーバルブを備えているように構成したことを特徴とする。このような構成により、極めて簡単な構造で、固形食品素材に確実に調理及び又は殺菌等の加工を連続的に行うことができ、また、調理及び又は殺菌した固形食品素材を開放状態で待機させることなく、連続的に無菌包装処理することができ、無菌性の極めて高い製品を得ることができる。
【0006】
本発明の食品処理装置では、送出用ロータリーバルブは、固形食品素材を充填した容器を移動させながら、当該容器を収容したバルブ区画内の圧力を減圧させるための減圧部を構成する。この構成により、極めて簡単な構造で、固形食品素材に確実に調理及び又は殺菌等の加工を行うことができ、加圧加熱処理部から大気圧に効率的に減圧することができる。
【0007】
更に、本発明は、食品処理装置において、容器に充填した固形食品素材を、容器を密封することなく、加圧加熱状態で殺菌及び又は調理するための加圧加熱処理部を備え、固形食品素材を充填した容器を加圧加熱処理部の中へ導入するための容器搬入部が、加圧加熱処理部の上流側端に設けられ、固形食品素材を充填した容器を加圧加熱処理部から搬出するための容器搬出部が、加圧加熱処理部の下流側端に設けられ、容器搬入部に配置され、固形食品素材を充填した容器を加圧加熱処理部の外部から加圧加熱処理部の内部に移動させるための導入用ロータリーバルブと、容器搬出部に配置され、固形食品素材を充填した容器を加圧加熱処理部の内部から加圧加熱処理部の外部に移動させるための送出用ロータリーバルブとを備え、送出用ロータリーバルブの外径寸法は導入用ロータリーバルブの外径寸法より大きくなるように形成されていることを特徴とする。
このような構成により、極めて簡単な構造で、固形食品素材に確実に調理及び又は殺菌等の加工を連続的に行うことができ、また、調理及び又は殺菌した固形食品素材を開放状態で待機させることなく、連続的に無菌包装処理することができ、無菌性の極めて高い製品を得ることができる。また、加圧加熱処理後、常圧状態まで減圧する処理工程において、固形食品素材の崩れを防止することができる。
【0008】
本発明の食品処理装置では、固形食品素材を充填した容器を予備加熱するための予備加熱部が加圧加熱処理部の上流側に配置されており、導入用ロータリーバルブは、固形食品素材を充填した容器を予備加熱部から受け入れて加圧加熱処理部に送り込むように構成されるのが好ましい。
このような構成により、均一かつ短時間で固形食品素材の調理及び又は殺菌を行うことができる。
【0009】
また、本発明の食品処理装置では、送出用ロータリーバルブの内部の圧力を調節するために、加圧流体を送出用ロータリーバルブの内部から外部に排出させ、及び又は、加圧流体を送出用ロータリーバルブの外部から内部に導入させるための圧力調節手段が、送出用ロータリーバルブに設けられているのが好ましい。
【0010】
このような構成により、確実に送出用ロータリーバルブの各バルブ区画内の圧力を調節することができる。
【0011】
また、本発明の食品処理装置では、固形食品素材を充填した容器を送出用ロータリーバルブから受け入れて減圧部の外部に排出させるための排出用ロータリーバルブを備えているのが好ましい。
このような構成により、極めて簡単な構造で、固形食品素材を充填した容器を排出させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の食品処理装置の実施の形態について説明する。
最初に、本発明の食品加工装置の実施の形態の構造について説明する。
図1を参照すると、本発明の食品加工装置100は、容器に充填した固形食品素材を加圧加熱状態で殺菌及び又は調理するための加圧加熱処理部102を備える。加圧加熱処理部102は、加圧加熱水蒸気雰囲気下で、固形食品素材を加熱調理し、及び又は、固形食品素材を加熱殺菌するように構成される。
加圧加熱処理部102の横断面形状(長手方向に直角な断面の形状)は、実質的に円形である。加圧加熱処理部102の外径は、約400ミリメートルである。加圧加熱処理部102の横断面形状(長手方向に直角な断面の形状)は、例えば、実質的に四角形であってもよいし、実質的に六角形又は八角形等の多角形であってもよい。
【0013】
本発明の食品加工装置において、食品素材を収容するのに使用される容器として、製品用容器を用いてもよいし、あるいは、図2に示すような円筒形状のリテーナ130を用いてもよい。リテーナ130は、側面筒状部130aと、底部130bとを含む。複数の小孔が底部130bに形成されている。一例として、このリテーナ130の外径は、約100ミリメートルであり、リテーナ130の高さは、約150ミリメートルである。開口部130cが、側面筒状部130aの底部130bと相対する端に設けられている。食品素材は、開口部130cからリテーナ130の中へ入れられる。
【0014】
固形食品素材を充填した容器、すなわち、リテーナ130を加圧加熱処理部102の中へに導入するための容器搬入部104が、加圧加熱処理部102の上流側端に設けられる。固形食品素材を充填したリテーナ130を加圧加熱処理部102から搬出するための容器搬出部108が、加圧加熱処理部102の下流側端に設けられる。固形食品素材を充填したリテーナ130を予備加熱するための予備加熱部110が加圧加熱処理部100の上流側に配置される。
固形食品素材を充填したリテーナ130を加圧加熱処理部102の上流側の外部から加圧加熱処理部102の内部に移動させるための導入用ロータリーバルブ112が、容器搬入部104に配置される。導入用ロータリーバルブ112は、固形食品素材を充填したリテーナ130を予備加熱部110から受け入れて、加圧加熱処理部102の中へ送り込むように構成されている。導入用ロータリーバルブ112の外径は、約420ミリメートルである。
【0015】
固形食品素材を充填したリテーナ130を加圧加熱処理部102の内部から加圧加熱処理部102の下流側の外部に移動させるための送出用ロータリーバルブ114が、容器搬出部108に配置される。送出用ロータリーバルブ114の外径は、約1600ミリメートルである。
固形食品素材を充填したリテーナ130を送出用ロータリーバルブ114から受け入れて、送出用ロータリーバルブ114の外部に排出するための排出用ロータリーバルブ140が、送出用ロータリーバルブ114の下流側に配置される。排出用ロータリーバルブ140の外径は、約420ミリメートルである。
予備加熱部110の横断面形状(長手方向に直角な断面の形状)は、実質的に円形である。予備加熱部110の外径は、約300ミリメートルである。予備加熱部110の横断面形状(長手方向に直角な断面の形状)は、例えば、実質的に四角形であってもよいし、実質的に六角形又は八角形等の多角形であってもよい。
【0016】
予備加熱部コンベヤ120が、予備加熱部110の中に配置される。予備加熱部コンベヤ120は、ネットコンベヤで構成され、固形食品素材を充填したリテーナ130を予備加熱部110の上流側から導入用ロータリーバルブ112に供給するように作動する。
加圧加熱処理部コンベヤ122が、加圧加熱処理部102の中に配置される。加圧加熱処理部コンベヤ122は、ネットコンベヤで構成され、固形食品素材を充填したリテーナ130を加圧加熱処理部102の上流側から下流側へ移動させて、固形食品素材を充填したリテーナ130を送出用ロータリーバルブ114に供給するように作動する。
排出用コンベヤ150が、排出用ロータリーバルブ140の下流側に配置される。排出用コンベヤ150は、ネットコンベヤで構成され、固形食品素材を充填したリテーナ130を排出用ロータリーバルブ140から下流側へ移動させるように作動する。
【0017】
本発明の食品加工装置は、導入用ロータリーバルブ112及び送出用ロータリーバルブ114のうちの少なくとも1つのロータリーバルブを備えるように構成する。図1に示す本発明の食品加工装置100は、導入用ロータリーバルブ112及び送出用ロータリーバルブ114の両方を備えている。
容器、すなわち、リテーナ130を供給するための容器供給部(図示せず)が食品加工装置100の上流側に配置されている。固形食品素材を供給するための固形食品素材充填部(図示せず)が容器供給部の下流側に配置される。殺菌処理された製品用容器を供給するための製品用容器供給部(図示せず)が食品加工装置100の下流側に配置される。リテーナ130の中に収容されている固形食品素材を製品用容器の中に移し替えるための固形食品素材移し替え部(図示せず)が製品用容器供給部の下流側に配置される。液体食品素材を製品用容器の中に供給するための液体食品充填部(図示せず)が固形食品素材移し替え部の下流側に配置される。固形食品素材及び液体食品素材を充填した製品用容器を無菌状態でシールするための無菌包装部(図示せず)が、液体食品充填部の下流側に配置される。なお、上述した送出用ロータリーバルブから下流側に配置される無菌包装部までの各装置は、水蒸気又は無菌空気雰囲気の無菌室内に設置される。
【0018】
図3及び図4を参照すると、導入用ロータリーバルブ112は、ケーシング112aと、ロータ112bとを備える。ロータ112bにより等しい角度間隔で区分された8個のバルブ区画112c1〜112c8が、ケーシング112aの内部に設けられる。バルブ区画112c1〜112c8の数は、2個以上の偶数であるのが好ましい。導入用ロータリーバルブ112では、ケーシング112aとロータ112bとの間に若干の隙間を有しており、それぞれのバルブ区画112c1〜112c8内の圧力は、バルブ区画112c1〜112c5までは徐々に上昇し、バルブ区画112c6〜112c1までは徐々に下降するように構成されている。
導入用ロータリーバルブ112を作動させることにより、8個のバルブ区画112c1〜112c8は、導入用ロータリーバルブ112のロータ112bの回転中心112dを中心として、矢印112eの方向、すなわち、時計周りの方向に回転できるように構成される。8個のバルブ区画112c1〜112c8は、導入用ロータリーバルブ112のロータ112bの回転中心112dを中心として、反時計周りの方向に回転できるように構成してもよい。
【0019】
導入用ロータリーバルブ112のバルブ区画112c1において、固形食品素材を充填したリテーナ130は予備加熱部110の予備加熱部コンベヤ120から受け入れられる。次に、バルブ区画112c1は矢印112eの方向に回転して、バルブ区画112c2の位置、バルブ区画112c3の位置、バルブ区画112c4の位置を経由して、バルブ区画112c5の位置へ移動する。バルブ区画112c5の位置において、固形食品素材を充填したリテーナ130は導入用ロータリーバルブ112から加圧加熱処理部102の内部へ送り込まれ、加圧加熱処理部コンベヤ122の上に配置される。
【0020】
図5及び図6を参照すると、送出用ロータリーバルブ114は、ケーシング114aと、ロータ114bとを備える。ロータ114bにより等しい角度間隔で区分された36個のバルブ区画114c1〜114c36が、ケーシング114aの内部に設けられる。バルブ区画114c1〜114c36の数は、4個以上の偶数であるのが好ましい。送出用ロータリーバルブ114では、それぞれのバルブ区画114c1〜114c36内の圧力は、バルブ区画114c1から移動するにしたがって下降するように構成されている。
送出用ロータリーバルブ114を作動させることにより、36個のバルブ区画114c1〜114c36は、送出用ロータリーバルブ114のロータ114bの回転中心114dを中心として、矢印114eの方向、すなわち、反時計周りの方向に回転できるように構成される。36個のバルブ区画114c1〜114c36は、送出用ロータリーバルブ114のロータ114bの回転中心114dを中心として、時計周りの方向に回転できるように構成してもよい。
【0021】
送出用ロータリーバルブ114の各バルブ区画114c1〜114c36の内部の圧力を調節するために、加圧流体を前記送出用ロータリーバルブ114の各バルブ区画114c1〜114c36の内部から外部に排出させ、及び又は、加圧流体を送出用ロータリーバルブ114の各バルブ区画114c1〜114c36の外部から内部に導入させるための圧力調節手段が、送出用ロータリーバルブの各バルブ区画114c1〜114c36に対して設けられている。この圧力調節手段は、減圧弁134を含む。
減圧弁134は、送出用ロータリーバルブ114の各バルブ区画114c1〜114c33の内部の圧力が、バルブ区画114c1からバルブ区画114c33に向かって減少するように作動するように構成される。すなわち、バルブ区画114c2における圧力は、バルブ区画114c1における圧力よりも若干低くなるように構成される。バルブ区画114c3における圧力はバルブ区画114c2における圧力より若干低くなるように構成される。同様に、バルブ区画114c4における圧力はバルブ区画114c3における圧力より若干低くなるように構成される。すなわち、あるバルブ区画における圧力は、そのバルブ区画と時計周り方向に隣接する隣のバルブ区画における圧力より若干低くなるように構成される。
【0022】
このようにして、それぞれのバルブ区画114c1〜114c33に設けられた減圧弁134の作動により、バルブ区画114c1〜114c36の内部の圧力は、バルブ区画114c1からバルブ区画114c33に向かって漸減する。その結果、バルブ区画114c33における圧力は、大気圧と実質的に等しくなるように構成されている。
固形食品素材を充填したリテーナ130を各バルブ区画114c1〜114c36から押し出すためのエアシリンダ136が、送出用ロータリーバルブの各バルブ区画114c1〜114c36に対して設けられている。エアシリンダ136は、バルブ区画114c33の位置で作動して、固形食品素材を充填したリテーナ130を送出用ロータリーバルブ114から排出用ロータリーバルブ140のバルブ区画140c1へ送り込むように構成される。
【0023】
送出用ロータリーバルブ114のバルブ区画114c1において、固形食品素材を充填したリテーナ130は、加圧加熱処理部102の加圧加熱処理部コンベヤ122から受け入れられる。次に、バルブ区画114c1は矢印114eの方向に回転して、バルブ区画114c2の位置へ移動し、さらに回転して、バルブ区画114c3の位置から、順番にバルブ区画114c4…バルブ区画114c31、バルブ区画114c32の位置を経由して、バルブ区画114c33の位置へ移動する。バルブ区画114c33の位置において、固形食品素材を充填したリテーナ130は送出用ロータリーバルブ114から排出用ロータリーバルブ140のバルブ区画140c1へ送り込まれる。
排出用ロータリーバルブ140は、ケーシング140aと、ロータ140bとを備える。ロータ140bにより等しい角度間隔で区分された8個のバルブ区画140c1〜140c8が、ケーシング140aの内部に設けられる。
【0024】
排出用ロータリーバルブ140を作動させることにより、8個のバルブ区画140c1〜140c8は、排出用ロータリーバルブ140のロータ140bの回転中心140dを中心として、矢印140eの方向、すなわち、時計周りの方向に回転できるように構成される。8個のバルブ区画140c1〜112c8は、排出用ロータリーバルブ140のロータ140bの回転中心140dを中心として、反時計周りの方向に回転できるように構成してもよい。
排出用ロータリーバルブ140のバルブ区画140c1において、固形食品素材を充填したリテーナ130は送出用ロータリーバルブ114のバルブ区画114c33から受け入れられる。次に、バルブ区画140c1は矢印140eの方向に回転して、バルブ区画140c2の位置、バルブ区画140c3の位置、バルブ区画140c4の位置、バルブ区画140c5の位置を経由して、バルブ区画140c6の位置へ移動する。バルブ区画140c6の位置において、固形食品素材を充填したリテーナ130は排出用ロータリーバルブ140から排出用コンベヤ150の上に配置される。
【0025】
変形例として、排出用ロータリーバルブ140を使用しないで、固形食品素材を充填したリテーナ130を、送出用ロータリーバルブ114から排出用コンベヤ150の上に配置するように構成してもよい。このような構成においては、例えば、送出用ロータリーバルブ114のバルブ区画114c28から排出用コンベヤ150の上に配置するように構成することができる。
【0026】
再び図1を参照すると、導入用ロータリーバルブ112は、バルブ区画の1ピッチ分だけ回転する時間が1秒間であり、停止時間が1秒間である間欠運転をするように制御される。送出用ロータリーバルブ114は、バルブ区画の1ピッチ分だけ回転する時間が1秒間であり、停止時間が1秒間である間欠運転をするように制御される。排出用ロータリーバルブ140は、バルブ区画の1ピッチ分だけ回転する時間が1秒間であり、停止時間が1秒間である間欠運転をするように制御される。
予備加熱部コンベヤ120の全長は約30メートルであり、移動速度が約0.1メートル/秒であり、移動時間が1秒間であり、停止時間が1秒間である間欠運転をするように制御される。従って、予備加熱部コンベヤ120のネットコンベヤの平均移動速度は、約3メートル/分である。
【0027】
加圧加熱処理部コンベヤ122の全長は約40メートルであり、移動速度が約0.1メートル/秒であり、移動時間が1秒間であり、停止時間が1秒間である間欠運転をするように制御される。従って、加圧加熱処理部コンベヤ122のネットコンベヤの平均移動速度は、約3メートル/分である。
排出用コンベヤ150の全長は約40メートルであり、移動速度が約0.1メートル/秒であり、移動時間が1秒間であり、停止時間が1秒間である間欠運転をするように制御される。従って、排出用コンベヤ150のネットコンベヤの平均移動速度は、約3メートル/分である。
なお、上述した導入用ロータリーバルブ112、排出用ロータリーバルブ140、予備加熱部コンベヤ120、加圧加熱処理部コンベヤ122は、連続運転するように制御してもよい。
【0028】
次に、本発明の食品加工装置100の作用について説明する。
以下に示す例では、食品加工装置100が行う処理は殺菌である。
図1を参照すると、固形食品素材として、例えば、一定量の約10ミリメートル角のポテト片と、一定量の約20ミリメートル平方で約3ミリメートル厚の牛肉片と、約4ミリメートル角の人参とを用意する。これらのポテト片、牛肉片、人参の必要量を、それぞれのリテーナ130の中に充填する。これらの固形食品素材は、調理済みのものを用いてもよいし、或いは、これらの固形食品素材をリテーナ130の中に充填し、次に、その固形食品素材を調理してもよい。
【0029】
固形食品素材を充填したリテーナ130を予備加熱部110の予備加熱部コンベヤ120の上に配置する。固形食品素材を充填したリテーナ130は、予備加熱部コンベヤ120の作動により、上流側から下流側に移動し、固形食品素材は予備加熱される。
導入用ロータリーバルブ112は、固形食品素材を充填したリテーナ130を予備加熱部110から受け入れる。導入用ロータリーバルブ112を作動させることにより、固形食品素材を充填したリテーナ130を受け入れたバルブ区画112c1は、矢印112eの方向に1バルブ区画分づつ回転する。そして、バルブ区画112c5の位置において、固形食品素材を充填したリテーナ130は導入用ロータリーバルブ112から加圧加熱処理部102の内部へ送り込まれ、加圧加熱処理部コンベヤ122の上に配置される。
固形食品素材を充填したリテーナ130は、加圧加熱処理部コンベヤ122の作動により、上流側から下流側に移動し、固形食品素材は加圧加熱される。
【0030】
本発明の食品加工装置100を用いて固形食品素材を加圧加熱処理する場合には、水蒸気供給装置(図示せず)から配管を介して水蒸気を加圧加熱処理部102の中に供給する。水蒸気の供給圧力は、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)であるのが好ましい。加圧加熱処理部102の内部の温度は、120°C〜135°Cに保持されているのが好ましい。加圧加熱処理部102の中に導入された水蒸気により、固形食品素材を加圧加熱処理(加圧加熱調理、及び/又は、加圧加熱殺菌)することができる。
【0031】
送出用ロータリーバルブ114のバルブ区画114c1において、固形食品素材を充填したリテーナ130は、加圧加熱処理部102の加圧加熱処理部コンベヤ122から受け入れられる。次に、バルブ区画114c1は矢印114eの方向に回転して、バルブ区画114c2の位置へ移動し、さらに回転して、バルブ区画114c3の位置…バルブ区画114c32の位置を経由して、バルブ区画114c33の位置へ移動する。
バルブ区画114c33の位置において、固形食品素材を充填したリテーナ130は送出用ロータリーバルブ114から排出用ロータリーバルブ140のバルブ区画140c1へ送り込まれる。
【0032】
減圧弁134を含む圧力調節手段の作動により、送出用ロータリーバルブ114の各バルブ区画114c1〜114c36の内部の圧力は調節される。圧力調節手段は加圧流体を送出用ロータリーバルブ114の各バルブ区画114c1〜114c36の内部から外部に排出させ、及び又は、加圧流体を送出用ロータリーバルブ114の各バルブ区画114c1〜114c36の外部から内部に導入させる。
減圧弁134は、送出用ロータリーバルブ114の各バルブ区画114c1〜114c33の内部の圧力が、バルブ区画114c1からバルブ区画114c33に向かって減少するように作動する。
すなわち、バルブ区画114c2における圧力は、バルブ区画114c1における圧力よりも若干低くなるように構成される。バルブ区画114c3における圧力はバルブ区画114c2における圧力より若干低くなるように構成される。同様に、バルブ区画114c4における圧力はバルブ区画114c3における圧力より若干低くなるように構成される。すなわち、あるバルブ区画における圧力は、そのバルブ区画と時計周り方向に隣接する隣のバルブ区画における圧力より若干低くなるように構成される。
以下、同様な方法で圧力を漸減させて行くように調節する構成により、バルブ区画114c33における圧力は、大気圧と実質的に等しくなるように調節される。
【0033】
バルブ区画114c33の位置において、エアシリンダ136の作動により、固形食品素材を充填したリテーナ130は送出用ロータリーバルブ114から排出用ロータリーバルブ140のバルブ区画140c1へ送り込まれる。
排出用ロータリーバルブ140を作動させることにより、固形食品素材を充填したリテーナ130は、矢印140eの方向、すなわち、時計周りの方向に回転する。
排出用ロータリーバルブ140のバルブ区画140c6の位置において、固形食品素材を充填したリテーナ130は排出用ロータリーバルブ140から排出用コンベヤ150の上に配置される。
固形食品素材移し替え部(図示せず)において、リテーナ130の中に収容されている固形食品素材は製品用容器の中に移し替えられる。
液体食品充填部(図示せず)において、液体食品素材は製品用容器の中に供給される。液体食品充填装置が供給する液体食品は、例えば、シチュー用ソース又はカレー用ソースである。
【0034】
無菌包装部(図示せず)において、固形食品素材及び液体食品素材を充填した製品用容器は無菌状態でシールされる。無菌包装部では、蓋材供給装置(図示せず)により供給された蓋材(図示せず)は、蓋材シール装置(図示せず)の作動により、蓋材を製品用容器にヒートシール処理、トリミング処理する。このヒートシール処理及びトリミング処理する時間は約1秒間である。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、食品加工装置において、上述したような構成としたので、食品加工装置を連続稼動させることが可能になり、特に、送出用ロータリーバルブにより、加圧加熱処理後、常圧状態まで減圧する処理を連続的に行うことができ、当該減圧工程における固形食品素材の崩れの発生も有効に防止することができる。
また、本発明の食品加工装置により、食品素材に確実に調理及び又は殺菌等の加工を行うことができ、食品加工の生産性を高めることができる。
また、本発明の食品加工装置により、調理及び又は殺菌した固形食品素材を開放状態で待機させることなく、連続的に無菌包装処理することができ、無菌性の極めて高い製品を得ることができる。
さらに、本発明により、設備全体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食品加工装置の構造を示す部分断面平面図である。
【図2】リテーナの斜視図である。
【図3】本発明の食品加工装置の容器搬入部に配置された導入用ロータリーバルブの概略構造を示す拡大部分平面図である。
【図4】本発明の食品加工装置の容器搬入部に配置された導入用ロータリーバルブの概略構造を示す拡大部分側面図である。
【図5】本発明の食品加工装置の容器搬出部に配置された送出用ロータリーバルブの概略構造を示す拡大部分平面図である。
【図6】本発明の食品加工装置の容器搬出部に配置された送出用ロータリーバルブの一部分の概略構造を示す拡大部分側面図である。
【符号の説明】
100 食品加工装置
102 加圧加熱処理部
104 容器搬入部
106 加熱処理部
108 容器搬出部
110 予備加熱部
112 導入用ロータリーバルブ
114 送出用ロータリーバルブ
120 予備加熱部コンベヤ
122 加圧加熱処理部コンベヤ
130 リテーナ
134 減圧弁
136 エアシリンダ
140 排出用ロータリーバルブ
150 排出用コンベヤ

Claims (3)

  1. 連続的に無菌包装処理することができる食品加工装置であって、
    容器に充填した固形食品素材を、容器を密封することなく、加圧加熱状態で殺菌及び又は調理するための加圧加熱処理部を備え、
    前記固形食品素材を充填した容器を前記加圧加熱処理部の中へ導入するための容器搬入部が、前記加圧加熱処理部の上流側端に設けられ、
    前記固形食品素材を充填した容器を前記加圧加熱処理部から搬出するための容器搬出部が、前記加圧加熱処理部の下流側端に設けられ、
    前記容器搬出部に配置され、前記固形食品素材を充填した容器を前記加圧加熱処理部の内部から前記加圧加熱処理部の外部に移動させるための送出用ロータリーバルブを備えており、前記送出用ロータリーバルブは、固形食品素材を充填した容器を移動させながら、当該容器を収容したバルブ区画内の圧力を減圧させるための減圧部を構成する、
    ことを特徴とする食品加工装置。
  2. 連続的に無菌包装処理することができる食品加工装置であって、
    容器に充填した固形食品素材を、容器を密封することなく、加圧加熱状態で殺菌及び又は調理するための加圧加熱処理部を備え、
    前記固形食品素材を充填した容器を前記加圧加熱処理部の中へ導入するための容器搬入部が、前記加圧加熱処理部の上流側端に設けられ、
    前記固形食品素材を充填した容器を前記加圧加熱処理部から搬出するための容器搬出部が、前記加圧加熱処理部の下流側端に設けられ、
    前記容器搬入部に配置され、前記固形食品素材を充填した容器を前記加圧加熱処理部の外部から前記加圧加熱処理部の内部に移動させるための導入用ロータリーバルブと、
    前記容器搬出部に配置され、前記固形食品素材を充填した容器を前記加圧加熱処理部の内部から前記加圧加熱処理部の外部に移動させるための送出用ロータリーバルブとを備え、前記送出用ロータリーバルブは、固形食品素材を充填した容器を移動させながら、当該容器を収容したバルブ区画内の圧力を減圧させるための減圧部を構成しており、
    前記送出用ロータリーバルブの外径寸法は前記導入用ロータリーバルブの外径寸法より大きくなるように形成されている、
    ことを特徴とする食品加工装置。
  3. 前記送出用ロータリーバルブの内部の圧力を調節するために、加圧流体を前記送出用ロータリーバルブの内部から外部に排出させ、及び又は、加圧流体を前記送出用ロータリーバルブの外部から内部に導入させるための圧力調節手段が、前記送出用ロータリーバルブに設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の食品加工装置。
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