JP3558405B2 - 殺虫殺菌組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、優れた殺虫、殺菌活性を示す新規な殺虫殺菌組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明で用いる一般式(1)(化2)
【0003】
【化2】
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基、R3は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基、R4は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基をそれぞれを表わす。)で表される化合物は優れた殺虫活性を示す新規化合物である。また、バリダマイシンA、ポリオキシン、3’−イソプロポキシ−O−トルアニリド、α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−O−トルアニリド、1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニル尿素、6−(3,5−ジクロロ−フェニル−p−トリル)ピリダジン−3(H)オン、N−(1,3,3−トリメチルイソベンゾフラン−6−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシリックアミド、2’,6’−ジブロモ−2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−4’−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシアニリドは殺菌活性を有する化合物は水稲の紋枯病等に対して防除効果を示すことは公知である。しかし、これら活性化合物の作用は、それぞれ単独では殺虫効果あるいは殺菌効果のいずれかの効果だけであり、病害虫を同時に防除することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、数種類の農薬を混合し、低薬量を実現することで、農家の省力化を図り、環境問題にも配慮し、かつ同時に発生する病害と害虫を素早く同時に防除する剤の確立が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種類含有し、かつ、バリダマイシンA、ポリオキシン、3’−イソプロポキシ−O−トルアニリド、α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−O−トルアニリド、1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニル尿素、6−(3,5−ジクロロ−フェニル−p−トリル)ピリダジン−3(H)オン、N−(1,3,3−トリメチルイソベンゾフラン−6−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシリックアミド、2’,6’−ジブロモ−2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−4’−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシアニリドから選択される化合物を少なくとも1種類含有する組成物が、両化合物を混合した場合の相乗作用に優れ、水稲の病害および害虫に対し優れた殺虫および殺菌効果を示すことを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、一般式(1)(化3)
【0006】
【化3】
(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基、R3は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基、R4は水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基をそれぞれを表わす。)で表される化合物を少なくとも1種類と、バリダマイシンA、ポリオキシン、3’−イソプロポキシ−O−トルアニリド、α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−O−トルアニリド、1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニル尿素、6−(3,5−ジクロロ−フェニル−p−トリル)ピリダジン−3(H)オン、N−(1,3,3−トリメチルイソベンゾフラン−6−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシリックアミド、2’,6’−ジブロモ−2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−4’−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシアニリドから選択される化合物の少なくとも1種類を含有することを特徴とする殺虫殺菌組成物である。
【0007】
一般式(1)の化合物は、新規化合物であり、その置換基により以下に示す(A)法または(B)法によって製造することができる。
(A)法 反応式(1)(化4)
【0008】
【化4】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4は前記の意味を表わし、X1はアミノ基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルキルチオ基またはベンジルチオ基を表わす。)
すなわち、一般式(2)で表わされる化合物と一般式(3)で表わされる化合物を、必要により塩基あるいは触媒の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に、かつ高収率で製造することができる。
【0009】
塩基としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類、燐酸三カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸一水素二ナトリウム等の燐酸塩類、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸塩類等を使用することができる。
【0010】
触媒としては4−(ジメチルアミノ)ピリジン、DBU、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等有機塩基類、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩化水素、リン酸等の鉱酸類、イオン交換樹脂、シリカゲル類、ゼオライト等を使用することができる。
【0011】
溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることができる。
【0012】
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることもできるが、一般的には、反応温度は−20〜200℃、好ましくは0〜150℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜15時間である。
反応式(1)で一般式(2)で表わされる化合物は、反応式(1A)(化5)の方法により製造することができる。
【0013】
【化5】
(式中、R1、R2は前記の意味を表わし、X2はハロゲン原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表わす。)
すなわち、(テトラヒドロ−3−フラニル)メタノール誘導体をチオニルクロライド、オキシ塩化リン、三臭化リン、トリフェニルフォスフィン/四臭化炭素、トリフェニルフォスフィン/四塩化炭素等のハロゲン化剤によりハロゲン化物あるいはトシルクロライド、メタンスルフォニルクロライド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等のスルフォネート化剤によりスルフォネート化物に変換し、次にヘキサメチレンテトラミンを用いるデルピン法等の公知のアミン合成法、あるいはアルキルアミン類との反応により製造することができる。
反応式(1)で一般式(3)で表わされる化合物は、Chem.Ber.,100巻,591頁に記載されている方法等により製造することができる。
【0014】
(B)法 一般式(1)において、R2およびR3が水素原子を表わす場合の一般式(1a)の製造方法を反応式(2)(化6)に示す。
【0015】
【化6】
(式中、R1 、R4は前記の意味を表わし、R5は炭素数1〜5のアルキル基またはベンジル基を表わす。)
すなわち、一般式(4)で表わされる化合物を酸あるいは必要により触媒の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に、かつ高収率で製造することができる。
【0016】
使用する酸あるいは触媒としてはp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸類、硫酸、塩化水素酸、リン酸等の鉱酸類、イオン交換樹脂、シリカゲル類、ゼオライト等を使用することが出来る。溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることができる。
【0017】
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることもできるが、一般的には、反応温度は−20〜150℃、好ましくは室温〜100℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜10時間である。
反応式(2)で一般式(4)で表わされる化合物は、反応式(2A)(化7)の方法により製造することができる。
【0018】
【化7】
(式中、R1 、R4 は前記の意味を表わし、X3は塩素原子、臭素原子、トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルフォニルオキシ基、トリフルオロメタンスルフォニルオキシ基を表わし、R5は炭素数1〜5のアルキル基またはベンジル基を表わす。)
反応は一般式(5)で表わされる化合物と一般式(6)で表わされる化合物を、必要により塩基あるいは触媒の存在下、各種溶媒中で反応させて容易に、かつ高収率で製造することができる。
【0019】
塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類水酸化マグネシウム水酸化カルシウム等の水酸化アルカリ土類金属類、水素化ナトリウム水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のアルカリ金属アルコラート類、酸化ナトリウム等のアルカリ金属酸化物類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸塩類、燐酸三カリウム、燐酸三ナトリウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸一水素二ナトリウム等の燐酸塩類、酢酸ナトリウム酢酸カリウム等の酢酸塩類、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、DBU、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン等有機塩基類等を使用することができる。
【0020】
溶媒としては水をはじめ、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、石油ベンジン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の非プロトン性極性溶媒、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類等を用いることができる。
【0021】
反応温度及び反応時間は広範囲に変化させることもできるが、一般的には、反応温度は−30〜200℃、好ましくは−20〜150℃、反応時間は0.01〜50時間、好ましくは0.1〜15時間である。
【0022】
反応式(2A)で式(5)で表わされる化合物は、(テトラヒドロ−3−フラニル)メタノール誘導体を、チオニルクロライド、オキシ塩化リン、三臭化リン、トリフェニルフォスフィン/四臭化炭素、トリフェニルフォスフィン/四塩化炭素等のハロゲン化剤によりハロゲン化あるいはトシルクロライド、メタンスルフォニルクロライド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等のスルフォネート化剤によりスルフォネート化することにより製造することができる。
【0023】
反応式(2A)で一般式(6)で表わされる化合物は、モノアルキル置換ニトログアニジンまたはモノベンジル置換ニトログアニジンと一級アミンおよびホルムアルデヒドから製造することができる。
一方、本発明の殺虫殺菌組成物において使用される殺菌活性物質は公知のものであり
(A)バリダマイシンA(一般名:バリダマイシン)
(B)ポリオキシン
(C)3’−イソプロポキシ−O−トルアニリド(一般名:メプロニル)
(D)α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−O−トルアニリド (一般名:フルトラニル)
(E)1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニル尿素(一般名:ペンシクロン)
(F)6−(3,5−ジクロロ−フェニル−p−トリル)ピリダジン−3(H)オン(一般名:ジクロメジン)
(G)N−(1,3,3−トリメチルイソベンゾフラン−6−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシリックアミド(一般名:フラメトピル)
(H)2’,6’−ジブロモ−2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−4’−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシアニリド(一般名:チフルザミド)
であり、水稲の紋枯病等に対して防除効果を示す。
【0024】
本発明の殺虫殺菌組成物は、栽培植物に対して薬害がなく、かつ温血動物に対する毒性も低く安全性が高い。また、本発明の殺虫殺菌組成物を用いた場合、単位面積あたりの薬剤量を低減し、環境に対す影響を減少するのに役立つ。従って、本発明の殺虫殺菌組成物は農作物及び園芸作物において、病害虫の同時防除及び省力化に非常に有効である。
本発明の殺虫殺菌組成物は、優れた殺虫殺菌効果を示し、有害病害虫に対して相乗的な防除効果を発揮する。
【0025】
その様な害虫としては例えば、アワヨトウ、イネヨトウ、フタオビコヤガ、タマナヤガ、ワタアカキリバ、オオタバコガ、シロイチモジヨトウ、ハスモンヨトウ、カブラヤガ、ヨトウガ、タマナギンウワバ、ニカメイガ、コブノメイガ、サンカメイガ、ナシオオシンクイ、ハイマダラメイガ、マメノメイガ、イネツトムシ、ワタアカミムシ、ジャガイモガ、モンシロチョウ、ノシメマダラメイガ、チャノコカクモンハマキ、キンモンホソガ、ミカンハモグリガ、ブドウホソハマキ、ナシヒメシンクイ、マメシンクイガ、モモシンクイガ、ブドウスカシバ、チャノホソガ、コナガ、イガ等の鱗翅目害虫;タバココナジラミ、オンシツコナジラミ、ミカントゲコナジラミ、ワタアブラムシ、ユキヤナギアブラムシ、リンゴワタムシ、モモアカアブラムシ、ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、マメアブラムシ、コミカンアブラムシ、ミカンクロアブラムシ、ブドウネアブラムシ、ムギミドリアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシ、チャノミドリヒメヨコバイ、フタテンヒメヨコバイ、ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ、シロオオヨコバイ、ルビーロウムシ、オリーブカタカイガラムシ、サンホーゼカイガラムシ、リンゴカキカイガラムシ、アカマルカイガラムシ、アカホシマルカイガラムシ、ヤノネカイガラムシ、クワコナカイガラムシ、ミカンコナカイガラムシ、イセリアカイガラムシ、リンゴキジラミ、ミカンキジラミ、ミナミアオカメムシ、ホソヘリカメムシ、ナシグンバイ等の半翅目害虫;イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、コロラドハムシ、テンサイトビハムシ、Diabrotica spp.、コクゾウムシ、クリヤケシキスイ、ニジュウヤホシテントウ、インゲンマメゾウムシ、アズキゾウムシ、ヨツモンマメゾウムシ、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ、マメコガネ、ゴマダラカミキリ、タバコシバンムシ、ヒメマルカツオブシムシ、コクヌストモドキ、ヒラタキクイムシ等の鞘翅目害虫;アカイエカ、チカイエカ、シナハマダラカ、ヒトスジシマカ、イネハモグリバエ、ダイズサヤタマバエ、イネカラバエ、イネミギワバエ、イエバエ、クロキンバエ、タマネギバエ、ウリミバエ、ミカンコミバエ等の双翅目害虫;ネギアザミウマ、カキクダアザミウマ、ミナミキロアザミウマ、イネアザミウマ、チャノキイロアザミウマ等のアザミウマ目昆虫;クロゴキブリ、ヤマトゴキブリ、ワモンゴキブリ、チャバネゴキブリ、コバネイナゴ、トノサマバッタ等の直翅目害虫;カブラハバチ等の膜翅目害虫;ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、チャノホコリダニ、ミカンサビダニ、ニセナシサビダニ、イエダニ、ツツガムシ類、ケナガコナダニ等のダニ目害虫;その他イヌノミ、アタマジラミ、ヤマトシロアリ、ヤケヤスデ、ゲジなどを挙げることが出来る。
【0026】
一方、防除できる病害として、例えば紋枯病(紋枯病菌:Rhizoctonia solani)、疑似紋枯病、稲立枯病などを挙げることが出来る。
本発明の殺虫殺菌組成物を実際に施用する場合には、前記2成分の混合物あるいはその場で混合するためのそれぞれ単独の通常の製剤形態にすることが出来る。本発明の殺虫殺菌組成物の製剤化にあたっては、何らの特別の条件を必要とせず、一般農薬に準じて当業技術の熟知する方法によって乳剤、水和剤、粉剤、粒剤、微粒剤、フロアブル剤,マイクロカプセル剤,油剤、エアゾール、薫煙剤,毒餌等の任意の剤型に調整でき、これらをそれぞれの目的に応じた各種用途に供しうる。
【0027】
ここでいう担体とは、処理すべき部位への有効成分の到達を助け、また有効成分化合物の貯蔵、輸送、取扱いを容易にするために配合される液体、固体または気体の合成または天然の無機または有機物質を意味する。
適当な固体担体としては例えばモンモリロナイト、カオリナイト、ケイソウ土、白土、タルク、バーミキュライト、石膏、炭酸カルシウム、シリカゲル、硫安等の無機物質、大豆粉、鋸屑、小麦粉、ペクチン、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ワセリン、ラノリン、流動パラフィン、ラード、植物油等の有機物質等があげられる。
【0028】
適当な液体担体としては例えばトルエン、キシレン、クメン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類、ケロシン、鉱油等のパラフィン系炭化水素類、メチレンクロリド、クロロホルム、4塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、脂肪酸グリセリンエステル等のエステル類アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、水等があげられる。
【0029】
さらに本発明の殺虫殺菌組成物の効力を増強するために、製剤の剤型、適用場面等を考慮して目的に応じてそれぞれ単独に、または組合わせて以下のような補助剤を使用することもできる。
乳化、分散、拡展、湿潤、結合、安定化等の目的で使用する助剤としてはリグニンスルホン酸塩類等の水溶性塩基類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキル硫酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、多価アルコールエステル類等の非イオン性界面活性剤、ステアリン酸カルシウム、ワックス等の滑剤、イソプロピルヒドロジエンホスフェート等の安定剤、その他メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アラビアゴム等があげられる。しかし、これらの成分は以上のものに限定されるものではない。
【0030】
なお、本発明の殺虫殺菌組成物は光、熱、酸化等に安定であるが、必要に応じ酸化防止剤あるいは紫外線吸収剤、例えばBHT(2,6−ジ−t−ブチル− 4−メチルフェノール)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)のようなフェノール誘導体、ビスフェノール誘導体、またフェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、フェネチジンとアセトンの縮合物等のアリールアミン類あるいはベンゾフェノン系化合物類を安定剤として適量加えることによって、より効果の安定した組成物を得ることが出来る。
【0031】
本発明の殺虫殺菌組成物に用いられる一般式(1)で表わされる殺虫活性化合物及び殺菌活性化合物はそれぞれ0.0000001〜95重量%、好ましくは0.0001〜50重量%含有する。本発明の殺虫殺菌組成物を施用するには、一般に有効成分0.001〜5000ppm、好ましくは0.01〜1000ppmの濃度で使用するのが望ましい。また、10aあたりの施用量は、一般に有効成分で1〜300gである。
【0032】
【実施例】
次に本発明にかかわる一般式(1)の化合物の製造例を示す。
製造例1 1−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−2−ニトロ−3−メチルグアニジン(化合物No.1)の製造
(テトラヒドロ−3−フラニル)メタノ−ル10.0g,無水トリフルオロメタンスルホン酸29.5g,ピリジン10.0g,ジクロロメタン200mlを室温で1時間攪拌した。反応溶液に水を注ぎ、有機層を分取し、1規定塩酸、水、飽和食塩水で洗浄、乾燥、濃縮し20.0gの3−テトラヒドロフラニルメチルトリフラ−トを得た。1,5−ジメチル−2−ニトロイミノヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン12.5g,DMF60ml中に室温で60%水素化ナトリウム3.25gを加え1時間攪拌後、室温で3−テトラヒドロフラニルメチルトリフラ−ト20.0gを加え、50℃で2時間攪拌した。室温に冷却後、2規定塩酸50mlを加え、50℃で2時間攪拌した。重曹で中和後、ジクロロメタンで抽出、乾燥、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、7.8gの1−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−2−ニトロ−3−メチルグアニジンを得た。
【0033】
製造例2 N−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−N−(メチル)ニトログアニジン(化合物No.3)の製造
(テトラヒドロ−3−フラニル)メチルトシラート0、71g、ヨウ化ナトリウム0.08g、炭酸カリウム0.85g、40%メチルアミンメタノール溶液9mlの混合物を5時間加熱還流した。不溶物を濾別後、反応液を減圧濃縮し得られた粗N−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−N−メチルアミンに、S−メチル−N−(ニトロ)イソチオウレア0.38g、アセトニトリル7mlを加え、5時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開溶媒;酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、0.10gのN−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−N−(メチル)ニトログアニジンを得た。
【0034】
製造例3 1−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−1−エチル−2−ニトロ−3−メチルグアニジン(化合物No.4)の製造
N−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−N−エチルアミン5.5gとS−メチル−N−ニトロ−N’−メチルイソチオウレア3.0g、エタノール30ml、DMAP0.5gの混合物を、4時間加熱還流した。その後、反応液を減圧濃縮し、得られた粗油状物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。1−{(テトラヒドロ−3−フラニル)メチル}−1−エチル−2−ニトロ−3−メチルグアニジン1.1gを得た。
【0035】
製造例4 N−[4−{(2−メチル)テトラヒドロフラニル}メチル]−N’−メチル−N”−ニトログアニジン(化合物No.5)の製造
2−メチル−4−ヒドロキシメチルテトラヒドロフラン1.00gおよびトリエチルアミン1.05gのジクロロメタン50ml溶液に氷冷下にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物2.91gのジクロロメタン10ml溶液を5分かけて滴下した。反応液を氷冷下にて30分間、室温にて5時間攪拌したのち、反応液を減圧濃縮して得られた油状物を水素化ナトリウム(約60%)0.32gのジメチルホルムアミド5ml懸濁溶液に室温にて1−メチル−2−ニトロイミノ−5−メチル−1,3,5−トリアジン1.24gのジメチルホルムアミド5ml溶液を加え、60℃にて30分間攪拌した反応液中に室温にてジメチルホルムアミド5ml溶液として加え、60℃にて4時間攪拌した。反応液に塩酸(2M)7.2mlを加え、さらに60℃にて3時間攪拌した。反応液を室温まで放冷したのち、酢酸エチルを加え、これを水にて洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。有機層を減圧濃縮して得られた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)にて精製することによりN−[4−{(2−メチル)テトラヒドロフラニル}メチル]−N’−メチル−N”−ニトログアニジン77mgを赤褐色の油状物として得た。
製造例1〜4の方法に準じて得られた一般式(1)の化合物物性値を第1表(表1、2)に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
次に実施例をあげて本発明の組成物を具体的に説明する。
【0038】
実施例 1
化合物4を10部、フルトラニル25部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ホワイトカーボン5部、ケイソウ土57部、以上を均一に攪拌混合して水和剤100部を得た。
【0039】
実施例 2
化合物3を0.3部、ペンシクロン1.5部、ホワイトカーボン0.3部を均一に混合し、クレー97.7部、ドリレスA(三共製)0.2部を加えて均一に粉砕混合し、粉剤100部を得た。
【0040】
実施例 3
化合物1を2部、フラメトピルを2部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト82部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。
【0041】
実施例 4
化合物1を2部、チフルザミドを2部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト82部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。
【0042】
実施例 5
化合物2を10部、フルトラニル20部およびポリビニルアルコールの20%水溶液5部を充分攪拌混合した後、キサンタンガムの0.8%水溶液65部を加えて再び攪拌混合してフロアブル剤100部を得た。
【0043】
試験例 1 水和剤における効果
ワグネルポット(1/5000アール)に3本ずつ5株を定植した水稲(品種:コシヒカリ)の株元に培養したイネ紋枯病菌を接種し、紋枯病がイネ体上部に移行した適期に実施例1に準じて調製した水和剤(化合物1〜5:10%、フラメトピル:20%)を所定の水溶液とし、3ポットあたり100ml散布した。処理後10日及び20日目に発病株率と病班高率を調査した。被害度及び防除価は次式(数1、2、3)により算出した。
【0044】
【数1】
病班高率=最上位病班高(cm)÷草丈(cm)×100
【0045】
【数2】
被害度=(1.62×病班高率−32.4)×発病株率÷100
【0046】
【数3】
防除価=100−(処理区の被害度÷無処理区の被害度×100)
また、散布後10及び20日後に、水稲を金網円筒で覆い、内部へトビイロウンカ雌成虫10頭づつを放って、48時間後に死虫率を調査した。また、薬害についても同時に調査した。結果を第2表(表3)に示した。
【0047】
【表3】
【0048】
試験例 2 粒剤における効果
ワグネルポット(1/5000アール)に3本ずつ5株を定植した水稲(品種:コシヒカリ)の株元に培養したイネ紋枯病菌を接種し、紋枯病がイネ体上部に移行した適期に実施例3に準じて調製した粒剤(化合物1:2%、A〜H:2%)を処理した。処理後10日及び20日目に発病株率と病班高率を調査した。被害度及び防除価は試験例1と同様にて算出した。
また、散布後10及び20日後に、水稲を金網円筒で覆い、内部へトビイロウンカ雌成虫10頭づつを放って、48時間後に死虫率を調査した。また、薬害についても同時に調査した。結果を第3表(表4)に示した。
【0049】
【表4】
【0050】
試験例 3 粒剤における効果
実施例3に準じて調製した粒剤をワグネルポット(1/5000アール)に3本ずつ5株を定植した水稲(品種:コシヒカリ)に処理した。処理後10、20、30及び40日後に、水稲を金網円筒で覆い、内部へトビイロウンカ雌成虫10頭づつを放って、48時間後に死虫率を調査した。また、薬害についても同時に調査した。結果を第4表(表5)に示した。
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】
本発明の殺虫殺菌組成物は、以上の表から明らかなように優れた殺虫及び殺菌効果を合わせ持ち、害虫及び病害の同時防除に大いに役立ち、かつ農薬の処理回数及び施用薬量を減少させることができる。また、本発明の殺虫殺菌組成物は、殺虫剤単独で用いた場合より、殺虫剤としての残効性を延長させることができる。従って、本発明の殺虫殺菌組成物は、農業の省力化及び環境の保護に多大な貢献をすることができる。
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