JP3558530B2 - 情報記録用基板の成形方法及び成形型 - Google Patents

情報記録用基板の成形方法及び成形型 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は情報記録用基板の成形方法及び成形型に関し、特に光ディスク、光磁気ディスク等の光記録媒体となる基板を射出成形により成形する方法とその方法に使用される成形型の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
大容量の画像、CADデータ、音声などのデジタルデータを記録可能な情報記録媒体として光ディスク、光磁気ディスク等が普及している。これらの光記録媒体は、通常、円盤状で、その中心に記録及び/または再生装置等において位置決め・保持されるためのチャッキング孔を有する、光学的に透明な樹脂の成形基板からなる。
【0003】
チャッキング孔の外周には同心円状の信号領域が形成される。信号領域は、基板表面の凹凸パターン面と、凹凸パターン面の裏側に位置し、記録及び/または再生装置から照射されたレーザ光を凹凸パターンに向けて基板の内部を透過させる鏡面からなる。信号領域は、まず射出成形機によってピット(穴)及びグルーブ(溝)からなる凹凸パターンが基板成形時に転写原盤(スタンパ)により同時に成形され、次に凹凸パターン面には反射膜または記録層、誘電体層、反射層からなる記録膜及び保護膜の形成、紫外線硬化が施される。
【0004】
基板は、ポリカーボネイト樹脂等の透明な樹脂を材料として射出成形法により、特に、反り・変形が小さく、寸法精度を要求される製品に適した射出圧縮成形法により製造される。
【0005】
射出圧縮成形法により基板を製造する従来の手順を図11を参照しながら説明する。なお、図11に示された金型100の位置は、後述する型開き、離型工程に相当する。ここで使用される金型100は、図示しない固定ダイプレート及び可動ダイプレートにそれぞれ取り付けられた1対の固定型110及び可動型120からなり、固定型110の略中心部には、溶融樹脂を供給するシリンダーに接続されたゲート部111と、ゲート部111の開口縁部に形成された固定ゲートシール部材114とが形成されている。
【0006】
まず、固定型110の成形面112に、転写原盤であるスタンパ130が取り付けられる。スタンパ130の情報である凹凸パターンは転写されて基板上にピット及び/またはグルーブ等からなる信号記録部を形成する。
なお、信号記録部に情報として形成される凹凸パターンに関する寸法は、1ミクロン前後のオーダーであり、情報量を増大させる要請から、これら寸法は、サブミクロンのオーダーへと移行している。したがって、スタンパ130の情報の転写が不充分であれば、信号記録部から正確な再生信号が得られないことになる。
【0007】
次に固定型110と可動型120との間に圧縮代を残すか、または、樹脂の充填圧力によって容易に圧縮代分だけ型開きするような弱い型締め力によって可動型120を型締し、溶融樹脂をキャビティ内に射出充填し、可動ゲートシール部材123によってゲート部114を遮断する(型締、射出工程)。次にキャビティ内の樹脂を圧縮して賦形し、その後、圧縮力を調整しながら、継続して圧縮を行い、図示しない冷却水流により冷却する(圧縮、冷却工程)。
【0008】
次に型締力を解放し、可動型120を型開きすると同時に、離型のための圧縮空気を金型の間隙に設けられた吹き出し口(図示せず)から成形された基板140の両面に吹き付け、この基板140を可動型120及び固定型110から浮かせた後、突き出し部材121の移動により離型する(型開き、離型工程)。
型開きの際、成形された基板140は、その中心部に形成されたチャッキング孔140aの内周部分が、可動型120の可動ゲートシール部材123に食い付くように保持され、凹凸パターンが転写された部位がスタンパ130から離れ、外周部分が固定型110のキャビティリング113の内周部分に食い付くことで、成形基板140は可動側成形面(鏡面)から離れることが多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した型開き、離型工程において、スタンパ130から離型した成形基板140が再度、スタンパ130に接触し、スタンパ130の情報の二重転写(ゴーストピット)が発生するという問題がある。これは、型開きの開始から離型の終了までの成形基板140の保持が、可動型120側の可動ゲートシール部材123への食い付きに大きく依存していることに起因する。
【0010】
例えば、90mm型光磁気ディスクの場合、成形された外径約86mmの基板140は、内径約15mmのチャッキング孔140aの内周部分で保持され、型開きの開始により可動側の成形面124を離れる。型開きの進行とともに、基板140は、チャッキング孔140aの開口縁部から弾性変形する(図11の基板の状態)。この弾性変形は、基板140が湾曲しスタンパ130に向かって腹を突き出した形、すなわち、凹凸パターンが転写された面をスタンパ130に向って凸状に湾曲される形で行われる。さらに可動型120が固定型110から遠ざかると、基板140の外周部分がキャビティリング113から外れる。さらに、突き出し部材121の移動により基板140のチャッキング孔140aの開口縁部が可動ゲートシール部材123から外れて離型が終了する。
【0011】
上記した型開きの際、特に基板140がスタンパ130側に凸状に突出した形状で離型している場合、離型途中、あるいは基板140の外周部分がキャビティリング113から外れるとき、基板140は曲げ応力から開放されてその反力でスタンパ130に再度、接近する場合がある。
そこで、型開き開始以前から離型に至るまでの間に所定のタイミングで、固定型110に設けた吹き出し口から圧縮空気を成形基板140に向けて吹き付けて成形基板140を可動型120に密着保持させ、それによって成形基板140が再度、スタンパ130に接触しないような手法も用いられている。
しかし、圧縮空気の吹き付けが強すぎたり、吹き付けのタイミングがずれたりすると、可動型120に対する成形基板140の密着保持性が不安定になって成形基板140の成形歪みが生じ易く、特に、密着性が強すぎる場合には成形基板140に離型ムラ(光学ムラ)が生じる。
【0012】
この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、凹凸パターンを転写された情報記録用基板を離型するに際して、基板上の凹凸パターンが再度転写原盤に接触するのを阻止することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、型成形される情報記録用基板の信号領域に凹凸パターンを転写する転写原盤を、1対の対向する成形面を有する基板成形型の一方の成形面(A)に付し、次いで基板成形型を閉じ、基板成形型の内部に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を充填し、溶融樹脂の冷却固化後、型を開いて凹凸パターンが転写された基板を離型する工程を含む情報記録用基板の成形方法において、
基板成形型は、ブッシュと、このブッシュの外周側に接しブッシュの成形面より段差をもってキャビティ側に突出し、基板の非信号領域を成形するための他方の成形面(B)を有する鏡面リングと、ブッシュの内周側に設けられたシール部材とを備え、かつ鏡面リングにはその段差部分の内周端部に刻まれたノッチを有し、
このノッチは、ノッチ内部で冷却固化した樹脂がノッチに係合する係合部を基板上に成形し、型開きから離型の間において、基板成形型の一方の成形面(A)側に設けられたキャビティリングにて基板の外周端部を、基板成形型の他方の成形面(B)側に設けられたシール部材にて基板の中心部に形成されるチャッキング孔の内周端部をそれぞれ保持し、ノッチにて基板の非信号領域の係合部を係合することにより、凹凸パターンが転写された成形面(A)を転写原盤に向かって凹状に湾曲させて、一旦転写原盤を離れた基板上の転写凹凸パターンが再度転写原盤に接触するのを防止し、
さらにノッチは、離型の際、基板が冷却固化の進行により収縮するのに伴い係合部が該ノッチ内から離れて型開き方向において係合部との係合を解除可能な、型開き方向に対して略直角方向に刻まれた凹部からなることを特徴とする情報記録用基板の成形方法を提供する。
【0014】
すなわち、この発明は、基板成形型の一方の成形面(A)側に設けられたキャビティリングにて基板の外周端部を、基板成形型の他方の成形面(B)側に設けられたシール部材にて基板の中心部に形成されるチャッキング孔の内周端部をそれぞれ保持し、かつ転写原盤が付された成形面(A)に対向する他方の成形面(B)を有する鏡面リングの段差部分の内周端部にノッチを刻むことにより、ノッチ自体に係合する係合部を基板上に成形でき、それによって型開きの開始から離型の終了までの間、成形された基板は、型開きにより受ける曲げ応力に抗してノッチの刻まれた成形面に係合部で一時的に引き止められて、転写原盤に対応する凹凸パターンが転写された成形面(A)を転写原盤に向かって凹状に湾曲させることができる。そして、このように成形面(A)を転写原盤に向かって凸状ではなく凹状に湾曲させることにより、成型面(A)と転写原盤との距離が遠ざけられ、それによって、一旦転写原盤を離れた基板上の転写凹凸パターンが、成形面を離れた際の基板の反力で再度転写原盤に接触するのを阻止できる。
さらに、係合部が、そのノッチとの係合方向を、型開きの際、型開き方向においてノッチと係合し、次いで基板が冷却固化の進行により収縮して、離型の際、型開き方向においてノッチとの係合を解除可能な方向とすることにより、基板の離型がきわめて容易になる。
【0015】
この発明における情報記録用基板とは、情報信号の書き込み及び/または読み出しを行うための情報記録媒体、例えば、光ディスク、光磁気ディスク等のディスク本体となる基板であって、光学的に透明な樹脂を材料として射出成形法、特に射出圧縮成形法により成形されるものである。
この発明における信号領域とは、基板の表裏両面に形成され、チャッキング孔を中心として径方向における略中間部から外周部に及ぶ幅を有して設定される同心帯状の領域であり、表面の信号記録面と、この信号記録面と背中合わせの位置に形成された裏面の鏡面とをさす。信号記録面は転写により凹凸パターンが形成され、鏡面は記録及び/または再生装置から照射されたレーザ光を凹凸パターンに向けて基板内部を透過させる光学表面が形成される。
【0016】
この発明における凹凸パターンとは、穴、溝及び不定形の変形部分を指し、例えば、光ディスク基板の表面に形成され、周方向に長さを変えてディジタル信号に対応するピット(穴)及び/またはレーザビームを案内するグルーブ(溝)からなる。 この発明における転写原盤とは、その表面に形成されている情報を基板の表面に転写させるための原盤で、レプリケーション(複製)とも呼ばれる。この原盤は、金型内にセットされて射出成形により成形される基板上に凹凸パターンを同時成形するものであり、スタンパとよばれるニッケル製の薄い円盤がその一例として挙げられる。
【0017】
この発明における基板成形型としては、固定ダイプレートに取り付けられた固定型と、型開閉シリンダに接続されて固定ダイプレートの取り付け面と直角方向に開閉可能な可動ダイプレートに取り付けられた可動型とからなる1対の金型が挙げられる。
この発明における溶融樹脂としては、熱可塑性樹脂を加熱し溶融状態としたもので、熱可塑性樹脂としてはポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、アモルフォスポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
この発明において離型とは、型開きの開始後、成形された基板の少なくとも一部が成形型から離脱することをいう。
【0018】
この発明におけるノッチとは、成形面における表面の凹部あるいは、くぼみであり、その断面形状としては「U」字、「V」字、「I」字等の形状が挙げられる。
ノッチは、型開きの際、基板上の係合部をノッチに係合させ、凹凸パターンが転写された面を転写原盤に向って凹状に湾曲させるよう形成することにより、型開きの際に基板に生じた曲げ応力が、基板が成形面を離れた際に解放され、その反力で一旦転写原盤を離れた基板上の転写凹凸パターンが、再度転写原盤に接触するのをより確実に阻止するためのものである。
係合部は、型を開くとき、型開き方向においてノッチと係合し、次いで冷却固化の進行により収縮し、離型の際に型開き方向においてノッチとの係合を解除できるのが好ましい。
【0019】
ノッチが、型開き方向に対して略直角方向に刻まれた凹部であれば、成形される係合部をノッチに密着させて両者の係合を強固にすることができる。
係合部が、型開き方向に対して略直角方向に突出した三角形の断面を有してノッチ内に成形されることにより、三角形の斜辺を利用してノッチとの係合の解除を容易に行える。
【0020】
ノッチは、キャビティの中心に対して少なくとも1つの同心円上に連続して配設されることにより、基板に対して離型の際の等方性が確保される。例えば、キャビティの中心に対し少なくとも1つの同心円上に配設されてなる円弧の集合によりノッチを構成することもできる。
ノッチは、円弧の集合からなる判別記号として形成してもよい。
【0021】
基板成形型は、転写原盤が付される固定型と、ノッチが刻まれた可動型とからなる構成とすれば、スプール及びスプール冷却用水路を固定型側に配設し、突き出し部材を可動型に配設することができる点で好ましいが、転写原盤及びノッチの配設を上記の逆とすることも可能である。この場合、成形品を固定型側に残し、スプール及びスプール冷却用水路のみならず突き出し部材をも固定型側に配設することにより連続成形が可能となる。
【0022】
離型の際、基板と基板成形型とを離型手段で離すことができる。係合部とノッチの係合解除は、型開きだけで行うこともできるが、成形性を保証する点から離型手段を用いるのが好ましい。離型手段としては、突き出しピン、あるいは離型用圧縮空気の吹き出しが挙げられる。これらの離型手段は、基板上の係合部とノッチとの係合を解除することも可能であるし、基板上の他の部位、例えばチャッキング孔の口部と基板成形型との係合を解除することも可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を説明する。なお、これによってこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1
図1〜3は、本発明の一つの実施形態による情報記録基板の成形に用いる金型10を示す。図1により基板成形用金型10の全体構成を説明する。
【0024】
金型10は、図示しない固定ダイプレート及び可動ダイプレートに取り付けられて1対の金型を形成する固定型1と可動型2とからなり、射出圧縮成形機を構成する。固定型1は、鏡面取り付け板11と、鏡面取り付け板11の内側に取り付けられた鏡面リング12とを備え、鏡面リング12の内側外周部には、キャビティリング13が取り付けられる。固定型1の略中心部には、鏡面取り付け板11及び鏡面リング12を貫通する固定側ゲートシール部材14が配置され、溶融樹脂を供給するシリンダー(図示せず)に接続されたゲート部14aが固定側ゲートシール部材14を金型10の軸線方向に貫通して形成されている。鏡面リング12の成形面Aは、スタンパの取り付け座面となっている。
【0025】
可動型2は、金型10の軸線方向(図1の破線矢印で示す)に移動可能であり、鏡面取り付け板21と、鏡面取り付け板21の内側に取り付けられた鏡面リング22及びキャビティリング23とを有し、鏡面取り付け板21の内周部には、可動側ブッシュ25及び可動側ゲートシール部材24が取り付けられる。可動側ブッシュ25と可動側ゲートシール部材24との間には、円筒状の製品突き出し部材26が配置され、図示しない圧縮空気源の作動により可動型2に対して金型10の軸線方向に相対移動可能である。可動側ゲートシール部材24も同様に圧縮空気源の作動により、固定側ゲートシール部材14の内側縁部に近接してゲート部14aを閉鎖することができる。
【0026】
鏡面リング22の成形面Bは、成形された情報記録ディスクへのレーザ光の入出射面を成形すべく鏡面仕上げが施され、図1のD部拡大図である図2に示すように、可動側ブッシュ25の成形面25bから所定の段差を有してキャビティ側に突出している。鏡面リング22の内周端部には、後述するように、転写された凹凸パターンが再度スタンパに接触するのを阻止するノッチ22aが刻設されている。
【0027】
ノッチ22aは、鏡面リング22が可動側ブッシュ25と接する内周面の内側端部に形成され、成形面25bを径方向外方へ延長した、径方向に平行する平面を底面とし、成形面25bからの段差を高さとして、径方向外方へ向かって先細りとなる三角形断面を有して環状に刻設されている。
したがって、ノッチ22aの断面は、鏡面リング22の内周面の半径をR、ノッチ22aの先端の半径をrとするとき、底辺の長さaがr−R、高さhが底辺長さaと略同じ長さの三角形となる。
固定型1及び可動型2の各成形面には、成形された基板に圧縮空気を吹き付けて基板を固定型1及び可動型2から離すための離型空気吹き出し口1a及び2aが開口している。
【0028】
上記した金型10を用いた情報記録基板の成形方法を図1〜4を参照しながら説明する。この実施形態では、射出圧縮成形法による成形の一例を示す。
まず、鏡面リング12の成形面Aにスタンパ3を取り付ける。次に、固定型1及び可動型2の間に圧縮代を残して可動型2を型締し(図1の状態)、溶融したポリカーボネイト樹脂をキャビティ内に射出充填し、ゲート部14aを遮断する。次に、キャビティ内の溶融樹脂を圧縮して賦形し、その後、圧縮を継続しながら図示しない冷却水流によりスプールを冷却する。
【0029】
次に、型締力を解放し、図3に示すように、可動型2を型開きすると同時に、離型空気吹き出し口1a及び2aから成形された基板4に離型空気を吹き付ける。このとき、基板4は、外周端部がキャビティリング13の内周部分に強く保持され、内周端部、すなわち基板4の中心部に形成されたチャッキング孔4cの開口部が、可動ゲートシール部材24の外周端に弱く保持され、さらに、基板4の非信号領域がノッチ22aにより係合される。
【0030】
このように基板4は、3つの部位で保持または係合されるが、基板4に対する保持力は、可動ゲートシール部材24によるチャッキング孔4cの開口部の保持が最も強く、型開きが開始されても固定されたままである。3つの保持部位を金型軸線からの距離、すなわち半径値で表すと、キャビティリング13の内周部分が43mm、チャッキング孔4cの開口部が7.5mm、ノッチ22aが20mmの各距離となる。したがって、離型の際の反発が大きいチャッキング孔4cの開口部に近い位置にあり、かつ外周端部と内周端部との間にあるノッチ係合部4a(図4に示す)で、基板4が鏡面リング22の成形面Bに係合されるので、型開きの際、基板4はスタンパ3に向かって凹状にわずかに凹んだ形状に湾曲される(図3では説明を分かりやすくするために湾曲の度合いを誇張してある)。
【0031】
離型空気を吹き付けられた基板4は、固定型1及び可動型2から浮き上がる。次に、図4に示すように突き出し部材26をキャビティ側に移動させて(図中の破線矢印方向)基板4を可動ゲートシール部材24から離型し、金型から離脱した基板4をロボットで搬出する。
離型の際、基板4は溶融樹脂の状態から室温近くの温度まで冷却されて収縮し、それによりノッチ22a内に充填された樹脂からなるノッチ係合部4aも収縮している(なお、図2及び図4ではノッチ係合部4aの形状を分かりやすくするためにノッチ係合部4aの大きさを図中の各部材の大きさに対し誇張してある)。
【0032】
すなわち、ノッチ係合部4aにおける収縮を数値で表すと、金型温度を110℃として型開きからロボットによる搬出までに冷却される際のポリカーボネイト樹脂の収縮係数sを約0.06%とし、ノッチ22aの先端の半径値rを20mmとするとき、ノッチ係合部4aにおける収縮は約12μmとなる。すなわち、鏡面リング22の内周面の半径をRとするとき、R>r×(1−s)なる関係が好ましい。したがって、ノッチ22aの底辺の長さaを約10μmとしておけば、離型の直前までノッチ係合部4aの先端がノッチ22aに係合する。さらにこの係合力は離型空気、突き出し部材26による基板押圧力に比較して弱いので、離型のとき、大きな抵抗を生じることなく容易に金型10から基板4を離型できる。
【0033】
このようなノッチ22aの配置により、離型直前の成形された基板4の保持が可動ゲートシール部材24への食い付きに大きく依存することにより生じたスタンパ3の情報の二重転写が防止される。
【0034】
実施の形態2
図5は、本発明の他の実施形態による情報記録基板の成形に用いる金型30の要部を示すものであり、図1のD部を拡大した図2に相当する図である。ここでは、形状は同一であるが刻設された部位が異なるノッチ35aを示す。すなわち、実施の形態1では、鏡面リング22及び可動側ブッシュ25の2つの金型部材が接する部位にノッチ22aを設けたが、図5に示すように、可動ゲートシール部材24及び突き出し部材26を保持している可動側ブッシュ35の成形面35bにノッチ35aを設けることができる。
【0035】
実施の形態3
図6は、本発明のさらに他の実施形態による情報記録基板の成形に用いる金型40の要部を示すものであり、図1のD部を拡大した図2に相当する図である。ここでは、複数の三角形断面を有する凹部からなるノッチ45aを可動側ブッシュ45の成形面に設ける。ノッチ45aは、鋸歯状に連続して形成され、それによって成形された基板をより確実に係合させ得る。
【0036】
実施の形態4
図7及び図8は、本発明のさらに他の実施形態による情報記録基板の成形に用いる金型50の要部を示すものであり、可動型の成形面を金型の軸線方向からみた図である。図7において、可動型の成形面は、固定型に設けられたスタンパに対面する鏡面リング52と、内周側のブッシュ55の成形面を有し、ブッシュ55の成形面には例えば、アルファベット記号からなるノッチ55aが形成されている。図7のE部を拡大した図8に示すように、アルファベット記号の「A」は、金型の軸線に対して同心となる円弧状の凹部からなるノッチ55aの集合からなり、この円弧状の凹部は、実施の形態3で示したノッチ22aと同一の断面形状、すなわち、径方向外方へ向かって先細りとなる三角形断面を有して刻設されている。
【0037】
このような記号は、基板の履歴を表示するのに用いることができる。また、アルファベット記号に代えて、バーコード記号を刻設してなるノッチを用いることもできる。
【0038】
他の実施の形態
図9及び図10は、本発明のさらに他の実施形態によるノッチをそれぞれ示すものであり、図2及び図4で示したノッチ22aと同じように、鏡面リング22の内周部に刻設されている。要部を拡大した図9においてノッチ22cは、径方向外方へ向かって先細りとなる「U」字状の断面を有する。
要部を拡大した図10においてノッチ22dは、径方向外方へ向かって平行に伸びた「I」字状の断面を有する。
これらのノッチ22c及びノッチ22dは、各ノッチに溶融樹脂が充填されてなる各ノッチ係合部(図示せず)に係合する。冷却により収縮した各ノッチ係合部は、容易にノッチ22c及びノッチ22dから離型される。
【0039】
【発明の効果】
本発明による情報記録用基板の成形方法及び成形型では、基板成形型の一方の成形面(A)側に設けられたキャビティリングにて基板の外周端部を、基板成形型の他方の成形面(B)側に設けられたシール部材にて基板の中心部に形成されるチャッキング孔の内周端部をそれぞれ保持し、かつ転写原盤が付された成形面(A)に対向する他方の成形面(B)を有する鏡面リングの段差部分の内周端部にノッチを刻むことにより、ノッチ自体に係合する係合部を基板上に成形でき、それによって型開きの開始から離型の終了までの間、成形された基板は、型開きにより受ける曲げ応力に抗してノッチの刻まれた成形面に係合部で一時的に引き止められて、転写原盤に対応する凹凸パターンが転写された成形面(A)を転写原盤に向かって凹状に湾曲させることができる。そして、このように成形面(A)を転写原盤に向かって凸状ではなく凹状に湾曲させることにより、成型面(A)と転写原盤との距離が遠ざけられ、それによって、一旦転写原盤を離れた基板上の転写凹凸パターンが、成形面を離れた際の基板の反力で再度転写原盤に接触するのを阻止できる。
さらに、係合部が、そのノッチとの係合方向を、型開きの際、型開き方向においてノッチと係合し、次いで基板が冷却固化の進行により収縮して、離型の際、型開き方向においてノッチとの係合を解除可能な方向とすることにより、基板の離型がきわめて容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施態様による情報記録用基板の成形金型の概略説明図。
【図2】図1の金型のA部拡大図。
【図3】図1の金型による情報記録用基板の成形方法を説明する図。
【図4】図1の金型による情報記録用基板の成形方法を説明する図(基板の離型直前の状態を示す)。
【図5】この発明の他の実施態様による情報記録用基板の成形金型の要部拡大図。
【図6】この発明のさらに他の実施態様による情報記録用基板の成形金型の要部拡大図。
【図7】この発明のさらに他の実施態様による情報記録用基板の成形金型の要部説明図。
【図8】図7の金型のD部拡大図。
【図9】この発明のさらに他の実施態様による情報記録用基板の成形金型の要部拡大図。
【図10】この発明のさらに他の実施態様による情報記録用基板の成形金型の要部説明図。
【図11】従来の情報記録用基板の成形金型による成形方法を説明する図。
【符号の説明】
1 固定型
A 成形面
2 可動型
B 成形面
3 スタンパ(転写原盤)4 基板4a ノッチ係合部10 金型22a ノッチ

Claims (12)

  1. 型成形される情報記録用基板の信号領域に凹凸パターンを転写する転写原盤を、1対の対向する成形面を有する基板成形型の一方の成形面(A)に付し、次いで基板成形型を閉じ、基板成形型の内部に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を充填し、溶融樹脂の冷却固化後、型を開いて凹凸パターンが転写された基板を離型する工程を含む情報記録用基板の成形方法において、
    基板成形型は、ブッシュと、このブッシュの外周側に接しブッシュの成形面より段差をもってキャビティ側に突出し、基板の非信号領域を成形するための他方の成形面(B)を有する鏡面リングと、ブッシュの内周側に設けられたシール部材とを備え、かつ鏡面リングにはその段差部分の内周端部に刻まれたノッチを有し、
    このノッチは、ノッチ内部で冷却固化した樹脂がノッチに係合する係合部を基板上に成形し、型開きから離型の間において、基板成形型の一方の成形面(A)側に設けられたキャビティリングにて基板の外周端部を、基板成形型の他方の成形面(B)側に設けられたシール部材にて基板の中心部に形成されるチャッキング孔の内周端部をそれぞれ保持し、ノッチにて基板の非信号領域の係合部を係合することにより、凹凸パターンが転写された成形面(A)を転写原盤に向かって凹状に湾曲させて、一旦転写原盤を離れた基板上の転写凹凸パターンが再度転写原盤に接触するのを防止し、
    さらにノッチは、離型の際、基板が冷却固化の進行により収縮するのに伴い係合部が該ノッチ内から離れて型開き方向において係合部との係合を解除可能な、型開き方向に対して略直角方向に刻まれた凹部からなることを特徴とする情報記録用基板の成形方法。
  2. ノッチが、その先端の半径をシール部材のそれ以上で、20mm以下としてなる請求項1に記載の情報記録用基板の成形方法。
  3. 情報記録用基板は、その外径を約86mmとしてなる請求項1または2に記載の情報記録用基板の成形方法。
  4. 係合部は、型開き方向に対して略直角に突出した三角形の断面を有してノッチ内に成形されてなる請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報記録用基板の成形方法。
  5. ノッチは、キャビティの中心に対して少なくとも1つの同心円上に連続して配設されてなる請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報記録用基板の成形方法。
  6. ノッチは、キャビティの中心に対し少なくとも1つの同心円上に配設されてなる円弧の集合によりなる請求項1〜5のいずれか1つに記載の情報記録用基板の成形方法。
  7. ノッチは、円弧の集合からなる判別記号を形成する請求項6に記載の情報記録用基板の成形方法。
  8. 基板成形型は、転写原盤が付される固定型と、ノッチが刻まれた可動型とからなる請求項1〜7のいずれか1つに記載の情報記録用基板の成形方法。
  9. 離型の際、基板と基板成形型とを離型手段で離す請求項1〜8のいずれか1つに記載の情報記録用基板の成形方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1つに記載の情報記録用基板の成形方法に用いられる成形型。
  11. 型成形される情報記録用基板の信号領域に凹凸パターンを転写する転写原盤を、1対の対向する成形面を有する基板成形型の一方の成形面(A)に付し、次いで基板成形型を閉じ、基板成形型の内部に形成されたキャビティ内に溶融樹脂を充填し、溶融樹脂の冷却固化後、型を開き、離型して得られた凹凸パターンが転写された情報記録用基板であって、
    基板成形型は、ブッシュと、このブッシュの外周側に接しブッシュの成形面より段差をもってキャビティ側に突出し、基板の非信号領域を成形するための他方の成形面(B)を有する鏡面リングと、ブッシュの内周側に設けられたシール部材とを備え、かつ鏡面リングにはその段差部分の内周端部に刻まれたノッチを有し、
    このノッチは、ノッチ内部で冷却固化した樹脂がノッチに係合する係合部を基板上に成形し、型開きから離型の間において、基板成形型の一方の成形面(A)側に設けられたキャビティリングにて基板の外周端部を、基板成形型の他方の成形面(B)側に設けられたシール部材にて基板の中心部に形成されるチャッキング孔の内周端部をそれぞれ保持し、ノッチにて基板の非信号領域の係合部を係合することにより、凹凸パターンが転写された成形面(A)を転写原盤に向かって凹状に湾曲させて、一旦転写原盤を離れた基板上の転写凹凸パターンが再度転写原盤に接触するのを防止し、
    さらにノッチは、離型の際、基板が冷却固化の進行により収縮するのに伴い係合部が該ノッチ内から離れて型開き方向において係合部との係合を解除可能な、型開き方向に対して略直角方向に刻まれた凹部からなることを特徴とする情報記録用基板。
  12. 情報記録用基板が光ディスク基板である請求項11に記載の情報記録用基板。
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