JP3555340B2 - 挟み込み検知装置及びパワーウインドウ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、挟み込み防止機能を有するパワーウインドウ装置、及びそのパワーウインドウ装置に用いられて、窓ガラスと窓枠との間に人体等の異物が挟まれたことを検知する挟み込み検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のパワーウインドウ装置として、窓ガラス(ウインドウガラス)と窓枠との間に人体等の異物が挟み込まれたか否かを検出するための手段を備え、窓ガラスを閉じ側(上昇側:アップ)に制御している際に異物の挟み込みを検知すると、窓ガラスの閉じ側制御を即座に停止して開き側(下降側:ダウン)制御に転じる、といった挟み込み防止機能を有するものが実用化されている。
【0003】
そして、上記のような挟み込み検知を行うための方式としては、直接方式と間接方式とが考えられている。
即ち、直接方式とは、外部から加わる圧力に応じて出力値(例えば、抵抗値や電圧値)が変化する感圧センサを窓枠の上縁に取り付け、この感圧センサの出力値が予め設定された判定値に達したとき、つまり、窓枠に加わる負荷が所定値よりも大きくなったときに、挟み込みが発生したと判定する方式である。
【0004】
一方、間接方式とは、窓ガラスを開閉させるモータ(所謂パワーウインドウモータ)の駆動電流或いは回転速度を検出し、その検出値が予め設定された判定値に達したとき、つまり、窓ガラスに加わる負荷が増加して、モータの駆動電流が所定値よりも大きくなるか或いはモータの回転速度が所定値よりも小さくなったときに、挟み込みが発生したと判定する方式である。
【0005】
ここで、この種の挟み込み防止機能を有するパワーウインドウ装置では、挟み込みが発生したことを、窓ガラスと窓枠との間の荷重が小さい時点で、いち早く検知することが望まれており、このためには、挟み込みが発生したか否かを判定するための判定値を、できるだけ敏感な側に設定する必要がある。
【0006】
しかしながら、上記間接方式を採用した場合には、窓枠に設けられた防水用のゴム(所謂ウエザーストリップ)が寒冷地で硬くなる等の原因により窓ガラスの摺動抵抗が増加しても、モータの駆動電流や回転速度は変動するため、前述の如く挟み込み判定用の判定値を敏感な側に設定すると、人体等が挟まれていないにも拘らず、挟み込みが発生したと誤検出されて、窓ガラスを閉じることができなくなってしまう。
【0007】
また、上記直接方式を採用した場合でも、感圧センサの出力値は、車両走行時の振動や電磁波の影響(EMI)によって変化する可能性があるため、間接方式の場合と同様に、挟み込み判定用の判定値を敏感側に設定すると、誤検出により窓ガラスを閉じることができなくなってしまう。
【0008】
そこで、このような誤検出を防止するために、例えば特開平7−4137号公報には、上記直接方式と間接方式との両方を採用し、両方式によって同時に挟み込みの発生を検知した場合にのみ、本当に挟み込みが発生したと判断するように構成することが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公報に開示の技術では、例えばセンサが故障する等して、直接方式と間接方式の内の何れか一方の方式が機能しなくなると、挟み込みを防止するための動作(窓ガラスの閉じ側制御の強制停止)を行うことができなくなってしまう、という問題がある。
【0010】
また更に、上記公報に開示の技術では、窓枠に雨避け用のバイザ(所謂サイドウインドウバイザ)が装着されると、この種のバイザの先端(下端)は窓枠よりも窓ガラスの先端(上端)側へ張り出すため、直接方式の感圧センサに圧力が加わる前に、バイザと窓ガラスとの間で人体等を挟み込んでしまう可能性がある。そして、この場合には、感圧センサによる直接方式の挟み込み検知が行われないことから、感圧センサが故障した場合と同じこととなり、この結果、挟み込みを防止するための動作を行うことができなくなってしまう。
【0011】
一方、直接方式と間接方式との内の何れか一方の方式により挟み込みの発生を検知した場合に、挟み込みが発生したと判断するように構成することも考えられる。しかしながら、ただ単にこのように構成しても、前述した各方式に共通の欠点、即ち、挟み込みの発生を素早く検知すべく挟み込み判定用の判定値を敏感な側に設定すると誤検出してしまう、という問題を解決することができず、挟み込みの発生を素早く且つ正確に検出することはできない。
【0012】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、車両の窓ガラスと窓枠との間に人体等が挟まれたことを素早く検知できると共に、通常状態での誤検出を防止することができる挟み込み検知装置と、この挟み込み検知装置を用いた安全性及び信頼性の高いパワーウインドウ装置とを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の挟み込み検知装置においては、第1の検出手段が、窓枠に加わる負荷に応じた電気信号を出力し、第1の判定手段が、第1の検出手段から出力される電気信号の値が第1の判定値に達したか否かを判定する。
【0014】
また、第2の検出手段が、窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号を出力し、第2の判定手段が、第2の検出手段から出力される電気信号の値が第2の判定値に達したか否かを判定する。
そして、検知手段が、第1の判定手段及び第2の判定手段の内の何れか一方によって肯定判定されると(つまり、第1の判定手段により、第1の検出手段から出力される電気信号の値が第1の判定値に達したと判定されるか、或いは、第2の判定手段により、第2の検出手段から出力される電気信号の値が第2の判定値に達したと判定されると)、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟まれたと検知する。
【0015】
ここで特に、請求項1に記載の挟み込み検知装置では、第1の設定手段が、前記第1の判定値を、第2の検出手段から出力される電気信号の値に応じて、その電気信号の値が窓ガラスに加わる負荷が大きいことを示す場合ほど、第1の判定手段が窓枠に負荷が加わった際に肯定判定し易くなるように設定する。
【0016】
また、第2の設定手段が、前記第2の判定値を、第1の検出手段から出力される電気信号の値に応じて、その電気信号の値が窓枠に加わる負荷が大きいことを示す場合ほど、第2の判定手段が窓ガラスに負荷が加わった際に肯定判定し易くなるように設定する。
【0017】
つまり、請求項1に記載の挟み込み検知装置では、窓枠に加わる負荷に応じて出力される第1の検出手段からの電気信号の値が、第1の設定手段にて設定された第1の判定値に達したと、第1の判定手段によって判定されるか、或いは、窓ガラスに加わる負荷に応じて出力される第2の検出手段からの電気信号の値が、第2の設定手段にて設定された第2の判定値に達したと、第2の判定手段によって判定された場合に、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟まれたと検知するようにしており、特に、上記第1の判定値を、窓ガラスへの負荷が大きい場合ほど第1の判定手段が肯定判定し易くなるように設定し、また、上記第2の判定値を、窓枠への負荷が大きい場合ほど第2の判定手段が肯定判定し易くなるように設定するようにしている。
【0018】
そして、このような請求項1に記載の挟み込み検知装置によれば、以下のような作用及び効果を奏する。
まず、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟み込まれていない通常状態において、例えば、いたずら行為によって窓枠に負荷が加えられた場合、或いは、第1の検出手段が出力する電気信号が、ノイズや車両走行時の振動によって変動した場合には、窓ガラスへの負荷は大きくならないため、上記第1の判定値は、第1の設定手段により第1の判定手段が肯定判定し難い値に設定される。よって、このように窓枠に加わる負荷だけが大きくなったり、第1の検出手段が出力する電気信号だけがノイズ等で変動しても、挟み込みが発生したと誤検出することはない。
【0019】
また同様に、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟み込まれていない通常状態において、例えば寒冷地での凍り付きや窓枠の経時変化により窓ガラスの摺動抵抗が増加して、窓ガラスに加わる負荷が大きくなった場合、或いは、第2の検出手段が出力する電気信号が、ノイズ等によって変動した場合には、窓枠への負荷は大きくならないため、上記第2の判定値は、第2の設定手段により第2の判定手段が肯定判定し難い値に設定される。よって、このように窓ガラスに加わる負荷だけが大きくなったり、第2の検出手段が出力する電気信号だけがノイズ等で変動しても、挟み込みが発生したと誤検出することはない。
【0020】
これに対し、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟み込まれた場合には、窓枠に加わる負荷と窓ガラスに加わる負荷との両方が大きくなる。そして、上記第1の判定値は、第1の設定手段により第1の判定手段が肯定判定し易い値に設定されると共に、上記第2の判定値は、第2の設定手段により第2の判定手段が肯定判定し易い値に設定される。
【0021】
よって、窓ガラスと窓枠との間に本当に異物が挟み込まれた場合には、窓枠に加わる負荷が小さい時点で第1の判定手段が肯定判定すると共に、窓ガラスに加わる負荷が小さい時点で第2の判定手段が肯定判定することとなり、この結果、窓枠と窓ガラスとの間の荷重が極めて小さい時点で、検知手段が、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟まれたと検知することとなる。
【0022】
従って、このような請求項1に記載の挟み込み検知装置によれば、窓ガラスと窓枠との間に人体等が挟まれたことを素早く検知することと、通常状態での誤検出を防止することとを、極めて高い次元で両立させることができる。
そして更に、請求項1に記載の挟み込み検知装置によれば、第1の検出手段及び第2の検出手段の内の何れか一方が故障しても、正常時よりは挟み込み検知のタイミングが遅れるものの、挟み込みが発生したこと自体は検知することができる。また、窓枠に雨避け用のバイザ(サイドウインドウバイザ)が装着されており、そのバイザと窓ガラスとの間で人体等を挟んでしまった場合でも、窓ガラスに加わる負荷が大きくなれば、挟み込みが発生したことを検知することができる。
【0023】
ところで、第1の検出手段と第2の検出手段は、請求項2又は請求項3に記載のように構成することができる。
即ち、請求項2に記載の挟み込み検知装置では、第1の検出手段が、窓枠に取り付けられ、外部から加わる圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサを備えており、この感圧センサの抵抗値に応じた電圧信号を、窓枠に加わる負荷に応じた電気信号として出力する。また、第2の検出手段が、窓ガラスを開閉するモータの駆動電流に応じた電圧信号を、窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号として出力するように構成されている。
【0024】
一方、請求項3に記載の挟み込み検知装置では、第1の検出手段が、請求項2に記載の挟み込み検知装置と同様に構成されており、第2の検出手段が、窓ガラスを開閉するモータの回転速度に応じた電気信号を、窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号として出力するように構成されている。
【0025】
そして、このような請求項2又は請求項3に記載の挟み込み検知装置によれば、第1及び第2の検出手段を簡単に構成することができ、延いては、請求項1に記載の挟み込み検知装置による効果を、簡単な構成で得ることができる。
一方、請求項4に記載のパワーウインドウ装置は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の挟み込み検知装置を備えると共に、窓ガラスを閉じ側に制御しているときに、前記検知手段によって窓ガラスと窓枠との間に異物が挟まれたことが検知されると、少なくとも窓ガラスの閉じ側側を停止するように構成されている。
【0026】
そして、前述したように、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の挟み込み検知装置によれば、窓ガラスと窓枠との間に人体等が挟まれたことを素早く検知できると共に、通常状態での誤検出を防止することができ、しかも、第1の検出手段及び第2の検出手段の内の何れか一方が故障しても、挟み込みが発生したことを確実に検知することができるため、このような挟み込み検知装置を備えた請求項4に記載のパワーウインドウ装置によれば、窓ガラスを閉じ側に制御する際の安全性、及び装置全体の信頼性を極めて高くすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0028】
まず図1は、車両の窓ガラスを開閉(昇降)制御する、実施例のパワーウインドウ装置の構成を表わす構成図である。
本実施例のパワーウインドウ装置は、車両のドアD内に設けられて窓ガラスWを開閉させる周知のウインドウレギュレータ2と、このウインドウレギュレータ2を作動させるパワーウインドウモータ(以下単に、モータという)4と、モータ4を正転・逆転駆動することにより窓ガラスWを開閉制御する制御装置6と、窓ガラスWが開閉される窓枠の上縁に取り付けられた感圧センサSとを備えている。
【0029】
尚、図1において、モータ4は、1つだけ示されているが、実際には車両の各ドアDに設けられている。そして、制御装置6は、車両の乗員により操作される周知のパワーウインドウスイッチユニット(図示省略)に配置されたアップスイッチ(つまり、窓ガラスWを閉じるためのスイッチ)及びダウンスイッチ(つまり、窓ガラスWを開くためのスイッチ)からのスイッチ信号に応じて、各ドアDのモータ4を正転・逆転駆動することにより、各ドアの窓ガラスWを開閉させるのであるが、ここでは、1つのドアDに対する制御に関してのみ説明する。
【0030】
ここで、感圧センサSは、帯状に形成されて対向配置された一対の導体を、例えばカーボン等を含有したゴム材でモールドしてなり、外部から圧力が加わると上記両導体間の抵抗値が低下するように構成されている。そして、感圧センサSは、図2(A)に示すように、車両の窓枠を形成すると共に防水用のウエザーストリップ7を保持するサッシュ8の室内側に沿って取り付けられており、窓ガラスWと窓枠(サッシュ8)との間に異物が挟み込まれた際に、その異物が当該感圧センサSに当接するようになっている。
【0031】
また、図1では模式的に示されているが、感圧センサSの上記両導体の端部が制御装置6に接続されている。そして、制御装置6の内部において、感圧センサSの一方の導体は、抵抗器10により所定の電源電圧VDDにプルアップされており、他方の導体は接地電位に接続されている。
【0032】
よって、感圧センサSの両導体のうち、抵抗器10でプルアップされた方の導体の電圧は、抵抗器10の抵抗値と上記両導体間の抵抗値とで電源電圧VDDを分圧した値となり、感圧センサSに加わる圧力が大きくなって上記両導体間の抵抗値が小さくなるほど(換言すれば、窓ガラスWと窓枠との間に異物が挟み込まれた際に、窓枠に加わる負荷が大きくなるほど)、小さい値に変化することとなる。そして、これにより、抵抗器10でプルアップされた方の導体の電圧が、窓枠に加わる負荷に応じた電気信号としての、感圧センサ信号VS として出力されるようになっている。尚、本実施例では、感圧センサSと抵抗器10とが、第1の検出手段に相当している。
【0033】
一方、制御装置6は、窓ガラスWを制御するための様々な処理を実行するマイクロコンピュータ(以下、CPUという)12と、前述したアップスイッチからの信号(UP・SW信号)及びダウンスイッチからの信号(DOWN・SW信号)や、ウインドウレギュレータ2に設けられたリミットスイッチ14からの信号(リミットSW信号)等をCPU12へ入力するための入力回路16と、CPU12からの駆動指令に応じてモータ4を正転・逆転駆動する駆動回路としての2つのリレーRLY1,RLY2と、両リレーRLY1,RLY2によりモータ4に流される駆動電流IM を検出するための抵抗器18とを備えている。
【0034】
即ち、CPU12が窓ガラスWを開動作させるための駆動指令を出力すると、両リレーRLY1,RLY2の内の一方のリレーRLY1によって、モータ4の一方の端子(図1にて上側の端子)が車両のバッテリ電圧VB に接続されると共に、他方のリレーRLY2によって、モータ4の他方の端子(図1にて下側の端子)が抵抗器18を介して接地電位に接続され、この結果、モータ4には、リレーRLY1側からRLY2側へ抵抗器18を介して駆動電流IM が流れ、モータ4は窓ガラスWを開く方向に回転する。
【0035】
また逆に、CPU12が窓ガラスWを閉動作させるための駆動指令を出力すると、リレーRLY2によって、モータ4の図1にて下側の端子が車両のバッテリ電圧VB に接続されると共に、リレーRLY1によって、モータ4の図1にて上側の端子が抵抗器18を介して接地電位に接続され、この結果、モータ4には、リレーRLY2側からRLY1側へ抵抗器18を介して駆動電流IM が流れ、モータ4は窓ガラスWを閉じる方向に回転する。尚、窓ガラスWを開閉しない場合には、両リレーRLY1,RLY2によって、モータ4の両端子が抵抗器18を介して接地電位に接続され、モータ4にはバッテリ電圧VB が印加されないようになっている。
【0036】
よって、制御装置6において、抵抗器18の接地電位とは反対側の端部に生じる電圧は、モータ4の駆動電流IM に比例することとなり、モータ4の駆動電流IM は、窓ガラスWに加わる負荷が増加するほど大きくなるため、抵抗器18に生じる電圧が、窓ガラスWに加わる負荷に応じた電気信号としての、モータ駆動電流信号VI として出力されることとなる。尚、本実施例では、抵抗器18が第2の検出手段に相当している。
【0037】
そして、制御装置6は、上記感圧センサS及び抵抗器10からの感圧センサ信号VS と、抵抗器18からのモータ駆動電流信号VI とを、デジタル信号に変換してCPU12へ出力するA/D変換器20も備えている。
尚、上記リミットスイッチ14は、窓ガラスWの上端と窓枠との隙間が、もはや挟み込みが発生し得ないと想定される所定値(例えば4mm)以内である時にオンするように、ウインドウレギュレータ2の所定位置に取り付けられている。
【0038】
以上のように構成された本実施例のパワーウインドウ装置では、制御装置6内のCPU12が、図3に示す制御処理を実行することにより、窓ガラスWの開閉制御を行う。尚、この制御処理は、車両のイグニッションスイッチ(図示省略)がオンされると、実行が開始される。
【0039】
図3に示すように、CPU12が制御処理の実行を開始すると、まず、ステップ(以下単に「S」と記す)110にて、内部の諸データを初期化するための初期化処理を実行する。
そして、続くS120にて、ダウンスイッチ(DOWN・SW)がオンされているか否かを判定し、ダウンスイッチがオンされていない場合には、続くS130にて、今度はアップスイッチ(UP・SW)がオンされているか否かを判定し、アップスイッチもオンされていない場合には、S140に進んで、モータ4を停止させる。よって、この状態では、窓ガラスWの昇降(開閉)が停止される。
【0040】
一方、S120でダウンスイッチがオンされていると判定した場合には、S150に移行し、モータ4を駆動して窓ガラスWを下降させる(開く)。そして、続くS160にて、モータ駆動電流信号VI の電圧値をA/D変換器20を介して検出し、続くS170にて、S160で検出したモータ駆動電流信号VI の電圧値に基づき、モータ4の駆動電流IM がロック電流に達したか否かを判定する。尚、このロック電流とは、窓ガラスWに加わる負荷が大きくなってモータ4の回転が停止した際の駆動電流IM に相当する。
【0041】
そして、S170で駆動電流IM がロック電流に達していないと判定した場合には、前述したS120へ戻り、また、S170で駆動電流IM がロック電流に達したと判定した場合には、窓ガラスWが完全に開いて停止したと判断して、S180に進み、このS180にて、モータ4の駆動を停止した後、S120に戻る。
【0042】
一方、S130にて、アップスイッチがオンされていると判定した場合には、S190へ移行して、モータ4をS150の場合とは反対方向に回転するように駆動して、窓ガラスWを上昇させる(閉じる)。
そして、続くS200にて、前述したリミットスイッチ14がオンしているか否かを判定し、リミットスイッチ14がオンしている場合には、窓ガラスWの上端と窓枠との隙間が、もはや挟み込みが発生し得ないと想定される所定値以内であることから、S160に移行する。そして、窓ガラスWを開く場合と同様に、モータ4の駆動電流IM がロック電流に達していなければS120へ戻り(S160,S170:NO)、駆動電流IM がロック電流に達したならば、窓ガラスWが完全に閉じたと判断してモータ4の駆動を停止する(S170:YES,S180)。
【0043】
ここで、S200にてリミットスイッチ14がオンしていないと判定した場合には、窓ガラスWと窓枠との間に異物を挟み込む可能性があることから、S210に進んで、モータ駆動電流信号VI の電圧値をA/D変換器20を介して検出し、更に続くS220にて、感圧センサ信号VS の電圧値をA/D変換器20を介して検出する。
【0044】
そして、続くS230では、窓ガラスWと窓枠との間に異物が挟み込まれたか否かを判定するべく感圧センサ信号VS の電圧値と比較される、第1の判定値としてのセンサ信号判定値ThVS を、S210で検出したモータ駆動電流信号VI の電圧値に応じて下記の式1に基づき設定する、第1の設定手段としての処理を実行する。
【0045】
【数1】
ThVS =a1×VI +b1=f1(VI) …(1)
そして、更に続くS240では、窓ガラスWと窓枠との間に異物が挟み込まれたか否かを判定するべくモータ駆動電流信号VI の電圧値と比較される、第2の判定値としての駆動電流信号判定値ThVI を、S220で検出した感圧センサ信号VS の電圧値に応じて下記の式2に基づき設定する、第2の設定手段としての処理を実行する。
【0046】
【数2】
ThVI =a2×VS +b2=f2(VS) …(2)
尚、式1において、a1とb1は定数であり、少なくとも定数a1は正の値に設定されている。そして更に、この両定数a1,b1の値は、窓ガラスWに特別な負荷が加わっておらず、且つ、感圧センサSに圧力が加わっていない(換言すれば、窓枠に負荷が加わっていない)状態である通常時に、図4(A)にて時刻t1以前の状態に示す如く、センサ信号判定値ThVS が感圧センサ信号VS の電圧値よりも十分に小さくなるように設定されている。
【0047】
また同様に、式2において、a2とb2は定数であり、少なくとも定数a2は正の値に設定されている。そして更に、この両定数a2,b2の値は、上記通常時に、図4(B)にて時刻t1以前の状態に示す如く、駆動電流信号判定値ThVI がモータ駆動電流信号VI の電圧値よりも十分に大きくなるように設定されている。
【0048】
そして、このようなS230及びS240の処理を実行した後、続くS250では、S220で検出した感圧センサ信号VS の電圧値が、S230で設定したセンサ信号判定値ThVS 以下(VS ≦ThVS )であるか否かを判定する、第1の判定手段としての処理を実行する。そして、このS250で否定判定した場合(つまり、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS よりも大きい場合)には、S260に進む。
【0049】
S260では、S210で検出したモータ駆動電流信号VI の電圧値が、S240で設定した駆動電流信号判定値ThVI 以上(VI ≧ThVI )であるか否かを判定する、第2の判定手段としての処理を実行する。そして、このS260で否定判定した場合(つまり、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI よりも小さい場合)には、S120へ戻る。
【0050】
これに対し、S250で肯定判定した場合(つまり、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS 以下である場合)、或いは、S260で肯定判定した場合(つまり、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI 以上である場合)には、S270に移行する。そして、このS270にて、窓ガラスWと窓枠との間に人体等の異物が挟み込まれたと判断して、モータ4を逆回転させることにより窓ガラスWを所定時間だけ下降させる、検知手段としての処理を実行して、その後、S120に戻る。
【0051】
つまり、この制御処理では、入力回路16を介して入力されるスイッチ信号に応じて、窓ガラスWを開動作(下降:ダウン)或いは閉動作(上昇:アップ)させると共に(S120〜S200)、窓ガラスWを閉動作させているときに、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS 以下になるか(S250:YES)、或いは、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI 以上になると(S260:YES)、窓ガラスWと窓枠との間に人体等の異物が挟み込まれたと判断し、窓ガラスWの閉動作を即座に停止して開動作させるようにしている(S270)。
【0052】
そして特に、本実施例の制御処理では、S250の判定に用いるセンサ信号判定値ThVS を、モータ駆動電流信号VI の電圧値に応じて、その電圧値に正の傾きa1で比例した値として設定すると共に(S230:式1)、S260の判定に用いる駆動電流信号判定値ThVI を、感圧センサ信号VS の電圧値に応じて、その電圧値に正の傾きa2で比例した値として設定するようにしている(S240:式2)。
【0053】
次に、このような本実施例のパワーウインドウ装置の作用について、図4を用いて説明する。尚、図4は、窓ガラスWが閉じ側に制御されている時の、感圧センサ信号VS ,センサ信号判定値ThVS ,モータ駆動電流信号VI ,及び駆動電流信号判定値ThVI の変化を表している。
【0054】
まず、図4において時刻t1以前に示すように、窓ガラスWに特別な負荷が加わっておらず、且つ、感圧センサSに圧力が加わっていない通常時では、モータ駆動電流信号VI が小さい値で安定すると共に、感圧センサ信号VS の電圧値が大きい値で安定する。そして、センサ信号判定値ThVS は、前述した式1により、モータ駆動電流信号VI の電圧値に応じて、感圧センサ信号VS の電圧値よりも十分に小さい値に設定され、また、駆動電流信号判定値ThVI は、前述した式2により、感圧センサ信号VS の電圧値に応じて、モータ駆動電流信号VI の電圧値よりも十分に大きい値に設定される。
【0055】
よって、時刻t1以前の通常時において、例えば感圧センサ信号VS がノイズや車両走行時の振動等によって図4(A)の点線で示す如く変動しても、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS 以下になることが抑制されて、制御処理(図3)におけるS250で肯定判定され難くなるため、挟み込みが発生したと誤検出してしまうことが防止される。
【0056】
また同様に、このような通常時において、例えば寒冷地での凍り付きや窓枠の経時変化により窓ガラスWに加わる負荷が増加して、モータ駆動電流信号VI の電圧値が大きくなったり、或いは、モータ駆動電流信号VI 自身がノイズ等によって変動しても、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI 以上になることが抑制されて、制御処理におけるS260で肯定判定され難くなるため、挟み込みが発生したと誤検出してしまうことが防止される。
【0057】
つまり、通常時においては、感圧センサ信号VS 及びモータ駆動電流信号VI の内の何れか一方が、挟み込み以外の原因によって変動しても、挟み込みが発生したと誤検出してしまうことが十分に防止される。
これに対し、図4における時刻t1の時点で、窓ガラスWと窓枠との間に異物が挟み込まれると、感圧センサSに加わる圧力(つまり、窓枠に加わる負荷)と窓ガラスWに加わる負荷との両方が大きくなる。
【0058】
すると、図4において時刻t1以降に示すように、感圧センサ信号VS の電圧値が小さくなって行く(下降する)と共に、モータ駆動電流信号VI の電圧値が大きくなって行く(上昇する)。そして、モータ駆動電流信号VI の上昇に伴い、センサ信号判定値ThVS が上昇して、感圧センサ信号VS の電圧値に近づいて行き、また、感圧センサ信号VS の下降に伴い、駆動電流信号判定値ThVI が下降して、モータ駆動電流信号VI の電圧値に近づいて行く。
【0059】
その後、図4(A)の時刻taに示すように、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS に達して、制御処理のS250で肯定判定されるか、或いは、図4(B)の時刻tbに示すように、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI に達して、制御処理のS260で肯定判定されると、挟み込みが発生したと検知されて、窓ガラスWは、閉じ側制御から開き側制御に転じられることとなる。尚、このように窓ガラスWの制御が開き側に転じられるタイミングは、上記時刻ta及び時刻tbの内で早い方のタイミングとなる。
【0060】
このように、窓ガラスWと窓枠との間に本当に異物が挟み込まれた場合には、制御処理におけるS250及びS260で肯定判定され易くなり、この結果、窓枠と窓ガラスWとの間の荷重が極めて小さい時点で、挟み込みが発生したと検知することができるようになる。
【0061】
即ち、センサ信号判定値ThVS が、図4(A)の一点鎖線で示すように、初期値から変化しない一定値の場合には、制御処理のS250で肯定判定されるタイミングが時刻taよりも遅れた時刻ta’となり、また、駆動電流信号判定値ThVI が、図4(B)の一点鎖線で示すように、初期値から変化しない一定値の場合には、制御処理のS260で肯定判定されるタイミングが時刻tbよりも遅れた時刻tb’となるため、挟み込みが発生したと検知するまでの時間が長くなってしまう。これに対して、本実施例のパワーウインドウ装置では、窓枠と窓ガラスWとの間の荷重が極めて小さい早期の時点で、挟み込みが発生したことを検知することができるのである。
【0062】
以上詳述したように、本実施例のパワーウインドウ装置では、制御処理におけるS250の判定に用いるセンサ信号判定値ThVS を、モータ駆動電流信号VI の電圧値に応じて、その電圧値が大きい場合ほど、S250で肯定判定され易くなるように大きな値に設定するようにしており、また、制御処理におけるS260の判定に用いる駆動電流信号判定値ThVI を、感圧センサ信号VS の電圧値に応じて、その電圧値が小さい場合ほど、S260で肯定判定され易くなるように小さな値に設定するようにしている。
【0063】
そして、これにより、窓ガラスWと窓枠との間に本当に人体等の異物が挟み込まれた場合にだけ、制御処理のS250及びS260で肯定判定され易くなるようにしている(換言すれば、挟み込み検知の感度が敏感になるようにしている)。
【0064】
従って、このような本実施例のパワーウインドウ装置によれば、窓ガラスWと窓枠との間に人体等が挟まれたことを素早く検知することと、通常時での誤検出を防止することとを、極めて高い次元で両立させることができる。
そして更に、本実施例のパワーウインドウ装置によれば、何等かの故障により、感圧センサ信号VS とモータ駆動電流信号VI との内の何れか一方を検出することができなくなっても、制御処理におけるS250及びS260の内の何れか一方の判定により、挟み込みが発生したことを検知することができる。
【0065】
また、図2(B)に示すように、窓枠に雨避け用のサイドウインドウバイザ(以下単に、バイザという)22が装着されており、そのバイザ22と窓ガラスWとの間で人体等の異物24を挟んでしまった場合には、感圧センサSに基づく挟み込み検知はできないが、窓ガラスWに加わる負荷がある程度大きくなれば、制御処理におけるS260の判定により、挟み込みが発生したことを検知することができる。
【0066】
よって、本実施例のパワーウインドウ装置によれば、窓ガラスWを閉じ側に制御する際に、挟み込みが発生したことを素早く検知して窓ガラスWの閉じ側制御を停止することができると共に、感圧センサSに基づく挟み込み検知とモータ4の駆動電流IM に基づく挟み込み検知との何れか一方が不能になっても、挟み込みの発生を確実に検出することができるため、極めて高い安全性を得ることができる。しかも、通常時において挟み込みが発生したと誤検出してしまうことを防止できるため、装置の信頼性を極めて高くすることができる。
【0067】
尚、上記実施例において、予め感圧センサSが故障していると判断できる場合(例えば、窓ガラスWを下降させているにも拘らず、感圧センサ信号VS の電圧値が低い値のままである場合)には、図4(A)の矢印及び二点鎖線で示すように、センサ信号判定値ThVS を強制的に大きな値に設定して、制御処理のS250で肯定判定され易くするようにしても良い。また同様に、予めモータ駆動電流信号VI を検出不能な状態であると判断できる場合(例えば、窓ガラスWを開閉制御しているにも拘らず、モータ駆動電流信号VI が0Vである場合)には、図4(B)の矢印及び二点鎖線で示すように、駆動電流信号判定値ThVI を強制的に小さな値に設定して、制御処理のS260で肯定判定され易くするようにしても良い。
【0068】
そして、このようにすれば、センサ等の故障時においても、挟み込みが発生したことを極力早期に検知することができるようになる。
一方、上記実施例では、窓ガラスWに加わる負荷を、モータ4の駆動電流IM として検出するものであったが、駆動電流IM に代えて、モータ4の回転速度を検出するようにしても良い。そして、この場合には、窓ガラスWに加わる負荷が大きくなるほど、モータ4の回転速度は低下するため、この回転速度と比較される判定値は、感圧センサ信号VS の電圧値が小さくなるほど、大きな値となるように設定すればよい。
【0069】
また、上記実施例においては、感圧センサSに加わる圧力が大きくなるほど、感圧センサ信号VS の電圧値が小さくなるものであったが、その逆であれば、制御処理のS250にて、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS 以上であるか否かを判定するように変更すると共に、センサ信号判定値ThVS を、モータ駆動電流信号VI の電圧値が大きくなるほど、小さい値となるように設定するように変更すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパワーウインドウ装置の構成を表わす構成図である。
【図2】サイドウインドウバイザの取付状態を説明する説明図である。
【図3】図1のCPUで実行される制御処理を表すフローチャートである。
【図4】実施例のパワーウインドウ装置の作用を説明する説明図である。
【符号の説明】
2…ウインドウレギュレータ 4…パワーウインドウモータ(モータ)
6…制御装置 S…感圧センサ W…窓ガラス D…ドア
7…ウエザーストリップ 8…サッシュ 10,18…抵抗器
12…マイクロコンピュータ(CPU) 14…リミットスイッチ
16…入力回路 20…A/D変換器 RLY1,RLY2…リレー
22…サイドウインドウバイザ(バイザ) 24…異物
【発明の属する技術分野】
本発明は、挟み込み防止機能を有するパワーウインドウ装置、及びそのパワーウインドウ装置に用いられて、窓ガラスと窓枠との間に人体等の異物が挟まれたことを検知する挟み込み検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のパワーウインドウ装置として、窓ガラス(ウインドウガラス)と窓枠との間に人体等の異物が挟み込まれたか否かを検出するための手段を備え、窓ガラスを閉じ側(上昇側:アップ)に制御している際に異物の挟み込みを検知すると、窓ガラスの閉じ側制御を即座に停止して開き側(下降側:ダウン)制御に転じる、といった挟み込み防止機能を有するものが実用化されている。
【0003】
そして、上記のような挟み込み検知を行うための方式としては、直接方式と間接方式とが考えられている。
即ち、直接方式とは、外部から加わる圧力に応じて出力値(例えば、抵抗値や電圧値)が変化する感圧センサを窓枠の上縁に取り付け、この感圧センサの出力値が予め設定された判定値に達したとき、つまり、窓枠に加わる負荷が所定値よりも大きくなったときに、挟み込みが発生したと判定する方式である。
【0004】
一方、間接方式とは、窓ガラスを開閉させるモータ(所謂パワーウインドウモータ)の駆動電流或いは回転速度を検出し、その検出値が予め設定された判定値に達したとき、つまり、窓ガラスに加わる負荷が増加して、モータの駆動電流が所定値よりも大きくなるか或いはモータの回転速度が所定値よりも小さくなったときに、挟み込みが発生したと判定する方式である。
【0005】
ここで、この種の挟み込み防止機能を有するパワーウインドウ装置では、挟み込みが発生したことを、窓ガラスと窓枠との間の荷重が小さい時点で、いち早く検知することが望まれており、このためには、挟み込みが発生したか否かを判定するための判定値を、できるだけ敏感な側に設定する必要がある。
【0006】
しかしながら、上記間接方式を採用した場合には、窓枠に設けられた防水用のゴム(所謂ウエザーストリップ)が寒冷地で硬くなる等の原因により窓ガラスの摺動抵抗が増加しても、モータの駆動電流や回転速度は変動するため、前述の如く挟み込み判定用の判定値を敏感な側に設定すると、人体等が挟まれていないにも拘らず、挟み込みが発生したと誤検出されて、窓ガラスを閉じることができなくなってしまう。
【0007】
また、上記直接方式を採用した場合でも、感圧センサの出力値は、車両走行時の振動や電磁波の影響(EMI)によって変化する可能性があるため、間接方式の場合と同様に、挟み込み判定用の判定値を敏感側に設定すると、誤検出により窓ガラスを閉じることができなくなってしまう。
【0008】
そこで、このような誤検出を防止するために、例えば特開平7−4137号公報には、上記直接方式と間接方式との両方を採用し、両方式によって同時に挟み込みの発生を検知した場合にのみ、本当に挟み込みが発生したと判断するように構成することが提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記公報に開示の技術では、例えばセンサが故障する等して、直接方式と間接方式の内の何れか一方の方式が機能しなくなると、挟み込みを防止するための動作(窓ガラスの閉じ側制御の強制停止)を行うことができなくなってしまう、という問題がある。
【0010】
また更に、上記公報に開示の技術では、窓枠に雨避け用のバイザ(所謂サイドウインドウバイザ)が装着されると、この種のバイザの先端(下端)は窓枠よりも窓ガラスの先端(上端)側へ張り出すため、直接方式の感圧センサに圧力が加わる前に、バイザと窓ガラスとの間で人体等を挟み込んでしまう可能性がある。そして、この場合には、感圧センサによる直接方式の挟み込み検知が行われないことから、感圧センサが故障した場合と同じこととなり、この結果、挟み込みを防止するための動作を行うことができなくなってしまう。
【0011】
一方、直接方式と間接方式との内の何れか一方の方式により挟み込みの発生を検知した場合に、挟み込みが発生したと判断するように構成することも考えられる。しかしながら、ただ単にこのように構成しても、前述した各方式に共通の欠点、即ち、挟み込みの発生を素早く検知すべく挟み込み判定用の判定値を敏感な側に設定すると誤検出してしまう、という問題を解決することができず、挟み込みの発生を素早く且つ正確に検出することはできない。
【0012】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、車両の窓ガラスと窓枠との間に人体等が挟まれたことを素早く検知できると共に、通常状態での誤検出を防止することができる挟み込み検知装置と、この挟み込み検知装置を用いた安全性及び信頼性の高いパワーウインドウ装置とを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の挟み込み検知装置においては、第1の検出手段が、窓枠に加わる負荷に応じた電気信号を出力し、第1の判定手段が、第1の検出手段から出力される電気信号の値が第1の判定値に達したか否かを判定する。
【0014】
また、第2の検出手段が、窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号を出力し、第2の判定手段が、第2の検出手段から出力される電気信号の値が第2の判定値に達したか否かを判定する。
そして、検知手段が、第1の判定手段及び第2の判定手段の内の何れか一方によって肯定判定されると(つまり、第1の判定手段により、第1の検出手段から出力される電気信号の値が第1の判定値に達したと判定されるか、或いは、第2の判定手段により、第2の検出手段から出力される電気信号の値が第2の判定値に達したと判定されると)、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟まれたと検知する。
【0015】
ここで特に、請求項1に記載の挟み込み検知装置では、第1の設定手段が、前記第1の判定値を、第2の検出手段から出力される電気信号の値に応じて、その電気信号の値が窓ガラスに加わる負荷が大きいことを示す場合ほど、第1の判定手段が窓枠に負荷が加わった際に肯定判定し易くなるように設定する。
【0016】
また、第2の設定手段が、前記第2の判定値を、第1の検出手段から出力される電気信号の値に応じて、その電気信号の値が窓枠に加わる負荷が大きいことを示す場合ほど、第2の判定手段が窓ガラスに負荷が加わった際に肯定判定し易くなるように設定する。
【0017】
つまり、請求項1に記載の挟み込み検知装置では、窓枠に加わる負荷に応じて出力される第1の検出手段からの電気信号の値が、第1の設定手段にて設定された第1の判定値に達したと、第1の判定手段によって判定されるか、或いは、窓ガラスに加わる負荷に応じて出力される第2の検出手段からの電気信号の値が、第2の設定手段にて設定された第2の判定値に達したと、第2の判定手段によって判定された場合に、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟まれたと検知するようにしており、特に、上記第1の判定値を、窓ガラスへの負荷が大きい場合ほど第1の判定手段が肯定判定し易くなるように設定し、また、上記第2の判定値を、窓枠への負荷が大きい場合ほど第2の判定手段が肯定判定し易くなるように設定するようにしている。
【0018】
そして、このような請求項1に記載の挟み込み検知装置によれば、以下のような作用及び効果を奏する。
まず、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟み込まれていない通常状態において、例えば、いたずら行為によって窓枠に負荷が加えられた場合、或いは、第1の検出手段が出力する電気信号が、ノイズや車両走行時の振動によって変動した場合には、窓ガラスへの負荷は大きくならないため、上記第1の判定値は、第1の設定手段により第1の判定手段が肯定判定し難い値に設定される。よって、このように窓枠に加わる負荷だけが大きくなったり、第1の検出手段が出力する電気信号だけがノイズ等で変動しても、挟み込みが発生したと誤検出することはない。
【0019】
また同様に、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟み込まれていない通常状態において、例えば寒冷地での凍り付きや窓枠の経時変化により窓ガラスの摺動抵抗が増加して、窓ガラスに加わる負荷が大きくなった場合、或いは、第2の検出手段が出力する電気信号が、ノイズ等によって変動した場合には、窓枠への負荷は大きくならないため、上記第2の判定値は、第2の設定手段により第2の判定手段が肯定判定し難い値に設定される。よって、このように窓ガラスに加わる負荷だけが大きくなったり、第2の検出手段が出力する電気信号だけがノイズ等で変動しても、挟み込みが発生したと誤検出することはない。
【0020】
これに対し、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟み込まれた場合には、窓枠に加わる負荷と窓ガラスに加わる負荷との両方が大きくなる。そして、上記第1の判定値は、第1の設定手段により第1の判定手段が肯定判定し易い値に設定されると共に、上記第2の判定値は、第2の設定手段により第2の判定手段が肯定判定し易い値に設定される。
【0021】
よって、窓ガラスと窓枠との間に本当に異物が挟み込まれた場合には、窓枠に加わる負荷が小さい時点で第1の判定手段が肯定判定すると共に、窓ガラスに加わる負荷が小さい時点で第2の判定手段が肯定判定することとなり、この結果、窓枠と窓ガラスとの間の荷重が極めて小さい時点で、検知手段が、窓ガラスと窓枠との間に異物が挟まれたと検知することとなる。
【0022】
従って、このような請求項1に記載の挟み込み検知装置によれば、窓ガラスと窓枠との間に人体等が挟まれたことを素早く検知することと、通常状態での誤検出を防止することとを、極めて高い次元で両立させることができる。
そして更に、請求項1に記載の挟み込み検知装置によれば、第1の検出手段及び第2の検出手段の内の何れか一方が故障しても、正常時よりは挟み込み検知のタイミングが遅れるものの、挟み込みが発生したこと自体は検知することができる。また、窓枠に雨避け用のバイザ(サイドウインドウバイザ)が装着されており、そのバイザと窓ガラスとの間で人体等を挟んでしまった場合でも、窓ガラスに加わる負荷が大きくなれば、挟み込みが発生したことを検知することができる。
【0023】
ところで、第1の検出手段と第2の検出手段は、請求項2又は請求項3に記載のように構成することができる。
即ち、請求項2に記載の挟み込み検知装置では、第1の検出手段が、窓枠に取り付けられ、外部から加わる圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサを備えており、この感圧センサの抵抗値に応じた電圧信号を、窓枠に加わる負荷に応じた電気信号として出力する。また、第2の検出手段が、窓ガラスを開閉するモータの駆動電流に応じた電圧信号を、窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号として出力するように構成されている。
【0024】
一方、請求項3に記載の挟み込み検知装置では、第1の検出手段が、請求項2に記載の挟み込み検知装置と同様に構成されており、第2の検出手段が、窓ガラスを開閉するモータの回転速度に応じた電気信号を、窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号として出力するように構成されている。
【0025】
そして、このような請求項2又は請求項3に記載の挟み込み検知装置によれば、第1及び第2の検出手段を簡単に構成することができ、延いては、請求項1に記載の挟み込み検知装置による効果を、簡単な構成で得ることができる。
一方、請求項4に記載のパワーウインドウ装置は、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の挟み込み検知装置を備えると共に、窓ガラスを閉じ側に制御しているときに、前記検知手段によって窓ガラスと窓枠との間に異物が挟まれたことが検知されると、少なくとも窓ガラスの閉じ側側を停止するように構成されている。
【0026】
そして、前述したように、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の挟み込み検知装置によれば、窓ガラスと窓枠との間に人体等が挟まれたことを素早く検知できると共に、通常状態での誤検出を防止することができ、しかも、第1の検出手段及び第2の検出手段の内の何れか一方が故障しても、挟み込みが発生したことを確実に検知することができるため、このような挟み込み検知装置を備えた請求項4に記載のパワーウインドウ装置によれば、窓ガラスを閉じ側に制御する際の安全性、及び装置全体の信頼性を極めて高くすることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0028】
まず図1は、車両の窓ガラスを開閉(昇降)制御する、実施例のパワーウインドウ装置の構成を表わす構成図である。
本実施例のパワーウインドウ装置は、車両のドアD内に設けられて窓ガラスWを開閉させる周知のウインドウレギュレータ2と、このウインドウレギュレータ2を作動させるパワーウインドウモータ(以下単に、モータという)4と、モータ4を正転・逆転駆動することにより窓ガラスWを開閉制御する制御装置6と、窓ガラスWが開閉される窓枠の上縁に取り付けられた感圧センサSとを備えている。
【0029】
尚、図1において、モータ4は、1つだけ示されているが、実際には車両の各ドアDに設けられている。そして、制御装置6は、車両の乗員により操作される周知のパワーウインドウスイッチユニット(図示省略)に配置されたアップスイッチ(つまり、窓ガラスWを閉じるためのスイッチ)及びダウンスイッチ(つまり、窓ガラスWを開くためのスイッチ)からのスイッチ信号に応じて、各ドアDのモータ4を正転・逆転駆動することにより、各ドアの窓ガラスWを開閉させるのであるが、ここでは、1つのドアDに対する制御に関してのみ説明する。
【0030】
ここで、感圧センサSは、帯状に形成されて対向配置された一対の導体を、例えばカーボン等を含有したゴム材でモールドしてなり、外部から圧力が加わると上記両導体間の抵抗値が低下するように構成されている。そして、感圧センサSは、図2(A)に示すように、車両の窓枠を形成すると共に防水用のウエザーストリップ7を保持するサッシュ8の室内側に沿って取り付けられており、窓ガラスWと窓枠(サッシュ8)との間に異物が挟み込まれた際に、その異物が当該感圧センサSに当接するようになっている。
【0031】
また、図1では模式的に示されているが、感圧センサSの上記両導体の端部が制御装置6に接続されている。そして、制御装置6の内部において、感圧センサSの一方の導体は、抵抗器10により所定の電源電圧VDDにプルアップされており、他方の導体は接地電位に接続されている。
【0032】
よって、感圧センサSの両導体のうち、抵抗器10でプルアップされた方の導体の電圧は、抵抗器10の抵抗値と上記両導体間の抵抗値とで電源電圧VDDを分圧した値となり、感圧センサSに加わる圧力が大きくなって上記両導体間の抵抗値が小さくなるほど(換言すれば、窓ガラスWと窓枠との間に異物が挟み込まれた際に、窓枠に加わる負荷が大きくなるほど)、小さい値に変化することとなる。そして、これにより、抵抗器10でプルアップされた方の導体の電圧が、窓枠に加わる負荷に応じた電気信号としての、感圧センサ信号VS として出力されるようになっている。尚、本実施例では、感圧センサSと抵抗器10とが、第1の検出手段に相当している。
【0033】
一方、制御装置6は、窓ガラスWを制御するための様々な処理を実行するマイクロコンピュータ(以下、CPUという)12と、前述したアップスイッチからの信号(UP・SW信号)及びダウンスイッチからの信号(DOWN・SW信号)や、ウインドウレギュレータ2に設けられたリミットスイッチ14からの信号(リミットSW信号)等をCPU12へ入力するための入力回路16と、CPU12からの駆動指令に応じてモータ4を正転・逆転駆動する駆動回路としての2つのリレーRLY1,RLY2と、両リレーRLY1,RLY2によりモータ4に流される駆動電流IM を検出するための抵抗器18とを備えている。
【0034】
即ち、CPU12が窓ガラスWを開動作させるための駆動指令を出力すると、両リレーRLY1,RLY2の内の一方のリレーRLY1によって、モータ4の一方の端子(図1にて上側の端子)が車両のバッテリ電圧VB に接続されると共に、他方のリレーRLY2によって、モータ4の他方の端子(図1にて下側の端子)が抵抗器18を介して接地電位に接続され、この結果、モータ4には、リレーRLY1側からRLY2側へ抵抗器18を介して駆動電流IM が流れ、モータ4は窓ガラスWを開く方向に回転する。
【0035】
また逆に、CPU12が窓ガラスWを閉動作させるための駆動指令を出力すると、リレーRLY2によって、モータ4の図1にて下側の端子が車両のバッテリ電圧VB に接続されると共に、リレーRLY1によって、モータ4の図1にて上側の端子が抵抗器18を介して接地電位に接続され、この結果、モータ4には、リレーRLY2側からRLY1側へ抵抗器18を介して駆動電流IM が流れ、モータ4は窓ガラスWを閉じる方向に回転する。尚、窓ガラスWを開閉しない場合には、両リレーRLY1,RLY2によって、モータ4の両端子が抵抗器18を介して接地電位に接続され、モータ4にはバッテリ電圧VB が印加されないようになっている。
【0036】
よって、制御装置6において、抵抗器18の接地電位とは反対側の端部に生じる電圧は、モータ4の駆動電流IM に比例することとなり、モータ4の駆動電流IM は、窓ガラスWに加わる負荷が増加するほど大きくなるため、抵抗器18に生じる電圧が、窓ガラスWに加わる負荷に応じた電気信号としての、モータ駆動電流信号VI として出力されることとなる。尚、本実施例では、抵抗器18が第2の検出手段に相当している。
【0037】
そして、制御装置6は、上記感圧センサS及び抵抗器10からの感圧センサ信号VS と、抵抗器18からのモータ駆動電流信号VI とを、デジタル信号に変換してCPU12へ出力するA/D変換器20も備えている。
尚、上記リミットスイッチ14は、窓ガラスWの上端と窓枠との隙間が、もはや挟み込みが発生し得ないと想定される所定値(例えば4mm)以内である時にオンするように、ウインドウレギュレータ2の所定位置に取り付けられている。
【0038】
以上のように構成された本実施例のパワーウインドウ装置では、制御装置6内のCPU12が、図3に示す制御処理を実行することにより、窓ガラスWの開閉制御を行う。尚、この制御処理は、車両のイグニッションスイッチ(図示省略)がオンされると、実行が開始される。
【0039】
図3に示すように、CPU12が制御処理の実行を開始すると、まず、ステップ(以下単に「S」と記す)110にて、内部の諸データを初期化するための初期化処理を実行する。
そして、続くS120にて、ダウンスイッチ(DOWN・SW)がオンされているか否かを判定し、ダウンスイッチがオンされていない場合には、続くS130にて、今度はアップスイッチ(UP・SW)がオンされているか否かを判定し、アップスイッチもオンされていない場合には、S140に進んで、モータ4を停止させる。よって、この状態では、窓ガラスWの昇降(開閉)が停止される。
【0040】
一方、S120でダウンスイッチがオンされていると判定した場合には、S150に移行し、モータ4を駆動して窓ガラスWを下降させる(開く)。そして、続くS160にて、モータ駆動電流信号VI の電圧値をA/D変換器20を介して検出し、続くS170にて、S160で検出したモータ駆動電流信号VI の電圧値に基づき、モータ4の駆動電流IM がロック電流に達したか否かを判定する。尚、このロック電流とは、窓ガラスWに加わる負荷が大きくなってモータ4の回転が停止した際の駆動電流IM に相当する。
【0041】
そして、S170で駆動電流IM がロック電流に達していないと判定した場合には、前述したS120へ戻り、また、S170で駆動電流IM がロック電流に達したと判定した場合には、窓ガラスWが完全に開いて停止したと判断して、S180に進み、このS180にて、モータ4の駆動を停止した後、S120に戻る。
【0042】
一方、S130にて、アップスイッチがオンされていると判定した場合には、S190へ移行して、モータ4をS150の場合とは反対方向に回転するように駆動して、窓ガラスWを上昇させる(閉じる)。
そして、続くS200にて、前述したリミットスイッチ14がオンしているか否かを判定し、リミットスイッチ14がオンしている場合には、窓ガラスWの上端と窓枠との隙間が、もはや挟み込みが発生し得ないと想定される所定値以内であることから、S160に移行する。そして、窓ガラスWを開く場合と同様に、モータ4の駆動電流IM がロック電流に達していなければS120へ戻り(S160,S170:NO)、駆動電流IM がロック電流に達したならば、窓ガラスWが完全に閉じたと判断してモータ4の駆動を停止する(S170:YES,S180)。
【0043】
ここで、S200にてリミットスイッチ14がオンしていないと判定した場合には、窓ガラスWと窓枠との間に異物を挟み込む可能性があることから、S210に進んで、モータ駆動電流信号VI の電圧値をA/D変換器20を介して検出し、更に続くS220にて、感圧センサ信号VS の電圧値をA/D変換器20を介して検出する。
【0044】
そして、続くS230では、窓ガラスWと窓枠との間に異物が挟み込まれたか否かを判定するべく感圧センサ信号VS の電圧値と比較される、第1の判定値としてのセンサ信号判定値ThVS を、S210で検出したモータ駆動電流信号VI の電圧値に応じて下記の式1に基づき設定する、第1の設定手段としての処理を実行する。
【0045】
【数1】
ThVS =a1×VI +b1=f1(VI) …(1)
そして、更に続くS240では、窓ガラスWと窓枠との間に異物が挟み込まれたか否かを判定するべくモータ駆動電流信号VI の電圧値と比較される、第2の判定値としての駆動電流信号判定値ThVI を、S220で検出した感圧センサ信号VS の電圧値に応じて下記の式2に基づき設定する、第2の設定手段としての処理を実行する。
【0046】
【数2】
ThVI =a2×VS +b2=f2(VS) …(2)
尚、式1において、a1とb1は定数であり、少なくとも定数a1は正の値に設定されている。そして更に、この両定数a1,b1の値は、窓ガラスWに特別な負荷が加わっておらず、且つ、感圧センサSに圧力が加わっていない(換言すれば、窓枠に負荷が加わっていない)状態である通常時に、図4(A)にて時刻t1以前の状態に示す如く、センサ信号判定値ThVS が感圧センサ信号VS の電圧値よりも十分に小さくなるように設定されている。
【0047】
また同様に、式2において、a2とb2は定数であり、少なくとも定数a2は正の値に設定されている。そして更に、この両定数a2,b2の値は、上記通常時に、図4(B)にて時刻t1以前の状態に示す如く、駆動電流信号判定値ThVI がモータ駆動電流信号VI の電圧値よりも十分に大きくなるように設定されている。
【0048】
そして、このようなS230及びS240の処理を実行した後、続くS250では、S220で検出した感圧センサ信号VS の電圧値が、S230で設定したセンサ信号判定値ThVS 以下(VS ≦ThVS )であるか否かを判定する、第1の判定手段としての処理を実行する。そして、このS250で否定判定した場合(つまり、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS よりも大きい場合)には、S260に進む。
【0049】
S260では、S210で検出したモータ駆動電流信号VI の電圧値が、S240で設定した駆動電流信号判定値ThVI 以上(VI ≧ThVI )であるか否かを判定する、第2の判定手段としての処理を実行する。そして、このS260で否定判定した場合(つまり、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI よりも小さい場合)には、S120へ戻る。
【0050】
これに対し、S250で肯定判定した場合(つまり、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS 以下である場合)、或いは、S260で肯定判定した場合(つまり、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI 以上である場合)には、S270に移行する。そして、このS270にて、窓ガラスWと窓枠との間に人体等の異物が挟み込まれたと判断して、モータ4を逆回転させることにより窓ガラスWを所定時間だけ下降させる、検知手段としての処理を実行して、その後、S120に戻る。
【0051】
つまり、この制御処理では、入力回路16を介して入力されるスイッチ信号に応じて、窓ガラスWを開動作(下降:ダウン)或いは閉動作(上昇:アップ)させると共に(S120〜S200)、窓ガラスWを閉動作させているときに、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS 以下になるか(S250:YES)、或いは、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI 以上になると(S260:YES)、窓ガラスWと窓枠との間に人体等の異物が挟み込まれたと判断し、窓ガラスWの閉動作を即座に停止して開動作させるようにしている(S270)。
【0052】
そして特に、本実施例の制御処理では、S250の判定に用いるセンサ信号判定値ThVS を、モータ駆動電流信号VI の電圧値に応じて、その電圧値に正の傾きa1で比例した値として設定すると共に(S230:式1)、S260の判定に用いる駆動電流信号判定値ThVI を、感圧センサ信号VS の電圧値に応じて、その電圧値に正の傾きa2で比例した値として設定するようにしている(S240:式2)。
【0053】
次に、このような本実施例のパワーウインドウ装置の作用について、図4を用いて説明する。尚、図4は、窓ガラスWが閉じ側に制御されている時の、感圧センサ信号VS ,センサ信号判定値ThVS ,モータ駆動電流信号VI ,及び駆動電流信号判定値ThVI の変化を表している。
【0054】
まず、図4において時刻t1以前に示すように、窓ガラスWに特別な負荷が加わっておらず、且つ、感圧センサSに圧力が加わっていない通常時では、モータ駆動電流信号VI が小さい値で安定すると共に、感圧センサ信号VS の電圧値が大きい値で安定する。そして、センサ信号判定値ThVS は、前述した式1により、モータ駆動電流信号VI の電圧値に応じて、感圧センサ信号VS の電圧値よりも十分に小さい値に設定され、また、駆動電流信号判定値ThVI は、前述した式2により、感圧センサ信号VS の電圧値に応じて、モータ駆動電流信号VI の電圧値よりも十分に大きい値に設定される。
【0055】
よって、時刻t1以前の通常時において、例えば感圧センサ信号VS がノイズや車両走行時の振動等によって図4(A)の点線で示す如く変動しても、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS 以下になることが抑制されて、制御処理(図3)におけるS250で肯定判定され難くなるため、挟み込みが発生したと誤検出してしまうことが防止される。
【0056】
また同様に、このような通常時において、例えば寒冷地での凍り付きや窓枠の経時変化により窓ガラスWに加わる負荷が増加して、モータ駆動電流信号VI の電圧値が大きくなったり、或いは、モータ駆動電流信号VI 自身がノイズ等によって変動しても、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI 以上になることが抑制されて、制御処理におけるS260で肯定判定され難くなるため、挟み込みが発生したと誤検出してしまうことが防止される。
【0057】
つまり、通常時においては、感圧センサ信号VS 及びモータ駆動電流信号VI の内の何れか一方が、挟み込み以外の原因によって変動しても、挟み込みが発生したと誤検出してしまうことが十分に防止される。
これに対し、図4における時刻t1の時点で、窓ガラスWと窓枠との間に異物が挟み込まれると、感圧センサSに加わる圧力(つまり、窓枠に加わる負荷)と窓ガラスWに加わる負荷との両方が大きくなる。
【0058】
すると、図4において時刻t1以降に示すように、感圧センサ信号VS の電圧値が小さくなって行く(下降する)と共に、モータ駆動電流信号VI の電圧値が大きくなって行く(上昇する)。そして、モータ駆動電流信号VI の上昇に伴い、センサ信号判定値ThVS が上昇して、感圧センサ信号VS の電圧値に近づいて行き、また、感圧センサ信号VS の下降に伴い、駆動電流信号判定値ThVI が下降して、モータ駆動電流信号VI の電圧値に近づいて行く。
【0059】
その後、図4(A)の時刻taに示すように、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS に達して、制御処理のS250で肯定判定されるか、或いは、図4(B)の時刻tbに示すように、モータ駆動電流信号VI の電圧値が駆動電流信号判定値ThVI に達して、制御処理のS260で肯定判定されると、挟み込みが発生したと検知されて、窓ガラスWは、閉じ側制御から開き側制御に転じられることとなる。尚、このように窓ガラスWの制御が開き側に転じられるタイミングは、上記時刻ta及び時刻tbの内で早い方のタイミングとなる。
【0060】
このように、窓ガラスWと窓枠との間に本当に異物が挟み込まれた場合には、制御処理におけるS250及びS260で肯定判定され易くなり、この結果、窓枠と窓ガラスWとの間の荷重が極めて小さい時点で、挟み込みが発生したと検知することができるようになる。
【0061】
即ち、センサ信号判定値ThVS が、図4(A)の一点鎖線で示すように、初期値から変化しない一定値の場合には、制御処理のS250で肯定判定されるタイミングが時刻taよりも遅れた時刻ta’となり、また、駆動電流信号判定値ThVI が、図4(B)の一点鎖線で示すように、初期値から変化しない一定値の場合には、制御処理のS260で肯定判定されるタイミングが時刻tbよりも遅れた時刻tb’となるため、挟み込みが発生したと検知するまでの時間が長くなってしまう。これに対して、本実施例のパワーウインドウ装置では、窓枠と窓ガラスWとの間の荷重が極めて小さい早期の時点で、挟み込みが発生したことを検知することができるのである。
【0062】
以上詳述したように、本実施例のパワーウインドウ装置では、制御処理におけるS250の判定に用いるセンサ信号判定値ThVS を、モータ駆動電流信号VI の電圧値に応じて、その電圧値が大きい場合ほど、S250で肯定判定され易くなるように大きな値に設定するようにしており、また、制御処理におけるS260の判定に用いる駆動電流信号判定値ThVI を、感圧センサ信号VS の電圧値に応じて、その電圧値が小さい場合ほど、S260で肯定判定され易くなるように小さな値に設定するようにしている。
【0063】
そして、これにより、窓ガラスWと窓枠との間に本当に人体等の異物が挟み込まれた場合にだけ、制御処理のS250及びS260で肯定判定され易くなるようにしている(換言すれば、挟み込み検知の感度が敏感になるようにしている)。
【0064】
従って、このような本実施例のパワーウインドウ装置によれば、窓ガラスWと窓枠との間に人体等が挟まれたことを素早く検知することと、通常時での誤検出を防止することとを、極めて高い次元で両立させることができる。
そして更に、本実施例のパワーウインドウ装置によれば、何等かの故障により、感圧センサ信号VS とモータ駆動電流信号VI との内の何れか一方を検出することができなくなっても、制御処理におけるS250及びS260の内の何れか一方の判定により、挟み込みが発生したことを検知することができる。
【0065】
また、図2(B)に示すように、窓枠に雨避け用のサイドウインドウバイザ(以下単に、バイザという)22が装着されており、そのバイザ22と窓ガラスWとの間で人体等の異物24を挟んでしまった場合には、感圧センサSに基づく挟み込み検知はできないが、窓ガラスWに加わる負荷がある程度大きくなれば、制御処理におけるS260の判定により、挟み込みが発生したことを検知することができる。
【0066】
よって、本実施例のパワーウインドウ装置によれば、窓ガラスWを閉じ側に制御する際に、挟み込みが発生したことを素早く検知して窓ガラスWの閉じ側制御を停止することができると共に、感圧センサSに基づく挟み込み検知とモータ4の駆動電流IM に基づく挟み込み検知との何れか一方が不能になっても、挟み込みの発生を確実に検出することができるため、極めて高い安全性を得ることができる。しかも、通常時において挟み込みが発生したと誤検出してしまうことを防止できるため、装置の信頼性を極めて高くすることができる。
【0067】
尚、上記実施例において、予め感圧センサSが故障していると判断できる場合(例えば、窓ガラスWを下降させているにも拘らず、感圧センサ信号VS の電圧値が低い値のままである場合)には、図4(A)の矢印及び二点鎖線で示すように、センサ信号判定値ThVS を強制的に大きな値に設定して、制御処理のS250で肯定判定され易くするようにしても良い。また同様に、予めモータ駆動電流信号VI を検出不能な状態であると判断できる場合(例えば、窓ガラスWを開閉制御しているにも拘らず、モータ駆動電流信号VI が0Vである場合)には、図4(B)の矢印及び二点鎖線で示すように、駆動電流信号判定値ThVI を強制的に小さな値に設定して、制御処理のS260で肯定判定され易くするようにしても良い。
【0068】
そして、このようにすれば、センサ等の故障時においても、挟み込みが発生したことを極力早期に検知することができるようになる。
一方、上記実施例では、窓ガラスWに加わる負荷を、モータ4の駆動電流IM として検出するものであったが、駆動電流IM に代えて、モータ4の回転速度を検出するようにしても良い。そして、この場合には、窓ガラスWに加わる負荷が大きくなるほど、モータ4の回転速度は低下するため、この回転速度と比較される判定値は、感圧センサ信号VS の電圧値が小さくなるほど、大きな値となるように設定すればよい。
【0069】
また、上記実施例においては、感圧センサSに加わる圧力が大きくなるほど、感圧センサ信号VS の電圧値が小さくなるものであったが、その逆であれば、制御処理のS250にて、感圧センサ信号VS の電圧値がセンサ信号判定値ThVS 以上であるか否かを判定するように変更すると共に、センサ信号判定値ThVS を、モータ駆動電流信号VI の電圧値が大きくなるほど、小さい値となるように設定するように変更すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパワーウインドウ装置の構成を表わす構成図である。
【図2】サイドウインドウバイザの取付状態を説明する説明図である。
【図3】図1のCPUで実行される制御処理を表すフローチャートである。
【図4】実施例のパワーウインドウ装置の作用を説明する説明図である。
【符号の説明】
2…ウインドウレギュレータ 4…パワーウインドウモータ(モータ)
6…制御装置 S…感圧センサ W…窓ガラス D…ドア
7…ウエザーストリップ 8…サッシュ 10,18…抵抗器
12…マイクロコンピュータ(CPU) 14…リミットスイッチ
16…入力回路 20…A/D変換器 RLY1,RLY2…リレー
22…サイドウインドウバイザ(バイザ) 24…異物
Claims (4)
- 車両の窓ガラスを外部からのスイッチ情報に応じて開閉制御するパワーウインドウ装置に用いられ、前記窓ガラスと該窓ガラスが開閉される窓枠との間に異物が挟まれたことを検知する挟み込み検知装置であって、
前記窓枠に加わる負荷に応じた電気信号を出力する第1の検出手段と、
該第1の検出手段から出力される電気信号の値が第1の判定値に達したか否かを判定する第1の判定手段と、
前記窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号を出力する第2の検出手段と、
該第2の検出手段から出力される電気信号の値が第2の判定値に達したか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第1の判定値を、前記第2の検出手段から出力される電気信号の値に応じて、該電気信号の値が前記窓ガラスに加わる負荷が大きいことを示す場合ほど、前記第1の判定手段が前記窓枠に負荷が加わった際に肯定判定し易くなるように設定する第1の設定手段と、
前記第2の判定値を、前記第1の検出手段から出力される電気信号の値に応じて、該電気信号の値が前記窓枠に加わる負荷が大きいことを示す場合ほど、前記第2の判定手段が前記窓ガラスに負荷が加わった際に肯定判定し易くなるように設定する第2の設定手段と、
前記第1の判定手段及び前記第2の判定手段の内の何れか一方によって肯定判定されると、前記窓ガラスと前記窓枠との間に異物が挟まれたと検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とする挟み込み検知装置。 - 請求項1に記載の挟み込み検知装置において、
前記第1の検出手段は、
前記窓枠に取り付けられ、外部から加わる圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサを備え、該感圧センサの抵抗値に応じた電圧信号を、前記窓枠に加わる負荷に応じた電気信号として出力するように構成されており、
前記第2の検出手段は、
前記窓ガラスを開閉するモータの駆動電流に応じた電圧信号を、前記窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号として出力するように構成されていること、
を特徴とする挟み込み検知装置。 - 請求項1に記載の挟み込み検知装置において、
前記第1の検出手段は、
前記窓枠に取り付けられ、外部から加わる圧力に応じて抵抗値が変化する感圧センサを備え、該感圧センサの抵抗値に応じた電圧信号を、前記窓枠に加わる負荷に応じた電気信号として出力するように構成されており、
前記第2の検出手段は、
前記窓ガラスを開閉するモータの回転速度に応じた電気信号を、前記窓ガラスに加わる負荷に応じた電気信号として出力するように構成されていること、
を特徴とする挟み込み検知装置。 - 車両の窓ガラスを外部からのスイッチ情報に応じて開閉制御するパワーウインドウ装置であって、
請求項1ないし請求項3の何れかに記載の挟み込み検知装置を備えると共に、
前記窓ガラスを閉じ側に制御しているときに、前記検知手段によって前記窓ガラスと前記窓枠との間に異物が挟まれたことが検知されると、少なくとも前記窓ガラスの閉じ側側を停止するように構成されていること、
を特徴とするパワーウインドウ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1996-07-04 JP JP17511396A patent/JP3555340B2/ja not_active Expired - Fee Related
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