JP3557145B2 - レンズキャップが嵌まるカメラ機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズを保護するキャップが着脱自在に嵌まるカメラ機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のカメラ機器の断面側面図である(特開平6−14223号参照)。 キャビネット(1)の前面開口内には、レンズユニット(7)が設けられ、該前面開口はキャビネット(1)に着脱自在に嵌まるキャップ(3)により覆われる。キャップ(3)は撮影時以外の際に装着されて、これによりレンズユニット(7)は保護される。キャビネット(1)の前面開口の周縁部にて、レンズユニット(7)の側方には、棒状のスライド体(4)が出没自在に設けられ、該スライド体(4)はキャップ(3)に押されて、キャビネット(1)内部のスイッチ(SW)を押す。スイッチ(SW)は回路基板(図示せず)に繋がり、該スイッチ(SW)が押されていると、キャップ(3)が装着されたことが検出され、撮影動作が規制される。
スライド体(4)には圧縮バネ(59)が巻き付き、該圧縮バネ(59)によりスライド体(4)はキャップ(3)に向けて付勢される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
圧縮バネ(59)はスライド体(4)に巻き付いているから、キャビネット(1)とレンズユニット(7)の間には、スライド体(4)と圧縮バネ(59)が嵌まる分の空間が必要となる。
然るに、市場からはキャビネット(1)の小型化が要請されている。ここで、レンズユニット(7)を小型化せんとしても、レンズユニット(7)は内部構成が複雑であるから、この小型化は困難である。従って、従来の構成ではキャビネット(1)の大型化を招来し、市場の要請を満たすことができなくなる虞れがある。
本発明は、レンズユニットを収納するキャビネットの小型化を目的とする。
【0004】
【課題を解決する為の手段】
スライド体(4)をキャップ(3)に向けて付勢するバネ体は、弾性板から構成され、略中央部にレンズ体からの光の通過を許す開口(50)を設けてキャップ(3)に対向し、開口(50)の周縁部にてスライド体(4)を付勢している。
【0005】
【作用及び効果】
バネ体は、キャップ(3)に対向して配備され、開口(50)の周縁部にてスライド体を付勢しているから、開口(50)の周縁部にスライド体を押すだけのスペースがあればよい。従って、従来のように、圧縮バネ(59)が嵌まる分の空間は必要でなく、キャビネット(1)の小型化を図ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
(全体概略)
以下、本発明の一例を図を用いて詳述する。本例にあっては、カメラ機器として、所謂デジタルスチルカメラを例示する。
図1は、キャビネット(1)とキャップ(3)の分解斜視図である。キャビネット(1)は、前面に覗き窓(12)、フラッシュ用ランプ(13)、シャッタ釦(14)を具え、筒体(2)を突出している。該筒体(2)の先端部に、キャップ(3)が着脱自在に取り付けられる。
キャップ(3)は環状に形成され、半径中心を挟んで2つの円弧状の突片(30)(30)を対向配備している。両突片(30)(30)間には、円弧状の膨らみを外側に向けた小片(31)(31)が設けられ、各小片(31)の外周に雄ねじ(32)が形成されている。筒体(2)の先端部内周には、該雄ねじ(32)に螺合する雌ねじ(20)(図3参照)が形成され、キャップ(3)は該螺合によって筒体(2)に取り付けられる。尚、雄ねじ(32)を筒体(2)に、雌ねじ(20)をキャップ(3)に設けてもよい。
【0007】
筒体(2)内には、環状のスライド体(4)と、金属板から形成され、中央部に開口(50)を形成した板バネ(5)が嵌まる。板バネ(5)の奥部には、スライド体(4)に操作されるスイッチ(SW)を設けたスイッチユニット(6)が取り付けられる。スライド体(4)は、支持環(40)の周縁部から板バネ(5)に向けてバネ押圧片(41)(41)(41)と、スイッチ押圧片(42)と、爪片(43)を突出している。スイッチ押圧片(42)はバネ押圧片(41)よりも外側に配備される。尚、図1では、爪片(43)は1本しか設けられていないが、複数本設けてもよい。
筒体(2)の奥部には、中央部が開口(22)した壁板(21)が設けられ、該壁板(21)の下端部にスイッチ押圧片(42)が通る透窓(23)が開設されている。該壁板(21)から奥部に向けてスイッチユニット(6)を支持する取付けボス(24)が突出している。
【0008】
板バネ(5)は、開口(50)に連なって切欠き(51)を形成し、該切欠き(51)内にバネ押圧片(41)に押される弾性片(52)を配備している。スイッチ押圧片(42)は切欠き(51)の1つを通って透窓(23)に嵌まる。
スイッチユニット(6)は、ブラケット(60)内に基板(61)を配備し、該基板(61)上にスイッチ押圧片(42)により押し込まれてONになるスイッチ(SW)を配備している。
【0009】
図2は、キャビネット(1)の裏側から、板バネ(5)を見た背面図である。壁板(21)には、開口(22)に連続して切欠部(25)が設けられ、板バネ(5)の弾性片(52)は該切欠部(25)に重なる。前記爪片(43)は開口 (22)の周縁に引掛かり、スライド体(4)は前方への移動が規制される。
図3は、図1のキャビネット(1)の側面断面図である。キャビネット(1)は合成樹脂製の支持枠(10)に金属、具体的にはアルミニウムから形成されるカバー(11)を取り付けて構成される。筒体(2)、スライド体(4)、板バネ(5)の内周部には、鏡筒(70)を出没自在に具えたレンズユニット(7)が設けられている。鏡筒(70)はキャップ(3)が筒体(2)に取り付けられていない状態で、筒体(2)の前面開口から突出して、被写体の画像を写す。レンズユニット(7)は撮像レンズの他にCCD(Charge coupled device)等の光学用電子部品を具えており、複雑な回路
構成となっている。前記板バネ(5)及びキャップ(3)は、レンズユニット(7)の光軸Lに直交する面内に配備される。
【0010】
キャップの装着と装着解除
図3に示すように、キャップ(3)が取り付けられていない状態では、スライド体(4)のバネ押圧片(41)は、板バネ(5)に接している。これによってスライド体(4)は前方に付勢され、筒体(2)の雌ねじ部(20)の基端に接して筒体(2)からの抜けを規制されている。スイッチ押圧片(42)はスイッチ(SW)から離れており、スイッチ(SW)はOFFとなっている。
図4は、キャップ(3)を装着したキャビネット(1)の断面側面図である。筒体(2)の雌ねじ部(20)にキャップ(3)を螺合すると、キャップ(3)の突片(30)は板バネ(5)の弾性付勢に抗して、スライド体(4)を奥向きに押す。スイッチ押圧片(42)はスイッチ(SW)を押し込み、該スイッチ(SW)をONにする。このスイッチ(SW)がONの状態では、キャップ(3)が被さっているから、不用意に鏡筒(70)が前進すると、鏡筒(70)を傷つける虞れがある。従って、スイッチ(SW)がONになっていれば、装置の電源がONになっていても、鏡筒(70)は前進しない。図3に示すように、キャップ(3)が外れていると、スイッチ(SW)はOFFであり、鏡筒(70)の前進を許す。尚、スイッチ(SW)は押し込まれてOFFとなるタイプでもよい。
【0011】
板バネ(5)は、光軸Lに直交する面内にて、キャップ(3)に対向して配備され、開口(50)の周縁部にてスライド体を付勢している。故に、開口(50)の周縁部にスライド体(4)を押すだけのスペースがあればよく、スライド体(4)の厚みを薄くできる。従って、従来のように、圧縮バネ(59)が嵌まる分の空間は必要でなく、キャビネット(1)の小型化を図ることができる。
ここで、レンズユニット(7)を小型化することも考えられるが、前記の如く、レンズユニット(7)は複雑な回路構成となっており、小型化は容易でない。本例の構成によって、簡素な構成にて、キャビネット(1)の小型化を図ることができる。
更に従来のように、棒状のスライド体(4)にてキャップ(3)を付勢していると、スライド体(4)とキャップ(3)が局所的に接するから、キャップ(3)を回転させつつ筒体(2)に取り付ける際に、スライド体(4)がキャップ(3)をこじりながら回転する虞れがある。これに対し、本例にあっては、キャップ(3)を装着する際には、スライド体(4)の前面全体がキャップ(3)を押しており、スライド体(4)がキャップ(3)をこじる虞れは緩和される。
【0012】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャビネットとキャップの分解斜視図である。
【図2】キャビネットの裏側から、板バネを見た背面図である。
【図3】図1のキャビネットの側面断面図である。
【図4】キャップを装着したキャビネットの断面側面図である。
【図5】従来のカメラ機器の断面側面図である。
【符号の説明】
(1) キャビネット
(2) 筒体
(3) キャップ
(4) スライド体
(5) 板バネ
(7) レンズユニット
(50) 開口

Claims (1)

  1. キャビネット(1)にレンズユニット(7)を保護するキャップ(3)が着脱自在に取り付けられ、キャビネット(1)内に装着状態のキャップ(3)により内向きに押し込まれるスライド体(4)と、スライド体(4)をキャップ(3)に向けて付勢するバネ体と、スライド体(4)により押圧操作されるスイッチ(SW)を具えたカメラ機器に於いて、
    バネ体は、弾性板から構成され、略中央部にレンズ体からの光の通過を許す開口(50)を設けてキャップ(3)に対向し、開口(50)の周縁部にてスライド体(4)を外向きに付勢していることを特徴とするカメラ機器。
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