JP3557179B2 - 自動車のセンサー付きグラスラン - Google Patents

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動車のドアサッシュ或いはそのフランジのコーナ部とその両側に連続して取付けられ、ドアガラス、ドアパネル、ルーフパネル等が閉動作中に異物を噛み込んだとき、これを検出するセンサーを備えたグラスランに関する。
【０００２】
【従来技術】
図１は、自動車のドアサッシュに取り付けられる従来のグラスランについて示すもので、センサー挿入孔１を備えたセンサー挿入部２を有するソリッドゴム製のグラスラン３の挿入孔１にセンサー４を挿入したものよりなっている。図中、５はドアガラスであり、６はドアサッシュである。
【０００３】
このグラスラン３を図２に示すようにドア周りのドアサッシュに取付けたとき、Ａ、Ｂ部におけるコーナ部でセンサー挿入孔がコーナ部に追従できず、図３に示すようにセンサー挿入部２に皺７が発生して外観が低下したり、センサー反応への悪影響が懸念される。
【０００４】
この問題に対処するため従来は、コーナ部に取り付けられる個所を型成形したり、或いは特開平４−１６６４１７号に示されるように、外周側部分に切込みを放射状に入れたりしていた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述するようにコーナ部に取り付けられる個所を型成形したり、外周側部分に切込み加工を行うことなく、コーナ部に取付けたときに皺が生じないようにした自動車のセンサー付きグラスランを提供することを目的とする。
【０００６】
【課題の解決手段】
請求項１に係わる発明は、自動車のドアサッシュ或いはそのフランジの少なくともコーナ部とその両側に連続して取付けられる、押出成形品のセンサー付きグラスランであって、ドアガラスを車外側から支持するシールリップを有する車外側部材と、ドアガラスを車内側から支持するシールリップを有し、車外側部材とは別体の車内側部材とより構成し、該車内側部材にセンサー挿入孔を備えたセンサー挿入部を設け、車内側部材をエラストマー或いはエチレンプロピレンゴム等の伸縮性のある弾性体で成形し、かつ前記車内側部材に、自動車のドアサッシュ或いはそのフランジへの止着手段を設け、車内側部材を伸ばした状態でコーナ部にセンサー挿入部に皺が生じないように取付けたことを特徴とする。
【０００７】
本発明によると、センサー挿入部を設けた車内側部材が車外側部材とは別体をなし、車外側部材とは別個に取付けられ、しかもコーナ部に取付ける場合には、センサー挿入部に皺が寄らないように若干、例えば１〜５％程度伸ばしながら取付けることにより皺が一層よりにくゝなる。また分割して成形することにより全体を一体成形するよりも成形品の精度を上げることができる。
【０００８】
本発明において、車外側部材は、車内側部材と同じ材質のものであってもよいし、異なった材質のものを用いてもよい。
また止着手段としては、クリップ、両面粘着テープ、フランジに差込まれるトリム部に挿入され、断面Ｕ形状をなす後述の伸縮可能な芯金等を例示することができる。
【０００９】
請求項２に係わる発明は、請求項１に係わる発明の前記止着手段が、車内側部材にインサートされた伸縮可能な芯材及び若しくはクリップないし粘着テープであることを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図４は、本発明に係わるグラスランについて示すもので、ドアサッシュ１１の内周面に装着されるソリッドゴム製の車外側部材１２と、該部材１２とは別体に成形され、伸縮可能な芯材、例えば図５に示すような、定間隔で並べたコ形の芯材片１３を一部において部分的に連結した芯材１４をインサートしたソリッドゴム製のトリム部よりなる車内側部材１５とよりなり、該車内側部材１５にはセンサー挿入孔１６を有するセンサー挿入部１７が形成されており、ドアサッシュ１１に取付けるときには、先ず車外側部材１２を図示するように取付け、ついで車内側部材部１５をドアサッシュ１１のフランジ１１ａに差し込んで、その一部を車外側部材１２の一部に重ねて組み付ける。図中、１８は車外側部材１２に形成され、ドアガラス５を車外側から支持するシールリップであり、１９は車内側部材１５に形成され、ドアガラス５を車内側から支持するシールリップである。
【００１１】
図示する実施形態では、車外側部材１２はドアサッシュ１１のフランジ１１ａ間に形成されるリテーナに装着され、片側のフランジ１１ａに差し込んで取付られるようになっているが、別の実施形態では、ドアサッシュにクリップないし粘着テープ或いは車内側部材１５と同様、芯金入のトリム部を設けてフランジ１１ａに差し込んで取付けられる。
【００１２】
図６は、ソリッドゴム製の車外側部材２１をドアサッシュ２２に両面粘着テープ２３により止着した例を示すもので、車内側部材２４は図４の車内側部材１５と同様に構成され、ドアサッシュ２２のフランジ２２ａに差し込んで取付られる。
【００１３】
【発明の効果】
請求項１に係わる発明によると、センサー挿入部を設けた車内側部材が車外側部材とは別体に形成されると共に、伸縮性を有することによりコーナ部に皺を生ずることなく取付けることができ、また車内側部材と車外側部材を分割して成形することにより、個々の成形品の精度を上げることができる。
【００１４】
請求項２に係わる発明の止着手段により、ドアサッシュ或いはそのフランジに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のグラスランの断面図。
【図２】ドア周りのドアサッシュに取付けられるグラスランを示す図。
【図３】コーナ部におけるグラスランの斜視図。
【図４】本発明に係わるグラスランの断面図。
【図５】車内側部材に挿入される芯材の斜視図。
【図６】本発明に係わるグラスランの別の例の断面図。
【符号の説明】
１１、２２・・ドアサッシュ
１２、２１・・車外側部材
１３・・芯材片
１４・・芯材
１５、２４・・車内側部材
１６・・センサー挿入孔
１７・・センサー挿入部
１８、１９・・シールリップ
２３・・両面粘着テープ

Claims (2)

1. 自動車のドアサッシュ１１、２２或いはそのフランジの少なくともコーナ部とその両側に連続して取付けられる、押出成形品のセンサー付きグラスランであって、ドアガラス５を車外側から支持するシールリップ１８を有する車外側部材１２、２１と、ドアガラス５を車内側から支持するシールリップ１９を有し、車外側部材とは別体の車内側部材１５、２４とより構成し、該車内側部材１５、２４にセンサー挿入孔１６を備えたセンサー挿入部１７を設け、車内側部材１５、２４をエラストマー或いはエチレンプロピレンゴム等の伸縮性のある弾性体で成形し、かつ前記車内側部材１５、２４に、自動車のドアサッシュ１１、２２或いはそのフランジへの止着手段を設け、車内側部材を伸ばした状態でコーナ部にセンサー挿入部に皺が生じないように取付けたことを特徴とする自動車のセンサー付きグラスラン。
2. 前記止着手段が車内側部材にインサートされた伸縮可能な芯材１４及び若しくは粘着テープないしクリップであることを特徴とする請求項１記載の自動車のセンサー付きグラスラン。

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