JP3556352B2 - 小型車両の物入れ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体の前頭部を覆う前部カバー内に折り畳み可能なバスケット状に設けられた小型車両の物入れ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクータ型車両のような小型車両には、車体の前頭部にバスケットを設けて荷物を積載できるようにした車種が多い。ところがこのようなバスケットは荷物を積載しない時には不要であり、バスケットによって車両の外観が大きく損なわれてしまう欠点がある。
【0003】
そこで、車体の前頭部を覆う前部カバーに開閉可能なリッドを設け、このリッドを開いた時にリッドの内側から折り畳み式のリンク機構が現れてバスケットが構成されるようにした折り畳み式のバスケットが提案されている(例えば特開平7−125664号公報に記載されている折畳収納バスケット)。このような折り畳み式バスケットはリンク機構の外側を可撓性のシートで覆っているので、小さな物品でも落下させることなく収納することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような折り畳み式のバスケットは、バスケットを構成する折り畳み式のリンク機構を使用状態または収納状態に位置決めする手段が設けられていないため、例えば荷物を収納しようとリンク機構を引きだしてバスケットをセットしても、手や荷物が当たるとリンク機構が収縮してバスケットが縮まる傾向があり、使い勝手が悪い。また、リンク機構を折り畳んで前部カバー内に収納し、リッドを閉じて走行に移った時、走行振動にリンク機構が共振して異音を発生させる懸念がある。
【0005】
しかも、左右のリンク機構がそれぞれ独立的に回動するので、バスケットを折り畳む際には両手で左右のリンク機構を折り畳まなければならず、操作性が悪かった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、使用状態にセットしたバスケットが意に反して縮まることを防止して使い勝手を良くするとともに、バスケットを折り畳んで走行する時にリンク機構が走行振動に共振して異音を発生することを防止することのできる小型車両の物入れ装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明のもう一つの目的は、バスケットをワンタッチで折り畳み可能にすることと、バスケットを使用状態にセットした際にリンク機構が露出するのを防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る小型車両の物入れ装置は、請求項1に記載したように、車体の前頭部を覆う前部カバーに設けられて前方に開口する開口部と、上記開口部を閉塞するリッドと、上記リッドの下縁部に設けられてリッドを前方へ開放可能に支持するヒンジ機構と、上記開口部内の上部両サイドから延びて上記リッド裏側の上部両サイドに連結され、その中間部が下方に折れ曲がるように構成されてリッドが開位置にある時に伸長し、リッドが閉位置にある時には折曲する、リッド側リンクと車体側リンクから成る左右一対のリンク機構と、開位置に置かれた上記リッドおよび上記左右のリンク機構に囲まれた空間に設置されて上方に開口する可撓性材料からなる収納袋と、リッドの開位置では上記リンク機構を伸長状態にばね付勢して保持し、リッドの閉位置では上記リンク機構を折曲状態にばね付勢して保持する左右一対のスプリングとを備えて構成されている。
【0010】
また、本発明に係る小型車両の物入れ装置は、請求項2に記載したように、前記車体側リンクの基端部に、前記スプリングと、左右のリンク間を車幅方向に延びて回動一体に保つ連結部材を取付けるとともに、この連結部材を前記基端部に固定される両端部以外は同リンクのリンクブラケットに近付くようにクランク状に折曲して形成した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る小型車両としてのスクータ型車両の前半部分を示す左側面図である。このスクータ型車両1は、図示しない車体フレームの前頭部と前輪2を支持するフロントフォーク3が合成樹脂性の前部カバー4に覆われており、この前部カバー4の後部には下方に低く湾入して乗員の足を載せるステップフロア5が形成されている。また、フロントフォーク3の上端に固定されるハンドルバー6はハンドルカバ−7に覆われている。
【0013】
前部カバー4の前頭部にはヘッドランプアッセンブリ8が設置されており、その上方には前方に開口する開口部10が形成され、さらにこの開口部10を閉塞するリッド11が設けられている。このリッド11は、閉じられた状態の閉位置Aから前方に開いた状態の開位置Bに回動することができ、このリッド11の部分に物入れ装置12が設けられる。この物入れ装置12は次のように構成されている。
【0014】
まず、図2および図3に示すように、リッド11の裏側には補強枠体13が固定されている。この補強枠体13は、図4にも示すように、パイプ材で形成された略U字形の枠本体14の上部に、同じくパイプ材で形成された補強ブリッジ15が架設されたものである。枠本体14の左右両辺と、補強ブリッジ15の中間部と、枠本体14の下部に固着されたヒンジプレート16とには、合計6か所の締結座17が設けられていて、これらの締結座17がリッド11の裏側に成型された締結ボス18にビス19で締め付けられる。なお、枠本体14の上部両サイドには左右一対のリッド側リンクブラケット21がビス22で固定されている。
【0015】
また、リッド11裏側の下縁部には、リッド11を前方へ開放可能に支持するヒンジ機構23が設けられている。このヒンジ機構23は、開口部10内の底板24の裏側に4本のビス25で固定される略コの字形のヒンジブラケット26の先端に、前記ヒンジプレート16がヒンジ軸27を介して回動自在に軸着された構成である。
【0016】
一方、開口部10内の上部両サイドには左右一対の車体側リンクブラケット30がボルト31で固定されている。図5および図6にも示すように、この車体側リンクブラケット30には、上方に延びるスプリング掛止アーム32が設けられている。
【0017】
そして、上記車体側リンクブラケット30から延びて前記リッド側リンクブラケット21に連結される左右一対のリンク機構33が設けられている。このリンク機構33は、リッド側リンクブラケット21にリンク軸34で回動自在に連結されるリッド側リンク35と、車体側リンクブラケット30にリンク軸36(図5,6参照)で回動自在に連結される車体側リンク37とを備えたもので、リッド側リンク35と車体側リンク37との間はリンク軸38で回動自在に連結され、これによりリンク機構33の中間部が下方に折れ曲がるようになっている。
【0018】
このリンク機構33は、図2に示すようにリッド11が開位置Bにある時に伸長し、図3に示すようにリッド11が閉位置Aにある時には下方に折曲する。なお、折曲したリンク機構33はリッド11にほぼ平行する形で前部カバー4内に収納される。
【0019】
図7にも示すように、左右の車体側リンク37の基端部は、車幅方向に延びる軸状の連結部材41で連結されており、これによって左右の車体側リンク37が回動一体に保たれている。この連結部材41はクランク状に折曲されており、車体側リンク37に固定される両端部以外が車体側リンクブラケット30に近付くように造型されている。
【0020】
ところで、車体側リンク37の基部には側方に延びる突片42が形成されており、この突片42の後端付近にはスプリング掛止孔43が穿設されている。そして、このスプリング掛止孔43と、車体側リンクブラケット30のスプリング掛止アーム32先端に穿設されたスプリング掛止孔44との間にスプリング45が掛止されている。このスプリング45は左右一対で設けられる。
【0021】
図5および図6に示すように、2つのスプリング掛止孔43,44 の位置関係は、スプリング45の中心線Cがリンク機構33の伸長時(図5の状態)において車体側リンクブラケット30のリンク軸36よりも上方に位置し、リンク機構33の折曲時 (図6の状態)においてはリンク軸36よりも下方に位置するように、またスプリング45の長さLがリンク機構33の伸長時と折曲時において縮み、その途中では延びるように定められている。このため、スプリング45はリッド11の開位置Bにおいてリンク機構33を伸長状態に保持し、リッド11の閉位置Aにおいてリンク機構33を折曲状態に保持する保持手段として機能する。
【0022】
さらに、リッド11が開かれた際に、リッド11と左右のリンク機構33とに囲まれた空間一杯に拡がって上方に開口する収納袋47が設けられている。この収納袋47は、帆布やビニールシートのような可撓性材料で形成されており、リッド11が閉じられるとリンク機構33と共に前部カバー4内に折り畳まれる。この収納袋47の左右の上辺には、図8にも示すように折り返し部48が設けられており、この折り返し部48がリンク機構33を覆っている。この折り返し部48の合わせしろは、面ファスナ49やスナップボタンのような接合手段を用いて着脱可能に接合される。なお、図8では折り返し部48がリンク機構33の外側に折り返されるように構成されているが、折り返し部48がリンク機構33の内側に折り返されるように構成してもよい。
【0023】
以上のように構成された物入れ装置12を使用する場合には、リッド11を開位置Bに回動させれば、リッド11と左右のリンク機構33とがバスケット状に開き、このバスケット内で収納袋47が開くので、収納袋47内に荷物を収納でき、細かい物品も落下させることなく運搬することができる。この時、左右のリンク機構33が保持手段であるスプリング45によって伸長状態に保持されるので、例えばリッド11に手や荷物が強く当たっても、リンク機構33が折曲してバスケットが意に反して縮まることがなく、使い勝手が非常に良い。
【0024】
しかも、収納袋47の上辺に設けられた折り返し部48によってリンク機構33が覆われているので、リンク機構33が外部に露出せず外観が良い上に、リンク機構33が荷物を傷付ける恐れもない。
【0025】
物入れ装置12を使用しない場合には、リンク機構33を下方に折り曲げてリッド11を閉位置Aに回動させれば、リンク機構33と収納袋47とが前部カバー4内に折畳まれて外部に露出しなくなるのでスクータ型車両1の外観が良好に保たれる。この時、左右のリンク機構33はスプリング45によって折曲状態に保持されるので、スクータ型車両1の走行振動にリンク機構33が共振して異音が発生するという懸念がない。
【0026】
しかも、左右のリンク機構33の車体側リンク37同士が連結部材41で連結されて回動一体に保たれているため、リンク機構33を下方に折り曲げてリッド11を開位置Bから閉位置Aに回動させる際に、手で押し下げるのはリンク機構33の片側のみでよく、これによってバスケットをワンタッチで折り畳むことができる。
【0027】
なお、このスクータ型車両1のヘッドランプアッセンブリ8は物入れ装置12の下方に配置されているので、物入れ装置12に荷物を満載してもヘッドランプアッセンブリ8の光が荷物に遮られることがなく、安全である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る小型車両の物入れ装置は、車体の前頭部を覆う前部カバーに設けられて前方に開口する開口部と、上記開口部を閉塞するリッドと、上記リッドの下縁部に設けられてリッドを前方へ開放可能に支持するヒンジ機構と、上記開口部内の上部両サイドから延びて上記リッド裏側の上部両サイドに連結され、その中間部が下方に折れ曲がるように構成されてリッドが開位置にある時に伸長し、リッドが閉位置にある時には折曲する、リッド側リンクと車体側リンクから成る左右一対のリンク機構と、開位置に置かれた上記リッドおよび上記左右のリンク機構に囲まれた空間に設置されて上方に開口する可撓性材料からなる収納袋と、リッドの開位置では上記リンク機構を伸長状態にばね付勢して保持し、リッドの閉位置では上記リンク機構を折曲状態にばね付勢して保持する左右一対のスプリングとを備えたことを特徴とするものである。
【0029】
このように構成すれば、上記左右一対のスプリングによってリッドの開位置でリンク機構が伸長状態にばね付勢して保持されるので、例えばリッドに手や荷物が強く当たっても、リンク機構が折曲してバスケットが意に反して縮まることがなく、使い勝手が非常に良い。しかも、リッドの閉位置ではリンク機構が折曲状態にばね付勢して保持されるので、走行振動にリンク機構が共振して異音が発生するという懸念がない。
【0030】
また、本発明に係る小型車両の物入れ装置は、前記左右一対のリンク機構を構成する車体側リンクの基端部に、前記スプリングと、左右のリンク間を車幅方向に延びて回動一体に保つ連結部材を設けたので、リンク機構を下方に折り曲げてリッドを開位置から閉位置に回動させる際に、手で押し下げるのは片側のリンク機構のみでよく、これによってバスケットをワンタッチで折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小型車両としてのスクータ型車両の前半部分を示す左側面図。
【図2】本発明の一実施形態を示すもので、リッドが開位置に置かれた状態にある物入れ装置の左側面図。
【図3】リッドが閉位置に置かれた状態にある物入れ装置の左側面図。
【図4】補強枠体とヒンジブラケットとヒンジ機構を示す展開図。
【図5】リンク機構が伸長状態にある時の車体側リンクブラケットおよび保持手段付近の左側面図。
【図6】リンク機構が折曲状態にある時の車体側リンクブラケットおよび保持手段付近の左側面図。
【図7】図5のVII 矢視による車体側リンクブラケットおよび保持手段付近の平面図。
【図8】図2のVIII−VIII 線に沿う縦断面図。
【符号の説明】
1 小型車両としてのスクータ型車両
4 前部カバー
10 開口部
11 リッド
12 物入れ装置
23 ヒンジ機構
33 リンク機構
35 リッド側リンク
37 車体側リンク
41 連結部材
45 保持手段としてのスプリング
47 収納袋
48 折り返し部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体の前頭部を覆う前部カバー内に折り畳み可能なバスケット状に設けられた小型車両の物入れ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スクータ型車両のような小型車両には、車体の前頭部にバスケットを設けて荷物を積載できるようにした車種が多い。ところがこのようなバスケットは荷物を積載しない時には不要であり、バスケットによって車両の外観が大きく損なわれてしまう欠点がある。
【0003】
そこで、車体の前頭部を覆う前部カバーに開閉可能なリッドを設け、このリッドを開いた時にリッドの内側から折り畳み式のリンク機構が現れてバスケットが構成されるようにした折り畳み式のバスケットが提案されている(例えば特開平7−125664号公報に記載されている折畳収納バスケット)。このような折り畳み式バスケットはリンク機構の外側を可撓性のシートで覆っているので、小さな物品でも落下させることなく収納することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような折り畳み式のバスケットは、バスケットを構成する折り畳み式のリンク機構を使用状態または収納状態に位置決めする手段が設けられていないため、例えば荷物を収納しようとリンク機構を引きだしてバスケットをセットしても、手や荷物が当たるとリンク機構が収縮してバスケットが縮まる傾向があり、使い勝手が悪い。また、リンク機構を折り畳んで前部カバー内に収納し、リッドを閉じて走行に移った時、走行振動にリンク機構が共振して異音を発生させる懸念がある。
【0005】
しかも、左右のリンク機構がそれぞれ独立的に回動するので、バスケットを折り畳む際には両手で左右のリンク機構を折り畳まなければならず、操作性が悪かった。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、使用状態にセットしたバスケットが意に反して縮まることを防止して使い勝手を良くするとともに、バスケットを折り畳んで走行する時にリンク機構が走行振動に共振して異音を発生することを防止することのできる小型車両の物入れ装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明のもう一つの目的は、バスケットをワンタッチで折り畳み可能にすることと、バスケットを使用状態にセットした際にリンク機構が露出するのを防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る小型車両の物入れ装置は、請求項1に記載したように、車体の前頭部を覆う前部カバーに設けられて前方に開口する開口部と、上記開口部を閉塞するリッドと、上記リッドの下縁部に設けられてリッドを前方へ開放可能に支持するヒンジ機構と、上記開口部内の上部両サイドから延びて上記リッド裏側の上部両サイドに連結され、その中間部が下方に折れ曲がるように構成されてリッドが開位置にある時に伸長し、リッドが閉位置にある時には折曲する、リッド側リンクと車体側リンクから成る左右一対のリンク機構と、開位置に置かれた上記リッドおよび上記左右のリンク機構に囲まれた空間に設置されて上方に開口する可撓性材料からなる収納袋と、リッドの開位置では上記リンク機構を伸長状態にばね付勢して保持し、リッドの閉位置では上記リンク機構を折曲状態にばね付勢して保持する左右一対のスプリングとを備えて構成されている。
【0010】
また、本発明に係る小型車両の物入れ装置は、請求項2に記載したように、前記車体側リンクの基端部に、前記スプリングと、左右のリンク間を車幅方向に延びて回動一体に保つ連結部材を取付けるとともに、この連結部材を前記基端部に固定される両端部以外は同リンクのリンクブラケットに近付くようにクランク状に折曲して形成した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る小型車両としてのスクータ型車両の前半部分を示す左側面図である。このスクータ型車両1は、図示しない車体フレームの前頭部と前輪2を支持するフロントフォーク3が合成樹脂性の前部カバー4に覆われており、この前部カバー4の後部には下方に低く湾入して乗員の足を載せるステップフロア5が形成されている。また、フロントフォーク3の上端に固定されるハンドルバー6はハンドルカバ−7に覆われている。
【0013】
前部カバー4の前頭部にはヘッドランプアッセンブリ8が設置されており、その上方には前方に開口する開口部10が形成され、さらにこの開口部10を閉塞するリッド11が設けられている。このリッド11は、閉じられた状態の閉位置Aから前方に開いた状態の開位置Bに回動することができ、このリッド11の部分に物入れ装置12が設けられる。この物入れ装置12は次のように構成されている。
【0014】
まず、図2および図3に示すように、リッド11の裏側には補強枠体13が固定されている。この補強枠体13は、図4にも示すように、パイプ材で形成された略U字形の枠本体14の上部に、同じくパイプ材で形成された補強ブリッジ15が架設されたものである。枠本体14の左右両辺と、補強ブリッジ15の中間部と、枠本体14の下部に固着されたヒンジプレート16とには、合計6か所の締結座17が設けられていて、これらの締結座17がリッド11の裏側に成型された締結ボス18にビス19で締め付けられる。なお、枠本体14の上部両サイドには左右一対のリッド側リンクブラケット21がビス22で固定されている。
【0015】
また、リッド11裏側の下縁部には、リッド11を前方へ開放可能に支持するヒンジ機構23が設けられている。このヒンジ機構23は、開口部10内の底板24の裏側に4本のビス25で固定される略コの字形のヒンジブラケット26の先端に、前記ヒンジプレート16がヒンジ軸27を介して回動自在に軸着された構成である。
【0016】
一方、開口部10内の上部両サイドには左右一対の車体側リンクブラケット30がボルト31で固定されている。図5および図6にも示すように、この車体側リンクブラケット30には、上方に延びるスプリング掛止アーム32が設けられている。
【0017】
そして、上記車体側リンクブラケット30から延びて前記リッド側リンクブラケット21に連結される左右一対のリンク機構33が設けられている。このリンク機構33は、リッド側リンクブラケット21にリンク軸34で回動自在に連結されるリッド側リンク35と、車体側リンクブラケット30にリンク軸36(図5,6参照)で回動自在に連結される車体側リンク37とを備えたもので、リッド側リンク35と車体側リンク37との間はリンク軸38で回動自在に連結され、これによりリンク機構33の中間部が下方に折れ曲がるようになっている。
【0018】
このリンク機構33は、図2に示すようにリッド11が開位置Bにある時に伸長し、図3に示すようにリッド11が閉位置Aにある時には下方に折曲する。なお、折曲したリンク機構33はリッド11にほぼ平行する形で前部カバー4内に収納される。
【0019】
図7にも示すように、左右の車体側リンク37の基端部は、車幅方向に延びる軸状の連結部材41で連結されており、これによって左右の車体側リンク37が回動一体に保たれている。この連結部材41はクランク状に折曲されており、車体側リンク37に固定される両端部以外が車体側リンクブラケット30に近付くように造型されている。
【0020】
ところで、車体側リンク37の基部には側方に延びる突片42が形成されており、この突片42の後端付近にはスプリング掛止孔43が穿設されている。そして、このスプリング掛止孔43と、車体側リンクブラケット30のスプリング掛止アーム32先端に穿設されたスプリング掛止孔44との間にスプリング45が掛止されている。このスプリング45は左右一対で設けられる。
【0021】
図5および図6に示すように、2つのスプリング掛止孔43,44 の位置関係は、スプリング45の中心線Cがリンク機構33の伸長時(図5の状態)において車体側リンクブラケット30のリンク軸36よりも上方に位置し、リンク機構33の折曲時 (図6の状態)においてはリンク軸36よりも下方に位置するように、またスプリング45の長さLがリンク機構33の伸長時と折曲時において縮み、その途中では延びるように定められている。このため、スプリング45はリッド11の開位置Bにおいてリンク機構33を伸長状態に保持し、リッド11の閉位置Aにおいてリンク機構33を折曲状態に保持する保持手段として機能する。
【0022】
さらに、リッド11が開かれた際に、リッド11と左右のリンク機構33とに囲まれた空間一杯に拡がって上方に開口する収納袋47が設けられている。この収納袋47は、帆布やビニールシートのような可撓性材料で形成されており、リッド11が閉じられるとリンク機構33と共に前部カバー4内に折り畳まれる。この収納袋47の左右の上辺には、図8にも示すように折り返し部48が設けられており、この折り返し部48がリンク機構33を覆っている。この折り返し部48の合わせしろは、面ファスナ49やスナップボタンのような接合手段を用いて着脱可能に接合される。なお、図8では折り返し部48がリンク機構33の外側に折り返されるように構成されているが、折り返し部48がリンク機構33の内側に折り返されるように構成してもよい。
【0023】
以上のように構成された物入れ装置12を使用する場合には、リッド11を開位置Bに回動させれば、リッド11と左右のリンク機構33とがバスケット状に開き、このバスケット内で収納袋47が開くので、収納袋47内に荷物を収納でき、細かい物品も落下させることなく運搬することができる。この時、左右のリンク機構33が保持手段であるスプリング45によって伸長状態に保持されるので、例えばリッド11に手や荷物が強く当たっても、リンク機構33が折曲してバスケットが意に反して縮まることがなく、使い勝手が非常に良い。
【0024】
しかも、収納袋47の上辺に設けられた折り返し部48によってリンク機構33が覆われているので、リンク機構33が外部に露出せず外観が良い上に、リンク機構33が荷物を傷付ける恐れもない。
【0025】
物入れ装置12を使用しない場合には、リンク機構33を下方に折り曲げてリッド11を閉位置Aに回動させれば、リンク機構33と収納袋47とが前部カバー4内に折畳まれて外部に露出しなくなるのでスクータ型車両1の外観が良好に保たれる。この時、左右のリンク機構33はスプリング45によって折曲状態に保持されるので、スクータ型車両1の走行振動にリンク機構33が共振して異音が発生するという懸念がない。
【0026】
しかも、左右のリンク機構33の車体側リンク37同士が連結部材41で連結されて回動一体に保たれているため、リンク機構33を下方に折り曲げてリッド11を開位置Bから閉位置Aに回動させる際に、手で押し下げるのはリンク機構33の片側のみでよく、これによってバスケットをワンタッチで折り畳むことができる。
【0027】
なお、このスクータ型車両1のヘッドランプアッセンブリ8は物入れ装置12の下方に配置されているので、物入れ装置12に荷物を満載してもヘッドランプアッセンブリ8の光が荷物に遮られることがなく、安全である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る小型車両の物入れ装置は、車体の前頭部を覆う前部カバーに設けられて前方に開口する開口部と、上記開口部を閉塞するリッドと、上記リッドの下縁部に設けられてリッドを前方へ開放可能に支持するヒンジ機構と、上記開口部内の上部両サイドから延びて上記リッド裏側の上部両サイドに連結され、その中間部が下方に折れ曲がるように構成されてリッドが開位置にある時に伸長し、リッドが閉位置にある時には折曲する、リッド側リンクと車体側リンクから成る左右一対のリンク機構と、開位置に置かれた上記リッドおよび上記左右のリンク機構に囲まれた空間に設置されて上方に開口する可撓性材料からなる収納袋と、リッドの開位置では上記リンク機構を伸長状態にばね付勢して保持し、リッドの閉位置では上記リンク機構を折曲状態にばね付勢して保持する左右一対のスプリングとを備えたことを特徴とするものである。
【0029】
このように構成すれば、上記左右一対のスプリングによってリッドの開位置でリンク機構が伸長状態にばね付勢して保持されるので、例えばリッドに手や荷物が強く当たっても、リンク機構が折曲してバスケットが意に反して縮まることがなく、使い勝手が非常に良い。しかも、リッドの閉位置ではリンク機構が折曲状態にばね付勢して保持されるので、走行振動にリンク機構が共振して異音が発生するという懸念がない。
【0030】
また、本発明に係る小型車両の物入れ装置は、前記左右一対のリンク機構を構成する車体側リンクの基端部に、前記スプリングと、左右のリンク間を車幅方向に延びて回動一体に保つ連結部材を設けたので、リンク機構を下方に折り曲げてリッドを開位置から閉位置に回動させる際に、手で押し下げるのは片側のリンク機構のみでよく、これによってバスケットをワンタッチで折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小型車両としてのスクータ型車両の前半部分を示す左側面図。
【図2】本発明の一実施形態を示すもので、リッドが開位置に置かれた状態にある物入れ装置の左側面図。
【図3】リッドが閉位置に置かれた状態にある物入れ装置の左側面図。
【図4】補強枠体とヒンジブラケットとヒンジ機構を示す展開図。
【図5】リンク機構が伸長状態にある時の車体側リンクブラケットおよび保持手段付近の左側面図。
【図6】リンク機構が折曲状態にある時の車体側リンクブラケットおよび保持手段付近の左側面図。
【図7】図5のVII 矢視による車体側リンクブラケットおよび保持手段付近の平面図。
【図8】図2のVIII−VIII 線に沿う縦断面図。
【符号の説明】
1 小型車両としてのスクータ型車両
4 前部カバー
10 開口部
11 リッド
12 物入れ装置
23 ヒンジ機構
33 リンク機構
35 リッド側リンク
37 車体側リンク
41 連結部材
45 保持手段としてのスプリング
47 収納袋
48 折り返し部
Claims (2)
- 車体の前頭部を覆う前部カバーに設けられて前方に開口する開口部と、上記開口部を閉塞するリッドと、上記リッドの下縁部に設けられてリッドを前方へ開放可能に支持するヒンジ機構と、上記開口部内の上部両サイドから延びて上記リッド裏側の上部両サイドに連結され、その中間部が下方に折れ曲がるように構成されてリッドが開位置にある時に伸長し、リッドが閉位置にある時には折曲する、リッド側リンクと車体側リンクから成る左右一対のリンク機構と、開位置に置かれた上記リッドおよび上記左右のリンク機構に囲まれた空間に設置されて上方に開口する可撓性材料からなる収納袋と、リッドの開位置では上記リンク機構を伸長状態にばね付勢して保持し、リッドの閉位置では上記リンク機構を折曲状態にばね付勢して保持する左右一対のスプリングとを備えたことを特徴とする小型車両の物入れ装置。
- 前記車体側リンクの基端部に、前記スプリングと、左右のリンク間を車幅方向に延びて回動一体に保つ連結部材を取付けるとともに、この連結部材を前記基端部に固定される両端部以外は同リンクのリンクブラケットに近付くようにクランク状に折曲して形成したことを特徴とする請求項1に記載の小型車両の物入れ装置。
Priority Applications (1)
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JP26587195A JP3556352B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 小型車両の物入れ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26587195A JP3556352B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 小型車両の物入れ装置 |
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JPH09104378A JPH09104378A (ja) | 1997-04-22 |
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ID=17423257
Family Applications (1)
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JP26587195A Expired - Fee Related JP3556352B2 (ja) | 1995-10-13 | 1995-10-13 | 小型車両の物入れ装置 |
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-
1995
- 1995-10-13 JP JP26587195A patent/JP3556352B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH09104378A (ja) | 1997-04-22 |
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