JP3556749B2 - ポリマー碍管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、FRP筒と、このFRP筒の外周面に設けた、外被胴と外被胴から突出する笠部とからなる外被部と、FRP筒の外周面であって外被部の端部に設けたフランジ金具とから構成されるポリマー碍管に関し、特に内部電極を用いないガスブッシング用として好適に使用されるポリマー碍管に関するものである。
【0002】
従来から、FRP筒と、このFRP筒の外周面に設けた、外被胴と外被胴から突出する笠部とからなる例えばシリコーンゴム製の外被部と、FRP筒の外周面であって外被部の端部に設けたフランジ金具とから構成されるポリマー碍管は、種々の用途に使用されている。このうち、壁またはタンク等の隔壁を貫通する導体を通す通路を持ち、これらを隔壁から絶縁して支持する装置として、ポリマー碍管を使用したガスブッシングが知られている。
【0003】
図3は従来のガスブッシングの一例の構成を示す図である。図3に示す例において、ガスブッシング51は、ポリマー碍管52中に中心導体53を設けて構成している。そして、ポリマー碍管52は、FRP筒61と、このFRP筒61の外周面に設けた、外被胴62と外被胴62から突出する笠部63とからなる外被部64と、FRP筒61の外周面であって外被部64の端部に設けたフランジ金具65とから構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図3に示す構成のGIS(gas insulated substation)またはGCB(gas circuit breaker )用ガスブッシングでは、実使用にあたり中心導体53に電圧がかかり、その電圧に起因して発生する外被部気中側沿面での電界の集中を緩和するため、通常、ポリマー碍管52の内側下部に接地側シールド電極を設けることが多い。しかしながら、33〜66KVクラスの低電圧用では、構造を簡略化し、コストを低減するため、上述した接地側シールド電極を省略することが多かった。
【0005】
そして、接地側シールド電極を省略した場合は、外被部64とフランジ金具65との接続端であってFRP筒61と接する部分、図3におけるA部の電位集中が大きくなる問題があった。また、このA部に対応する外被部64の外表面上における沿面軸方向の電位集中に起因する電界が大きくなる問題もあった。このような電位集中を緩和させることが、ガスブッシングの耐電圧向上およびゴムからなる外被部64のエロージョン発生の防止のために必要であった。従来の電圧クラスでは、これらの点は径方向の寸法を若干大きくするなどの対応で解決できた。しかしながら、より高い77〜110KVクラスへ適用しようとすると、寸法も相対的に大きくなるため無視出来なくなってきた。
【0006】
本発明の目的は上述した課題を解消して、フランジ金具と外被部との接続部分における電位集中をなくし、耐電圧を向上させ、外被部のエロージョン発生を防止することができるポリマー碍管を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のポリマー碍管は、FRP筒と、このFRP筒の外周面に設けた、外被胴と外被胴から突出する笠部とからなる外被部と、前記FRP筒の外周面であって前記外被部の端部に設けたフランジ金具とから構成されるポリマー碍管において、(1)前記フランジ金具の前記外被部と接する端部の内径側に、フランジ金具の端部肉厚で許される曲率を有する曲率部を形成し、さらに、前記外被部の外被胴を前記フランジ金具の端部外周に成形するとともに、前記外被胴の厚さを前記笠部のうちフランジ金具に一番近い笠部までその径を保つ厚肉形状とすることを特徴とするもの、あるいは、(2)前記フランジ金具の前記外被部と接する端部の内径側に、フランジ金具の端部肉厚で許される曲率を有する曲率部を形成し、さらに、前記外被部の外被胴を前記フランジ金具の端部外周に成形するとともに、フランジ金具の端部外周に成形した外被胴から突出するコーン部を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、フランジ金具の外被と接する端部の内径側に設けた、フランジ金具の端部肉厚で許される曲率を有する曲率部が、フランジ金具の端部角部における電位集中を緩和させている。なお、本発明における「フランジ金具の端部肉厚で許される曲率」とは、フランジ金具の端部の厚さがtとすると、曲率部の曲率半径R≦tとなる場合のことを意味する。
【0009】
また、好ましい例として、(2)の構成において、コーン部の前記フランジ金具に面する部分の曲率を、前記フランジ金具の曲率部の曲率の延長上に略あるようにすることで、フランジ金具の端部を覆うよう設けた、外被部の厚肉部またはコーン部が、その部分の外表面における電位傾度を小さくして、沿面電界を低減させる作用を有している。さらに、好ましい例として、(1)および(2)の構成において、FRP筒とフランジ金具との接着を曲率部の付け根までにとどめると、曲率部まで接着剤を充填した場合に発生する曲げ荷重による接着剤部でのクラック発生を抑制し、相対的に曲げ荷重強度を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の態様】
図1は本発明のポリマー碍管の一例の構成の主要部を示す図である。図1に示す例において、ガスブッシング1は、ポリマー碍管2中に中心導体3を設けて構成している。そして、ポリマー碍管2は、FRP筒11と、このFRP筒11の外周面に設けた、外被胴12と外被胴12から突出する笠部13とからなる外被部14と、FRP筒11の外周面であって外被部14の端部に設けたフランジ金具15とから構成されている。
【0011】
上述した構成は従来と同様の構成であり、本発明において重要なのは、フランジ金具15の外被部14と接する端部の内径側に、フランジ金具15の端部肉厚で許される曲率、すなわちフランジ金具15の端部肉厚をtとした場合に曲率R≦tとなる曲率Rを有する曲率部16を形成した点である。曲率部16を設けることで、フランジ金具15の角部に加え外被沿面での電位集中を防止することができる。曲率半径Rが小さすぎるとその効果を十分に得ることができないため、使用電圧に応じてRを決定する必要がある。77KVクラスでは、最低でも2〜3mmとすることが好ましい。
【0012】
そして、図1に示す例では、FRP筒11とフランジ金具15との接着を、曲率部16の付け根16aまでにとどめている。これにより、接着剤を曲率部16とFRP筒11との間に設けた場合に比べて曲げ荷重による接着剤部でのクラック発生を抑制し、相対的に曲げ強度を向上させることができる。また、図1に示す例では、外被部14の外被胴12をフランジ金具15の端部外周を被覆するように成形するとともに、外被胴12の厚さを笠部13のうちフランジ金具5に一番近い笠部13aまでその径を保つ厚肉形状の厚肉部12aとしている。そのため、図1に示した例で得られる効果に加えて、外被胴12の厚肉部12aの外周面上における沿面電界を低減し、耐電圧を向上させることができる。
【0013】
図2は本発明のポリマー碍管の他の例の構成の主要部を示す図であり、図1と同様の構成の部分は図2において図示していない。図2に示す例では、図1に例示した曲率部16の構成およびFRP筒11とフランジ金具15との接着を曲率部16の付け根16aまでにとどめた構成に加えて、外被部14の外被胴12をフランジ金具15の端部外周に成形するとともに、フランジ金具15の端部外周に成形した外被胴12から突出するコーン部17を設けている。この場合も、図1に示した例と同様に、コーン部17を設けることでこの部分の電位傾度を小さくすることができ、沿面電界を低減し耐電圧を向上させることができる。なお、図2に示す例では、さらに、コーン部17のフランジ金具15に面する部分17aの曲率を、フランジ金具15の曲率部16の延長上に略あるようにしている。この構成をとると、上記コーン部17の効果をさらに有効に達成することができる。
【0014】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、フランジ金具の外被と接する端部の内径側に、フランジ金具の端部肉厚で許される曲率を有する曲率部を設けているため、フランジ金具の端部角部における電位集中を緩和させ、耐電圧の向上および外被部のエロージョンの防止を達成することができる。また、フランジ金具の端部を覆うよう、外被部の厚肉部またはコーン部を設けているため、その部分の外表面における電位傾度を小さくして、沿面電界を低減させることができる。さらに、好ましい例として、FRP筒とフランジ金具との接着を曲率部の付け根までにとどめているため、曲率部まで接着剤を充填した場合に発生する曲げ荷重による接着剤部でのクラック発生を抑制することができる。
【0015】
上述した構成を有する本発明のポリマー碍管は、ガスブッシングに用いるポリマー碍管で、かつ内部電極を用いない構成のポリマー碍管に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリマー碍管の一例の構成を示す図である。
【図2】本発明のポリマー碍管の他の例の構成を示す図である。
【図3】従来のポリマー碍管の一例の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ガスブッシング、2 ポリマー碍管、3 中心導体、11 FRP筒、12外被胴、12a 厚肉部、13 笠部、14 外被部、15 フランジ金具、16 曲率部、16a 付け根、17 コーン部
Claims (4)
- FRP筒と、このFRP筒の外周面に設けた、外被胴と外被胴から突出する笠部とからなる外被部と、前記FRP筒の外周面であって前記外被部の端部に設けたフランジ金具とから構成されるポリマー碍管において、前記フランジ金具の前記外被部と接する端部の内径側に、フランジ金具の端部肉厚で許される曲率を有する曲率部を形成し、さらに、前記外被部の外被胴を前記フランジ金具の端部外周に成形するとともに、前記外被胴の厚さを前記笠部のうちフランジ金具に一番近い笠部までその径を保つ厚肉形状とすることを特徴とするポリマー碍管。
- FRP筒と、このFRP筒の外周面に設けた、外被胴と外被胴から突出する笠部とからなる外被部と、前記FRP筒の外周面であって前記外被部の端部に設けたフランジ金具とから構成されるポリマー碍管において、前記フランジ金具の前記外被部と接する端部の内径側に、フランジ金具の端部肉厚で許される曲率を有する曲率部を形成し、さらに、前記外被部の外被胴を前記フランジ金具の端部外周に成形するとともに、フランジ金具の端部外周に成形した外被胴から突出するコーン部を設けたことを特徴とするポリマー碍管。
- 前記コーン部の前記フランジ金具に面する部分の曲率を、前記フランジ金具の曲率部の曲率の延長上に略あるようにした請求項2記載のポリマー碍管。
- 前記FRP筒とフランジ金具との接着を、前記曲率部の付け根までにとどめる請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー碍管。
Priority Applications (1)
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JP29517795A JP3556749B2 (ja) | 1995-11-14 | 1995-11-14 | ポリマー碍管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29517795A JP3556749B2 (ja) | 1995-11-14 | 1995-11-14 | ポリマー碍管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09139129A JPH09139129A (ja) | 1997-05-27 |
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Family
ID=17817227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP29517795A Expired - Lifetime JP3556749B2 (ja) | 1995-11-14 | 1995-11-14 | ポリマー碍管 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3556749B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
IT249776Y1 (it) * | 2000-03-17 | 2003-05-28 | Passoni & Villa S P A | Isolatore passante monolitico |
-
1995
- 1995-11-14 JP JP29517795A patent/JP3556749B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09139129A (ja) | 1997-05-27 |
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