JP3556463B2 - 蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、古紙パルプは、木材パルプとともに製紙原料として使用されている。古紙パルプは、主に新聞、雑誌、トイレットペーパー等の白色度の余り要求されない下級紙にての利用であった。しかし、近年、環境保護、資源の再利用などにより古紙の再生パルプ化が重要視されるようになってきた。
【0003】
最近の古紙は、印刷の高速化、美粧化などに対応した印刷インキの改良および印刷形式の進歩、即ちオフセット、凸版、レーザーなどにより紙とインキの付着が強く脱墨しにくい傾向にある。さらに、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などの表面加工により離解しにくく従来の技術では、再生パルプ化がますます困難となっている。
【0004】
印刷古紙やオフィス古紙中には、蛍光染料を含有するチラシやカタログなどが多くみられる。これら蛍光染料を含有する古紙は、常法の脱墨漂白では脱色しがたい。これらの混入が、白色度の低下、色調合わせの難しさ、紙面着色異物の要因の1つとなっている。そのため、蛍光染料を含有する古紙は、オフィス古紙や印刷古紙などに混入した場合、離解工程前に人手による抜き取り作業に頼って除去されているのが現状である。
【0005】
蛍光染料の消去方法として、例えば、特開昭62−97993号公報では、離解された古紙を水酸化ナトリウム溶液にてpH10以上に調整し、次いで次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加し、常温から60℃以内の温度下で貯留して蛍光染料を消去する方法が開示されている。しかし、この方法では蛍光消去は不十分なだけでなく、褪色(黄化現象)とセルロースの損傷が起こる。
【0006】
また、特公昭48−1693号公報では、ジクロールイソシアヌール酸塩により、4,4’−ジアミノスチルベンスルファン酸誘導体からなる蛍光増白剤を含有する古紙からの蛍光を消去する技術が開示されている。しかし、ジクロールイソシアヌール酸塩は、塩素化合物のためにAOX(吸着性有機ハロゲン化合物)が排水中に多量に発生し、問題となる。
【0007】
さらに、特公平8−19630号公報では、古紙スラリーに対して特定の条件下で二酸化塩素処理によって古紙中の蛍光を消去する方法が開示されている。しかし、現状の古紙処理設備では、過酸化水素、次亜塩素酸ソーダによる漂白が一般的であり、二酸化塩素の使用は設備上非常に難しいだけでなく、コスト高につながるなどの欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、古紙パルプをクラフトパルプ漂白工程に混合処理して蛍光を消去することでバージンパルプと変わらない高品質のものを得ることができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明の蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法を発明するに至った。
【0010】
本発明の蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法は、クラフトパルプの塩素系漂白工程における少なくとも1箇所以上にて、蛍光染料を含有する古紙からなる離解、脱墨または漂白処理した古紙パルプをクラフトパルプに対して5〜50重量%混合して漂白し、蛍光消去処理することを特徴とするとするものである。
即ち、クラフトパルプの漂白工程で使用される塩素系漂白剤によって蛍光染料に存在する共役2重結合、発色基などが分解され蛍光を抑制する。
【0011】
本発明における蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光強度が、0.5〜10であり、且つ蛍光染料が、スチルベン基、アミノ基、スルフォン基、ジアゾ基のいずれか1つ以上を有する紫外短波長200〜400nmである。
【0012】
本発明におけるクラフトパルプの塩素系漂白工程が、塩素、塩素と二酸化塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸塩の段から選ばれる少なくとも1箇所以上である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明で再生処理される古紙としては、一般的に印刷古紙やオフィス古紙中に存在する蛍光染料で染色されたチラシ、カタログなどの印刷された上質紙や微塗工紙などである。蛍光染料を含有する上質紙は、元々白色度が高く、高品質な古紙である。従って、脱墨と脱蛍光だけでもニーズにあった製品が得られる場合もある。
【0017】
上記蛍光染料を含有する古紙は、離解、脱墨または漂白処理して古紙パルプ(以下、DIPと略す)とし、これをクラフトパルプ(以下、KPと略す)の塩素系漂白工程中の任意の箇所に混合され、DIPおよびKPと共に漂白することで蛍光が消去される。
【0018】
KPは、一般的に使用されている広葉樹パルプ(以下、LBKPと略す)、針葉樹パルプ(以下、NBKPと略す)などであり、樹種としては国産材による広葉樹および針葉樹、外国材による広葉樹および針葉樹、さらに植林材などを挙げることができる。
【0019】
蛍光染料を含有するDIPは、KPに対して3〜50重量%の混合量で漂白処理するものであり、処理後のパルプ品質面を考慮した場合、好ましくは10〜30重量%である。
【0020】
ここで、DIPが、KPに対して3重量%未満では、品質などの問題はないがポンプなどの設備的に配合が難しい。一方、50重量%を超えて多いと現行操業条件を変更し、且つ晒薬品の添加率を過剰に必要となり、さらにパルプ品質も低下する。
【0021】
本発明における蛍光染料としては、スチルベン基、アミノ基、スルフォン基、ジアゾ基のいずれか1つ以上を有するものであり、紫外短波長が200〜400nmの波長領域を有するものである。蛍光染料としては、具体的には、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、クマリン誘導体、ピラゾニン誘導体、ナフタルイミド誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体、ビススチリルビフェニール誘導体などを挙げることができる。なお、蛍光染料は、蛍光分光光度計およびFT−IRにより上記波長領域に限定するとともに、過酸化水素を用いて蛍光消去できないものを対象としている。
【0022】
本発明における蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光強度は、0.5〜10の範囲内にあるものである。蛍光強度の測定に当たっては、日本電色工業社製;スペクトルカラーメーター「PF−10」を使用した。
【0023】
ここで、蛍光強度が0.5未満でも消去効果が見られるが、0.5未満のレベルであれば、そのままDIP系の再生処理工程で消去可能である。一方、蛍光強度が10を超えて大きいと通常のKP塩素系漂白工程では完全に蛍光消去しきれない。尚、品質を考慮せずに過剰に塩素系薬品を添加すれば消去できる。
【0024】
蛍光染料を含有する古紙を離解、脱墨または漂白処理してDIPは、KPの塩素系漂白工程における少なくとも一箇所以上で脱蛍光処理するが、KPにおける塩素系漂白工程としては、塩素(C)、塩素と二酸化塩素(D)、二酸化塩素、次亜塩素酸塩(H)の段から選ばれる少なくとも1箇所以上で行うものである。例えば、C−E(アルカリ段)−H−D、C/D−E−H−D、D−E−H−Dなどである。
【0031】
DIPの脱蛍光処理条件は、KP工程における漂白条件で十分消去でき、さらに漂白性の向上も図れるため、条件の変更をする必要もない。
【0033】
DIP再生処理については、公知の処理方法でよいが、一般的な工程の一例として、例えば、離解工程(パルパー)→粗選工程(粗選スクリーン、クリーナー、粗選ウォッシャー、粗選シックナー)→脱墨工程(脱墨ニーダー、フローテーター)→精選工程(精選スクリーン、クリーナー、精選ウォッシャー、精選シックナー)→漂白工程(漂白ニーダー、漂白塔、漂白ウォッシャー)→抄紙工程(高濃度チェスト、抄紙機)などの順で行う処理方法を挙げることができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、記載の部、%は全て重量部、重量%によるものである。
【0035】
本発明の実施例または比較例に当たって、下記の測定および評価方法に従って行った。
白色度(ハンター白色度法;JIS−P8123)、色相および蛍光強度(日本電色社製スペクトルカラーメーター「PF−10」)、密度(JIS−P8118)、濾水度(カナディアンフリーネステスター;JIS−P8121)、裂断長(JIS−P8113)、内部結合強度(インターナルボンドテスター)、不透明度(JIS−P8138)、平滑度(TAPPI T−236)、比引裂強度(エルメンドルフ引裂き試験器;JIS−P8116)を使用して測定した。
【0036】
印刷古紙、オフィス古紙は一般的なものを使用し、蛍光染料を含有する古紙は、FT−IR(パーキンエルマージャパン社製)、スペクトルカラーメーターと過酸化水素で脱色できないこと確認して使用した。
【0037】
<蛍光染料を含有する古紙の蛍光消去>
実施例1
蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を高濃度パルパー(パルプ濃度約20%)を用い、水酸化ナトリウム(NaOH)0.8%、脱墨剤(花王社製;DI−1200)0.08%を添加し、室温にて30分間離解した。その後、洗浄脱水し、濃度約30%に調整した後、過酸化水素0.1%、NaOH2.4%、脱墨剤0.18%を加えて分散混合し、温度60℃で2時間熟成した。次いでフローテーション処理し、洗浄脱水して白色度81.9%、蛍光強度3.9の古紙パルプ(DIP)を得た。得られたDIPに、二酸化塩素(ClO2)0.1%(対絶乾パルプ)を添加し、パルプ濃度15%、室温で60分間攪拌し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0038】
実施例2
蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度6.8)を実施例1と同様の条件で離解し、洗浄脱水した後、さらに熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度82.3%、蛍光強度6.5のDIPを得た。得られたDIPに、ClO20.15%を添加し、パルプ濃度15%、室温で60分間処理、洗浄脱水してパルプを得た。
【0039】
実施例3
蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度9.8)を実施例1と同様の条件で離解し、洗浄脱水した後、さらに熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度82.7%、蛍光強度9.6のDIPを得た。得られたDIPに、ClO20.2%を添加し、室温で60分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0040】
実施例4
実施例3の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度9.8)を同様の条件で離解し、洗浄脱水、さらに熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度82.7%、蛍光強度9.6のDIPを得た。得られたDIPに、ClO20.2%を添加し、50℃で60分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0041】
実施例5
実施例3の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度9.8)を同様の条件で離解し、洗浄脱水し、さらに熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度82.7%、蛍光強度9.6のDIPを得た。得られたDIPに、ClO20.2%を添加し、室温で120分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0042】
実施例6
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同条件で離解し、洗浄脱水した後、熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。次いで、クラフトパルプ(KP)漂白工程:O(酸素漂白)−C(塩素)/D1(二酸化塩素)−E(水酸化ナトリウム)−H(次亜塩素酸ナトリウム)−D2におけるC/D1段にDIPを30%配合して、多段漂白したパルプを得た。
【0043】
<漂白の条件>
Cの添加率;1.5%、
D1の添加率;0.15%でパルプ濃度3.5%、55℃、30分間
Eの添加率;0.8%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
Hの添加率;0.4%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
D2の添加率;0.1%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
なお、DIPを配合しないO−C/D1−E−H−D2にて漂白したKPは、白色度86.2%、蛍光強度0.0である。
【0044】
実施例7
実施例6と同様の条件で、蛍光強度3.9のDIPとKPのH段に30%配合して、H−D2の漂白したパルプを得た。
【0045】
<漂白の条件>
Hの添加率;0.4%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
D2の添加率;0.1%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
【0046】
実施例8
実施例6と同様の条件で、蛍光強度3.9のDIPとKPのD2段に10%配合して、D2の漂白したパルプを得た。
【0047】
<漂白の条件>
D2の添加率;0.1%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
【0048】
実施例9
実施例8と同様の条件で、蛍光強度3.9のDIPとKPのD2段に30%配合して、D2の漂白したパルプを得た。漂白条件は実施例8と同じ。
【0049】
実施例10
実施例8と同様の条件で、蛍光強度3.9のDIPとKPのD2段に50%配合して、D2の漂白したパルプを得た。漂白条件は実施例8と同じ。
【0050】
比較例1
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、H(ハイポ)の添加率を0.3%、パルプ濃度12%、50℃、60分間処理し、洗浄脱水して白色度85.8%、蛍光強度3.3のパルプを得た。
【0051】
比較例2
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、過酸化水素(H2O2)1.0%とNaOH0.5%を添加し、パルプ濃度12%、80℃、120分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0052】
比較例3
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、オゾン(O3)0.5%を添加し、パルプ濃度35%、室温、10分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0053】
比較例4
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、二酸化チオ尿素(FAS)0.5%を添加し、パルプ濃度12%、50℃、60分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0054】
比較例5
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、ジクロロイソシアヌル酸ナトルム(日本曹達社製;ジクロトップ60FG)0.5%を添加し、パルプ濃度12%、50℃、60分間処理、洗浄脱水してパルプを得た。
【0055】
比較例6
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、カチオン性ポリアミン系化合物(一方社社製;OP600)0.5%を添加し、パルプ濃度12%、50℃、60分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0056】
上記実施例1〜10と比較例1〜6の蛍光染料を含有する古紙に対する蛍光消去の評価結果について、下記表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
上記表1から明らかなように、一般的な漂白剤であるオゾン、過酸化水素、ハイポ、FASでは、完全に消去できない。また、市販のジクロイソシアヌル酸Naも難しいだけでなく、AOXとクロロホルムの発生につながる。カチオン性ポリアミン系化合物は効果あるものの褪色(黄化)が認められる。
【0059】
実施例8、9、10とKPをPFIミルにて叩解し、濾水度400ccとして坪量60g/m2のシートを手抄き、パルプ物性を測定した結果を表2に示す。蛍光染料を含有する色上古紙の配合率が50%では、パルプ物性において若干強度の低下が認められるためクラフトパルプに対して好ましくは50%未満がよい。
【0060】
【表2】
【0076】
【発明の効果】
本発明により、蛍光染料を含有する古紙パルプを蛍光消去することで、バージンパルプと変わらない高品質のものを得ることができ、古紙の利用が拡大する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、古紙パルプは、木材パルプとともに製紙原料として使用されている。古紙パルプは、主に新聞、雑誌、トイレットペーパー等の白色度の余り要求されない下級紙にての利用であった。しかし、近年、環境保護、資源の再利用などにより古紙の再生パルプ化が重要視されるようになってきた。
【0003】
最近の古紙は、印刷の高速化、美粧化などに対応した印刷インキの改良および印刷形式の進歩、即ちオフセット、凸版、レーザーなどにより紙とインキの付着が強く脱墨しにくい傾向にある。さらに、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などの表面加工により離解しにくく従来の技術では、再生パルプ化がますます困難となっている。
【0004】
印刷古紙やオフィス古紙中には、蛍光染料を含有するチラシやカタログなどが多くみられる。これら蛍光染料を含有する古紙は、常法の脱墨漂白では脱色しがたい。これらの混入が、白色度の低下、色調合わせの難しさ、紙面着色異物の要因の1つとなっている。そのため、蛍光染料を含有する古紙は、オフィス古紙や印刷古紙などに混入した場合、離解工程前に人手による抜き取り作業に頼って除去されているのが現状である。
【0005】
蛍光染料の消去方法として、例えば、特開昭62−97993号公報では、離解された古紙を水酸化ナトリウム溶液にてpH10以上に調整し、次いで次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加し、常温から60℃以内の温度下で貯留して蛍光染料を消去する方法が開示されている。しかし、この方法では蛍光消去は不十分なだけでなく、褪色(黄化現象)とセルロースの損傷が起こる。
【0006】
また、特公昭48−1693号公報では、ジクロールイソシアヌール酸塩により、4,4’−ジアミノスチルベンスルファン酸誘導体からなる蛍光増白剤を含有する古紙からの蛍光を消去する技術が開示されている。しかし、ジクロールイソシアヌール酸塩は、塩素化合物のためにAOX(吸着性有機ハロゲン化合物)が排水中に多量に発生し、問題となる。
【0007】
さらに、特公平8−19630号公報では、古紙スラリーに対して特定の条件下で二酸化塩素処理によって古紙中の蛍光を消去する方法が開示されている。しかし、現状の古紙処理設備では、過酸化水素、次亜塩素酸ソーダによる漂白が一般的であり、二酸化塩素の使用は設備上非常に難しいだけでなく、コスト高につながるなどの欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、古紙パルプをクラフトパルプ漂白工程に混合処理して蛍光を消去することでバージンパルプと変わらない高品質のものを得ることができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明の蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法を発明するに至った。
【0010】
本発明の蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法は、クラフトパルプの塩素系漂白工程における少なくとも1箇所以上にて、蛍光染料を含有する古紙からなる離解、脱墨または漂白処理した古紙パルプをクラフトパルプに対して5〜50重量%混合して漂白し、蛍光消去処理することを特徴とするとするものである。
即ち、クラフトパルプの漂白工程で使用される塩素系漂白剤によって蛍光染料に存在する共役2重結合、発色基などが分解され蛍光を抑制する。
【0011】
本発明における蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光強度が、0.5〜10であり、且つ蛍光染料が、スチルベン基、アミノ基、スルフォン基、ジアゾ基のいずれか1つ以上を有する紫外短波長200〜400nmである。
【0012】
本発明におけるクラフトパルプの塩素系漂白工程が、塩素、塩素と二酸化塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸塩の段から選ばれる少なくとも1箇所以上である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明で再生処理される古紙としては、一般的に印刷古紙やオフィス古紙中に存在する蛍光染料で染色されたチラシ、カタログなどの印刷された上質紙や微塗工紙などである。蛍光染料を含有する上質紙は、元々白色度が高く、高品質な古紙である。従って、脱墨と脱蛍光だけでもニーズにあった製品が得られる場合もある。
【0017】
上記蛍光染料を含有する古紙は、離解、脱墨または漂白処理して古紙パルプ(以下、DIPと略す)とし、これをクラフトパルプ(以下、KPと略す)の塩素系漂白工程中の任意の箇所に混合され、DIPおよびKPと共に漂白することで蛍光が消去される。
【0018】
KPは、一般的に使用されている広葉樹パルプ(以下、LBKPと略す)、針葉樹パルプ(以下、NBKPと略す)などであり、樹種としては国産材による広葉樹および針葉樹、外国材による広葉樹および針葉樹、さらに植林材などを挙げることができる。
【0019】
蛍光染料を含有するDIPは、KPに対して3〜50重量%の混合量で漂白処理するものであり、処理後のパルプ品質面を考慮した場合、好ましくは10〜30重量%である。
【0020】
ここで、DIPが、KPに対して3重量%未満では、品質などの問題はないがポンプなどの設備的に配合が難しい。一方、50重量%を超えて多いと現行操業条件を変更し、且つ晒薬品の添加率を過剰に必要となり、さらにパルプ品質も低下する。
【0021】
本発明における蛍光染料としては、スチルベン基、アミノ基、スルフォン基、ジアゾ基のいずれか1つ以上を有するものであり、紫外短波長が200〜400nmの波長領域を有するものである。蛍光染料としては、具体的には、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体、クマリン誘導体、ピラゾニン誘導体、ナフタルイミド誘導体、ビスベンゾオキサゾリル誘導体、ビススチリルビフェニール誘導体などを挙げることができる。なお、蛍光染料は、蛍光分光光度計およびFT−IRにより上記波長領域に限定するとともに、過酸化水素を用いて蛍光消去できないものを対象としている。
【0022】
本発明における蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光強度は、0.5〜10の範囲内にあるものである。蛍光強度の測定に当たっては、日本電色工業社製;スペクトルカラーメーター「PF−10」を使用した。
【0023】
ここで、蛍光強度が0.5未満でも消去効果が見られるが、0.5未満のレベルであれば、そのままDIP系の再生処理工程で消去可能である。一方、蛍光強度が10を超えて大きいと通常のKP塩素系漂白工程では完全に蛍光消去しきれない。尚、品質を考慮せずに過剰に塩素系薬品を添加すれば消去できる。
【0024】
蛍光染料を含有する古紙を離解、脱墨または漂白処理してDIPは、KPの塩素系漂白工程における少なくとも一箇所以上で脱蛍光処理するが、KPにおける塩素系漂白工程としては、塩素(C)、塩素と二酸化塩素(D)、二酸化塩素、次亜塩素酸塩(H)の段から選ばれる少なくとも1箇所以上で行うものである。例えば、C−E(アルカリ段)−H−D、C/D−E−H−D、D−E−H−Dなどである。
【0031】
DIPの脱蛍光処理条件は、KP工程における漂白条件で十分消去でき、さらに漂白性の向上も図れるため、条件の変更をする必要もない。
【0033】
DIP再生処理については、公知の処理方法でよいが、一般的な工程の一例として、例えば、離解工程(パルパー)→粗選工程(粗選スクリーン、クリーナー、粗選ウォッシャー、粗選シックナー)→脱墨工程(脱墨ニーダー、フローテーター)→精選工程(精選スクリーン、クリーナー、精選ウォッシャー、精選シックナー)→漂白工程(漂白ニーダー、漂白塔、漂白ウォッシャー)→抄紙工程(高濃度チェスト、抄紙機)などの順で行う処理方法を挙げることができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、記載の部、%は全て重量部、重量%によるものである。
【0035】
本発明の実施例または比較例に当たって、下記の測定および評価方法に従って行った。
白色度(ハンター白色度法;JIS−P8123)、色相および蛍光強度(日本電色社製スペクトルカラーメーター「PF−10」)、密度(JIS−P8118)、濾水度(カナディアンフリーネステスター;JIS−P8121)、裂断長(JIS−P8113)、内部結合強度(インターナルボンドテスター)、不透明度(JIS−P8138)、平滑度(TAPPI T−236)、比引裂強度(エルメンドルフ引裂き試験器;JIS−P8116)を使用して測定した。
【0036】
印刷古紙、オフィス古紙は一般的なものを使用し、蛍光染料を含有する古紙は、FT−IR(パーキンエルマージャパン社製)、スペクトルカラーメーターと過酸化水素で脱色できないこと確認して使用した。
【0037】
<蛍光染料を含有する古紙の蛍光消去>
実施例1
蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を高濃度パルパー(パルプ濃度約20%)を用い、水酸化ナトリウム(NaOH)0.8%、脱墨剤(花王社製;DI−1200)0.08%を添加し、室温にて30分間離解した。その後、洗浄脱水し、濃度約30%に調整した後、過酸化水素0.1%、NaOH2.4%、脱墨剤0.18%を加えて分散混合し、温度60℃で2時間熟成した。次いでフローテーション処理し、洗浄脱水して白色度81.9%、蛍光強度3.9の古紙パルプ(DIP)を得た。得られたDIPに、二酸化塩素(ClO2)0.1%(対絶乾パルプ)を添加し、パルプ濃度15%、室温で60分間攪拌し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0038】
実施例2
蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度6.8)を実施例1と同様の条件で離解し、洗浄脱水した後、さらに熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度82.3%、蛍光強度6.5のDIPを得た。得られたDIPに、ClO20.15%を添加し、パルプ濃度15%、室温で60分間処理、洗浄脱水してパルプを得た。
【0039】
実施例3
蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度9.8)を実施例1と同様の条件で離解し、洗浄脱水した後、さらに熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度82.7%、蛍光強度9.6のDIPを得た。得られたDIPに、ClO20.2%を添加し、室温で60分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0040】
実施例4
実施例3の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度9.8)を同様の条件で離解し、洗浄脱水、さらに熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度82.7%、蛍光強度9.6のDIPを得た。得られたDIPに、ClO20.2%を添加し、50℃で60分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0041】
実施例5
実施例3の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度9.8)を同様の条件で離解し、洗浄脱水し、さらに熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度82.7%、蛍光強度9.6のDIPを得た。得られたDIPに、ClO20.2%を添加し、室温で120分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0042】
実施例6
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同条件で離解し、洗浄脱水した後、熟成、フローテーション処理し、洗浄脱水して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。次いで、クラフトパルプ(KP)漂白工程:O(酸素漂白)−C(塩素)/D1(二酸化塩素)−E(水酸化ナトリウム)−H(次亜塩素酸ナトリウム)−D2におけるC/D1段にDIPを30%配合して、多段漂白したパルプを得た。
【0043】
<漂白の条件>
Cの添加率;1.5%、
D1の添加率;0.15%でパルプ濃度3.5%、55℃、30分間
Eの添加率;0.8%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
Hの添加率;0.4%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
D2の添加率;0.1%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
なお、DIPを配合しないO−C/D1−E−H−D2にて漂白したKPは、白色度86.2%、蛍光強度0.0である。
【0044】
実施例7
実施例6と同様の条件で、蛍光強度3.9のDIPとKPのH段に30%配合して、H−D2の漂白したパルプを得た。
【0045】
<漂白の条件>
Hの添加率;0.4%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
D2の添加率;0.1%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
【0046】
実施例8
実施例6と同様の条件で、蛍光強度3.9のDIPとKPのD2段に10%配合して、D2の漂白したパルプを得た。
【0047】
<漂白の条件>
D2の添加率;0.1%でパルプ濃度12%、65℃、90分間
【0048】
実施例9
実施例8と同様の条件で、蛍光強度3.9のDIPとKPのD2段に30%配合して、D2の漂白したパルプを得た。漂白条件は実施例8と同じ。
【0049】
実施例10
実施例8と同様の条件で、蛍光強度3.9のDIPとKPのD2段に50%配合して、D2の漂白したパルプを得た。漂白条件は実施例8と同じ。
【0050】
比較例1
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、H(ハイポ)の添加率を0.3%、パルプ濃度12%、50℃、60分間処理し、洗浄脱水して白色度85.8%、蛍光強度3.3のパルプを得た。
【0051】
比較例2
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、過酸化水素(H2O2)1.0%とNaOH0.5%を添加し、パルプ濃度12%、80℃、120分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0052】
比較例3
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、オゾン(O3)0.5%を添加し、パルプ濃度35%、室温、10分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0053】
比較例4
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、二酸化チオ尿素(FAS)0.5%を添加し、パルプ濃度12%、50℃、60分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0054】
比較例5
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、ジクロロイソシアヌル酸ナトルム(日本曹達社製;ジクロトップ60FG)0.5%を添加し、パルプ濃度12%、50℃、60分間処理、洗浄脱水してパルプを得た。
【0055】
比較例6
実施例1の蛍光染料を含有する色上古紙(蛍光強度4.1)を同様の条件で離解、脱墨して白色度81.9%、蛍光強度3.9のDIPを得た。得られたDIPに、カチオン性ポリアミン系化合物(一方社社製;OP600)0.5%を添加し、パルプ濃度12%、50℃、60分間処理し、洗浄脱水してパルプを得た。
【0056】
上記実施例1〜10と比較例1〜6の蛍光染料を含有する古紙に対する蛍光消去の評価結果について、下記表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
上記表1から明らかなように、一般的な漂白剤であるオゾン、過酸化水素、ハイポ、FASでは、完全に消去できない。また、市販のジクロイソシアヌル酸Naも難しいだけでなく、AOXとクロロホルムの発生につながる。カチオン性ポリアミン系化合物は効果あるものの褪色(黄化)が認められる。
【0059】
実施例8、9、10とKPをPFIミルにて叩解し、濾水度400ccとして坪量60g/m2のシートを手抄き、パルプ物性を測定した結果を表2に示す。蛍光染料を含有する色上古紙の配合率が50%では、パルプ物性において若干強度の低下が認められるためクラフトパルプに対して好ましくは50%未満がよい。
【0060】
【表2】
【0076】
【発明の効果】
本発明により、蛍光染料を含有する古紙パルプを蛍光消去することで、バージンパルプと変わらない高品質のものを得ることができ、古紙の利用が拡大する。
Claims (3)
- クラフトパルプの塩素系漂白工程における少なくとも1箇所以上にて、蛍光染料を含有する古紙からなる離解、脱墨または漂白処理した古紙パルプをクラフトパルプに対して3〜50重量%混合して漂白し、蛍光消去処理することを特徴とする蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法。
- 蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光強度が、0.5〜10であり、且つ蛍光染料がスチルベン基、アミノ基、スルフォン基、ジアゾ基のいずれか1つ以上を有する紫外短波長200〜400nmであることを特徴とする請求項1記載の蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法。
- 塩素系漂白工程が、塩素、塩素と二酸化塩素、二酸化塩素、次亜塩素酸塩の段から選ばれる少なくとも1箇所以上であることを特徴とする請求項1記載の蛍光染料を含有する古紙パルプの蛍光消去法。
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