JP3559593B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は内視鏡と共に使用される周辺装置の電源をOFFにする制御手段を有する内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内視鏡は医療用分野及び工業用分野で広く用いられるようになった。また、内視鏡には従来から引き続いて使用される光学式内視鏡の他に撮像手段を内蔵した電子内視鏡の広く用いられる状況になる。
【0003】
光学式内視鏡を用いて内視鏡検査を行う場合には、通常光学式内視鏡のライトガイドに照明光を供給する光源装置が共に使用される。特に医療用に使用される内視鏡の場合にはその挿入部が患者に挿通されるため、患者に与える苦痛をできるだけ軽減できるように細径にされているので、挿入部内に挿通されるライトガイドの断面積も細いのものとなる。
【0004】
このため、ライトガイドにより伝送される照明光量を大きくして明るい観察ができるような照明を行うためにはライトガイドに供給される照明光量のエネルギ密度を大きくすることが必要になり、ライトガイドは使用状態ではかなり高い温度になる。
【0005】
従って、許容される時間以上に長く使用し続けると、ライトガイドの端部等を固定するのに使用される接着剤などを劣化させたりして、ライトガイド端部の水密機能が損なわれて洗浄とか滅菌処理ができなくなることが起こり得る。このため、使用しない場合にはライトガイドに不要の照明光を供給しないようにして内視鏡の寿命が低下するのを防ぐように光源装置をOFFにする操作を行うことが望まれる。また、省エネルギ的な面からも使用しない場合には照明を行わないようにすることが望まれる。
【0006】
術者に対して使用しない時には光源装置をOFFにする操作を行うように進言しても、術者は内視鏡検査或いは処置に集中して注意を注ぐことが必要になるので、内視鏡検査の作業或いは処置操作等に対し副次的な作業となる光源装置をOFFにする操作を忘れる可能性があり、術者が行わなくてもOFFに設定できる装置が望まれる。
【0007】
ライトガイドを用いないで、挿入部の先端側に照明用ランプを収納し、このランプで照明する場合においても、内視鏡を使用していない場合にもランプを駆動させると、その駆動による発熱によって周辺はやはり高い温度に加熱されるため、イメージガイドを構成するイメージガイドの先端部等を固定するのに使用される接着剤などを劣化させたりして、ライトガイドの場合と同様にイメージガイド先端部側の水密機能を低下等をさせてしまい、内視鏡の寿命を低下させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来例ではこのような問題点に対応できるものがなかった。
一方、固体撮像素子を内蔵した電子内視鏡の場合には、通常は光源装置の他に固体撮像素子に対する信号処理を行うビデオプロセッサと、ビデオプロセッサで信号処理された映像信号を表示するモニタが使用される。
【0009】
この場合においても、光源装置に関しては光学式内視鏡と同様な問題点が発生するし、さらに先端部に内蔵した固体撮像装置に電流が流れることにより、そのジュール熱によって発熱することになるので、湿気の浸入を防止している接着剤等が熱膨張し、高い温度が繰り返されることによって次第に接着剤が割れる等して、湿気が浸入し、固体撮像装置内部の回路、電子部品が腐食してしまい、異常故障に至るまでの時間、つまり寿命が短かくなる問題点がある。
【0010】
また、術者が患者の体腔内を撮影する時間以外は電力そのものの無駄使いであり、使用しないばあいにはその電源をOFFにすることが望まれる。この場合にも使用しない時は術者が光源装置とか固体撮像装置とかビデオプロセッサを駆動する駆動電源をOFFにする操作を行わなくても装置側で自動的にOFFに設定できるような機能を有する装置が望まれる。
【0011】
この問題点に関連する従来例としては例えば特開平3−4831号公報には内視鏡を構成する各部材の使用回数ないし使用時間および周囲環境に関する情報を検出する検出手段と、検出された前記情報を累積して記憶する記憶手段と、この記憶手段から読み出された情報を表示する表示手段と、を具備する内視鏡装置が開示されている。そして、使用履歴の記録を使用者等に負担させることなく使用履歴情報を得て事故防止を図ることができるようにしている。
【0012】
この特開平3−4831号公報のように、内視鏡の使用履歴がわかるようにするものでは上述の問題点に適切に対処できることにならない。
【0013】
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、内視鏡を使用しない場合には照明用光源、撮像系等の駆動電源を自動的にOFFにできる内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明による内視鏡装置は、内視鏡と共に使用される周辺装置を備えた内視鏡装置において、患者もしくは術者の位置を検知し、当該検知結果に基づいて内視鏡を使用しない状態であるか否かを検出する検出手段と、前記検出手段により内視鏡が使用されていない状態であると検出された場合に、前記内視鏡を構成する電子機器を駆動する駆動電源をOFFにする制御手段と、を具備し、前記制御手段は、前記検出手段によって、所定の期間内視鏡が使用されていない状態が検出された場合に、前記内視鏡の駆動電源をOFFにすると共に、前記所定の期間よりも短い期間内視鏡が使用されている状態であることが検出された場合に、前記内視鏡の電子機器の稼働を自動的に開始させるよう構成されていることを特徴とする。
そして、検出手段により内視鏡が使用されていない状態が検出された場合には、照明用光源とか撮像系等の内視鏡装置を構成する電子機器の駆動電源をOFFにする。
【0015】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を具体的に説明する。図1及び図2は本発明の第1実施例に係り、図1は第1実施例の電子内視鏡装置の全体構成を示し、図2は第1実施例の動作内容のフローチャートを示す。
【0016】
通常人間が何かを持っている場合、少しは手ブレ或いは振動が生じるので(例えばハンディタイプのビデオカメラには手ブレ補正機能がついていることから分かるように)これを検知すると、術者が操作部を保持していることが分かる。
【0017】
これを電子内視鏡による診断とか治療等の手技(或いは内視鏡検査)を行っているか否かに適用できるので、手ブレ或いは振動が検出されない場合は電子内視鏡はハンガにつり下げているとか、トレイの上に置いてあるとかの静止状態であり、この状態を未使用状態であると判断できるため、この実施例では手ブレのセンサの出力に基づいて自動的に駆動電源のON/OFFを制御するようにしたものである。
【0018】
図1に示すように本発明の第1実施例の電子内視鏡装置1は、電子内視鏡2と、この電子内視鏡2に内蔵された撮像手段(或いは電子撮像装置)を構成する固体撮像素子(SIDと略記)4に対する信号処理するビデオプロセッサ5と、ビデオプロセッサ5等に電源を供給する電源ユニット6と、ビデオプロセッサ5で生成された映像信号を表示するTVモニタ7とから構成される。
電源ユニット6はビデオプロセッサ5を駆動する電源回路を内蔵し、電源線を介してビデオプロセッサ5に所定の駆動電源を供給する。
【0019】
電子内視鏡2は体腔内に挿入される細長の挿入部8と、この挿入部8の後端に形成された太幅の操作部9と、この操作部9から延出されたユニバーサルコード11とを有し、このユニバーサルコード11の端部にはコネクタ12が設けてあり、このコネクタ12をビデオプロセッサ5に着脱自在に接続することができる。操作部9には図示しない湾曲操作ノブが設けてあり、この湾曲操作ノブを操作することによって挿入部8の先端側の湾曲部を湾曲することができる。また、操作部9には図示しないスイッチが設けてあり、送気・送水・吸引等の操作を行ったり、画像制御等(例えば静止画の表示等)を行うことができる。
【0020】
上記電子内視鏡2の挿入部8の先端部13には照明窓と観察窓とが設けてあり、照明窓の内側には照明用ランプ14が内蔵され、ランプ14で発生した照明光を観察窓から前方に出射し、体腔内患部等の被写体(或いは対象物)15側を照明する。
【0021】
照明された被写体15は観察窓に取り付けた対物レンズ16によりその焦点面に像を結ぶ。この焦点面にはSID4が配置され、このSID4によって光電変換される。
【0022】
ランプ14に接続された駆動線17は挿入部8等を挿通され、他端はコネクタ12に至り、コネクタ12をビデオプロセッサ5に接続することによって、ビデオプロセッサ5内部のランプ駆動回路から所定の駆動電源が供給されるようになっている。
【0023】
また、SID4も信号線18と接続され、この信号線18は挿入部8等を挿通され、他端はコネクタ12に至り、コネクタ12をビデオプロセッサ5に接続することによって、ビデオプロセッサ5内部のSID駆動回路及び信号処理回路と接続され、SID駆動回路からの駆動信号の印加により光電変換された信号が読み出され、信号処理回路に入力され、標準的な映像信号が生成される。この映像信号はTVモニタ7に入力され、内視鏡像を表示する。
【0024】
なお、挿入部8内には図示しない送気・送水・吸引管路なども挿通され、ビデオプロセッサ5等に内蔵された送気・送水・吸引手段を介して送気・送水・吸引等を行うことができる。
【0025】
この実施例では以下に説明するように術者が電子内視鏡2を使用している状態であるか否かを検出する検出手段(具体的には手ブレセンサ20)と、その検出手段の出力信号に連動して(但し、設定された時間後の場合も含む)、駆動電源のON/OFFを行う制御手段(より具体的には手ブレセンサ20の出力信号に対する信号処理を行う手ブレセンサ20以外の使用検知手段21とリレースイッチ23で構成され、電子内視鏡装置1を構成する電気機器の稼働を自動的に開始させる(稼働)開始手段と、電気的機器の稼働を自動的に停止させる停止手段の機能を持つ)を設けていることが特徴となっている。
【0026】
例えば操作部9内にジャイロスコープ等の手ブレ或いは振動を検出するための手ブレセンサ(或いは振動検出センサ)20を用いて構成した使用検知手段21が設けてあり、この使用検知手段21によって術者が電子内視鏡2を使用している状態か使用していない状態であるかを検出する。
【0027】
この使用検知手段21は、例えば手ブレの状態に応じた信号を出力する手ブレセンサと20、この手ブレセンサ20の出力信号のゼロクロスを検出するゼロクロスコンパレータと、手ブレセンサ20の出力信号を設定された時間監視する監視手段として、このゼロクロスコンパレータの出力信号を設定された時間計数するカウンタとを有し、カウンタの計数値が例えば30秒間零であると、術者が電子内視鏡2を使用していない状態であると判断し、“H”(勿論“L”でも良い)の2値信号を出力する。
【0028】
この使用検知手段21は信号線22を介して例えばコネクタ12内に設けた駆動電源のON/OFFを行うリレースイッチ23と接続されており、使用検知手段21の検出信号によってリレースイッチ23の駆動/非駆動を行い、スイッチ部のON/OFFを制御する。
【0029】
より具体的には、例えば使用検知手段21の出力が“H”の場合にはリレースイッチ23に駆動電流が流れ、そのスイッチ部をONさせ、出力が“L”の場合にはリレースイッチ23に駆動電流が流れなくなり、そのスイッチ部をOFFにする制御を行う。
【0030】
このリレースイッチ23のスイッチ部は電源ユニット6におけるビデオプロセッサ5側に駆動電源を供給する電源線と接続され、スイッチ部がONの状態ではビデオプロセッサ5側に駆動電源が供給されるが、OFFになると、ビデオプロセッサ5側に駆動電源が供給されなくするようにしている。
【0031】
ビデオプロセッサ5側に供給された駆動電源はビデオプロセッサ5の信号処置系に供給されると共に、TVモニタ7にもこれを駆動する駆動電源が供給される。ビデオプロセッサ5の信号処置系に供給される駆動電源は、より具体的にはSID4への直流電源及びSID4を駆動する駆動回路を動作させる駆動電源、SID4から出力されるSID出力信号に対し信号処理を行って映像信号を生成する処理を行う信号処理回路の駆動電源である。
【0032】
電源ユニット6は電源コードの端部に設けた電源プラグ(以下、単にプラグと記す)24を商用電源のコンセントに接続することにより商用電源が供給される。また、使用検知手段21には電源ユニット6を介して、使用状態か否かの判断を行う回路を動作させる駆動電源が常時(プラグ24が商用電源のコンセントに接続されている場合には)供給されるようにしている。
【0033】
図1の2点鎖線で示すように電源コードを電源ユニット6から延出するのでなく、コネクタ12から引き出して電源プラグ24を商用電源のコンセントに接続する構造にしても良く、この場合商用電源の一部を使用検知手段の動作電源に使用し、残りの大部分をリレースイッチ23のスイッチ部を介して電源ユニット6に供給する構成にしても良い。
【0034】
なお、リレースイッチ23のスイッチ部を電源ユニット6の電源スイッチとして使用しても良いし、或いはスイッチ部のON/OFFで、さらに電源ユニット6の電源スイッチをさらにON/OFFする構成にしても良い。後者の場合にはさらに電源スイッチをON/OFFする構成が必要になるが、許容電流の小さいスイッチ部のリレースイッチで済む利点がある。
【0035】
このように構成された第1実施例の作用を、図2を参照して以下に説明する。内視鏡検査を行う場合には、まずステップS1に示すようにプラグ24を商用電源のコンセントに接続して使用できる状態にする。この状態の後に使用検知手段21には動作に必要な電源が供給され、使用検知の動作が開始する。
【0036】
そして、使用検知手段21を構成する手ブレセンサ20の手ブレ検出の検出出力により、ステップS2に示す使用しているか否かの判断を行う。この判断において、電子内視鏡2が術者により把持されていないような未使用状態であると、手ブレセンサ20は手ブレを検出しないので、カウンタ出力も0が継続し、その継続が30秒以上続くと、使用していないとの判断が行われ、リレースイッチ23に対し、スイッチ部をOFFにする信号を出力することになる。この場合には、ステップS3に示すように電源スイッチがOFFにされ、その後再びステップS2の判断を行う。
【0037】
一方、ステップS2の判断において、術者が電子内視鏡2を把持して内視鏡検査を行う状態の場合には手ブレセンサ20は術者による手ブレ(或いは振動)を検出し、カウンタ出力は0とは異なる値になり、この0の時とは異なるカウンタ出力により使用状態であるとの判断が行われ、リレースイッチ23のスイッチ部はONにされる。
【0038】
つまり、ステップS4に示すように電源スイッチがONにされる。この電源スイッチのONにより、使用状態となる。この使用状態では電源ユニット6からビデオプロセッサ5等に駆動電源が供給され、ランプ14は点灯して被写体15側を照明し、またビデオプロセッサ5、TVモニタ7、SID4は動作状態になり、SID4で撮像された内視鏡画像がTVモニタ7に表示され、内視鏡検査を行うことができる。
【0039】
この内視鏡検査中は術者により操作部9が把持されているので、手ブレセンサ20でその手ブレが検出され、電源スイッチはONされた状態が維持される。
【0040】
そして、内視鏡検査を終了したならば、ステップS5に示すように術者は電子内視鏡2をハンガに掛けたり、トレイに置く等する。すると、手ブレセンサ20は手ブレを検出しなくなり、設定された時間(具体的には例えば30秒)以上、手ブレを検出しない状態が継続するとステップS2で使用していないと判断し、ステップS3に示すように電源スイッチをOFFにする。
【0041】
すると照明用光源としてのランプ14が消え、撮像系を構成するSID4には駆動電流が供給されないのでSID4は撮像動作を行わなくなり、またその撮像信号に対する信号処理系の駆動電源も供給されなくなり、信号処理系の動作のしなくなる。つまり、電子内視鏡2を使用していない場合には電気エネルギを無駄に使用しない。また、使用していない場合には駆動電流が供給されないので、ランプ14及びSID4による先端部13の発熱される時間が減り、発熱による先端部13の温度上昇に主に起因する寿命の低下を防止できる。
【0042】
この第1実施例によれば以下の効果を有する。
この第1実施例では使用検知手段21の検知出力により、駆動電源のON/OFF制御を行うので、術者は電子内視鏡2を把持すれば、その際の手ブレにより自動的に電源をONにして装置を使用状態にでき、かつ使用後は電子内視鏡2をハンガに掛けたり、トレイに置いたりすれば手ブレが検出されなくなるので、電源を自動的にOFFにできる。従って、術者は電源のON及びOFFにする作業を行わなくても済むので、その負担を軽減できる。
【0043】
また、操作部9内は先端部13とか挿入部8内に比べ、大きな収納スペースを確保できるので比較的大きくて安価な手ブレセンサ20を用いることができる。コネクタ12内も比較的スペースがあるため、リレースイッチ23を組み込み収納することができる。
【0044】
そして、使用中のみSID4及びランプ14等に駆動電流が供給されるため、省エネルギを確保できる(具体的には電気エネルギの浪費を節約でき、電気代を安くできる)電子内視鏡装置を実現できる。また、SID4、ランプ14、電子内視鏡2の寿命も延ばすことができる。
【0045】
なお、使用中には使用検知手段21を構成する手ブレセンサ20が手ブレを検知し続けるので、使用中にリレースイッチ23がON状態を維持することになり、確実に使用し続けられる。
【0046】
上記第1実施例では使用検知手段21は手ブレセンサ20の出力信号を設定された時間、監視して、電源をON或いはOFFにする2値信号を出力する構成のように説明しているが、この手ブレセンサ20の出力信号を時間的に監視(或いはモニタ)する監視回路(或いは監視手段)を駆動電源のON/OFF制御を行うリレースイッチ23側に設けるようにしても良い。
【0047】
この場合には使用検知手段21自身が手ブレセンサ20で構成され、リレースイッチ23側に手ブレセンサ20の出力信号の時間的監視手段が設けられることになる。そして、例えば、手ブレが検出されない状態が設定された時間継続すると駆動電源をOFFにする。この場合には使用状態か否かを検出する手ブレセンサ20の出力信号にほぼ連動して停止手段の機能を持つリレースイッチ23は一定時間の後に駆動電源OFFを実行することになる。
【0048】
また、手ブレセンサ20の出力を時間的に監視して駆動電源のON/OFF制御を行う場合、ONからOFFにする場合の設定時間と、OFFからONにする場合の設定時間とをそれぞれ独立或いは別々に設定できるようにしても良い。
また、ONからOFFにする場合の設定時間よりも、OFFからONにする場合の設定時間を短くなるようにしても良い。なお、VTRなどの記録装置も使用される場合には、内視鏡装置1の駆動電源をOFFにする場合に、連動してこの記録装置もOFFにしても良い。
【0049】
なお、第1実施例では撮像手段を内蔵した電子内視鏡2を用いた電子内視鏡装置1の場合で説明したが、上記使用検知手段21は光学式内視鏡の場合にも適用できるので、第1実施例は光学式内視鏡を用いた内視鏡装置にも利用できる。
【0050】
光学式内視鏡を用いた内視鏡装置の場合には、使用検知手段21の出力でランプ14の駆動電源をON/OFF制御する構成になる。つまり、第1実施例は電子内視鏡2或いは光学式内視鏡のいずれを用いた内視鏡装置にも適用できる。
【0051】
図3は本発明の第2実施例の電子内視鏡装置31を示す。この実施例は電子内視鏡2の挿入部8が体腔内に挿入されている挿入状態か挿入されていない非挿入状態かの検知手段(つまり挿入状態/非挿入状態検知手段)の出力で、電源のON/OFFを制御する構成にしたものであり、具体的には人体が放出する赤外線を検知するために赤外線を透過(伝送)する赤外線透過ファイバを用い、この赤外線透過ファイバで伝送した赤外線を赤外線検出用センサで検出し、その出力により電源のON/OFFを行うようにしている。
【0052】
この第2実施例では第1実施例におけるランプ14の代わりにライトガイドファイバ32が用いてあり、このライトガイドファイバ32が挿通されたユニバーサルコード11は途中で2股に分岐され、ライトガイドファイバ32が挿通された側はその端部に設けたライトガイドコネクタ33が光源装置34に接続され、この光源装置34内部のランプ35からライトガイドコネクタ33に照明光が供給される。そしてライトガイドファイバ32によって照明光を伝送し、先端面から照明窓を経て被写体15側に照明光を出射するようにしている。
【0053】
また、第1実施例では操作部9内に使用検知手段21を設けたが、本実施例では、電子内視鏡2内に赤外線透過ファイババンドル(赤外線透過ファイバでも良い)36を設けている。この赤外線透過ファイババンドル36の先端面は先端部13の端面に露出し、被写体15から出射される赤外線37を取り込み、他方の端面に伝送する。
【0054】
この他方の端面はビデオプロセッサ5に接続されるコネクタ12側に至り、このコネクタ12側の端面はビデオプロセッサ5内に設けた焦電型赤外線センサ38を備えた使用検知回路39に接続される。
この使用検知回路39はビデオプロセッサ5内に設けたリレースイッチ23のスイッチ部のON/OFFを制御する。
【0055】
このスイッチ部は電源ユニット6の出力側の駆動線(つまりビデオプロセッサ5及び光源装置34を駆動する駆動線)の途中に介装され、スイッチ部がONの場合にはビデオプロセッサ5及び光源装置34にはそれぞれ駆動電源が供給されるが、OFFの場合には駆動電源が供給されないようにする。なお、TVモニタ7は電源ユニット6から駆動電源が供給される構成であるが、スイッチ部を介して駆動電源が供給される構成にしても良い。
【0056】
その他の構成は図1と同様であり、同じ構成要素には同じ符号を付け、その説明を省略する。
次にこの実施例の作用を説明する。
【0057】
術者が患者の体腔内に挿入部8をその先端部13側から挿入しようとして、患者に先端部13を近づけると、患者から発している人体特有の赤外線37が赤外線透過ファイババンドル36の先端面から入射され、この赤外線透過ファイババンドル36を通ってビデオプロセッサ5内の焦電型赤外線センサ38に達し、この焦電型赤外線センサ38によって赤外線37が検出される。
【0058】
この焦電型赤外線センサ38の出力は使用検知回路39を経て使用状態であるとの判断が行われ、その出力によりリレースイッチ23のスイッチ部がONされる。スイッチ部がONになると、ビデオプロセッサ5及び光源装置34に電流が供給され、光源装置34内のランプ35が点灯し、かつSID4も駆動され始め、TVモニタ7には撮像された内視鏡画像が表示される。
【0059】
使用中は、患者の体腔内からの赤外線37が焦電型赤外線センサ38により検知し続けるため、電源スイッチはON状態のままが維持される。尤も、使用の途中で挿入部8を患者より抜去した場合は、リレスイッチ23がOFFになるが、患者に再度挿入するとONになる。
【0060】
この実施例の効果は以下のようになる。
第1実施例では、手ブレセンサ20だったので、患者に挿入していないときも電源がONになったが、本実施例では患者に挿入中しかONにならないため、より使用時間を減らすことができ、より省エネルギを確保できる装置を実現できると共に、SID4の寿命及び電子内視鏡2の寿命を長くできる。
【0061】
また、電子内視鏡2はランプ14ではなくライトガイドファイバ32を使用したので、SID4近傍の温度を低くできるので、より寿命を延ばすことができる。また、光源装置34内に設けたランプ35の交換も容易となる。
【0062】
さらに、使用検知回路39をビデオプロセッサ5内に設けられるので、より大きな焦電型赤外線センサ38を使用できる。また、操作部9を小型、軽量にできる。さらに赤外線透過ファイババンドル36(或いは赤外線透過ファイバ)は細径にできるので、先端部13を細くできる。また、光学的伝送手段での赤外線伝送に連動して停止手段の動作を実行させることにより、電気的な検知手段と停止手段との連動(例えば第1実施例)による動作よりも応答を早くできる。
なお、この第2実施例も電子内視鏡2を用いた電子内視鏡装置31で説明したが、光学式内視鏡を用いた内視鏡装置にも適用できる。
【0063】
次に本発明の第3実施例を説明する。内視鏡を使用している間は、術者が右手で挿入部を持って徐々に患者の体腔内に挿入し、診断・治療中は挿入部が体腔内にあるので、この実施例では挿入部が体腔内にあることを検知するためのセンサを設け、このセンサの出力に基づいて未使用の場合には電源をOFFにする制御を行う(換言すると電気機器の稼働を停止させる)構成にしている。
【0064】
以下、具体的に説明する。図4は本発明の第3実施例の電子内視鏡装置41を示す。
本実施例では、これまでの実施例と異なり、先端部13内に温度センサ42を設け、この温度センサ42は信号線43を介してビデオプロセッサ5内部の使用検知回路39に接続されている。
【0065】
この実施例では先端部13内に設けた温度センサ42により、先端部13の温度を検出し、温度センサ42の出力値から先端部13が室内にある場合(未使用の状態)と、患者の体腔内にある場合(使用状態)とを使用検知回路39で識別(判別)し、判別した結果が未使用である場合にはリレースイッチ23をONからOFFにするように設定している。
【0066】
その他の構成は図3の第2実施例と同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付け、その説明を省略する。
次にこの実施例の作用を説明する。
【0067】
これまでの実施例と異なり、本実施例はリレースイッチ23のON状態への設定は手動で術者が行ない、ONのままで使用し、使用終了後に、術者がハンガに掛けるかトレイに置いて、しばらく時間が経つと温度センサ42の出力が室温域に対応する値に達したことを使用検知回路39が検知して、体腔内に先端部13がない未使用状態と判断し、リレースイッチ23をOFFにする。そして、電子内視鏡装置41を構成する電気機器の稼働を停止させる。
【0068】
この実施例の場合にはリレースイッチ23がOFFとなった場合に使用検知回路39を動作させるのに必要な駆動電源もOFFにする。従って、第1及び第2実施例のように使用検知手段21(或いは使用検知回路39)を常時動作させるために他の電気機器の電源と別系統にしなければならないことはなく、より簡単な構成にできる。
【0069】
この実施例の効果は以下のようになる。
OFFにする(稼働を停止させる停止手段の機能)だけなので、装置41の構成を簡単化できると共に、低コスト化できる。
【0070】
この他の変形例としては、初めスイッチをONにして使用し、体腔内の色は赤成分が多いので出力信号の分光分析をして病変も含めた体腔内の色の範囲に固体撮像装置の出力信号がある場合だけ、スイッチをON状態に維持し、赤成分がある範囲から外れるとOFFになるようにしても良い。
【0071】
つまり、電子内視鏡の挿入部が体腔内に挿入されている挿入状態か挿入されていない非挿入状態かの検知手段の出力で電源をOFFにする(稼働の)停止手段は、挿入部の先端側に内蔵した撮像装置(或いは撮像手段)で得られる体腔壁画像に対する分光分析手段を用いて構成しても良い。
【0072】
次に本発明の第4実施例を説明する。通常、内視鏡を使用する際、術者は内視鏡の操作部を左手等で保持するため、この実施例では保持の有無を検知することにより使用状態であるか否かの検出を行う。つまり、術者が操作部9を保持しているか否かの検知を行う保持/非保持検知手段(或いは保持状態/非保持状態検知手段)を設け、この保持/非保持検知手段の出力で電源をOFFにする構成にしたものである。
【0073】
図5は第4実施例の主要部を示す。
図5に示すように電子内視鏡2の操作部9における術者の手44で把持する把持部45には人体赤外線を検知する焦電型赤外センサ46を設け、このセンサ46の出力を使用検知回路に接続し、第3実施例と同様に使用検知回路の出力でリレースイッチのONからOFFを制御し、ビデオプロセッサなどの駆動電源を制御する構成にしている。
【0074】
術者が症例を終了し、例えばハンガ等に電子内視鏡2をかけると、焦電型赤外センサ46は術者の手44から発せられる赤外線を検知しなくなるので、使用検知回路は術者が電子内視鏡2を保持していない未使用状態と判断し、リレースイッチをOFFにして電源が供給されないようにする。
この実施例の効果は第3実施例とほぼ同様である。
【0075】
なお、第4実施例の第1変形例として焦電型赤外センサ46の代わりに、このセンサ46の位置に歪ゲージ圧電素子等の圧力センサ47(図5で括弧内に示す)を設置し、この圧力センサ47により手44で把持した場合の圧力或いは把持力を検知し、圧力が検知されない場合に未使用状態であると判断するようにして電源をOFFにするようにしても良い。
この第1変形例の効果は検知手段を低コストで実現できる。その他は第4実施例と殆ど同じである。
【0076】
また、第4実施例の第2変形例として焦電型赤外センサ46の代わりに、このセンサ46の位置にサーミスタ等の温度センサ48(図5で括弧内に示す)を設置し、この温度センサ48により手44の温度を検知するようにしても良い。より具体的には、手44で把持した場合の温度に対応する値よりも十分低い温度が検知された場合に未使用状態であると判断するようにして電源をOFFにし、手44で把持した場合の温度に対応する値が検出された場合にはON状態を維持するようにしても良い。
この第2変形例の効果は検知手段を低コストで実現できる。その他は第4実施例と殆ど同じである。
【0077】
図6は本発明の第5実施例の主要部を示す。この実施例では図5における前記焦電型赤外センサ46の代わりに、発光素子51及び受光素子52からなるフォトカプラ等の光センサ53を設け、術者が把持する位置の手44の有無を感知或いは検知して図5と同様に、未使用状態の時に電源をOFFするようにした。
【0078】
操作部9の把持部における術者の掌が接するように把持される部分の両側(図6では上下方向の両側)に対向する位置に発光素子51及び受光素子52を設けて、術者の手44で把持した場合には、発光素子51の光が受光素子52で受光されるのを遮光するようにしている。なお、図6で、符号54は湾曲操作を行う湾曲操作ノブである。
【0079】
この実施例では術者が電子内視鏡2の使用を終了し、把持部45から手44を離し、ハンガに電子内視鏡2を掛けると、発光素子51側からの光が受光素子52側で受光され、把持部45が手44で把持されてないことが検知され、駆動電源を停止する。この実施例では検知手段が光学的なセンサで構成し、このセンサの出力に連動して停止手段を実行させるようにしているので、実行を早くできる。
また、この実施例の光センサ53を用いた場合は、低コストで電源をOFFする手段を実現できる。その他は実施例の効果は第4実施例とほぼ同様である。
【0080】
図7は本発明の第6実施例の電子内視鏡装置61を示す。この実施例は電子内視鏡62が架台(ハンガ)68に吊り下げられている状態にあるか否かを検出し、吊り下げられている状態にあると検出した場合に非保持状態であるとして駆動電源をOFFにするようにしたものである。
【0081】
この電子内視鏡装置61は、電子内視鏡62と、この電子内視鏡62と共に使用される周辺装置或いは周辺機器としての光源装置63と、撮像手段に対する信号処置を行う画像制御装置(或いはビデオプロセッサ)64と、TVモニタ65と、これら光源装置63、画像制御装置64、TVモニタ65の載置部を有し、移動自在のトロリ66とを有する。
【0082】
このトロリ66には、周辺機器に商用電源を供給する電源部が設けてあり、電源プラグ67を介して供給された商用電源はこの電源部から周辺機器に供給される構成となっている。
【0083】
このトロリ66の上面には電子内視鏡62をかける架台(ハンガ)68が立設され、このハンガ68の基部には荷重検知センサ69が設けられている。この荷重検知センサ69により電子内視鏡62がハンガ68に掛けられた状態での荷重を検出することにより、術者が電子内視鏡62を保持していない非保持状態であるとの検知を行う非保持状態検出手段を構成し、この非保持状態であるとの検知を行った場合には、例えば適宜の一定時間後にトロリ66の電源部の電源をOFFにできるようにしている。
【0084】
次に作用を説明する。ハンガ68に電子内視鏡62が掛けられると、電子内視鏡62の重量を荷重検知センサ69が検知して、トロリ66に供給される電源を切る。従って、画像制御装置64、TVモニタ65等、トロリ66に積まれている周辺機器全ての電源が、例えば2分後に全て切れる。
【0085】
この実施例によれば構造が簡単で全ての周辺機器の電源を切ることができる。また、上述の実施例のように電子内視鏡に設けることを必要としないので、既存の電子内視鏡を使用する電子内視鏡装置に対しても適用できる。つまり、適用範囲が広い。
【0086】
第6実施例の変形例として、荷重検知センサ69の出力によって電源をOFFにする代わりに、上記画像制御装置内に画像出力信号のうち赤色の信号が予め多くのデータから決めた体腔内の色の赤のスペクトルの下限値をある一定の時間例えば3分間以上下回り続けた場合に画像撮像装置をOFFするプログラムを内蔵した構成にしても良い。
【0087】
この構成により、術者が電子内視鏡を体腔内より引き抜くとスイッチを切らなくても自動的にプログラムに沿って電源をOFFにできる。第6実施例とほぼ同様の効果を有する。また、電子内視鏡に新たにセンサを設けることなく、撮像手段で得た映像信号に対して、画像制御装置側でのスペクトル分析を行う処理で実現できるので、既存のシステムの場合にも対処できる場合が多い。
【0088】
次に本発明の第7実施例を説明する。通常、術者が内視鏡を使用して診断或いは治療を行う時は、ベッドと内視鏡、TVモニタ、画像制御装置、光源、VTR、スチル写真機器等が搭載された運搬用トロリ、術者補助者の位置はほぼ決まっており、術者がその位置から離れる時(例えば、カルテを書くために机がある位置に移動)は、内視鏡は使用状態にないため、この実施例では術者が診断或いは治療を行う位置にいるか、その位置にいない状態(つまり非術中位置状態)かを検知して、非術中位置状態の場合には電源をOFFにする。この場合の非術中位置状態の検出を例えば術者の体重検知手段で構成できる。
以下、図8に示す本発明の第7実施例の電子内視鏡装置71による使用例を参照して説明する。
【0089】
内視鏡検査室内には検査される患者72が載置されるベッド73が配置され、このベッド73の長手方向の一方の端部付近で、術者74が内視鏡検査を行うために立つ位置の付近にはL字型のシート形状の圧力センサ75が敷かれる。
【0090】
このベッド73の付近には、移動自在のトロリ76が配置され、このトロリ76にはTVモニタ77等の内視鏡周辺機器が載置され、トロリ76から延出された電源コードの端部に設けた電源プラグ78は内視鏡検査室の壁部のコンセントに接続される。
【0091】
そして、トロリ76の電源部からトロリ76に載置された光源装置などの周辺機器に駆動電源を供給する。また、圧力センサ75もトロリ76の電源部に接続され、圧力センサ75の出力により、所定以上の圧力が検出されない場合には電源部をOFFにして周辺機器に駆動電源が供給されないように制御する。
【0092】
図示のように内視鏡検査を行う場合にはベッド73の付近でシート形状の圧力センサ75の上に術者74が立ち、この術者74によって把持などされ、患者72に挿入される内視鏡79はトロリ76に載置された光源装置などと接続される。
【0093】
この状態では術者74の荷重が圧力センサ75にかかり、この荷重が加わった状態では圧力センサ75は所定以上の圧力に対応した検出出力値を出し、電源部はONの状態が維持される。一方、術者74が圧力センサ75の上にいない状態では所定以上の圧力に対応した値が検出されないので、この状態が一定時間継続すると、使用状態でないと判断され、電源部をOFFにする。電源部がOFFになると、トロリ76に載置された機器には駆動電源が供給されなくなる。
【0094】
ベッド73の側部には補助者80が配置され、術者74の手技の補助を行うことができる。また、見学者81はベッド73の付近に立って術者74の手技等を見学することができる。
また、内視鏡検査室の隅にはカルテ82を書くための机83及び腰掛ける椅子が配置されている。次にこの実施例の作用を説明する。
【0095】
図8の検査状態では術者74の荷重が圧力センサ75に印加されるので、電源部はONの状態が維持される。そして、術者74が症例を終了し、カルテ82を書くために机83に移動すると、圧力センサ75は所定値以上の圧力を検出しない状態になるので、この状態が一定時間継続すると、人がいない未使用状態であると判断してトロリ76の電源を切る。するとトロリ76に積んである周辺機器全ての電源が切れる。
この実施例の効果は第6実施例と殆ど同じである。この実施例は第7実施例と同様に非術中位置を検出して電源をOFFにするものであり、非術中位置を検出する検出する検出手段として術者が診断或いは治療を行うのに立つ位置近くに配置され、超音波を発生すると共に、その反射信号を受信する超音波発生・受信装置或いは超音波発生・受信センサで構成する。
【0096】
図9は本発明の第8実施例の電子内視鏡装置85を示す。
【0097】
この実施例は上記シート状圧力センサ75の代わりにベッド73の下等に、ベッド73付近で内視鏡手技を行う術者74が存在する適宜の範囲86に超音波を出射して、その範囲86内での超音波の反射を検出する超音波センサ87を設け、この超音波センサ87はトロリ76の電源部と接続され、超音波センサ87の反射波から術者74が存在すると判断した場合には電源部をONの状態に維持し、術者74が存在する場合の反射波が検出されない場合には電源部をOFFにする構成にしている。
【0098】
その他は図8の第7実施例と同様の構成である。次にこの実施例の作用を説明する。超音波センサ87からは術者が診断或いは治療を行うのに通常立つ位置付近を含むように設定されたある範囲86に超音波が出射されていてその範囲86内に術者74が存在する場合に検出される反射波のレベルがある値以上で検出された場合には術者74がいると判断し、電源部をONに保つ。
【0099】
一方、反射波が検出されない状態が一定時間継続すると、術者74が手技する位置にいない未使用状態であると判断し、電源部をOFFにする。つまり、術者74が診断或いは治療を行うのに通常立つ位置から一定の時間をいなくなると、トロリ76の電源が切れることになる。この実施例の効果は第6実施例と殆ど同じである。
【0100】
次に本発明の第9実施例を説明する。通常、患者が受診する時は予め決まった専用のベッドやイスの上に患者が横たわるまたは座るため、この実施例ではこれを検知することにした。具体的には患者が通常の診断・治療を受ける位置にいない状態(以降、非受診位置状態)を検知する手段を設け、例えばベッドに設けられた体重検知手段により患者の非受診位置状態を検知するようにした。どんな内視鏡検査でも大体ベッドを使用するし、内視鏡が使用できる患者の体重もある程度以上に限られている場合が多く、検出も容易である。
以下、図10に示す本発明の第9実施例の内視鏡装置88を参照して説明する。
【0101】
この実施例は図9において、超音波センサ87の代わりに患者72が横になるベッド73の上部や台座部分に患者72の荷重の検知により使用状態であるか否かを検出する、例えばシート形状の圧力センサ89を設けている。このセンサ89はトロリ76の電源部と接続され、センサ89の出力で電源部をOFFにする制御を行う。
【0102】
この実施例では症例が終了して患者72がベッド73の上からいなくなると電源部の電源がOFFになる。この第9実施例の効果は第6実施例と殆ど同じである。
【0103】
次にこの第9実施例の変形例を説明する。この変形例は上記圧力センサ89の代わりに温度センサによる温度検知手段を用いる。着衣していても室温より体温の方が5℃は高いので、ベッド72の上が体温より3℃低い状態になったところでトロリ76の電源をOFFする構成にする。
【0104】
次にこの作用を説明する。症例が終了して患者72がベッド73からいなくなり、しばらく経つとベッド73の上の温度センサが検出する位置の温度も下がるため、トロリ76の電源がOFFになる。
【0105】
なお、枕やベッドに非受診位置状態の検知手段を内蔵するものに限定されるものでなく、患者と枕、ベッドの間に挟むシート状の温度センサ、圧力センサを置くように設けたものでも良い。このようなものでも、第9実施例或いはその変形例と同じ作用及び効果を有することになる。
【0106】
なお、第3実施例では電子内視鏡2の挿入部8の先端側が患者体腔内に挿入されている挿入状態か、挿入されていない状態(以下、非挿入状態)を検知する手段として温度センサ42を設けたが、さらに挿入部8の先端部13に湿度センサも設けて温度及び湿度を検出する温湿度検知手段を構成し、湿度センサにより洗浄或いは消毒状態を検出した場合にも駆動電源をOFFにするようにしても良い。
効果として操作部に設けた温度検知手段に比べ確実。操作部を保持して症例間の洗浄・消毒したりする時停止したいが、挿入部先端に温湿度検知手段を設ければ停止できる。その分無駄使いがなくなる。
【0107】
なお、上述した実施例及び変形例等を部分的等で組み合わせて異なる実施例あるいは変形例を構成することもでき、それらも本発明に属する。
【0108】
また、上述した電源或いは駆動電源をOFFにする停止手段は、内視鏡装置を構成する電気機器全ての駆動電源をOFFにするものに限定されるものでなく、その装置を構成する少なくとも1つの電気機器の駆動電源をOFFにするものは本発明に属する。また、上述した装置以外の周辺装置(或いは周辺機器、具体的には、電気的に切除を行う電気メス装置とか画像を記録する画像記録装置としてのビデオディスク装置等、)も内視鏡装置と共に使用される場合には、停止手段によりそれらの周辺装置の電源をOFFにできるようにしても良い。
【0109】
次に内視鏡における改良した操作部を説明する。まず、その背景を述べる。近年体腔内臓器の観察、各種処置等に内視鏡が広く用いられており、内視鏡の挿入部の手元側には、把持部を兼ねた操作部が設けられ、特に図11(c)に示すような電子内視鏡101では、挿入部102の後端(基端)に操作部103が設けられ、この操作部103の頂部にスイッチボックス104が設けられている。
【0110】
このスイッチボックス104には、フリーズスイッチ、レリーズスイッチ等複数のスイッチが設けられている。
【0111】
従来は図11(c)に示すように、スイッチボックス104には小型化のために、操作部103を把持する手の親指が位置する側に傾斜面となる第1のスイッチボックス面105が設けられており、そこに単純にスイッチ106を設けていた。このスイッチ106はそのスイッチ押面107が第1のスイッチボックス面105に平行に設けられ、また全方向型である。
【0112】
ところが、スイッチ106は基本的には上方向からの入力を推奨されているため、操作部103を把持する手108の親指が届きにくいという不具合があった。従って、以下に説明する電子内視鏡はこの点を改良するため、操作性を向上したものを提供することを目的とし、この目的を達成するためにスイッチ押面が挿入部の軸方向と略平行になるようにスイッチを配設している。
【0113】
以下により詳しい構成を図11(a)、(b)を参照して説明する。図11(a)は図11(c)と同じ方向からのスイッチボックスの正面図、図11(b)は図11(a)の側面図を示す。
【0114】
本実施例における電子内視鏡では、(内視鏡)操作部103の頂部にスイッチボックス104を有する。このスイッチボックス104は図11(a)に示すように、第1のスイッチボックス面105にスイッチ111が設けている。このスイッチ111はモニタ上に画像を静止させる制御を行うためのスイッチであり、全方向型となっている。
【0115】
このスイッチ111は図11(a)、(b)に示すような形状のゴム部材からなり、そのスイッチ111は傾斜面となる第1のスイッチボックス面105と平行ではなく、挿入部の軸方向Oと略平行になっている。このスイッチ111にはそのスイッチ押面112が設けてある。次に作用を説明する。
【0116】
スイッチ押面112と第1のスイッチボックス面105が平行でなく、挿入部の軸方向Oと略平行であるため、スイッチ押面112は術者に押し易い面になり、操作性を向上できる。
【0117】
このようにスイッチ押面112は術者に押し易い面であるので、操作性が向上する。
【0118】
図12は図11の変形例を示す。図12(a)はスイッチボックスの正面図、図12(b)は図12(a)の側面図を示す。
【0119】
本変形例では、図12(a)のようにスイッチボックス104の第1のスイッチボックス面105にスイッチ115を形成している。このスイッチ115はスイッチボックス104に第2のスイッチボックス面116が形成されるように設けられている。このときスイッチ115は従来例と同じものでも良い。
【0120】
第2のスイッチボックス面116はスイッチボックス104に第1のスイッチボックス面105の一部を突出させたものであり、スイッチ押面117が第1のスイッチボックス面105と平行でなく、挿入部の軸方向に略平行である形状になっている。また第2のスイッチボックス面116は第1のスイッチボックス面105よりも面積が小さいように突出されている。
【0121】
次に作用を説明する。第2のスイッチボックス面116が、スイッチ押面117と2が平行でなく、挿入部軸方向と略平行であるような形状も持つためスイッチ押面117は術者に押し易い面となる。
【0122】
効果は以下のようになる。
スイッチ押面117は術者が押し易い面であるので操作性が向上する。
スイッチ115に従来と同じ部品を用いることができる。
・第2のスイッチボックス面116はスイッチボックス104の一部をスイッチ115を取り付けるために必要な最小限の面積だけ突出させたものであり、小型化と押し易さを両立させることができる。
【0123】
次に電子内視鏡における撮像機構を説明する。まず、その背景を述べる。従来より先端部に固体撮像素子を設けた内視鏡が提案されている。このような内視鏡は先端部に固体撮像素子だけでなく、アンプ等を構成するための電子部品が組み込まれている。
【0124】
従来、このCCDを含む撮像ユニットに多数本の配線ケーブルが接続されていた。このため、撮像ユニットが小型になるにつれ、配線ケーブルの接続部も小さくなり、半田付けが非常に困難になる。
また、無理に配線しても半田付け時の熱がCCDに影響するため信頼性が落ちる。ケーブルそのものも細いものが市販されるようになったが限界がある。
【0125】
そこで、小型化、信頼性向上を可能とする撮像構造を有する電子内視鏡を提供することを目的とし、その目的のために、
(1)少なくとも撮像ユニットの一部をフレキシブル基板で内視鏡手元側へ延出させ、そこに配線部を少なくとも一つ設けた。
(2)(1)の配線部を湾曲駒のピッチと同じにした構造にする。以下、具体的にその構成を説明する。
【0126】
図13はこの電子内視鏡の挿入部121の先端側の構造を示す。本実施例における電子内視鏡は、可撓性の挿入部121の先端側に湾曲自在の湾曲部122と、この湾曲部122に隣接する先端側に先端構成部123が形成されている。
【0127】
湾曲部122は、ほぼリング形状の湾曲駒124がそれぞれ隣接する湾曲駒124と回動自在に連結され、最も先端側の湾曲駒(先端駒と記す)125は先端構成部123に固定され、この先端駒125の後端部分から湾曲自在となる。
湾曲駒124の内側には図示しない湾曲操作用のアングルワイヤが挿通され、各アングルワイヤの先端は先端駒125に固着され、その後端は図示しない操作部内の回転部材に取り付けられ、回転部材の軸に連結したアングルノブを回動することにより、アングルワイヤを進退させて湾曲部122を構成する湾曲駒124を湾曲させることができる構造にしている。
【0128】
先端構成部123には、その先端面に設けた凹部に対物レンズ126と、その結像位置に配置される固体撮像素子127と、この固体撮像素子127と電気的に接続される回路基板128とを具備する撮像ユニット129が内蔵されるようにしている。
【0129】
この撮像ユニット129からはフレキシブル基板131が挿入部121の手元側(内視鏡手元側)へ延出している。このフレキシブル基板131からはフレキシブル基板配線部132がフレキシブル基板131の延出されている延出方向に対し、略直角方向に複数延出している。各フレキシブル基板配線部132は湾曲駒124のピッチに一致して延出させていることが特徴となっている。各フレキシブル基板配線部132には信号線(或いはケーブル)133の一端が半田付け等で接続され、信号線133の他端側は挿入部121の手元側に延出されている。
【0130】
このような構成にすることにより、湾曲部122の湾曲に伴い、フレキシブル基板131は柔軟に変形できる。また、分割して配線したため、撮像ユニット129に直接配線された時より、配線箇所のフレキシブル基板131の延出方向と垂直な面に関する広がりが小さくなる。
【0131】
従って、次の効果を有する。配線位置を分割することにより、撮像ユニット129を小型化にできる。配線部は相対的に硬い部分であり、湾曲駒124間に配線部が設けられると湾曲部124の可撓性が小さくなってしまうが、この実施例では配線部を湾曲駒124のピッチと合わせ、湾曲駒124間を避けることにより、可撓性を小さくすることなく、小型化にできる。
【0132】
また、配線部が固体撮像素子127から離れるので、半田付け時の温度の影響が固体撮像素子127に及ばなくなり、信頼性が向上する。
【0133】
さらに、配線部が湾曲駒124間の回動部にくると、湾曲時に配線部が変形するため配線の信頼性が下がるが、配線部を湾曲駒124のピッチと合わせ、湾曲駒124間を避ける構造にしていることにより、配線部が変形しにくくなり、配線の信頼性が向上する。
【0134】
図14は図13の変形例の主要部を示す。図14は図13において、その撮像ユニット129(の対物レンズ126以外の)部分を取り出したものである。フレキシブル基板131からは湾曲駒124のピッチに合わせてその両側にフレキシブル基板配線部132がフレキシブル基板131の延出方向と略直角に延出している。
【0135】
それぞれのフレキシブル基板配線部132には少なくとも1本の信号線133が配線されている。フレキシブル基板131は手元側に延出して、フレキシブル基板配線部132が設けられる度に幅が減ってくる。
【0136】
図示はしないが、また、フレキシブル基板131をさらに手元側へ延出し、フレキシブル基板配線部132を蛇管内ないしは操作部内に設けることができる。この変形例の作用は図13とほぼ同様である。
【0137】
また、その効果も図13とほぼ同様である。さらに図13の場合に加えて、フレキシブル基板131の幅が減少してくるので、フレキシブル基板131の幅が一定の場合よりも弯曲管内の充填率を下げることができる。
【0138】
また、フレキシブル基板配線部132を湾曲管以外に設けると、湾曲管内の充填率を下げることができる。
【0139】
次に内視鏡治療におけるポリープ回収方法を説明する。まず、その背景を述べる。近年、体腔内臓器の観察、各種処置具等に内視鏡が多く用いられている。この中で、大腸内多発生ポリープ等の処置においては、体腔内に発生した複数のポリープを切除することが行われる。このような場合、従来切除したポリープの回収方法としては、スコープのチャンネルから吸引して、スコープに吸い付けてスコープごと回収するか、把持鉗子を用いて回収していたが、いずれにしても、1個のポリープを回収するたびにスコープを患者の体外へ抜去しなければならず、何度もスコープの出し入れを行わなければならなかった。
【0140】
一方、ポリープトラップを用いて、ポリープをスコープの鉗子チャンネルから吸引して回収する方法もあるが、吸引の途中で詰まってしまったり、ポリープが大きい場合は吸引することができないという不具合がある。つまり、従来のポリープ回収方法では、1個のポリープを回収するたびにスコープを患者の体外へ抜去しなければならず、大腸内多発生ポリープ等の処置のように複数のポリープを切除する場合、何度もスコープの出し入れを行わなければならなかった。
【0141】
このため、複数のポリープを一度に回収する装置を提供することを目的とし、この目的を達成するために、可撓性の外套と、該外套に突没自在な内部材と、該内部材に形成された複数の凹部と、該凹部に対向して設けられた弾力性のある押え部材からなるポリープ回収具を形成し、ポリープを回収する場合、弾性バーを外方にしならせ、収容部にポリープを収容できるようにする。以下、具体的にその構成を説明する。
【0142】
電子内視鏡は先端部に固体撮像装置と照明系を設けた挿入部と、挿入部に連続して設けられ、複数のスイッチと弯曲装置を具備する操作部と、送気・送水・吸引管路と各種信号線を接続するコネクタ部と、可撓性がある管体からなり操作部とコネクタ部を接続するユニバーサルコードからなる。
【0143】
挿入部には、テフロンチューブ等からなる吸引及び処置具挿入のためのチャンネルが具備されている。
前記チャンネルには、生検鉗子(図示せず)等の他に次のような処置具を挿通する。
図15は上記処置具の第1実施例のポリープ回収具140の概略を示す。弗素系樹脂等からなる外シース141の内部には先端にステンレス又はプラスチックからなる内棒142を取り付け固定した。上記外シース141と同等材質からなる内シース143が進退自在に挿通されている。
【0144】
この内シース143の先端に設けられ、該シース141から突没する内棒142には複数の凹部145a設けられ、各凹部145aの側壁145bから軸方向に向かって伸び途中で終わっている弾性体からなる弾性バー146が設けてある各弾性バー146の端部は球状をなしている。それらにより複数のポリープ収容部145が形成されている。
【0145】
上記外シース141の手元側端部にはシリコンゴム等からなるつまみ147が固定され、さらにこれより手元側に延出した内シース2の端部にはつまみ148より延びるステンレスパイプに圧入固定されている。
【0146】
次に作用を説明する。まず、内視鏡的に高周波処置具等で切除した、複数のポリープ151を回収するには、外シース141に内棒142を収納した状態で内視鏡のチャンネルを通してポリープ回収具140のシース部を生体腔内に導入した後、つまみ148をつまみ147に対して押し出し、内棒142を外シース141より外へ突き出す。
【0147】
その後、シース部先端をポリープのある位置まで誘導し、内視鏡のアングル操作とチャンネルへの進退動作を組み合わせることによりポリープ収容部145を切除されたポリープ151に押し付ける。その際、弾性バー146が外側にしなり、収容部145内にポリープ151が入り込む。さらに弾性バー146の弾性力によりポリープ151は凹部145aに押し付けられポリープ収容部145から外れなくなる。
【0148】
以上の動作を、繰り返すことにより複数のポリープ収容部145にポリープ151を収容する。収容が完了した後、内視鏡と一緒に生体腔内から抜去する。
【0149】
このポリープ回収具140を用いることにより、1回の内視鏡検査で複数のポリープを回収できるため、患者への苦痛を軽減できるし、術者の負担を軽減できる効果がある(これに対し、従来は、切除ポリープの回収方法として、チャンネルから吸引してスコープに吸い付けてスコープごと回収するか、把持鉗子を用いて回収していたが、いずれにしても1個のポリープを回収するのにいちいちスコープを患者の体外へ抜去しなければならなかった)。
【0150】
図16は図15の変形例を示す。このポリープ回収具161においてその内棒162がステンレス又はプラスチックの板材からなる点で図15と異なる。その他は図15と同様の構成である。この変形例の作用は図15と同様である。
【0151】
また、効果としては弾性バー146のみでなく、内棒162自身もしなるため、図15の実施例よりもさらにポリープ収容部145にポリープを取り込みやすくなる。
また、図15の実施例と比べ同じシース外径でも、ポリープ収容部145の体積が広くとれるため、その分大きなポリープを回収することができる。
【0152】
[付記]
1.術者が電子内視鏡を用いて患者の体腔内を診断・治療中かどうかの状態を検知する検知手段と、該検知手段に連動して自動的に電子撮像装置の稼動を停止する停止手段を設けたことを特徴とする電子内視鏡装置。
〈効果〉電子撮像装置の寿命の延長、電子撮像素子そのものの寿命の延長、(電子撮像装置の交換修理は高価なので)修理の削減となる、電気代そのものの削減。
【0153】
2.前記検知手段が、術者が該電子内視鏡装置の操作部を保持していない状態を検知する手段からなる付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉操作部内は比較的空隙があり、市販の大きくて安いセンサを用いることができる。検知手段も簡単な構造、少ない部品となり確実。
3.前記検知手段が、術者が該電子内視鏡装置の挿入部を患者の体腔内に挿入していない状態を検知する手段からなる付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉付記2だと、操作部を持ってベッドサイドで洗浄・消毒をする場合等、停止状態にならないが、挿入状態を検知すればその無駄が除ける。
【0154】
4.前記検知手段が、術者が通常の診断治療時にいる位置にいない状態であることを検知する手段からなる付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉従来の内視鏡であっても改造しなくても無関係に検知手段を設けることができる。
5.前記検知手段が、患者が通常診断・治療を受ける位置にいない状態であることを検知する手段からなる付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉症例中、患者が移動することはないので付記4の術者を検知するより確実。付記4の場合、ベッドサイドで洗浄・消毒をしたりすると稼動してしまうが、付記5はそんなこともない。
【0155】
6.前記検知手段と停止手段を電気的に連動したことを特徴とする付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉電気での連動はリレースイッチ等安価な手段使用可。
7.前記検知手段と停止手段の少なくとも一部を光学的に連動したことを特徴とする付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉光学的に連動すると電気より早いし、光ファイバで連動するとその部位の径を細径化できる。
【0156】
8.前記停止手段は、駆動電流を供給する画像制御装置の電源を停止することを特徴とする付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉内視鏡自体に電流の停止手段を設けると内視鏡が大型化してしまうので、元々大きい画像制御装置に停止手段を設けると大型化が防げる。
9.前記停止手段は、更に連動して該内視鏡装置の記録装置や照明装置等の電源を停止することを特徴とする付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉照明手段は熱源であり、挿入部先端に設けられる電子撮像装置の近くにあって、撮像装置の寿命を間接的に縮めるので停止すると寿命がより延びる。
【0157】
10.前記検知手段と前記停止手段との連動は、一定時間を置いて実行されることを特徴とする付記1記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉症例中に数秒から数十秒間、通常の内視鏡の使用状態とは異なる状態になる可能性があるので、一定時間を置いて連動停止することによって確実に症例が終了したことを見極めてから停止できる。
【0158】
11.前記術者が該電子内視鏡装置の操作部を保持していない状態を検知する手段は、術者が操作部を保持する手のブレ・振動を検知する手段からなる付記2記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉VTR一体型TVカメラ、ハンディカム等の手ブレセンサ技術を応用でき、技術的に容易。
12.前記非保持状態検知手段は、術者が操作部を保持する手から発する人体赤外線を検知する手段からなる付記2記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉人体検知手段としてポピュラなので技術的に容易。
【0159】
13.前記非保持状態検知手段は、術者が操作部を保持する手の位置を検知する手段からなる付記2記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉位置センサ例えばフォトカプラは比較的安価。付記12,15に比べ検知するまでの時間がかからない。
14.前記非保持状態検知手段は、術者が操作部を保持する手の把持力を検知する手段からなる付記2記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉圧力センサ例えば歪ゲージは比較的安価。付記12,15に比べ検知するまでの時間がかからない。
【0160】
15.前記非保持状態検知手段は、術者が操作部を保持する手の温度を検知する手段からなる付記2記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉温度センサは比較的安価。但しタイムラグあり。
16.前記非保持状態検知手段は、電子内視鏡装置が架台(ハンガ)につり下げられている状態を検知する手段からなる付記2記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉症例後に洗浄・消毒した内視鏡を必ずトロリーのハンガにつり下げる習慣があれば確実、簡単。現行の内視鏡に何ら改造を加えなくても応用可。
【0161】
17.前記該電子内視鏡装置の挿入部が患者体腔内に挿入されていない状態(以下、非挿入状態)を検知する手段は、挿入部先端に設けられた温湿度検知手段からなる付記3記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉操作部に設けた温度検知手段に比べ確実。操作部を保持して症例間の洗浄・消毒したりする時停止したいが、挿入部先端に温湿度検知手段を設ければ停止する。その分無駄使いがなくなる。
18.前記非挿入状態検知手段は、挿入部内に設けた赤外透過ファイバを通して人体赤外光を検知する手段からなる付記3記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉付記17の場合挿入部先端に温湿度センサを設けるので先端が太くなるが、付記18の場合赤外導光ファイバを設けるだけなので先端の細径化可能。センサを操作部、コネクタ、或いは画像制御装置(ビデオプロセッサ)等に設けることができ内視鏡の大型化が防止できる。
【0162】
19.前記非挿入状態検知手段は、該電子撮像装置で得られた体腔壁画像の分光分析手段からなる付記3記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉ビデオプロセッサに分析や判断回路を加えるだけでよい。センサの必要が特にない。内視鏡も改造しなくてよい。
20.前記術者が通常の診断・治療位置にいない状態(非術中位置状態)を検知する手段は、術者の体重検知手段からなる付記4記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉術者の立位置があまり変わらない上部消化器内視鏡検査等に有効。比較的安価なセットで改良可。
【0163】
21.前記非術中位置状態検知手段は術者の立つ位置近くに置かれた超音波発生・受信装置よりなる付記4記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉床置センサに比べ清潔。
22.前記患者が通常の診断・治療を受ける位置にいない状態(非受診位置状態)を検知する手段はベッドに設けられた体重検知手段からなる付記5記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉どんな内視鏡検査でも大体ベッドを使用するし、内視鏡が使用できる患者さんの体重もある程度以上に限られている場合が多い(乳幼児、児童除く)。
現行の内視鏡への改善不要。
【0164】
23.前記非受診位置状態検知手段は、ベッドまたは枕に設けられた温度検知手段からなる付記5記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉付記22と異なり、温度だと体重制限ない。
24.前記非受診位置状態検知手段は患者のベッドの上や枕の上の間にあるシート状の圧力または温度検知手段からなる付記5記載の電子内視鏡装置。
〈効果〉内蔵しなくても可。但し洗浄する必要あり。イスにも使える。経鼻挿入の気管支内視鏡検査等。
【0165】
25.操作部に設けられ、挿入部軸方向と平行でないスイッチボックス面を具備するスイッチボックスと、該スイッチボックスに配設され、スイッチ押面が挿入部軸方向と略平行であるスイッチと、を具備する内視鏡。
26.少なくとも撮像ユニットの一部をフレキシブル基板で内視鏡手元側へ延出させ、そこに配線部を少なくとも一つ設けた内視鏡。
27.配線部を弯曲駒のピッチと同じにした付記26記載の内視鏡。
28.可撓性の外套と、該外套に突没自在な内部材と、該内部材に形成された複数の凹部と、該凹部に対向して設けられた弾力性のある押え部材からなるポリープ回収具。
【0166】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、内視鏡を使用しない状態では照明用光源或いは撮像系の駆動に使用される駆動電源を自動的にOFFにするので、不使用時の駆動電源の供給により、寿命が低下する内視鏡或いは周辺装置等の寿命を長くすることができ、また、省エネルギの内視鏡装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の電子内視鏡装置の構成を示す構成図。
【図2】第1実施例の動作内容を示すフローチャート図。
【図3】本発明の第2実施例の電子内視鏡装置の構成を示す構成図。
【図4】本発明の第3実施例の電子内視鏡装置の構成を示す構成図。
【図5】本発明の第4実施例における操作部の側部付近を示す図。
【図6】本発明の第5実施例における操作部の側部付近を示す図。
【図7】本発明の第6実施例の電子内視鏡装置の構成を示す図。
【図8】本発明の第7実施例の電子内視鏡装置の構成を上面側から示す図。
【図9】本発明の第8実施例の電子内視鏡装置の構成を側面側から示す図。
【図10】本発明の第9実施例の電子内視鏡装置の構成を側面側から示す図。
【図11】内視鏡の操作部のスイッチボックス周辺の構成を示す図。
【図12】図11の変形例を示す図。
【図13】電子内視鏡の挿入部先端側の撮像系の構成を示す図。
【図14】図13の変形例における撮像系の構成を示す図。
【図15】ポリープ回収具の構造を示す図。
【図16】図15の変形例の先端側を示す図。
【符号の説明】
1…電子内視鏡装置
2…電子内視鏡
4…固体撮像素子(SID)
5…ビデオプロセッサ
6…電源ユニット
7…TVモニタ
8…挿入部
9…操作部
11…ユニバーサルコード
12…コネクタ
13…先端部
14…照明用ランプ
20…手ブレセンサ
21…使用検知手段
23…リレースイッチ
24…電源プラグ
Claims (2)
- 内視鏡と共に使用される周辺装置を備えた内視鏡装置において、
患者もしくは術者の位置を検知し、当該検知結果に基づいて内視鏡を使用しない状態であるか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段により内視鏡が使用されていない状態であると検出された場合に、前記内視鏡を構成する電子機器を駆動する駆動電源をOFFにする制御手段と、
を具備することを特徴とする内視鏡装置。 - 前記制御手段は、前記検出手段によって、所定の期間内視鏡が使用されていない状態が検出された場合に、前記内視鏡の駆動電源をOFFにすると共に、前記所定の期間よりも短い期間内視鏡が使用されている状態であることが検出された場合に、前記内視鏡の電子機器の稼働を自動的に開始させるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の内視鏡装置。
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