JP3556502B2 - D型フリップフロップ - Google Patents
D型フリップフロップ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3556502B2 JP3556502B2 JP01171999A JP1171999A JP3556502B2 JP 3556502 B2 JP3556502 B2 JP 3556502B2 JP 01171999 A JP01171999 A JP 01171999A JP 1171999 A JP1171999 A JP 1171999A JP 3556502 B2 JP3556502 B2 JP 3556502B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- input terminal
- potential
- nand circuit
- reset
- terminal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Dram (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成されているD型フリップフロップに関するもので、特に半導体集積回路に用いられるD型フリップフロップについてのものである。
【0002】
【従来の技術】
D型フリップフロップは、差動インバータのマスターラッチとRSラッチのスレイブラッチからなり、クロック入力信号に同期して、入力データを保持し、また保持しているデータを出力する機能を有する。D型フリップフロップの機能は、クロック入力信号の評価期間においてデータ入力端子Dに入力されてきたデータがそのままデータ出力端子Qに現れるというものである。このD型フリップフロップは同期型の半導体集積回路にとって基本的な素子である。
【0003】
以下、図面を参照しながら従来のフリップフロップ回路について説明する。
【0004】
まずは、図6に基づいて、従来からよく知られている一般的な差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップについて説明する。この説明は、回路構成および動作についての基本的な説明であって、問題点を指摘する意図のものではなく、後述する図8に示すリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップを理解するための基礎とするものである。
【0005】
図6に示す差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップは、マスターラッチが差動インバータで、スレイブラッチがRSラッチで構成されている。図6において、符号の1はマスターラッチを構成している差動インバータ、2はスレイブラッチを構成しているRSラッチ、TP1,TP2,TP3およびTP4はPch型MOSトランジスタ、TN1,TN2,TN3,TN6,TN7およびTN9はNch型MOSトランジスタ、NAND1およびNAND2は2入力NAND回路、INV1はインバータ回路、CLKはクロック入力端子、Dはデータ入力端子、Qは非反転のデータ出力端子、QNは反転データ出力端子、SおよびRはD型フリップフロップの内部ノードでRSラッチ2のセット入力端子とリセット入力端子、n1およびn2はトランジスタTN9のドレイン端子またはソース端子である。
【0006】
図6に示した差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップについて、動作を説明する。トランジスタTN9のゲートは直流電源に接続されて高電位側電源電位であるVDD電位に固定されているので常に導通状態となっている。
【0007】
まず、充電期間の動作を説明する。クロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号が低電位側電源電位であるVSS電位のとき、充電用の2つのPchトランジスタTP1およびTP2は導通状態となり、NchトランジスタTN1は非導通状態となる。したがって、RSラッチ2のセット入力端子SはPchトランジスタTP2を介してVDD電位にチャージされ、リセット入力端子RはPchトランジスタTP1を介してVDD電位にチャージされる。また、NchトランジスタTN6およびTN7も導通状態になるので、接続点n1およびn2はVDD電位からNchトランジスタの閾値電圧を減じた電位にチャージされる。NchトランジスタTN6,TN7が導通状態でもソースがグランドに接続されてVSS電位に固定のNchトランジスタTN1が非導通状態となっているので、セット入力端子Sおよびリセット入力端子Rからの放電は起こらない。このとき、RSラッチ2のセット入力端子Sもリセット入力端子RもともにVDD電位となるので、RSラッチ2はホールド状態となり、いま保持しているデータを保持し続ける。データ入力端子Dの状態のいかんにかかわらず、換言すれば、NchトランジスタTN2,TN3のどちらが導通状態でどちらが非導通状態であっても、NchトランジスタTN1が非導通状態を保っているから、セット入力端子Sおよびリセット入力端子RのVDD電位の状態は変わらない。駆動用のPchトランジスタTP3およびTP4は非導通状態を保つ。このような状態を充電期間と呼ぶ。
【0008】
次に、評価期間の動作を説明する。クロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号がVSS電位からVDD電位になっている期間が評価期間である。評価期間になると、充電用のPchトランジスタTP1およびTP2は非導通状態となり、NchトランジスタTN1は導通状態となる。この状態で、データ入力端子Dに入力されるデータの違いによる当該のD型フリップフロップの出力状態の違いを次に説明する。
【0009】
データ入力端子DがVSS電位であるときは、NchトランジスタTN2は非導通状態であり、インバータ回路INV1の出力はVDD電位となるので、NchトランジスタTN3は導通状態である。接続点n2はトランジスタTN3およびトランジスタTN1を介してVSS電位のグランドに接続され、その結果、接続点n2が接続点n1よりもより速くVSS電位となるため、セット入力端子Sは導通状態にあるトランジスタTN7を介して放電し、セット入力端子SはVSS電位となる。すると、ゲートがVSS電位に下がったNchトランジスタTN6は非導通状態に反転し、ゲートがVSS電位に下がった駆動用のPchトランジスタTP3は導通状態に反転し、その結果として、直流電源より駆動用のPchトランジスタTP3を介してリセット入力端子RがチャージされてVDD電位となる。セット入力端子SがVSS電位であるから反転データ出力端子QNにはVDD電位が出力され、リセット入力端子RがVDD電位であるからデータ出力端子QにはVSS電位が出力される。
【0010】
上記とは逆に、データ入力端子DがVDD電位であるときは、NchトランジスタTN2は導通状態であり、インバータ回路INV1の出力はVSS電位となるので、NchトランジスタTN3は非導通状態である。接続点n1はトランジスタTN2およびトランジスタTN1を介してVSS電位のグランドに接続され、その結果、接続点n1が接続点n2よりもより速くVSS電位となるため、リセット入力端子Rは導通状態にあるトランジスタTN6を介して放電し、リセット入力端子RはVSS電位となる。すると、ゲートがVSS電位に下がったNchトランジスタTN7は非導通状態に反転し、ゲートがVSS電位に下がった駆動用のPchトランジスタTP4は導通状態に反転し、その結果として、直流電源より駆動用のPchトランジスタTP4を介してセット入力端子SがチャージされてVDD電位となる。セット入力端子SがVDD電位であるから反転データ出力端子QNにはVSS電位が出力され、リセット入力端子RがVSS電位であるからデータ出力端子QにはVDD電位が出力される。
【0011】
差動インバータ1の出力端子としてRSラッチ2のセット入力端子Sに接続された出力端子D′はデータ入力端子Dに入力されたデータと同じ値を出力する。差動インバータ1の出力端子としてRSラッチ2のリセット入力端子Rに接続された出力端子DN′はデータ入力端子Dに入力されたデータの反転値を出力する。
【0012】
差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップはセットアップ時間が短いという特長があり、高い周波数のクロック入力信号で半導体集積回路を動作させるためには有効なD型フリップフロップである。
【0013】
実際にD型フリップフロップを半導体集積回路に用いる場合には、クロック入力信号に同期してデータをラッチして出力する機能のほかに、リセット機能やセット機能、さらに半導体集積回路のテストを容易化するためにスキャンテストに対応する機能が必要である。
【0014】
次に、これらの機能について、図面を参照しながら順に説明する。
【0015】
まずはリセット機能の付加について説明する。この説明は、回路構成および動作についての基本的な説明であって、問題点を指摘する意図のものではなく、後述する図8に示すリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップを理解するための基礎とするものである。
【0016】
図7はリセット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図である。図9において、TP5,TP6およびTP100はPch型MOSトランジスタ、TN100はNch型MOSトランジスタ、INV5はインバータ回路、RSTNはリセット信号入力端子であり、その他の符号については図6と同じである。
【0017】
このリセット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの動作を説明する。RSラッチ2のセット入力端子Sおよびリセット入力端子Rの状態がどのような状態であっても、リセット信号入力端子RSTNを低電位側電源電位のVSS電位に切り換えると、インバータ回路INV5を介して反転された高電位側電源電位のVDD電位によってNchトランジスタTN100が導通状態に反転し、またリセット信号入力端子RSTNからの直接のVSS電位によりPchトランジスタTP100が導通状態に反転する。その結果として、セット入力端子SはVSS電位になり、リセット入力端子RはVDD電位になる。このとき、充電用のPchトランジスタTP5,TP6は非導通状態に反転している。また、セット入力端子SがVSS電位になることからNchトランジスタTN6は非導通状態となり、リセット入力端子RはVSS電位のグランドから絶縁された状態となる一方、PchトランジスタTP3が導通状態となって、このトランジスタTP3を介してVDD電位の直流電源よりリセット入力端子Rに充電が行われることから、リセット入力端子RはそのVDD電位を保つ。また、リセット入力端子RがVDD電位になることからPchトランジスタTP4が非導通状態となり、PchトランジスタTP6も非導通状態であるので、セット入力端子Sに対する充電は起こらず、セット入力端子SはそのVSS電位を保つ。
【0018】
以上のようにして、リセット入力端子RがVDD電位となることからデータ出力端子QからはVSS電位が出力され、セット入力端子SがVSS電位になることから反転データ出力端子QNからはVDD電位が出力されることになる。すなわち、リセット機能が実現されている。この動作は、クロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にリセット機能が実現できる。
【0019】
次に、セット機能について説明する。ここでは図示は省略する。図7の場合のリセット機能の実現に際しては、NchトランジスタTN100をセット入力端子Sに接続し、このトランジスタTN100をリセット信号により導通状態にしてセット入力端子SをVSS電位に固定するとともに、PchトランジスタTP100をリセット入力端子Rに接続し、このトランジスタTP100をリセット信号により導通状態にしてリセット入力端子RをVDD電位に固定するように構成した。これと同じような考え方でセット機能も実現できる。その様子は次の説明で用いる図8を参照すると分かりやすい。すなわち、セット入力端子SにPchトランジスタTP101を接続し、このトランジスタTP101をセット信号により導通状態にしてセット入力端子SをVDD電位に固定するとともに、NchトランジスタTN101をリセット入力端子Rに接続し、このトランジスタTN101をセット信号により導通状態にしてリセット入力端子RをVSS電位に固定するように構成すればよい。リセット入力端子RがVSS電位となることからデータ出力端子QからはVDD電位が出力され、セット入力端子SがVDD電位になることから反転データ出力端子QNからはVSS電位が出力されることになる。すなわち、セット機能が実現されていることになる。この動作は、クロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にセット機能が実現できる。
【0020】
次に、従来の技術として、リセット機能とセット機能の両方を備えた差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップについて図8を用いて説明する。図8はリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図である。
【0021】
図8において、TP7,TP8およびTP101はPch型MOSトランジスタ、TN101はNch型MOSトランジスタ、INV6はインバータ回路、SETNはセット信号入力端子、その他については図7と同じである。
【0022】
次に、動作を説明する。リセット機能を働かさないときはリセット信号入力端子RSTNはVDD電位としておく。同様に、セット機能を働かさないときはセット信号入力端子SETNはVDD電位としておく。
【0023】
リセット機能を働かせるときは、リセット信号入力端子RSTNをVSS電位に切り換える。これにより、図7で説明したのと同じように、NchトランジスタTN100とPchトランジスタTP100がともに導通状態となり、セット入力端子SがVSS電位に固定され、リセット入力端子RがVDD電位に固定される結果、データ出力端子QからはVSS電位が出力され、反転データ出力端子QNからはVDD電位が出力されることになって、リセット機能が非同期的に実現される。
【0024】
次に、セット機能について説明する。RSラッチ2のセット入力端子Sおよびリセット入力端子Rの状態がどのような状態であっても、リセット信号入力端子RSTNがVDD電位の状態で、セット信号入力端子SETNを低電位側電源電位のVSS電位に切り換えると、インバータ回路INV6を介して反転された高電位側電源電位のVDD電位によってNchトランジスタTN101が導通状態に反転し、またセット信号入力端子SETNからの直接のVSS電位によりPchトランジスタTP101が導通状態に反転する。その結果として、セット入力端子SはVDD電位になり、リセット入力端子RはVSS電位になる。このとき、充電用のPchトランジスタTP7,TP8は非導通状態に反転している。また、リセット入力端子RがVSS電位になることからNchトランジスタTN7は非導通状態となり、セット入力端子SはVSS電位のグランドから絶縁された状態となる一方、PchトランジスタTP4が導通状態となって、このトランジスタTP4を介してVDD電位の直流電源よりセット入力端子Sに充電が行われることから、セット入力端子SはそのVDD電位を保つ。また、セット入力端子SがVDD電位になることからPchトランジスタTP3が非導通状態となり、PchトランジスタTP7も非導通状態であるので、リセット入力端子Rに対する充電は起こらず、リセット入力端子RはそのVSS電位を保つ。
【0025】
以上のようにして、リセット入力端子RがVSS電位となることからデータ出力端子QからはVDD電位が出力され、セット入力端子SがVDD電位になることから反転データ出力端子QNからはVSS電位が出力されることになる。すなわち、セット機能が実現されている。この動作は、クロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にセット機能が実現できる。
【0026】
ここで、仮に、リセット信号入力端子RSTNをVSS電位に切り換えると同時にセット入力端子SもVSS電位に切り換えた場合の動作を考えてみる。充電用のPchトランジスタTP5,TP7,TP6,TP8は非導通状態となる。そして、セット入力端子Sに接続されているNchトランジスタTN100とPchトランジスタTP101とが同時に導通状態となるとともに、リセット入力端子Rに接続されているPchトランジスタTP100とNchトランジスタTN101とが同時に導通状態となる。
【0027】
セット入力端子S側において、PchトランジスタTP101はそのソースがVDD電位の直流電源に接続され、NchトランジスタTN100はそのソースがVSS電位のグランドに接続されているため、電源−グランド間に短絡パスが発生してしまう。同様に、リセット入力端子R側において、PchトランジスタTP100はそのソースがVDD電位の直流電源に接続され、NchトランジスタTN101はそのソースがVSS電位のグランドに接続されているため、これも電源−グランド間に短絡パスが発生してしまう。
【0028】
ここで、論点を変える。同期式の論理回路に対してスキャンテストを行うためには、多数のD型フリップフロップをすべて「スキャンテスト用」のD型フリップフロップで構成し、それらを論理回路との接続とは別にすべてFFをシリアル接続して、スキャーンチェーンを構成していた。しかし、近年、計算機技術の進歩がめざましく、すべてのD型フリップフロップをスキャンチェーン接続しなくても、有効なテストパターンを計算することができるようになってきた。その技術を「パーシャルスキャンテスト」という。その結果、スキャーンチェーンに必要なD型フリップフロップのみを「スキャーンテスト用」のD型フリップフロップで構成すればよくなった。
【0029】
パーシャルスキャンテストの回路構成の概念の一例を図9に示す。図9において、20は同期式の論理回路、FF1,FF2,FF3,FF4,FF5,FF6,FF7,FF8は「スキャンテスト用」のD型フリップフロップ、FF100,FF101,FF102およびFF103は「通常」のD型フリップフロップ、w1,w2,w3,w4,w5,w6,w7,w8およびw9はスキャンチェーンを構成するための配線、INはスキャンテストの入力端子、OUTはスキャンテストの出力端子である。
【0030】
ここでは、想定されるすべての「スキャンテスト用」のD型フリップフロップをスキャンチェーン配線することに代えて、「スキャンテスト用」のD型フリップフロップとしては必要最小限のものを用意し、それらをスキャンチェーン配線している。これにより、「スキャンテスト用」のD型フリップフロップ群の全体が占める面積の減少が図れる。
【0031】
しかし、「スキャンテスト用」のD型フリップフロップそのものとしては、依然として面積の大きいものが用いられている。図10はパーシャルスキャンテスト対応の従来の「スキャンテスト用」のD型フリップフロップ30の構成を示す。これは、図9における「スキャンテスト用」のD型フリップフロップFF1〜FF8を代表的に示している。図10において、10はセレクタ回路、11は「通常」のD型フリップフロップ、Dはデータ入力端子、DTはテストデータ入力端子、Tはデータ入力端子Dの入力データとテストデータ入力端子DTの入力データのうちのどちらのデータを入力するかを決めるための選択信号の入力端子、CLKはクロック入力端子、Qは非反転のデータ出力端子、QNは反転データ出力端子である。
【0032】
テストデータ入力端子DTはスキャンテストを行うためにテストデータを入力する関係上不可欠のものである。図9に示すように、ある「スキャンテスト用」のD型フリップフロップのテストデータ入力端子DTには前段の「スキャンテスト用」のD型フリップフロップのデータ出力端子Qからのテストデータが1クロック周期をおいてスキャンするかたちで入力されるようになっている。
【0033】
図10に戻って、スキャンテストを行わないときは、通常のデータがデータ入力端子Dに入力され、セレクタ回路10の出力端子Yから次段の「通常」のD型フリップフロップ11へ出力される。スキャンテストを行うときは、テストデータがテストデータ入力端子DTに入力され、セレクタ回路10の出力端子YからD型フリップフロップ11へ出力される。通常のデータとテストデータの択一的な選択のためにセレクタ回路10を必要とし、またその選択のために選択信号入力端子Tを必要としている。クロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号としては、通常動作モードとスキャンテストモードとで共通に使用するようになっている。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
図8に示した従来のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップにおいては、RSラッチ2の2つの出力であるデータ出力端子Qと反転データ出力端子QNとの両方から出力データを取り出すためには、RSラッチ2を構成する2入力NAND回路NAND1,NAND2の各々を構成しているすべてのトランジスタのゲート幅を大きくする必要がある。しかし、これらのトランジスタは動作しないときには、他のトランジスタの負荷となってしまう。そのため、トランジスタのゲート幅サイズの最適化が難しいという問題があった。
【0035】
また、前述したように、図8のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップにおいては、リセット信号入力端子RSTNとセット信号入力端子SETNとをともに低電位側電源電位のVSS電位に設定したときには、セット入力端子S側におけるPchトランジスタTP101とNchトランジスタTN100との同時導通により、またリセット入力端子R側におけるPchトランジスタTP100とNchトランジスタTN101との同時導通により、電源−グランド間に短絡パスが発生してしまい、その結果、リセット機能もセット機能もともに働かないという問題がある。
【0036】
さらに、図10に示した「スキャンテスト用」のD型フリップフロップの場合、「通常」のD型フリップフロップと比べて、セットアップ時間が大きくなるという問題がある。通常、半導体集積回路の設計においては、パーシャルスキャンテストのためのスキャンチェーンのことは考えないで半導体集積回路の設計を行い、最終段階で、計算機によりパーシャルスキャンテストのためのスキャンチェーンを自動発生させる。スキャンチェーンを発生させることにより、一部の「通常」のD型フリップフロップが「スキャンテスト用」のD型フリップフロップと置き換わる。「スキャンテスト用」のD型フリップフロップは「通常」のD型フリップフロップに比べて、入力部にセレクタ回路10が存在するため、「通常」のD型フリップフロップ11の内部のデータをラッチする部分までのパスが長くなり、そのことが原因でセットアップ時間が大きくなる。そのため、半導体集積回路のタイミングに関わる設計をやり直す必要が生じることがあり、問題となっている。また、「スキャンテスト用」のD型フリップフロップは「通常」のD型フリップフロップに比べて、素子数、レイアウト面積が大きく、そのためチップ面積が増大するという問題もある。
【0037】
本発明は、上記のような問題に鑑み、差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップについて、半導体集積回路を作るために必要な機能、特に、リセット機能、セット機能、あるいは、好ましいスキャンテスト対応機能を付加することを課題としている。
【0038】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかわるD型フリップフロップは、上記の課題を解決するために次のような構成とする。RSラッチは2つのNAND回路で構成されるが、そのうち一方を3入力NAND回路とし、これの一つの入力端子にローアクティブのリセット信号またはセット信号の入力端子を接続しておく。リセット信号やセット信号をインアクティブの高電位側電源電位(VDD電位)にしておく限りにおいて、3入力NAND回路の動作は2入力NAND回路と実質的に同じとなり、所期のフリップフロップ動作を行う。リセット信号またはセット信号がアクティブの低電位側電源電位(VSS電位)にされると、3入力NAND回路の一つの入力端子に低電位側電源電位(VSS電位)が入力されることになり、他の二つの入力端子の状態がいかなる組み合わせにあっても、3入力NAND回路の出力端子からは高電位側電源電位(VDD電位)が出力されることになる。したがって、この3入力NAND回路を反転出力側に設けておくと、セット信号が同時に入力されてもリセット信号によって優先的なリセット機能が実現される。また、3入力NAND回路を非反転出力側に設けておくと、リセット信号が同時に入力されてもセット信号によって優先的なセット機能が実現される。
【0039】
さらに、3入力NAND回路の出力端子に非反転のデータ出力端子と反転データ出力端子との両者をいずれかにインバータ回路を用いて接続しておくと、RSラッチにおける2つのNAND回路の各々を構成している複数のトランジスタについて、そのゲート幅をどのようにするかの設計上の最適化が容易になる。
【0040】
さらに、通常動作のクロック入力端子のほかにテスト用クロック入力端子を設け、通常動作のデータ入力端子のほかにテストデータ入力端子を設け、通常動作状態とテスト動作状態とで相互の干渉がない状態とすることにより、D型フリップフロップに対するテストをセレクタ回路を用いずに実現する。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明にかかわる請求項1のD型フリップフロップは、マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成され、前記RSラッチは、差動インバータにおけるデータ入力端子と同じ値を出力する出力端子にそのセット入力端子が接続された第1のNAND回路と、データ入力端子とは逆の反転値を出力する出力端子にそのリセット入力端子が接続された第2のNAND回路とを有する構成となっていて、少なくともリセット機能を備えたD型フリップフロップであって、前記第1のNAND回路を3入力NAND回路で構成し、この3入力NAND回路の一つの入力端子にリセット信号入力端子を接続した構成としてある。リセット信号をインアクティブの高電位側電源電位(VDD電位)にしておく限りにおいて、3入力NAND回路の動作は2入力NAND回路と実質的に同じとなり、所期のフリップフロップ動作を行う。リセット信号がアクティブの低電位側電源電位(VSS電位)にされると、3入力NAND回路の一つの入力端子に低電位側電源電位(VSS電位)が入力されることになり、他の二つの入力端子の状態がいかなる組み合わせにあっても、3入力NAND回路の出力端子からは高電位側電源電位(VDD電位)が出力されることになる。したがって、この3入力NAND回路を反転出力側に設けておくと、セット信号が同時に入力されてもリセット信号によって優先的なリセット機能が実現される。
【0042】
本発明にかかわる請求項2のD型フリップフロップは、上記請求項1において、セット信号によりセット入力端子を高電位側電源電位とするスイッチング素子と、セット信号によりリセット入力端子を低電位側電源電位とするスイッチング素子とを備えた構成としている。リセット機能に加えて、セット機能も実現される。
【0043】
本発明にかかわる請求項3のD型フリップフロップは、上記請求項1,2において、3入力NAND回路の出力端子に反転データ出力端子が接続され、同じ出力端子にインバータ回路を介して非反転のデータ出力端子が接続された構成としている。RSラッチにおける2つのNAND回路の各々を構成している複数のトランジスタについて、そのゲート幅をどのようにするかの設計上の最適化が容易になる。
【0044】
本発明にかかわる請求項4のD型フリップフロップは、マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成され、前記RSラッチは、差動インバータにおけるデータ入力端子と同じ値を出力する出力端子にそのセット入力端子が接続された第1のNAND回路と、データ入力端子とは逆の反転値を出力する出力端子にそのリセット入力端子が接続された第2のNAND回路とを有する構成となっていて、少なくともセット機能を備えたD型フリップフロップであって、前記第2のNAND回路を3入力NAND回路で構成し、この3入力NAND回路の一つの入力端子にセット信号入力端子を接続した構成としてある。セット信号をインアクティブの高電位側電源電位(VDD電位)にしておく限りにおいて、3入力NAND回路の動作は2入力NAND回路と実質的に同じとなり、所期のフリップフロップ動作を行う。セット信号がアクティブの低電位側電源電位(VSS電位)にされると、3入力NAND回路の一つの入力端子に低電位側電源電位(VSS電位)が入力されることになり、他の二つの入力端子の状態がいかなる組み合わせにあっても、3入力NAND回路の出力端子からは高電位側電源電位(VDD電位)が出力されることになる。したがって、この3入力NAND回路を非反転出力側に設けておくと、リセット信号が同時に入力されてもセット信号によって優先的なセット機能が実現される。
【0045】
本発明にかかわる請求項5のD型フリップフロップは、上記請求項4において、リセット信号によりセット入力端子を低電位側電源電位とするスイッチング素子と、リセット信号によりリセット入力端子を高電位側電源電位とするスイッチング素子とを備えた構成としている。セット機能に加えて、リセット機能も実現される。
【0046】
本発明にかかわる請求項6のD型フリップフロップは、上記請求項4,5において、3入力NAND回路の出力端子に非反転のデータ出力端子が接続され、同じ出力端子にインバータ回路を介して反転データ出力端子が接続された構成としている。RSラッチにおける2つのNAND回路の各々を構成している複数のトランジスタについて、そのゲート幅をどのようにするかの設計上の最適化が容易になる。
【0047】
本発明にかかわる請求項7のD型フリップフロップは、マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成され、前記RSラッチは、差動インバータにおけるデータ入力端子と同じ値を出力する出力端子にそのセット入力端子が接続された第1のNAND回路と、データ入力端子とは逆の反転値を出力する出力端子にそのリセット入力端子が接続された第2のNAND回路とを有する構成となっていて、リセット機能とセット機能を備えたD型フリップフロップであって、前記第1のNAND回路および第2のNAND回路をともに3入力NAND回路で構成し、第1の3入力NAND回路の一つの入力端子にリセット信号入力端子を接続し、前記第2の3入力NAND回路の一つの入力端子にセット信号入力端子を接続し、前記リセット信号入力端子からのリセット信号によりリセット入力端子を高電位側電源電位とするスイッチング素子と、前記セット信号入力端子からのセット信号によりセット入力端子を高電位側電源電位とするスイッチング素子とを備えた構成としてある。リセット信号とセット信号とが同時的に出力された場合でも、2つの3入力NAND回路の出力をいずれも高電位側電源電位(VDD電位)となし、非反転のデータ出力端子には高電位側電源電位(VDD電位)を出力してセット機能を実現するとともに、反転データ出力端子にも高電位側電源電位(VDD電位)を出力してリセット機能を実現する。
【0048】
本発明にかかわる請求項8のD型フリップフロップは、マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成されたD型フリップフロップであって、クロック入力端子として通常動作のクロック入力端子のほかにテスト用クロック入力端子を備えるとともに、データ入力端子として通常動作のデータ入力端子のほかにテストデータ入力端子を備え、通常動作状態ではテスト用クロック入力端子およびテストデータ入力端子を通常動作のクロック入力端子およびデータ入力端子の状態に影響を与えない状態に固定化し、逆にテスト動作状態では通常動作のクロック入力端子およびデータ入力端子をテスト用クロック入力端子およびテストデータ入力端子の状態に影響を与えない状態に固定化するように構成してある。従来の技術の場合の「スキャンテスト用」のD型フリップフロップのようなセレクタ回路は用いないですみ、スキャンチェーン構成でスキャンテストを行うに際してセットアップ時間は「通常」のD型フリップフロップのセットアップ時間から大きく変化することはないので、スキャンチェーン発生後に半導体集積回路のタイミング設計をやり直す必要がなくなる。
【0049】
以下、本発明にかかわるD型フリップフロップの具体的な実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0050】
〔実施の形態1〕
実施の形態1はリセット機能優先タイプである。図1は実施の形態1のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図である。構成要素について説明すると、図1において、符号の1はマスターラッチを構成する差動インバータ、2はスレイブラッチを構成するRSラッチである。また、TP1,TP2,TP3,TP4,TP7およびTP101はPch型MOSトランジスタ、TN1,TN2,TN3,TN6,TN7,TN9およびTN101はNch型MOSトランジスタ、NAND2は2入力NAND回路、NAND3は3入力NAND回路、INV1,INV6,INV10,INV20およびINV21はインバータ回路、SおよびRはフリップフロップの内部ノードでRSラッチ2のセット入力端子とリセット入力端子、n1およびn2はトランジスタTN9のドレイン端子またはソース端子、CLKはクロック入力端子、Dはデータ入力端子、RSTNはリセット信号入力端子、SETNはセット信号入力端子、Qはデータ出力端子、QNは反転データ出力端子であり、これらの各要素は図示のとおりに結線されている。3入力NAND回路NAND3が請求項1にいう第1のNAND回路に相当し、2入力NAND回路NAND2が第2のNAND回路に相当している。PchトランジスタTP101とNchトランジスタTN101のそれぞれが請求項2にいうスイッチング素子に相当している。
【0051】
図1の回路構成が従来の技術の図6と相違しているのは次の点である。リセット信号入力端子RSTNとセット信号入力端子SETNとが設けられている。RSラッチ2のセット入力端子Sと高電位側電源電位であるVDD電位の直流電源との間にPchトランジスタTP101が接続され、このトランジスタTP101のゲートがセット信号入力端子SETNに接続されている。充電用のPchトランジスタTP1と高電位側電源電位であるVDD電位の直流電源との間にPchトランジスタTP7が接続され、このトランジスタTP7のゲートがインバータ回路INV6を介してセット信号入力端子SETNに接続されている。RSラッチ2のリセット入力端子Rと低電位側電源電位であるVSS電位のグランドとの間にNchトランジスタTN101が接続され、このトランジスタTN101のゲートがインバータ回路INV6を介してセット信号入力端子SETNに接続されている。
【0052】
DN′は差動インバータ1の出力端子のうちRSラッチ2のリセット入力端子Rに接続された出力端子であり、この出力端子DN′はデータ入力端子Dに入力されたデータの反転値を出力するものであるが、RSラッチ2におけるNAND回路としてこの出力端子DN′に接続された方のNAND回路NAND2は従来の技術の図6と同様に2入力NAND回路となっている。D′は差動インバータ1の出力端子のうちRSラッチ2のセット入力端子Sに接続された出力端子であり、この出力端子D′はデータ入力端子Dに入力されたデータと同じ値を出力するものであるが、RSラッチ2におけるNAND回路としてこの出力端子D′に接続された方のNAND回路NAND3は従来の技術の図6とは違って3入力NAND回路となっている。
【0053】
3入力NAND回路NAND3は、その一つの入力端子が差動インバータ1におけるデータ入力端子Dと同じ値を出力する方の出力端子D′に接続され、もう一つの入力端子がもう一つの2入力NAND回路NAND2の出力端子に接続され、さらにもう一つの入力端子がリセット信号入力端子RSTNに接続されている。2入力NAND回路NAND2は、その一つの入力端子が差動インバータ1におけるデータ入力端子Dとは逆の反転値を出力する方の出力端子DN′に接続され、もう一つの入力端子が3入力NAND回路NAND3の出力端子に接続されている。
【0054】
従来の技術の図6の場合、図面で下側の2入力NAND回路NAND2の出力端子はデータ出力端子Qに接続されたQ出力端子となっており、上側の2入力NAND回路NAND1の出力端子は反転データ出力端子QNに接続されたQN出力端子となっているが、本実施の形態1の場合は、上側の3入力NAND回路NAND3の出力端子であるQN出力端子は用いるが、下側の2入力NAND回路NAND2の出力端子であるQ出力端子は用いない。上側の3入力NAND回路NAND3のQN出力端子にインバータ回路INV10を介して非反転のデータ出力端子Qが接続され、同じ3入力NAND回路NAND3のQN出力端子に2つのインバータ回路INV20,INV21を介して反転データ出力端子QNが接続されている。
【0055】
このリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップにおいては、リセット信号入力端子RSTNはリセット機能を実行させるときは低電位側電源電位であるVSS電位とされ、それ以外のときは高電位側電源電位であるVDD電位とされる。セット信号入力端子SETNはセット機能を実行させるときはVSS電位とされ、それ以外のときはVDD電位とされる。
【0056】
次に、上記構成のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの動作を説明する。トランジスタTN9のゲートは直流電源に接続されて高電位側電源電位であるVDD電位に固定されているので常に導通状態となっている。
【0057】
通常動作モードのときであって、セット機能を実行させない状態では、セット信号入力端子SETNはVDD電位となっており、インバータ回路INV6を介してPchトランジスタTP7は導通状態となり、NchトランジスタTN101は非導通状態となっている。また、リセット機能を実行させない状態では、リセット信号入力端子RSTNはVDD電位となっており、3入力NAND回路NAND3の一つの入力端子は常時的にVDD電位が入力されていることになる。したがって、リセット信号入力端子RSTNがVDD電位に固定されている限りにおいては、3入力NAND回路NAND3の動作は、差動インバータ1の出力端子D′の状態と2入力NAND回路NAND2の出力の状態のみによって制御されることになり、このことは、リセット信号入力端子RSTNがVDD電位に固定されている限りにおいて、3入力NAND回路NAND3が従来の技術の図6の2入力NAND回路NAND1と実質的に同じということである。その結果として、通常の動作は従来の技術の図6の場合と同様になる。もっとも、非反転のデータ出力端子Qが3入力NAND回路NAND3にインバータ回路INV10を介して接続されている点では構成的に異なるが、非反転のデータ出力端子Qおよび反転データ出力端子QNからの出力状態については従来の技術の図6の場合とまったく同じである。
【0058】
次に、セット機能を働かせる場合を考える。セット信号入力端子SETNをVDD電位からVSS電位に切り換えると、そして、このときリセット信号入力端子RSTNはインアクティブのVDD電位となっているとすると、セット入力端子Sに接続されたPchトランジスタTP101が導通状態に反転する。また、インバータ回路INV6の出力はVDD電位となり、PchトランジスタTP7が非導通状態に反転するとともに、NchトランジスタTN101が導通状態に反転する。その結果、セット入力端子SはPchトランジスタTP101を介してVDD電位の直流電源に接続されてVDD電位になり、リセット入力端子RはNchトランジスタTN101を介してVSS電位のグランドに接続されてVSS電位になる。このとき、充電用のPchトランジスタTP7は非導通状態に反転している。また、リセット入力端子RがVSS電位になることからNchトランジスタTN7は非導通状態となり、セット入力端子SはVSS電位のグランドから絶縁された状態となる一方、PchトランジスタTP4が導通状態となって、このトランジスタTP4を介してVDD電位の直流電源よりセット入力端子Sに充電が行われることから、セット入力端子SはそのVDD電位を保つ。また、セット入力端子SがVDD電位になることからPchトランジスタTP3が非導通状態となり、PchトランジスタTP7も非導通状態であるので、リセット入力端子Rに対する充電は起こらず、リセット入力端子RはそのVSS電位を保つ。
【0059】
このようにセット入力端子SがVDD電位に固定され、リセット入力端子RがVSS電位に固定されると、2入力NAND回路NAND2の他方の入力のいかんに関係なく2入力NAND回路NAND2の出力はVDD電位となる。3入力NAND回路NAND3の3つの入力端子については、その一つの入力端子に2入力NAND回路NAND2の出力のVDD電位が入力され、もう一つの入力端子には前記のセット入力端子SのVDD電位が入力され、さらにもう一つの入力端子にはリセット信号入力端子RSTNからのVDD電位が入力されるため、NAND条件が成立して、3入力NAND回路NAND3の出力端子であるQN出力端子からはVSS電位が出力されることになる。
【0060】
以上のようにして、セット入力端子SがVDD電位となることからRSラッチ2の3入力NAND回路NAND3の出力端子であるQN出力端子からはVSS電位が出力される。その結果として、1つのインバータ回路INV10を介してのデータ出力端子QからはVDD電位が出力され、2つのインバータ回路INV20,INV21を介しての反転データ出力端子QNからはVSS電位が出力されることになる。すなわち、セット機能が実現されている。この動作は、データ入力端子Dから入力されるデータの値のいかんにかかわりなく、またクロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にセット機能が実現される。
【0061】
次に、リセット機能を働かせる場合を考える。リセット信号入力端子RSTNをVDD電位からアクティブのVSS電位に切り換えると、そして、このときセット信号入力端子SETNはインアクティブのVDD電位となっているとすると、リセット信号入力端子RSTNに接続された3入力NAND回路NAND3の一つの入力端子にVSS電位が入力されることになる。したがって、3入力NAND回路NAND3の他の二つの入力端子の状態がいかなる組み合わせにあっても、3入力NAND回路NAND3の出力端子であるQN出力端子からはVDD電位が出力されることになる。その結果として、1つのインバータ回路INV10を介してのデータ出力端子QからはVSS電位が出力され、2つのインバータ回路INV20,INV21を介しての反転データ出力端子QNからはVDD電位が出力されることになる。すなわち、リセット機能が実現されている。この動作は、データ入力端子Dから入力されるデータの値のいかんにかかわりなく、またクロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にリセット機能が実現される。
【0062】
最後に、リセット機能を働かせるにつき、リセット信号入力端子RSTNをVDD電位からアクティブのVSS電位に切り換えたときに、セット信号入力端子SETNもアクティブのVSS電位となっていた、あるいは同時にVSS電位になった場合を考察する。上記で説明したように、リセット機能は、リセット信号入力端子RSTNからのリセット信号を3入力NAND回路NAND3に直接に入力することにより、NAND回路の論理を利用したものとなっている。すなわち、リセット信号入力端子RSTNに接続された3入力NAND回路NAND3の一つの入力端子にVSS電位が入力されたときには、他の二つの入力端子の状態がいかなる組み合わせにあっても、NAND論理によって、3入力NAND回路NAND3の出力端子であるQN出力端子からはVDD電位が出力されることになる。この動作はセット信号入力端子SETNの出力がVDD電位であるかVSS電位であるかに影響を受けない優先的なものである。したがって、リセット信号入力端子RSTNとセット信号入力端子SETNとがともにアクティブのVSS電位になっても、所期通りのリセット機能が働くことになる。すなわち、非反転のデータ出力端子QからはVSS電位が出力され、反転データ出力端子QNからはVDD電位が出力されることになる。
【0063】
以上のように、スレイブラッチであるRSラッチの論理とNAND回路の論理をうまく利用していること、さらに、2つのNAND回路の出力の両方をフリップフロップの出力とするのではなく、片方のNAND回路すなわち3入力NAND回路NAND3の出力からフリップフロップの2つの出力を作ることにより、リセット機能が確実に働くリセット機能優先のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップを少ない素子数で実現できる。
【0064】
また、非反転のデータ出力端子Qも反転データ出力端子QNも共通のNAND回路NAND3の方に接続してあるので、トランジスタサイズの調整が容易になる。これについて、図2を参照しながら説明する。
【0065】
図2は差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップのスレイブラッチから出力端子までを書き出したものである。図2において、NAND1およびNAND2はNAND回路、Sはセット入力端子、Rはリセット入力端子、Qはデータ出力端子、QNは反転データ出力端子、TP200,TP201,TP202およびTP203はPch型MOSトランジスタ、TN200,TN201,TN202およびTN203はNch型MOSトランジスタ、INV10,INV20およびINV21はインバータ回路である。
【0066】
いま、セット入力端子Sとリセット入力端子RとがともにVDD電位の充電期間であり、データ出力端子QにVDD電位が出力されているとする。この状態からデータ出力端子QにVSS電位を出力する場合のクリティカルパスは、セット入力端子SがVSS電位になり、PchトランジスタTP201がすばやく導通状態となり、インバータ回路INV10によりデータ出力端子QがVSS電位となるまでである。
【0067】
また、セット入力端子Sとリセット入力端子RとがともにVDD電位の充電期間であり、データ出力端子QにVSS電位が出力されているとする。この状態からデータ出力端子QにVDD電位を出力する場合のクリティカルパスは、リセット入力端子RがVSS電位となり、PchトランジスタTP202がすばやく導通状態となり、NchトランジスタTN200が導通状態となり、NAND回路NAND1の出力がVSS電位となり、INV10によりデータ出力端子QにVDD電位が伝わるまでである。
【0068】
以上のことから、トランジスタTP201,TN201,TP202およびTN200の駆動能力がRSラッチの動作速度を決めることが分かる。ほかのトランジスタは、負荷となるので、できるだけ小さいトランジスタサイズにすることが望ましい。この知見に基づいて、一部のトランジスタのゲート幅サイズを大きくするだけでよく、その調整が容易になる。
【0069】
〔実施の形態2〕
実施の形態2はセット機能優先タイプである。図3は実施の形態2のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図である。構成要素について説明すると、図3において、符号の1はマスターラッチを構成する差動インバータ、2はスレイブラッチを構成するRSラッチである。また、TP1,TP2,TP3,TP4,TP6およびTP100はPch型MOSトランジスタ、TN1,TN2,TN3,TN6,TN7,TN9およびTN100はNch型MOSトランジスタ、NAND1は2入力NAND回路、NAND4は3入力NAND回路、INV1,INV5,INV30,INV31およびINV40はインバータ回路、SおよびRはフリップフロップの内部ノードでRSラッチ2のセット入力端子とリセット入力端子、n1およびn2はトランジスタTN9のドレイン端子またはソース端子、CLKはクロック入力端子、Dはデータ入力端子、RSTNはリセット信号入力端子、SETNはセット信号入力端子、Qは非反転のデータ出力端子、QNは反転データ出力端子であり、これらの各要素は図示のとおりに結線されている。2入力NAND回路NAND1が請求項4にいう第1のNAND回路に相当し、3入力NAND回路NAND4が第2のNAND回路に相当している。NchトランジスタTN100とPchトランジスタTP100のそれぞれが請求項5にいうスイッチング素子に相当している。
【0070】
図3の回路構成が従来の技術の図6と相違しているのは次の点である。リセット信号入力端子RSTNとセット信号入力端子SETNとが設けられている。RSラッチ2のセット入力端子Sと低電位側電源電位であるVSS電位のグランドとの間にNchトランジスタTN100が接続され、このトランジスタTN100のゲートがインバータ回路INV5を介してリセット信号入力端子RSTNに接続されている。充電用のPchトランジスタTP2と高電位側電源電位であるVDD電位の直流電源との間にPchトランジスタTP6が接続され、このトランジスタTP6のゲートがインバータ回路INV5を介してリセット信号入力端子RSTNに接続されている。RSラッチ2のリセット入力端子Rと直流電源との間にPchトランジスタTP100が接続され、このトランジスタTP100のゲートが直接にリセット信号入力端子RSTNに接続されている。
【0071】
D′は差動インバータ1の出力端子のうちRSラッチ2のセット入力端子Sに接続された出力端子であり、この出力端子D′はデータ入力端子Dに入力されたデータと同じ値を出力するものであるが、RSラッチ2におけるNAND回路としてこの出力端子D′に接続された方のNAND回路NAND1は従来の技術の図6と同様に2入力NAND回路となっている。DN′は差動インバータ1の出力端子のうちRSラッチ2のリセット入力端子Rに接続された出力端子であり、この出力端子DN′はデータ入力端子Dに入力されたデータの反転値を出力するものであるが、RSラッチ2におけるNAND回路としてこの出力端子DN′に接続された方のNAND回路NAND4は従来の技術の図6とは違って3入力NAND回路となっている。
【0072】
3入力NAND回路NAND4は、その一つの入力端子が差動インバータ1におけるデータ入力端子Dとは逆の反転値を出力する方の出力端子DN′に接続され、もう一つの入力端子がもう一つの2入力NAND回路NAND1の出力端子に接続され、さらにもう一つの入力端子がセット信号入力端子SETNに接続されている。2入力NAND回路NAND1は、その一つの入力端子が差動インバータ1におけるデータ入力端子Dと同じ値を出力する方の出力端子D′に接続され、もう一つの入力端子が3入力NAND回路NAND4の出力端子に接続されている。
【0073】
従来の技術の図6の場合、図面で下側の2入力NAND回路NAND2の出力端子はデータ出力端子Qに接続されたQ出力端子となっており、上側の2入力NAND回路NAND1の出力端子は反転データ出力端子QNに接続されたQN出力端子となっているが、本実施の形態2の場合は、下側の3入力NAND回路NAND4の出力端子であるQ出力端子は用いるが、上側の2入力NAND回路NAND1の出力端子であるQN出力端子は用いない。下側の3入力NAND回路NAND4のQ出力端子に2つのインバータ回路INV30,INV31を介して非反転のデータ出力端子Qが接続され、同じ3入力NAND回路NAND4のQ出力端子にインバータ回路INV40を介して反転データ出力端子QNが接続されている。
【0074】
このリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップにおいては、リセット信号入力端子RSTNはリセット機能を実行させるときは低電位側電源電位であるVSS電位とされ、それ以外のときは高電位側電源電位であるVDD電位とされる。セット信号入力端子SETNはセット機能を実行させるときはVSS電位とされ、それ以外のときはVDD電位とされる。
【0075】
次に、上記構成のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの動作を説明する。トランジスタTN9のゲートは直流電源に接続されて高電位側電源電位であるVDD電位に固定されているので常に導通状態となっている。
【0076】
通常動作モードのときであって、リセット機能を実行させない状態では、リセット信号入力端子RSTNはVDD電位となっており、PchトランジスタTP100は非導通状態となり、インバータ回路INV5を介してPchトランジスタTP6は導通状態となり、NchトランジスタTN100は非導通状態となっている。また、セット機能を実行させない状態では、セット信号入力端子SETNはVDD電位となっており、3入力NAND回路NAND4の一つの入力端子は常時的にVDD電位が入力されていることになる。したがって、セット信号入力端子SETNがVDD電位に固定されている限りにおいては、3入力NAND回路NAND4の動作は、差動インバータ1の出力端子DN′の状態と2入力NAND回路NAND1の出力の状態のみによって制御されることになり、このことは、セット信号入力端子SETNがVDD電位に固定されている限りにおいて、3入力NAND回路NAND4が従来の技術の図6の2入力NAND回路NAND2と実質的に同じということである。その結果として、通常の動作は従来の技術の図6の場合と同様になる。もっとも、反転データ出力端子QNが3入力NAND回路NAND4にインバータ回路INV40を介して接続されている点では構成的に異なるが、反転データ出力端子QNおよびデータ出力端子Qからの出力状態については従来の技術の図6の場合とまったく同じである。
【0077】
次に、リセット機能を働かせる場合を考える。リセット信号入力端子RSTNをVDD電位からVSS電位に切り換えると、そして、このときセット信号入力端子SETNはインアクティブのVDD電位となっているとすると、リセット入力端子Rに接続されたPchトランジスタTP100が導通状態に反転する。また、インバータ回路INV5の出力はVDD電位となり、PchトランジスタTP6が非導通状態に反転するとともに、NchトランジスタTN100が導通状態に反転する。その結果、セット入力端子SはNchトランジスタTN100を介してVSS電位のグランドに接続されてVSS電位になり、リセット入力端子RはPchトランジスタTP100を介してVDD電位の直流電源に接続されてVDD電位になる。このとき、充電用のPchトランジスタTP6は非導通状態に反転している。また、セット入力端子SがVSS電位になることからNchトランジスタTN6は非導通状態となり、リセット入力端子RはVSS電位のグランドから絶縁された状態となる一方、PchトランジスタTP3が導通状態となって、このトランジスタTP3を介してVDD電位の直流電源よりリセット入力端子Rに充電が行われることから、リセット入力端子RはそのVDD電位を保つ。また、リセット入力端子RがVDD電位になることからPchトランジスタTP4が非導通状態となり、PchトランジスタTP6も非導通状態であるので、セット入力端子Sに対する充電は起こらず、セット入力端子SはそのVSS電位を保つ。
【0078】
このようにセット入力端子SがVSS電位に固定され、リセット入力端子RがVDD電位に固定されると、2入力NAND回路NAND1の他方の入力のいかんに関係なく2入力NAND回路NAND1の出力はVDD電位となる。3入力NAND回路NAND4の3つの入力端子については、その一つの入力端子に2入力NAND回路NAND1の出力のVDD電位が入力され、もう一つの入力端子には前記のリセット入力端子RのVDD電位が入力され、さらにもう一つの入力端子にはセット信号入力端子SETNからのVDD電位が入力されるため、NAND条件が成立して、3入力NAND回路NAND4の出力端子であるQ出力端子からはVSS電位が出力されることになる。
【0079】
以上のようにして、リセット入力端子RがVDD電位となることからRSラッチ2の3入力NAND回路NAND4の出力端子であるQ出力端子からはVSS電位が出力される。その結果として、2つのインバータ回路INV30,INV31を介してのデータ出力端子QからはVSS電位が出力され、1つのインバータ回路INV40を介しての反転データ出力端子QNからはVDD電位が出力されることになる。すなわち、リセット機能が実現されている。この動作は、データ入力端子Dから入力されるデータの値のいかんにかかわりなく、またクロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にリセット機能が実現される。
【0080】
次に、セット機能を働かせる場合を考える。セット信号入力端子SETNをVDD電位からアクティブのVSS電位に切り換えると、そして、このときリセット信号入力端子RSTNはインアクティブのVDD電位となっているとすると、セット信号入力端子SETNに接続された3入力NAND回路NAND4の一つの入力端子にVSS電位が入力されることになる。したがって、3入力NAND回路NAND4の他の二つの入力端子の状態がいかなる組み合わせにあっても、3入力NAND回路NAND4の出力端子であるQ出力端子からはVDD電位が出力されることになる。その結果として、2つのインバータ回路INV30,INV31を介しての非反転のデータ出力端子QからはVDD電位が出力され、1つのインバータ回路INV40を介しての反転データ出力端子QNからはVSS電位が出力されることになる。すなわち、セット機能が実現されている。この動作は、データ入力端子Dから入力されるデータの値のいかんにかかわりなく、またクロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にセット機能が実現される。
【0081】
最後に、セット機能を働かせるにつき、セット信号入力端子SETNをVDD電位からアクティブのVSS電位に切り換えたときに、リセット信号入力端子RSTNもアクティブのVSS電位となっていた、あるいは同時にVSS電位になった場合を考察する。上記で説明したように、セット機能は、セット信号入力端子SETNからのセット信号を3入力NAND回路NAND4に直接に入力することにより、NAND回路の論理を利用したものとなっている。すなわち、セット信号入力端子SETNに接続された3入力NAND回路NAND4の一つの入力端子にVSS電位が入力されたときには、他の二つの入力端子の状態がいかなる組み合わせにあっても、NAND論理によって、3入力NAND回路NAND4の出力端子であるQ出力端子からはVDD電位が出力されることになる。この動作はリセット信号入力端子RSTNの出力がVDD電位であるかVSS電位であるかに影響を受けない優先的なものである。したがって、セット信号入力端子SETNとリセット信号入力端子RSTNとがともにアクティブのVSS電位になっても、所期通りのセット機能が働くことになる。すなわち、非反転のデータ出力端子QからはVDD電位が出力され、反転データ出力端子QNからはVSS電位が出力されることになる。
【0082】
以上のように、スレイブラッチであるRSラッチの論理とNAND回路の論理をうまく利用していること、さらに、2つのNAND回路の出力の両方をフリップフロップの出力とするのではなく、片方のNAND回路すなわち3入力NAND回路NAND4の出力からフリップフロップの出力を作ることにより、セット機能が確実に働くセット機能優先のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップを少ない素子数で実現できる。
【0083】
また、非反転のデータ出力端子Qも反転データ出力端子QNも共通のNAND回路NAND4の方に接続してあるので、実施の形態1の場合と同様に、トランジスタサイズの調整が容易になる。
【0084】
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、セット動作はリセット動作の有無にかかわりなく非反転のデータ出力端子QをVDD電位になすという本来のセット機能を発揮させ、リセット動作はセット動作の有無にかかわりなく反転データ出力端子QNをVDD電位になすという本来のリセット機能を発揮させるように工夫したものである。図4は実施の形態3のCMOS論理の規格に沿ったリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図である。
【0085】
主だった構成要素について説明すると、図3において、符号のTP110およびTP111はPch型MOSトランジスタ、TN20およびTN21はNch型MOSトランジスタ、NAND3およびNAND4は3入力NAND回路、INV20,INV21,INV30およびINV31はインバータ回路、SETNはセット信号入力端子、リセット信号入力端子RSTNはリセット信号入力端子であり、その他の符号は図1と同じである。図1のインバータ回路INV6およびPchトランジスタTP7はない。
【0086】
実施の形態3の特徴ある回路構成は次の点である。RSラッチ2のセット入力端子Sと高電位側電源電位であるVDD電位の直流電源との間にPchトランジスタTP111が接続され、このトランジスタTP111のゲートがセット信号入力端子SETNに接続されている。RSラッチ2のリセット入力端子RとVDD電位の直流電源との間にPchトランジスタTP110が接続され、このトランジスタTP110のゲートがリセット信号入力端子RSTNに接続されている。
【0087】
3入力NAND回路NAND3は、その一つの入力端子が差動インバータ1におけるデータ入力端子Dと同じ値を出力する方の出力端子D′に接続され、もう一つの入力端子が他方の3入力NAND回路NAND4の出力端子に接続され、さらにもう一つの入力端子がリセット信号入力端子RSTNに接続されている。もう一つの3入力NAND回路NAND4は、その一つの入力端子が差動インバータ1におけるデータ入力端子Dとは逆の反転値を出力する方の出力端子DN′に接続され、もう一つの入力端子が他方の3入力NAND回路NAND3の出力端子に接続され、さらにもう一つの入力端子がセット信号入力端子SETNに接続されている。
【0088】
上側の3入力NAND回路NAND3が請求項7にいう第1のNAND回路に相当し、下側の3入力NAND回路NAND4が第2のNAND回路に相当し、PchトランジスタTP111,TP110がスイッチング素子に対応している。
【0089】
上側の3入力NAND回路NAND3の出力端子であるQN出力端子に2つのインバータ回路INV20,INV21を介して反転データ出力端子QNが接続され、下側の3入力NAND回路NAND4の出力端子であるQ出力端子に2つのインバータ回路INV30,INV31を介して非反転のデータ出力端子Qが接続されている。
【0090】
グランドに接続されるべきNchトランジスタTN1のソースとグランドとの間に2つのNchトランジスタTN20,TN21が接続され、一方のトランジスタTN20のゲートがリセット信号入力端子RSTNに接続され、他方のトランジスタTN21のゲートがセット信号入力端子SETNに接続されている。
【0091】
次に、上記構成のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの動作を説明する。通常動作モードのときの動作については、実施の形態1,2の場合と同様であるので説明を省略する。
【0092】
通常動作モードのときであって、セット機能を実行させない状態では、セット信号入力端子SETNはVDD電位であるので、PchトランジスタTP111は非導通状態となっているとともに、下側の3入力NAND回路NAND4の一つの入力端子は常時的にVDD電位が入力されていることになる。また、リセット機能を実行させない状態では、リセット信号入力端子RSTNはVDD電位であるので、PchトランジスタTP110は非導通状態となっているとともに、上側の3入力NAND回路NAND3の一つの入力端子は常時的にVDD電位が入力されていることになる。したがって、リセット信号入力端子RSTNおよびセット信号入力端子SETNがVDD電位に固定されている限りにおいては、上側の3入力NAND回路NAND3の動作は、差動インバータ1の出力端子D′の状態と他方の下側の3入力NAND回路NAND4の出力の状態のみによって制御されることになり、このことは、上側の3入力NAND回路NAND3が従来の技術の図6の2入力NAND回路NAND1と実質的に同じということである。また、リセット信号入力端子RSTNおよびセット信号入力端子SETNがVDD電位に固定されている限りにおいては、下側の3入力NAND回路NAND4の動作は、差動インバータ1の出力端子DN′と他方の上側の3入力NAND回路NAND3の出力の状態のみによって制御されることになり、このことは、下側の3入力NAND回路NAND4が従来の技術の図6の2入力NAND回路NAND2と実質的に同じということである。その結果として、通常の動作は従来の技術の図6の場合と同様になり、データ出力端子Qおよび反転データ出力端子QNからの出力状態については従来の技術の図6の場合とまったく同じである。
【0093】
次に、セット機能を働かせる場合を考える。セット信号入力端子SETNをVDD電位からVSS電位に切り換えると、そして、このときリセット信号入力端子RSTNはインアクティブのVDD電位となっているとすると、セット入力端子Sに接続されたPchトランジスタTP111が導通状態に反転するとともに、下側の3入力NAND回路NAND4の一つの入力端子がVSS電位になる。3入力NAND回路NAND4の入力端子が一つでもVSS電位になると、その出力端子はVDD電位になる。上側の3入力NAND回路NAND3の入力状態をみると、リセット信号入力端子RSTNがVDD電位であり、PchトランジスタTP111が導通状態となったのでセット入力端子SもVDD電位であり、3入力NAND回路NAND4の出力からもVDD電位であるので、3入力NAND回路NAND3の出力端子はVSS電位となる。下側の3入力NAND回路NAND4の出力がVDD電位であるので、非反転のデータ出力端子QはVDD電位となり、また、上側の3入力NAND回路NAND3の出力がVSS電位であるので、反転データ出力端子QNはVSS電位となる。すなわち、セット機能が実現されている。この動作は、データ入力端子Dから入力されるデータの値のいかんにかかわりなく、またクロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にセット機能が実現される。
【0094】
次に、リセット機能を働かせる場合を考える。リセット信号入力端子RSTNをVDD電位からVSS電位に切り換えると、そして、このときセット信号入力端子SETNはインアクティブのVDD電位となっているとすると、リセット入力端子Rに接続されたPchトランジスタTP110が導通状態に反転するとともに、上側の3入力NAND回路NAND3の一つの入力端子がVSS電位になる。3入力NAND回路NAND3の入力端子が一つでもVSS電位になると、その出力端子はVDD電位になる。下側の3入力NAND回路NAND4の入力状態をみると、セット信号入力端子SETNがVDD電位であり、PchトランジスタTP110が導通状態となったのでリセット入力端子RもVDD電位であり、3入力NAND回路NAND3からの出力もVDD電位であるので、3入力NAND回路NAND4の出力端子はVSS電位となる。下側の3入力NAND回路NAND4の出力がVSS電位であるので、非反転のデータ出力端子QはVSS電位となり、また、上側の3入力NAND回路NAND3の出力がVDD電位であるので、反転データ出力端子QNはVDD電位となる。すなわち、リセット機能が実現されている。この動作は、データ入力端子Dから入力されるデータの値のいかんにかかわりなく、またクロック入力端子CLKに入力されるクロック入力信号の状態とは関係なく行われるので、非同期的にリセット機能が実現される。
【0095】
最後に、セット機能を働かせるべくセット信号入力端子SETNをVSS電位にするとともに、リセット機能を働かせるべくリセット信号入力端子RSTNをVSS電位にした場合を考える。PchトランジスタTP111もPchトランジスタTP110も導通状態となる。上側の3入力NAND回路NAND3の一つの入力がリセット信号入力端子RSTNによってVSS電位となるので、その出力はVDD電位となり、これが下側の3入力NAND回路NAND4の入力に与えられる。また、下側の3入力NAND回路NAND4の一つの入力がセット信号入力端子SETNによってVSS電位となるので、その出力はVDD電位となり、これが上側の3入力NAND回路NAND4の入力に与えられる。したがって、下側の3入力NAND回路NAND4においては、リセット入力端子Rと上側の3入力NAND回路NAND4の出力からの入力のふたつがVDD電位となっても、セット信号入力端子SETNがVSS電位となることから、その出力はVDD電位となり、データ出力端子QもVDD電位となる。すなわち、セット機能が実現される。一方、上側の3入力NAND回路NAND3においては、セット入力端子Sと下側の3入力NAND回路NAND3の出力からの入力のふたつがVDD電位となっても、リセット信号入力端子RSTNがVSS電位となることから、その出力はVDD電位となり、反転データ出力端子QNもVDD電位となる。すなわち、リセット機能が実現される。
【0096】
以上のように、本実施の形態3によれば、CMOS論理の規格に沿った差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップが実現されている。
【0097】
〔実施の形態4〕
実施の形態4は、セットアップ時間が通常のD型フリップフロップと大きくは変わらないスキャンテスト対応のD型フリップフロップを提供するものである。図5は実施の形態4のスキャンテスト対応の差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図である。主だった構成要素についてのみ説明すると、クロックとして通常動作用クロックとテスト動作用クロックの2系統を用意する。すなわち、クロック入力端子CLKのほかにテスト用クロック入力端子CKTを設けてある。また、データ入力端子Dのほかにテストデータ入力端子DTを設けてある。TP10およびTP11はPch型MOSトランジスタ、TN4,TN5,TN10はNch型MOSトランジスタ、INV2はインバータ回路である。RSラッチ2は従来の技術の図6の場合と同様に2つの2入力NAND回路NAND1,NAND2から構成されている。充電用のPchトランジスタTP1と直流電源との間にPchトランジスタTP10が接続され、充電用のPchトランジスタTP2と直流電源との間にPchトランジスタTP11が接続され、両PchトランジスタTP10,TP11のゲートがテスト用クロック入力端子CKTに接続されている。接続点n1にNchトランジスタTN4のドレインが接続され、接続点n2にNchトランジスタTN5のドレインが接続され、両トランジスタTN4,TN5のソースどうしが接続され、その接続点にNchトランジスタTN10のドレインが接続され、そのソースがグランドに接続されている。NchトランジスタTN10のゲートがテスト用クロック入力端子CKTに接続されている。
【0098】
次に、上記構成のスキャンテスト対応の差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの動作を説明する。トランジスタTN9のゲートは直流電源に接続されて高電位側電源電位であるVDD電位に固定されているので常に導通状態となっている。通常動作状態ではテスト用クロック入力端子CKTは通常動作状態で常にVSS電位に固定されているもので、PchトランジスタTP10,TP11は常に導通状態となっている。また、NchトランジスタTN10は通常動作状態で常に非導通状態であるから、テストデータ入力端子DTの状態のいかんにかかわらずNchトランジスタTN4,TN5のラインは無関係となる。したがって、通常動作については従来の技術の図6の場合あるいは実施の形態1〜3の場合と同様となる。すなわち、通常動作状態において、テスト用クロック入力端子CKTがVSS電位に固定されていると、クロック入力端子CLKがVSS電位の充電期間においては、セット入力端子Sとリセット入力端子RがともにVDD電位となり、RSラッチ2はホールド状態となって、現在保持しているデータを保持し続ける。また、クロック入力端子CLKがVDD電位となった評価期間においては、データ入力端子DがVSS電位のときは、非反転のデータ出力端子QはVSS電位となり、反転データ出力端子QNはVDD電位となる一方、データ入力端子DがVDD電位のときは、非反転のデータ出力端子QはVDD電位となり、反転データ出力端子QNはVSS電位となる。
【0099】
スキャンテスト状態においては、クロック入力端子CLKがVSS電位に固定され、PchトランジスタTP1,TP2がスキャンテスト状態で常に導通状態となっている。また、NchトランジスタTN1が非導通状態となるため、NchトランジスタTN2,TN3のラインが無効になる代わりに、テスト用クロック入力端子CKTの状態に応じてNchトランジスタTN10が動作することになる。したがって、スキャンテスト状態において、テスト用クロック入力端子CKTの状態変化とテストデータ入力端子DTの状態変化との関係は、通常動作状態でのクロック入力端子CLKの状態変化とデータ入力端子Dの状態変化の関係に対して等価的であり、全く同様の動作となる。
【0100】
本実施の形態4のスキャンテスト対応の差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップにおいては、従来の技術の図10に示した「スキャンテスト用」のD型フリップフロップのようなセレクタ回路10は用いていないので、データ入力端子DからRSラッチ2までのパスの長さが「通常」のD型フリップフロップのパスと変わらないことになる。したがって、図9に示したようなスキャンチェーン構成でスキャンテストを行うに際して、スキャンテスト用としての本実施の形態のD型フリップフロップのセットアップ時間は「通常」のD型フリップフロップのセットアップ時間から大きく変化することはないので、スキャンチェーン発生後に半導体集積回路のタイミング設計をやり直す必要がなくなる。
【0101】
【発明の効果】
差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップについての本発明によれば、リセット信号とセット信号が同時に入力されても、セット機能またはリセット機能を所期通りに実現することができる。また、NAND回路を構成している複数のトランジスタについて、そのゲート幅をどのようにするかの設計上の最適化が容易になる。さらに、D型フリップフロップに対するテストをセレクタ回路を用いずに実現することができ、占有面積の縮小化に有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図
【図2】実施の形態1についてのRSラッチの回路構成図
【図3】実施の形態2のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図
【図4】実施の形態3のリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図
【図5】実施の形態4のスキャンテスト対応の差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図
【図6】従来の技術についての差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図
【図7】従来の技術についてのリセット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図
【図8】従来の技術についてのリセット・セット機能付きの差動−RSラッチ構成のD型フリップフロップの回路構成図
【図9】従来の技術のパーシャルスキャンの概念説明図
【図10】従来の技術の「スキャンテスト用」のD型フリップフロップの概念説明図
【符号の説明】
1……差動インバータ
2……RSラッチ
10……セレクタ回路
11……「通常」のD型フリップフロップ
20……論理ブロック
30……「スキャンテスト用」のD型フリップフロップ
TP1,TP2,TP3,TP4,TP5,TP6,TP7,
TP10,TP11,TP100,TP101,TP110,
TP111,TP200,TP201,TP202,TP203……Pch型MOSトランジスタ
TN1,TN2,TN3,TN4,TN5,TN6,TN7,
TN9,TN10,TN20,TN21,TN100,TN101,
TN200,TN201,TN202,TN203……Nch型MOSトランジスタ
INV1,INV2,INV5,INV6,INV10,
INV20,INV21,INV30,INV31,INV40……インバータ回路
NAND1,NAND2……2入力NAND回路
NAND3,NAND4……3入力NAND回路
D……データ入力端子
DT……テストデータ入力端子
CLK……クロック入力端子
CKT……テスト用クロック入力端子
RSTN……リセット信号入力端子
SETN……セット信号入力端子
Q……非反転のデータ出力端子
QN……反転データ出力端子
S……セット入力端子
R……リセット入力端子
w1,w2,w3,w4,w5,w6,w7,w8,w9……スキャンチェーン配線
Claims (8)
- マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成され、前記RSラッチは、差動インバータにおけるデータ入力端子と同じ値を出力する出力端子にそのセット入力端子が接続された第1のNAND回路と、データ入力端子とは逆の反転値を出力する出力端子にそのリセット入力端子が接続された第2のNAND回路とを有する構成となっていて、少なくともリセット機能を備えたD型フリップフロップであって、前記第1のNAND回路を3入力NAND回路で構成し、この3入力NAND回路の一つの入力端子にリセット信号入力端子を接続した構成としてあるD型フリップフロップ。
- セット信号によりセット入力端子を高電位側電源電位とするスイッチング素子と、セット信号によりリセット入力端子を低電位側電源電位とするスイッチング素子とを備えている請求項1に記載のD型フリップフロップ。
- 3入力NAND回路の出力端子に反転データ出力端子が接続され、同じ出力端子にインバータ回路を介して非反転のデータ出力端子が接続されている請求項1または請求項2に記載のD型フリップフロップ。
- マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成され、前記RSラッチは、差動インバータにおけるデータ入力端子と同じ値を出力する出力端子にそのセット入力端子が接続された第1のNAND回路と、データ入力端子とは逆の反転値を出力する出力端子にそのリセット入力端子が接続された第2のNAND回路とを有する構成となっていて、少なくともセット機能を備えたD型フリップフロップであって、前記第2のNAND回路を3入力NAND回路で構成し、この3入力NAND回路の一つの入力端子にセット信号入力端子を接続した構成としてあるD型フリップフロップ。
- リセット信号によりセット入力端子を低電位側電源電位とするスイッチング素子と、リセット信号によりリセット入力端子を高電位側電源電位とするスイッチング素子とを備えている請求項4に記載のD型フリップフロップ。
- 3入力NAND回路の出力端子に非反転のデータ出力端子が接続され、同じ出力端子にインバータ回路を介して反転データ出力端子が接続されている請求項4または請求項5に記載のD型フリップフロップ。
- マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成され、前記RSラッチは、差動インバータにおけるデータ入力端子と同じ値を出力する出力端子にそのセット入力端子が接続された第1のNAND回路と、データ入力端子とは逆の反転値を出力する出力端子にそのリセット入力端子が接続された第2のNAND回路とを有する構成となっていて、リセット機能とセット機能を備えたD型フリップフロップであって、前記第1のNAND回路および第2のNAND回路をともに3入力NAND回路で構成し、第1の3入力NAND回路の一つの入力端子にリセット信号入力端子を接続し、前記第2の3入力NAND回路の一つの入力端子にセット信号入力端子を接続し、前記リセット信号入力端子からのリセット信号によりリセット入力端子を高電位側電源電位とするスイッチング素子と、前記セット信号入力端子からのセット信号によりセット入力端子を高電位側電源電位とするスイッチング素子とを備えた構成としてあるD型フリップフロップ。
- マスターラッチが差動インバータで構成され、スレイブラッチがRSラッチで構成されたD型フリップフロップであって、クロック入力端子として通常動作のクロック入力端子のほかにテスト用クロック入力端子を備えるとともに、データ入力端子として通常動作のデータ入力端子のほかにテストデータ入力端子を備え、通常動作状態ではテスト用クロック入力端子およびテストデータ入力端子を通常動作のクロック入力端子およびデータ入力端子の状態に影響を与えない状態に固定化し、逆にテスト動作状態では通常動作のクロック入力端子およびデータ入力端子をテスト用クロック入力端子およびテストデータ入力端子の状態に影響を与えない状態に固定化するように構成してあるD型フリップフロップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01171999A JP3556502B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | D型フリップフロップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01171999A JP3556502B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | D型フリップフロップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000209074A JP2000209074A (ja) | 2000-07-28 |
JP3556502B2 true JP3556502B2 (ja) | 2004-08-18 |
Family
ID=11785863
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01171999A Expired - Fee Related JP3556502B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | D型フリップフロップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3556502B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100609048B1 (ko) * | 2000-08-05 | 2006-08-09 | 주식회사 하이닉스반도체 | 적은 전력 소모를 위한 컨디셔녈-캡쳐 플립플롭 |
JP4589496B2 (ja) * | 2000-08-07 | 2010-12-01 | 株式会社ハイニックスセミコンダクター | 省電力用条件付き捕獲フリップフロップ |
KR100391825B1 (ko) * | 2001-03-12 | 2003-07-16 | 주식회사 케이이씨 | 고속 리셋기능을 갖는 플립플롭 회로 및 플립플롭 회로의 리셋방법 |
JP4606628B2 (ja) * | 2001-03-26 | 2011-01-05 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 入力回路 |
JP4524453B2 (ja) * | 2004-03-05 | 2010-08-18 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | フリップフロップ回路 |
KR100624920B1 (ko) * | 2004-11-11 | 2006-09-15 | 주식회사 하이닉스반도체 | 반도체 장치의 오실레이터 |
JP2006174139A (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-29 | Sony Corp | データ処理回路及び表示装置 |
JP2006295322A (ja) * | 2005-04-06 | 2006-10-26 | Nec Electronics Corp | レベルシフタ回路 |
US7461365B1 (en) | 2005-07-09 | 2008-12-02 | Lightspeed Logic, Inc. | Increased effective flip-flop density in a structured ASIC |
US8332793B2 (en) | 2006-05-18 | 2012-12-11 | Otrsotech, Llc | Methods and systems for placement and routing |
KR101006822B1 (ko) * | 2006-06-09 | 2011-01-10 | 오트르소테크, 엘엘씨 | 투명한 테스트 방법 및 스캔 플립 플롭 |
-
1999
- 1999-01-20 JP JP01171999A patent/JP3556502B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000209074A (ja) | 2000-07-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20240297639A1 (en) | Low-power flip flop circuit | |
US7336100B2 (en) | Single supply level converter | |
US20040041610A1 (en) | Scan design for double-edge-triggered flip-flops | |
US8030969B2 (en) | Semiconductor integrated circuit | |
US6429698B1 (en) | Clock multiplexer circuit with glitchless switching | |
JP3556502B2 (ja) | D型フリップフロップ | |
KR20120060670A (ko) | 플립플롭 회로 | |
US7414449B2 (en) | Dynamic scannable latch and method of operation | |
JP4440723B2 (ja) | 再構成可能デバイス | |
US6252425B1 (en) | Method and apparatus for an N-NARY logic circuit | |
US7793178B2 (en) | Cell supporting scan-based tests and with reduced time delay in functional mode | |
JP2005101540A5 (ja) | ||
US6693460B2 (en) | Scan flip-flop and semiconductor integrated circuit device | |
JPH08278840A (ja) | 3状態バス用キーパ回路及びこれを含む集積回路 | |
US6986089B2 (en) | Power reduction in scannable D-flip-flop with synchronous preset or clear | |
US11658656B2 (en) | Low power clock gating cell and an integrated circuit including the same | |
JP3573703B2 (ja) | 半導体装置の製造方法 | |
JP3579820B2 (ja) | D型フリップフロップ | |
JP2008070375A (ja) | 半導体集積回路 | |
JP3465351B2 (ja) | スキャンパステスト用フリップフロップ回路 | |
JP2976937B2 (ja) | スキャン試験回路 | |
JP2003167030A (ja) | 半導体集積回路 | |
JP2976693B2 (ja) | Cmos型半導体集積回路 | |
KR100357509B1 (ko) | Cmos 논리 회로 및 그 동작 방법 | |
JP2000180510A (ja) | 半導体集積回路およびその設計方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20031225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040427 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040512 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090521 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100521 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110521 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |