JP3556308B2 - 接ぎ木苗用種子の播種方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、台木苗に対して穂木苗を接ぎ木することによって、接ぎ木苗とする場合において、前記台木苗及び穂木苗のうちいずれか一方又は両方の種子を、ポットに対して播種する方法、及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
最近、野菜の栽培に際しては、接ぎ木苗を使用することが行われており、この接ぎ木苗に使用する台木苗及び穂木苗は、いずれも合成樹脂製のポット容器とか、或いは、合成樹脂製トレイに多数個凹み形成したポット内において成育される。
【0003】
また、前記の接ぎ木に際して、従来は、例えば、特開平2ー107125号公報等に記載されているように、ポット容器又はトレイの各ポット内で成育した穂木苗の子葉を、その茎部をクランプ手段にてクランプした状態で切断して摘み取る一方、同じくポット容器又はトレイの各ポット内で成育した台木苗の子葉を、その茎部をクランプ手段にてクランプした状態で切断することで切り捨て、この台木苗における茎部の先端に、前記穂木苗における子葉を接合したのち、この接合部をクリップ等にて固定すると言う方法が採用されている。
【0004】
つまり、接ぎ木は、前記したように、穂木苗における茎部及び台木苗における茎部を、クランプ手段にてクランプしたのち切断することによって行うものであるから、このクランプ及び切断に際して、そのクランプ及び切断が確実にできるようにすると共に、茎部を傷めることがないようにするためには、穂木苗及び台木苗を、ポット容器又はトレイのポット内で成育するに際しては、これら各苗における茎部が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略一定の位置(好ましくは、ポット容器又はポットの略中心の位置)から立ち上がり、且つ、これら各苗における子葉が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略同じ向きになるようにしなければならないのである。
【0005】
更に、穂木苗及び台木苗における茎部が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略一定の位置から立ち上がり、且つ、これら各苗における子葉が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略同じ方向を向くようにして成育するためには、これら各苗用の種子を、これらの対する成育用のポット容器又はトレイのポット内に予め充填されている養土に対して播種するに際して、当該種子における発芽部が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略一定の部位に位置すると共に、種子の長手方向が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について同じ方向を向くようにして播種しなければならないのである。
【0006】
これに対し、従来は、種子を前記のようにして播種することを、作業者の手作業によって行うようにしているから、その作業能率はきわめて低く、コストの大幅なアップを招来するばかりか、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について茎部の立ち上がり位置及び子葉の方向に、作業者の個人差にて大きなバラツキができることにより、苗を傷める頻度が高いと言う問題があった。
【0007】
本発明は、穂木苗用の種子又は台木苗用の種子を、ポット容器又はトレイのポット内に、その発芽部が略一定の部位に位置し且つ略同じ方向を向くようにして播種することを、人手によることなく、自動的に行うことができるようにした播種方法を提供することを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明の方法は、
「穂木苗用の種子又は台木苗用の種子における発芽部を検出し、次いで、この検出結果に基づいて自軸回りに回転することで種子の向きを任意に変更する手段により、前記種子をその発芽部が略同じ向きになるように揃えたのち、前記種子を、ポット容器内に予め充填した養土の表面又はトレイに凹み形成の各ポット内に予め充填した養土の表面に、当該種子における発芽部が多数個のポット容器又はトレイの各ポットについて略同じ部位に位置するように供給することを特徴とする。」
ものである。
【0009】
また、本発明の装置は、
「穂木苗用の種子又は台木苗用の種子における発芽部を検出する手段と、前記種子をその発芽部が略同じ向きになるように揃えるために、前記検出する手段の検出結果に基づいて自軸回りに回転することで前記種子の向きを任意に変更する手段と、前記種子を、ポット容器内に予め充填した養土の表面又はトレイに凹み形成の各ポット内に予め充填した養土の表面に、当該種子における発芽部が多数個のポット容器又はトレイの各ポットについて略同じ部位に位置するように供給する手段とを備える。」
と言う構成にした。
【0010】
【発明の作用・効果】
このようにすることにより、穂木苗用の種子又は台木苗用の種子を、ポット容器又はトレイの各ポット内における養土に対して、当該種子における発芽部の向きを略同じに揃え、且つ、当該種子における発芽部を略同じ部位に位置するようにして播種することを自動的に行うことができるから、接ぎ木苗の製造に先立って種子を播種することの作業能率を著しく向上できて、大幅なコストの低減を達成できるのである。
【0011】
しかも、種子における発芽部の位置及び方向を決めての播種を、前記したように、自動的に行うことにより、茎部の立ち上がり位置及び子葉の方向に、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について、従来のように作業者の個人差による大きいバラツキが発生することを確実に防止できるから、苗の接ぎ木に際して、苗を損傷することを大幅に低減できる効果を有する。
【0012】
特に、前記種子をその発芽部が略同じ向きになるように揃えるために、前記検出する手 段の検出結果に基づいて自軸回りに回転することで前記種子の向きを任意に変更する手段を用いると、種子を、ポット容器又はトレイの各ポットに供給する場合に、当該種子の方向を任意に変更することにより、台木苗と、穂木苗とを、その子葉の方向を略90度ずらせるようにして成育したりすることが任意にできる利点がある。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図面について説明する。
【0014】
図1〜図4は、カボチャ又は西瓜等の瓜科の種子を、合成樹脂製のトレイにおける各ポットに対して播種することに適用した場合の第1の実施例を示す。
【0015】
この図において、符号Aは、ベルトコンベヤ等の搬送ライン1の上面に載置した合成樹脂板製のトレイを示し、このトレイAには、苗を育成するためのポットA1の多数個がマトリックス状に凹み形成され、且つ、このトレイAは、前記搬送ライン1にて、矢印の方向に、各ポットA1のピッチ間隔Pごとに間欠的に搬送され、更に、このトレイAにおける各ポットA1内には、適宜量の養土Bが予め充填されている。
【0016】
また、前記搬送ライン1の上方に配設した種子搬送板2の上面には、種子搬送板2の上面に、種子Cを図示しないパーツフィーダにて適宜供給するようにした凹所3が設けられていると共に、この凹所3に連通する細幅溝4が、前記トレイAにおけるその搬送方向に沿った各ポットA1の列ごとに設けられ、更に、この種子搬送板2は、当該種子搬送板2に振動を付与するとか、或いは、当該種子搬送板2を傾斜することにより、その凹所3内に供給した種子Cを、前記各細幅溝4に沿って一列状に移送するように構成されている。
【0017】
そして、前記種子搬送板2における各細幅溝4の上方には、当該細幅溝4内を一列状に移送される各種子Cの発芽部C1を検出するための発芽部センサー5を各々配設する。
【0018】
ところで、カボチャ又は西瓜等のような瓜科の種子Cは、一般的に良く知られ、且つ、図5及び図6に示すように、側面視において偏平状で、平面視において一端における発芽部C1が尖り、この発芽部C1と反対側の他端が略半円形であると言うように涙状の形状になっているから、前記発芽部センサー5は、この種子Cにおける平面の形状をカメラ等の撮影手段にて撮影し、この撮影画像を、二値化する画像処理を行うことにより、前記細幅溝4内を一列状に移送される各種子Cの発芽部C1が、その移送方向に対して前向きになっているか、後ろ向きになっているかを検出する。
【0019】
そして、前記各細幅溝4内に一列状に移送される各種子このうち、発芽部C1が後ろ向きになっている逆向きの種子Cを、前記発芽部センサー5の前方に配設した真空吸着式の各第1コレット6にて、各細幅溝4内から除くことにより、当該第1コレット6より前方には、発芽部C1が前向きになった種子Cのみを、前記第1コレット6の箇所から前方に送り出すようにする。
【0020】
なお、各細幅溝4内における逆向きの種子Cを細幅溝4内から除くことは、空気の吹き出しとか、細幅溝4の内底面に設けたゲートの開閉によって行うようにしても良い。
【0021】
次いで、前記細幅溝4内に沿って前記各第1コレット6より前方に送り出された前向きの種子Cを、前記各細幅溝4の先端部と、前記トレイAにおける各ポットA1との間を横方向に往復動したのちその往復動両端で上下動するように構成した真空吸着式の各第2コレット7により、各細幅溝4内から前記各ポットA1内における養土Bの表面に、当該種子Cにおける発芽部C1が、前記ポットA1内における略中心に位置するように移行・供給するのである。
【0022】
なお、この種子Cの細幅溝4内からポットA1内への移行は、細幅溝4の先端部とポットA1内との間に装架したガイド溝に沿って滑らせることによって行うように構成しても良い。
【0023】
前記した構成により、種子搬送板2における凹所3内にパーツフィーダにて供給された種子Cを、その発芽部C1を検出して、この発芽部C1が略同じ向きになるように揃えたのち、トレイAにおける各ポットA1内に予め充填した養土Bの表面に、当該種子Cにおける発芽部C1が各ポットA1における略中心の部位等、各ポットA1について略同じ部位に位置するように供給することができるのである。
【0024】
なお、カボチャ又は西瓜等のような瓜科の種子Cは、前記したように、平面視において一端における発芽部C1が尖り形状で、この発芽部C1と反対側の他4が略半円形の形状であると言うように涙状の形状になっているものであるから、前記発芽部センサー5としては、前記したように、カメラにて撮影した画像を画像処理することで発芽部C1を検出するように構成したものに限らず、図7に示すように、種子Cにおける一端の発芽部C1から長さ方向に沿って寸法Lの位置における幅寸法W1と、他端から長さ方向に沿って同じ寸法Lの位置における幅寸法W2とを、レーザ光線を利用した側長センサー等にて測定し、前記幅寸法W1と幅寸法W2とを比較することによって、発芽部C1を検出するように構成したものにしても良い。また、前記発芽部センサー5としては、図8に示すように、種子Cの平面のうちD1,D2,D3の三箇所に対して、光電センサー等からの光を照射し、前記D1,D2,D3の三箇所における光の透過・不透過、又は種子Cからの光の反射・不反射等によって、発芽部C1を検出するように構成したものにしても良い。
【0025】
また、前記細幅溝3内における種子Cを、第2コレット7にて吸着して持ち上げた状態で、前記第2コレット7をその軸線の回りに適宜角度だけ回転することにより、前記種子Cの向きを任意に変更することができるのである。
【0026】
次に、図9は、第2の実施例を示す。
【0027】
この第2の実施例は、予め養土B′を充堤した多数個のポット容器A′を、搬送ライン1にて一列状に並べて適宜ピッチP′の間隔で間欠的に搬送し、この各ポット容器A′内に対して、図示しないパーツフィーダより種子搬送ガイドレール2′に沿って一列状に並べて送られて来る種子Cを、真空吸着式のコレット7′にて一個ずつ供給するものである。
【0028】
前記コレット7′は、前記ガイドレール2′における種子Cを真空吸着して持ち上げた時点で、その移動が一旦停止し、この状態で、当該コレット7′にて真空吸着した種子Cにおける発芽部C1を、その下方に配設した発芽部センサー5′にて検出する(なお、この発芽部センサー5′は、前記第1の実施例と同様に、カメラにて撮影した画像を画像処理するものとか、幅寸法W1と幅寸法W2とを比較するものとか、D1,D2,D3の三箇所に光を照射するものにしても良い)。
【0029】
次いで、前記コレット7′は、前記発芽部センサー5′による発芽部C1の検出に基づいて、その軸線6a′の回りに、前記発芽部C1が同じ方向を向くように回転したのち、種子Cを、各ポット容器A′内における養土B′の表面に、当該種子Cにおける発芽部C1が、前記ポット容器A′内における略中心に位置するように供給するのである。
【0030】
この第2の実施例の構成によっても、種子Cを、その発芽部C1を検出して、この発芽部C1が略同じ向きになるように揃えたのち、各ポット容器A′内に予め充填した養土B′の表面に、当該種子Cにおける発芽部C1が各ポット容器A′における略中心の部位等、各ポット容器A′について略同じ部位に位置するように供給することができるのである。
【0031】
なお、この第2の実施例は、前記トレイAにおける各ポットA1内に種子Cを一個ずつ供給する場合にも適用できることは言うまでもない。
【0032】
以上、要するに、前記各実施例によると、種子Cを、ポット容器A′又はトレイAの各ポットA1内における養土に対して、当該種子Cにおける発芽部C1の向きを略同じに揃え、且つ、当該種子Cにおける発芽部C1を略同じ部位に位置するようにして播種することを自動的に行うことができるから、接ぎ木苗の成育に先立って種子を播種することの作業能率を著しく向上できるのであり、しかも、成育した苗における茎部の立ち上がり位置及び子葉の方向を、略同じにして、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々についてバラツキを小さくすることができるから、苗の接ぎ木に際して、苗を損傷することを大幅に低減できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II視断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】瓜科種子の側面図である。
【図6】瓜科種子の平面図である。
【図7】種子の発芽部を検出する方法を示す図である。
【図8】種子の発芽部を検出する別の方法を示す図である。
【図9】本発明における第1の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
A トレイ
A1 ポット
A′ ポット容器
B,B′ 養土
C 種子
C1 種子の発芽部
1,1′ 搬送ライン
2 種子搬送板
2′ ガイドレール
3 凹所
4 細幅溝
5,5′ 発芽部センサー
6,7,7′ 真空吸着式コレット
【産業上の利用分野】
本発明は、台木苗に対して穂木苗を接ぎ木することによって、接ぎ木苗とする場合において、前記台木苗及び穂木苗のうちいずれか一方又は両方の種子を、ポットに対して播種する方法、及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
最近、野菜の栽培に際しては、接ぎ木苗を使用することが行われており、この接ぎ木苗に使用する台木苗及び穂木苗は、いずれも合成樹脂製のポット容器とか、或いは、合成樹脂製トレイに多数個凹み形成したポット内において成育される。
【0003】
また、前記の接ぎ木に際して、従来は、例えば、特開平2ー107125号公報等に記載されているように、ポット容器又はトレイの各ポット内で成育した穂木苗の子葉を、その茎部をクランプ手段にてクランプした状態で切断して摘み取る一方、同じくポット容器又はトレイの各ポット内で成育した台木苗の子葉を、その茎部をクランプ手段にてクランプした状態で切断することで切り捨て、この台木苗における茎部の先端に、前記穂木苗における子葉を接合したのち、この接合部をクリップ等にて固定すると言う方法が採用されている。
【0004】
つまり、接ぎ木は、前記したように、穂木苗における茎部及び台木苗における茎部を、クランプ手段にてクランプしたのち切断することによって行うものであるから、このクランプ及び切断に際して、そのクランプ及び切断が確実にできるようにすると共に、茎部を傷めることがないようにするためには、穂木苗及び台木苗を、ポット容器又はトレイのポット内で成育するに際しては、これら各苗における茎部が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略一定の位置(好ましくは、ポット容器又はポットの略中心の位置)から立ち上がり、且つ、これら各苗における子葉が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略同じ向きになるようにしなければならないのである。
【0005】
更に、穂木苗及び台木苗における茎部が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略一定の位置から立ち上がり、且つ、これら各苗における子葉が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略同じ方向を向くようにして成育するためには、これら各苗用の種子を、これらの対する成育用のポット容器又はトレイのポット内に予め充填されている養土に対して播種するに際して、当該種子における発芽部が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について略一定の部位に位置すると共に、種子の長手方向が、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について同じ方向を向くようにして播種しなければならないのである。
【0006】
これに対し、従来は、種子を前記のようにして播種することを、作業者の手作業によって行うようにしているから、その作業能率はきわめて低く、コストの大幅なアップを招来するばかりか、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について茎部の立ち上がり位置及び子葉の方向に、作業者の個人差にて大きなバラツキができることにより、苗を傷める頻度が高いと言う問題があった。
【0007】
本発明は、穂木苗用の種子又は台木苗用の種子を、ポット容器又はトレイのポット内に、その発芽部が略一定の部位に位置し且つ略同じ方向を向くようにして播種することを、人手によることなく、自動的に行うことができるようにした播種方法を提供することを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明の方法は、
「穂木苗用の種子又は台木苗用の種子における発芽部を検出し、次いで、この検出結果に基づいて自軸回りに回転することで種子の向きを任意に変更する手段により、前記種子をその発芽部が略同じ向きになるように揃えたのち、前記種子を、ポット容器内に予め充填した養土の表面又はトレイに凹み形成の各ポット内に予め充填した養土の表面に、当該種子における発芽部が多数個のポット容器又はトレイの各ポットについて略同じ部位に位置するように供給することを特徴とする。」
ものである。
【0009】
また、本発明の装置は、
「穂木苗用の種子又は台木苗用の種子における発芽部を検出する手段と、前記種子をその発芽部が略同じ向きになるように揃えるために、前記検出する手段の検出結果に基づいて自軸回りに回転することで前記種子の向きを任意に変更する手段と、前記種子を、ポット容器内に予め充填した養土の表面又はトレイに凹み形成の各ポット内に予め充填した養土の表面に、当該種子における発芽部が多数個のポット容器又はトレイの各ポットについて略同じ部位に位置するように供給する手段とを備える。」
と言う構成にした。
【0010】
【発明の作用・効果】
このようにすることにより、穂木苗用の種子又は台木苗用の種子を、ポット容器又はトレイの各ポット内における養土に対して、当該種子における発芽部の向きを略同じに揃え、且つ、当該種子における発芽部を略同じ部位に位置するようにして播種することを自動的に行うことができるから、接ぎ木苗の製造に先立って種子を播種することの作業能率を著しく向上できて、大幅なコストの低減を達成できるのである。
【0011】
しかも、種子における発芽部の位置及び方向を決めての播種を、前記したように、自動的に行うことにより、茎部の立ち上がり位置及び子葉の方向に、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々について、従来のように作業者の個人差による大きいバラツキが発生することを確実に防止できるから、苗の接ぎ木に際して、苗を損傷することを大幅に低減できる効果を有する。
【0012】
特に、前記種子をその発芽部が略同じ向きになるように揃えるために、前記検出する手 段の検出結果に基づいて自軸回りに回転することで前記種子の向きを任意に変更する手段を用いると、種子を、ポット容器又はトレイの各ポットに供給する場合に、当該種子の方向を任意に変更することにより、台木苗と、穂木苗とを、その子葉の方向を略90度ずらせるようにして成育したりすることが任意にできる利点がある。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を、図面について説明する。
【0014】
図1〜図4は、カボチャ又は西瓜等の瓜科の種子を、合成樹脂製のトレイにおける各ポットに対して播種することに適用した場合の第1の実施例を示す。
【0015】
この図において、符号Aは、ベルトコンベヤ等の搬送ライン1の上面に載置した合成樹脂板製のトレイを示し、このトレイAには、苗を育成するためのポットA1の多数個がマトリックス状に凹み形成され、且つ、このトレイAは、前記搬送ライン1にて、矢印の方向に、各ポットA1のピッチ間隔Pごとに間欠的に搬送され、更に、このトレイAにおける各ポットA1内には、適宜量の養土Bが予め充填されている。
【0016】
また、前記搬送ライン1の上方に配設した種子搬送板2の上面には、種子搬送板2の上面に、種子Cを図示しないパーツフィーダにて適宜供給するようにした凹所3が設けられていると共に、この凹所3に連通する細幅溝4が、前記トレイAにおけるその搬送方向に沿った各ポットA1の列ごとに設けられ、更に、この種子搬送板2は、当該種子搬送板2に振動を付与するとか、或いは、当該種子搬送板2を傾斜することにより、その凹所3内に供給した種子Cを、前記各細幅溝4に沿って一列状に移送するように構成されている。
【0017】
そして、前記種子搬送板2における各細幅溝4の上方には、当該細幅溝4内を一列状に移送される各種子Cの発芽部C1を検出するための発芽部センサー5を各々配設する。
【0018】
ところで、カボチャ又は西瓜等のような瓜科の種子Cは、一般的に良く知られ、且つ、図5及び図6に示すように、側面視において偏平状で、平面視において一端における発芽部C1が尖り、この発芽部C1と反対側の他端が略半円形であると言うように涙状の形状になっているから、前記発芽部センサー5は、この種子Cにおける平面の形状をカメラ等の撮影手段にて撮影し、この撮影画像を、二値化する画像処理を行うことにより、前記細幅溝4内を一列状に移送される各種子Cの発芽部C1が、その移送方向に対して前向きになっているか、後ろ向きになっているかを検出する。
【0019】
そして、前記各細幅溝4内に一列状に移送される各種子このうち、発芽部C1が後ろ向きになっている逆向きの種子Cを、前記発芽部センサー5の前方に配設した真空吸着式の各第1コレット6にて、各細幅溝4内から除くことにより、当該第1コレット6より前方には、発芽部C1が前向きになった種子Cのみを、前記第1コレット6の箇所から前方に送り出すようにする。
【0020】
なお、各細幅溝4内における逆向きの種子Cを細幅溝4内から除くことは、空気の吹き出しとか、細幅溝4の内底面に設けたゲートの開閉によって行うようにしても良い。
【0021】
次いで、前記細幅溝4内に沿って前記各第1コレット6より前方に送り出された前向きの種子Cを、前記各細幅溝4の先端部と、前記トレイAにおける各ポットA1との間を横方向に往復動したのちその往復動両端で上下動するように構成した真空吸着式の各第2コレット7により、各細幅溝4内から前記各ポットA1内における養土Bの表面に、当該種子Cにおける発芽部C1が、前記ポットA1内における略中心に位置するように移行・供給するのである。
【0022】
なお、この種子Cの細幅溝4内からポットA1内への移行は、細幅溝4の先端部とポットA1内との間に装架したガイド溝に沿って滑らせることによって行うように構成しても良い。
【0023】
前記した構成により、種子搬送板2における凹所3内にパーツフィーダにて供給された種子Cを、その発芽部C1を検出して、この発芽部C1が略同じ向きになるように揃えたのち、トレイAにおける各ポットA1内に予め充填した養土Bの表面に、当該種子Cにおける発芽部C1が各ポットA1における略中心の部位等、各ポットA1について略同じ部位に位置するように供給することができるのである。
【0024】
なお、カボチャ又は西瓜等のような瓜科の種子Cは、前記したように、平面視において一端における発芽部C1が尖り形状で、この発芽部C1と反対側の他4が略半円形の形状であると言うように涙状の形状になっているものであるから、前記発芽部センサー5としては、前記したように、カメラにて撮影した画像を画像処理することで発芽部C1を検出するように構成したものに限らず、図7に示すように、種子Cにおける一端の発芽部C1から長さ方向に沿って寸法Lの位置における幅寸法W1と、他端から長さ方向に沿って同じ寸法Lの位置における幅寸法W2とを、レーザ光線を利用した側長センサー等にて測定し、前記幅寸法W1と幅寸法W2とを比較することによって、発芽部C1を検出するように構成したものにしても良い。また、前記発芽部センサー5としては、図8に示すように、種子Cの平面のうちD1,D2,D3の三箇所に対して、光電センサー等からの光を照射し、前記D1,D2,D3の三箇所における光の透過・不透過、又は種子Cからの光の反射・不反射等によって、発芽部C1を検出するように構成したものにしても良い。
【0025】
また、前記細幅溝3内における種子Cを、第2コレット7にて吸着して持ち上げた状態で、前記第2コレット7をその軸線の回りに適宜角度だけ回転することにより、前記種子Cの向きを任意に変更することができるのである。
【0026】
次に、図9は、第2の実施例を示す。
【0027】
この第2の実施例は、予め養土B′を充堤した多数個のポット容器A′を、搬送ライン1にて一列状に並べて適宜ピッチP′の間隔で間欠的に搬送し、この各ポット容器A′内に対して、図示しないパーツフィーダより種子搬送ガイドレール2′に沿って一列状に並べて送られて来る種子Cを、真空吸着式のコレット7′にて一個ずつ供給するものである。
【0028】
前記コレット7′は、前記ガイドレール2′における種子Cを真空吸着して持ち上げた時点で、その移動が一旦停止し、この状態で、当該コレット7′にて真空吸着した種子Cにおける発芽部C1を、その下方に配設した発芽部センサー5′にて検出する(なお、この発芽部センサー5′は、前記第1の実施例と同様に、カメラにて撮影した画像を画像処理するものとか、幅寸法W1と幅寸法W2とを比較するものとか、D1,D2,D3の三箇所に光を照射するものにしても良い)。
【0029】
次いで、前記コレット7′は、前記発芽部センサー5′による発芽部C1の検出に基づいて、その軸線6a′の回りに、前記発芽部C1が同じ方向を向くように回転したのち、種子Cを、各ポット容器A′内における養土B′の表面に、当該種子Cにおける発芽部C1が、前記ポット容器A′内における略中心に位置するように供給するのである。
【0030】
この第2の実施例の構成によっても、種子Cを、その発芽部C1を検出して、この発芽部C1が略同じ向きになるように揃えたのち、各ポット容器A′内に予め充填した養土B′の表面に、当該種子Cにおける発芽部C1が各ポット容器A′における略中心の部位等、各ポット容器A′について略同じ部位に位置するように供給することができるのである。
【0031】
なお、この第2の実施例は、前記トレイAにおける各ポットA1内に種子Cを一個ずつ供給する場合にも適用できることは言うまでもない。
【0032】
以上、要するに、前記各実施例によると、種子Cを、ポット容器A′又はトレイAの各ポットA1内における養土に対して、当該種子Cにおける発芽部C1の向きを略同じに揃え、且つ、当該種子Cにおける発芽部C1を略同じ部位に位置するようにして播種することを自動的に行うことができるから、接ぎ木苗の成育に先立って種子を播種することの作業能率を著しく向上できるのであり、しかも、成育した苗における茎部の立ち上がり位置及び子葉の方向を、略同じにして、多数個のポット容器又はトレイの各ポットの各々についてバラツキを小さくすることができるから、苗の接ぎ木に際して、苗を損傷することを大幅に低減できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II視断面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】瓜科種子の側面図である。
【図6】瓜科種子の平面図である。
【図7】種子の発芽部を検出する方法を示す図である。
【図8】種子の発芽部を検出する別の方法を示す図である。
【図9】本発明における第1の実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
A トレイ
A1 ポット
A′ ポット容器
B,B′ 養土
C 種子
C1 種子の発芽部
1,1′ 搬送ライン
2 種子搬送板
2′ ガイドレール
3 凹所
4 細幅溝
5,5′ 発芽部センサー
6,7,7′ 真空吸着式コレット
Claims (2)
- 穂木苗用の種子又は台木苗用の種子における発芽部を検出し、次いで、この検出結果に基づいて自軸回りに回転することで種子の向きを任意に変更する手段により、前記種子をその発芽部が略同じ向きになるように揃えたのち、前記種子を、ポット容器内に予め充填した養土の表面又はトレイに凹み形成の各ポット内に予め充填した養土の表面に、当該種子における発芽部が多数個のポット容器又はトレイの各ポットについて略同じ部位に位置するように供給することを特徴とする接ぎ木苗用種子の播種方法。
- 穂木苗用の種子又は台木苗用の種子における発芽部を検出する手段と、
前記種子をその発芽部が略同じ向きになるように揃えるために、前記検出する手段の検出結果に基づいて自軸回りに回転することで前記種子の向きを任意に変更する手段と、
前記種子を、ポット容器内に予め充填した養土の表面又はトレイに凹み形成の各ポット内に予め充填した養土の表面に、当該種子における発芽部が多数個のポット容器又はトレイの各ポットについて略同じ部位に位置するように供給する手段とを備えたことを特徴とする接ぎ木苗用種子の播種装置。
Priority Applications (1)
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JP04429495A JP3556308B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 接ぎ木苗用種子の播種方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04429495A JP3556308B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 接ぎ木苗用種子の播種方法及びその装置 |
Publications (2)
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JPH08238002A JPH08238002A (ja) | 1996-09-17 |
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Family Applications (1)
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JP04429495A Expired - Fee Related JP3556308B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | 接ぎ木苗用種子の播種方法及びその装置 |
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JP (1) | JP3556308B2 (ja) |
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CN112715091A (zh) * | 2020-12-31 | 2021-04-30 | 钱立超 | 一种农业种子出芽装置 |
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1995
- 1995-03-03 JP JP04429495A patent/JP3556308B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH08238002A (ja) | 1996-09-17 |
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