JP3556281B2 - 人体照合装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は読み取られた人体の特徴点データと登録された人体の特徴点データとを照合する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物内の特定区域へは関係者以外の立入りを禁止するため、特定区域への通路又は出入口に電気錠によって開閉される扉を設け、この扉の近傍に特定区域への通行を許可された者か否かを判別する個人識別装置を設置する場合がある。この個人判別装置として、例えば特開昭61−255639号公報に示されるように、指紋を検出して個人を判別するようにしたものがある。
【0003】
これは、所定の指の指紋を撮像し、その画面の濃淡を電気信号に変換して指紋情報を出力し、これをあらかじめ登録された指紋情報と照合して、両者が一致するか又は不一致であるかを判断するものである。そして、扉が閉じている場合、上記指紋情報の一致が判断されると、電気錠に解錠信号を出力し、指紋情報の不一致が判断されると、解錠信号は出力されない。
【0004】
また、指紋情報の登録に、ICカード、光カード等の識別カード(以下IDカードという)を用いるものがある。これは、IDカードに指紋情報を登録し、指紋照合時入力された指紋情報と上記登録された指紋情報を照合して、両者の一致又は不一致を判別するものである。なお、IDカードに対する情報の読取り及び書込みには、接触式のものと非接触式のものとがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の指紋照合装置では、入力された指紋情報と登録された指紋情報を照合するようにしているため、登録された指紋情報が不鮮明のときなどには、正しい指紋情報が入力されても照合不一致となることがある。この場合は係員が立ち会って判断することになるが、ID番号が一致しているだけでは、正否の判断ができず、結果的にはその人は不許可となることが多いという問題点がある。
【0006】
この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、人体情報が不鮮明の場合でも、人体情報の照合ができ、また、照合不一致により係員が判断する場合に、係員が容易に判断できるようにした人体照合装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1発明に係る人体照合装置は、読み取られた人体の特徴点データと、あらかじめ登録された人体の特徴点データとを照合して両者が一致するかを判断する装置において、人体照合判断の難易度を記憶する難易度記憶手段と、少なくとも人体照合の結果が不一致のときにこれに対応する難易度を表示する難易度表示手段とを備えたものである。
【0008】
また、第2発明に係る人体照合装置は、人体の特徴点データを識別カードに登録し、読み取られた人体の特徴点データと識別カードから入力された人体の特徴点データとを照合して両者が一致するかを判断する装置において、人体照合判断の難易度を識別カードに記憶させる難易度記憶手段と、少なくとも人体照合の結果が不一致のときにこれに対応する難易度を表示する難易度表示手段とを備えたものである。
【0009】
また、第3発明に係る人体照合装置は、第2発明のものに加えて、少なくとも人体照合の結果が不一致のときに、不一致となった人体の特徴点データと識別カードに登録された人体の特徴点データとを共に表示する人体表示手段を備えたものである。
【0010】
また、第4発明に係る人体照合装置は、第2発明のものに加えて、識別カード所持者の人体の特徴点データと履歴とを含む人的特徴点を識別カードに記憶させる人的特徴点記憶手段と、少なくとも人体照合の結果が不一致のときに、上記記憶された人的特徴点を表示する人的特徴点表示手段とを備えたものである。
【0011】
【作用】
この発明の第1発明においては、人体照合判断の難易度を記憶し、読み取られた人体の特徴点データと、あらかじめ登録された人体の特徴点データとの照合が不一致のとき、これに対応する難易度を表示するようにしたため、係員は表示された難易度を見て人体照合の正否を判断することが可能となる。
【0012】
また、第2発明においては、人体照合判断の難易度を識別カードに記憶し、読み取られた人体の特徴点データと、識別カードに登録された人体の特徴点データとの照合が不一致のとき、これに対応する難易度を表示するようにしたため、係員は表示された難易度を見て人体照合の正否を判断することが可能となる。
【0013】
また、第3発明においては、人体照合の結果が不一致のときに、不一致となった人体の特徴点データと登録された人体の特徴点データとを共に表示するようにしたため、係員は表示された両データを目視比較して人体照合の正否を判断することが可能となる。
【0014】
また、第4発明においては、人体照合の結果が不一致のときに、識別カードに記憶された識別カード所持者の人体の特徴点データと履歴とを含む人的特徴点を表示するようにしたため、係員は表示された人的特徴点により人体照合の正否を判断することが可能となる。
【0015】
【実施例】
実施例1.
図1及び図2はこの発明の第1及び第2発明の一実施例を示す図で、図1はID判別装置のブロック線図、図2は動作フローチャートである。
【0016】
図1において、(1)はID判別装置、(2)はCPU、(3)はROM、(4)はRAM、(5)は通行者が所持するIDカードに記録されたID番号を読み取るカードリーダ、(6)は指紋登録モードと指紋照合モードを切り換える登録/照合モードスイッチ、(7)は上記IDカードに登録された指紋の特徴点データを読み取る指紋リーダ、(8)は指紋リーダ(7)に接続されアナログ値の指紋の特徴点データをディジタル値に変換するA/D変換器である。
【0017】
(9)は演算処理された指紋の特徴点データ及びこの特徴点の判別の難易度をIDカードに書き込むカードライタ、(10)は照合結果、難易度等を表示する液晶表示器、(11)は照合結果が正であることを示すOK信号(11a)を出力するインタフェースであり、上記各機器(2)〜(11)は互いにバス(12)で接続されている。
【0018】
次に、実施例1の動作を図2を参照して説明する。
まず、ステップ(21)で登録/照合モードスイッチ(6)が登録モードになっているかを判断する。登録モードであればステップ(22)へ進み、照合モードであればステップ(27)へ進む。これで、指紋を登録したい人が指紋リーダ(7)に所定の指を置くと、ステップ(22)で指紋リーダ(7)は指紋を読み取り、ステップ(23)で指紋リーダ(7)の出力をディジタル値に変換する。
【0019】
ステップ(24)でCPU(2)は指紋の特徴点を演算処理する。そして、ステップ(25)では演算処理した特徴点データの判別の難易度を1、2、3〜N段階にランク分け処理する。例えば、特徴点データの多いものは照合容易であり、高ランクに設定され、特徴点の少ないものは照合困難であり、低ランクに設定される。ステップ(26)で上記処理された特徴点データと難易度データをカードライタ(9)を介してIDカードに書き込む。これで、指紋登録は終了する。
【0020】
次に、指紋照合モード時は、ステップ(21)からステップ(27)へ進み、カードリーダ(5)がIDカードのID番号を読み取るのを待つ。ID番号を読み取ったらステップ(28)でそのID番号は正であるかを判断する。否であればステップ(29)で液晶表示器(10)によりNG表示してステップ(21)へ戻る。正であればステップ(30)へ進み、液晶表示器(10)に「指を置いてください」と表示する。この表示に従って通行者が指紋リーダ(7)に指を置くと、ステップ(31)で指紋リーダ(7)の出力をディジタル値に変換する。
【0021】
ステップ(32)でA/D変換器(8)の出力から指紋の特徴点データの抽出演算をする。そして、ステップ(33)ではステップ(32)で抽出された特徴点データとIDカードから読み取ったその人の特徴点データとを照合し、両者が一致するかを判断する。両者が一致すればステップ(34)で液晶表示器(10)にOK表示し、インタフェース(11)から指紋照合が正であることを示すOK信号(11a)を出力して処理は終了する。もし、両データが一致しないときは、ステップ(35)で液晶表示器(10)にNG表示し、IDカードから読み取ったその人の難易度のランク分けデータを表示して処理は終了する。
【0022】
ステップ(35)の結果に不満の通行者は、係員の立会いを求めることになる。このとき係員は表示された難易度のランク分けデータを目視して指紋の正否を判断するが、否となった原因が難易度に起因するものであることが分かるので、正しい判断を下すことが可能となる。したがって、指紋が正であるのに通行不許可になるトラブルを減らすことができ、通行管理業務の円滑な推進を図ることが可能となる。
【0023】
また、指紋はIDカードに登録されるため、多数の人の処理に適するものとなる。
ここで、ステップ(25)(26)は難易度記憶手段を、ステップ(33)(35)は難易度表示手段をそれぞれ構成する。
【0024】
実施例2.
図3はこの発明の第2発明の他の実施例を示す図で、図2の部分図である。
実施例2は図2のステップ(35)をステップ(41)(42)に置き換えたもので、指紋照合モード時、ステップ(33)で特徴点データが不一致と判断されると、ステップ(41)でランクに合わせて照合一致の判断基準を変更して再照合し、その結果特徴点データが一致するかを判断するようにしたものである。これでもなお一致しないときはステップ(42)へ進み、液晶表示器(10)にNG表示し、かつランクを表示する。
【0025】
これにより指紋が薄く、特徴点の少ない人でも、判断基準を下げて照合されるので、正しい結果を得ることが可能となり、照合不一致の度に係員の立会いを求める機会を減らすことが可能になる。ここで、ステップ(41)は基準変更手段を構成する。
【0026】
実施例3.
図4はこの発明の第3発明の一実施例を示す図で、図2の部分図である。
実施例3は図2の動作フローチャートのステップ(25)とステップ(26)の間にステップ(45)を追加し、かつステップ(35)をステップ(47)に置き換えたものである。
【0027】
すなわち、指紋登録モード時、ステップ(45)で特徴点データの判別の難易度のランクが所定範囲(例えば、段階3〜段階8の範囲)を超えるときは、ステップ(23)で変換したディジタル値をIDカードに書き込む。
そして、指紋照合モード時、ステップ(33)で特徴点データが不一致と判断されると、ステップ(47)へ進み、ステップ(45)でIDカードに書き込まれた指紋のディジタルデータと、ステップ(31)で指紋リーダ(7)が読み取った指紋のディジタルデータとを共に液晶表示器(10)に映像として表示する。
【0028】
これにより、照合不一致時、指紋の登録データと読取りデータとが映像表示されるため、係員の判断を容易にし、運用を円滑にすることが可能となる。ここで、ステップ(47)は人体表示手段を構成する。
【0029】
実施例4.
図5はこの発明の第4発明の一実施例を示す図で、図2の部分図である。
実施例4は図2のステップ(35)をステップ(49)に置き換えたもので、あらかじめIDカードに所持者の指紋以外の人的特徴点(声紋、網膜パターン、指の長さ、掌形、筆跡、身長、体重、顔の輪郭、目・鼻・口等の位置及び形、所持者の履歴・経歴等)を、図示しない人的特徴点記憶手段により記憶させておくものである。
【0030】
そして、指紋照合モード時、ステップ(33)で特徴点データが不一致と判断されると、ステップ(49)では、IDカードから読み取ったその人の指紋以外の人的特徴点を液晶表示器(10)に表示する。
これにより、照合不一致時、係員の判断を容易にし、運用を円滑にすることが可能となる。ここで、ステップ(49)は人的特徴点表示手段を構成する。
【0031】
他の実施例.
なお、ステップ(35)(42)(47)(49)のデータ表示は、照合一致の場合に実施してもよい。
また、上記各実施例の外に、次のように実施することも可能である。
(1) 図1のインタフェース(11)からのOK信号(11a)によって、扉などの通行ゲートを制御する。
(2) 指紋照合は1回だけでなく、複数回実施して一致又は不一致を判断する。
(3) 指紋は1本の指だけでなく、複数本の指について登録し、照合時1本の指で不一致の場合は、他の指で再照合するようにする。
(4) 指紋をIDカードでなく、ID判別器(1)に登録する。
(5) 人体照合のデータとして、指紋だけでなく、声紋、網膜パターン、指の長さ、掌形、筆跡、顔の形(輪郭、目・鼻・耳等の位置及び形等)を用いる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したとおりこの発明の第1発明では、人体照合判断の難易度を記憶し、読み取られた人体の特徴点データと、あらかじめ登録された人体の特徴点データとの照合が不一致のとき、これに対応する難易度を表示するようにしたので、係員は表示された難易度を見て人体照合の正否を判断することが可能となり、人体照合が正であるのに通行不許可となるトラブルを減らすことができ、通行管理業務の円滑な推進を図ることができる効果がある。
【0033】
また、第2発明では、人体照合判断の難易度を識別カードに記憶し、読み取られた人体の特徴点データと、識別カードに登録された人体の特徴点データとの照合が不一致のとき、これに対応する難易度を表示するようにしたので、係員は表示された難易度を見て人体照合の正否を判断することが可能となり、第1発明と同様の効果がある。また、人体の特徴点データは識別カードに登録されるので、多数の人の処理に対して好適のものにすることができる効果がある。
【0034】
また、第3発明では、人体照合の結果が不一致のときに、不一致となった人体の特徴点データと登録された人体の特徴点データとを共に表示するようにしたので、係員は表示された両データを目視比較して人体照合の正否を判断することが可能となり、係員の判断を容易にし、人体照合が正であるのに通行不許可となるトラブルを減らすことができ、通行管理業務の円滑な推進を図ることができる効果がある。
【0035】
また、第4発明では、人体照合の結果が不一致のときに、識別カードに記憶された識別カード所持者の人体の特徴点データと履歴とを含む人的特徴点を表示するようにしたので、係員は表示された人的特徴点により人体照合の正否を判断することが可能となり、係員の判断を容易にし、人体照合が正であるのに通行不許可となるトラブルを減らすことができ、通行管理業務の円滑な推進を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示すID判別装置のブロック線図。
【図2】図1の動作フローチャート。
【図3】この発明の実施例2を示す動作フローチャートの部分図。
【図4】この発明の実施例3を示す動作フローチャートの部分図。
【図5】この発明の実施例4を示す動作フローチャートの部分図。
【符号の説明】
1 ID判別装置、 5 カードリーダ、 6 登録/照合モードスイッチ、 7 指紋リーダ、 8 A/D変換器、 9 カードライタ、 10 液晶表示器、 11a OK信号、 25,26 難易度記憶手段(ステップ)、 33,35 難易度表示手段(ステップ)、 41 基準変更手段(ステップ)、 47 人体表示手段(ステップ)、 49 人的特徴点表示手段(ステップ)。
Claims (4)
- 読み取られた人体の特徴点データと、あらかじめ登録された人体の特徴点データとを照合して両者が一致するかを判断する装置において、上記人体照合判断の難易度を記憶する難易度記憶手段と、少なくとも上記人体照合の結果が不一致のときにこれに対応する難易度を表示する難易度表示手段とを備えたことを特徴とする人体照合装置。
- 人体の特徴点データを識別カードに登録し、読み取られた人体の特徴点データと、上記識別カードから入力された人体の特徴点データとを照合して両者が一致するかを判断する装置において、上記人体照合判断の難易度を上記識別カードに記憶させる難易度記憶手段と、少なくとも上記人体照合の結果が不一致のときにこれに対応する難易度を表示する難易度表示手段とを備えたことを特徴とする人体照合装置。
- 少なくとも人体照合の結果が不一致のときに、上記不一致となった人体の特徴点データと、識別カードに登録された人体の特徴点データとを共に表示する人体表示手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の人体照合装置。
- 識別カード所持者の人体の特徴点データと履歴とを含む人的特徴点を上記識別カードに記憶させる人的特徴点記憶手段と、少なくとも人体照合の結果が不一致のときに上記記憶された人的特徴点を表示する人的特徴点表示手段とを設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の人体照合装置。
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