JP3557633B2 - 産業車輛におけるエアコネクタの接続構造 - Google Patents
産業車輛におけるエアコネクタの接続構造 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、産業車輛において、上部に空気導入部が開口した中空のヘッドガードピラーの下部に空気導出部を設け、その空気導出部へエンジンのエアクリーナに空気を送るエアコネクタを接続するエアコネクタの接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン駆動式の産業車輛において、例えば図5に示すような車体1の前部にリフト機構2を備えたフォークリフトの場合、車体1の中央に設定された運転席3上にヘッドガード4を設けるべく、四隅に立設されたヘッドガードピラーのうち後方右側のヘッドガードピラー5を空気の導入路として有効利用したものがある。
そのような空気導入路は、少なくとも後方右側のヘッドガードピラー5を中空構造とし、上部に空気導入部6を開口すると共に、下部に空気導出部7を設け、その空気導出部7へエンジンのエアクリーナ8に空気を送るエアコネクタ9を接続するものとなっている。
従来、ヘッドガードピラー5の空気導出部7とエアコネクタ9との接続部は、例えば図6の(a)に示す如く、空気導出部7に、中空内部に連通する筒状の接続管7aを突設し、その接続管7aにエアコネクタ9の先端部を嵌合させ、バンド10にて締着させる構造や、図6の(b)に示す如く、空気導出部7に円形の切り抜き穴11を設け、前記円形の切り抜き穴11より大径で、係止溝12aが周設されたエアコネクタ9の先端部12を圧入せしめ、切り抜き穴11を係止溝12aに嵌め合わせる構造のものが知られている。
尚後者のエアコネクタ9における先端部12は、弾力性を有した材質、例えばゴム材で形成され、その端面には嵌め合わせ用のテーパ12bが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の接続構造は、前者の場合、ヘッドガードピラー4に穴を穿ち、そこに筒状の接続管7aを溶接しなければならないので空気導出部の形成が面倒であるし、エアコネクタ9を嵌合した後、バンド10の締着によって抜け止めを図る必要もあって、部品数が増し、接続作業も煩雑である。
又後者のものは、部品数が少なく、嵌め合わせ用のテーパを利用して押し込むだけであるから接続作業は容易であるが、作業性を優先させたことによりシール性が犠牲にされ、しかも経年変化によってゴムが劣化すれば脱落の虞れがある。ヘッドガードピラーを空気導入路として利用する発想は、空気導入部を上方に設け、塵や埃の少ない外気を取り入れることを主眼としているが、ヘッドガードピラーの下方における空気導出部のシール性が悪いと、そこから塵や埃を吸い込んでしまい、充分な効果が期待できない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、接続操作が簡単で、信頼性が高い接続構造であって、空気導出部を、エアコネクタの接続部外径に一致した円の周囲に二箇所以上の切り欠き部を設けた抜き穴形状と成す一方、エアコネクタの先端外周に、前記抜き穴の切り欠き部に対応した係止爪を突設すると共に、その係止爪突設部位の後端側外周に、前記抜き穴の最大径部より大径のフランジ部を周設し、前記各係止爪のフランジ部形成側の面に、フランジ部との間隔が締め付け回転方向の上手側から下手側に減少するテーパを付与し、その間隔の最大幅をヘッドガードピラーの肉厚より僅か大きく設定すると共に、前記係止爪に、エアコネクタの先端側から徐々に高くなる導入用のテーパ面を形成したことにある。
【0005】
【作用】
エアーコネクタ先端の係止爪を空気導出口の切り欠き部に合致せしめて嵌め込み、フランジ部と係止爪と間隔が狭くなる締め付け回転方向へ回動させれば、フランジ部が空気導出口の周面に押し付けられ、抜き穴の切り欠き部は、圧接されたフランジ部により完全に閉塞される。
【0006】
【実施例】
本発明の産業車輛におけるエアコネクタの接続構造を、フォークリフトにおいて実施した一例について説明する。
尚、フォークリフトの全体構造については従来例の項で説明したので、ここでの重複説明は省略する。
図1において、ヘッドガードピラー5の下部に設ける空気導出部7は、エアコネクタ9の外径に等しい円の十字方向外周に台形の切り欠き部13a.13a・・を4箇所有した抜き穴形状の空気導出口13により構成される。
一方、エアーコネクタ9には、接続部である先端外周に、前記空気導出口13の切り欠き部13a.13a・・に対応した係止爪14.14・・を突設すると共に、それら係止爪14.14・・の突設部位の後端側外周に、前記空気導出口13の最大径部より大径のフランジ部15が周設される。
前記各係止爪14.14・・には、エアーコネクタ9の先端側から徐々に高くなる導入用のテーパ面14aと、フランジ部15の形成側に、フランジ部15との間隔が締め付け回転方向の上手側から下手側へ順に狭くなる片側傾斜の圧接用テーパ面14bとが形成されており、フランジ部15と係止爪14.14・・との最大間隔は、ヘッドガードピラーの肉厚より僅かに大きく設定されている。
前記エアーコネクタ9は、ポリプロピレンの射出成形による一体成形品で、フランジ部15は、エアーコネクタ9の壁面を径方向に膨出させた中空状に形成され、弾性を有したものとなっている。
【0007】
このように形成されたエアーコネクタ9先端の係止爪14.14・・を、空気導出口13の切り欠き部13aに合致させ、フランジ部15がヘッドガードピラー5の外面に密着するよう嵌め込み(図2のa、図3のa)、締め付け回転方向であるフランジ部15と係止爪14.14・・との間隔が狭まる方向に回動させれば、空気導出口13の周壁が係止爪14.14・・とフランジ部15とで挟まれ、フランジ部15がヘッドガードピラー5の外面に圧接された状態で強固に接続されると共に、空気導出口13の切り欠き13aが完全に塞がれる(図2のb、図3のb)。
その後図4に示す如く、エアコネクタ9の後端部をエアクリーナ8に対し、周知の手段、例えば嵌合させてバンド10で締着するなどして接続する。
【0008】
本実施例のエアコネクタは、各係止爪14.14・・に導入用のテーパ面14aが形成されているので、嵌め込み時に位置合わせがしやすいし、係止爪14.14・・が十字方向に四箇所設けられているので、全周に亘って挟持力がバランス良く作用する。
又ポリプロピレン製のエアコネクタ9に、係止爪14.14・・とフランジ部15とが一体成形されていることにより、接続するための回動操作は、エアコネクタ6のパイプ部分を握って行なうころができ、てこの原理を応用して軽い力で強固に接続できる。
【0009】
以上の如く、空気導出部はヘッドガードピラーの下部に抜き穴を形成するだけであるし、エアコネクタの先端に形成する係止爪やフランジ部は、射出成形技術を利用することによって成形型の変更で対応できる。
又エアコネクタの接続操作は、先端部を空気導入口に嵌め込んで回動させるだけのワンタッチで行なえ、フランジ部の圧接により気密性も確保される。
更に、逆方向へ回動させれば簡単に取り外しができるので、ヘッドガードピラー内の点検やエアコネクタの交換といったメンテナンスの際にも便利である。
【0010】
尚実施例はフォークリフトについて説明したが、エンジン駆動式の産業車輛全般に適応され、更に空気導入路として利用されるヘッドガードピラーは、後部左側に限定されるものではない。
又エアコネクタは一体成形品に限らず、係止爪とフランジ部とを備えたソケット部材を鋳込み、鍛造、切削等の手段にて形成し、そのソケット部材をエアーホースの先端に連結したり、エアーホースの先端部分に、係止爪とフランジ部の各部材を夫々固着させることにより形成することもでき、係止爪の圧接用テーパは、厚みのある爪の内側面に付与するばかりでなく、薄板状の爪を捻って傾斜せしめことにより付与することもできる。
そしてその圧接用テーパは、フランジ部との間隔が、円周方向の片端から他端側へ順に狭くなる片側傾斜ばかりでなく、円周方向の片端から中央にかけては順に狭くなり、そこから他端側にかけて順に広くなる両側傾斜のテーパでも良いのである。
そのようにすれば回動方向が特定されず、汎用性が高い。
更に空気導出口である抜き穴は、円の十字方向の外周四箇所に台形の切り欠き部を設けた形状であるが、半円径の切り欠き部を設けた梅の花の形状としたり、切り欠き部を二箇所或は三箇所に減らしたり、逆に増加して歯車状とするなど、エアコネクタに設ける係止爪の形状も同様、適宜変更して差し支えない。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、嵌め込み時に位置合わせがしやすく、ワンタッチでエアコネクタをヘッドガードピラーの下部に設けた空気導出部へ確実に取り付けでき、又取り外しも容易であるから、信頼性に富み、メンテナンスの作業性にも優れ、経年変化による劣化の心配もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアコネクタ接続構造の説明図である。
【図2】(a).(b)は接続の操作の手順を示す説明図である
【図3】(a).(b)は接続動作の説明図である。
【図4】接続完了状態の説明図である。
【図5】フォークリフトにおける空気導入路を例示した説明図である。
【図6】(a).(b)は従来例の説明図である。
【符号の説明】
1・・車体、2・・リフト機構、3・・運転席、4・・ヘッドガード、5・・ヘッドガードピラー、6・・空気導入部、7・・空気導出部、7a・・接続管、8・・エアクリーナ、9・・エアコネクタ、10・・バンド、11・・切り抜き穴、12・・先端部、12a・・係止溝、12b・・テーパ、13・・空気導出口、13a・・切り欠き、14・・係止爪、14a・・導入用テーパ、14b・・圧接用テーパ、15・・フランジ部。
Claims (1)
- 上部に空気導入部が開口した中空のヘッドガードピラーの下部に空気導出部を設け、その空気導出部へエンジンのエアクリーナに空気を送るエアコネクタを接続可能としたエアコネクタ接続部にあって、前記空気導出部に、エアコネクタの接続部外径と一致した円の周囲に二箇所以上の切り欠き部を設けた抜き穴を形成する一方、エアコネクタの先端外周に、前記抜き穴の切り欠き部に対応した係止爪を突設すると共に、その係止爪突設部位の後端側外周に、前記抜き穴の最大径部より大径のフランジ部を周設し、前記各係止爪のフランジ部形成側の面に、フランジ部との間隔が締め付け回転方向の上手側から下手側に減少するテーパを付与し、その間隔の最大幅をヘッドガードピラーの肉厚より僅か大きく設定すると共に、前記係止爪に、エアコネクタの先端側から徐々に高くなる導入用のテーパ面を形成した産業車輛におけるエアコネクタの接続構造。
Priority Applications (1)
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JP34730293A JP3557633B2 (ja) | 1993-12-25 | 1993-12-25 | 産業車輛におけるエアコネクタの接続構造 |
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JP34730293A JP3557633B2 (ja) | 1993-12-25 | 1993-12-25 | 産業車輛におけるエアコネクタの接続構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07186740A JPH07186740A (ja) | 1995-07-25 |
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JP34730293A Expired - Lifetime JP3557633B2 (ja) | 1993-12-25 | 1993-12-25 | 産業車輛におけるエアコネクタの接続構造 |
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JPWO2013015161A1 (ja) * | 2011-07-25 | 2015-02-23 | 小島プレス工業株式会社 | 吸気装置 |
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1993
- 1993-12-25 JP JP34730293A patent/JP3557633B2/ja not_active Expired - Lifetime
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