JP3555865B2 - Atm・ネーム・システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(asynchronous transfer mode)・ネーム・システムに関し、とくに、異なる会議室に置かれたテレビ会議端末間で、ATM(asynchronous transfer mode)網を介して、構築されるテレビ会議システムのためのATM・ネーム・システム(ANS)に関する。
【0002】
なお、本明細書中および図面においては、説明の便宜上、「会議室に置かれたテレビ会議端末」を、単に、「会議室」と記載する。
【0003】
【従来の技術】
ATM・ネーム・システム(以下、ANSと称する)は、ATMフォーラムによって仕様af−saa−0069.000において定められている(ATM Name System Specification Version 1.0, The ATM Forum Technical Committee, November, 1996 参照)。
【0004】
この仕様は、IETF(インターネット・エンジニアリング・タスク・フォース)がリクエスト・フォー・コメントRFC1034およびRFC1035において定めるDNS(ドメイン・ネーム・サーバ)を元に制定されたものである。
【0005】
したがって、ホスト名は階層化されたドメイン名を含んでいる必要がある。そして該ホスト名による検索から、ATM・エンド・システム・アドレス(以下、AESAと称する)を解決するものである。たとえば、af−saa−0069.000に示されている例では、「salmon.data.example.com」というホスト名を鍵とする検索によって、「39.246f.000e7c9c031200010001.000012345678.00」というAESAが解決されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記仕様に定められているANSは、以下のような問題点がある。
【0007】
第1の問題点は、
「階層化されたドメイン名を伴ったホスト名」に依らず、かつ、中継回線の帯域やMCUが輻輳した際における、会議室の重要度に応じての接続の優先度を保守者が事前に登録できないという点である。
【0008】
その理由は、
まず階層化に関しては、ANSが、AESAの解決に際して、「階層化されたドメイン名を伴ったホスト名」を鍵とすることを求めているためである。したがって、相手先の会議室名を元に直接AESAを解決することができない。これは、前出の例で言えば、次のような意味である。「.data.example.com」下のホスト名に対するAESAの解決は、「.data.example.com」ドメインのANSで行う。しかし、「.data」以外の「.example.com」ドメイン下のホスト名の場合には、一旦、上位階層の「.example.com」ドメインのANSに問い合わせ、「別の.data階層相当のANS」を紹介してもらい、そこに問い合わせてAESAを解決することになる。さらに「.example.com」以外のホスト名ならば、一旦、上位階層の「.com」のANSに問い合わせ、「別の.example相当階層のANS」を紹介してもらい、そこに問い合わせて解決することになる。さらに「.com」以外のホスト名ならば、一旦、最上位階層のANSに問い合わせ、「別の.com相当階層のANS」を紹介してもらい、そこに問い合わせて解決することになる。このようにドメインを階層化し、個々の階層ごとにANSを分散して配備する必要があるためである。これに従えば、たとえば、「会議室1.本店」や「会議室2.A支店」のように、階層化されたホスト名が求められることに相当する。これは、たとえば、「本店」と「A支店」の双方にANSが必要となり、ハードウェアの規模としても拡大することになる。
【0009】
つぎに重要度に関しては、会議室の優先/非優先を表すクラスの登録が行えないためである。
【0010】
第2の問題点は、
多地点会議の場合に、各会議室からの接続先(コネクションの確立先)となるべき、画面合成や音声合成を司る多地点会議装置(MCU)のAESAを解決できないという点である。
【0011】
その理由は、
三地点以上の会議室を結んで開催される会議(以降、「多地点会議」と称する)の場合に、参加するすべての会議室のAESAを解決してしまうためである。
【0012】
第3の問題点は、
多地点会議と判断した場合にMCUのAESAを解決できるものと仮定しても、最適な位置のMCUを選択し、そのMCUのAESAが解決できないという点である。
【0013】
その理由は、
多地点会議に参加するすべての会議室について、ATM網内でのそれぞれの位置を認識し、かつ、該接続の実行に伴う中継回線の帯域消費の結果を予測できないためである。
【0014】
第4の問題点は、
最適なMCUのAESAが解決できたと仮定した場合においても、AESAの解決後の呼設定段階において、参加するすべての会議室とMCUとを接続する手段がないという点である。
【0015】
その理由は、
最適なMCUと参加するすべての会議室とを接続するために、MCUから各会議室に向けての発呼を行わせるべく、ANSがMCUに対してその発呼を指示できないためである。
【0016】
第5の問題点は、
あらかじめ開始時刻、終了時刻および接続会議室名を含む予約を受け付け、それによる接続(コネクションの確立)ができない点である。
【0017】
その理由は、
あらかじめ受け付けた予約によるコネクションの確立および削除を、所定時刻において所定相手先に対して実行することができないという点である。
【0018】
第6の問題点は、
予約による接続の終了時刻の前に、その予約接続にて接続中の会議室に当てて、切断予告を通知できないという点である。
【0019】
その理由は、
予約による接続の終了時刻を管理する手段、および、会議室に対して切断の予告を通知する手段を有していないためである。
【0020】
第7の問題点は、
AESAの解決の要求の受信に際して、その解決の結果に伴うコネクションの確立の可否を判断する手段を有していないという点である。
【0021】
その理由は、
網内における現在の中継回線の帯域占有状況、MCUの占有状況および今後の予約状況とを管理していないためである。
【0022】
第8の問題点は、
保守者により事前に登録された会議室ごとの優先クラスを参照し、優先クラスの上下を元に、中継回線の帯域またはMCUの輻輳時において優先クラスが上の会議室を優先して接続できないという点である。
【0023】
その理由は、
優先クラスが上の会議室を優先して接続するという判断の手段を有していないためである。
【0024】
第9の問題点は、
クラスが上であり、優先度の高い会議室からの接続要求を受信した際にも、中継回線の帯域およびMCUの輻輳時において、優先度の低いテレビ会議のコネクションを強制的に切断できないという点である。
【0025】
その理由は、
優先度の低いテレビ会議のコネクションを強制的に切断する手段を有していないためである。
【0026】
第10の問題点は、
仮にコネクションの強制的な切断を行ったとしても、参加者は網の障害という異常な現象に起因する切断なのか、強制切断という正常な処理に基づく切断なのかを識別できる方法がないという点である。
【0027】
その理由は、
強制切断されるテレビ会議の参加者への、通知方法がないためである。
【0028】
第11の問題点は、
AESAの解決の要求に対して、中継回線の帯域またはMCUの輻輳が発生または発生が予想される場合において、接続できない(以下、「不接」)と判断しても、その不接を理由を発側会議室に対して通知できないという点である。
【0029】
その理由は、
会議室に対して、不接理由の通知手段を有していないためである。
【0030】
第12の問題点は、
会議室と同一ATM網内に存在せず、たとえば社内イントラネット(LAN:local area network)など外部のいずれかの網の上(以下、「別網」と称する)に存在するAESAへの、会議室からの別網経由での検索に対応できないという点である。
【0031】
その理由は、
会議室とANSとの通信が、ATM網を用いなければならず、たとえば社内イントラネットなど外部のいずれかの網を経由できないためである。
【0032】
第13の問題点は、
SVC(スイッチド・バーチャル・コネクション)接続方式ではなく、PVC(パーマネント・バーチャル・コネクション)接続方式によるテレビ会議システムの実現ができないという点である。
【0033】
その理由は、
PVC方式の場合には、AESAに代わって、会議室を収容しているATMスイッチ名、回線番号、VPI(バーチャルパス識別子)、およびVCI(バーチャルチャネル識別子)が解決されなければならないためである。
【0034】
それ故、本発明の目的は、上述した問題点の各々を解決することができるATM・ネーム・システム(ANS)を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、会議室間で、ATM(asynchronous transfer mode)網を介して、構築されるテレビ会議システムのためのATM・ネーム・システム(ANS)において、
発側の会議室から、前記ATM網に対して、相手先の会議室とのコネクションの確立に先だつアドレス解決の要求が発せられた際に、前記ATM網から前記アドレス解決の要求を受信する受信手段と、
受信したアドレス解決の要求にて表わされる相手先の会議室名を元に、ATM・エンド・システム・アドレス(AESA)および相手先会議室の優先クラスを解決し、解決した結果を発側の会議室に前記ATM網を介して返答するアドレス解決手段とを有することを特徴とするATM・ネーム・システムが得られる。
【0036】
すなわち、本発明は、ATM網において、テレビ会議の伝送効率の向上、操作性向上および保守性の向上とを目指すものである。
【0037】
具体的には、伝送効率の向上として、限られた中継線容量と限られた多地点会議装置(MCU)とからなるATM網において、会議室の優先度を元にその使用を許可し、および、会議室の網内での位置を元に使用するMCUを選択する点である。
【0038】
また、操作性の向上として、予約による接続を行う点、ATM網以外の別網による会議室とANSとの接続を行う点、および、PVC方式における接続を行う点である。
【0039】
また、保守性の向上として、会議室名からAESAを解決できる点、強制的なコネクションの切断に対してその実行予告を会議室に対して通知できる点である。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0041】
図1を参照すると、本発明の一実施例によるATM・ネーム・システム(ANS)5は、アドレスデータベース(アドレスDB)5aと、予約データベース(予約DB)5bと、トポロジデータベース(トポロジDB)5cと、コネクションデータベース(コネクションDB)5dとを有している。
【0042】
アドレスデータベース5aは、会議室名とATM・エンド・システム・アドレス(AESA)とを対象させ登録したデータベースである。同時に、アドレスデータベース5aは、会議室の優先クラスを含めて管理している。このアドレスデータベース5aは、ATM網0の運用開始時に保守者によって登録され、構築される。
【0043】
予約データベース5bは予約情報を管理する。この予約データベース5bは、任意の時刻において、利用者から要求された将来のテレビ会議システムの利用の予約を登録管理する。
【0044】
トポロジデータベース5cは、ATM網0のトポロジを管理する。このトポロジデータベース5cは、ATM網0の運用開始時に保守者によって登録され、構築される。
【0045】
コネクションデータベース5dは、現在確立されているコネクションによるATM網0内資源(中継線帯域および多地点会議装置(MCU))を登録管理する。このコネクションデータベース5dは、ATM網0の運用中にANS5が自律的に更新する。
【0046】
図1は、本発明のANS5のATM網0内での位置づけと動作を表している。ATM網0を経由して会議室1(発呼側)が会議室2(着呼側)に対してテレビ会議開催のためのコネクションを設定する場面を考える。これを「2地点会議の即時接続」と称することとする。ここで「即時接続」とは、予約によらず開催される会議のための接続形態を指す。なお、「会議室」とは、一例として、送信用のテレビカメラおよびマイクロホン、受信用のテレビモニタおよびスピーカ、符号・復号化装置(コーディック)、ならびに、SVC(スイッチド・バーチャル・コネクション)対応機能を有するセル化・デセル化装置とから構成されるものとする。
【0047】
会議室1は、前提として、ANS5のAESAを知っている。これは保守者による事前登録によるためである。するとまず、会議室1は、ANS5に対してシグナリングチャネル15sを用いて発呼し、コネクション15を確立する。コネクション15が確立されると、会議室1はそれを用いてANSに対して2の会議室名を送る。これをANS要求151として表す。ANS5は、2の会議室名を鍵として、自身の持つアドレスデータベース5aを検索する。検索の結果得られた会議室2のAESAを、コネクション15を用いて会議室1に返答する。これをANS応答152として表す。このように会議室2のAESAが解決できると、会議室1はシグナリングチャネル15sを用いてコネクション15を解放する。
【0048】
つぎに会議室1は、会議室2のAESAが得られたので、会議室2のAESAに向けてシグナリングチャネル12sを用いて発呼する。これによって会議室1から会議室2に至るコネクション12が確立され、テレビ会議の開始が可能となる。
【0049】
なお、1LはATM網0から会議室1に至る物理的な回線であり、上述したシグナリングチャネル12sおよび15s、ならびに、コネクション12および15は、すべてこの回線1Lを通っている。同様に、2LはATM網0から会議室2に至る物理的な回線であり、上述したシグナリングチャネル12sおよびコネクション12が通る。また5LはATM網0からANS5に至る物理的な回線であり、上述したシグナリングチャネル15sおよびコネクション15が通る。
【0050】
図2は、図1の2地点会議の即時接続動作をシーケンスで表したものである。会議室1は、ANS5に対する接続を求め、ATM網に対して呼設定要求15aを渡す。ANS5から会議室1に至る応答15bが得られると、会議室1はANS5との間のコネクション15cが確立されたものと認識する。会議室1はそのコネクション15cを用いて、ANS5に対してアドレス解決を要求する。するとANS5は、各データベースを以下(1)から(4)の観点で参照する。(1)アドレスデータベース5aによって、会議室2の網内の位置を特定する。(2)トポロジデータベース5cによって、その接続が経由する中継回線を特定する。(3)コネクションデータベース5dによって、現在その中継回線の帯域の一部を占有している会議を特定する。(4)予約データベース5bならびにアドレスデータベース5aおよびトポロジデータベース5cによって、今後開催される予定である会議の占有する中継回線を特定する。これらから、要求された会議室への接続を許可するかを判断する。既存のコネクションおよび予約に対して影響を及ぼさないと判断するならば、接続を許可することになり、ANS3は会議室1に対し、会議室2のAESAを返答する。会議室1は、会議室2のAESAが得られた段階で、AESAに至るコネクション15cが不要になるので、15dの呼解放処理によってコネクション15cを解放する。
【0051】
続いて会議室1は、会議室2に対する接続を求め、ATM網に対して呼設定要求12aを行う。そして会議室2から会議室1に至る応答12bが得られると、会議室1と会議室2との間のコネクション12cが確立できる。以降、このコネクションを用いてテレビ会議が開催される。
【0052】
なお、ここで、呼設定要求15a、応答15bおよび呼解放処理15dとは、たとえばITU−T勧告Q。2931において定められる次の(1)から(3)のメッセージ群をそれぞれ代表したものである。すなわち、(1)「呼設定要求」は、「呼設定(SET UP)」メッセージおよびその応答である「呼受付(CALL PROC)」メッセージ、(2)「応答」は、「応答(CONNECT)」メッセージおよびその応答である「応答確認(CONN ACK)」メッセージ、(3)「呼解放処理」は、「解放(RELEASE)」メッセージおよびその応答である「解放完了(REL COMP)」メッセージである。これらは以降の説明においても同様である。
【0053】
図3は、予約による接続を行う場合の動作例である。これを2地点会議の予約接続と称することとする。
【0054】
まず、予約については次のとおりである。
【0055】
本発明のANS5は、任意の時刻において、将来開催される会議の予約登録を受け付ける。予約登録する内容としては、最低限、参加会議室、会議開催時刻および会議終了時刻である。登録はANS本体のキーボードや、LANなどの通信回線を用いた外部からの接続に因ってもいい。予約された内容に関しては、ANS5内の予約データベース5bに登録され、その会議の開始時刻においてANS5が会議室間の接続を起動する。
【0056】
ANS5は、予約データベース5bを周期的に参照する。予約時刻になった登録内容があれば、52によってその情報を得、接続すべき二つの会議室名を得る。本例では会議室1と会議室2との1対1接続の会議とする。ANS5はその会議室名を元に、アドレスデータベース5aを51によって検索し、参加する会議室のAESAを得る。次にANS5は参加する会議室の内の一つにむけての接続を求め、ATM網に対して呼設定要求15aを行う。会議室1からANS5に至る応答15bが得られると、ANS5は会議室1とのコネクション15cが確立されたものと認識する。ANS5はそのコネクションを用いてデータを転送し、会議室2のAESAを渡すとともに、会議室1に対して会議室2へむけての発呼を指示する。ここでANS5と会議室1とのコネクション15cは不要になるので、15dによって解放してもいい。
【0057】
会議室1は、ANS5から得た会議室2のAESAとそこへの接続指示に従い、網に対して呼設定要求12aを渡す。会議室2から会議室1に至る応答12bが得られると、会議室1は会議室2とのコネクション12cが確立されたものと認識する。以降、このコネクションを用いてテレビ会議が開催される。
【0058】
また、予約による会議の終了数分前(例として5分前)には、ANS5は少なくとも一方の会議室に対して切断の予告を行う。切断予告の方法としては、会議室に対してANSからのコネクションを確立し、そのコネクションを用いて切断予告のメッセージを送出する。それを受けた会議室は、まもなく切断されるむねの画面への合成表示またはアナウンスによって、会議参加者に対してこれを通知する。
【0059】
図4は、多地点会議の即時接続の場合の動作例である。会議室1、2、3、および4が参加して開催される4地点会議を考える。会議室1は、ANS5に対する接続を求め、ATM網に対して呼設定要求15aを渡す。ANS5から会議室1に至る応答15bが得られると、会議室1はANS5との間のコネクション15cが確立されたものと認識する。会議室1はそのコネクションを用いてデータを転送し、ANS5へのアドレス解決を要求する。
【0060】
ANS5は、50によって各データベースを以下の観点で参照する。(1)アドレスデータベース5aによって、会議室1、2、3、および4の網内の位置を特定する。(2)トポロジデータベース5cによって、その接続が経由する中継回線を特定する。(3)コネクションデータベース5dによって、現在その中継回線の帯域の一部およびMCUを占有している会議を特定する。(4)予約データベース5bならびにアドレスデータベース5aおよびトポロジデータベース5cによって、今後開催される予定である会議の占有する中継回線およびMCUを特定する。ANS5はこれらから、この4地点会議が使用すべき中継回線およびMCUを選出し、要求された会議室への接続を許可するかを判断する。既存のコネクションおよび予約に対して影響を及ぼさないと判断するならば、この4地点会議の接続を許可することになり、ANS5は会議室1に対し、会議の開催が可能であるむねを15cによって返答する。会議室1は、開催が可能と連絡を受けた段階で、AESAに至るコネクション15cが不要になるので、15dの呼解放処理によってコネクション15cを解放する。
【0061】
次に、ANS5は、MCU6に対する接続を求め、ATM網に対して呼設定要求56aを渡す。MCU6からANS5に至る応答56bが得られると、ANS5はMCU6との間のコネクション56cが確立されたものと認識する。
【0062】
するとANS5は、MCU6に対して、参加するすべての会議室1、2、3、および4のAESAを通達する。ANS5は、MCU6に対して、会議室1、2、3、および4のAESAを伝えた段階で、AESAに至るデータ用コネクション56cが不要になるので、56dの呼解放処理によってコネクション56cを解放する。
【0063】
接続を許可する場合には、次にANS5はアドレスデータベース5aを50によって検索し、会議室2、会議室3および会議室4のAESAを得る。
【0064】
ついでANS5はMCU6にむけての接続を求めて網に対して呼設定要求56aを行う。MCU6からANS5に至る応答56bが得られると、ANS5はMCU6とのコネクション56cが確立されたものと認識する。ANS5はそのコネクションを用いてデータを転送し、MCU6に対してすべての参加会議室のAESAを渡すと同時にそれらへの接続を指示する。この時点でANS5からMCU6へのコネクション56cは不要になるので、56dの呼解放処理を行う。
【0065】
つぎに、MCU6は、各参加会議室とのコネクションを確立する。たとえば、会議室1あてであれば、MCU6は会議室1にむけての接続を求めて、網に対して呼設定要求16aを行う。MCU6は、会議室1からの応答16bが得られると、コネクション16cが確立されたものと認識し、以降、そのコネクションを用いてテレビ会議が開催できるようになる。
【0066】
他の会議室に関しては、上記の動作を次のように読み替える。会議室2あてであれば、呼設定要求を26a、応答を26b、および、コネクションを26cとする。会議室3あてであれば、呼設定要求を36a、応答を36b、および、コネクションを36cとする。会議室4あてであれば、呼設定要求を46a、応答を46b、および、コネクションを46cとする。
【0067】
これら4本のコネクション16c、26c、36c、および、46cを用い、かつ、MCU6において映像および音声の合成処理を行うことにより、多地点テレビ会議が開催できる。
【0068】
図5は、多地点会議の予約接続の場合の動作例である。ANS5は、予約データベース5bを周期的に参照する。予約時刻になった登録内容があれば、52によってその情報を得、接続すべき三以上の会議室名を得る。本例では会議室1、会議室2、会議室3、および会議室4が参加する、4地点会議とする。
【0069】
まずANS5は、51によってアドレスデータベース5aを参照し、会議室1、2、3および4の網内の位置を特定する。つぎに、53によってトポロジデータベース5cを検索し、その接続が経由する中継回線を特定する。つぎに54によってコネクションデータベース5dを参照し、その中継回線の帯域の一部およびMCUを占有している即時会議を特定する。
【0070】
つぎに、予約データベース5bならびにアドレスデータベース5aおよびトポロジデータベース5cによって、今後開催される予定である会議の占有する中継回線およびMCUを特定する。これらから、この4地点会議が使用すべき中継回線およびMCUを選出し、要求された会議室への接続が行えるか判断する。ここで、既存のコネクションに対して影響を及ぼす場合には、既存のコネクションを強制切断する。
【0071】
次にANS5はMCU6にむけての接続を求め、網に対して呼設定要求56aを行う。MCU6からANS5に至る応答56bが得られると、ANS5はMCU6とのコネクション56cが確立されたものと認識する。ANS5はそのコネクションを用いてデータを転送し、会議室1、会議室2、会議室3、および会議室4のAESAを渡すとともに、すべての参加会議室にむけての発呼を指示する。ここでANS5とMCU6とのコネクション56cは不要になるので、56dによって解放してもいい。
【0072】
つぎに、MCU6は、各参加会議室とのコネクションを確立する。たとえば、会議室1あてであれば、MCU6は会議室1むけての接続を求めて、網に対して呼設定要求16aを行う。MCU6は、会議室1からの応答16bが得られると、コネクション16cが確立されたものと認識し、以降、そのコネクションを用いてテレビ会議が開催できるようになる。
【0073】
他の会議室に関しては、上記の動作を次のように読み替える。会議室2あてであれば、呼設定要求を26a、応答を26b、および、コネクションを26cとする。会議室3あてであれば、呼設定要求を36a、応答を36b、および、コネクションを36cとする。会議室4あてであれば、呼設定要求を46a、応答を46b、および、コネクションを46cとする。
【0074】
これら4本のコネクション16c、26c、36c、および、46cを用い、かつ、MCU6において映像および音声の合成処理を行うことにより、多地点テレビ会議が開催できる。
【0075】
図6はANS内の動作を表したフローである。例として1対1会議の場合を示す。まず、S2において、発側会議室からのアドレス解決要求に従った、着側会議室のAESAおよびその優先クラスをアドレスデータベースS3から検索する。また、発側会議室のクラスについては、アドレス解決要求元である発側会議室のAESAを鍵にすることで、同様にアドレスデータベースS3から検索できる。このようにしてANSは、発側会議室のAESAと着側会議室のAESAとを認識する。ついでANSは、S4によってトポロジデータベースS5を参照する。トポロジデータベースS5には保守者によって登録された網トポロジ情報が登録されている。したがって、新規のこのコネクションの経由する網内経路が判別する。
【0076】
経路が判明すると、S6においてANSは、コネクションデータベースS7を参照し、新規のコネクションが経由すべき中継回線上にすでに存在するコネクションの帯域占有状況を把握する。ついでS8において予約データベースS9を検索し、経路上の帯域を今後占有することになる予約情報の有無を検索する。S10において、経路上の空き帯域が「あり」と判断された場合には、S15としてANSはコネクションの確立を認め、発側会議室に対して着側会議室のAESAを返答する。
【0077】
S10において、経路上の空き帯域が「なし」と判断された場合には二つの処理がある。S11の判断として、優先クラスの低い会議室間に確立されているコネクションを削除することで帯域が確保できるならば、ANSは、S12においてその強制切断の対象を選定する。さらにS13において、強制切断の対象となった会議室に対して、切断予告を送出する。これは、網の障害に起因するコネクションの切断なのか、輻輳に伴う強制切断によるものなのかを、テレビ会議を開催中の会議室に対して通知し、区別させるためである。次にS14で強制切断を行う。この強制切断によって空いた帯域を用いて、S15において新規のコネクションを確立する。強制切断の方法としては、会議室またはMCUに対し、ANSからコネクションを確立し、それを用いたメッセージによって、切断を指示する。
【0078】
一方、強制切断が不可能な場合には、S16において会議室に対して不接となるむねを連絡し、S17にて不接として本シーケンスは終了する。ここで強制切断が不可能な場合の例としては(1)予約接続が予定されている。(2)すでに即時接続で接続中のコネクションが、新規発生呼よりも優先度が高い、などがある。
【0079】
なおコネクションの優先度の判断方法は、各種ありえ、発側会議室と着側会議室との優先度の平均を取ってもいいし、少なくともどちらか一方が高優先であれば高優先として扱ってもいいし、また、少なくともどちらか一方が低優先であれば低優先として扱ってもいい。またここで、優先度として2値を超えるクラス分けを行ってもいい。
【0080】
また、中継線上の占有帯域があらかじめ定めた規定値を超え、残帯域が僅かとなった場合を輻輳と認識し、その状況下においては高優先のコネクションだけの確立を受け付ける制御方法を取る。
【0081】
図7は、本発明方式のANSが保持している項目内容について、とくにアドレスデータベースについて、概念を示すものである。
【0082】
5a1は項番、5a2は会議室名、5a3はAESA、5a4は加入者の優先度を表すクラスである。
【0083】
会議室名5a2は、漢字で登録された会議室名であり、従来の「salmon。data。example。com」という階層化されかつASCII文字列で表されたホスト名と異なる。
【0084】
AESA 5a3の持つ情報は、本来は16進表記で40桁となるが、本図では桁数を省略して表している。
【0085】
クラス5a4の持つ情報としては、本例では「優先」および「非優先」の二つの段階を示した。ただし、三段階またはそれ以上の段階を設定してもいい。
【0086】
図8は、従来のANSが保持している項目内容について、概念を示すものである。
【0087】
5a5は項番、5a6はホスト名、5a7は、問い合わせの結果に得られるAESAまたは問い合わせを転送する先の上位のANSである。
【0088】
項番3の例は、問い合わせのあったホスト名がこのANSの登録範囲外であり、上位のANSへの問い合わせを必要とする場合を示す例である。ここでは、「。data。example。com」階層の本ANSでは解決できず、上位の「。example。com」階層のANSへ問い合わせすべき場合の例を示した。
【0089】
図9は、複数のMCUを有する網で多地点会議を開催する場合のMCU選択論理の説明である。この場合、参加する会議室の網内の位置を意識したMCUの選択を行う。ATM網0において、四つの会議室が参加する多地点会議が開催される場合を例として説明する。参加する会議室は会議室1、会議室2、会議室3および会議室4の四箇所である。
【0090】
81、82および83はそれぞれATMスイッチである。61および62はそれぞれMCUであり、順にMCU1およびMCU2と称することにする。
【0091】
本網構成と本参加会議室例の場合、MCU1を選択すれば、中継回線823の帯域を占有するコネクションはなく、帯域の使用効率がいい。同時に中継区間長および経由するスイッチの段数を少なくでき、伝搬遅延やATMスイッチ内部での交換処理に要する時間を小さくできる。反対にMCU2を選択すれば、中継回線823の帯域を占有することになるので、網内資源の使用効率が悪くなる。同時に、伝搬遅延やATMスイッチを多段に経由することに起因する交換処理に要する時間が大きくなる。
【0092】
本発明のANSは、図9のようなトポロジ情報をトポロジデータベースとして有することによって、多地点会議に参加する会議室名を鍵に、使用すべき最適なMCUのAESAを解決し返答する手段を有している。このための論理としては、たとえば、占有する中継回線区間数や占有帯域幅などに従ってMCUを選択する方法がある。
【0093】
このとき会議室側はMCUを選択し指定する必要はなく、ANSが最適なMCUを選択する。
【0094】
なお、ATM網の場合には、AESAを上位側から参照することによってその一部でその会議室が収容されているATMスイッチが判読できる。このため、アドレスデータベースを参照し会議室名からAESAを解決すれば、その会議室が網内のどのスイッチの配下に存在するかが判り、したがって網内での位置を特定できる。
【0095】
図10は、予約データベースの構成例を表したものである。その内容については以下のとおりである。予約データベースはテレビ会議の接続を使用者が予約した段階、および、その予約が実行された接続の終了時に更新される。
【0096】
項番5b1は、データベース登録項目の項番を示している。接続5b2は予約接続の接続元と接続先を表している。項番1の例として示したのが二地点間の会議であり、また、項番2の例として示したのが多地点会議であり、ここでは4地点の場合を例とした。日時5b3は予約接続の開始および終了時刻を示す。
【0097】
図11は、トポロジデータベースの構成例を表したものである。その内容については以下のとおりである。項番5c1はデータベース登録項目の項番を示している。区間5c2は会議室とATMスイッチの間の加入者回線、および、ATMスイッチ相互間の接続関係を示している。帯域容量5c3は、回線の帯域を示している。
【0098】
図12は、コネクションデータベースの構成例を表したものである。その内容については以下のとおりである。コネクションデータベースの登録内容は、コネクションの確立および削除時に、ANSにおいて自動的に更新される。
【0099】
項番5d1はデータベース登録項目の項番を示している。占有区間5d2は、コネクションごとに、そのコネクションが経由する中継線経路を示している。予約/即時5d3は、そのコネクションが予約接続によったものなのか、即時接続によったものなのかの区別を表す。これは、コネクションの優先度の判断の一材料であり、とくに強制切断時の候補の選択に資するためである。開始時刻5d4はそのコネクションの確立時刻を示している。これは、コネクションの優先度の判断の一材料であり、とくに強制切断時の候補の選択に資するためである。クラス5d5はコネクションの優先度を表すものである。これは会議室の優先度を反映したものである。コネクションの優先度の判断の一材料であり、とくに強制切断時の候補の選択に資するためである。ここで、「優先の会議室」と「非優先の会議室」とを結ぶコネクションの扱いは、運用に依存し、優先・非優先のどちらでも実現しうる。また呼の確立ごとに優先・非優先を会議室が選択し、網へ申告する手段を有していてもいい。
【0100】
なおここで「映像」としたのは、音声を含み、かつ書画カメラやカメラの方向制御などのテレビ会議を開催する上で映像信号に付随する信号を代表して表している。
【0101】
図13は、会議室とANSとの接続において、ATM網を用いない実現方法を表したものである。
【0102】
会議室1とANS5とが、ATM網0とは別のLAN(local area network)6によってイントラネットとして結ばれている場合にも上述したのと同じ動作が可能である。すなわち、これは、前述の例において、会議室1からANS5への問い合わせ用のコネクション15cがATM網0を経由して確立されていたのを、LAN6経由による問い合わせによって実現すればいい。
【0103】
なお図13では会議室2とANS5とを結ぶLANを省略して表しているし、またすべての会議室とANSとはLANを経由して結ばれている。
【0104】
図14は、LANを用いた本発明の実施例を示したものである。
【0105】
例とするのは、2地点会議の即時接続時のシーケンス図である。会議室1はLANを経由してANS5とデータ15cを送受する。ここで送受されるデータの内容は、前出のANS要求・ANS応答と同一の内容である。つまり、ATM網内のコネクションを用いていた接続を、LAN経由にしたものである。以降、ATM網内のコネクションを用いる方式と同一の動作となり、50において、アドレスデータベース5a、予約データベース5b、トポロジデータベース5c、およびコネクションデータベース5dを参照することによって、要求された会議の開催が可能であるかを判断する。可能であれば、ANSは会議室1に対してAESAを解決し返答する。会議室1はそれを受け、会議室2への呼設定要求12aを網に通知し、会議室2からの応答12bをもってコネクション12cが確立されたものと判断する。そのあと、コネクション12cを用いて会議が開催される。
【0106】
図15は、テレビ会議システムの構築をSVC(スイッチド・バーチャル・コネクション)による接続方式に依らず、PVC(パーマネント・バーチャル・コネクション)による接続方式によって実現する方法を表したものである。
【0107】
この場合には、ANS5は、解決するのはAESAではなく、その会議室が収容されているATMスイッチ、回線番号、VPI(バーチャルパス識別子)、およびVCI(バーチャルチャネル識別子)である。そして解決した結果についての接続指示は、ANS5からATM網0に対する指示として、57として示される。実際にはATM網側の本制御の受け口は、NMS(網管理装置)である。
【0108】
図16は、図15で説明したPVC方式の場合のANS5の登録内容例である。5a8は項番、5a9は会議室名、5a10は収容位置、5a11は加入者の優先度を表すクラスである。
【0109】
このようにPVC方式の場合には、SVC方式の場合の会議室のAESAに代わって、会議室が収容されているATMスイッチ名、その回線番号、そのVPI(バーチャルパス識別子)、およびそのVCI(バーチャルチャネル識別子)が登録されることになる。
【0110】
図17は、PVC方式を用いた本発明の実施例を示したものである。例とするのは、2地点会議の即時接続時のシーケンス図である。PVC方式の場合には、各会議室とANSとの間の通信は、この間のPVCをあらかじめ用意し、それを用いたメッセージ交換によって行われる。したがって会議室1は、保守者によって会議室1とANS5との間にあらかじめ確立されているPVCを用いて、データ15cを送受する。ここで送受されるデータの内容は、前出のANS要求・ANS応答と同一の内容である。つまり、ATM網内のコネクションを用いていた接続を、LAN経由にしたものである。以降、ATM網内のコネクションを用いる方式と同一の動作となり、50において、アドレスデータベース5a、予約データベース5b、トポロジデータベース5c、およびコネクションデータベース5dを参照することによって、要求された会議の開催が可能であるかを判断する。可能であれば、ANS5はNMS(網管理装置)7に対して57によってPVCの確立を指示する。NMS7はそれを受け、ATM網内のスイッチ8に対して78によってPVCの確立を指示する。ここでスイッチ8の台数は複数であってもいい。このようにしてコネクション12cがPVCによって確立され、このコネクション12cを用いて会議が開催される。
【0111】
【発明の効果】
本発明による第1の効果は、
「階層化されたドメイン名を伴ったホスト名」に依らず、かつ、中継回線の帯域やMCUが輻輳した際における、会議室の重要度に応じての接続の優先度を保守者が事前に登録できるという点である。
【0112】
その理由は、
まず階層化に関しては、ANSが、AESAの解決に際して、「階層化されたドメイン名を伴ったホスト名」を鍵とすることが求められないためである。つぎに重要度に関しては、会議室の優先/非優先を表すクラスの登録が行えるためである。
【0113】
本発明による第2の効果は、
多地点会議の場合に、各会議室からの接続先(コネクションの確立先)となるべき、画面合成や音声合成を司るMCUのAESAを解決できるという点である。
【0114】
その理由は、
三地点以上の会議室を結んで開催される会議(すなわち、多地点会議)の場合に、参加するすべての会議室のAESAを解決しないためである。
【0115】
本発明による第3の効果は、
多地点会議と判断した場合にMCUのAESAを解決するが、最適な位置のMCUを選択し、そのMCUのAESAが解決できる点である。
【0116】
その理由は、
多地点会議に参加するすべての会議室について、網内でのそれぞれの位置を認識し、かつ、該接続の実行に伴う中継回線の帯域消費の結果を予測できるためである。
【0117】
本発明による第4の効果は、
最適なMCUのAESAが解決できたと仮定した場合においても、AESAの解決後の呼設定段階において、参加するすべての会議室とMCUとを接続する手段があるという点である。
【0118】
その理由は、
最適なMCUと参加するすべての会議室とを接続するために、MCUから各会議室に向けての発呼を行わせるべく、ANSがMCUに対してその発呼を指示できるためである。
【0119】
本発明による第5の効果は、
あらかじめ開始時刻、終了時刻および接続会議室名を含む予約を受け付け、それによる接続(コネクションの確立)ができるという点である。
【0120】
その理由は、
あらかじめ受け付けた予約によるコネクションの確立および削除を、所定時刻において所定相手先に対して実行することができるという点である。
【0121】
本発明による第6の効果は、
予約による接続の終了時刻の前に、その予約接続にて接続中の会議室に当てて、切断予告を通知できるという点である。
【0122】
その理由は、
予約による接続の終了時刻を管理する手段、および、会議室に対して切断の予告を通知する手段を有しているためである。
【0123】
本発明による第7の効果は、
AESAの解決の要求の受信に際して、その解決の結果に伴うコネクションの確立の可否を判断する手段を有しているという点である。
【0124】
その理由は、
網内における現在の中継回線の帯域占有状況、MCUの占有状況および今後の予約状況とを管理しているためである。
【0125】
本発明による第8の効果は、
保守者により事前に登録された会議室ごとの優先クラスを参照し、優先クラスの上下を元に、中継回線の帯域またはMCUの輻輳時において優先クラスが上の会議室を優先して接続できるという点である。
【0126】
その理由は、
優先クラスが上の会議室を優先して接続するという判断の手段を有しているためである。
【0127】
本発明による第9の効果は、
クラスが上であり、優先度の高い会議室からの接続要求を受信した際にも、中継回線の帯域およびMCUの輻輳時において、優先度の低いテレビ会議のコネクションを強制的に切断できるという点である。
【0128】
その理由は、
優先度の低いテレビ会議のコネクションを強制的に切断する手段を有しているためである。
【0129】
本発明による第10の効果は、
仮にコネクションの強制的な切断を行ったとしても、参加者は網の障害という異常な現象に起因する切断なのか、強制切断という正常な処理に基づく切断なのかを識別できる方法があるという点である。
【0130】
その理由は、
強制切断されるテレビ会議の参加者への、通知方法があるためである。
【0131】
本発明による第11の効果は、
AESAの解決の要求に対して、中継回線の帯域またはMCUの輻輳が発生または発生が予想される場合において、接続できない(不接)と判断しても、その接続できないを発側会議室に対して通知できるという点である。
【0132】
その理由は、
会議室に対して、接続できない理由の通知手段を有しているためである。
【0133】
本発明による第12の効果は、
会議室と同一のATM網内に存在せず、たとえば社内イントラネット(LAN)など外部のいずれかの網の上(、すなわち、別網)に存在するAESAへの、会議室からの別網経由での検索に対応できるという点である。
【0134】
その理由は、
会議室とANSとの通信が、ATM網を用いなくてよく、たとえば社内イントラネットなど外部の任意の網を経由できるためである。
【0135】
本発明による第13の効果は、
SVC(スイッチド・バーチャル・コネクション)接続方式ではなく、PVC(パーマネント・バーチャル・コネクション)接続方式によるテレビ会議システムの実現ができるという点である。
【0136】
その理由は、
PVC接続方式の場合には、AESAの代りに、会議室を収容しているATMスイッチ名、回線番号、VPI、およびVCIが解決されるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のブロック図。
【図2】本発明の一実施例による2地点会議の即時接続時のシーケンス図。
【図3】本発明の一実施例による2地点会議の予約接続時のシーケンス図。
【図4】本発明の一実施例による4地点会議の即時接続時のシーケンス図。
【図5】本発明の一実施例による4地点会議の予約接続時のシーケンス図。
【図6】本発明の一実施例による2地点間の即時接続時のフロー図。
【図7】本発明の一実施例におけるアドレスデータベースの構成図。
【図8】従来のANSの構成図。
【図9】本発明の一実施例によるMCU選択論理を説明するための、トポロジ図。
【図10】本発明の一実施例による予約データベースの構成図。
【図11】本発明の一実施例によるトポロジデータベースの構成図。
【図12】本発明の一実施例によるコネクションデータベースの構成図。
【図13】本発明のLANを用いた実施例の構成図。
【図14】本発明のLANを用いた実施例による2地点会議の即時接続時のシーケンス図。
【図15】本発明のPVC方式を用いた実施例の構成図。
【図16】本発明のPVC方式を用いた実施例のアドレスデータベースの構成図。
【図17】本発明のPVC方式を用いた実施例による2地点会議の即時接続時のシーケンス図。
【符号の説明】
0 ATM網
1 会議室1
12 通話チャネル(会議室1〜会議室2、映像用)
12a 呼設定信号(会議室1〜会議室2)
12b 応答信号(会議室1〜会議室2)
12c PVC(会議室1〜会議室2、映像)
12s 信号チャネル(会議室1〜会議室2)
15 ANS接続(会議室1〜ANSの問い合わせ用チャネル)
151 ANS要求信号(会議室1〜ANS)
152 ANS応答信号(会議室1〜ANS)
15a 呼設定信号(会議室1〜ANS)
15b 応答信号(会議室1〜ANS)
15c データ(会議室1〜ANS)
15d 解放信号(会議室1〜ANS)
15s 信号チャネル(会議室1〜ANS)
16a 呼設定信号(会議室1〜MCU)
16b 応答信号(会議室1〜MCU)
16c 映像信号(会議室1〜MCU)
1L 会議室1への回線
2 会議室2
26a 呼設定信号(会議室2〜MCU)
26b 応答信号(会議室2〜MCU)
26c 映像信号(会議室2〜MCU)
2L 会議室2への回線
3 会議室3
36a 呼設定信号(会議室3〜MCU)
36b 応答信号(会議室3〜MCU)
36c 映像信号(会議室3〜MCU)
4 会議室4
46a 呼設定信号(会議室4〜MCU)
46b 応答信号(会議室4〜MCU)
46c 映像信号(会議室4〜MCU)
5 ANS
50 データベース検索
51 アドレスデータベース検索
52 予約データベース検索出力
53 トポロジデータベース検索
54 コネクションデータベース検索
56a 呼設定信号(ANS〜MCU)
56b 応答信号(ANS〜MCU)
56c データ(ANS〜MCU)
56d 解放信号(ANS〜MCU)
57 PVC確立指示(ANS〜網(NMS))
5a アドレスデータベース
5a1 項番(アドレスデータベース内)
5a2 会議室名(アドレスデータベース内)
5a3 AESA(アドレスデータベース内)
5a4 クラス(アドレスデータベース内)
5a5 項番(従来方式のアドレスデータベース内)
5a6 ホスト名(従来方式のアドレスデータベース内)
5a7 AESAまたは解(従来方式のアドレスデータベース内)
5a8 項番(PVC方式のアドレスデータベース内)
5a9 会議室名(PVC方式のアドレスデータベース内)
5a10 収容位置(PVC方式のアドレスデータベース内)
5a11 クラス(PVC方式のアドレスデータベース内)
5b 予約データベース
5b1 項番(予約データベース内)
5b2 接続(予約データベース内)
5b3 日時(予約データベース内)
5c トポロジデータベース
5c1 項番(トポロジデータベース内)
5c2 区間(トポロジデータベース内)
5c3 帯域容量
5d コネクションデータベース
5d1 項番(コネクションデータベース内)
5d2 占有区間(コネクションデータベース内)
5d3 予約/即時(コネクションデータベース内)
5d4 開始時刻(コネクションデータベース内)
5d5 クラス(コネクションデータベース内)
5L ANSへの回線
6 LAN
61 MCU1
62 MCU2
7 NMS
78 PVC確立指示(NMS〜ATMスイッチ)
8 ATMスイッチ
81 ATMスイッチ
82 ATMスイッチ
823 中継回線
83 ATMスイッチ
9 LAN

Claims (13)

  1. 異なる会議室に置かれたテレビ会議端末(以降、会議室に置かれたテレビ会議端末を、単に、会議室と称する。)間で、ATM(asynchronous transfer mode)網を介して、構築されるテレビ会議システムのためのATM・ネーム・システム(ANS)において、
    会議室に、階層化されたホスト名とは異なる会議室名を与え、発側の会議室から、前記ATM網に対して、相手先の会議室とのコネクションの確立に先だつアドレス解決の要求が発せられた際に、前記ATM網から前記アドレス解決の要求を受信する受信手段と、
    受信したアドレス解決の要求にて表わされる相手先の会議室名を元に、ATM・エンド・システム・アドレス(AESA)および相手先会議室の優先クラスを解決し、解決した結果を発側の会議室に前記ATM網を介して返答するアドレス解決手段とを有することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  2. 請求項1に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    前記アドレス解決手段は、前記受信したアドレス解決の要求にて表わされた相手先の会議室名を元に、その会議室の会議の接続の形態が三以上の地点を同時に結び開催される多地点会議であると判断した場合に、接続の相手先となる前記多地点会議へ参加するすべての会議室のATM・エンド・システム・アドレスを解決するのではなく、前記多地点会議のための多地点会議装置(MCU)のATM・エンド・システム・アドレスを解決することを有するATM・ネーム・システム。
  3. 請求項2に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    網トポロジデータベースを、更に、有し、
    前記アドレス解決手段は、前記ATM網内に複数の多地点会議装置が存在する場合に、保守者によって事前に登録された前記網トポロジデータベースを参照することによって、前記多地点会議に参加するすべての会議室の前記ATM網内での位置を認識し、前記すべての会議室の接続の実行に伴う前記ATM網内の中継回線の帯域占有の結果を予測し、前記複数の多地点会議装置のうち最適な位置の多地点会議装置を選択し、選択された多地点会議装置のATM・エンド・システム・アドレスを解決することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  4. 請求項2に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    前記アドレス解決手段が前記多地点会議装置のATM・エンド・システム・アドレスを解決した後の呼設定段階において、前記多地点会議に参加するすべての会議室と前記多地点会議装置とを接続するために、前記多地点会議装置から参加するすべての会議室に向けて発呼を行うべく、前記多地点会議装置に対してその発呼を指示する手段を、更に、有することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  5. 請求項2に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    開始時刻、終了時刻、および接続相手先の会議室とを含む予約を、あらかじめ、受け付け、該予約による接続を、前記開始時刻において前記接続相手先会議室に対して実行する手段を、更に、有することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  6. 請求項5に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    前記予約による接続の終了時刻の前に、その予約による接続にて接続中の会議室に当てて、切断予告を通知する手段を、更に、有することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  7. 請求項5に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    コネクションデータベースを、更に、有し、
    前記受信したアドレス解決の要求に対し、前記コネクションデータベースにおける前記ATM網内における現在の中継回線の帯域占有状況、前記多地点会議装置の占有状況、および今後の予約状況を元に、前記相手先会議室との接続の実施および不実施を判断する手段を、更に、有することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  8. 請求項7に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    保守者による事前設定によって定められる会議室ごとの優先クラスを参照し、前記帯域および前記多地点会議装置の輻輳時においては優先クラスが上の会議室を優先的に接続させる手段を、更に、有することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  9. 請求項8に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    中継回線の空き帯域と前記多地点会議装置の空き状況から、既存のコネクションに対する強制切断の適用が必要であると認識した場合には、既存のコネクションに対して強制切断を行う手段を、更に、有することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  10. 請求項9に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    強制切断を行う前に、強制切断の対象となる会議室に当てて強制切断を通知する手段を、更に、有することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  11. 請求項1に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    前記アドレス解決手段は、前記アドレスの解決要求に対して、接続できない(不接)と返答する場合に、接続できない理由を前記一つの会議室に対して通知することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  12. 請求項1に記載のATM・ネーム・システムにおいて、
    前記ATM・ネーム・システムが前記ATM網に接続されずに、前記ATM・ネーム・システムが社内イントラネット(LAN:local area network)などの別網を介して前記会議室に接続されている場合であって、前記ATM・ネーム・システムが前記発側の会議室からの前記アドレス解決の要求を、前記別網を経由して受信した場合にも、前記ATM・ネーム・システムは、前記アドレス解決の要求を、前記発側の会議室から前記ATM網を経由して受信した場合と同様に対処することを特徴とするATM・ネーム・システム。
  13. 請求項1に記載のATM・ネーム・システムにおいて、前記テレビ会議システムが、SVC(スイッチド・バーチャル・コネクション)接続方式ではなく、PVC(パーマネント・バーチャル・コネクション)接続方式で実現された場合には、前記アドレス解決手段は、受信したアドレス解決の要求にて表わされる相手先の会議室名を元に、前記ATM・エンド・システム・アドレスの代りに、その相手先の会議室が収容されているATMスイッチ、回線番号、VPI(バーチャルパス識別子)、およびVCI(バーチャルチャネル識別子)を解決すると共に、相手先会議室の優先クラスを解決することを特徴とするATM・ネーム・システム。
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