JP3555056B2 - 油汚染土壌の処理方法 - Google Patents
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- Y02W30/20—Waste processing or separation
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原油等の油に汚染された土壌を処理して油分を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の処理方法としては、汚染土壌をたとえばケロシン(灯油)等の溶剤により洗浄することで油分を溶剤に溶解させて回収除去するものが知られている。また、油汚染土壌は塩分を含んでいるので、溶剤洗浄した後の土壌をさらに水により洗浄して塩分を除去することも行われている。そして、現在までのところ、油分および塩分をそれぞれ50%程度、20%程度含む油汚染土壌を上記方法により処理して、油分および塩分をそれぞれを1.3%程度、1.1%程度にまで低下させることが可能な処理プラントが稼働している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法では、油分および塩分の除去回収を比較的効率的に行い得るものではあるが、より一層の効率向上と処理能力の増大が望まれており、しかも回収した油をより高純度のものとしてそれを有効に活用したいという要請もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記事情に鑑み、本発明は、油に汚染された土壌を処理して油分を回収する方法であって、処理対象の土壌に溶剤を加えて加熱することで土壌中の油分を加熱分離して油分と塩分を含む上澄み液を土壌から分離回収する加熱分離工程と、前記加熱分離工程により分離回収した上澄み液を遠心分離により油分と塩分とに分離する脱塩工程と、前記脱塩工程において塩分を分離した油分を蒸留して溶剤を分離することで高純度の油分を回収する蒸留工程と、前記加熱分離工程により上澄み液を分離した後の土壌を溶剤洗浄することにより土壌中の残余の油分をさらに回収する溶剤洗浄工程と、前記溶剤洗浄工程の後段において土壌を水洗浄する水洗浄工程とを実施することを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1に示す処理工程図を参照して説明する。本例における処理対象の汚染土壌は油分を50%程度、塩分を20%程度含む砂であり、その汚染土壌をまず加熱分離処理する。すなわち、汚染土壌に溶剤たとえばケロシン(灯油)を適量添加し、70〜90℃程度に加熱する。すると、汚染土壌中から油分および塩分が上澄み液となって自ずと分離される。その上澄み液の成分は油分が65%程度、塩分が25%程度、砂分が10%程度である。
【0006】
上記の加熱分離工程により上澄み液が分離された後の土壌における油分はこの段階で30%程度にまで低下するが、その汚染土壌に対してはさらに溶剤洗浄を行う。すなわち、汚染土壌に同様の溶剤を添加して溶剤洗浄することで、汚染土壌中の油分を溶剤に溶解させて回収液として回収する。これにより土壌中の油分は1.5〜7%程度となる。また、土壌中にはまだ塩分が残るので、これを水洗浄して塩分が1.3〜3%程度となるまで脱塩し、これを脱水して浄化砂を得る。水洗浄に使用した洗浄水は塩分と微量の油分および微細な砂を含むが、これは適宜の水処理を行って処分すれば良い。
【0007】
一方、上記の加熱分解処理において分離された上澄み液は油分および塩分を含み、また、上記の溶剤洗浄工程において溶剤により回収された回収液には油分および溶剤が含まれているから、それら上澄み液および回収液から塩分の除去および溶剤の回収を行う。すなわち、上澄み液および回収液を遠心分離にかけて塩分を除去した後、蒸留して溶剤を回収する。これにより、塩分が1.3%程度にまで除去され、また溶剤も除去された高純度の油が回収される。蒸留により回収した溶剤はその一部を加熱分離工程へ、他を溶剤洗浄工程へ戻して再使用する。
【0008】
上記方法によれば、加熱分離工程において大半の油分が分離回収されるとともに、後段の溶剤洗浄工程において残余の油分がさらに回収され、したがって全体として優れた回収効率が得られ、汚染土壌を十分に浄化することができる。また、加熱分離工程では汚染土壌を70〜90℃程度に加熱するのみで良いのでさほどの処理費用を必要とせず、そのための設備も簡便なもので良く、したがって処理単価を安価に維持することができるし、処理能力を大きくすることも容易に可能である。
【0009】
また、回収した油分をさらに蒸留工程により蒸留して溶剤を分離するので、回収油は有償で出荷(つまり販売)することも可能な程度の十分に高純度のものとできる。図2は上記方法による回収油の蒸留特性を示す蒸留曲線Aを、従来法による回収油の蒸留曲線Bおよび原油(アラビアンライト)の蒸留曲線Cと対比して示したものであり、この図2から本方法による回収油は従来法によるものに比較して低温度蒸留成分が多く高純度であることがわかる。
【0010】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、汚染土壌に溶剤を加えて加熱して油分を加熱分離して油分と塩分を含む上澄み液を回収する加熱分離工程、それにより分離回収した上澄み液から遠心分離により塩分を除去して油分を回収する脱塩工程、回収した油分を蒸留して溶剤を分離する蒸留工程、溶剤洗浄により油分をさらに回収する溶剤洗浄工程、および水洗浄工程を実施するものであるから、加熱分離工程および溶剤洗浄工程により油分を効率的に回収することができ、また脱塩工程と水洗浄工程により塩分を十分に除去することができるから、汚染土壌を十分に浄化することができるとともに、蒸留工程により高純度の回収油を得ることができる。特に、加熱分離工程は汚染土壌を加熱するのみで良いのでさほどの処理費用を必要とせず、またそのための設備も簡便なもので良く、したがって処理単価を安価に維持することができるし、処理能力を容易に増大させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の処理工程の一実施形態を示す図である。
【図2】本方法による回収油の蒸留特性を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は原油等の油に汚染された土壌を処理して油分を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の処理方法としては、汚染土壌をたとえばケロシン(灯油)等の溶剤により洗浄することで油分を溶剤に溶解させて回収除去するものが知られている。また、油汚染土壌は塩分を含んでいるので、溶剤洗浄した後の土壌をさらに水により洗浄して塩分を除去することも行われている。そして、現在までのところ、油分および塩分をそれぞれ50%程度、20%程度含む油汚染土壌を上記方法により処理して、油分および塩分をそれぞれを1.3%程度、1.1%程度にまで低下させることが可能な処理プラントが稼働している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法では、油分および塩分の除去回収を比較的効率的に行い得るものではあるが、より一層の効率向上と処理能力の増大が望まれており、しかも回収した油をより高純度のものとしてそれを有効に活用したいという要請もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記事情に鑑み、本発明は、油に汚染された土壌を処理して油分を回収する方法であって、処理対象の土壌に溶剤を加えて加熱することで土壌中の油分を加熱分離して油分と塩分を含む上澄み液を土壌から分離回収する加熱分離工程と、前記加熱分離工程により分離回収した上澄み液を遠心分離により油分と塩分とに分離する脱塩工程と、前記脱塩工程において塩分を分離した油分を蒸留して溶剤を分離することで高純度の油分を回収する蒸留工程と、前記加熱分離工程により上澄み液を分離した後の土壌を溶剤洗浄することにより土壌中の残余の油分をさらに回収する溶剤洗浄工程と、前記溶剤洗浄工程の後段において土壌を水洗浄する水洗浄工程とを実施することを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1に示す処理工程図を参照して説明する。本例における処理対象の汚染土壌は油分を50%程度、塩分を20%程度含む砂であり、その汚染土壌をまず加熱分離処理する。すなわち、汚染土壌に溶剤たとえばケロシン(灯油)を適量添加し、70〜90℃程度に加熱する。すると、汚染土壌中から油分および塩分が上澄み液となって自ずと分離される。その上澄み液の成分は油分が65%程度、塩分が25%程度、砂分が10%程度である。
【0006】
上記の加熱分離工程により上澄み液が分離された後の土壌における油分はこの段階で30%程度にまで低下するが、その汚染土壌に対してはさらに溶剤洗浄を行う。すなわち、汚染土壌に同様の溶剤を添加して溶剤洗浄することで、汚染土壌中の油分を溶剤に溶解させて回収液として回収する。これにより土壌中の油分は1.5〜7%程度となる。また、土壌中にはまだ塩分が残るので、これを水洗浄して塩分が1.3〜3%程度となるまで脱塩し、これを脱水して浄化砂を得る。水洗浄に使用した洗浄水は塩分と微量の油分および微細な砂を含むが、これは適宜の水処理を行って処分すれば良い。
【0007】
一方、上記の加熱分解処理において分離された上澄み液は油分および塩分を含み、また、上記の溶剤洗浄工程において溶剤により回収された回収液には油分および溶剤が含まれているから、それら上澄み液および回収液から塩分の除去および溶剤の回収を行う。すなわち、上澄み液および回収液を遠心分離にかけて塩分を除去した後、蒸留して溶剤を回収する。これにより、塩分が1.3%程度にまで除去され、また溶剤も除去された高純度の油が回収される。蒸留により回収した溶剤はその一部を加熱分離工程へ、他を溶剤洗浄工程へ戻して再使用する。
【0008】
上記方法によれば、加熱分離工程において大半の油分が分離回収されるとともに、後段の溶剤洗浄工程において残余の油分がさらに回収され、したがって全体として優れた回収効率が得られ、汚染土壌を十分に浄化することができる。また、加熱分離工程では汚染土壌を70〜90℃程度に加熱するのみで良いのでさほどの処理費用を必要とせず、そのための設備も簡便なもので良く、したがって処理単価を安価に維持することができるし、処理能力を大きくすることも容易に可能である。
【0009】
また、回収した油分をさらに蒸留工程により蒸留して溶剤を分離するので、回収油は有償で出荷(つまり販売)することも可能な程度の十分に高純度のものとできる。図2は上記方法による回収油の蒸留特性を示す蒸留曲線Aを、従来法による回収油の蒸留曲線Bおよび原油(アラビアンライト)の蒸留曲線Cと対比して示したものであり、この図2から本方法による回収油は従来法によるものに比較して低温度蒸留成分が多く高純度であることがわかる。
【0010】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、汚染土壌に溶剤を加えて加熱して油分を加熱分離して油分と塩分を含む上澄み液を回収する加熱分離工程、それにより分離回収した上澄み液から遠心分離により塩分を除去して油分を回収する脱塩工程、回収した油分を蒸留して溶剤を分離する蒸留工程、溶剤洗浄により油分をさらに回収する溶剤洗浄工程、および水洗浄工程を実施するものであるから、加熱分離工程および溶剤洗浄工程により油分を効率的に回収することができ、また脱塩工程と水洗浄工程により塩分を十分に除去することができるから、汚染土壌を十分に浄化することができるとともに、蒸留工程により高純度の回収油を得ることができる。特に、加熱分離工程は汚染土壌を加熱するのみで良いのでさほどの処理費用を必要とせず、またそのための設備も簡便なもので良く、したがって処理単価を安価に維持することができるし、処理能力を容易に増大させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の処理工程の一実施形態を示す図である。
【図2】本方法による回収油の蒸留特性を示す図である。
Claims (1)
- 油に汚染された土壌を処理して油分を回収する方法であって、処理対象の土壌に溶剤を加えて加熱することで土壌中の油分を加熱分離して油分と塩分を含む上澄み液を土壌から分離回収する加熱分離工程と、前記加熱分離工程により分離回収した上澄み液を遠心分離により油分と塩分とに分離する脱塩工程と、前記脱塩工程において塩分を分離した油分を蒸留して溶剤を分離することで高純度の油分を回収する蒸留工程と、前記加熱分離工程により上澄み液を分離した後の土壌を溶剤洗浄することにより土壌中の残余の油分をさらに回収する溶剤洗浄工程と、前記溶剤洗浄工程の後段において土壌を水洗浄する水洗浄工程とを実施することを特徴とする油汚染土壌の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9614697A JP3555056B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 油汚染土壌の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9614697A JP3555056B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 油汚染土壌の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10286556A JPH10286556A (ja) | 1998-10-27 |
JP3555056B2 true JP3555056B2 (ja) | 2004-08-18 |
Family
ID=14157251
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9614697A Expired - Fee Related JP3555056B2 (ja) | 1997-04-14 | 1997-04-14 | 油汚染土壌の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3555056B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010253416A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-11-11 | Omega:Kk | 汚染土砂の洗浄システム |
CN110639943B (zh) * | 2019-10-28 | 2021-07-30 | 河南省环境保护科学研究院 | 一种有机物污染土壤的修复方法 |
-
1997
- 1997-04-14 JP JP9614697A patent/JP3555056B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10286556A (ja) | 1998-10-27 |
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