JP3559351B2 - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スイッチング素子に金属−絶縁体−金属構造の薄膜ダイオード(以下TFDと記す)を用いるアクティブマトリクス方式の液晶表示装置において、配線材料であるタンタル(以下Taと記すこともある)膜などの金属膜と酸化インジウムスズ膜(以下ITOと記す)などの透明導電体を接続する部分の構造と製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、高品位な画質が得られるアクティブマトリクス方式の液晶表示装置のスイッチング素子として、薄膜トランジスタ(TFT)や、ダイオードや、薄膜ダイオード(TFD)のスイッチング素子が用いられている。
【0003】
薄膜トランジスタ(TFT)のゲート電極や配線材料や、さらに薄膜ダイオード(TFD)の電極や配線材料には、陽極酸化法で容易に高品質の絶縁膜を形成できるタンタル膜が多く使われる。
【0004】
ところで、画素電極および配線材料として用いられているITOを、タンタル上にスパッタリング法などで積層して熱処理を行うと、タンタルの酸素親和力が大きいためITOからタンタルに酸素が拡散する。
【0005】
このためタンタルとITOの界面では、タンタル側に絶縁性の酸化タンタル層が形成されて接触抵抗が高くなる。一方、ITO側は界面付近で酸素が欠乏するので、インジウムの析出層やインジウムの低級酸化物層が形成され、タンタル膜とITO膜の密着性が低下する。
【0006】
そこでタンタル配線とITO配線との安定な電気的接続をするのに、タンタル層とITO層の間にバリア層として他の金属層を設けることや、陽極酸化処理などの方法で酸化タンタル層を形成しタンタル層とITO層を酸化タンタル層をはさんで容量結合することなどが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タンタル膜とITO膜の間にバリア層として他の金属を設ける方法では、バリア層の成膜およびパターンニング工程が必要となって製造工程が複雑化する。
【0008】
また、酸化物層をはさんで容量結合で接続する方法では、それぞれの信号線の結合容量を駆動周波数で充分インピーダンスが下がるように大きくとる必要があるため表示部に比較して配線部の面積を比較的大きくしなければならず、とくに小型のディスプレイでは不利である。
【0009】
また表示ムラを防ぐために、それぞれの信号線の容量結合部分を等容量とする必要があるため、配線部の容量結合部分の設計の自由度が減る。
【0010】
本発明の目的は、これらの問題を解決して、複雑な製造工程によらずにタンタル膜とITO膜の密着性を改善するとともに、タンタル配線とITO配線を直流結合する接続部をもつ液晶表示素子の構造と製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の液晶表示装置の構造とその製造方法は、下記記載の手段を採用する。
【0012】
本発明の液晶表示装置は、金属と透明導電体の接続部をガラスからなる基板上のタンタルからなる金属と、金属上の酸化タンタルからなる絶縁体と、金属と絶縁体を被覆する透明導電体により構成し、金属と透明導電体に所定の電流を印加することで絶縁体の所定の位置を絶縁破壊し金属と透明導電体を溶着した溶着部を介して金属と透明導電体の電気的接続を得る構造を取る。
【0013】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、ガラスからなる基板上にタンタルからなる金属を形成する工程と、フォトエッチング処理により金属をパターンニングする工程と、陽極酸化を行い素子部に絶縁体を形成する工程と、透明導電体を形成する工程と、フォトエッチング処理により透明導電体をパターンニングする工程と、金属と透明導電体に所定の電流を印加することで絶縁体の所定の位置を絶縁破壊し金属と透明導電体を溶着した溶着部を形成する工程を有する。
【0014】
【作用】
液晶表示装置のアクティブ基板において表示領域と駆動用半導体装置とは、配線を通して電気的に接続する。表示領域には多数の信号線や、スイッチング素子や、画素電極を形成している。
【0015】
本発明においては信号線を駆動用半導体装置へ接続するのに直流結合を行う接続用TFD素子を介しておこなう。
【0016】
接続用TFD素子は、金属と絶縁体とからなる信号線上に半導体装置に接続する配線である透明導電体を積層したTFD構造である。
【0017】
本発明の実施例においては金属にタンタルを使用し、絶縁体に陽極酸化で形成する酸化タンタル(Ta2 O5 )膜を使用し、透明導電体として酸化インジウムスズ(ITO)を使用する。
【0018】
この接続用TFD素子に定電流源によって電流を印加すると絶縁体の酸化タンタル(Ta2 O5 )膜でジュール熱が発生する。発生した熱は接続用TFD素子の周囲に逃げる。
【0019】
そして徐々に電流値を大きくするランプ電流印加を行うと、接続用TFD素子平面内中央部の温度が最も高くなる温度勾配をもつようになる。
【0020】
温度勾配をもった接続用TFD素子は、温度が高い素子中央部に電流が集中して、所定の電流値に達すると絶縁膜のTa2 O5 が絶縁破壊する。
【0021】
それは接続用TFD素子の導電率が正の温度特性を持つために、熱の逃げにくい中央部が最も低抵抗になるためである。
【0022】
この絶縁破壊は熱的に起こるため、絶縁破壊後は金属のタンタルと透明導電体のITOは絶縁膜のTa2 O5 が絶縁破壊した溶着部で溶着され電気的な接合はオーミック接合となる。
【0023】
電源に定電流源を用い絶縁破壊時の電流値を維持すると、溶着後は溶着部が電流の主経路になるが低抵抗なため、接続用TFD素子の温度は急激に下がり、反応は進行せずに安定な直流結合が得られる。
【0024】
定電流源によるランプ電流印加で形成した直流結合部においては、溶着部に比較し接続用TFD素子の面積が充分大きいため機械的な結合はTa/Ta2 O5 /ITO構造で保持するので密着性も良好となる。
【0025】
【実施例】
以下、図面を用いて本発明の実施例における液晶表示装置の構造とその製造方法とを説明する。
【0026】
はじめに本発明の実施例における液晶表示装置の構造を図面に基づいて説明する。液晶表示装置の構造を図3を用いて説明する。図3は本発明の実施例における液晶表示装置のアクティブ基板を示す平面図である。
【0027】
3の線で囲った表示領域12に多数の信号線や、スイッチング素子や、画素電極を設ける。この信号線は配線2によってアクティブ基板11上に実装する駆動用半導体装置14に接続する。
【0028】
図3においては、アクティブ基板11上に駆動用半導体装置14を直接実装するチップオングラス(以下COGと記す)の構成とする。
【0029】
ここでCOG実装構造とは、駆動用半導体装置14を直接ガラス基板であるアクティブ基板11上にワイヤボンディング法、ハンダや導電性接着剤を用いてボンディングする実装手段である。
【0030】
つぎに信号線配線接続部の構造を、図1を用いて説明する。図1は、図3の表示領域12内の配線2近傍領域の信号線配線接続部13を拡大して示す平面図である。
【0031】
図1に示すように、信号線3は表面に絶縁層を形成した金属で、本発明の実施例においては材料にタンタルを用い、で囲んだ領域の表示用TFD素子4を介して、画素電極5である透明導電体に接続する。本発明の実施例において画素電極5材料には酸化インジウムスズ(ITO)を用いる。
【0032】
本発明の実施例において、接続用TFD素子1によるTa/ITO接続部は図2の断面図に示す構造をとる。
【0033】
すなわち図2に示すように、ガラス基板7の上の金属8のタンタルは、溶着部6を除き絶縁体9を介して透明導電体10のITOを積層している。
【0034】
この図2に示す構造によれば、金属8のタンタルは、溶着部6を除いた表面を絶縁体9で被覆しているため透明導電体10のITOとの密着性は良好になる。
【0035】
さらに、金属8のタンタルと透明導電体10のITOとの電気的接続は、金属8のタンタルと透明導電体10のITOとの間に電流を印加して、Ta2 O5 からなる絶縁体9を絶縁破壊することで金属8と透明導電体10を加熱溶着したタンタルとInを主成分とする溶着部6によって、抵抗の充分低いオーミック接合でとる。
【0036】
つぎに、上記の図1から図3に示す構造を得るための製造方法を説明する。表示用TFD素子4については図4から図7の表示用TFD素子4における工程順の断面図を用いて説明し、接続用TFD素子1については図8から図12の接続用TFD素子1における工程順の断面図を参照しながら説明する。
【0037】
はじめに図4と図8に示すように、アクティブ基板11を形成するガラス基板7上に金属8としてタンタルをスパッタリング法により、厚さ100nmに形成する。
【0038】
つぎに、図5と図9に示すように、通常のフォトリソグラフィ処理とエッチングガスに六フッ化イオウ(SF6 )を用いたリアクティブイオンエッチング(以下RIEと略す)処理により、金属8のタンタルをパターンニングする。
【0039】
つぎに、図6と図10に示すように、クエン酸0.1%水溶液中で40Vの電圧を印加して陽極酸化を行い、金属8の表面に絶縁体9のTa2 O5 を厚さ70nmに形成する。
【0040】
つぎに、図7と図11に示すように、透明導電体10としてITOをスパッタリング法で厚さ100nmに形成して、熱処理を行い、通常のフォトリソグラフィ処理とエッチャントに塩化第二鉄と塩酸を用いたウェットエッチング処理によりITOをパターンニングする。
【0041】
以上の説明にて、図1の平面図に示した表示用TFD素子4は完成することができる。
【0042】
つぎに、図11の金属8と透明導電体10の間に定電流源により電流を印加する。このとき接続用TFD素子の素子特性と、面積と、絶縁体9の厚さに対して所定の電流を流すことで絶縁体9の局所加熱溶着による溶着部6を形成することができる。
【0043】
この溶着部6は低抵抗なオーミック接合とすることができ、図12で示す接続用TFD素子1のTa/ITO接続を形成することができる。
【0044】
この低抵抗なオーミック接合となる溶着部6の溶着のメカニズムは、おおよそつぎのように考えられる。
【0045】
Ta/Ta2 O5 /ITO構造の接続用TFD素子1に流れる電流は、活性層となる絶縁体9のTa2 O5 層の伝導特性により主に支配される。
【0046】
近似的には伝導機構としてプールフレンケル伝導で説明される。温度依存性については同一バイアス電圧を印加したとき温度をあげると電流値が大きくなる。つまり導電率は温度に対して正の係数をもつ。
【0047】
ガラス基板7上に形成された薄膜からなる接続用TFD素子1に定電流源により電流を供給した場合を考える。ここで、形成した接続用TFD素子1の絶縁体9は均質で部分的に導電性の高い欠陥が面内にないと仮定する。
【0048】
接続用TFD素子1に流れる電流値が小さい場合は、絶縁体9で発生した熱は接続用TFD素子1の法線方向に拡散し、素子面内でほぼ一定のガラス基板と同じ温度となり、接続用TFD素子1に流れる電流値はおもに印加電界に応じたプールフレンケル伝導で決まる平衡状態で落ちつく。
【0049】
しかし、電流密度を大きくすると絶縁体9中で発生したジュール熱は局所的に接続用TFD素子1の法線方向に温度勾配をもちガラス基板を加熱する。
【0050】
そして接続用TFD素子1面内でも熱の逃げやすい接続用TFD素子1周辺部が低く、接続用TFD素子1中央部で高いという温度勾配をもつようになる。
【0051】
一度面内で温度勾配が出来ると絶縁体9の導電率の温度係数が正で温度依存が大きいため、温度の高い接続用TFD素子1中央部の電流値が大きくなり、さらに接続用TFD素子1中央部の温度が集中して上がるというポジティブフィードバックが掛かる。
【0052】
これは、接続用TFD素子1面内で温度分布ができるのに対して、金属8と透明導電体10両電極の電位は接続用TFD素子1面内で一定になるためである。
【0053】
やがて一種の熱暴走により絶縁体9の中央部が絶縁破壊を起こし、タンタルとインジウム(In)を主成分とする金属からなるフィラメント状の初期溶着部を形成する。
【0054】
ここで電源に定電流源を用いた場合は絶縁破壊後の初期溶着部に全電流が集中するが電源の作用により一定電流値を保つ。そして初期溶着部は安定で低抵抗な溶着部6に成長する。
【0055】
成長した溶着部6は低抵抗なため、発生するジュール熱は急速に低下し、電流値を大幅に増やさなければさらに破壊が進行することはない。以上が溶着部6の電流印加溶着により安定なオーミック接合が得られる理由である。
【0056】
絶縁体9として陽極酸化により形成したTa2 O5 を用いたときは、ピンホールのほとんどない絶縁体9膜が得られるため、およそ3μm角から200μm角程度の素子について安定に接続用TFD素子1中央部での電流溶着が可能であった。
【0057】
本発明の実施例の6μm角の大きさの接続用TFD素子1においては、溶着部6は再現性よく接続用TFD素子1中央部となった。図13のグラフに6μm角のTa/ITO積層構造からなる接続用TFD素子1に定電流源を用いて電流を印加し加熱溶着をおこなったときの電圧−電流特性を示す。縦軸が印加電流を示し、横軸がそのときの接続用TFD素子1両端の電圧である。
【0058】
Ta/Ta2 O5 /ITO構造の接続用TFD素子1においては電流印加方向によって電圧−電流特性が変わる非対称特性となるが、図13の例ではITOが正極となる方向で測定した。
【0059】
図13に示す実験例では印加電流を1×10−11 Aから徐々に大きくしていった場合、2×10−5Aとしたとき接続用TFD素子1両端の端子電圧が第1の電圧35から第2の電圧36に急減した。このとき、接続用TFD素子1中央部が図2の溶着部6の箇所で溶着した。
【0060】
溶着後の接続用TFD素子1の電圧−電流特性を図14のグラフに示す。このときの溶着部6の面積は直径1μm以下であったがコンタクト抵抗は、図14から解るように印加電圧と電流が比例するオーミック接続となり、抵抗値は2kΩ程度と充分低い値を得た。
【0061】
したがって、本発明の溶着部6を設ける構造はTa/ITOの直流低抵抗接続に対して有効であることがわかる。
【0062】
ここで本発明の実施例の接続用TFD素子1と同じ構造のTa/ITO接続部のITOの剥離荷重を、スクラッチテスタSST−101(島津製作所製)を用いたスクラッチ試験で求めた。
【0063】
このスクラッチ試験においては、本発明の実施例の電気的接続の評価に用いた接続用TFD素子1のTa/ITO接続部面積が6μm角と小さく評価できなかったため、10×15mmの大きさのガラス基板上にTa/Ta2 O5 /ITOの積層構造の膜を作製することで評価した。試験は以下に記載の条件で行った。
【0064】
タンタル膜厚 :200nm
Ta2 O5 膜厚 : 70nm
ITO膜厚 :200nm
試験法 :定速負荷試験
カートリッジ先端径 : 15μm
負荷速度 : 1μm/s
振幅 : 50μm
送り速度 : 20μm/s
【0065】
このスクラッチ測定の結果、陽極酸化法で形成した絶縁体9のTa2 O5 を介して作製したTa/ITO接続部の剥離荷重は40〔gf〕以上であり、タンタル膜厚250nm、ITO膜厚200nmとしてTa/ITOを直接積層したサンプルの、同一測定条件での剥離荷重0.5〔gf〕と比較して80倍以上の大幅な密着力改善が見られた。
【0066】
本発明の実施例においては接続用TFD素子1のTa/ITO接続部の6μm角に対し溶着部は1μm 以下で面積比が36:1以上のため機械的なタンタルとITOの密着強度はほぼTa/Ta2 O5 /ITO積層部で決まる。
【0067】
したがって本発明の構造は、Ta/ITO接続部の密着力改善に対しても有効であることがわかる。
【0068】
図11で電流溶着のとき、金属8と透明導電体10の間に電流を印加する場合金属8のタンタル配線上には絶縁体9が被覆されており、溶着用電流源と電気的接続をする場合、金属8上の絶縁膜9を削って金属8の延長上に陽極酸化されない領域を作る準備が必要であると考えられるかもしれない。
【0069】
しかしながら、信号線と配線と半導体装置パッド部を溶着用アクティブ基板構成を示した図15と、液晶パネル構成を示した図16のようにパターン化することで容易に溶着が可能である。
【0070】
図15に示した陽極酸化用共通電極18は、金属8を陽極酸化するときに用いる。透明導電体10で形成した第1の半導体装置パッド15と第2の半導体装置パッド16の間に定電流源を接続し、第1の接続用TFD素子19と第2の接続用TFD素子20がバックトゥバック接続されるようにする。
【0071】
ここでバックトゥバック接続とは2つの接続用TFD素子を金属8どうし、あるいは透明導電体10同士を接続するように直列接続することをいう。
【0072】
つぎに第1の半導体装置接続パッド15と第2の半導体装置接続パッド16の間に溶着が起こるより低い電流を定電流源によって供給する。
【0073】
つぎに電流値を徐々に大きくして溶着をおこなう。本発明の実施例においては6μm角素子を用いたので溶着条件は次の通りである。
【0074】
溶着電流 :2x10−5
溶着時最大端子電圧 :ITOを正極...22V
ITOを負極...25V
処理温度 :室温
【0075】
図15の接続の場合バックトゥバック接続した1組の接続用TFD素子では、一方がITO正極とすると、他方は負極となり溶着直前の最大端子電圧が異なるが、溶着時の絶縁破壊は絶縁体9のTa2 O5 層で起こるため、溶着電流はほぼ等しくなる。そこで一度に2ヶ所の接続用TFD素子の同時溶着が可能である。
【0076】
これをn番目の半導体装置接続パッド17まで繰り返すことで、すべての信号線3の接続用TFD素子1による溶着接続を形成することができる。
【0077】
つぎにアクティブ基板11は、図16で示すように、アクティブ側ガラス基板24上に形成し対向基板25と重ねパネル化する。
【0078】
つぎに図16で示したアクティブ側ガラス基板24上を、第1のスクライブ線21と、第2のスクライブ線22と、第3のスクライブ線23にそってブレーク処理を行い液晶パネルを完成する。
【0079】
ここで陽極酸化用共通電極18は図15で示す第1のスクライブ線21で切り放され独立した信号線3を得る。
【0080】
以上説明した実施例においては、溶着部6の接続抵抗は2kΩであり信号線3と配線2を含めた配線部の引き回し抵抗1ライン約20kΩの1/10の値のため、表示品質に何等影響を与えずに充分に直流結合が可能である。
【0081】
図3で示す駆動用半導体装置14の実装法をCOG実装法とした場合、以上で図1に示した接続用TFD素子1は完成する。
【0082】
つぎに本発明による液晶表示装置の他の実施例として,配線2をテープオートメーティッドボンディング(以下TABと記す)により駆動用半導体装置14に接続する場合の接続用TFD素子1の構造を説明する。
【0083】
ここでTABとは駆動用半導体装置をポリイミドからなるフィルム状のテープにボンディングし、そのフィルム状のテープをガラス基板に接続する実装方法である。図19の平面図にTAB実装の構成を採用した液晶表示装置を示す。
【0084】
図19に示すように、対向基板25と重ね合わせたアクティブ基板11上に配線2を形成し、駆動用半導体装置14をボンディングしたフィルム3を配線2に接続することで液晶パネルを構成する。
【0085】
つぎに図19に示す本発明の実施例の接続用TFD素子1の製造方法を説明する。この実施例においてはアクティブ側ガラス基板を図17と図18とに示す構成とする。
【0086】
第1の実施例と同様な処理工程によって表示用TFD素子4と、接続用TFD素子1とを形成する。
【0087】
つぎに図18に示すように、アクティブ基板11を形成したアクティブ側ガラス基板24を対向基板25と重ね合わせて液晶パネルを形成する。
【0088】
つぎに図18で示す溶着素子形成用スクライブ線28にそってスクライブ処理を行い、陽極酸化用共通電極18を切り放す。ここで、陽極酸化用共通電極18は図17で示す構造とするので、陽極酸化用共通電極18を切り放したあとは隣り合った信号線3の2本1組が短絡した構造となる。
【0089】
したがってアクティブ側ガラス基板24は、図17に示す第1の電流端子3に、第1の接続用TFD素子19と第2の接続用TFD素子20とがバックトゥバック接続で直列に接続した構造をとる。
【0090】
第2の接続用TFD素子20は透明導電体10で形成した溶着用共通電極33を介してつぎの接続用TFD素子26にさらに接続する構造となる。このため本発明の構造を繰り返すことで、第1の電流端子31と第2の電流端子32の間にn番目の接続用TFD素子までn個の接続用TFD素子がバックトゥバックで直列接続することができる。
【0091】
つぎに第1の電流端子31と第2の電流端子32の間に電流源を接続することで1度にn箇所の溶着を行う。ここで、n−1番目のTFD素子26とn番目のTFD素子27という1組でバックトゥバック構成となるため一度に接続する接続用TFD素子数は偶数本が望ましい。
【0092】
第2の実施例においては耐圧1kVの定電流源を使用し接続用TFD素子の面積を6μmとしたため接続可能な素子数(ライン数)は
1000V/(22V+25V)=21.3
からわかるとおり21組つまり42本であった。ここで溶着時の接続用TFD素子端子電圧は素子寸法によって変わるが、一例としてITOを正極としたとき200μm角素子では15Vとなる。
【0093】
したがって電流源の耐圧が同じ場合、配線部の面積が大きく取れる場合は接続用TFD素子1の面積を大きくしたほうが一度に接続可能なライン数を多く取ることができる。
【0094】
ライン数が数100本以上ある場合でも、図17に示すような第1の電流端子31と第2の電流端子32の間の直列接続のグループをひとつの単位として必要なグループ数だけ溶着処理を繰り返すことで対処可能である。
【0095】
つぎに図18で示すTAB端子形成用スクライブ線29に沿ってスクライブ処理を行い、さらにブレーク処理をすることで図17に示した溶着用共通電極33をアクティブ基板11から切り放し、楕円で囲ったTAB接続端子アレイ30を形成する。
【0096】
つぎに第1のスクライブ線21にそってスクライブをおこない独立した信号線3を形成し、接続用TFD素子1は完成する。
【0097】
つぎに第2のスクライブ線22および第3のスクライブ線23にそってスクライブ処理と、ブレーク処理とを行い、図18で楕円で示したTAB接続端子アレイ30にTAB実装することで、第2の実施例のTAB実装用液晶バネルは完成する。

【0098】
以上の実施例で述べた製造工程において、金属はタンタル以外にも窒素添加タンタルや窒化タンタルあるいはタンタルと他の金属の合金であってもよい。さらに、タンタルの他に酸素親和力の大きな金属、たとえばNbを用いた場合にも有効である。透明導電体として、ITO以外にIn2 O3 、SnO2 、ZnOなどの酸化物を用いる場合も、本発明の製造方法は有効である。さらに、アクティブ基板上に所定の電流印加によるプログラム可能なアレイを形成することが可能となる。
【0099】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、液晶表示装置の駆動素子や配線の形成において、金属/絶縁体/透明導電体構造の接続部を形成し、これに電流を印加し溶着を行い、製造工程を複雑にすることなく金属と透明導電体の接触抵抗を低減している。さらに、溶着部以外の金属と透明導電体との接合面には絶縁体が存在しているため、両者の密着力が大幅に改善され、表示品質の優れたアクティブマトリクス方式の液晶表示装置がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における液晶表示装置のガラス基板上に形成した表示用TFD素子と接続用TFD素子とを示す平面図である。
【図2】本発明の実施例における液晶表示装置の接続用TFD素子の構造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例における液晶表示装置のアクティブ基板を用いる液晶表示装置を示す平面図である。
【図4】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例における液晶表示装置の表示用TFD素子の製造方法を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例における液晶表示装置の製造方法における溶着処理電流と接続用TFD素子の端子電圧の関係を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例における液晶表示装置の製造方法の溶着後の接続用TFD素子の電流と電圧の関係を示すグラフである。
【図15】本発明の実施例における液晶表示装置のCOG実装の接続用TFD素子の製造工程を示す平面図である。
【図16】本発明の実施例における液晶表示装置のCOG実装用液晶パネルの製造工程を示す平面図である。
【図17】本発明の実施例における液晶表示装置のTAB接続用アクティブ基板の接続用TFD素子アレイ部の製造工程を示す平面図である。
【図18】本発明の実施例における液晶表示装置のTAB実装用液晶パネルの製造工程を示す平面図である。
【図19】本発明の実施例における液晶表示装置のTAB実装用液晶パネルの構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 接続用TFD素子
2 配線
3 信号線
4 表示用TFD素子
5 画素電極
6 溶着部
7 ガラス基板
8 金属
9 絶縁体
10 透明導電体
11 アクティブ基板
12 表示領域

Claims (2)

  1. 表面に絶縁体を設けた金属信号線の一部に、透明導電体の画素電極の一部を積層してなる薄膜ダイオードと、前記金属信号線に透明導電体の配線を接続する接続部を有する液晶表示素子において、
    接続部は、表面に絶縁体を設けた前記金属信号線と、該絶縁体に積層した透明導電体の配線と、該絶縁体に設けた絶縁破壊部と、該絶縁破壊部を通じて透明導電体の配線と金属信号線が溶着した溶着部でなることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 基板上に金属を形成し、フォトエッチング処理により該金属をパターンニングして金属信号線を形成する工程と、
    陽極酸化を行い前記金属信号線の表面に絶縁体を形成する工程と、
    基板上に透明導電体を形成し、フォトエッチング処理により該透明導電体をパターンニングして、いずれも一部が前記金属信号線の表面の絶縁体に積層される画素電極と配線とを形成することにより、金属信号線と画素電極の積層部に薄膜ダイオードを形成し、金属信号線と配線の積層部に接続部を形成する工程を有する液晶表示装置の製造方法において、
    前記透明導電体をパターンニングした工程後に、前記金属信号線と前記透明導電体の配線の接続部に所定の電流を印加して前記絶縁体を絶縁破壊し、該絶縁破壊部を通じて前記金属信号線と前記透明導電体の配線が溶着した溶着部を形成する工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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