JP3558739B2 - 固定子及び回転電機並びに固定子の組込方法 - Google Patents

固定子及び回転電機並びに固定子の組込方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、固定子とその固定子を有する回転電機と固定子の組込方法に係り、特に、誘導電動機や同期機などの回転電機において、比較的小容量の汎用誘導電動機に好適なものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
比較的小容量の汎用誘導電動機としては、図18に示すような構造のものが、従来から一般的に使用されている。
即ち、図18において、ハウジング1は枠体或いはフレームとも呼ばれ、鋳鉄などの鉄系材料の鋳造によってほぼ筒状に形成されることにより電動機の外被を構成している。このハウジング1の外周には放熱フィン1aが、ハウジング1の軸心を中心として放射状にかつ軸方向に沿って突設されている。
【0003】
また、ハウジング1の両端部にはエンドブラケット2A,2Bがインロー嵌合し、ボルトにより固着されている。エンドブラケット2A,2Bは、軸受ブラケットとも呼ばれており、回転軸6を支承するために軸受4A,4Bを収納している。さらに、ハウジング1の内周壁には固定子3が取付けられている。
【0004】
固定子3は、図19に示すように、珪素鋼板などからなる磁性材を複数枚積層して形成された固定子鉄心3Aと、この固定子鉄心3Aの内周部に複数個設けられたスロット3Cと、このスロット3C内に図20に示すように装着された固定子コイル3Bとを有して構成されている。
【0005】
一方、回転軸6において前記固定子3と対向する位置の外周には、回転子5が取付けられている。回転子5には図示していない二次導体バーと、エンドリング7と、このエンドリング7に突設された内部冷却扇(以下、内ファンと称す)8とを有している。この内ファン8は、エンドリング7の両端面に軸方向に一体に突設された複数の羽根ブレードからなり、電動機内部での空気の循環を図り、冷却作用が得られるようにしている。即ち、回転子5が回転軸6と共に回転すると、内ファン8の回転によって空気流が発生するが、その空気流は、回転子5,エンドリング7,固定子コイル3B及び固定子鉄心3Aの両端面を冷却しながら通過した後、ハウジング1に比して比較温度上昇の低いエンドブラケット2A,2Bの内面に沿って通過するときに放熱が得られるようにしている。
【0006】
この誘導電動機は、予め固定子3をハウジング1の内周壁に取付けておき、その後、回転軸6に取付けられている回転子5をその固定子3内に挿入し、次いで回転軸6の両端側をエンドブラケット2A,2Bの軸受4A,4Bに圧入するようにして、ハウジング1の両端にエンドブラケット2A,2Bを夫々インロー嵌合させ、これをボルト締めすることにより、ハウジング1に回転軸5,エンドブラケット2A,2Bを組み込む。
【0007】
前記回転軸6は、その一端側(図では右側)がエンドブラケット2Bの軸受4Bを挿通して外部に突出し、出力軸を構成しており、他端側(図では左側)がエンドブラケット2Aの軸受4Aから突出すると共に、その突出した部分に外部冷却扇(以下、外ファンと称す)9が取付けられている。
また、その外ファン9を覆うためのエンドカバー10がエンドブラケット2Aに取付けられている。このエンドカバー10は、一端が開口されると共に他端が密閉された椀型形状をなしており、外ファン9と対向する他端面に複数の通風口10aが設けられ、ボルトによりエンドブラケット2Aに取付けられている。そして、回転軸6と共に外ファン9が回転すると、外気がエンドカバー10の通風口10aから矢印イの如く吸い込まれ、吸い込まれた空気は、次の矢印の如く、エンドカバー10の開口端部とエンドブラケット2Aとの間の隙間部10bから放熱フィン1aに吹き出され、該放熱フィン1aを経てエンドブラケット2Bの外周に向かい、これにより、エンドブラケット2A,ハウジング1,エンドブラケット2Bの外部表面を通風して冷却作用を得るようにしている。図20において、符号3Dはスロットライナである。
【0008】
なお、この種の従来技術に関するものとして、例えば特開昭61−251440号公報等が挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般の回転電機にあっては、小形軽量化が常に大きな命題であり、このため、ハウジングとしてアルミニウムやアルミニウム合金等により形成することが知られている。即ち、回転電機の小形軽量化が要請された場合、ハウジングの材料として、軽くかつ熱伝導率のよいアルミニウムやアルミニウム合金材(比重は鋼の約1/3、ヤング率は約1/3、比熱は約2倍、熱伝導率は約3倍)などの非鉄金属を用い、回転電機の内部で発生する熱をハウジングに良好に伝達することにより冷却を改善し、これにより、ハウジング自体の軽量化と共に、回転電機全体としての小形軽量化を得ることができる。
【0010】
しかし、上記従来技術は、回転電機の軽量化についてはそれなりの成果を得ることができるものの、小形化に伴う特性の改善についてまでは十分な配慮がされているとは言えず、以下の問題があった。
【0011】
まず、回転電機を小形化すると、特性が従来より低下する傾向にあり、特に出力や停動トルク(最大トルク)が低下する問題がある。そして、これらの低下を防ぐため、固定子コイルの巻線を巻き戻し、磁束密度を上げようとすると、鉄損が大きくなり、力率や効率が悪くなるという問題があった。
【0012】
また、一般に回転電機を小形にする場合、固定子を小さくするのが効果的である。その場合、固定子外径を小さくして同一トルクを出力するためには、起磁力を同一にしなければならない。つまり、磁気装荷を変えることなく回転電機を構成する必要がある。これを言い換えると、固定子で発生する磁束量が減少することなく、しかも固定子の単位面積当たりの磁束量(以下、磁束密度と言う)を一定に保つことが重要となる。しかしながら、その状態では、磁束密度が小形化する前と同じでかつ固定子が小さくなっているので、磁束密度は以前より増加することとなり、そのため、磁束密度の飽和を招く結果、回転電機の特性に支障をきたす。
【0013】
そこで、固定子が小さくなっても、単位面積当たりの磁束密度が飽和しないよう、磁気装荷を変えることなく構成するには、固定子における磁路各部の面積を小形化する前と同等になるように確保する必要がある。その結果、固定子のスロット面積が減少するので、該スロットに固定子コイル3Bを収納することができなくなると言う問題があった。これは従来、固定子コイル3Bは、スロット3C内に開口溝から一本ずつ挿入していたので、スロット内では不規則な配列となり、そのため、コイルの収納割合がスロット容積に匹敵する程度にはならず、例えば容積比(以下、占積率と言う)では60%代にとどまり、コイル収納に限度があった。
【0014】
従って、さらなる小形化のため、上述の如くスロット面積が減少する場合、コイルの収納数が従来より減り、巻回数が減少することから、磁束密度がさらに増加してしまう結果、特性上支障が存在する問題があった。
【0015】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、小形軽量化しても、コイル占積率を確実に高めると共に、良好な特性を得ることが可能となる固定子を提供することにある。また、他の目的は、上記固定子を備えることにより、電動機特性が良好となる回転電機を提供することにあり、さらに他の目的は、上記固定子を確実に組み込み得る固定子の組込方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の固定子では、回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される複数個の固定子コイルとを有する固定子において、固定子鉄心は、内側に求心方向に突設された歯部と、該歯部の両側にスロット用の空間部の一部をなす切欠き部とを有し、かつ互いに環状に配列される鉄心片からなり、該各鉄心片を、所定間隔をおいて環状に配列保持された各固定子コイルに向かって移動した時点で、互いに隣接する各鉄心片の切欠き部に、固定子コイルを夫々収納し得るスロットを形成したことを特徴とするものである。
【0017】
また本発明方法では、予め、内側に求心方向に突設された歯部,該歯部の両側にスロット用の空間部の一部をなす切欠き部を夫々有し、かつ互いに環状に配列される部材を所定枚数軸方向に積層して積層部材を複数組形成しておくと共に、複数個の固定子コイルを成形しておく工程と、複数個の固定子コイルを所定位置に環状に配列保持する工程と、該工程後、前記各々の積層部材を外方から固定子コイル方向に移動させ、積層部材の歯部が固定子コイル間に位置決めされた時点で、積層部材の切欠き部と隣接する積層部材の切欠き部との間に固定子コイルを収納する工程とを有することを特徴とするものである。
【0018】
【作用】
本発明の固定子では、上述の如く、固定子鉄心が、内側に求心方向に突設された歯部と該歯部の両側にスロット用の空間部の一部をなす切欠き部とを有し、かつ互いに環状に配列される複数の鉄心片からなり、該各鉄心片を、所定間隔をおいて環状に配列保持された各固定子コイルに向かって移動した時点で、互いに隣接する各鉄心片の切欠き部に、固定子コイルを夫々収納し得るスロットを形成しているので、各鉄心片を固定子コイルに移動することにより、鉄心片の切欠き部とこれに隣接する鉄心片の切欠き部とでスロットを形成すると共に、その形成されたスロット内に固定子コイルが収納された形態となる。
【0019】
そのため、従来技術のように、固定子コイルをスロット内に圧入することが不要になるので、スロット内において固定子コイルの導体を多数本にわたり収納させることができる。しかも、各鉄心片を移動すれば、固定子を形成できるので、多数本の導体からなる固定子コイルをスロットに圧入する従来技術に比較すると、固定子コイルの収納を極めて容易に行うことができる。
従って、スロットの面積が小形化しているにも拘わらず、スロット内におけるコイル占積率を確実に高めることができる。
【0020】
また本発明の回転電機では、上述の如き固定子鉄心を備え、該固定子鉄心により、スロット内におけるコイル占積率を高めることができるので、固定子外径を小さくすると共に、スロット容積が小さくなっても、回転電機の磁気装荷を変えることが不要になり、従って、小形軽量化するにも拘わらず、力率や効率等が低下することがなく、電気特性の良好な回転電機を得ることができる。
【0021】
また、本発明方法では、上述の如く、予め、内側に求心方向に突設された歯部,該歯部の両側にスロット用の空間部の一部をなす切欠き部を夫々有し、かつ互いに環状に配列される部材を所定枚数軸方向に積層して積層部材を複数組形成しておくと共に、複数個の固定子コイルを成形しておく工程と、複数個の固定子コイルを所定位置に環状に配列保持する工程と、該工程後、前記各々の積層部材を外方から固定子コイル方向に移動させ、積層部材の歯部が固定子コイル間に位置決めされた時点で、積層部材の切欠き部と隣接する積層部材の切欠き部との間に固定子コイルを収納する工程とを有して構成したので、上記固定子を確実に組込むことができる効果がある。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1乃至図16により説明する。図1乃至図10は本発明による固定子を誘導電動機に適用した一実施例を示している。
【0023】
図1に示す誘導電動機は、ハウジング1の内周壁に固定子3が取付けられ、該固定子3は、珪素鋼板などの磁性材を軸方向に所定枚数積層されることによって形成された固定子鉄心3Aと、固定子鉄心3Aのスロット3C内に収納された固定子コイル3Bとを有している。
【0024】
この固定子鉄心3Aは、図2乃至図4に示すように、鉄心片31と、棒状鉄心片32との二種類が分割形成され、これらが交互に環状に配置されることにより、固定子鉄心3Aを構成している。複数個の各鉄心片31は、背部31aと、該背部31aの内側中央部に求心方向に沿って突設された歯部31bとからなるT字状に形成されている。
【0025】
具体的に述べると、鉄心片31は、図3に示すように、背部31aと、該背部31aの内側中央部に求心方向に沿って突設された歯部31bと、歯部31bにおける周方向の両側に切欠いて形成され、かつスロット3C用の空間部を形成する切欠き部31cとを有してほぼT字状に形成されている。そして、この鉄心片31を軸方向に所定枚数積層することにより、図2,図9に示す如き積層鉄心片310が形成される。
また、鉄心片31の背部31aには図3に示すように、両側部に棒状鉄心片32と係合し得る突起31dが形成され、しかも両側部において突起31dより外周側となる上部には面取り31eが設けられている。
【0026】
棒状鉄心片32は、図4に示すように、鉄心片31の背部31aと同様の長さで、かつ鉄心片31の31bの幅と同一幅をなす背部32aと、該背部32aの内側にこれとほぼ同様の幅をもって求心方向に真直に延長形成され、かつ先端に幅方向に突出する舌片32cを設けた歯部32bとを有して形成されている。また、前記背部32aの両側部には、鉄心片31の背部31aの突起31dと係合し得る凹溝32dが形成され、しかもその両側部において凹溝32dより外周側となる上部には鉄心片31と同様に面取り32eが設けられている。
そして、この棒状鉄心片32も軸方向に所定枚数積層することにより、図2,図9に示す如き積層棒状鉄心片320が形成される。
【0027】
この積層棒状鉄心片320は、積層鉄心片310の両側に対し、固定子3の中心側から外方に挿入したとき、各棒状鉄心片32の凹溝32dに鉄心片31の突起32dが係合することによって互いに組み付けられ、しかもその状態のとき、積層棒状鉄心片320の歯部32bと積層鉄心片310の歯部31bとによってスロット3Cを画成するようにしている。
【0028】
従って、各鉄心片31における背部31aの周方向の板幅は、棒状鉄心片32が挿入係合されたとき、スロット3Cの空間部とこれに隣接する歯部31bとこれに隣接するスロット3Cの空間部とを形成し得る寸法をなしている。
【0029】
固定子コイル3Bは、予め、スロット3C内に収納し得る形状となるように成形されている。即ち、固定子コイル3Bは、図6に示すように、複数本の導線33がトロイダル状に巻線され、そのうち、図7に示すように、導線33の両側部33a,33bがスロット3Cに挿入される部分をなし、両側部33a,33bと連結される上部33c及び下部33dが、固定子3の外径側に位置するように折り曲げられ、コイルエンド部をなしている。コイルエンド部33c,33dは、固定子コイル3Bが固定子鉄心3Aのスロット3Cに挿入されたとき、図5に示すように、固定子鉄心3Aの軸方向の上部,下部に露出することとなる。
【0030】
また、固定子コイル3Bの両側部33a,33bは上述の如くスロット3C内に挿入される部分であって、スロット3Cが固定子3において放射状に配置されることから、図8に示す矢印の順序で折り曲げられ、最終的にスロット3Cの角度位置に応じた角度に成形される。
【0031】
その際、固定子コイル3Bのコイルエンド部33c,33dは図8にて実線にて示すように、適度の半径Rをもつ曲線状に成形してもよいが、スロットに挿入されたとき、隣りのスロットに挿入された固定子コイルのコイルエンド部と干渉するのを避けるため、同図鎖線にて示す形状に成形する方が好ましい。
【0032】
この固定子コイル3Bは、断面丸形状の導体を用いても良いが、例えば図10に示すように、ほぼ矩形断面を有する導体33を用い、その導体33を、長辺部分がスロット3Cの内壁の長手方向に沿うと共に、短辺部分がスロット3Cの内壁の短手方向に沿うように配置し、これによって各導体間に存在する空間を極小化すると共に、各導体33とスロット内壁との間の空間をも極小化することにより、電流密度を上げるのが望ましい。図10において、符号34はスロットライナであり、固定子コイル3Bが成形されたときに装着される。
【0033】
なお図1において、図18に示す従来例と同一符号のものは夫々同じものを表しているので、ここではその説明を省略する。
【0034】
実施例の固定子3は、上記の如く構成されているので、次に、その作用に関連して固定子の組込方法の一実施例について述べる。
上述の如き、固定子3は、以下のようにして組込むことができる。まず、固定子3の組込に際しては、予め成形された所定個数の固定子コイル3Bを、図示しない治具により所定の角度で所定の位置に環状に配列保持し、その固定子コイル3Bに対し、予め鉄心片31が積層されている積層鉄心片310を外周方向から図示しないインデックス等の移動手段によって移動させ、積層鉄心片310の歯部31b両側の切欠き部31cに固定子コイル3Bを位置決めした後、積層棒状鉄心片320を、固定子コイル3B,積層鉄心片310双方の内方から図示しない移動手段により径方向に沿って移動させ、積層鉄心片310間に挿入係合すると、積層鉄心片310の歯部31bと積層棒状鉄心片320の歯部32bとで画成されるスロット3C内に固定子コイル3Bを収納することができる。従って、予め成形した固定子コイル3Bを、分割形成した鉄心片31と棒状鉄心片32とを組付けるだけで、スロット3Cに収納できるので、固定子コイル3Bの収納を的確に行うことができる。
【0035】
実施例の固定子3は、上述の如く、固定子鉄心3Aが、環状に間欠的に配列される鉄心片31と、該鉄心片31間に配置される棒状鉄心片32との二種類を有し、しかも鉄心片31が、周方向に適宜の幅を有する背部31a,該背部31aの内側の中央部に求心方向に突出する歯部31b,該歯部31bの両側に設けられたスロット用の切欠き部31cを夫々設けたT字状をなす一方、棒状鉄心片32が、内側に鉄心片31の歯部31bとほぼ同様の歯部32bを有する棒状をなし、その各棒状鉄心片32が各鉄心片31間に径方向に沿って挿入し、かつ係合された時点で、棒状鉄心片32の歯部32bと鉄心片31の歯部31bとの間に固定子コイル3Bを収納し得るスロット3Cを形成するので、切欠き部31cに配置された鉄心片31間に対し、棒状鉄心片32を固定子3の中心側から径方向に移動して挿入係合すれば、スロット3C内に固定子コイル3Bが収納された形態となる。
【0036】
そのため、従来技術のように、固定子コイル3bをスロット内に圧入することが不要になるので、スロット内において固定子コイル3Bの導体33を多数本にわたり収納させることができる。しかも、鉄心片31間に対し、棒状鉄心片32を固定子3の中心側から径方向に移動して挿入すれば固定子3を形成できるので、多数本の導体からなる固定子コイルをスロットに圧入する従来技術に比較すると、固定子コイル3Bの収納を極めて容易に行うことができる。
従って、スロット3Cの面積が小形化しているにも拘わらず、スロット内におけるコイル占積率を確実に高めることができる。
【0037】
また、従来技術では、固定子鉄心の内周に僅かな幅の溝を設けてスロット3C内にコイルを導き、収納することから、該溝幅は1本のコイルの径寸法により支配されており、そのため、回転電機の特性を改良するため、溝幅を任意に選定することに制限されていた。しかし、上述の如く、鉄心片31に棒状鉄心片32を挿入係合すれば固定子コイル3Bを収納できるので、従来技術のように溝幅に制限されることがなくなり、回転電機の設計の裕度が大きくなり、最適を設計することが可能となる。
【0038】
さらに、棒状鉄心片32の歯部32bの先端には舌片32cが形成され、該舌片32cによりスロット3Cの幅より狭い開口部を形成しているので、固定子コイル3Bの導体がスロット3C内から外部に出るおそれが全くないばかりでなく、舌片32cと周方向に隣列する鉄心片31の歯部31bとの間のギャップを小さくできるので、回転軸6と共に回転子5が回転したときに発生する騒音を低減することもできる。
【0039】
そしてさらに、実施例では、固定子鉄心3Aが上述の如く、鉄心片31と棒状鉄心片32との二種類で構成すると、固定子鉄心3Aとしての歩留まりを極めて向上させることができる。即ち、鉄心片31をT字状に形成する場合、図11(a)に示すように、その素材301からプレス加工により、鉄心片31を互い違いにくり抜いて成形でき、また棒状鉄心片32を形成する場合、同図(b)に示すように、その素材302からプレス加工により、棒状鉄心片32も同様に互い違いにくり抜き成形できるので、双方の素材301,302の不要な部分が少量となる。
その点、従来技術では、図19に示すように、固定子鉄心3Aとして、そのまま一枚にくり抜いた板で構成すると、素材そのものからして大型のものが必要となるばかりでなく、素材からスロット3C及びそれより内側の空間部分をも不要になり、素材の不要な部分が多量となるので、材料の使用量がかさみ、コスト高となっていた。従って、実施例では、素材301,302の不要部分が少量となりり、大幅に少なくできる結果、歩留まりを極めて向上させることができる。
【0040】
なお図示実施例では、固定子コイル3Bの導体として、断面矩形状のものを用い、この矩形状の導体がスロット3Cに対し、導体の長辺部がスロット3Cの長手方向に沿って配置されているので、スロット3C内において導体を除く空間部の面積を極力小さくすることができ、そのため、スロット3C内の面積が減少しても、固定子コイル3Bとしての電流密度を上げることができ、固定子内の磁束密度が増加するのをより確実に防止することができる。
【0041】
また図示実施例では、鉄心片31,棒状鉄心片32の両側部の外周側である上部に図3,図4の如き面取り31e,32eが設けられ、これら面取り31e,32eの箇所に接着剤や溶接などを用いることにより、双方の鉄心片31及び32を互いに堅牢に固着することができる。
【0042】
図12乃至図17は固定子の他の実施例を夫々示している。
図12及び図13に示す第二の実施例においては、固定子鉄心3Aとして、互いに同一形状に形成され、しかも環状に複数配列されたとき、隣接する二つのものにより、スロット3Cを形成することができるよう、単一種類の鉄心片35で形成されている。
【0043】
詳しく述べると、この各鉄心片35は、背部35aと、その内側中央部に求心方向に突設された歯部35bとを有し、歯部の両側がスロット3Cの空間を半分割した形状の切欠き部35cを形成している。そして、この鉄心片35を軸方向に所定枚数積層して積層鉄心片が形成され、この積層鉄心片の各々が、所定間隔をもって環状に配列保持された固定子コイル3Bに対し、図13に示す矢印の如く外方から求心方向に移動すると、積層鉄心片とこれと隣り合う積層鉄心片とでスロット3Cを形成すると共に、該スロット3C内に固定子コイル3Bを収納するようにしている。
また、この実施例において、固定子3の組込に際しては、各鉄心片35を、所定間隔をおいて環状に配列保持された各固定子コイル3Bに向かって移動し、鉄心片35の歯部35bが各固定子コイル3B間に挿入されると共に、隣り合う鉄心片35と接すると、互いに隣接する各鉄心片35の切欠き部35cに、固定子コイル3Bを夫々収納し得るスロット3Cを形成することができる。従って、各鉄心片35を固定子コイル3Bに移動することにより、鉄心片35の切欠き部35cとこれに隣接する鉄心片35の切欠き部35cとでスロット3Cを形成すると共に、その形成されたスロット3Cに固定子コイル3Bが収納された形態となる。
【0044】
そのため、従来技術のように、固定子コイル3Bをスロット3C内に圧入することが不要になるので、スロット3C内において固定子コイル3Bの導体33を多数本にわたり収納させることができる。しかも、各鉄心片35を移動すれば、固定子3Aを形成できるので、前記第一の実施例と同様に、固定子コイルの収納を極めて容易に行うことができる。また、この実施例によれば、固定子鉄心3Aを構成する鉄心片35が一種類の形状であり、しかも鉄心片35のみを移動するだけでスロット3Cを形成すると共に、該スロット3C内に固定子コイル3Bを収納するので、前記第一の実施例に比較し、鉄心片35の製作がそれだけ容易となる。
【0045】
図14及び図15に示す第三の実施例では、上述した第二の実施例の鉄心片35を、例えば3枚連結させた形状に形成したものである。即ち、この実施例の鉄心片36は、その内側に、三個の歯部36bが間欠的に設けられると共に、各歯部36b間に二個のスロット3Cが形成され、しかも、最も外側に位置する二個の歯部36bの外側に、スロット3Cを半分割した形状の切欠き部36cが形成されている。
【0046】
この実施例では、固定子コイル3Bの収納に際し、環状に配列保持された固定子コイル3Bに対し、鉄心片36を外方から求心方向に移動すると、各歯部36b間のスロット3Cに固定子コイル3Bを収納することができ、しかも一方の鉄心片36の切欠き部36cとこれと隣り合う他方の鉄心片36の切欠き部36cとにより、第二の実施例と同様にスロット3Cを形成すると共に、固定子コイル3Bを収納することができる。
【0047】
従って、この実施例によれば、基本的には第二の実施例とほぼ同様の効果を得ることができるのに加え、一種類の鉄心片36が三個の歯部36bを有する幅広に形成されているので、各鉄心片36の移動数が少なく済むこととなり、固定子3としての製作が容易となる。
【0048】
図16及び図17に示す実施例は、前記第一の実施例を応用している。
即ち、図16に示す第四の実施例では、環状に配列される複数の鉄心片37と、隣り合う鉄心片37間に挿入され、鉄心片37の歯部37bとの間でスロット3Cを形成する棒状鉄心片38との二種類に分割形成されている。
鉄心片37は、背部37aと、その内側中央部に突設され、スロット用の切欠き37cを設けた歯部37bとを有する他、背部37aの両側に棒状鉄心片38と係合し得る係合切欠き37dを有している。一方、棒状鉄心片38は、若干の長さを有する背部38aに延長形成された歯部38bを有すると共に、該歯部38bの先端に舌片38cを有して形成されている。
【0049】
そして、環状に配列された鉄心片37において、互いに隣り合う双方の鉄心片37の係合切欠き37dに棒状鉄心片38の背部38aを挿入し、かつ係合させると、各棒状鉄心片38の歯部38bと各鉄心片37の歯部37bとの間でスロット3Cを形成し得るようにしている。従って、棒状鉄心片38の背部は、鉄心片37に挿入されたとき、該鉄心片37の背部37aに係合し得るように形成されている。
【0050】
この実施例によれば、基本的には前記第一の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0051】
図17に示す実施例は、環状に形成された鉄心片39と、その鉄心片39の所定位置に夫々挿入係合された棒状鉄心38′とを有して構成されている。即ち、鉄心片39は、環状に形成された背部39aと、これに等間隔を隔てて求心方向に突設された歯部39bを有し、また背部39aにおいて棒状鉄心片38′を挿入係合するための係合溝32cが形成されている。係合溝32eは、棒状鉄心片38′との係合強度を上げるため、棒状鉄心片38′より僅かに広く切り欠かれている。棒状鉄心片38′は、図16に示す実施例のものとほぼ同様の形状であるので、その説明を省略する。
【0052】
そして、環状の鉄心片39の係合溝32cに対し、棒状鉄心片38′の背部を挿入し、かつ係合することにより、棒状鉄心片38′の歯部38bと鉄心片39の各歯部39bとの間でスロット3Cが形成される。
【0053】
従って、この実施例では、鉄心片39が環状に形成されているので、図15に示す実施例に比較すると、鉄心片を互いに組み込むことが不要になるばかりでなく、鉄心片を外方から移動させることも不要になり、環状に配列保持された固定子コイル3Bと鉄心片39との相対的な位置決めをすればよいので、固定子3の組込がそれだけ容易となる。
【0054】
なお、図16及び図17に示す実施例において、棒状鉄心片38・38′と鉄心片37・39との係合は、一枚の薄板の場合でも係合するが、棒状鉄心片38・38′,鉄心片37・39の各々が所定枚数積層されることによって各組の積層棒状鉄心片,積層鉄心片を予め形成しておき、その積層鉄心片に対し、積層棒状鉄心片を挿入すると、互いの係合が的確に行われるので、積層状態で挿入されるのが望ましい。この点は図12乃至図15に示す実施例も同様である。
【0055】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1によれば、鉄心片を移動するだけで該鉄心片の切欠き部に、固定子コイルを夫々収納し得るスロットを形成するように構成したので、従来技術のように、固定子コイルをスロット内に圧入することが不要になり、スロット内において固定子コイルの導体を多数本にわたり収納させることができ、しかも、各鉄心片を移動すれば、固定子を形成できることにより、固定子コイルの収納を極めて容易に行うことができる結果、スロットの面積が小形化しているにも拘わらず、スロット内におけるコイル占積率を確実に高めることができる。
【0056】
また請求項2〜6によれば、固定子鉄心が鉄心片とこれに挿入係合される棒状鉄心片とを有し、しかも鉄心片間に対し、棒状鉄心片を固定子の中心側から径方向に移動して挿入すれば固定子を形成できるので、多数本の導体からなる固定子コイルをスロットにいちいち圧入する従来技術に比較すると、固定子コイルの収納を極めて容易に行うことができる結果、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0057】
さらに、請求項7によれば、固定子コイルが断面ほぼ矩形状の導体からなり、各導体が各鉄心片の歯部と各棒状鉄心片の歯部とで形成されるスロットに対し、導体の長辺部分がスロットの長手方向に沿って配置し、スロット内において導体を除く空間部の面積を極力小さくすることができるように構成したので、スロット内の面積が減少しても、固定子コイルとしての電流密度を上げることができる結果、固定子内の磁束密度が増加するのをより確実に防止することができる効果がある。
【0058】
そして、請求項8及び9によれば、固定子鉄心により、スロット内におけるコイル占積率を高めることができるので、固定子外径を小さくすると共に、スロット容積が小さくなっても、回転電機の磁気装荷を変えることが不要になる結果、小形軽量化するにも拘わらず、力率や効率等が低下することがなく、電気特性の良好な回転電機を得ることができる効果がある。
【0059】
また、請求項10及び11によれば、上記固定子を確実に組込むことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固定子を誘導電動機に適用した全体説明図。
【図2】本発明による固定子の第一の実施例を示す説明図。
【図3】固定子鉄心を構成する鉄心片を示す拡大正面図。
【図4】固定子鉄心を構成する棒状鉄心片を示す拡大正面図。
【図5】固定子鉄心に固定子コイルを組み込んだ状態を示す説明用斜視図。
【図6】固定子コイルの巻線状態を示す説明図。
【図7】固定子コイルにおけるコイルエンド部の成形状態を示す説明用斜視図。
【図8】固定子コイルにおけるスロット挿入部分の成形状態を示す説明図。
【図9】積層鉄心片と積層棒状鉄心片と固定子コイルとの組込状態を示す破断説明図。
【図10】スロット内における固定子コイルを示す説明用拡大図。
【図11】素材から鉄心片を打ち抜く説明図(a)及び素材から棒状鉄心片を打ち抜く説明図(b)。
【図12】本発明による固定子の第二の実施例を示す説明図。
【図13】固定子の組込状態を示す要部の拡大説明図。
【図14】本発明による固定子の第三の実施例を示す説明図。
【図15】固定子の組込状態を示す要部の拡大説明図。
【図16】本発明による固定子の第四の実施例を示す説明図。
【図17】本発明による固定子の他の実施例を示す説明図。
【図18】従来の回転電機の一構成例を示す全体説明図。
【図19】従来の固定子鉄心を示す説明図。
【図20】固定子鉄心のスロット内に挿入された固定子コイルを示す拡大説明図。
【符号の説明】
1…ハウジング、3…固定子、3A…固定子鉄心、3B…固定子コイル、3C…スロット、31,37,39…鉄心片、31a,37a,39a…背部、31b,37b,39b…歯部、31c,37c,39c…スロット用の切欠き部、32,38,38′…棒状鉄心片、32a,38a…背部、32b,38b…歯部、32c,38c…舌片、35,36…鉄心片、35a,36a…背部、35b,36b…歯部、35c,36c…スロット用の切欠き部、33…固定子コイルの導体。

Claims (11)

  1. 回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される複数個の固定子コイルとを有する固定子において、
    固定子鉄心は、内側に求心方向に突設された歯部と、該歯部の両側にスロット用の空間部の一部をなす切欠き部とを有し、かつ互いに環状に配列される複数の鉄心片からなり、該各鉄心片を、所定間隔をおいて環状に配列保持された各固定子コイル間に向かって移動したとき、互いに隣接する各鉄心片の切欠き部に、固定子コイルを夫々収納し得るスロットを形成したことを特徴とする固定子。
  2. 回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される固定子コイルとを有する固定子において、
    固定子鉄心は、環状に間欠的に配列される鉄心片と、該鉄心片間に配置される棒状鉄心片との二種類を有し、鉄心片は、周方向に適宜の幅を有する背部,該背部の内側の中央部に求心方向に突出する歯部と該歯部の両側に設けられたスロット用の空間部をなす切欠き部とを設け、棒状鉄心片は、内側に鉄心片の歯部とほぼ同様の歯部を有する棒状をなし、各鉄心片間に径方向に沿って挿入されたとき、棒状鉄心片の歯部と鉄心片の歯部との間に固定子コイルを収納し得るスロットを形成することを特徴とする固定子。
  3. 回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される固定子コイルとを有する固定子において、
    固定子鉄心は、環状に間欠的に配列される鉄心片と、該鉄心片間に配置される棒状鉄心片との二種類を有し、鉄心片は、周方向に適宜の幅を有する背部と、該背部の内側の中央部に求心方向に突出する歯部と、該歯部の両側に設けられたスロット用の空間部をなす切欠き部とを夫々有し、棒状鉄心片は、内側に鉄心片の歯部とほぼ同様の歯部を有すると共に、該歯部の先端にスロット開口部を形成する舌片を有する棒状をなし、各鉄心片間に径方向に沿って挿入されたとき、棒状鉄心片の歯部と鉄心片の歯部との間に固定子コイルを収納し得るスロットを形成することを特徴とする固定子。
  4. 回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される固定子コイルとを有する固定子において、
    固定子鉄心は、環状に形成された鉄心片と、該鉄心片に各々挿入係合される複数の棒状鉄心片との二種類を有し、環状の鉄心片は、環状の背部に棒状鉄心を係合し得る係合溝を有すると共に、その背部の内周に等間隔を隔てて求心方向に突設された複数の歯部を有し、棒状鉄心は、一端部が係合溝に係合し得る形状をなすと共に、他端に前記鉄心片の歯部とほぼ同様の歯部を有する棒状をなし、前記鉄心片の係合溝に、棒状鉄心片の一端部を挿入しかつ係合したとき、鉄心片の歯部と棒状鉄心片の歯部との間に、固定子コイルを収納し得るスロットを周方向に形成することを特徴とする固定子。
  5. 回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される複数個の固定子コイルとを有する固定子において、
    固定子鉄心は、夫々が前記薄板を所定枚数積層して形成され、かつ内側に求心方向に突設された歯部と、該歯部の両側にスロット用の空間部の一部をなす切欠き部とを有し、互いに環状に配列される積層鉄心片からなり、該各積層鉄心片を、所定間隔をおいて環状に配列保持された各固定子コイル間に向かって移動したとき、互いに隣接する各部材の切欠き部に、固定子コイルを夫々収納し得るスロットを形成したことを特徴とする固定子。
  6. 回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される固定子コイルとを有する固定子において、
    固定子鉄心は、夫々が前記薄板を所定枚数積層して形成され、かつ環状に間欠的に配列される複数組の積層鉄心片と、夫々が前記薄板を所定枚数積層して形成され、かつ各組の積層鉄心片間に配置される複数組の積層棒状鉄心片との二種類を有し、各組の積層鉄心片は、周方向に適宜の幅を有する背部,該背部の内側の中央部に求心方向に突出する歯部と該歯部の両側に設けられたスロット用の空間部をなす切欠き部とを設け、各組の積層棒状鉄心片は、内側に積層鉄心片の歯部とほぼ同様の歯部を有する棒状をなし、各積層鉄心片間に径方向に沿って挿入されたとき、積層棒状鉄心片の歯部と積層鉄心片の歯部との間に固定子コイルを収納し得るスロットを形成することを特徴とする固定子。
  7. 前記固定子コイルは、断面ほぼ矩形状の導体からなり、各導体が前記各鉄心片の歯部と前記各棒状鉄心片の歯部とで形成されるスロット内に対し、導体の長辺部分がスロットの長手方向に沿って配置していることを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第6項の何れか一項に記載の固定子。
  8. ハウジングと、該ハウジングの内周壁に取付けられ、かつ磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心,該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される固定子コイルを夫々有する固定子とを有する回転電機において、
    前記固定子鉄心は、スロット用の空間部の一部をなす切欠き部を有し、かつ互いに環状に配列される複数の鉄心片からなり、該各鉄心片を、所定間隔をおいて環状に配列保持された各固定子に向かって移動したとき、互いに隣接する各部材の切欠き部に固定子コイルを夫々収納し得るように構成したことを特徴とする回転電機。
  9. ハウジングと、該ハウジングの内周壁に取付けられ、かつ磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心,該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される固定子コイルを夫々有する固定子とを有する回転電機において、
    固定子の固定子鉄心は、環状に間欠的に配列される鉄心片と、該鉄心片間に配置される棒状鉄心片との二種類を有し、鉄心片は、周方向に適宜の幅を有する背部,該背部の内側の中央部に求心方向に突出する歯部と該歯部の両側に設けられたスロット用の空間部をなす切欠き部とを設け、棒状鉄心片は、内側に鉄心片の歯部とほぼ同様の歯部を有する棒状をなし、各鉄心片間に径方向に沿って挿入されたとき、棒状鉄心片の歯部と鉄心片の歯部との間に固定子コイルを収納し得るスロットを形成することを特徴とする回転電機。
  10. 回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される複数個の固定子コイルとを有する固定子において、
    予め、内側に求心方向に突設された歯部,該歯部の両側にスロット用の空間部の一部をなす切欠き部を夫々有し、かつ互いに環状に配列される部材を所定枚数軸方向に積層して積層部材を複数組形成しておくと共に、複数個の固定子コイルを成形しておく工程と、複数個の固定子コイルを所定位置に環状に配列保持する工程と、該工程後、前記各々の積層部材を外方から固定子コイル方向に移動させ、積層部材の歯部が固定子コイル間に位置決めされた時点で、積層部材の切欠き部と隣接する積層部材の切欠き部との間に固定子コイルを収納する工程とを有することを特徴とする固定子の組込方法。
  11. 回転電機のハウジングの内周壁に取付けられ、磁性材からなる薄板を所定枚数積層して形成される固定子鉄心と、該固定子鉄心の内周部の各スロットに収納される固定子コイルとを有する固定子において、
    予め、各固定子コイルを夫々成形しておく一方、環状に間欠的に配列される形状をなし、かつ周方向に適宜の幅を有する背部,該背部の内側の中央部に求心方向に突出する歯部,該歯部の両側に設けられたスロット用の空間部をなす切欠き部を有する鉄心片を所定枚数軸方向に積層して積層鉄心片を形成すると共に、内側に鉄心片の歯部とほぼ同様の歯部を有する棒状をなし、鉄心片間に配置される棒状鉄心片を所定枚数軸方向に積層して積層棒状鉄心片を形成しておく工程と、各固定子コイルを所定位置に環状に配列保持する工程と、該工程後、各積層鉄心片を各固定子コイルに外方から移動させ、各積層鉄心片の歯部が固定子コイル間に位置決めされた後、各積層棒状鉄心片を各固定子コイルの内方から径方向に移動し、各積層棒状鉄心片が積層鉄心片間に挿入係合したとき、各積層棒状鉄心片の歯部と各積層鉄心片の歯部との間にスロットを形成すると共に、該スロットに固定子コイルを収納する工程とを有することを特徴とする固定子の組込方法。
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