JP2009247550A - 内視鏡用処置具及び内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】表層近くの生体組織を処置し易い状態に掻き寄せるのに適した内視鏡用処置具及び内視鏡を提供する。
【解決手段】超音波内視鏡5Cのアーム用ルーメン内に移動自在に収納されたアーム部2の先端には鍬状爪部3が形成されており、対物レンズ45による観察及び超音波振動子部10による観察のもとで、臓器21の表層付近の病変部23を観察し、その生体組織を採取しよとする場合、病変部23の向こう側に設定した鍬状爪部3を、手元側のアームスライダの操作で超音波振動子部10が形成された凸部11側に掻き寄せ、この凸部11とで病変部23を挟持する様に固定することにより、生体組織の採取や、高周波電流での切除等の処置を行い易い状態に設定する。
【選択図】図11

Description

本発明は、内視鏡用処置具及び内視鏡に関する。
近年、挿入部の先端側に観察系を備えた内視鏡は、医療分野等において広く用いられるようになった。また、内視鏡と共に、内視鏡用処置具が広く使用される。
現在、多種多様な形状の内視鏡用処置具が存在するが、従来例においては、体内の臓器の表面近くにできた初期症状に近い患部或いは病変部を処置し易い状態に設定するものが殆ど無かった。
このように体内の臓器の表面近くにできた初期症状に近い患部或いは病変部は、そのサイズが小さく、また表面からあまり突出していない平面的に存在する場合が多いため、そのままの状態でその病変部の生体組織に対して目的とする処置を行い難い。
例えばその生体組織を穿刺針で穿刺してその一部を採取しようとしても、穿刺する際にその生体組織が動いて逃げてしまう等して、採取し難い。また、その生体組織に対して、治療のために注射針で穿刺して薬剤投与することも、同様に行い難い。
このため、内視鏡の観察系のもとで、体内の臓器等の表層付近におけるそのままでの状態では処置しにくい病変部等の生体組織を処置し易い状態に掻き寄せる処置ができる内視鏡用処置具が望まれる。
例えば、類似の機能を持つ処置具として特開平6−233773号公報中の図11〜15に開示された処置具が挙げられる。
この公報に記載の処置具は、血管等を結紮する目的のものであり、一度掴んだ血管等の管を逃さずに結紮ができるように、先端が湾曲して側方に開口している。
そして、この側方の開口から湾曲した内側の空間内に血管等をキャッチ(捕捉)して、位置決めする構造を有する。
特開平6−233773号公報
しかし、上記公報の様な形状の処置具の場合、立体的に捉えやすい血管等の管状構造物を捕捉して位置決めするためのものであり、上記のように表層付近の病変部のような場合には、その生体組織を掻き寄せて処置をし易くするには適さない。
(発明の目的)
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、内視鏡の観察系による観察のもとで、表層近くの生体組織を処置し易い状態に掻き寄せる処置を行うのに適した内視鏡用処置具及び内視鏡を提供することを目的とする。
本発明の内視鏡用処置具は、観察系を含む内視鏡に装着可能な内視鏡用処置具であって、
鍬状の鍬状爪部と、
前記鍬状爪部および前記内視鏡を接続するためのアーム部と、
を具備することを特徴とする。
本発明の内視鏡は、挿入部を含み、前記挿入部の先端に観察系が設けられた内視鏡本体と、
上記発明に係る内視鏡用処置具と、
前記鍬状爪部を移動可能とする移動操作部と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、鍬状爪部によって生体組織を掻き寄せて固定することで、穿刺などの処置を行い易くなる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1ないし図7は本発明の第1の実施形態に係り、図1A及び図1Bは、本発明の第1の実施形態の内視鏡用処置具の側面図及び斜視図をそれぞれ示し、図2は内視鏡用処置具が装着された超音波による観察系を備えた超音波プローブを示し、図3Aから図3Cは超音波プローブの先端側の構成を示し、図4A及び図4Bは内視鏡用処置具の手元側を着脱自在に取り付ける固定機構の構造をロック時とリリース時の状態で示す。
図5Aから図5Eは、第1の実施形態の内視鏡用処置具を用いて病変部の生体組織の採取を行う場合の動作説明図を示し、図6は変形例の内視鏡用処置具を示し、図7はこの変形例の内視鏡用処置具が装着された超音波プローブを示す。
図1A及び図1Bに示すように本発明の第1の実施形態に係る内視鏡用処置具1は、鍬状の鍬状爪部3と、この鍬状爪部3および超音波観察系を備えた内視鏡として図2に示す超音波プローブ5を接続するためのアーム部2とを備え、内視鏡に装着可能な処置具である。
より具体的には、この内視鏡用処置具1は、アーム部2と、このアーム部2の先端に設けられ、患部や病変部等の処置対象とする生体組織を掻き寄せることの可能な鍬状爪部3とを有し、この鍬状爪部3は、アーム部2の長手方向からL字形状に屈曲形成されている。ただし、鍬状爪部3に対するアーム部2の接続位置は図1Aおよび図1Bに限定されず、鍬状爪部3の端以外の位置に接続することも可能である。換言すると、本発明の内視鏡用処置具1はL字形状に限定されず、例えばT字形状等をとることも可能である。
アーム部2は、例えば2本の平行なワイヤ又は棒状のアーム2a、2aを有し、各アーム2a、2aの後端付近には、図2の超音波プローブ5に着脱自在に装着されるアーム装着部として、段差状に切り欠いた切り欠き凹部2bが設けられている。
また、両アーム2a、2aの先端は、例えばU字形状に連結されており、連結された部分から後方側に離間した位置で、両アーム2a,2aを含む面から、例えば90度未満の鋭角の角度θに屈曲されて鍬状爪部3が形成されている。
換言すると、先端がU字形状に連結されたアーム2a,2aの先端側は、L字形状に屈曲され、図1Bに示すように、屈曲された先端がU字形状となる鍬状爪部3が形成されている。
なお、後述の変形例(図15A〜図15C)のように上記の角度θは、鋭角の場合に限定されるものでなく、90度程度でも良い。
本実施形態におけるこの鍬状爪部3は、U字形状の中央に超音波観察系の少なくとも一部を露出可能とする開口部4が形成され、後述するように、この開口部4の内側に超音波プローブ5の超音波観察系が収納された凸部11を通して超音波観察系を露出可能にしている。
本実施形態においては、例えばアーム部2と鍬状爪部3とは、ステンレススチール、チタン、チタン合金、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等で形成することが可能である。これらの材料は強度などに優れる。
前記エンジニアリングプラスチックスとしては特に限定されないが、ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、またはポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。前記スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、特に限定されないが、非晶性ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂または自己補強性ポリフェニレンなどが挙げられる。
図1Aにおいては、アーム部2と鍬状爪部3とは一体的に形成されている。なお、一体的に構成される場合に限定されるものでない。そして、アーム部2の先端に鍬状に形成された鍬状爪部3により、患部や病変部等の生体組織を掻き寄せる場合、鍬状爪部3が変形するのを抑制して掻き寄せられるように、所定の機械的強度を有するように形成されてなることが好ましい。
従って、この鍬状爪部3は、生体組織を掻き寄せるのに適した掻き寄せ片を形成することができる。なお、アーム部2は、全長が所定の強度を有する場合に限定されるものでなく、鍬状爪部3が形成される部分との連結部を含む先端側の一部が所定の強度を持つようにしても良い。
また、内視鏡用処置具1は、超音波プローブ5に装着された場合、内視鏡用処置具1が所定方向に移動自在に装着可能であることが好ましい。着脱自在であると洗浄、消毒時の作業性に優れる。
この様な場合、超音波プローブ5には、アーム部2を移動自在に通すガイド孔(具体的には後述のアーム用ルーメン15)が形成されており、このガイド孔を通したアーム部2の後端を、このアーム部2の軸方向(或いは長手方向)にスライド自在に装着する構成が挙げられる。
次にこの内視鏡用処置具1を超音波プローブ5に装着した場合の構成を説明する。図2は、内視鏡用処置具1が装着された超音波観察系を備えた音響的内視鏡としての超音波プローブ5を示す。
なお、本明細書においては、超音波による観察系(つまり超音波観察系或いは音響的観察系)と光学観察系との何れかの観察系、または両方の観察系を備えた医療機器を、内視鏡本体又は内視鏡と呼び、その観察系を備えた医療機器に内視鏡用処置具1が装着されたものを内視鏡と呼ぶ。
超音波プローブ5は、例えば、体内に挿入される挿入部6と、この挿入部6の後端に設けられた操作部7と、この操作部7の例えば後端付近から延出される(ユニバーサルケーブルとしての)超音波ケーブル8とを有する。
また、挿入部6の先端に設けられた先端部9には、この先端部9の先端面における例えば下部の部分から前方に突出する凸部11内に超音波振動子部10が設けてある。この超音波プローブ5に用いられている超音波振動子部10は、例えば電子走査方式のコンベックスタイプの超音波振動子により形成されている。
この電子走査方式のコンベックスタイプの超音波振動子は、図2に示すように超音波プローブ5の先端面から舌状に突出する凸部11内に収納されている。
より具体的には、凸部11は、斜め前方側に凸面となる凸面部12を有し、この凸面部12に沿って複数の超音波振動素子10a,10a,10a,…が配列されて、電子走査方式のコンベックスタイプの超音波振動子が形成されている。
各超音波振動素子10aは、図示しない信号線と接続され、各信号線は挿入部6内、操作部7内を挿通された後、さらに超音波ケーブル8内を挿通されて外部装置としての超音波観測装置と接続される。
そして、超音波観測装置は、凸面部12に沿って配置された各超音波振動素子10aを順次駆動する駆動信号を生成し、各超音波振動素子10aに印加して超音波を送信させる。また、送信された超音波は、生体組織の音響インピーダンスが変化する部分で反射される。その反射された超音波を同じ超音波振動素子10aで受信し電気信号に変換する。
この電気信号を受信した時間(つまり距離)に応じて、かつ超音波の送信方向に応じて画像化する処理を行う。そして、図示しないモニタには、超音波観察系による観察画像として、凸面部12に対向する斜め前方側を超音波走査範囲(つまり超音波による観察視野)とした2次元の超音波断層画像が例えば扇形状に表示される。
また、操作部7における前端付近には、処置具を挿入する処置具挿入口(以下、単に挿入口と略記)13が設けられている。この挿入口13は、その内部で処置具チャンネル14と連通している。
また、この超音波プローブ5における凸部11が設けられた位置(図2の例では下側の位置)と反対側(図2では上側)となる2箇所に、アーム2a,2aをそれぞれその軸方向に移動自在に挿通するアーム用ルーメン15、15が(図3A及び図3Bに示すように)設けられている。
各アーム用ルーメン15内に挿通されたアーム2aは、挿入部6内及び操作部7内を通り、この操作部7に設けた移動操作部としてのアーム操作スライダ16における例えば上端に形成したアーム固定機構17に、その後端の装着部としての切り欠き凹部2bが着脱自在に装着(固定)される。
図4A及び図4Bはアーム部2の後端の切り欠き凹部2bを着脱自在に固定するアーム固定機構(或いは取付機構)17部分の拡大断面図を示す。
アーム固定機構17を構成する本体17aには、アーム2aが挿通される水平方向の透孔18aと、この本体17aの上面から下方に設けられ、透孔18aと交差する縦穴18bとが形成されている。
そして、この縦穴18bにはアーム2aを固定/解放(換言すると、ロック/リリース)する固定片19が上部側からスライド自在に挿入されている。
この固定片19にも、アーム2aを水平方向に挿通可能とする透孔19aが形成されている。
この固定片19の下端を縦穴18bの底部(最深部)まで挿入した状態においては、図4Bに示すように、この固定片19の透孔19aは本体17aの透孔18aと重なった状態で連通する。
この状態においては、アーム2aは、そのアーム2aの軸方向(水平方向)に移動自在となり、取り付けや取り外し(リリース)が可能である。
図4Bの状態に対して、アーム2aの後端を、本体17aの透孔18aの後端に一致する状態に設定すると、アーム2aに設けた切り欠き凹部2bが縦穴18bの位置に臨む状態となる。
従って、この状態において、固定片19を上方側にスライド移動すると、図4Aに示すように、固定片19の下端側がアーム2aに設けた切り欠き凹部2bに嵌り込む状態になる。
このようにアーム2aが挿通される透孔18a内の途中において、アーム2aの切り欠き凹部2bに固定片19が嵌り込むことによって、アーム2aはその移動が規制されてロック(固定)された状態となる。
図2は、アーム2aがロックされた状態でのアーム固定機構17が上部側に設けられたアーム操作スライダ16を示す。
このアーム操作スライダ16は、操作部7におけるアーム2aの軸方向に設けられた図示しない溝部に嵌合して、アーム2aの軸方向、或いは挿入部6の長手方向、つまり図2の矢印で示す方向Aにスライド自在に取り付けられている。
術者等のユーザは、操作部7の後端側を把持して、このアーム操作スライダ16の下部側の指掛け部に指を掛けて、アーム操作スライダ16をアーム2aの軸方向となる前後方向にスライド移動の操作をすることができる。アーム操作スライダ16の前後の移動と共に、アーム2aの先端の鍬状爪部3は、前後に移動される。
図3Aは、アーム操作スライダ16を前方にスライド移動した状態における超音波プローブ5の先端側を示す。これに対して、図3Bは、アーム操作スライダ16を後方にスライド移動した状態における超音波プローブ5の先端側を示す。また、図3Cは、図3Aの状態において、上方から見た平面図を示す。
図3A及び図3Bに示すように先端部9の先端面における下部側位置から突出する凸部11に設けられた超音波振動子部10は、凸面部12に対向する斜め前方側が観察視野となる。また、この凸部11のすぐ上の先端面には、左右方向のほぼ中央となる位置に処置具チャンネル14の先端開口14aが設けてある。
また、この先端開口14aの両側には、上述した2本のアーム2a、2aがそれぞれ挿通されるアーム用ルーメン15、15が形成され、アーム2a、2aの先端にL字形状で(下方の凸部11側に)屈曲した鍬状爪部3が設けられている。
鍬状爪部3におけるU字形状部分は、超音波振動子部10が形成された凸部11を内側に通し、超音波観察系を露出可能とする開口部4となっている。従って、アーム2a,2aを後方側に移動した状態においては、U字形状の鍬状爪部3は、図3Bに示すように超音波振動子部10の凸部11の後端の先端面付近の退避した位置に設定される。この凸部11は、鍬状爪部3が移動される方向に対向した挿入部6の先端面に形成されている。 上述したように鍬状爪部3及びアーム部2の先端側の一部は、生体組織を掻き寄せる操作を行った場合、その掻き寄せるに必要な力が生体組織に加えられると共に、その反作用が鍬状爪部3側にも作用する。その際に、鍬状爪部3が変形することを抑制できるように鍬状爪部3側部分は、所定の強度を有するよう強度の大きい部材で形成されている。
また、図3Aの状態においては、鍬状爪部3の特に下端部分は、凸部11における最も突出する先端の前方側に対向するように配置され、以下のように鍬状爪部3の下端と凸部11の先端とで生体組織を挟持する挟持部20が形成されるようにしている。
術者等がアーム部2を図3Aに示す状態から図3B側、つまり後方側に引き寄せるように移動した場合、鍬状爪部3の下端により掻き寄せられた生体組織を、凸部11の先端とで挟み付けるように挟持して固定する挟持部20が形成される(具体的には後述の図5D参照)。
このように、本実施形態においては、診断或いは処置対象となる生体組織を超音波プローブ5の先端面付近の位置で挟持により固定した状態に設定して、診断或いは処置を行い易い状態に設定する機能を有する。
そして、術者は、固定された状態の生体組織に対して、処置具チャンネル14を挿通した穿刺針等の処置具を先端開口14aから突出させて、その生体組織から一部を採取したり、治療のための薬液を注射したりする処置を行うことができる。
次に本実施形態による例えば病変部の観察によりその生体組織を採取する処置を行う場合の動作例を図5A〜図5Eを用いて説明する。
術者は、患者の胸部内の肺等の臓器21の表面付近の病変部を検査するために、図示しないトラカールの刺入により形成したガイド穴から光学内視鏡22と、内視鏡用処置具1を装着した超音波プローブ5を挿入する。
そして、図5Aに示すように光学内視鏡22の光学観察系の観察(θ1は光学観察系の観察視野範囲を示す)下で、臓器21の表面を観察する。光学内視鏡22により臓器21の表面の色調から病変部23の可能性があるような場合には、術者は超音波プローブ5により、その内部の状態をより詳しく検査する。
なお、図5A、図5Bにおいて、点線で示す病変部23は、例えば表層近くの内部に小さく形成されていることを示す。
このような場合、図5Bに示すように超音波プローブ5の先端の凸部11を臓器21の表面に押し付けて、超音波による観察を行う(θ2は超音波観察系の観察視野範囲を示す)。この場合、図5Bに示すように、内視鏡用処置具1を退避した状態に設定しておくと、操作がし易い。
そして、超音波による観察により、例えば表層付近に病変部23が存在した場合、病変部23の生体組織をより詳しく検査するために、例えば穿刺針によりその生体組織を採取する処置を行う(とする)。
図5Bの状態において、つまり、病変部23の生体組織を固定しない状態で、穿刺針によりその生体組織を採取することが困難になる場合がしばしばある。
具体的には、病変部23が表層付近に存在して、そのサイズが小さいような場合には、穿刺針を刺入しようとした際、病変部23が動いて逃げてしまい、そのままでは、病変部23の組織を確実に採取することが困難になることがある。
そのような場合、本実施形態は、以下のように病変部23を掻き寄せて、凸部11とで挟持により固定し、固定された状態の生体組織から一部の生体組織を採取する等の処置を簡単に行うことができる。
光学内視鏡22の観察下で、超音波プローブ5の先端側を、例えば図5Cに示すような状態に設定する。なお、図5C(及び図5D,図5Eも同様)は、側方に近い状態から超音波プローブ5等を見た様子を示す。
具体的には、超音波振動子部10の凸部11の底面を病変部23の手元側の境界付近の臓器21の表面に押し付けるようにして、表面に当接する状態に設定すると共に、鍬状爪部3の下端を病変部23の向こう側の表面に押し付け、凹ませるように押し付けた状態に設定する。
換言すると、鍬状爪部3の下部と凸部11の先端との間に病変部23の生体組織を挟むように配置した状態に設定する。
そして、術者は、アーム操作スライダ16を操作して、アーム部2を後方側(手元側)に移動して、その先端の鍬状爪部3を後方側に移動させ、表層付近の病変部23を凸部11側に掻き寄せる。
この場合、鍬状爪部3は、アーム2aの軸方向に対して鋭角的に屈曲形成されていると共に、変形しにくい強度を持たせてあるので、掻き寄せる際に病変部23が逃げてしまうことを防止して、表層付近の病変部23を凸部11側に掻き寄せることができる。
また、この場合、病変部23を挟むように鍬状爪部3の手元側には、その先端が最も突出する状態の舌形状の凸部11が形成されているので、鍬状爪部3の下端と、凸部11の最も突出する先端とで挟み付けるようにして、図5Dに示すように病変部23を挟持或いは把持する如くに挟持部20で固定することができる。
図5Dに示すように病変部23を固定した状態において、図5Eに示すように術者は(挿入口13から処置具チャンネル14内に挿通した)穿刺針24の先端側を、先端開口14aから突出させる。そして、この突出された穿刺針24により、(固定された状態の)病変部23の生体組織を穿刺して、穿刺した部分の生体組織を採取することが容易にできる。
このように本実施形態によれば、体内における臓器等の表層付近で移動し易い等によりそのままでは生体組織の採取がしにくいような場合においても、簡単に採取対象となる生体組織を掻き寄せて固定した状態に設定でき、従って生体組織の採取の処置が容易にできる。
なお、図5A〜図5Eの例では、生体組織を採取する場合で説明したが、病変部23に対する処置を行う場合にも同様に、簡単に処置を行うことができる。
例えば注射針により、治療のための薬剤を病変部23に注入して、病変部23を治癒させるための処置に場合にも、病変部23を固定した状態に設定できるので、注射針により病変部23の生体組織に穿刺し、薬剤の注入(投与)による処置が行い易くなる。
また、高周波電流により、病変部23を治療のために切除する処置を行う場合にも、病変部23を固定した状態に設定できるので、その切除の処置を行い易い(後述)。
また、図5Dのように病変部23を固定した場合、固定した病変部23の一部を凸部11の凸面部12に密着させることができ、その部分を超音波で至近距離から観察することができる。このため、また固定した状態で観察できるので、より確実な診断がし易くなる。
次に第1の実施形態の変形例を説明する。図6は第1の実施形態の変形例の内視鏡用処置具1Bの側面図を示す。第1の実施形態の内視鏡用処置具1は、硬性の挿入部6を有する超音波プローブ5に装着されて超音波プローブ5と共に用いられる例で説明した。
この変形例の内視鏡用処置具1Bは、第1の実施形態の内視鏡用処置具1におけるアーム部2における先端付近及び後端との間の部分が可撓性(軟性)を有する軟性アーム2cとした構成にしている。軟性アーム2cは、例えば密巻きコイル等により屈曲自在に形成される。
そして、この内視鏡用処置具1Bは、図7に示す可撓性(軟性)の挿入部6Bを有する超音波プローブ5Bに着脱自在に装着され、この超音波プローブ5Bと共に用いられる。 つまり、この超音波プローブ5Bは、屈曲された体内に挿入できるように軟性の挿入部6Bを有する。
また、この挿入部6Bの屈曲に応じて、この挿入部6B内に挿通されるこの内視鏡用処置具1Bは、アーム部2における先端及び後端を除く部分が屈曲自在の軟性アーム2cで形成されている。
なお、本変形例の内視鏡用処置具1Bにおいては、その後端の段差状の切り欠き凹部2bは、以下に説明するように超音波プローブ5Bの操作部7付近で固定される構造でなく、操作部7の後端から延出されて、アーム操作部31におけるアームスライダ32に着脱自在に固定される構成となっている。
図7は、変形例の内視鏡用処置具1Bが取り付けられた軟性の挿入部6Bを有する超音波プローブ5Bの全体構成を示す。
この超音波プローブ5Bは、体内に挿入される細長で軟性の挿入部6Bと、この挿入部6Bの後端に設けられた操作部7と、この操作部7から延出される超音波ケーブル8とを有する。
また、挿入部6Bの先端部9には、上述した超音波プローブ5と同様に、この先端部9の先端面から突出するように超音波振動子部10が設けてある。この超音波振動子部10は、第1の実施形態と同じ電子走査方式のコンベックスタイプの超音波振動子により形成されている。
この電子走査方式のコンベックスタイプの超音波振動子は、超音波プローブ5Bの先端面から舌状に突出する凸部11内に収納されている。
また、この挿入部6Bにおける先端部9の後端には、湾曲自在の湾曲部41が設けてあり、術者等のユーザは、操作部7に設けられた湾曲ノブ42を操作することにより、湾曲部41を所望の方向に湾曲することができる。
また、操作部7の前端付近には挿入口13が設けられている。この挿入口13は、その内部で処置具チャンネル14と連通している。
この超音波プローブ5Bの先端側の構成は、例えば第1の実施形態で説明した超音波プローブ5の場合と同様の構成となっている。但し、各アーム用ルーメン15を挿通されたアーム部2を構成する各軟性アーム2cの後端側は、超音波プローブ5Bの後端の両アーム用ルーメン15と連通するアームガイドチューブ33内を挿通される。
そして、各軟性アーム2cの後端の例えばステンレススチール製の切り欠き凹部2bが、アーム操作部31に対してスライド自在のアームスライダ32においてアーム固定ネジ34により着脱自在に固定される。
術者等のユーザは、移動操作部を構成するアーム操作部31とアームスライダ32の指掛け部に指を掛けてアーム操作部31に対してアームスライダ32側を前後にスライド移動する操作を行うことにより、アーム部2も前後にスライド移動する。
そして、このアーム操作部31とアームスライダ32を操作することにより、第1の実施形態と同様に図3Aに示すように鍬状爪部3を突出させたり、図3Bに示すように鍬状爪部3を先端面付近に退避した状態に設定することができる。
本変形例の場合には、屈曲した体内に超音波プローブ5Bを挿通して、体内における臓器の内表面付近の病変部に対して第1の実施形態と同様の組織採取や治療のための処置を行うことができる。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態を説明する。図8は本発明の第2の実施形態の内視鏡用処置具1Cを示す。この内視鏡用処置具1Cは、例えば第1の実施形態の変形例の内視鏡用処置具1Bにおいて、軟性アーム2c部分と、鍬状爪部3の屈曲部手前付近までを軟性の絶縁被覆43で覆うようにしている。
そして、アーム部2の後端の切り欠き凹部2bを固定する部分を、高周波電源装置と接続する電極接続部としても利用することにより、以下に説明するように高周波電流により焼灼等の処置を行う電極としても利用できるようにしている。
なお、この内視鏡用処置具1Cは、絶縁被覆43を除外すれば、その全体が導電性の金属導体で形成されており、高周波電流に対する導電性をより向上するために金属導体の表面を金メッキ、銀メッキ等した構成にしても良い。
また、生体組織に接触して直接、高周波電流を流して焼灼等の処置を行う先端電極として、金属導体が外部に露出する鍬状爪部3部分と、アーム部2の後端の電極接続部ともなる切り欠き凹部2bを例えば金メッキするようにしても良い。なお、生体組織に接触して直接、高周波電流を流しうる先端電極部分を電極と定義しても良い。また、鍬状爪部3の少なくとも先端部分に高周波電流を流しうる先端電極或いは電極を形成しても良い。或いは鍬状爪部3の少なくとも先端部分に高周波電流を流しうる先端電極或いは電極を配置しても良い。
図9は、この内視鏡用処置具1Cが装着された超音波内視鏡(本体)5Cを示す。この超音波内視鏡5Cは、例えば図7の超音波プローブ5Bの構成の一部を変更した構成である。基本的には、この超音波プローブ5Bに光学的な観察手段、つまり光学観察系を設けた構成である。
図9のように鍬状爪部3を先端面から突出した状態におけるこの超音波内視鏡5Cの先端側は、図10Aのようになっており、鍬状爪部3を退避すると図10Bのようになる。図10A及び図10Bに示すようにこの超音波内視鏡5Cの先端部9は、図3A及び図3Bの先端部9において、先端開口14aの近傍に照明窓と観察窓とが設けられている。 照明窓には照明レンズ44が取り付けられ、その内側には、照明光を出射する例えばライトガイドの先端面が配置されている。なお、ライトガイドを用いる代わりに発光ダイオード(LEDと略記)を用いても良い。
この照明窓から出射される照明光で照明された観察対象となる体内の病変部等の被写体は、観察窓に取り付けられた対物レンズ45によりその光学像が結像される。その結像位置には、図示しない電荷結合素子(CCDと略記)の撮像面が配置され、CCDにより光電変換される。
CCDに接続された信号線とライトガイドは、挿入部6及び操作部7内を挿通される。そして、信号線及びライトガイドは、図9に示すように操作部7から外部に延出されたユニバーサルケーブル(又は内視鏡ケーブル)46内を挿通され、このユニバーサルケーブル46は、その端部が図示しない外部装置としての光源装置と信号処理装置としてのビデオプロセッサに接続される。
光源装置は、ライトガイドに照明光を供給し、ビデオプロセッサはCCDにより撮像された光学像に対応する撮像信号に対する信号処理を行い映像信号を生成して図示しないモニタにその画像を内視鏡画像として表示する。術者は、その内視鏡画像を観察して、診断等する。
なお、光学観察系により観察する場合、少なくとも可視領域の波長で通常観察できるようにすることが望まれるが、その他に、赤外領域の波長や、蛍光観察等、特殊光でも観察できるようにしても良い。
また、本実施形態においては、図9に示すようにアームスライダ32には、高周波電源装置47の出力端子に一端が接続されたケーブル48aの他端が接続される。このケーブル48aは、アームスライダ32内で、アーム固定ネジ34で固定された一方の切り欠き凹部2bと電気的に接続される。
なお、アーム固定ネジ34は、少なくとも外部に露出して固定操作する部分が絶縁部材で形成され、その先端が切り欠き凹部2bを、このアーム固定ネジ34と反対側の図示しない電気接点側に押圧接触させる。そして、この切り欠き凹部2bが形成されたアーム部2は、その電気接点を介してケーブル48aと電気的に接続される。
なお、高周波電源装置47は、リターン用の出力端子に接続されたリターン用ケーブル48bを介して対極板49と接続される。この対極板49は、患者の臀部などに広い面積で接触し、高周波電流のリターン回路を形成する。
また、高周波電源装置47は、図示しないフットスイッチと接続され、術者がそのフットスイッチをONする操作を行うことにより、高周波電源装置47は、その出力端子に接続されたケーブル48aを介してアーム部2側に高周波電流を供給する。
そして、アーム部2の先端で露出する金属導体部分の先端電極としての鍬状爪部3が狭い面積で当接する生体組織に高周波電流が高エネルギ密度で流れ、高エネルギ密度で流れた部分を焼灼する。そして、その高周波電流は、広い面積で患者に接触する対極板49を経てリターン用出力端子に戻る。
本実施形態の動作を次に説明する。本実施形態の動作例として、口腔から超音波内視鏡5Cの挿入部6を例えば胃の内部まで挿入し、胃の臓器21の内表面を検査する場合で説明する。この場合にも、臓器の内表面の表層付近に小さな病変部が存在する例で説明する。
術者は、超音波内視鏡5Cの挿入部6の先端部9に設けられた光学観察系を用いて、胃の内表面を光学的に診断する。
第1の実施形態の場合には、光学観察系を有しない超音波プローブ5であったので、別体の光学内視鏡22が必要であったが、本実施形態ではその必要がなく、超音波内視鏡5Cの光学観察系を構成する対物レンズ45により観察できる。
そして、術者は、光学観察系による観察で病変部の可能性がある部位が存在した場合には、超音波により観察する。そのために、図5Bに示した超音波プローブ5のように臓器21の表面に超音波振動子部10を押し付けて病変部を観察する。
その後は、図5Cに相当する状態に超音波内視鏡5Cの先端側を設定し、術者はアーム部2を引き寄せる操作を行うことにより、図5Dに相当する図11に示すように病変部23を挟持部20で挟持により固定した状態に設定できる。
その後、処置具チャンネル14内に挿通した穿刺針24を先端開口14aから突出させることにより、図5Eで説明したのと同様の手順で、病変部23の生体組織を穿刺針24で穿刺して採取することができる。
また、図11に相当する状態に設定した場合、間近で病変部23を光学観察系及び超音波観察系で観察できる。そして、術者は例えば切除した方が良いと診断を下す場合がある。
この場合には、術者は、高周波電源装置47に接続された図示しないフットスイッチをONにすることにより、この鍬状爪部3に高周波電流が流れる。そして、この鍬状爪部3に接触した病変部23の根元に高エネルギ密度で流れる高周波電流による切除の処置を行うことができる。
このように本実施形態によれば、生体組織を掻き寄せて生体組織の採取や、治療のための処置を行い易くなる。また、観察系の間近に固定できるので、より詳しく観察して的確な診断や、処置を行い易い環境を提供できる。
なお、上述した凸部11内に収納した超音波振動子部10は、電子走査方式のコンベックスタイプの場合に限定されるものでなく、例えば凸面部12の方向をセクタ走査するメカニカル方式のものでも良い。
(第3の実施形態)
次に本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態は、上述した内視鏡用処置具を光学内視鏡本体と組み合わせて使用する光学内視鏡の実施形態に相当する。
図12は例えば(第1の実施形態の)内視鏡用処置具1が装着された状態の光学内視鏡(本体)5Dの構成を示し、図13はその先端側の構成を示す。
この光学内視鏡5Dは、例えば図2に示した超音波プローブ5において、基本的には、超音波観察系を有しないで、光学観察系を備えた構成となっている。このため、この光学内視鏡5Dは、図2の超音波プローブ5における超音波ケーブル8を有しないでユニバーサルケーブル(又は内視鏡ケーブル)46を備えた構成である。
但し、本実施形態に係る光学内視鏡5Dは、超音波観察系を有しないが、図13A及び図13Bに示すように先端部9には、超音波振動子部10が設けられた凸部11に類似した凸部11Bが設けられている。つまり、この凸部11Bには超音波振動子部10が内蔵されていない。
なお、この凸部11Bは、先端部9を形成する部材と同じ部材でも良いし、異なる材質の部材で形成しても良い。
そして、図13A及び図13Bに示すように先端部9におけるその他の構成は、例えば図10A及び図10Bで示したように照明窓に照明レンズ44が取り付けられ、観察窓に対物レンズ45が取り付けられている構成と同様の構成である。その他の構成に関しては、前述しているので、その説明を省略する。
次に図14A〜図14Dを参照して、本実施形態による病変部の組織を採取する処置を第1の実施形態の場合と同様の例で説明する。但しここでは、光学観察系のもとで臓器の表層にできた病変部の生体組織を採取する場合で説明する。
換言すると、例えば第1の実施形態で説明した内視鏡用処置具1は、表層に近いその内部の病変部の生体組織を掻き寄せる場合に限らず、表層の病変部の生体組織を掻き寄せる場合にも適用できることになる。
術者は、例えば患者の胸部内の肺等の臓器21の表面の患部等を検査するために、図示しないトラカールの刺入により形成したガイド穴から光学内視鏡5Dを挿入する。
そして、図14Aに示すように光学内視鏡5Dの光学観察系の観察(θ3は光学観察系の観察視野範囲を示す)下で、臓器21の表面を観察する。この場合、内視鏡用処置具1を退避した状態に設定しておくと、十分に観察視野を確保できる。
この光学内視鏡5Dによる観察により、臓器21の表面の色調から病変部23の可能性がある場合、術者はその生体組織を穿刺針で採取する判断を下したとする。
図14Aの状態において、つまり、病変部23の生体組織を固定しない状態で、穿刺針によりその生体組織を採取することが困難になる場合がしばしばあることは前述した。 このため、光学内視鏡5Dによる観察下で、この光学内視鏡5Dの先端側を、例えば図14Bに示すような状態に設定する。なお、図14B(及び図14C,図14Dも同様)は、側方に近い状態から光学内視鏡5D等を見た様子を示す。
具体的には、凸部11の底面を病変部23の手元側の境界付近となる位置の臓器21表面に押し付けるようにして当接する状態に設定すると共に、鍬状爪部3の下部を病変部23の向こう側となる表面に押し付け、凹ませるような状態に設定する。
そして、術者は、アーム操作スライダ16を操作して、アーム部2を後方側(手元側)に移動して、その先端の鍬状爪部3により病変部23を凸部11側に掻き寄せる。
この場合、鍬状爪部3は、アーム2aの軸方向に対して鋭角的に屈曲形成されていると共に、変形しにくい強度を持たせてあるので、掻き寄せる際に病変部23が逃げてしまうことを防止して、病変部23を凸部11側に掻き寄せることができる。
また、この場合、病変部23を挟むように鍬状爪部3の手元側には、先端が最も突出する状態の舌形状の凸部11が形成されているので、鍬状爪部3の下端と凸部11の最も突出する先端とで挟み付けるようにして、図14Cに示すように病変部23を挟持部20で挟持或いは把持する如くに固定することができる。
図14Cに示すように固定した状態において、図14Dに示すように術者は(挿入口13から処置具チャンネル14内に挿通した)穿刺針24の先端側を、先端開口14aから突出させることにより、病変部23の生体組織を穿刺して、採取することが容易にできる。
このように本実施形態によれば、体内における臓器等の表層で移動し易い等によりそのままでは生体組織の採取がしにくいような場合においても、簡単に採取対象となる生体組織を掻き寄せて固定した状態に設定でき、従って生体組織を採取する処置が容易にできる。
また、本実施形態の場合には、光学的観察系の間近に病変部23を固定できるので、より詳細な観察もできる。
なお、本実施形態においては、硬性の挿入部6を備えた光学内視鏡5Dの場合で説明したが、軟性の挿入部を備えた光学内視鏡の場合にも適用できることは明らかである。
また、上述した光学内視鏡5Dは、先端部9に凸部11Bが形成され、鍬状爪部3で掻き寄せた病変部23等の生体組織を挟持し易い構成例で説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、凸部11Bが形成されていない先端面の場合の光学内視鏡の場合にも適用することができる。
また、上述した実施形態の内視鏡用処置具の他に、例えば図15Aに示すようにアーム2a,2aの先端に設けた板状部材により鍬状爪部3Bを形成した内視鏡用処置具1Dにしても良い。
2本のアーム2a,2aの先端にその後端が連結される板状連結部61の先端がL字形状に屈曲された板状屈曲片62により鍬状爪部3Bが形成されている。
この構成の場合には、鍬状爪部3Bの強度をより大きくでき、生体組織を掻き寄せる際に鍬状爪部3Bが変形することを低減できる。
なお、板状屈曲片62による鍬状爪部3Bを超音波を透過し易い部材、つまり超音波的に透明な部材や、光学的に透明な部材で形成して、超音波観察或いは光学観察の視野を確保できるようにしても良い。
また、図15Bに示す内視鏡用処置具1Eのように、図15Aにおける板状屈曲片62部分に超音波振動子部10の凸部11或いは凸部11Bを通す開口部4bを形成した構成の鍬状爪部3Cにしても良い。この場合には、この内視鏡用処置具1Eを使用しない場合には凸部11或いは11Bの後端側に退避させることができ、図15Aの場合よりも操作性が向上する。
また、図15Cに示す内視鏡用処置具1Fのように、例えば図15Bにおける2本の棒状のアーム2a,2aによるアーム部2の代わりに板形状にしたアーム部2Eとした構成にしても良い。
図15Cでは板状連結部61はアーム部2Eと一体的に連結され、アーム部2Eは板状連結部61を含む構成となっている。
板形状にしたアーム部2Eを備えた内視鏡用処置具1Fが装着される内視鏡としては、この板形状のアーム部2Eを挿通可能とする板形状のアーム用ルーメン等のガイド孔を設けるようにすれば良い。
なお、図15Cに示す内視鏡用処置具1Fの変形例として、板形状にしたアーム部2Eを図15Aに適用しても良い。
また、この他に2本の棒状アーム2a,2aを後端側で1本に合流させた構成にしても良い。
また、図15Dに示すように例えば図1Bに示した内視鏡用処置具1において、鍬状爪部3における表面部分を、例えばやすりのような粗面或いは凹凸面を有する凹凸部に加工することにより生体組織を掻き寄せる際の滑りを抑制する滑り抑制部(或いは滑り止め部)71を設けた内視鏡用処置具1Gとしても良い(他の内視鏡用処置具に適用しても良い)。
つまり、鍬状爪部3の下端を生体組織に押し付けて掻き寄せる際に、凹凸面による滑り抑制部71を設けることによって、生体組織と係合する面積を増大させて生体組織が鍬状爪部3から滑って逃げてしまうことを有効に抑制する滑り抑制の機能を持たせることができる。
なお、図15Dでは、鍬状爪部3における屈曲された部分の全体に滑り抑制部71を設けた例で示しているが、例えば下端側の一部に設けるようにしても良い。
従って、滑り抑制部71を設けた内視鏡用処置具1Gは、生体組織を掻き寄せる機能をより向上できる効果を持つ。
また、図15Dでは鍬状爪部3の表面に凹凸部が形成される表面加工により滑り抑制部71を設けた例で説明したが、この場合に限定されるものでない。
例えば図15Eに示すように鍬状爪部3の表面に例えば生体組織に対して、鍬状爪部3の少なくとも先端部分に高周波電流を流しうる先端電極或いは電極を形成する部材(例えばステンレススチール)よりも大きな摩擦係数を持つ部材をコーティングしたコーティング膜72を設けて滑り抑制部を形成した内視鏡用処置具1Hにしても良い。
この場合、コーティング膜72としては、高分子化合物のエラストマやゴムなどで形成しても良い。また、鍬状爪部3の表面に、コーティング膜72を不均一(つまり凹凸ができるよう)に形成して、凹凸による滑り抑制の機能も合わせ持つようにしても良い。また、鍬状爪部3の一部にコーティング膜72を形成しても良い。
また、アーム部または鍬状爪部の少なくとも一部には、超音波を反射可能な加工が施されていてもよい。前記加工としては例えば、表面に超音波反射溝を設ける加工や、超音波の反射性に優れる材質でコーティングをする加工等が挙げられる。
また、上述した説明では、鍬状爪部3等による生体組織を掻き寄せる機能について説明したが、処置しようとする生体組織の近傍に在る処置の邪魔になる生体組織を移動させるような場合にも適用できる可能性がある。
なお、上述した実施形態等を部分的に組み合わせる等して構成される実施形態なども本発明に属する。また、本実施形態をカプセル形状の内視鏡の場合に適用しても良い。
観察系を備えた内視鏡と共に使用され、病変部等の生体組織を掻き寄せて固定し、診断処置等をし易くする。
本発明の第1の実施形態の内視鏡用処置具の側面図。 本発明の第1の実施形態の内視鏡用処置具の斜視図。 第1の実施形態の内視鏡用処置具が装着された超音波プローブを示す側面図。 内視鏡用処置具が装着された超音波プローブの先端側を示す斜視図。 図3Aの状態においてアームを後方側に移動した状態における超音波プローブの先端側を示す斜視図。 図3Aの状態における超音波プローブの先端側を示す平面図。 アームをロックした状態でのアーム固定機構部分を示す断面図。 アームをリリースした状態でのアーム固定機構部分を示す断面図。 光学内視鏡で臓器を観察する様子を示す図。 超音波プローブにより超音波で臓器の内部を観察する様子を示す図。 超音波プローブの先端面から突出させた鍬状爪部を病変部の向こう側に設定した様子を示す図。 図5Cの状態において鍬状爪部を手元側に移動して病変部の組織を凸部とで挟持して固定した様子を示す図。 図5Dの固定した状態で穿刺針で組織を採取する様子を示す図。 第1の実施形態の変形例の内視鏡用処置具の側面図。 第1の実施形態の変形例の内視鏡用処置具が装着された超音波プローブを示す側面図。 本発明の第2の実施形態の内視鏡用処置具の側面図。 第2の実施形態の内視鏡用処置具が装着された超音波内視鏡を示す側面図。 鍬状爪部が突出された状態の超音波内視鏡の先端側を示す斜視図。 鍬状爪部が退避された状態の超音波内視鏡の先端側を示す斜視図。 鍬状爪部と凸部とで病変部の組織を挟持して固定した様子を示す図。 本発明の第3の実施形態に係る内視鏡用処置具が装着された光学内視鏡を示す側面図。 鍬状爪部が突出された状態の光学内視鏡の先端側の構成を示す斜視図。 鍬状爪部が退避された状態の光学内視鏡の先端側の構成を示す斜視図。 光学内視鏡により臓器の表面を観察する様子を示す図。 光学内視鏡の先端面から突出させた鍬状爪部を病変部の向こう側に設定した様子を示す図。 図14Bの状態において鍬状爪部を手元側に移動して病変部の組織を凸部とで挟持して固定した様子を示す図。 図14Cの固定した状態で穿刺針で組織を採取する様子を示す図。 第1の変形例の内視鏡用処置具の先端側の構成を示す斜視図。 第2の変形例の内視鏡用処置具の先端側の構成を示す斜視図。 第3の変形例の内視鏡用処置具の先端側の構成を示す斜視図。 第4の変形例の内視鏡用処置具の先端側の構成を示す斜視図。 第5の変形例の内視鏡用処置具の先端側の構成を示す斜視図。
符号の説明
1 内視鏡用処置具、
1B 内視鏡用処置具、
1C 内視鏡用処置具、
1D 内視鏡用処置具、
1E 内視鏡用処置具、
1F 内視鏡用処置具、
1G 内視鏡用処置具、
1H 内視鏡用処置具、
2 アーム部、
2a アーム、
2b 切り欠き凹部、
2c 軟性アーム、
3 鍬状爪部、
3B 鍬状爪部、
3C 鍬状爪部、
4 開口部、
4b 開口部、
5 超音波プローブ、
5B 超音波プローブ、
5C 超音波内視鏡(本体)、
5D 光学内視鏡(本体)、
6 挿入部、
6B 挿入部、
7 操作部、
8 超音波ケーブル
9 先端部、
10 超音波振動子部、
10a 超音波振動素子、
11 凸部、
11B 凸部、
12 凸面部、
13 挿入口、
14 処置具チャンネル、
14a 先端開口、
15 アーム用ルーメン、
16 アーム操作スライダ、
17 アーム固定機構、
17a 本体、
18a 透孔、
18b 縦穴、
19 固定片、
19a 透孔、
20 挟持部、
21 臓器、
22 光学内視鏡、
23 病変部、
24 穿刺針、
43 絶縁被覆、
44 照明レンズ、
45 対物レンズ、
61 板状連結部、
62 板状屈曲片、
71 滑り抑制部、
72 コーティング膜。

Claims (10)

  1. 観察系を含む内視鏡に装着可能な内視鏡用処置具であって、
    鍬状の鍬状爪部と、
    前記鍬状爪部および前記内視鏡を接続するためのアーム部と、
    を具備することを特徴とする内視鏡用処置具。
  2. 前記鍬状爪部は、
    前記内視鏡に装着された際に、前記観察系の少なくとも一部を露出可能な開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
  3. 前記鍬状爪部の少なくとも先端には、高周波電流を流しうる電極が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡用処置具。
  4. 前記鍬状爪部は、表面の少なくとも一部に、滑りを抑制する滑り抑制部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかの請求項に記載の内視鏡用処置具。
  5. 前記滑り抑制部は、前記鍬状爪部の表面に形成された凹凸部、またはコーティング膜により形成されることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用処置具。
  6. 挿入部を含み、前記挿入部の先端に観察系が設けられた内視鏡本体と、
    請求項1から5のいずれかの請求項に記載の内視鏡用処置具と、
    前記鍬状爪部を移動可能とする移動操作部と、
    を有することを特徴とする内視鏡。
  7. 前記内視鏡用処置具は、前記内視鏡本体に着脱自在に装着されることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。
  8. 前記鍬状爪部が移動される方向に対向して前記挿入部の先端には凸部が設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の内視鏡。
  9. 前記観察系は、光学観察系及び超音波観察系の少なくとも一方であることを特徴とする請求項6から8のいずれかの請求項に記載の内視鏡。
  10. 前記内視鏡本体は、前記挿入部の後端に設けられた操作部と、前記操作部から延出され、外部装置に接続されるユニバーサルケーブル部と、を含むことを特徴とする請求項6から9のいずれかの請求項に記載の内視鏡。
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