JP3558966B2 - エアバッグモジュールの取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリングホイールへのエアバッグモジュールの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のステアリングホイールへのエアバッグモジュールの取付構造としては、例えば、特表平10−500922号公報で知られているように、エアバッグモジュールに先端に爪部を有する係止片を形成し、該係止片の爪部をステアリングホイールのボス部に形成した係合孔に係止させることにより取付けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の取付構造にあっては、エアバッグモジュールからエアバッグを展開させる際の衝撃にも耐えうるように、係止片を固くしたり、係止片の爪部を大きくしたりして、ボス部に対するエアバッグモジュールの取付強度を十分に高めていたため、エアバッグモジュールの必要な取付強度は確実に得られる反面、エアバッグモジュールを最初にボス部へ取付ける際の組立作業や、サービス時における作業が困難になる。
【0004】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、エアバッグモジュールの必要な取付強度が確実に得られる上に、組立作業性やサービス作業性も良いエアバッグモジュールの取付構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ステアリングホイールの表側にエアバッグモジュールを取付けるエアバッグモジュールの取付構造であって、前記エアバッグモジュール又はステアリングホイールのいずれか一方に、他方側へ向けて突出し且つ先端に横向きに張出した爪部を有する係止片を形成すると共に、他方に、爪部の張出方向とは交差する方向へ移動自在で且つ爪部に相当する幅の第1開口と爪部以外に相当する幅の第2開口を移動方向に沿って連続的に有する係止プレートを設けた。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、最初に係止片を第1開口へ格別な抵抗なしに挿入することができ、その後に、係止プレートを移動させるだけで、係止片の爪部が第2開口へ係合して必要な取付強度が得られるため、取付強度の確保と、組立作業性等の両立を図ることができる。また、係止プレートは、予めエアバッグモジュールかステアリングホイールのどちらかに組み込まれて一つのユニットを形成しているため、組立ライン或いはサービス工場において部品が散逸せず、組立作業性やサービス作業性を更に高めている。
【0007】
請求項2記載の発明は、係止片がエアバッグモジュールに形成され、係止プレートがステアリングホイールのボス部の裏側に設けられ、ボス部に係止プレートの第1開口及び第2開口と合致し得る位置で且つ第1開口以上の幅を有する支持開口を形成した。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、係止片の移動を支持開口で規制しているため、係止プレートの係止片に対する相対的な移動が確実である。係止片をボス部と係止プレートの二枚に係合させるため、取付強度が得やすい。また、ボス部と係止プレートの二枚が重ねられて、高さ寸法も小さくて済むため、スペースの限られたステアリングホイールに好適である。
【0009】
請求項3記載の発明は、第2開口の爪部と係合する部位が第1開口よりも係止片の突出方向へ変位している。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、第2開口の爪部と係合する部位が第1開口よりも係止片の突出方向へ変位しているため、爪部を第2開口へ係合させた際に、係止片がステアリングホイール側へ引き込まれ、エアバッグモジュールの取付けがより確実になって、ガタつきが防止される。
【0011】
請求項4記載の発明は、係止プレートがボス部の一点を中心に回転方向へ移動自在なリング形状である。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、係止プレートがボス部の一点を中心に回転方向へ移動自在なリング形状であるため、係止プレートをボス部の裏側に設けやすく、回転もさせやすい。
【0013】
請求項5記載の発明は、係止プレートの内縁に円形のフランジをボス部側へ向けて形成すると共に、ボス部の裏面に該フランジを摺動自在に収容する円形の溝部を形成した。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、係止プレートのフランジをボス部の溝部内へ摺動自在に収容することにより、係止プレートが円滑に回転すると共に、係止プレートに強い力が加わっても位置ずれを起こさない。
【0015】
請求項6記載の発明は、ボス部の裏面にロック部を形成し、係止プレートの表面に該ロック部と係合して支持開口と第2開口との合致状態を保持する受部を形成すると共に、係止プレートをボス部から離反する方向へ変形可能にして、変形時に前記ロック部と受部との係合が解除するようにした。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、ロック部と受部との係合により、支持開口と第2開口との合致状態(係止片の係合状態)を保持できると共に、係止プレートをボス部から離反する方向へ変形させることにより、その係合を容易に解除することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。この実施形態に係るステアリングホイール1は、基本的に、図示せぬステアリングシャフトに接続されるステアリング本体2と、ステアリング本体2の表側の略中央に取付けられるエアバッグモジュール3と、ステアリング本体2の表側を覆うアッパカバー4と、裏側を覆うロアカバー5とから構成されている。
【0018】
ステアリング本体2は、2枚の鋼板をそれぞれプレスして成形した上下2つのシェルを突き合わせてヘミング及び溶接したもので、構造的には、円環状のリム部6と、中心のボス部7と、3本のスポーク部8とから形成されている。ボス部7には、表側に隆起させた円形の溝部9が形成されている。図示せぬステアリングシャフトは、このボス部7の中心に接続され、リム部6の一部分を押し下げるような力が加わっても、変形するのは前記溝部9の内側だけで、リム部6が不規則に変形することはなく、リム部6は、全体として全体形状を保ちながら、ステアリングシャフトに対する角度を変化させる。
【0019】
また、ボス部7の外側には、2つの支持開口10が形成されており、裏面には、ロック部11が突起形成されている。このロック部11は、ロック方向R側への操作時に当たる部分が斜面で、解除方向Lへの操作時に当たる部分が垂直面になっている。
【0020】
アッパカバー4、ロアカバー5は、TPOなどのエラストマー樹脂や、軟質塩化ビニル樹脂を表面に一体成形した多層構造としてもよい。あるいは、天然皮革、合成皮革などを接着或いはインサート成形などするほか、ポリプロピレン樹脂或いはポリカーボネート/ABS複合(アロイ)樹脂単体としてもよい。前記エラストマー樹脂またはポリプロピレン樹脂等の表面には、皮革を模した微細凹凸(シボ)を形成してもよいし、滑面またはシボ面の木目印刷(例えば液圧転写印刷)、塗装を施してもよい。塗装には、マイカ粉や皮革パウダ(コラーゲンパウダ)などを含んだ塗料を利用することもできる。
【0021】
ロアカバー5には、先端に内向きの爪部12(図5参照)を有する4本の起立片13が形成され、側面にはスリットSが形成されている。
【0022】
そして、ステアリング本体2におけるボス部7の裏側には、リング形状の係止プレート14が設けられている。この係止プレート14は、裏側からロアカバー5で覆われることにより、ステアリング本体2と一体化している。この係止プレート14は、図4に示すように、内縁に円形のフランジ15が形成されている。このフランジ15は、ボス部7に形成された前記円形の溝部9と同心で、該溝部9内に摺動自在に収容されて、係止プレート14を回転させると共に、係止プレート14に荷重が加わった場合の位置ずれを防止している。
【0023】
係止プレート14には、外側へ幅が広くなっている第1開口Aが2箇所に形成され、その各第1開口Aの解除方向Lに幅の狭い第2開口Bが円弧状に連続して形成されている。第2開口Bのうち、外側部位16は、下側に凹設されている。また、一方の第1開口Aからは、ロック方向Rへ向けて延長開口17が形成され、他方の第2開口Bからは、解除方向Lへ向けて延長開口18が形成されている。そして、一方の延長開口17の端部には、内側に幅が広い前記起立片13の挿入部19が形成され、他方の第2開口Bに相当する部分には、内側に幅が広い起立片13の挿入部20も合わせて形成されている。
【0024】
また、係止プレート14の外縁には、前記ロアカバー5のスリットSから見える位置にあるノブ21が形成されている。また、ノブ21に相当する位置には、前記ロック部11と係合する受部22が開口形成されている。また、この受部22のロック方向Rには、受部22と若干の間隔をおいてロック部11の移動用の切欠23が円弧状に形成されている。更に、係止プレート14の外縁には、所定間隔をおいて2つの凹部24が形成され、ロアカバー5の形成した円筒部25(図5参照)と係合して、所定のクリック感が得られるようになっている。
【0025】
エアバッグモジュール3は、パッドカバー26、リテーナ27、エアバッグ28、ベースプレート29、インフレータ30から構成されている。ベースプレート29は、マグネシウム合金をダイカスト成形したものである(ガラス繊維入りのナイロン樹脂製でも可)。ベースプレート29の下面には、2本の係止片31が下向きに形成されている。係止片31の先端には、外向きの爪部32がそれぞれ形成されいてる。ベースプレート29は、エアバッグ28を折りたたんだ状態で収納した後に、パッドカバー26により塞がれて一体的なエアバッグモジュール3となる。
【0026】
次に、このエアバッグモジュール3の取付け方を説明する。まず、ステアリング本体2側の係止プレート14は、ロアカバー5のスリットSから工具を入れてノブ21を操作することにより、予め、一番解除方向Lに回してある。この状態で、係止プレート14の第1開口Aと、ステアリング本体2の支持開口10は合致した状態になっている。また、ロアカバー5の起立片13も係止プレート14の挿入部19、20内に位置している。挿入部19、20では、起立片13における爪部12の張り出し方向へ向けて幅が広くなっているため、ロアカバー5を取付けた時点で、格別の抵抗なく起立片13を挿入できる。起立片13の爪部12は、ボス部7の周縁に係合している。
【0027】
そして、エアバッグモジュール3を上からセットし、係止片31を支持開口10及び第1開口A内へ挿入する。この時、支持開口10及び第1開口Aは、爪部32に相応する幅を有しているため、格別抵抗なく、作業性が良い。そして、係止プレート14をロック方向Rへ回転させ、円筒部25を別の凹部24に係合させると共に、ロック部11を切欠23から受部22内に係合させる。ロック部11の斜辺により受部22への係入は容易だが、いったん係合すると垂直辺により戻りが規制される。
【0028】
係止プレート14をロック方向Rへ回転させると、係止片31の爪部32が移動方向(回転方向)とは交差する方向(外向き)に形成されているため、爪部32が第2開口Bの外側部位16に係合し、係止片31の抜けが防止され、エアバッグモジュール3の必要な取付強度が確保される。しかも、第2開口Bのうち、爪部32が係合する外側部位16が下側へ凹設されているため、エアバッグモジュール3がボス部7に引き込まれ、確実な取付状態が得られて、ガタつきが防止される。
【0029】
更に、係止片31が、ボス部7の支持開口10と、係止プレート14の第2開口Bの2枚に係合するため、この点においても、エアバッグモジュール3の取付強度を向上させている。尚、係止プレート14を回す時に、係止片31の移動が支持開口10規制されているため、係止プレート14の係止片31に対する相対的な回転が確実である。
【0030】
そして、起立片13の爪部12も、一方の第1開口Aの内縁や、他方の延長開口18の内縁に係合可能になるため、万一、起立片13の爪部12がボス部7の周縁から外れても、係止プレート14に係合し、ロアカバー5の確実な取付けが維持される。
【0031】
係止片31の第2開口Bに対する係合状態は、ロック部11と受部22との係合により、確実に維持されるが、係合を解除する場合は、ノブ21を下側に変形させれば、受部22が相対的にロック部11から外れる。
【0032】
この実施形態では、ノブ11は、工具挿入のためのスリットSから全く出ないようにしたが、解除方向Lの端部で、ロアカバー5からノブ11の先端を露出させ、工具の当たり具合を目視可能とし、ロック方向Rで前記実施形態のように隠れるようにしても良い。解除方向Lの端部で、ノブ11の先端を露出させる方法としては、スリットSの端部に陥凹部を設けたりすることができる。
【0033】
また、シェル構造の鋼板製のステアリング本体2を例にしたが、実施形態のようなボス部7を形成することは、鉄パイプ新と鋼板を組み合わせた構造、アルミニウム合金、マグネシウム合金等をダイカスト成形した構造にも適用できる。更に、アッパカバー4、ロアカバー5に代えて、発泡ポリウレタン樹脂を射出反応成形して、ボス部7の把持部分をオーバーモールドすることもできる。また、エアバッグモジュール3のベースプレート29は、マグネシウムダイカスト品や樹脂の射出成形による他、鋼板をプレス成形し、一体的に係止片31を形成するようにしたものでも良い。
【0034】
また、係止片31をエアバッグモジュール3側に形成し、係止プレート14をボス部7側に設ける例を示したが、逆にしても良い。その場合は、係止プレート14をエアバッグモジュール3内における円筒状の部材(例えばインフレータ30)の周縁を利用して回転させることができる。そして、係止プレート14は、回転動作させる他、線形(直線)運動させて係脱させることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、最初に係止片を第1開口へ格別な抵抗なしに挿入することができ、その後に、係止プレートを移動させるだけで、係止片の爪部が第2開口へ係合して必要な取付強度が得られるため、取付強度の確保と、組立作業性等の両立を図ることができる。また、係止プレートは、予めエアバッグモジュールかステアリングホイールのどちらかに組み込まれて一つのユニットを形成しているため、組立ライン或いはサービス工場において部品が散逸せず、組立作業性やサービス作業性を更に高めている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るステアリングホイールを示す斜視図。
【図2】図5中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図3】図1のステアリングホイールを示す分解斜視図。
【図4】図3の係止プレートを示す拡大斜視図。
【図5】図3のステアリング本体の構造を示す一部破断の拡大斜視図。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 ステアリング本体
3 エアバッグモジュール
7 ボス部
10 支持開口
11 ロック部
13 起立片
14 係止プレート
15 フランジ
22 受部
29 ベースプレート
31 係止片
32 爪部
A 第1開口
B 第2開口
R ロック方向
L 解除方向
【発明の属する技術分野】
この発明は、ステアリングホイールへのエアバッグモジュールの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のステアリングホイールへのエアバッグモジュールの取付構造としては、例えば、特表平10−500922号公報で知られているように、エアバッグモジュールに先端に爪部を有する係止片を形成し、該係止片の爪部をステアリングホイールのボス部に形成した係合孔に係止させることにより取付けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の取付構造にあっては、エアバッグモジュールからエアバッグを展開させる際の衝撃にも耐えうるように、係止片を固くしたり、係止片の爪部を大きくしたりして、ボス部に対するエアバッグモジュールの取付強度を十分に高めていたため、エアバッグモジュールの必要な取付強度は確実に得られる反面、エアバッグモジュールを最初にボス部へ取付ける際の組立作業や、サービス時における作業が困難になる。
【0004】
この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、エアバッグモジュールの必要な取付強度が確実に得られる上に、組立作業性やサービス作業性も良いエアバッグモジュールの取付構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、ステアリングホイールの表側にエアバッグモジュールを取付けるエアバッグモジュールの取付構造であって、前記エアバッグモジュール又はステアリングホイールのいずれか一方に、他方側へ向けて突出し且つ先端に横向きに張出した爪部を有する係止片を形成すると共に、他方に、爪部の張出方向とは交差する方向へ移動自在で且つ爪部に相当する幅の第1開口と爪部以外に相当する幅の第2開口を移動方向に沿って連続的に有する係止プレートを設けた。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、最初に係止片を第1開口へ格別な抵抗なしに挿入することができ、その後に、係止プレートを移動させるだけで、係止片の爪部が第2開口へ係合して必要な取付強度が得られるため、取付強度の確保と、組立作業性等の両立を図ることができる。また、係止プレートは、予めエアバッグモジュールかステアリングホイールのどちらかに組み込まれて一つのユニットを形成しているため、組立ライン或いはサービス工場において部品が散逸せず、組立作業性やサービス作業性を更に高めている。
【0007】
請求項2記載の発明は、係止片がエアバッグモジュールに形成され、係止プレートがステアリングホイールのボス部の裏側に設けられ、ボス部に係止プレートの第1開口及び第2開口と合致し得る位置で且つ第1開口以上の幅を有する支持開口を形成した。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、係止片の移動を支持開口で規制しているため、係止プレートの係止片に対する相対的な移動が確実である。係止片をボス部と係止プレートの二枚に係合させるため、取付強度が得やすい。また、ボス部と係止プレートの二枚が重ねられて、高さ寸法も小さくて済むため、スペースの限られたステアリングホイールに好適である。
【0009】
請求項3記載の発明は、第2開口の爪部と係合する部位が第1開口よりも係止片の突出方向へ変位している。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、第2開口の爪部と係合する部位が第1開口よりも係止片の突出方向へ変位しているため、爪部を第2開口へ係合させた際に、係止片がステアリングホイール側へ引き込まれ、エアバッグモジュールの取付けがより確実になって、ガタつきが防止される。
【0011】
請求項4記載の発明は、係止プレートがボス部の一点を中心に回転方向へ移動自在なリング形状である。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、係止プレートがボス部の一点を中心に回転方向へ移動自在なリング形状であるため、係止プレートをボス部の裏側に設けやすく、回転もさせやすい。
【0013】
請求項5記載の発明は、係止プレートの内縁に円形のフランジをボス部側へ向けて形成すると共に、ボス部の裏面に該フランジを摺動自在に収容する円形の溝部を形成した。
【0014】
請求項5記載の発明によれば、係止プレートのフランジをボス部の溝部内へ摺動自在に収容することにより、係止プレートが円滑に回転すると共に、係止プレートに強い力が加わっても位置ずれを起こさない。
【0015】
請求項6記載の発明は、ボス部の裏面にロック部を形成し、係止プレートの表面に該ロック部と係合して支持開口と第2開口との合致状態を保持する受部を形成すると共に、係止プレートをボス部から離反する方向へ変形可能にして、変形時に前記ロック部と受部との係合が解除するようにした。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、ロック部と受部との係合により、支持開口と第2開口との合致状態(係止片の係合状態)を保持できると共に、係止プレートをボス部から離反する方向へ変形させることにより、その係合を容易に解除することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。この実施形態に係るステアリングホイール1は、基本的に、図示せぬステアリングシャフトに接続されるステアリング本体2と、ステアリング本体2の表側の略中央に取付けられるエアバッグモジュール3と、ステアリング本体2の表側を覆うアッパカバー4と、裏側を覆うロアカバー5とから構成されている。
【0018】
ステアリング本体2は、2枚の鋼板をそれぞれプレスして成形した上下2つのシェルを突き合わせてヘミング及び溶接したもので、構造的には、円環状のリム部6と、中心のボス部7と、3本のスポーク部8とから形成されている。ボス部7には、表側に隆起させた円形の溝部9が形成されている。図示せぬステアリングシャフトは、このボス部7の中心に接続され、リム部6の一部分を押し下げるような力が加わっても、変形するのは前記溝部9の内側だけで、リム部6が不規則に変形することはなく、リム部6は、全体として全体形状を保ちながら、ステアリングシャフトに対する角度を変化させる。
【0019】
また、ボス部7の外側には、2つの支持開口10が形成されており、裏面には、ロック部11が突起形成されている。このロック部11は、ロック方向R側への操作時に当たる部分が斜面で、解除方向Lへの操作時に当たる部分が垂直面になっている。
【0020】
アッパカバー4、ロアカバー5は、TPOなどのエラストマー樹脂や、軟質塩化ビニル樹脂を表面に一体成形した多層構造としてもよい。あるいは、天然皮革、合成皮革などを接着或いはインサート成形などするほか、ポリプロピレン樹脂或いはポリカーボネート/ABS複合(アロイ)樹脂単体としてもよい。前記エラストマー樹脂またはポリプロピレン樹脂等の表面には、皮革を模した微細凹凸(シボ)を形成してもよいし、滑面またはシボ面の木目印刷(例えば液圧転写印刷)、塗装を施してもよい。塗装には、マイカ粉や皮革パウダ(コラーゲンパウダ)などを含んだ塗料を利用することもできる。
【0021】
ロアカバー5には、先端に内向きの爪部12(図5参照)を有する4本の起立片13が形成され、側面にはスリットSが形成されている。
【0022】
そして、ステアリング本体2におけるボス部7の裏側には、リング形状の係止プレート14が設けられている。この係止プレート14は、裏側からロアカバー5で覆われることにより、ステアリング本体2と一体化している。この係止プレート14は、図4に示すように、内縁に円形のフランジ15が形成されている。このフランジ15は、ボス部7に形成された前記円形の溝部9と同心で、該溝部9内に摺動自在に収容されて、係止プレート14を回転させると共に、係止プレート14に荷重が加わった場合の位置ずれを防止している。
【0023】
係止プレート14には、外側へ幅が広くなっている第1開口Aが2箇所に形成され、その各第1開口Aの解除方向Lに幅の狭い第2開口Bが円弧状に連続して形成されている。第2開口Bのうち、外側部位16は、下側に凹設されている。また、一方の第1開口Aからは、ロック方向Rへ向けて延長開口17が形成され、他方の第2開口Bからは、解除方向Lへ向けて延長開口18が形成されている。そして、一方の延長開口17の端部には、内側に幅が広い前記起立片13の挿入部19が形成され、他方の第2開口Bに相当する部分には、内側に幅が広い起立片13の挿入部20も合わせて形成されている。
【0024】
また、係止プレート14の外縁には、前記ロアカバー5のスリットSから見える位置にあるノブ21が形成されている。また、ノブ21に相当する位置には、前記ロック部11と係合する受部22が開口形成されている。また、この受部22のロック方向Rには、受部22と若干の間隔をおいてロック部11の移動用の切欠23が円弧状に形成されている。更に、係止プレート14の外縁には、所定間隔をおいて2つの凹部24が形成され、ロアカバー5の形成した円筒部25(図5参照)と係合して、所定のクリック感が得られるようになっている。
【0025】
エアバッグモジュール3は、パッドカバー26、リテーナ27、エアバッグ28、ベースプレート29、インフレータ30から構成されている。ベースプレート29は、マグネシウム合金をダイカスト成形したものである(ガラス繊維入りのナイロン樹脂製でも可)。ベースプレート29の下面には、2本の係止片31が下向きに形成されている。係止片31の先端には、外向きの爪部32がそれぞれ形成されいてる。ベースプレート29は、エアバッグ28を折りたたんだ状態で収納した後に、パッドカバー26により塞がれて一体的なエアバッグモジュール3となる。
【0026】
次に、このエアバッグモジュール3の取付け方を説明する。まず、ステアリング本体2側の係止プレート14は、ロアカバー5のスリットSから工具を入れてノブ21を操作することにより、予め、一番解除方向Lに回してある。この状態で、係止プレート14の第1開口Aと、ステアリング本体2の支持開口10は合致した状態になっている。また、ロアカバー5の起立片13も係止プレート14の挿入部19、20内に位置している。挿入部19、20では、起立片13における爪部12の張り出し方向へ向けて幅が広くなっているため、ロアカバー5を取付けた時点で、格別の抵抗なく起立片13を挿入できる。起立片13の爪部12は、ボス部7の周縁に係合している。
【0027】
そして、エアバッグモジュール3を上からセットし、係止片31を支持開口10及び第1開口A内へ挿入する。この時、支持開口10及び第1開口Aは、爪部32に相応する幅を有しているため、格別抵抗なく、作業性が良い。そして、係止プレート14をロック方向Rへ回転させ、円筒部25を別の凹部24に係合させると共に、ロック部11を切欠23から受部22内に係合させる。ロック部11の斜辺により受部22への係入は容易だが、いったん係合すると垂直辺により戻りが規制される。
【0028】
係止プレート14をロック方向Rへ回転させると、係止片31の爪部32が移動方向(回転方向)とは交差する方向(外向き)に形成されているため、爪部32が第2開口Bの外側部位16に係合し、係止片31の抜けが防止され、エアバッグモジュール3の必要な取付強度が確保される。しかも、第2開口Bのうち、爪部32が係合する外側部位16が下側へ凹設されているため、エアバッグモジュール3がボス部7に引き込まれ、確実な取付状態が得られて、ガタつきが防止される。
【0029】
更に、係止片31が、ボス部7の支持開口10と、係止プレート14の第2開口Bの2枚に係合するため、この点においても、エアバッグモジュール3の取付強度を向上させている。尚、係止プレート14を回す時に、係止片31の移動が支持開口10規制されているため、係止プレート14の係止片31に対する相対的な回転が確実である。
【0030】
そして、起立片13の爪部12も、一方の第1開口Aの内縁や、他方の延長開口18の内縁に係合可能になるため、万一、起立片13の爪部12がボス部7の周縁から外れても、係止プレート14に係合し、ロアカバー5の確実な取付けが維持される。
【0031】
係止片31の第2開口Bに対する係合状態は、ロック部11と受部22との係合により、確実に維持されるが、係合を解除する場合は、ノブ21を下側に変形させれば、受部22が相対的にロック部11から外れる。
【0032】
この実施形態では、ノブ11は、工具挿入のためのスリットSから全く出ないようにしたが、解除方向Lの端部で、ロアカバー5からノブ11の先端を露出させ、工具の当たり具合を目視可能とし、ロック方向Rで前記実施形態のように隠れるようにしても良い。解除方向Lの端部で、ノブ11の先端を露出させる方法としては、スリットSの端部に陥凹部を設けたりすることができる。
【0033】
また、シェル構造の鋼板製のステアリング本体2を例にしたが、実施形態のようなボス部7を形成することは、鉄パイプ新と鋼板を組み合わせた構造、アルミニウム合金、マグネシウム合金等をダイカスト成形した構造にも適用できる。更に、アッパカバー4、ロアカバー5に代えて、発泡ポリウレタン樹脂を射出反応成形して、ボス部7の把持部分をオーバーモールドすることもできる。また、エアバッグモジュール3のベースプレート29は、マグネシウムダイカスト品や樹脂の射出成形による他、鋼板をプレス成形し、一体的に係止片31を形成するようにしたものでも良い。
【0034】
また、係止片31をエアバッグモジュール3側に形成し、係止プレート14をボス部7側に設ける例を示したが、逆にしても良い。その場合は、係止プレート14をエアバッグモジュール3内における円筒状の部材(例えばインフレータ30)の周縁を利用して回転させることができる。そして、係止プレート14は、回転動作させる他、線形(直線)運動させて係脱させることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、最初に係止片を第1開口へ格別な抵抗なしに挿入することができ、その後に、係止プレートを移動させるだけで、係止片の爪部が第2開口へ係合して必要な取付強度が得られるため、取付強度の確保と、組立作業性等の両立を図ることができる。また、係止プレートは、予めエアバッグモジュールかステアリングホイールのどちらかに組み込まれて一つのユニットを形成しているため、組立ライン或いはサービス工場において部品が散逸せず、組立作業性やサービス作業性を更に高めている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るステアリングホイールを示す斜視図。
【図2】図5中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図3】図1のステアリングホイールを示す分解斜視図。
【図4】図3の係止プレートを示す拡大斜視図。
【図5】図3のステアリング本体の構造を示す一部破断の拡大斜視図。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 ステアリング本体
3 エアバッグモジュール
7 ボス部
10 支持開口
11 ロック部
13 起立片
14 係止プレート
15 フランジ
22 受部
29 ベースプレート
31 係止片
32 爪部
A 第1開口
B 第2開口
R ロック方向
L 解除方向
Claims (6)
- ステアリングホイールの表側にエアバッグモジュールを取付けるエアバッグモジュールの取付構造であって、
前記エアバッグモジュール又はステアリングホイールのいずれか一方に、他方側へ向けて突出し且つ先端に横向きに張出した爪部を有する係止片を形成すると共に、
他方に、爪部の張出方向とは交差する方向へ移動自在で且つ爪部に相当する幅の第1開口と爪部以外に相当する幅の第2開口を移動方向に沿って連続的に有する係止プレートを設けたことを特徴とするエアバッグモジュールの取付構造。 - 請求項1記載のエアバッグモジュールの取付構造であって、
係止片がエアバッグモジュールに形成され、係止プレートがステアリングホイールのボス部の裏側に設けられ、ボス部に係止プレートの第1開口及び第2開口と合致し得る位置で且つ第1開口以上の幅を有する支持開口を形成したことを特徴とするエアバッグモジュールの取付構造。 - 請求項2記載のエアバッグモジュールの取付構造であって、
第2開口の爪部と係合する部位が第1開口よりも係止片の突出方向へ変位していることを特徴とするエアバッグモジュールの取付構造。 - 請求項2又は請求項3記載のエアバッグモジュールの取付構造であって、
係止プレートがボス部の一点を中心に回転方向へ移動自在なリング形状であることを特徴とするエアバッグモジュールの取付構造。 - 請求項4記載のエアバッグモジュールの取付構造であって、
係止プレートの内縁に円形のフランジをボス部側へ向けて形成すると共に、ボス部の裏面に該フランジを摺動自在に収容する円形の溝部を形成したことを特徴とするエアバッグモジュールの取付構造。 - 請求項2〜5のいずれか1項に記載のエアバッグモジュールの取付構造であって、
ボス部の裏面にロック部を形成し、係止プレートの表面に該ロック部と係合して支持開口と第2開口との合致状態を保持する受部を形成すると共に、係止プレートをボス部から離反する方向へ変形可能にして、変形時に前記ロック部と受部との係合が解除することを特徴とするエアバッグモジュールの取付構造。
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