JP3558383B2 - 無臭化製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、クロルピクリンの無臭化、無刺激化製剤に関するものである。更に詳細には、本発明は、生物にとって無害、或いは栄養源として資化できるような水溶性物質、生分解性物質、或いは肥料の組成物を用いた自然環境の保護の面でも有効なクロルピクリンの無臭化、無刺激化製剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
クロルピクリンは古くから土壌殺菌剤、殺線虫剤として優れた効果を発揮する農薬として使用されてきているが、常温で液体である本剤は液体のままで使用すると殺菌性、殺線虫性が高いが故にその揮散性、刺激性、催涙性のため、人体にとって悪影響を及ぼす。
【0003】
こうしたクロルピクリンの散布時における揮散性、刺激性、催涙性を抑制させることは勿論、製剤の運搬時における安全性の観点からもクロルピクリンを固形化させた製剤が必要であり、そのような検討が数多くなされてきた。例えば、クロルピクリンにジベンジリデンソルビトール及びゲル化調製剤とを有機溶媒中で混合、ゲル化させ、ガス不透過性フィルムによって真空包装する方法(特開昭62−192301号公報)、或いはクロルピクリン1重量部に対し、1〜5重量部のジ(2−クロロイソプロピル)エーテルを混合する方法(特開昭61−249906号公報)が提案されている。しかしながら、これらクロルピクリン製剤は高価な副原料を使用しており、製造コスト、プロセス等に問題があった。また、こうした副原料は必ずしも土壌中で分解を受けず、環境保護の面で必ずしも無害なものではなかった。
【0004】
また、クロルピクリンを水の存在下に環状デキストリンと接触させることによりクロルピクリンを環状デキストリンへ包接させ、その揮発性を抑えた製剤が提案されているが(特開昭50−89306号公報)、この方法では包接されるクロルピクリンの量が少ないため製剤の有効濃度が充分に上がらず、実用的ではない。更に、クロルピクリンを担体に包接させる場合、担体にクロルピクリンを吸着させるのに時間がかかる。逆に、このような方法で製剤を作成した場合、クロルピクリンが土壌中に揮散、放出されるのにも時間を要し、製剤の速攻性の面でも問題がある。
【0005】
次に、液体クロルピクリンを多孔性粒状体に吸収させ、水溶性高分子で被覆する方法が提案されているが(特開平01−172302号公報)、この方法だと、クロルピクリンの吸着にかなりの時間を要することに加え、吸収、ろ過、吸水性有機物によるコーティング、乾燥といった複雑で長い製剤化工程であるといった欠点も有している。また、吸水性有機物にジルコニウム化合物を用いており、必ずしも環境に優しい製剤であるとは言えない。更にまた、2〜10mm程度の大きな多孔性粒状体に吸収させているため、特開昭50−89306号公報に記載された製剤と同様、クロルピクリンが土壌中に揮散、放出されるのにも時間を要し、製剤の速攻性の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決した、即ち製剤としての有効成分含量を高くし、製造コストを低くおさえ、製造工程が簡略で、かつクロルピクリン製剤の散布時における揮散性、刺激性、催涙性を抑えた自然環境の保護の面でも有効なクロルピクリン製剤を提供するものである。更に詳しくは、クロルピクリン溶液を固形化させるための担体に水溶性有機物、或いは生分解性有機物、或いは肥料組成物を用いており、特にクロルピクリン吸収量の高い、人畜無害な安価な担体を用いており、土壌の殺菌・殺線虫と同時に土壌の富栄養化を図った製剤を提供するものである。
【0007】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決すべく検討、研究を重ねた結果、水溶性有機物、生分解性有機物、及び/または肥料にクロルピクリン溶液を添加し混合させた後、その表面をガスバリア性を有する水溶性、或いは生分解性フィルムで密封、包装する、といった方法で解決できることを見いだした。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)水溶性有機物、生分解性有機物、及び/または肥料にクロルピクリンを混合せしめた後、その生成混合物をガスバリア性を有する水溶性及び/または生分解性フィルムで密封、包装してなる無臭化クロルピクリン製剤、
(2)水溶性有機物及び/または生分解性有機物が単糖、二糖、多糖等の糖類、アミノ酸またはその誘導体類、ポリ乳酸、ポリビニルアルコールである(1)記載の無臭化クロルピクリン製剤、
(3)水溶性有機物及び/または生分解性有機物が、クロルピクリン吸収能が高い多糖類である(1)または(2)記載の無臭化クロルピクリン製剤、
(4)多糖類がとうもろこし澱粉から成る(3)記載の無臭化クロルピクリン製剤、
(5)多糖類が可溶性澱粉から成る(3)記載の無臭化クロルピクリン製剤、
(6)多糖類がα−グルコースが直線状に連なった構造を有する澱粉分解物から成る(3)記載の無臭化クロルピクリン製剤、
(7)肥料が尿素、硫安の内少なくとも一つを含む(1)記載の無臭化クロルピクリン製剤、に関するものである。
【0009】
ここで言う水溶性及び/または生分解性有機物とクロルピクリンの混合とは環状の有機物の中心にクロルピクリンを担持させること(包接)とは異なり、クロルピクリンと水溶性及び/または生分解性有機物を容器中で軽く撹拌して混合する程度のものを言う。
従って、通常の包接とは異なり、撹拌後直ちに密封、包装できる形態のものであり、このようなクロルピクリン製剤は散布されると製剤の有効成分が土壌中で速やかに揮散、放出され、クロルピクリン残留性の少ない速攻性のものである。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
クロルピクリンは融点−64℃、沸点112℃、比重1.651、の水にほとんど溶解しない無色透明の液体である。本発明においては、この様な性質を持つクロルピクリンと水溶性有機物、生分解性有機物及び/または肥料とを混合させた後、その生成混合物をガスバリア性を有する水溶性、或いは生分解性フィルムで密封、包装する。
【0011】
本発明で用いられる水溶性有機物或いは生分解性有機物としては、でんぷん及びその誘導体、デキストリン、セルロース及びその誘導体、マンナン、プルラン、キチン、キトサン、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、グルコース、スクロース、等の単糖、二糖、多糖類及び、グリシン、セリン等のアミノ酸またはその誘導体類、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、等をあげることができるがこれに限られるものではない。
上記のもののうち、特にクロルピクリン吸収能が高く、特にこれが50%以上程度の多糖類が好ましい。製剤の有効成分が高いと、製剤の形状が小さくなり、製剤化コストが少なくなる、或いは製剤の運搬コストも低くなる等といった効果を示すのである。我々は、中でも、一部の澱粉、デキストリンは吸収量が高く、残留性も少ないことがわかった。即ち、とうもろこし澱粉、可溶性澱粉は吸収量が高くクロルピクリン無臭化、無刺激化製剤の工業的製法に適していることを見いだした。また、澱粉分解物であるデキストリンに於いても環状デキストリンはクロルピクリン吸収量が少なく、残留性が低くないため、無臭化、無刺激化製剤に用いるには好ましくない一方、α−グルコースが直鎖状に連なったデキストリンはクロルピクリン吸収量が高く、かつ土壌中での残留性も少なく、クロルピクリン無臭化、無刺激化製剤の工業的製法に適していることがわかった。
【0012】
ここで言うα−グルコースが直鎖状に連なったデキストリンは特に限定されるものではないが、好ましくはDE値が2〜40程度がよい。分解度の大きなデキストリン、例えば単糖(α−グルコース)、二糖にまで分解されてしまうとクロルピクリン吸収量が低くなり、あまり好ましくない。
また、用いられる肥料としては、尿素、硫安等があげられるが、これらに限られるものではない。
【0013】
本発明において用いられる水溶性有機物、生分解性有機物、あるいは肥料は、単独或いは混合して使用され、これらについては特に量の制限はないが、好ましくはクロルピクリンの液体が、見掛け上残存しない程度の量比で、できるだけ担体の量を少なくクロルピクリン溶液と混合させるのがよい。大略、クロルピクリン1重量部に対し、0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜10重量部程度である。この最適な混合量比はクロルピクリンと混合させる水溶性有機物、生分解性有機物あるいは肥料の種類によって異なる。例えば、デキストリンを用いた場合、デキストリンの種類によって異なるが、クロルピクリン8重量部に対しデキストリン5重量部程度の比で混合するのが好ましい。とうもろこし澱粉を用いた場合、クロルピクリン6重量部に対しとうもろこし澱粉5重量部程度の比で混合するのが好ましい。また、尿素を用いた場合、クロルピクリン1重量部に対して尿素2重量部程度の比で混合させるのが望ましい。
【0014】
本発明においては、クロルピクリンを上記のごときデキストリン等と数秒〜数十秒程度撹拌して均一に混合させた後、クロルピクリンの揮発をできるだけ抑える為に直ちにその混合物を水溶性、或いは生分解性でガスバリア性の高いフィルムによって包み込み、密封、包装する。密封、包装する方法としては、例えば、クロルピクリンを含む混合物をフィルムで包み込み、そのフィルムの周囲を加熱密封装置にて加熱融着させて密封、包装する方法が採用できる。
この様なクロルピクリン製剤に関して、特に大きさの制限はないが、散布時の容易性、有効性などから、20〜1g、好ましくは10〜2g、より好ましくは5g程度のクロルピクリンを含んだ製剤が好ましい。
【0015】
用いられるガスバリア性を有する水溶性及び/または生分解性フィルムとして、そのガスバリア性については、酸素ガス透過率が4000cc/atm・m・24hr以下のものであれば、クロルピクリンの刺激臭はほとんど感じられない。更に好ましくはポリビニールアルコール(PVA)フィルムなど酸素ガス透過率が10cc/atm・m・24hr程度以下のものであればクロルピクリンの刺激臭は完全に抑えられる。この様なガスバリア性を有する水溶性及び/または生分解性フィルムの厚みは特に制限はないが、製剤時の包装性から12.5〜100μm、好ましくは25〜50μmの厚みが好ましい。かかるフィルムとしてはPVAフィルム(具体的にはハイセロンC、日合フィルム株式会社製)、プルランフィルム(株式会社林原商事社製)等があげられるが、これに限られるものではない。
【0016】
こうしてできた製剤を長期間保存させておくためや、輸送するためには、これら密封、包装した製剤をまとめて、実際に使用するまでさらに、ガスバリア性が高く、耐湿性のシートやフィルムで被覆、もしくは密封、包装しておくのが好ましい。このようなフィルムとしては、例えば、酸素ガス透過率が20cc/atm・m・24hr以下であるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)等が好まれる。
【0017】
この様にして製造された本発明の製剤は、土壌に施用された後、土壌中の水分や微生物によってフィルムが分解し、例えば水分によってPVAフィルムが分解され、フィルム中のクロルピクリンが放出されることによって土壌が殺菌されるのと同時にフィルム内のデキストリン等の水溶性有機物、生分解性有機物、或いは尿素等の肥料の各種組成物も放出され、土壌の富栄養化をもたらす。
本発明におけるクロルピクリン製剤の使用方法は、通常これらクロルピクリン製剤が使用されている慣例に従い、耕起整地した後に20×20cm〜50×50cmごとに深さ約10〜20cm程度の穴をあけ、クロルピクリン5g程度を含んだ製剤を投入後、直ちに穴を塞ぎ使用する。
また、この様な製剤は、クロルピクリンに限らず、常温で液体である他の催涙性、刺激性、揮発性を有する農薬の製剤化にも使用できる。
【0018】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕
肥料の一種である尿素(三井東圧化学株式会社製)2重量部に対し、クロルピクリン1重量部を混ぜた。この混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包むことで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を調べた。土壌表面から15cmの深さの穴を掘り、本製剤を入れ、その上から土壌をかぶせた。24時間経過したときに土壌を掘り起こして本製剤の形態変化を調べたところ、表面のPVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0019】
〔実施例2〕
グルコース3重量部に対し、クロルピクリン1重量部を混ぜた。この混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0020】
〔実施例3〕
スクロース3重量部に対し、クロルピクリン2重量部を混ぜた。この混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0021】
〔実施例4〕
グリシン5重量部に対し、クロルピクリン2重量部を混ぜた。この混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0022】
〔実施例5〕
ポリ乳酸7重量部に対し、クロルピクリン2重量部を混ぜた。この混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0023】
〔実施例6〕
PVA粉末7重量部に対し、クロルピクリン3重量部を混ぜた。この混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0024】
〔実施例7〕
硫安7重量部に対し、クロルピクリン4重量部を混ぜた。この混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0025】
〔実施例8〕
デキストリン3重量部、及び尿素3重量部に対し、クロルピクリン5重量部を混ぜた。この混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるバレックスフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0026】
〔実施例9〕
とうもろこし澱粉5重量部をガラス製容器に計り取り、クロルピクリン6重量部を添加し、薬さじを用いて直ちに撹拌を開始し、15秒間行った後、直ちにこの混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。
本製剤の有効成分は52%であった。ここに言う有効成分とは、全製剤重量に対するクロルピクリン重量を意味する。
また、本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるゼクロンフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0027】
〔実施例10〕
可溶性澱粉2重量部をガラス製容器に計り取り、クロルピクリン3重量部を添加し、薬さじを用いて直ちに撹拌を開始し、15秒間行った後、直ちにこの混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。
本製剤の有効成分は58%であった。ここに言う有効成分とは、全製剤重量に対するクロルピクリン重量を意味する。
また、本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるゼクロンフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0028】
〔実施例11〕
デキストリン(パインデックス#100、DE値=4、松谷化学工業株式会社製)5重量部をガラス製容器に計り取り、クロルピクリン8重量部を添加し、薬さじを用いて直ちに撹拌を開始し、15秒間行った後、直ちにこの混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。
本製剤の有効成分は59%であった。ここに言う有効成分とは、全製剤重量に対するクロルピクリン重量を意味する。
また、本製剤からはクロルピクリンの刺激臭がほとんど認められなかった。
本製剤を更にガスバリア性の高いフィルムであるゼクロンフィルム(三井東圧化学株式会社製)により包装、密封することで、室温で1年間、保存、放置しても外観上の変化は認められず、安定であった。
また、本製剤の土壌中での放出性を、実施例1と同様の方法で調べた。24時間経過後、PVAフィルムが溶解し、中のクロルピクリンが土壌中に放出されていた。
【0029】
〔比較例1〕
馬鈴薯澱粉5重量部をガラス製容器に計り取り、クロルピクリン3重量部を添加し、薬さじを用いて直ちに撹拌を開始し、15秒間行った後、直ちにこの混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。
本製剤の有効成分は35%であり、これ以上有効成分含量を上げることは困難であった。これは、馬鈴薯澱粉の吸収能が充分でないためである。
【0030】
〔比較例2〕
β−サイクロデキストリン10重量部をガラス製容器に計り取り、クロルピクリン7重量部を添加し、薬さじを用いて直ちに撹拌を開始し、15秒間行った後、直ちにこの混合物をPVAフィルムであるハイセロンC(日合フィルム株式会社製)の袋に入れ、加熱融着し、クロルピクリン製剤を作製した。
本製剤の有効成分は40%であり、これ以上有効成分含量を上げることは困難であった。これは、β−サイクロデキストリンの吸収能が充分でないためである。
【0031】
〔試験例1〕
予めキュウリつる割れ病菌(Fusarium oxysporum f.sp.cucumerinum)で汚染された畑地を耕起し、30cm間隔の千鳥格子状に深さ15cmの穴をあけ、実施例11に記載したクロルピクリン製剤を1個ずつ埋め、穴を塞いだ後、下記対照例と同様に塩化ビニルフィルムで被覆した。対照としてクロルピクリン液剤をそのまま3mlずつ上記と同様にあけた穴の中に注入し、穴を塞いだ後塩化ビニルフィルムで被覆した。
21日後に被覆していた塩化ビニルフィルムを取り除いた後、2葉期のキュウリ(品種:相模半白)を移植し、更に30日後キュウリの地際部の導管のキュウリつる割病菌による褐変程度を観察することにより被害程度を判定した。結果を表1に示した。
【0032】
【表1】
Figure 0003558383
【0033】
〔試験例2〕
予めネコブセンチュウで汚染された畑地を耕起し、30cm間隔の千鳥格子状に深さ15cmの穴をあけ、実施例11に記載したクロルピクリン製剤を1個ずつ埋め、穴を塞いだ後、塩化ビニルフィルムで被覆した。対照としてクロルピクリン液剤をそのまま3mlずつ上記と同様にあけた穴の中に注入し、穴を塞いだ後塩化ビニルフィルムで被覆した。21日後に被覆を取り除いた後4葉期のトマト(品種:世界一)を移植し、更に45日後に土壌を採取した後、ベールマン法(20gの土壌供試、24時間後に分離)により検出されるネコブセンチュウ数を調査した。結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
Figure 0003558383
【0035】
【発明の効果】
本発明により製造されたクロルピクリン製剤は全て土壌散布前においてはその揮発性、刺激性、催涙性が抑えられ、散布後においては速やかにクロルピクリンが土壌中に放出される。また、本発明は、低コストで製造プロセスも簡易であり、かつ自然環境にとって無害な副原料を使用しているので、環境保護の面でも有効なクロルピクリン製剤を提供するものである。

Claims (2)

  1. とうもろこし澱粉、可溶性澱粉、又はα−グルコースが直鎖状に連なったデキストリンにクロルピクリンを混合せしめた後、その生成混合物を酸素ガス透過率が10cc/atm・m・24hr以下であり厚みが12.5〜100μmであるポリビニルアルコールフィルムで密封、包装してなる無臭化クロルピクリン製剤。
  2. α−グルコースが直鎖状に連なったデキストリンが、DE値が2〜40のデキストリンであることを特徴とする、請求項1記載の無臭化クロルピクリン製剤。
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