JP3556525B2 - 表面溶融炉の溶融バーナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ごみ焼却炉から排出される焼却残渣や飛灰、或いは下水汚泥、破砕不燃物等の被溶融物を溶融処理する表面溶融炉に用いられるものであり、灯油や天然ガス等の化石燃料の燃焼熱により被溶融物を溶融する溶融バーナの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ごみ焼却炉から排出される焼却残渣や飛灰等の被溶融物は、その多くが埋め立て処理されている。しかし、埋め立て地の確保が年々困難になりつつあり、被溶融物の減容化、無害化、有効利用等が要請されている。
【0003】
そこで、近年、ごみ焼却炉から排出される焼却残渣や飛灰等の被溶融物の減容化及び無害化等を図る為、被溶融物の溶融固化処理が注目され、現実に実用に供されている。被溶融物は、溶融固化することにより、その容積を1/2〜1/3に減らすことができると共に、物理的・化学的に安定して重金属等の有害物質の溶出防止やダイオキシン類の完全分解が可能になるうえ、コンクリートフィラー材、路盤材、ブロック等としての再利用や最終埋立て処分場の延命等が可能となるからである。
【0004】
而して、被溶融物の溶融処理には、従来から様々な構造の溶融炉が利用されている。例えば、被溶融物の溶融処理には、電気エネルギーによって被溶融物を溶融処理する溶融炉(アーク溶融炉、プラズマアーク炉、電気抵抗炉等)や、燃料の燃焼エネルギーによって被溶融物を溶融処理する溶融炉(表面溶融炉、旋回溶融炉、コークスベッド炉等)が利用されている。中でも表面溶融炉は、最も普及しているものの一つであり、被溶融物の溶融処理に広く利用されている。
【0005】
図5は表面溶融炉20の一例を示す概略縦断面図であり、当該表面溶融炉20は、炉内に4方向(前後左右方向)若しくは対向する2方向(例えば左右方向)から被溶融物Wを供給し、この被溶融物Wを表面側から溶融して炉内に溶融面を形成する4面式構造若しくは対面式構造となって居り、炉底21aの中央部にスラグタップ21bを形成した炉本体21と、炉本体21の前後左右位置(若しくは左右位置)に夫々配設されたホッパ22と、炉本体21の上方位置に旋回自在に配設され、供給コンベヤ23から供給された被溶融物Wを各ホッパ22に均等に分配投入する被溶融物分配供給装置24と、各ホッパ22の下部位置に設けられ、ホッパ22内に貯留された被溶融物Wを炉内へ順次供給する被溶融物押出し装置25と、炉本体21の天井壁21cに配設され、炉内の被溶融物Wを表面側から加熱溶融する1台若しくは複数台の溶融バーナ26と、炉本体21の下方位置に配設され、スラグタップ21bから流下した溶融スラグを水冷する冷却水槽27と、冷却水槽27内に配設され、冷却水槽27内の水砕スラグを排出するスラグコンベヤ28等とから構成されている。
【0006】
而して、ごみ焼却炉から排出された焼却残渣や飛灰等の被溶融物Wは、各ホッパ22内に配置したレベルセンサー(図示省略)からの検出信号に基づいて駆動制御される被溶融物分配供給装置24により各ホッパ22内に投入され、一定のレベルを保ちつつ炉内と各ホッパ22との間を物理的にシールする。
【0007】
各ホッパ22に投入された被溶融物Wは、被溶融物押出し装置25により炉内へ順次押し出され、表面がスラグタップ21bを中心にして略すり鉢状の傾斜面(この傾斜面の角度は被溶融物Wの安息角又は安息角に近い角度)となった状態で炉底に堆積される。
【0008】
炉底に堆積した被溶融物Wは、溶融バーナ26からの燃焼火炎により表面側から順次加熱・溶融され、フィルム状の溶融スラグとなる。この溶融スラグは、すり鉢状の傾斜面を流下してスラグタップ21bから冷却水槽27内へ落下し、冷却水により冷却固化されて水砕スラグとなった後、スラグコンベヤ28により排出される。
【0009】
一方、炉内に発生した高温の燃焼排ガスは、溶融スラグと一緒にスラグタップ21bから排出され、煙道、空気予熱器、排ガス処理装置等(何れも図示省略)を経てクリーンガスとなって大気中へ排出される。
【0010】
前記表面溶融炉20は、構造が簡単で多様な化石燃料を使用できること、焼却灰単独は勿論のこと煤塵、破砕不燃物、破砕可燃物との混合溶融が可能なこと、運転操作が容易なこと等の利点を有している。
【0011】
ところで、上述した表面溶融炉20に用いる溶融バーナ26には、灯油や天然ガス等の化石燃料を燃料Fとする灯油バーナやガスバーナが使用されている。
図6は灯油を燃料Fとする灯油バーナの概略縦断面図を示すものであり、当該灯油バーナは、炉本体21の天井壁21cに形成した末広がり状のバーナスロート29の中心位置に配置され、先端部にアトマイザ部30aを備えたバーナガン30と、バーナガン30を保護するバーナ保護管31と、バーナスロート29に連通状に接続され、バーナスロート29へ燃焼用空気Aを供給するウインドボックス32と、バーナ保護管31の先端部に取り付けられ、バーナスロート29内に位置すると共にバーナスロート29へ流れ込んだ燃焼用空気Aに旋回を与えて炉内へ供給する軸流式のスワラ33等とから構成されている。
【0012】
前記バーナガン30及びスワラ33は、上下方向へ移動調整可能となって居り、その位置を可変できるようになっている。即ち、バーナガン30の位置調整は、ノズル位置調整アジャスター34を操作することによって行い、又、スワラ33の位置調整は、バーナ位置調整アジャスター35を操作し、バーナ保護管31を上下動させることによって行う。
尚、図6に於いて、36は炉本体21の天井壁21cに設けた水冷用の冷却ジャケット、37はウインドボックス32内の燃焼用空気Aをバーナスロート29へ導くエアスリーブである。
【0013】
而して、前記溶融バーナ26によれば、ウインドボックス32内に供給された燃焼用空気Aをバーナスロート29から炉内へ供給しつつ、バーナガン30に供給された燃料F(灯油)をアトマイザ部30aから噴霧用空気A′により炉内へ噴霧して燃焼用空気Aと混合することによって、燃料F(灯油)を燃焼させることができる。尚、点火の際のみパイロットバーナ(図示省略)のパイロット炎により着火を行う。
【0014】
この溶融バーナ26は、燃焼用空気Aをバーナスロート29に配置したスワラ33により旋回させてバーナスロート29から炉内へ供給するようにしている為、燃料F(灯油)との攪拌・混合が促進されて広角短炎を形成することができると共に、旋回を与えることによって中心部に負圧領域が形成され、高温ガスが再循環せしめられて安定した燃焼が得られる。
又、溶融バーナ26は、バーナスロート29が末広がりに形成され、バーナガン30とスワラ33が上下方向へ移動調整可能となっている為、バーナガン30とスワラ33の位置調整を行うことによって燃焼用空気Aの旋回強さを調整することができ、これによって火炎形状を変えることができるようになっている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の表面溶融炉20に於いては、表面溶融炉20の規模や形状、設置スペース等の関係から溶融バーナ26の設置台数や場所等が異なって来ることがある。その為、表面溶融炉20に設置できる溶融バーナ26の台数が少ない場合には、一台の溶融バーナ26で加熱しなければならない溶融面が大きくなる為、従来の溶融バーナ26よりも更に広角の火炎を作る必要があった。
然し乍ら、従来の溶融バーナ26に於いては、あまり大きな広角火炎を作ることができず、表面溶融炉20の規模や形状等の関係から溶融バーナ26の設置台数を減らさなければならない場合には、被溶融物Wの良好な溶融処理を行えないと云う問題が発生した。
【0016】
又、従来の溶融バーナ26に於いては、バーナガン30とスワラ33の位置調整を行って燃焼用空気Aの旋回強さを調整し、これによって火炎形状を変えるようにしている。
ところで、燃焼用空気Aの旋回強さは、スワラ33のセット位置によって決定され、スワラ33を数mm上下動させるだけで旋回強さが変わることになる。その為、基本的にはバーナガン30とスワラ33の位置調整は表面溶融炉20の運転前に行い、バーナガン30とスワラ33の位置を直接確認しながら調整を行うようにしている。
ところが、従来の溶融バーナ26に於いては、表面溶融炉20の運転中にバーナガン30とスワラ33の位置を直接確認しながら調整できないうえ、バーナガン30とスワラ33のセット位置によって火炎形状が変わり易い為、表面溶融炉20の運転中に於ける火炎形状の微妙な変更(設定)が困難であった。
【0017】
本発明は、従前の表面溶融炉の溶融バーナに於ける上述の如き問題を解決せんとするものであり、その目的は、より大きな広角火炎を得られると共に、表面溶融炉の運転中に於ける火炎形状の微妙な変更を可能とした表面溶融炉の溶融バーナを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、炉内に供給された被溶融物Wを油やガスの燃焼火炎によって表面側から順次溶融するようにした表面溶融炉の溶融バーナに於いて、前記溶融バーナ1が、断面形状が末広がり形状のバーナスロート4の中心位置に配置したバーナ保護管9内に挿入されたバーナガン5と、バーナスロート4に連通状に接続されたエアースリーブ6a 2 と外筒6a 4 を備え、バーナスロート4へ燃焼用空気Aを供給するウインドボックス6と、ウインドボックス6内に配設され、ウインドボックス6の外側空間S 1 からエアースリーブ6a 2 の内方の内側空間S 2 を通してバーナスロート4へ流れ込む燃焼用空気Aに旋回を与えるベーン旋回機7と、バーナスロート4内に位置してバーナ保護管9の先端に連結され、バーナスロート4へ旋回しながら流れ込んだ燃焼用空気Aに更に旋回を与えるスワラ8とを具備すると共に、前記ベーン旋回機7を、ベーン7aの角度が調整自在な構成としてエアースリーブ6a 2 の上端部に配設して、当該ベーン7aの角度を可変することによってウインドボックス6からバーナスロート4へ流れ込む燃焼用空気Aの旋回強さを調整し、更に、前記バーナガン5を、ノズル位置調整アジャスター10により、また、前記スワラ8を、バーナ保護管9を介してバーナ位置調整アジャスター13により、夫々独立してバーナスロート4の中心軸線に沿って移動調整自在な構成として、前記ベーン7aの角度並びに前記スワラ8及びバーナガン5の位置を夫々可変とすることによって燃焼用空気Aの旋回強さ並びに火炎形状を調整するようにしたことを発明の基本構成とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る溶融バーナ1の概略縦断面図を示し、当該溶融バーナ1は、ごみ焼却炉から排出される焼却残渣や飛灰、或いは下水汚泥、破砕不燃物等の被溶融物を炉内に4方向(前後左右方向)から供給して溶融する4面式構造の表面溶融炉や同じく被溶融物を炉内に2方向(左右方向)から供給して溶融する対面式構造の表面溶融炉の天井壁2に夫々設置されて居り、灯油や天然ガス等の化石燃料Fを燃焼用空気Aと共に炉内へ供給して燃焼させ、その燃焼熱により炉内へ投入された被溶融物を表面側から順次加熱・溶融するようにしたものである。
尚、溶融バーナ1を設置する表面溶融炉の天井壁2は、高温に耐えられるようにキャスタブル耐火材や耐火煉瓦等の耐火物で形成されて居り、その外表面には冷却用の水冷ジャケット3が設けられている。
【0022】
前記溶融バーナ1は、この実施の形態に於いては灯油を燃料Fとする灯油バーナに構成されて居り、バーナスロート4の中心位置に配置されたバーナガン5と、バーナスロート4に連通状に接続され、バーナスロート4へ燃焼用空気Aを供給するウインドボックス6と、ウインドボックス6内に配設され、ウインドボックス6からバーナスロート4へ流れ込む燃焼用空気Aに旋回を与える半径流式のベーン旋回機7と、バーナスロート4に配置され、バーナスロート4へ旋回しながら流れ込んだ燃焼用空気Aに更に旋回を与える軸流式のスワラ8等を具備したものである。
【0023】
前記バーナスロート4は、表面溶融炉の天井壁2に形成されて居り、炉内へ向かうに従って内径が漸次大きくなる末広がり状となっている。
【0024】
前記バーナガン5は、バーナスロート4の中心位置に配置されて居り、燃料Fとなる灯油を噴霧用空気A′により炉内へ噴霧するものである。
又、バーナガン5の先端部(図1の下端部)には、灯油配管(図示省略)から供給された灯油(燃料F)と噴霧空気配管(図示省略)から供給された噴霧用空気A′とを炉内へ噴射して灯油(燃料F)を噴霧状にするアトマイザ部5aが設けられている。
更に、バーナガン5の基端部(図1の上端部)には、灯油配管が接続される灯油配管接続口5bと噴霧用空気配管が接続される噴霧用空気配管接続口5cとが夫々形成されている。
【0025】
そして、前記バーナガン5は、バーナスロート4の中心線上に配置されたバーナ保護管9に挿通支持されて居り、ノズル位置調整アジャスター10を操作することによってバーナスロート4の中心線に沿って上下方向へ移動調整自在できるようになっている。
尚、バーナ保護管9は、後述するウインドボックス6の天板6a1 に立設したスタンド11にフランジ12を介して昇降自在に支持されて居り、スタンド11に形成した雄ネジ部及びこれに螺合するナット等から成るバーナ位置調整アジャスター13を操作し、フランジ12をスタンド11に沿って移動させることによって上下方向へ移動調整することができる。
【0026】
前記ウインドボックス6は、バーナスロート4に連通するように表面溶融炉の天井壁2に配置されて居り、送風機及び燃焼用空気供給ダクト(何れも図示省略)から供給された燃焼用空気Aをバーナスロート4へ供給するものである。
即ち、ウインドボックス6は、天板6a1 、エアスリーブ6a2 の一部及び外筒6a3 により円筒箱型に形成され、中心位置にバーナガン5及びバーナ保護管9を挿通した状態で表面溶融炉の天井壁2に固定される本体6aと、本体6aの天板6a1 内及び本体6a底部の内側面に取り付けた耐熱キャスタブル6bと、本体6a内にバーナスロート4に連通するように配置され、本体6aの内部空間を外側空間S1 と内側空間S2 とに区画するエアスリーブ6a2 とから構成されて居り、外側空間S1 内へ供給された燃焼用空気Aを、エアスリーブ6a2 の上端と天板6a1 との間に形成した間隙から内側空間S2 へ導き、当該内側空間S2 からバーナスロート4へ供給するようになっている。
【0027】
前記ベーン旋回機7は、天板6a1 底部に取り付けられ、天板6a1 とエアスリーブ6a2 上端との間隙に配設されて居り、ウインドボックス6からバーナスロート4へ流れ込む燃焼用空気Aに旋回を与えると共に、燃焼用空気Aの旋回速度及び方向を変化させてその旋回強さを調整するものである。
即ち、ベーン旋回機7は、ウインドボックス6内の連通部に環状に並列配置された複数枚のベーン7aと、各ベーン7aをウインドボックス6の天板6a1 に回動自在に支持する複数本の支持軸7cと、隣接するベーン7a同士を連動連結するリンク7dと、支持軸7cの一つに連結され、ウインドボックス6外へ突出する駆動軸7e(支持軸7cの一つを延長して駆動軸としても良い)と、駆動軸7eに取り付けた角度調整レバー7f等とから構成されて居り、角度調整レバー7fを操作して駆動軸7eを回転させることによって各ベーン7aが同じ角度で同じ方向へ動くようになっている。
従って、前記ベーン旋回機7によれば、ウインドボックス6の外側空間S1 に供給された燃焼用空気Aは、エアスリーブ6a2 上端と天板6a1 との間を通過する際に各ベーン7aにより旋回を与えられて内側空間S2 へ入り、内側空間S2 からバーナスロート4へ旋回状態で供給される。又、各ベーン7aの角度を調整することによって燃焼用空気Aの旋回速度及び方向が変えられ、これによって燃焼用空気Aの旋回強さを調整することができる。
【0028】
前記スワラ8は、バーナスロート4に位置する状態で且つバーナ保護管9の先端部に取り付けられて居り、バーナスロート4へ旋回しながら流れ込んだ燃焼用空気Aに更に旋回を与えると共に、保炎の役目を果たすものである。
即ち、スワラ8は、図2及び図3に示す如く、バーナ保護管9の先端に取り付けられる内筒部8aと、内筒部8aの周囲に同心円状に配置された外筒部8bと、内筒部8aと外筒部8bとの間に傾斜姿勢で且つ環状に並列配置された複数枚のベーン8cとから構成されて居り、バーナスロート4に旋回しながら流れ込んだ燃焼用空気Aをベーン8cにより更に旋回させてバーナスロート4から炉内へ供給できるようになっている。
尚、スラワ8は、上下方向へ移動調整自在なバーナ保護管9の先端部に取り付けられている為、バーナ位置調整アジャスター13を操作してバーナ保護管9を上下動させることによって上下方向へ移動調整することができる。
【0029】
次に、前記溶融バーナ1の作用について説明する。
送風機(図示省略)から送られて来た燃焼用空気Aは、燃焼用空気供給ダクト(図示省略)を経てウインドボックス6の外側空間S1 内へ流入した後、天板6a1 の底部に取り付けられ、エアスリーブ6a2 の上端と天板6a1 との間隙に配設したベーン旋回機7の各ベーン7aにより旋回せしめられ、ウインドボックス6の内側空間S2 内へ流入する。
【0030】
ウインドボックス6の内側空間S2 へ流入した燃焼用空気Aは、内側空間S2 内を旋回しながらバーナスロート4へ供給され、バーナスロート4に配置したスワラ8により更に旋回せしめられてバーナスロート4から炉内へ供給される。
【0031】
一方、燃料Fとなる灯油は、噴霧用空気A′と一緒にバーナガン5に供給され、バーナガン5のアトマイザ部5aから噴霧用空気A′により炉内へ噴霧されて前記燃焼用空気Aと攪拌・混合され、着火燃焼される。このときの火炎形状は、燃焼用空気Aが旋回しながら炉内へ供給されている為、広角短炎となっている。
【0032】
前記溶融バーナ1は、ウインドボックス6からバーナスロート4へ流れ込む燃焼用空気Aにベーン旋回機7のベーン7aにより旋回を与え、バーナスロート4へ流れ込んだ燃焼用空気Aに更にスワラ8により旋回を与えてバーナスロート4から炉内へ供給するようにしている為、大きな旋回力が得られることになる。その結果、燃焼用空気Aと燃料F(灯油)との攪拌・混合が促進され、更に広角短炎が得られることになる。
従って、この溶融バーナ1を用いれば、より大きな広角火炎を形成することができる為、被溶融物を加熱溶融できる面積が増えることになる。その結果、前記溶融バーナ1を規模や形状等を同一とした表面溶融炉に設置する場合、従来の溶融バーナ1に比較して設置台数が少なくて済む。
【0033】
又、前記溶融バーナ1は、ベーン旋回機7のベーン7aの角度を変えることによって燃焼用空気Aの旋回強さを調整することができる為、ベーン7aの角度を変えるだけで火炎形状を変化させることができる。
例えば、図4(A)はベーン旋回機7の各ベーン7aの角度を0°とした場合の火炎形状を示すものであり、ウインドボックス6内に流入した燃焼用空気Aは、各ベーン7aの角度が0°となっている為にウインドボックス6からバーナスロート4へ旋回せずに流れ込み、バーナスロート4部に於いてスワラ8により旋回を受けてバーナスロート4から炉内へ供給される。その為、火炎形状は、図4(A)に示すような形状となる。
これに対して、図4(B)はベーン旋回機7の各ベーン7aの角度を45°とした場合の火炎形状を示すものであり、ウインドボックス6内に流入した燃焼用空気Aは、各ベーン7aの角度が45°となっている為にウインドボックス6からバーナスロート4へ旋回しながら流れ込み、更にバーナスロート4部に於いてスワラ8により旋回を受けてバーナスロート4から炉内へ供給される。その為、バーナスロート4から炉内へ供給される燃焼用空気Aの旋回力が強くなり、火炎形状は図4(B)に示すように図4(A)の火炎よりも広角の短炎となる。
【0034】
このように、前記溶融バーナ1は、ベーン旋回機7のベーン7aの角度を調整するだけで火炎形状を変えることができ、然もベーン旋回機7のベーン7aの角度を外部から簡単に調整することができる為、表面溶融炉の運転中に於ける火炎形状の微妙な変更(設定)が可能となる。
【0035】
更に、前記溶融バーナ1は、バーナスロート4が末広がりに形成され、スワラ8とバーナガン5が上下方向へ移動調整自在となっている為、スワラ8とバーナガン5の位置調整を行うことによって燃焼用空気Aの旋回強さを調整し、これによって火炎形状を変えることができる。その結果、この溶融バーナ1を用いれば、表面溶融炉の運転前に火炎形状の大まかな調整を行うことができる。
【0036】
尚、上記実施の形態に於いては、溶融バーナ1の燃料Fに灯油を使用し、溶融バーナ1を灯油バーナ構造としたが、他の実施の形態に於いては、燃料Fに天然ガス等のガスを使用し、溶融バーナ1をガスバーナ構造としても良い。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明の請求項1の溶融バーナは、ウインドボックスからバーナスロートへ流れ込む燃焼用空気にベーン旋回機により旋回を与え、バーナスロートへ流れ込んだ燃焼用空気に更にスワラにより旋回を与えてバーナスロートから炉内へ供給するようにしている為、大きな旋回力が得られることになる。その結果、燃焼用空気と燃料との攪拌・混合が促進され、更に広角短炎が得られることになる。
従って、前記溶融バーナを用いれば、被溶融物を加熱溶融できる面積が増えることになり、規模や形状等を同一とした表面溶融炉に設置する場合、従来の溶融バーナに比較して台数を削減することができる。
【0038】
本発明の溶融バーナは、上記効果に加えて更に次のような効果を奏し得る。即ち、ベーン旋回機のベーンを角度調整可能とし、ベーンの角度調整によって燃焼用空気の旋回強さを調整するようにしている為、ベーンの角度を調整するだけで火炎形状を変化させることができる。その結果、表面溶融炉の運転中に於ける火炎形状の微妙な変更(設定)が可能となる。
又、バーナスロートを末広がりに形成すると共に、スワラとバーナガンを上下方向へ移動調整自在としている為、スワラとバーナガンの位置調整を行うことによって燃焼用空気の旋回強さを調整し、これによって火炎形状を変えることができる。その結果、この溶融バーナを用いれば、表面溶融炉の運転前に火炎形状の大まかな調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る表面溶融炉の溶融バーナの概略縦断面図である。
【図2】溶融バーナのスワラの一部切欠正面図である。
【図3】溶融バーナのスワラの底面図である。
【図4】溶融バーナのベーン旋回機のベーンの角度を変えて燃焼用空気の旋回力を変えたときの火炎形状を示す概略説明図である。
【図5】従来の溶融バーナを用いた表面溶融炉の概略縦断面図である。
【図6】従来の溶融バーナの概略縦断面図である。
【符号の説明】
1は溶融バーナ、4はバーナスロート、5はバーナガン、6はウインドボックス、7はベーン旋回機、7aはベーン、8はスワラ、Aは燃焼用空気。
Claims (1)
- 炉内に供給された被溶融物(W)を油やガスの燃焼火炎によって表面側から順次溶融するようにした表面溶融炉の溶融バーナに於いて、前記溶融バーナ(1)が、断面形状が末広がり形状のバーナスロート(4)の中心位置に配置したバーナ保護管(9)内に挿入されたバーナガン(5)と、バーナスロート(4)に連通状に接続されたエアースリーブ(6a 2 )と外筒(6a 4 )を備え、バーナスロート(4)へ燃焼用空気(A)を供給するウインドボックス(6)と、ウインドボックス(6)内に配設され、ウインドボックス(6)の外側空間(S 1 )からエアースリーブ(6a 2 )の内方の内側空間(S 2 )を通してバーナスロート(4)へ流れ込む燃焼用空気(A)に旋回を与えるベーン旋回機(7)と、バーナスロート(4)内に位置してバーナ保護管(9)の先端に連結され、バーナスロート(4)へ旋回しながら流れ込んだ燃焼用空気(A)に更に旋回を与えるスワラ(8)とを具備すると共に、前記ベーン旋回機(7)を、ベーン(7a)の角度が調整自在な構成としてエアースリーブ(6a 2 )の上端部に配設して、当該ベーン(7a)の角度を可変することによってウインドボックス(6)からバーナスロート(4)へ流れ込む燃焼用空気(A)の旋回強さを調整し、更に、前記バーナガン(5)を、ノズル位置調整アジャスター(10)により、また、前記スワラ(8)を、バーナ保護管(9)を介してバーナ位置調整アジャスター(13)により、夫々独立してバーナスロート(4)の中心軸線に沿って移動調整自在な構成として、前記ベーン(7a)の角度並びに前記スワラ(8)及びバーナガン(5)の位置を夫々可変とすることによって燃焼用空気(A)の旋回強さ並びに火炎形状を調整する構成としたことを特徴とする表面溶融炉の溶融バーナ。
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