JP3560424B2 - 抗菌性組成物 - Google Patents

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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、銀杏内種皮抽出物を配合する新規な抗菌性組成物、及びその医薬品,皮膚外用剤,化粧料,食品への応用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、様々な分野において、微生物が原因となって発生する製品の汚染若しくは変質を防止し、製品の保存安定性を確保するために、種々の殺菌剤や防腐剤が用いられている。このうち、生体に直接適用し、若しくは生体が摂取する製品分野、特に化粧品,医薬品,食品などの分野においては、生体の安全性を確保するために、使用可能な殺菌剤や防腐剤の種類や適用量が定められていることが多い。
【0003】
具体的には、化粧品の分野では、厚生省告示によって配合濃度の上限が規定されている原料があり、安息香酸は0.2重量%,安息香酸塩類は1.0重量%,サリチル酸は0.2重量%,サリチル酸塩類は1.0重量%,ソルビン酸及びその塩類は0.5重量%,デヒドロ酢酸及びその塩類は0.5重量%,パラオキシ安息香酸エステル類は1.0重量%,パラクロルメタクレゾールは0.5重量%,ヘキサクロロフェンは0.1重量%等が例示さる。これらは表示指定成分でもあり、配合していることを表記する必要がある。
【0004】
また、医薬品の分野では、安息香酸,安息香酸ナトリウム,塩化ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,クレゾール,クロロブタノール,チモール,パラオキシ安息香酸メチル,パラオキシ安息香酸プロピル,パラオキシ安息香酸ブチル,フェノール及びベンジルアルコールなどが保存剤として日本薬局方に記載されている。
【0005】
さらに、食品分野では毒性を有する物質は用いることができず、保存料として用いられるのは、安息香酸及びそのナトリウム塩,ソルビン酸及びそのカリウム塩,デヒドロ酢酸及びそのナトリウム塩,パラオキシ安息香酸及びそのエステル,プロピオン酸及びそのナトリウム塩若しくはカルシウム塩,ジフェニル,オルトフェニルフェノール並びにチアベンダゾールにほぼ限られる。
【0006】
しかし、このように種類や使用量を限定したとしても、これらの物質の多くは本質的に皮膚や全身性のアレルギーを引き起こすアレルゲンであり、これらの物質を適用することにより、アレルギーを引き起こす恐れがある。また、刺激性であったり、毒性を有するものも多い。
【0007】
そこで、このような殺菌剤や防腐剤を用いずに抗菌力を持たせる試みが従来からなされており、例えば、アルコールを配合する方法、フェノキシエタノールを配合する方法、抗菌性のポリオールを用いる方法、抗菌性の動植物由来の成分や抽出物を用いる方法などが知られている。
【0008】
しかしながら、アルコール,フェノキシエタノール,抗菌性ポリオール,抗菌性抽出物などを配合する方法では、十分な抗菌力を得ることができず、室温では使用途中で腐敗したり、カビが生えたりする。このため、これらの方法を用いて製造した組成物は、製造時に微生物が混入しにくい容器や使い捨てタイプの小容器に収容したり、開封後の冷蔵保存や使用期間の短期限定等の方法によって抗菌力の不足に対応している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明においては、毒性や刺激性を有していたり、アレルギーを引き起こすアレルゲンとなるような、生体,特に人体に害を及ぼす可能性のある殺菌剤や防腐剤を用いることなく、これら殺菌剤や防腐剤を用いた場合と同等かそれ以上の抗菌力を長期間保持し得る、低アレルギー性,低刺激性且つ低毒性の抗菌性組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、安定性が高く、アレルギー性,刺激性及び毒性の低い防腐防黴系を検討した結果、銀杏内種皮抽出物に高い抗菌活性があること、またこれを配合した医薬品,食品,皮膚外用剤及び化粧料は、人体特に皮膚に対する刺激性や不快感を与えることなく、抗菌活性を有することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0011】
イチョウ(Ginkgo biloba L.)の有する生理活性は古くから知られており、イチョウ葉抽出物のう蝕予防効果(特公昭62−58328)、イチョウ葉抽出物の血流促進効果(特開平1−117816)などが開示されている。また、銀杏の食用部位である胚乳は、白果と呼ばれる生薬で、咳や喘息,頻尿や淋病などの泌尿器の病気に用いられる。本発明で用いられる銀杏内種皮は、イチョウの種子である銀杏の白く硬い殻の部分であり、白果をとった後は廃棄されてしまう部分である。
【0012】
銀杏内種皮は、乾燥物又は加熱処理したものを粉砕して用いる。銀杏内種皮の抽出物を得る際の溶媒は、特に限定されないが、水,エタノール,1,3−ブチレングリコール,プロピレングリコール,グリセリン,ジグリセリンから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、さらにはエタノール及び含水エタノール抽出物が抗菌作用の点から最も好ましい。抽出の際の銀杏内種皮とと溶媒との比率は特に限定されるものではないが、銀杏内種皮1に対して溶媒2〜1000重量倍、特に抽出操作、効率の点で5〜100重量倍が好ましい。
【0013】
なお抽出条件は特に限定されるものではないが、抽出温度は室温−常圧下で、溶剤の沸点以下の範囲とするのが好ましい。抽出時間は抽出温度などによって異なるが、2時間〜2週間の範囲とするのが好ましい。
【0014】
また、このようにして得られた銀杏内種皮抽出物は、抽出物をそのまま用いることもでき、また防腐防黴作用を失わない範囲内で脱臭,精製等の操作を加えてから配合することもでき、さらにはカラムクロマトグラフィー等を用いて分画物としてもよい。さらに、これらの抽出物や脱臭,精製物、分画物は、これらから溶媒を除去することによって乾燥物とすることもでき、さらにアルコールなどの溶媒に可溶化した形態、或いは乳剤の形態で提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る抗菌性組成物は、食品,医薬品,化粧料などに添加,配合して用いることができる。
【0016】
医薬品では経口剤,外用剤,注射剤,吸入剤,点鼻・点眼剤等に添加することができ、これらの使用方法に応じて、錠剤,液剤,注射剤,軟膏,クリーム,ローション,エアゾール剤,座剤等の所望の剤型にすることができる。また、必要に応じて賦形剤,基剤,乳化剤,安定化剤,溶解助剤,矯味剤,保存剤,芳香剤,着色剤,コーティング剤などを適宜配合することができる。
【0017】
食品においては、ガムやキャンディーのような口腔用組成物、かまぼこ,ちくわ等の水産練り製品、ソーセージ,ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、生麺,ゆで麺等の麺類、ソース,しょう油,たれなどの調味料、漬け物、総菜、清涼飲料水等一般的な飲食品の剤型とすることができる。その際、本発明の効果を損なわない範囲内で、食品に一般的に用いられる各種成分、例えば、砂糖,練乳,小麦粉,ショートニング,食塩,ブドウ糖,鶏卵,バター,マーガリン,水飴,カルシウム,鉄分,調味料,香辛料等と共に配合し、併用して用いることができる。
【0018】
化粧料としては、クリーム,軟膏,ローション,乳液,固形状,散剤など任意の剤型とすることができ、化粧水,乳液,美容液,保湿クリーム等の基礎化粧料、日焼け止めクリーム,日焼け止めローション,日焼けオイル,カーマインローション等のサンケア商品、ファンデーション,アイライナー,マスカラ,アイカラー,チークカラー,口紅などのメイクアップ化粧料、洗顔料,ボディーシャンプー,ヘアシャンプー等の洗浄料、リンス,トリートメント,ヘアクリーム,ヘアオイル,整髪剤などの毛髪用化粧料、香水、防臭制汗剤等の用途に使用することができる。その際、本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧料に一般的に用いられる各種成分、例えば、アボカド油,パーム油,ピーナッツ油,コメヌカ油,ホホバ油,オレンジラフィー油,マカデミアナッツ油,スクワラン,月見草油,セサミ油,サンフラワー油,サフラワー油,キャローラ油,カルナウバワックス,パラフィンワックス,ラノリン,リンゴ酸ジイソステアリル,イソステアリルアルコール,流動パラフィン等の油分、グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン,ソルビット,ポリエチレングリコール,1,3−ブチレングリコール,コラーゲン,ヒアルロン酸等の保湿剤、ビタミンA油,レチノール,酢酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン,酪酸リボフラビン等のビタミンB類、塩酸ピリドキシン等のビタミンB類、L−アスコルビン酸,L−アスコルビルリン酸マグネシウム,L−アスコルビン酸ナトリウム等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム,D−パントテニルアルコール,パントテニルエチルエーテル,アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール,コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸,ニコチン酸アミド,ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、α−トコフェロール,酢酸トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸エチル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル,ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導体類、サリチル酸オクチル,サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、グアガム,ローカストビーンガム,カラギーナン,クインスシード,ペクチン,マンナン等の植物系天然多糖類、キサンタンガム,デキストラン,カードラン,ヒアルロン酸等の微生物系天然多糖類、ゼラチン,カゼイン,アルブミン,コラーゲン等の動物系高分子、メチルセルロース,エチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系半合成高分子、可溶性デンプン,カルボキシメチルデンプン,メチルデンプン等のデンプン系半合成高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステル,アルギン酸塩等のアルギン酸系半合成高分子、ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸ナトリウム,ポリエチレンオキサイド等の合成高分子、ベントナイト,ラポナイト,コロイダルアルミナ等の無機物系高分子等の水溶性高分子、ジブチルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキシアニソール,没食子酸エステル等の酸化防止剤、高級脂肪酸石鹸,アルキル硫酸エステル塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,アシルメチルタウリン塩,アルキルエーテルリン酸エステル塩,アシルアミノ酸塩等のアニオン界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム,塩化ジアルキルジメチルアンモニウム,塩化ベンザルコニウム等のカチオン界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン,アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン,2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレン型ノニオン界面活性剤、アルコールエステル型ノニオン界面活性剤等の界面活性剤、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩,ポリリン酸ナトリウム,クエン酸,メタリン酸ナトリウム,コハク酸,グルコン酸等の金属イオン封鎖剤、胎盤抽出物,ソウハクヒエキス,グルタチオン,コウジ酸及びその誘導体類,ハイドロキノン配糖体等のハイドロキノン及びその誘導体類等の美白剤、グリチルリチン酸,グリチルレチン酸,アラントイン,アズレン,ヒドロコルチゾン,ε−アミノカプロン酸等の抗炎症剤、酸化亜鉛,アラントインヒドロキシアルミニウム,塩化アルミニウム,タンニン酸,クエン酸,乳酸等の収れん剤、メントール,カンフル等の清涼化剤、塩酸ジフェンヒドラミン,マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤、エストラジオール,エストロン,エチニルエストラジオール等の皮脂抑制剤、サリチル酸,レゾルシン等の角質剥離・溶解剤、α−ヒドロキシ酸類等が配合できる。
【0019】
医薬品として利用する場合の植物抽出物の投与量は、使用する植物の種類,精製の程度や、患者の年齢,症状等により大きく変動するが、一般には、経口投与の場合、乾燥重量として5〜500mg/日の範囲である。食品や化粧品に配合する場合は、その効果や添加した際の香り、色調の点から考え、0.001〜20重量%の濃度範囲とすることが望ましい。
【0020】
【実施例】
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
【0021】
[実施例1]銀杏内種皮抽出物1
乾燥して粉砕した銀杏内種皮30gと98重量%エタノール300mlを混合し、1時間環流させる。フィルターで濾過して銀杏内種皮を除去した後、溶媒を留去し、乾燥物とする。得られた銀杏種皮抽出物は、20重量%エタノール水溶液300mlに溶解し、銀杏内種皮抽出物1とする。
【0022】
[実施例2]銀杏内種皮抽出物2
加熱処理後粉砕した銀杏内種皮30gを1,3−ブチレングリコール300mlに浸漬する。室温で24時間静置後濾過して、銀杏内種皮抽出物2とする。
【0023】
[実施例3]銀杏内種皮抽出物3
実施例1で調製した銀杏内種皮抽出物1を活性白土を用いて脱色処理し、濾過後溶媒を留去した乾燥物を、銀杏内種皮抽出物3とする。
【0024】
安全性試験
実施例1及び実施例2については10重量%水溶液を用いて、また実施例3については1重量%水溶液を用いて皮膚一次刺激性,皮膚累積刺激性の試験を行い、急性毒性については実施例1及び実施例2はそのまま、実施例3は10重量%水溶液を用い、3種の安全性試験を行った。
【0025】
「皮膚一次刺激性試験」
実施例水溶液を、背部を除毛したウサギ(一群3匹)の皮膚に貼付した。判定は、貼付後24,48,72時間後に表1に示す判定基準により評価し、紅斑及び浮腫の発生に関する皮膚刺激指数の平均値を求めた。評価結果は表2に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003560424
【0027】
【表2】
Figure 0003560424
【0028】
表2に示した皮膚一次刺激性試験結果のとおり、ほとんどの動物において、紅斑及びほとんど浮腫を認めず、わずかに48時間後及び72時間後に、一過性の微弱な紅斑又は浮腫の発生を認めたのみであった。このことにより、本発明による銀杏内種皮抽出物は、皮膚一次刺激性を有さないことが示された。
【0029】
「皮膚累積刺激性試験」
側腹部を除毛したハートレー系モルモット(雌性,一群5匹)の皮膚に1日1回,週5回,実施例水溶液0.5ml/8cmを塗布した。塗布は、4週間にわたって、また除毛は各週の最終塗布日に行った。判定は各週の最終日の翌日に表1に示す判定基準にて評価し、紅斑及び浮腫の発生に関する皮膚刺激指数の平均値を求めた。評価結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
Figure 0003560424
【0031】
表3に示した皮膚累積刺激性試験結果の通り、ほとんどの動物において、紅斑及び浮腫を認めなかった。一部2週目,3週目,4週目にわずかな紅斑及び浮腫の発生が認められたが、一時的な紅斑及び浮腫であり、次の判定日には紅斑及び浮腫は認められなかった。わずかな紅斑及び浮腫の発生は、除毛時のバリカンによる物理刺激によるものと考えられた。このことにより、本発明の銀杏内種皮抽出物は、皮膚累積刺激性を有さないことが示された。
【0032】
「急性毒性試験」
試験前4時間絶食させたマウス(一群5匹)に実施例2g/kg量を経口投与し、毒性症状の発現、程度などを経時的に観察した。その結果、全てのマウスにおいて、14日間何等異常を認めず、解剖の結果も異常がなかった。
【0033】
[実施例4]化粧水
Figure 0003560424
製法:(1)〜(6)の各成分を順次(7)に添加し、均一に混合する。
【0034】
[実施例5]乳液
Figure 0003560424
製法:まず、(1)〜(6)の油相を混合し、加熱融解して75℃に保つ。一方(7)〜(10)の水相を混合し、加熱溶解して75℃とし、これに前記油相を攪拌しながら添加して乳化する。冷却後40℃にて(11),(12)を添加,混合する。
【0035】
[実施例6]クリーム
Figure 0003560424
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,加熱して75℃とする。一方、(8),(9)の水相成分を混合,加熱して75℃とし、これに前記油相を添加して乳化し、冷却後40℃にて(10),(11)を添加する。
【0036】
[実施例7]油性クレンジングクリーム
Figure 0003560424
製法:(1)〜(6)の成分を混合、加熱してゲル化させ、冷却する。
【0037】
[実施例8]乳液状ファンデーション
Figure 0003560424
製法:(14)〜(18)の顔料を混合後、粉砕機により粉砕する。(11)を70℃に加熱し、(8)を加えてよく膨潤させ、これにあらかじめ(7)を(9)に分散させたものを加え、さらに(10)を添加し、溶解させる。(1)〜(6)の油相は混合し、加熱融解して80℃とする。前記顔料を水相に攪拌しながら加え、コロイドミルを通して75℃とし、前記油相を攪拌しながら加えて乳化し、冷却後40℃にて(12),(13)を添加する。
【0038】
[実施例9]水性懸濁型マスカラ
Figure 0003560424
製法;(8)に(2)〜(4)を添加して溶解させ、次いで(5)〜(7)を添加し、コロイドミルを通して分散させる。これに(1)を加え、均一に分散させる。
【0039】
[実施例10]シャンプー
Figure 0003560424
製法;(1)〜(5)を順次(6)に添加し、均一に混合,溶解させる。
【0040】
[実施例11]ヘアリンス
Figure 0003560424
製法;(7)に(3),(4)を加え、70℃に加熱する。一方(1),(2)を混合,溶解し、70℃に加熱する。この油相を攪拌しながら先に調製した水相に徐々に加えて予備乳化し、ホモミキサーを加えて均一とした後冷却し、40℃にて(5),(6)を添加する。
【0041】
[実施例12]ヘアクリーム
Figure 0003560424
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,加熱して75℃とする。一方、(6)〜(8)の水相成分を混合,加熱して75℃とし、これに前記油相を添加して乳化し、冷却後40℃にて(9)を添加する。
【0042】
[実施例13]ヘアトリートメント
Figure 0003560424
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,加熱して80℃とする。一方、(8)〜(10)の水相成分を混合,加熱して85℃とし、これに前記油相を添加して乳化し、冷却後40℃にて(11),(12)を添加する。
【0043】
[実施例14]洗顔料
Figure 0003560424
製法:(1)〜(6)の油相及び(8),(9)の水相をそれぞれ75℃に混合加熱溶解した後、油相に水相を加えてケン化する。冷却後40℃で(10),(11)を添加して混合する。
【0044】
[実施例15]ボディシャンプー
Figure 0003560424
製法:(1)〜(3)の油相及び(4)〜(6)の水相をそれぞれ75℃に混合加熱溶解した後、油相に水相を加えてケン化する。冷却後40℃で(7),(8)を添加して混合する。
【0045】
[実施例16]練り歯磨き
Figure 0003560424
製法:(1)〜(8)の成分を混練,均一化する。
【0046】
[実施例17]マウスウォッシュ
Figure 0003560424
製法:(1)〜(7)の成分を順次添加し混合,均一化する。
【0047】
[実施例18]キャンデー
Figure 0003560424
製法:(1),(2)を加熱溶解均一化後冷却し、60℃で(3),(4)を添加,溶解する。
【0048】
[実施例19]麺つゆ液
Figure 0003560424
製法:(1)〜(5)の成分を順次添加し混合,均一化する。
【0049】
[実施例20]ゆで麺
Figure 0003560424
製法:(1)〜(4)の成分を順次添加し十分に混練後,製麺し、ボイルする。
【0050】
[実施例21]ソーセージ
Figure 0003560424
製法:(1)をフードプロセッサーにて粉砕し、(2)〜(6)の成分を添加して更に混練する。ソーセージ用チューブに充填後ボイルする。
【0051】
[実施例22]ニキビ用軟膏
Figure 0003560424
製法:(1),(2)の油相及び(3)〜(6)の水相をそれぞれ75℃に混合加熱溶解した後、油相に水相を加えてケン化する。冷却後40℃で(7)を添加して混合する。
【0052】
[実施例23]ニキビ用ローション
Figure 0003560424
製法:(1)〜(7)の成分を順次添加し混合,均一化する。
【0053】
次に、上記の実施例4〜23について、各種の細菌及び真菌に対する抗菌活性を評価した。細菌として大腸菌(Escherichia coli),黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus),緑濃菌(Pseudomonas aeruginosa),アクネ菌(Propionibacterium acnes)、真菌としてカンジダ(Candida albicans),黒カビ(Aspergillus niger),フケ菌(Pityrosporum ovale)を用い、試料1g当たり細菌は10個,真菌は10個を植菌し、37℃及び25℃でそれぞれ培養して、2週間後の生菌数を測定した。なお、抗菌活性は2週間後に、細菌については死滅した場合、真菌については生菌数が1/1000以下となった場合に合格であると判断した。また同時に各実施例の処方にて銀杏内種皮抽出物を配合しないものも調製し、各々比較例とした。なお抗菌力試験結果は合格したものを「○」、不合格のものを「×」として示した。
【0054】
実施例4〜実施例9、比較例4〜比較例9は、細菌として大腸菌,黄色ブドウ球菌,緑膿菌、真菌としてカンジダ,黒カビを用いて抗菌活性を評価した。評価結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
Figure 0003560424
【0056】
実施例10〜実施例13、比較例10〜比較例13は、細菌として大腸菌,黄色ブドウ球菌,緑膿菌、真菌としてカンジダ,黒カビ,フケ菌を用いて抗菌活性を評価した。評価結果を表5に示す。
【0057】
【表5】
Figure 0003560424
【0058】
実施例14〜実施例17、比較例14〜比較例17は、細菌として大腸菌,黄色ブドウ球菌,緑膿菌,アクネ菌、真菌としてカンジダ,黒カビ,フケ菌を用いて抗菌活性を評価した。評価結果を表6に示す。
【0059】
【表6】
Figure 0003560424
【0060】
実施例18〜実施例21、比較例18〜比較例21は、細菌として大腸菌,黄色ブドウ球菌,緑膿菌、真菌としてカンジダ,黒カビを用いて抗菌活性を評価した。評価結果を表7に示す。
【0061】
【表7】
Figure 0003560424
【0062】
実施例22,実施例23、比較例22,比較例23は、細菌として大腸菌,黄色ブドウ球菌,緑膿菌,アクネ菌、真菌としてカンジダ,黒カビを用いて抗菌活性を評価した。評価結果を表8に示す。
【0063】
【表8】
Figure 0003560424
【0064】
表4〜8に示したように、実施例4〜実施例23においては、全ての細菌及び真菌にに対して抗菌力を示していた。しかしながら、銀杏内種皮抽出物を配合していない比較例4〜23においては、全ての菌種において合格したものは1件もなかった。特にアクネ菌及びフケ菌に対する抗菌活性を試験した比較例において、合格した比較例は1件もなかった。
【0065】
フケ抑制及びかゆみ改善試験
実施例10〜実施例13及び比較例10〜比較例13を用い、フケ症又はフケ症に伴うかゆみを有する成人男女20名を一群として、フケ抑制及びかゆみ改善試験を実施した。実施例及び比較例10,11,13は、毎日夜入浴時に通常のシャンプー,リンス,トリートメントのかわりに、実施例12及び比較例12は毎日就寝前に使用してもらい、2ヶ月間連続使用した後で、フケ抑制効果及びかゆみ改善効果に関するアンケート調査を行った。評価基準を次に示す。結果は、各評価を回答した人数にて表9に示す。
【0066】
「フケ抑制効果」
有効:フケが抑制された
やや有効:フケがやや抑制された
無効:使用前と変化無し
【0067】
「かゆみ改善効果」
有効:かゆみが改善された
やや有効:かゆみがやや改善された
無効:使用前と変化無し
【0068】
【表9】
Figure 0003560424
【0069】
フケ抑制及びかゆみ改善試験の結果、実施例10〜13は、フケの抑制とかゆみの改善がみられ、比較例と比べても、非常に良好な結果が得られた。
【0070】
ニキビ改善試験
実施例22,23及び比較例22,23について、ニキビ症の青年男女20名を一群として、毎日朝と夜の2回、適量を手に取り、顔に塗布してもらい、2カ月間にわたって連続使用試験を実施した。なお、評価基準は次に規定したとおりであり、各評価を回答した人数にて結果を表10に示す。
【0071】
「ニキビ改善効果」
有効:ニキビが改善された
やや有効:ニキビがやや改善された
無効:使用前と変化無し
【0072】
【表10】
Figure 0003560424
【0073】
表10に示したとおり、本発明の実施例22及び実施例23で「有効」と回答したパネラーが80%及び85%と、ニキビ改善効果が高く、比較例との差も歴然であった。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、銀杏内種皮抽出物を有効成分とする抗菌性組成物は、安全性が非常に高く、この抗菌性組成物を含有した化粧品,食品,医薬品は各種細菌(大腸菌,黄色ブドウ球菌,緑濃菌,アクネ菌、カンジダ,黒カビ,フケ菌)に対して、優れた抗菌作用が得られた。また、銀杏内種皮抽出物を配合した皮膚外用剤は、フケ及びフケによるかゆみを抑制する効果や、ニキビ改善効果を有していた。

Claims (10)

  1. 銀杏内種皮の抽出物を有効成分とする、抗菌性組成物。
  2. 銀杏内種皮の極性溶媒抽出物を有効成分とする、抗菌性組成物。
  3. 銀杏内種皮のエタノール抽出物を有効成分とする、抗菌性組成物。
  4. 請求項1〜請求項3に記載の抗菌性組成物を抗菌有効成分として含有する、医薬品。
  5. 請求項1〜請求項3に記載の抗菌性組成物を抗菌有効成分として含有する、皮膚外用剤。
  6. 請求項1〜3に記載の抗菌性組成物を抗菌有効成分として含有する、化粧料。
  7. 請求項1〜3に記載の抗菌性組成物を抗菌有効成分として含有する、毛髪化粧料。
  8. 請求項1〜3に記載の抗菌性組成物を抗フケ菌有効成分として含有する、抗フケ用毛髪化粧料。
  9. 請求項1〜3に記載の抗菌性組成物を抗アクネ菌有効成分として含有する、抗アクネ用化粧料。
  10. 請求項1〜3に記載の抗菌性組成物を抗菌有効成分として含有する、食品。
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