JP3555998B2 - 縦型の部品供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、縦型の部品供給装置に係り、特に、チップコンデンサや抵抗器等からなるチップ部品を、回路基板上に実装させるために一列に整列させる縦型の部品供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、チップコンデンサや抵抗器からなるチップ部品は、特開平4− 199793号公報に開示されているように、リール状に巻かれた紙テープ上に予め整列させた状態になっており、この状態でチップ部品は、部品供給装置に利用されている。しかしながら、紙テープを利用すると、塵埃や紙屑が発生し、作業環境の悪化や紙資源の無駄をもたらしていた。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、多数のチップ部品を乱雑に収容したカセットを利用し、このカセット内のチップ部品を、一列に整列させる縦型の部品供給装置が開発された。この装置の一例として、特開昭62− 280129号公報があり、この装置は、間欠的に噴出するエアーによってチップ部品を一列に整列させる方式を採用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の縦型の部品供給装置は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
【0005】
すなわち、エアーによりチップ部品を整列させる方式のものは、構造が簡単になるものの、不均一になりがちなエアーを利用しているので、チップ部品を整列させる速度が不均一になりやすく、高速でチップ部品を整列させ難いといった問題点があった。
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、チップ部品を確実且つ高速で整列させるようにした縦型の部品供給装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による縦型の部品供給装置は、チップ部品を内部に収容するチップ貯留部を有すると共に直立して本体に固定される円筒状のストッカーと、ストッカーの外周壁の外周面に嵌着されるリング体と、ストッカーの外周面とリング体の内周面との間に形成される隙間に回転自在に装着される環状のインデックス部を有する回転円板とを備え、インデックス部は、チップ貯留部から排出されたチップ部品を個別に捕捉する複数のチップ収容凹部を有し、チップ収容凹部の移動経路上において、ストッカーの外周壁の下部位置に、チップ貯留部に連通するチップ排出孔を形成した構成である。さらに、チップ排出孔を介してチップ収容凹部に正しく装填されたチップ部品のみを通過させるスクレーパ部を、チップ排出孔の下流端に連続して設け、このスクレーパ部は、外周壁において、チップ排出孔の下流端から延びると共に下流側に向けてチップ収容凹部の移動経路上でチップ部品を徐々に支持するように形成されたスクレーパ面と、外周壁において、このスクレーパ面の側方に隣接すると共にチップ貯留部に連通するスクレーパ穴とからなる構成である。
【0009】
さらに詳細には、スクレーパ部の下流側の位置において、ストッカーの外周壁の外周面にチップ案内溝が形成され、このチップ案内溝は、チップ収容凹部の移動経路上に形成されたチップ搬送溝と、このチップ搬送溝に連続すると共にチップ収容凹部の移動経路からずれる方向に延在するチップ分離溝とからなる構成である。
【0010】
さらに詳細には、濃度差のある表裏をもつチップ部品の表裏を、その濃度差で検出する表裏検出手段と、この表裏判定手段により検出された表裏に応答して、チップ収容凹部に捕捉されたチップ部品をチップ貯留部に戻す表裏選別手段とを備えた構成である。
【0011】
さらに詳細には、表裏選別手段の駆動のタイミングをはかるタイミング検知手段を備えた構成である。
【0012】
さらに詳細には、タイミング検知手段は、回転円板に設けられた被検知部位の有無を判別するように発光素子と受光素子とを備えた光学式検知手段である。
【0013】
【作用】
本発明による縦型の部品供給装置においては、チップ貯留部内に多数のチップ部品を乱雑に収容すると、チップ部品はその自重によりチップ貯留部の下部位置に集まってくる。このとき、ストッカーの下部位置に設けたチップ排出孔により、チップ部品を外部に排出させる一方で、回転円板の回転により、チップ排出孔から排出されたチップ部品を、インデックス部のチップ収容凹部で順次捕捉させる。そして、チップ収容凹部で捕捉されたチップ部品は、回転円板の遠心力により、リング体の内周面に沿ってチップ収容凹部の移動経路上を移動し、チップ部品を、インデックス部により一列に整列させた状態で所定の位置まで搬送させることができる。
【0014】
【実施例】
以下、図面と共に本発明による縦型の部品供給装置の好適な実施例について詳細に説明する。
【0015】
図1及び図2において、符号1で示すものは、チップ部品を一列に整列させるための縦型の部品供給装置であり、この部品供給装置1は、所定のテーブル2上に直立状態で配置される本体3を有している。この本体3は、幅が薄く細長い形状をもつと共に、部品供給装置1自体をテーブル2に固定するためのレバー4を備えている。この本体3の上部には、多数のチップ部品Aを収容したバルクケース5を差し込むためのチップ投入口6が形成されている。また、本体3にはチップ部品Aを一列に整列させるための整列機構Bが装着されている。
【0016】
図3に示すように、この整列機構Bは、直立して本体3に固定される円筒状のストッカー7と、ストッカー7の外周壁7Aの外周面7aに嵌着されると共にストッカー7のフランジ7Dに当接配置されるリング体8と、ストッカー7の外周壁7Aの外周面7aとリング体8の内周面8aとの間に形成される隙間に回転自在に装着される環状のインデックス部12を有する回転円板9とを備えている。
【0017】
図3及び図4に示すように、前述の回転円板9はディスク状の基板10を有し、この基板10の中心には円筒状の軸10aが突設されている。この軸10aを、ストッカー7の中心に形成された軸受け口7bに挿入させることにより、回転円板9をストッカー7に対して同心的に配置させることができる。また、この基板10の外周には従動歯車部11が形成されている。この従動歯車部11は、モータGにより駆動する駆動歯車13に噛合され、この駆動歯車13は軸14を介して本体3に装着されている(図2参照)。従って、モータGによって駆動歯車13を回転させることにより、従動歯車部11を介して、回転円板9をストッカー7に対して回転させることができる。更に、基板10の外周には、基板10の裏面10bに対して立設させられたクラウン状のインデックス部12を有している。
【0018】
このインデックス部12は、図5に示すように、ストッカー7の外周面7aとリング体8の内周面8aとの隙間に挿入されると共に、ストッカー7の外周面7a及びリング体8の内周面8aに対して接触又は非接触状態で回転する。このインデックス部8には、チップ部品Aを一個ずつ捕捉するための複数のチップ収容凹部12aが等間隔に形成されている。図4及び図5に示すように、各チップ収容凹部12aにおいて、立上げ方向の幅Lは、チップ部品Aの幅Kより僅かに長く形成され、周方向の長さHは、チップ部品Aの長さMより僅かに長く形成されている。従って、各チップ収容凹部12a内に、チップ部品Aを一個ずつ嵌め込むことができる。
【0019】
ここで、例えば、幅Kより長さMを大きくした直方体のチップ部品Aを整列させる場合、幅Lより長さHを大きくした矩形のチップ収容凹部12aを利用すると、チップ部品Aの表面又は裏面における長辺をチップ部品Aの搬送方向に整列させることができ、また、幅Lより長さHを小さくした矩形のチップ収容凹部12aを利用すると、チップ部品Aの表面又は裏面の短辺をチップ部品Aの搬送方向に整列させることができる。従って、チップ収容凹部12aの形状により、チップ部品Aの整列方向を任意に変えることができる。
【0020】
図2、図3及び図6に示すように、前述のストッカー7には、多数のチップ部品Aを内部に収容するためのチップ貯留部15が形成されていると共に、図示しない外蓋が装着され、チップ貯留部15から外部にチップ部品Aが流れ出さないようにしている。また、ストッカー7の頂部には、本体3に形成されたチップ投入口6に対峙すると共にチップ貯留部15と連通するチップ搬入口16が形成されている。更に、リング体8の頂部には、チップ搬入口16に対峙する切欠き部8bが形成されている。従って、バルクケース5をチップ投入口6に差し込むことにより、バルクケース5内の全てのチップ部品Aをチップ貯留部15内で溜め置くことができる。更に、チップ貯留部15の下部位置には、チップ部品Aを集めるためのロート部15aが設けられ、このロート部15aには、所定量のチップ部品Aを下方へ流出させるためのロート口15bが形成されている。従って、チップ貯留部15内に溜められた多量のチップ部品Aは、ロート口15bを介して、徐々にストッカー7の下方に流がすことができる。
【0021】
図5、図7及び図8に示すように、ストッカー7の外周壁7Aの端部には、回転円板9のインデックス部12と嵌合するインデックス案内部17が形成されている。このインデックス案内部17は、外周壁7Aの全周に亙って、インデックス部12の突出量と略同じ幅Rを有している。また、段部18を介してインデックス部12の肉厚分だけインデックス案内部17を縮径させることにより、ストッカー7の外周面7aとリング体8の内周面8aとの間に、インデックス部12を収容する隙間を形成することができる。従って、このインデックス案内部17に沿ってインデックス部12のチップ収容凹部12aを回転させることにより、インデックス案内部17上に、チップ収容凹部12aの移動経路を形成することができる。
【0022】
図7及び図9に示すように、インデックス案内部17に形成されたチップ収容凹部12aの移動経路において、ストッカー7の外周壁7Aの下部位置には、チップ貯留部15に連通するチップ排出孔19が形成されている。このチップ排出孔19は、インデックス案内部17の下部位置をチップ収容凹部12aの移動経路に沿って細長く形成されている。インデックス部12の回転方向において、チップ排出孔19の両端には、上流端19aと下流端19bとが形成され、この下流端19bに連続するように、ストッカー7の外周壁7Aには、スクレーパ部20が設けられている。
【0023】
このスクレーパ部20は、図7、図8に示すように、インデックス案内部17上において、チップ排出孔19の下流端19bから延びると共にチップ収容凹部12aの移動経路上でチップ部品Aの裏面を徐々に支持するように、下流側に向けて徐々に拡幅形成されたスクレーパ面51(図面において網目を付した領域)を有している。そして、このスクレーパ面51は、最終的にはチップ収容凹部12aの移動経路上でチップ部品Aの裏面を完全に支持するようになる。また、スクレーパ部20は、外周壁7Aにおいて、チップ排出孔19に連続すると共にスクレーパ面51の側方に隣接するスクレーパ穴52を有している。このスクレーパ穴52は、チップ貯留部15に連通しているので、このスクレーパ穴52から落とされたチップ部品Aを、再びチップ貯留部15に戻すことができる。
【0024】
ここで、スクレーパ部20の設置範囲は、回転円板9の回転速度とチップ部品Aの自重との関係において、任意に決定されるものである。即ち、チップ収容凹部12aで捕捉されたチップ部品Aに加わる遠心力とチップ部品Aの自重とがバランスした部分を境にして、その上流側で、チップ部品Aはリング体8の内周面8aで支持され、その下流側で、チップ部品Aはストッカー7の外周壁7Aで支持されることになる。従って、スクレーパ部20は、ストッカー7の外周壁7Aに形成されているので、前述のバランスした部分の下流側に形成されることになる。そこで、種々の実験の結果、前述のスクレーパ部20は、図2に示すように、水平軸線に対して、下方に角度α(5°)、上方に角度β(40°)の逃がし範囲(45°)に形成されることが好ましいとの結論に達した。しかしながら、この逃がし範囲は一例であり、種々の角度で変更が可能なことは言うまでもない。
【0025】
図7及び図10に示すように、スクレーパ部20の下流側の位置において、ストッカー7の外周壁7Aの外周面7a、即ちインデックス案内部17の表面には、チップ案内溝21が形成されている。このチップ案内溝21は、シューターSのチップ整列溝25の始端25aまで延び、このシューターSを利用することにより、整列機構Bで整列させたチップ部品Aを、連続的な一列にして外部に送り出すことができる。更に、チップ案内溝21は、チップ収容凹部12aの移動経路上に形成されたチップ搬送溝22と、このチップ搬送溝22に連続すると共にチップ収容凹部12aの移動経路からずれる方向(矢印C方向)に延在するチップ分離溝23とからなる。従って、スクレーパ部20を通過したチップ部品Aは、チップ搬送溝22に沿って搬送された後、チップ分離溝23によってチップ収容凹部12aの移動経路から側方に外れるように導かれるので、チップ部品Aを、チップ収容凹部12aの開放端から順次外すことができる。そして、チップ収容凹部12aから外された順に、チップ部品AをシューターSのチップ整列溝25に送り込み、チップ整列溝25内でチップ部品Aを一列に整列させている。
【0026】
なお、図1及び図2に示すように、シューターSの先端には、チップ整列溝25で一列に整列させられたチップ部品Aを、一個ずつ捕捉するための円板状のシャッタ60が隣接して設けられている。このシャッタ60の外周には、90°の位相角をもって4個のチップ受け凹部62が形成され、各チップ受け凹部62は一個のチップ部品Aを収容する形状を有している。そして、シャッタ60は、ステップモータ61により90°ずつ回転させている。また、図示しない吸引ノズルによってチップ受け凹部62内のチップ部品Aを一個ずつ吸引し、回路基板(図示せず)にチップ部品Aを実装する装置(図示せず)までチップ部品Aを搬送する。
【0027】
次に、図2、図3及び図11に示すように、部品供給装置1は、濃度差のある表裏(例えば表のみを黒色)をもつチップ部品Aの表裏を、その濃度差で検出する表裏検出手段30と、この表裏検出手段30により検出された表裏に応答して、チップ収容凹部12aに捕捉されたチップ部品Aをチップ貯留部15に戻す表裏選別手段31と、表裏選別手段31の駆動のタイミングをはかるタイミング検知手段37とを備えている。
【0028】
前述の表裏検出手段30は、発光素子32と受光素子33とを備え、発光素子32の一例として発光ダイオードを利用し、受光素子の一例としてホトダイオードを利用する。そして、発光素子32及び受光素子33は、スクレーパ部20の上流側(下方)で、リング体8の貫通孔43(図3参照)から覗くようにして、チップ収容凹部12aの移動経路に臨む位置に配置させられている。従って、発光素子32から発せられた光りは、チップ収容凹部12a内の各チップ部品Aの表面又は裏面に一旦当てられ、そのチップ部品A毎の反射光の強弱を受光素子33で検出し、この受光素子33からの出力差は、制御手段40に入力される。
【0029】
更に、表裏選別手段31は、表裏検出手段30の下流側(上方)に位置すると共に、一例としてソレノイドで構成されている。このソレノイド31に配置したプランジャー34の先端には直径0.3mm程度の押出しワイヤ34aが固着され、この押出しワイヤ34aは、チップ排出孔19に対峙すると共に、リング体8の貫通孔44(図3参照)から覗くようにして、チップ収容凹部12aの移動経路に臨む位置に配置させられている。従って、チップ収容凹部12aが、押出しワイヤ34aの先端を通過すると同時に、制御手段40からの信号によりプランジャー34を駆動させることで、チップ収容凹部12aに捕捉されたチップ部品Aを的確に突くことができ、チップ部品Aは、チップ排出孔19を介してチップ貯留部15に押し戻されることになる。なお、ソレノイドに代えてエアーノズルを利用することもできる。
【0030】
また、前述のタイミング検知手段37は、チップ収容凹部12aと押出しワイヤ34aとの同期をはかり、表裏選別手段31の駆動のタイミングをより正確にするために設けられたものである。回転円板9の基板10の外周には等間隔で複数の検知孔(被検知部位)38が形成され、各検知孔38は、各チップ収容凹部12aに近接して回転円板9の径方向に一対一の関係で配置されている。また、本体3には、検知孔38の移動経路に臨むようにタイミング検知手段37が設けられている。このタイミング検知手段37は、非接触型の光学式検知手段を構成し、前述の表裏検出手段30と同様に、発光ダイオードからなる発光素子と、ホトダイオードからなる受光素子とを備えている。更に、タイミング検知手段37による検出を確実にするために、ストッカー7のディスク部7Bの表面に光吸収部39を設けている(図3参照)。
【0031】
この光吸収部39は、黒等のダーク色に塗装することで形成されると共に、検知孔38の移動経路に対応する位置に設けられている。その結果、発光素子から発せられた光が検知孔38を通過するときは、弱い反射光を発生させ、それ以外のときは、強い反射光を発生させることができる。そして、この光の強弱を受光素子で検出し、この受光素子からの出力差を制御手段40に入力させる。従って、検知孔38とチップ収容凹部12aとは一対一の関係で配置されているので、タイミング検知手段37の受光素子で弱い光を検出した時、押出しワイヤ34aとチップ収容凹部12aとが一致していると判断することで、押出しワイヤ34aによるチップ部品Aの押出しのタイミングをはかることができる。
【0032】
なお、タイミンング検知手段37を用いずとも、表裏選別手段31を正確に駆動させることもできる。例えば、表裏検出手段30と表裏選別手段31とを所定の時間差をもって同期させるように構成するとよい。また、タイミング検知手段37は、前述の光学式検知手段に限定されず、接触型を構成する電磁式の検知手段等を採用してもよい。
【0033】
ここで、チップ部品Aは、表裏選別手段30によって、チップ貯留部15に押し戻されるので、チップ貯留部15には、チップ部品Aの飛来を確保するためのチップ受け空間部36が別途形成され、チップ部品Aの飛来を妨げないようにしている。即ち、このチップ受け空間部36は、ロート部15aを形成する仕切り板15aAを利用して、チップ部品Aがチップ受け空間部36に流れ込まないようにすることで確保されている。
【0034】
次に、前述の構成に基づいて、表面のみを黒く塗装したチップ部品Aを、部品供給装置1により整列させる動作について説明する。
【0035】
先ず、図2に示すように、バルクケース5をチップ投入口6に差し込んで、バルクケース5内の多数のチップ部品Aをチップ貯留部15内に装填する。その結果、ロート部15a内のチップ部品Aは、ロート口15bを介して排出されながら、徐々にストッカー7のチップ排出孔19に向けて流れ出す。その後、モータGにより駆動歯車13を所定の速度で回転させることにより、従動歯車部11を介して回転円板9のインデックス部12が、矢印D方向に所定速度で回転を開始する。その結果、図5に示すように、ストッカー7の傾斜面7cに沿って流れ落ちるチップ部品Aは、回転方向に細長く形成されたチップ排出孔19から外部に流出しようとする。この時、チップ排出孔19から流出し続けるチップ部品Aを、所定速度で回転しているインデックス部12のチップ収容凹部12aで一個ずつ捕捉し続ける。そして、チップ収容凹部12aで捕捉されたチップ部品Aは、リング体8の内周面8aで支持されながら下流側(上方)に次々と搬送される。
【0036】
その後、図11で示すように、表裏検出手段30により、発光素子32から発せられた光りは、チップ収容凹部12a内の各チップ部品Aの表面又は裏面に一旦当てられ、そのチップ部品A毎の反射光の強弱を受光素子33で検出する。この時、チップ部品Aの黒い表面に光が当たった場合、チップ部品Aからの反射光は弱く、受光素子33で弱い光が検出され、受光素子33から弱い出力が制御手段40内に供給される。その結果、チップ部品Aがチップ収容凹部12a内に適切な状態で収容されていると、制御手段40が判断する。
【0037】
また、チップ部品Aの黒い表面以外の面、例えば裏面や側面の白い部分の面に光が当たった場合、チップ部品Aからの反射光は強く、受光素子33で強い光が検出され、受光素子33から強い出力が制御手段40内に供給される。従って、チップ部品Aがチップ収容凹部12a内に不適切な状態で収容されていると、制御手段40が判断し、表裏選別手段31へのソレノイド駆動信号Kの供給の準備をする。
【0038】
そして、タイミング検知手段37で検知孔38を検出すると同時に、制御手段40からソレノイド駆動信号Kが出力され、表裏選別手段31のプランジャー34を突出させて、押出しワイヤ34aをチップ収容凹部12に挿入させる。その結果、押出しワイヤ34aにより突かれたチップ部品Aは、チップ受け空間部36に戻されることになる。従って、黒く塗られたチップ部品Aの表面を、リング体8の内周面8aで支持するものだけが、下流側(上方)に次々と搬送される。
【0039】
その後、図12及び図7に示すように、チップ部品Aがチップ収容凹部12a内に正しく収容されていない場合、例えば、偶然に、チップ部品Aが重なった場合やチップ収容凹部12a内にチップ部品Aが斜めに収容された場合には、チップ部品Aはチップ収容凹部12a内での収まりが悪くなる。そこで、このような不適切なチップ部品Aは、スクレーパ部20のスクレーパ面51で不安定に支持されることになる。その結果、不適切なチップ部品Aは、スクレーパ面51を通過中にスクレーパ穴52に落ちて、チップ貯留部15に戻される。そして、チップ収容凹部12a内にきっちりと収まったチップ部品Aのみが、ストッカー7のインデックス案内部17に沿って、下流側(上方)に次々と搬送される。
【0040】
その後、チップ部品Aは、先ずチップ案内溝21のチップ搬送溝22に沿って、搬送される。その後、図10に示すように、チップ部品Aは、チップ分離溝23によって、チップ収容凹部12aの移動経路から外れる方向(矢印C方向)に導かれ、チップ部品Aは、チップ収容凹部12aの開放端から順次外されながらシューターSのチップ整列溝25に送り込まれる。そして、図10に示すように、チップ部品Aは、黒い表面を上にした状態でチップ整列溝25に沿って一列に整列させられる。その後チップ部品Aは、図1及び図2に示すように、ステップモータ61により90°ずつシャッタ60を駆動させながら、チップ受け凹部62にチップ部品Aを一個ずつ収容させ、所定の位置までチップ部品Aを移動させる。その後、チップ受け凹部62内のチップ部品Aを、図示しない吸引ノズルによって、図示しないチップ実装装置まで搬送する。なお、チップ整列溝25に多数のチップ部品Aが一列で滞留すると、満杯センサ63によりチップ部品Aを検出して、回転円板9を減速させるか又は停止させる。
【0041】
【発明の効果】
本発明による縦型の部品供給装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる
すなわち、チップ貯留部を有すると共に直立して本体に固定される円筒状のストッカーと、ストッカーの外周壁の外周面に嵌着されるリング体と、ストッカーの外周面とリング体の内周面との間に形成される隙間に回転自在に装着される環状のインデックス部を有する回転円板とを備えることにより、回転円板の遠心力を利用してチップ部品を整列させることができるので、チップ部品を高速で且つ確実に整列させることができる。そして、スクレーパ部を利用することにより、チップ収容凹部内に正しく装填されたチップ部品のみを下流側に搬送することができ、チップ部品の整列精度を更に向上させることができる。
【0042】
また、濃度差のあるチップ部品を表裏検出手段により検出し、この検出結果に基づいて、表裏選別手段によりチップ貯留部に戻すように構成することで、チップ部品の表裏を揃えながら、チップ部品を一列に整列させることができる。更に、タイミンング手段を利用することで、表裏選別手段の駆動を確実にし、表裏選別手段の駆動の信頼性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦型の部品供給装置の一実施例を示す外観図である。
【図2】本発明の縦型の部品供給装置の内部構造を示す側面図である。
【図3】本発明の部品供給装置の要部である整列機構を示す分解斜視図である。
【図4】整列機構の回転円板を示す斜視図である。
【図5】整列機構の要部を示す拡大縦断面図である。
【図6】整列機構のストッカーを示す斜視図である。
【図7】ストッカーを回転円板に組付ける前の状態を示す正面図である。
【図8】ストッカーを回転円板に組付けた後の状態を示す正面図である。
【図9】整列機構のストッカーを示す斜視図である。
【図10】整列機構にシューターを装着した状態を示す部分切欠正面図である。
【図11】チップ部品の表裏を選別するための装置を示す概略図である。
【図12】スクレーパ部によりチップ部品を選別している状態を示す正面図である。
【図13】整列機構のストッカーを示す斜視図である。
【図14】整列機構のストッカーを示す斜視図である。
【符号の説明】
1…部品供給装置、3…本体、7…ストッカー、7a…外周面、7A…外周壁、8…リング体、8a…内周面、9…回転円板、12…インデックス部、12a…チップ収容凹部、15…チップ貯留部、19…チップ排出孔、20…スクレーパ部、21…チップ案内溝、22…チップ搬送溝、23…チップ分離溝、30…表裏検出手段、31…表裏選別手段、32…発光素子、33…受光素子、38…検知孔(被検知部位)、37…タイミンング検知手段、51…スクレーパ面、52…スクレーパ穴、A…チップ部品。

Claims (5)

  1. チップ部品を内部に収容するチップ貯留部を有すると共に直立して本体に固定される円筒状のストッカーと、
    前記ストッカーの外周壁の外周面に嵌着されるリング体と、
    前記ストッカーの前記外周面と前記リング体の内周面との間に形成される隙間に回転自在に装着される環状のインデックス部を有する回転円板とを備え、
    前記インデックス部は、前記チップ貯留部から排出されたチップ部品を個別に捕捉する複数のチップ収容凹部を有し、前記チップ収容凹部の移動経路上において、前記ストッカーの外周壁の下部位置に、前記チップ貯留部に連通するチップ排出孔を形成し
    前記チップ排出孔を介して前記チップ収容凹部に正しく装填されたチップ部品のみを通過させるスクレーパ部を、前記チップ排出孔の下流端に連続して設け、このスクレーパ部は、前記外周壁において、前記チップ排出孔の下流端から延びると共に下流側に向けて前記チップ収容凹部の移動経路上でチップ部品を徐々に支持するように形成されたスクレーパ面と、前記外周壁において、このスクレーパ面の側方に隣接すると共に前記チップ貯留部に連通するスクレーパ穴とからなることを特徴とする縦型の部品供給装置。
  2. 前記スクレーパ部の下流側の位置において、前記ストッカーの外周壁の外周面にチップ案内溝が形成され、このチップ案内溝は、前記チップ収容凹部の移動経路上に形成されたチップ搬送溝と、このチップ搬送溝に連続すると共に前記チップ収容凹部の移動経路からずれる方向に延在するチップ分離溝とからなることを特徴とする請求項1記載の縦型の部品供給装置。
  3. 濃度差のある表裏をもつ前記チップ部品の表裏を、その濃度差で検出する表裏検出手段と、この表裏判定手段により検出された表裏に応答して、前記チップ収容凹部に捕捉されたチップ部品をチップ貯留部に戻す表裏選別手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の縦型の部品供給装置。
  4. 前記表裏選別手段の駆動のタイミングをはかるタイミング検知手段を備えたことを特徴とする請求項記載の縦型の部品供給装置。
  5. 前記タイミング検知手段は、前記回転円板に設けられた被検知部位の有無を判別するように発光素子と受光素子とを備えた光学式検知手段であることを特徴とする請求項記載の縦型の部品供給装置。
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