JP3769043B2 - 炭化水素含有ガスの処理方法 - Google Patents

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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、塩分を含む炭化水素含有ガスの処理方法に関し、さらに詳しくはNaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、Na2SO4、Na2CO3などの塩分を含むたとえば天然ガスなどの炭化水素含有ガスの処理方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
ガス井より採取された粗天然ガスは、産地によって成分および組成が異なるが、通常、メタンを主成分とする各種炭化水素類とともに他の成分たとえば水分、NaCl、KCl、MgCl2、CaCl2、Na2SO4、Na2CO3などの塩分、さらに他の夾雑物などを含有している。
【0003】
このような粗天然ガスは、通常、深冷分離法などを適用したガス処理プラントにおいて分離精製されて、実質的にメタンからなる天然ガス製品として回収されるとともに、重質の炭化水素からなる天然ガスコンデンセート(以下、NGLという)製品として回収されている。
【0004】
たとえば従来のガス処理プラントにおいて粗天然ガスから天然ガスおよびNGLを分離精製して回収するには、図3に示すように原料である粗天然ガスの一部を凝縮させて気液混合物とした後に気液分離し、主としてメタンからなる気相(G-1)と、重質の炭化水素類とからなる液相に分離し、気相(G-1)を回収するとともに、前記液相を水相と油相(C-1)とに分離して水相を系外に排除し、一方炭化水素類を含む油相(C-1)を蒸留塔に導入して蒸留処理して天然ガスおよびNGLを回収している。
【0005】
より具体的には、図3において、ライン1から導入された粗天然ガスを、熱交換器2において冷却することにより粗天然ガスの一部を凝縮させて気液混合物とし、気液混合物を、メタンからなる気相(G-1)と、液相とに分離し、さらにこの液相を気液分離器10において炭化水素類からなる油相(C-1)と、水相とに分離している。分離された水相は、ライン12を介して系外に排出される。この水相とともに粗天然ガスに含まれる塩分のうちのかなりの量が系外に排出される。
【0006】
分離された油相(C-1)は、そのまま蒸留塔に導入するか、あるいは蒸留塔に導入する前に、さらに減圧して気液分離する。すなわち油相(C-1)を次いでライン13を介して減圧弁14に導いて減圧して気液混合物とした後、気液分離器20に導いて気液分離し、メタンを主成分とする気相をライン21から回収する。またこの気液分離器20では、液相を油相(C-1)と水相とに分離し、水相をライン22を介して系外に排出し、油相(C-1)をライン23を介して蒸留塔50に導いて蒸留処理している。
【0007】
一方、前記の気液分離器10で分離された気相(G-1)に、エチレングリコールなどの脱水剤を添加した後、熱交換器16において冷却し、気相(G-1)の一部を凝縮させ、減圧弁18に導いて減圧し、ライン17を介して気液分離器30に導入する。この気液分離器30では、前記の気液分離器10と同様に気液分離して、実質的に高濃度のメタンからなる気相をライン31を介して回収するとともに、液相を水相と油相(C-2)とに分離し、水相を系外に排出している。そして油相(C-2)を蒸留塔50に供給している。
【0008】
また気液分離器30で分離された油相(C-2)は、蒸留塔50に導入する前に、必要に応じてさらに減圧し、気液分離して得られた油相を蒸留塔に供給している。
【0009】
このように蒸留塔50に送入された油相(C-1)および(C-2)は、次いで蒸留処理され、塔頂よりたとえば炭素数2以下(メタンおよびエタン)の留分を、塔底より主としてブタンなどの炭素数3以上の留分を回収している。
【0010】
また蒸留塔においては、チムニートレー56などを介してサイドカット流としての留出液(C-3)を抜き出し、この留出液(C-3)を液−液分離器55で水相と油相とに分離して、油相を蒸留塔に還流するとともに水相を系外に排出している。
【0011】
このようなガス処理プラントにおいて粗天然ガスを処理すると、粗天然ガス中に含まれている塩分のうちのかなりの量は、上記のような水相に同伴して排出されるが、油相(C-1)中あるいは気相から分離された油相(C-2)中にも塩分が含まれており、この塩分は油相(C-1)および(C-2)とともに蒸留塔内にも導入されてしまう。したがって蒸留塔から回収される天然ガスおよびNGL製品中に塩分が混入しないようにするため、また蒸留塔内あるいはリボイラー内に塩分が析出しないようにするためには、蒸留塔に導入される油相中の塩分量を極力低減させるか、蒸留塔内で塩分を除去する必要がある。
【0012】
一般的にガス処理プラントでは、このように気液分離工程において塩分を極力除去するように設計されてはいるが、油相とともに蒸留塔に導入される塩分量を極微量にすることはできない。そしてもし蒸留塔の底部などに塩分が析出すると、リボイラー57のチューブを腐蝕させたりあるいはリボイラーでの伝熱効率を低下させるので、通常、リボイラーのヒータチューブを耐食性材料で形成するとともに、所定操業期間たとえば1年間の運転経過後、定期クリーニングを行なうことが必要であった。
【0013】
また粗天然ガスは、前述のように採取地によってまた同一地域であってもガス井によってさらには同一ガス井であっても採取履歴によって、成分、組成、夾雑物の種類および量などが異なり、塩分量も一定ではない。このため所定の設計基準に従ったガス処理プラントであっても、操業期間中に原料である粗天然ガス中の塩分含有量が多くなることがあり、前記蒸留塔のリボイラー部分における塩分析出(塩析)量が設計基準を超過してしまったり、リボイラーチューブが腐食または閉塞したりして操業不能となることがある。
【0014】
また粗天然ガスの塩分含量が特に高いときには、従来のプロセスでは、塩析、腐食などを抑制することが困難である。
【0015】
【発明の目的】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、炭化水素含有ガスの処理方法において、粗天然ガスなどの炭化水素含有ガスの塩分含量が高くとも、この塩分を効率よく除去して、塩分を含まない天然ガスおよびNGLなどの製品を生産することができるとともに、特に蒸留塔に塩分などが析出してプラントの操業に支障をきたすことがないような炭化水素含有ガスの処理方法を提供することを目的としている。
【0016】
【発明の概要】
本発明に係る炭化水素含有ガスの処理方法は、
塩分を含む炭化水素含有ガスの一部を凝縮させて気液混合物とした後、得られた気液混合物を気液分離して液相と気相(G-1)とに分離するとともに、得られた液相を水相と油相(C-1)とに分離し、
分離された油相(C-1)を蒸留塔に導入して蒸留処理するに際して、および/または
分離された気相(G-1)の一部を凝縮させて気液混合物とした後、この気液混合物から液相を分離するとともに、得られた液相を水相と油相(C-2)とに分離し、この油相(C-2)を前記蒸留塔に導入して蒸留処理するに際して、
(i)蒸留塔に導入される油相の温度が水の凝固点を越える場合には、油相を水と接触させて塩分除去処理した後に蒸留塔に導入し、
(ii)蒸留塔に導入される油相の温度が水の凝固点以下である場合には、油相をそのまま蒸留塔に導入し、蒸留塔の油相が導入された段より下方に位置する液全量捕集部からサイドカット流として留出液を抜き出し、このサイドカット留出液を水と接触させて塩分除去処理した後に蒸留塔に還流することを特徴としている。
【0017】
本発明では、塩分を含む炭化水素含有ガスから気液分離された気相(G-1)あるいは油相(C-1)の少なくともいずれかにエチレングリコールなどの脱水剤を添加することが好ましく、特に脱水剤を、塩分を含む炭化水素含有ガスから気液分離された気相(G-1)に添加することが好ましい。
【0018】
前記塩分除去処理(ii)において、液全量捕集部から抜き出されたサイドカット留出液を水と接触させるに先立って、サイドカット留出液を液−液分離して水分および/または脱水剤を除去することが好ましい。
【0019】
本発明では、液全量捕集部として、チムニートレイを用いることが好ましい。本発明では、塩分除去処理を、油相と水との向流接触により行うことが好ましい。また油相と5〜60℃の水とを接触させることが好ましい。
【0020】
本発明では、塩分を含む炭化水素含有ガスが天然ガスであることが好ましく、炭化水素含有ガスは0.1〜10000重量ppmの塩分を含んでいてもよい。蒸留塔に導入されるに先立って塩分除去処理(i)される油相の温度は、25〜50℃、圧力は25〜50kg/cm2Gであることが好ましい。
【0021】
また蒸留塔から抜き出されて塩分除去処理(ii)されるサイドカット留出液の温度は、50〜80℃、圧力は20〜40kg/cm2Gであることが好ましい。
上記の油相(C-1)または油相(C-2)は、蒸留塔に導入するに先立って、減圧して気液混合物とした後、気相を分離するとともに液相を水相と油相とに分離する工程に付すことができる。
【0022】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る炭化水素含有ガスの処理方法を図1に示す実施態様について説明する。図1は、本発明に係る炭化水素含有ガスの処理方法によって、塩分を含む粗天然ガスから、天然ガスおよびNGLを製造するプロセスフローを例示したものである。
【0023】
図1において、ライン1を介して、粗天然ガスたとえば約80〜220kg/cm2G、常温〜70℃の粗天然ガスが供給される。
粗天然ガスとしては、その塩分含有量は特に制限されないが、通常0.1〜10000重量ppmの量で塩分を含有するものが挙げられる。
【0024】
この粗天然ガスを熱交換器2において、冷却することにより粗天然ガスの一部を凝縮させて気液混合物(1)とする。熱交換器2としては空冷式、水冷式、冷媒式などがいずれも使用できる。
【0025】
気液混合物(1)は、ライン3を介して気液分離器10に導かれ、主としてメタンからなる気相(G-1)と、それよりも重質の炭化水素などを主として含む液相とに分離される。
【0026】
気液分離器10で分離された気相(G-1)は、ライン11から抜き出して後述するように冷却などして一部を凝縮させる。
一方、液相は、前記気液分離器10において炭化水素類からなる油相(C-1)と、水相とに分離される。分離された水相は気液分離器10の底部に設けられたウォーターブーツよりライン12を介して系外に排出される。この水相とともに、粗天然ガスに含まれる塩分のうちのかなりの量が系外に排出される。
【0027】
また油相(C-1)は、通常エタンおよびそれより重質の炭化水素類とともに依然としてメタン、水分および塩分も含有しているので、必要に応じてさらに分離精製する。具体的には、油相(C-1)を、気液分離器10からライン13を介して減圧弁14に導いて減圧し、気液混合物(2)とした後、ライン15を介して気液分離器20に導いて前記の気液分離器10と同様に気液分離する。
【0028】
この気液混合物(2)には、必要に応じてトリエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールなどの脱水剤を添加することもでき、たとえば気液混合物(2)がライン15から気液分離器20に導入される前に脱水剤を添加することができる。
【0029】
気液分離器20で分離されたメタンを主成分とする気相は、ライン21から回収される。水相(あるいはグリコール溶液相)は、気液分離器20の底部に設けられたウォーターブーツよりライン22を介して系外に排出される。
【0030】
また油相(C-1)は、依然としてメタン、エタン、水分などを含有しており、この油相(C-1)にさらに減圧・気液分離する工程を付してもよい。
ライン23から抜き出された油相(C-1)あるいはこれをさらに減圧・気液分離して得られる油相(C-1)は、後述するように油相の温度に応じて、予め塩分除去処理(i) された後、あるいはそのままで蒸留塔50に送入され、蒸留処理される。
【0031】
なお上記のように気液混合物(2)に脱水剤を添加すると、気液混合物(2)の気液分離を効率的に行なうことができるが、この脱水剤は必ずしも必要ではなく、脱水剤を添加しない場合には、蒸留塔下段における負荷を脱水剤を用いない分だけ軽減することができる。
【0032】
一方、前記の気液分離器10で分離された気相(G-1)は、通常メタンとともに依然として重質の炭化水素および水分を含有している。このため気相(G-1)を、下記のように冷却して気液分離する。
【0033】
気液分離器10からライン11を介して抜き出された気相(G-1)を、熱交換器16において冷却し、気相(G-1)の一部を凝縮させて気液混合物(3)とした後、必要に応じてさらに減圧弁18にて減圧し、ライン17を介して気液分離器30に導入し、前記の気液分離器10と同様に気液分離する。すなわち気液分離器30では,気相31と液相とに分離され、この液相は水相と油相(C-2)とに分離される。
【0034】
また気相(G-1)を熱交換器16に導入するに先だって、気相(G-1)に不凍効果も有する脱水剤を添加して、凍結を防止することが好ましい。この脱水剤としては、通常エチレングリコールなどのグリコール類が用いられる。
【0035】
気液分離器30で分離された気相は、ライン31を介して回収される。このライン31から回収される気相は、実質的に高濃度のメタンからなり、そのままで天然ガス製品として利用することができるが、あるいは必要に応じてさらに減圧して低温低圧の条件で気液分離してもよい。
【0036】
気液分離器30で分離された水相(あるいはグリコール溶液相)は、ウォーターブーツよりライン32を介して系外に排出する。
また油相(C-2)は、後述するように油相の温度に応じて予め塩分除去処理(i) された後、あるいはそのままでライン33から蒸留塔50に導入される。この気液分離器30で分離された油相(C-2)は、通常エタンおよびそれより重質の炭化水素類とともに依然としてメタン、水分および塩分も含有しているので、蒸留塔50に導入するに先立って、必要に応じてさらに気液分離工程に付すことができる。
【0037】
気液分離器30で分離された油相(C-2)にさらに気液分離工程が付される場合には、具体的には、油相(C-2)をライン33から減圧弁34に導いて減圧し、気液混合物(4)とした後、気液分離器40に導いて気液分離する。
【0038】
気液分離器40で分離されたメタンを主成分とする気相は、ライン41から回収される。水相(あるいはグリコール溶液相)は、気液分離器40の底部に設けられたウォーターブーツよりライン42を介して系外に排出される。
【0039】
また油相(C-2)は、依然として、メタン、エタンなどを含有しており、さらに低温低圧にて気液分離する工程を付してもよい。
ライン43から抜き出された油相(C-2)あるいはこれをさらに低温低圧にて気相分離して得られる油相(C-2)は、後述するように油相の温度に応じて予め塩分除去処理(i) された後あるいはそのままで蒸留塔50に送入され、蒸留処理される。
【0040】
本発明では、上記のようにして気液分離工程で得られた油相(C-1)および(C-2)を、次いで蒸留塔50において蒸留処理し、塔頂よりたとえば炭素数2以下(メタンおよびエタン)の留分を抜き出し、一部を塔上部に還流し、残りを製品として回収するとともに、塔底より主としてブタンなどの炭素数3以上の留分を回収する。
【0041】
本発明では、このように気液分離工程で得られた油相(C-1)および/または(C-2)を蒸留塔50に導入して蒸留処理するに際して、
(i)蒸留塔に導入される油相の温度が水の凝固点を越える場合には、油相を水と接触させて塩分除去処理した後に蒸留塔に導入し、
(ii)蒸留塔に導入される油相の温度が水の凝固点以下である場合には、油相をそのまま蒸留塔に導入し、蒸留塔の油相が導入された段より下方に位置する液全量捕集部からサイドカット流として留出液を抜き出し、このサイドカット留出液を水と接触させて塩分除去処理した後に蒸留塔に還流する。
【0042】
上記のような油相と水との接触は、通常洗浄塔を用いて行なわれる。
具体的には、蒸留塔50に導入される油相(C-1)の温度がたとえば約40℃であると、油相(C-1)を気液分離器20からライン23を介して洗浄塔51に導き、水と接触させて油相(C-1)から塩分を除去した後、蒸留塔50の中段に導入する。
【0043】
また油相(C-2)の温度がたとえば約−40℃であると、ライン33(あるいは43)からそのまま蒸留塔上段に導入する。そしてこのように油相(C-2)をそのまま蒸留塔50に導入した場合には、油相(C-2)を導入した段よりも下方に位置する液全量捕集部からライン52を介してサイドカット流として留出液(C-3)を抜き出し、この抜き出されたサイドカット留出液(C-3)を液−液分離器55に導き、この留出液(C-3)から水相(脱水剤溶液相)を除去した後、サイドカット留出液(C-3)を洗浄塔53に導き、水と接触させて留出液(C-3)から塩分を除去した後、ライン54を介して蒸留塔50に還流する。
【0044】
このように蒸留塔50に導入されるに先立って洗浄塔51で塩分除去処理(i) される油相の温度は、通常25〜50℃、圧力は25〜50kg/cm2Gであることが好ましい。
【0045】
また蒸留塔50から抜き出されて塩分除去処理(ii)されるサイドカット留出液(C-3)の温度は、50〜80℃、圧力は20〜40kg/cm2Gであることが好ましい。
【0046】
本発明では、上記のようにサイドカット留出液(C-3)を、洗浄塔53において水と接触させるに先立っては、サイドカット留出液(C-3)中に含まれる水分あるいは水分とともにエチレングリコールなどの脱水剤を予め分離除去しておくことが望ましい。
【0047】
具体的にはたとえば上述したように、蒸留塔50の油相(C-2)の導入点より下段に設けられた液全量捕集部たとえばチムニートレー56から、サイドカット留出液(C-3)を抜き出し、この留出液(C-3)を液−液分離器55で水相(または脱水剤溶液相)と油相とに分離して、水および脱水剤としてのグリコールを系外へ除去している。次いで水およびグリコールなどが除去されたサイドカット留出液(C-3)を、上記のように洗浄塔53において水と接触させて塩分除去処理した後、ライン54を介してチムニートレー56の下段に還流する。
【0048】
液全量捕集部は、チムニートレー56に限らず、下方に液が流れることなく、液の全量を捕集しえるものであればよい。
たとえば図2に示すように、蒸留塔60を上段部61と下段部62とに分割することにより、上段部61の底部64を液全量捕集部として用いることもできる。すなわち蒸留塔60の上段部61の底部に捕集された液を、ライン52を介してサイドカット留出液として抜き出し、抜き出されたサイドカット留出液を上記と同様に液−液分離器55に導入して水相(脱水剤溶液相)を除去し、次いで洗浄塔53に導入して塩分を除去する。
【0049】
塩分が除去された留出液は、蒸留塔60の下段部62に還流し、下段部62の頂部付近のガスはガス流通ライン63を介して蒸留塔の上段部61に導入すればよい。
【0050】
また蒸留塔の上段部61と下段部62とは、図2に示すように必ずしも単一の蒸留塔内に設ける必要はなく、それぞれ別個の蒸留塔として設けることもできる。
【0051】
なお図2中、符号1〜57は図1と同様のものを示す。
このように留出液(C-3)を洗浄塔53に導く前に、上記のように液−液分離器55において水分およびグリコール類を除去しておくと、水分およびグリコール類とともに、塩分も除去されるので塩分除去処理を効果的に行うことができる。
【0052】
上記のように塩分除去処理(i)または(ii)を行うと、蒸留塔内に析出する塩分を効果的に低減することができ、天然ガス、NGLなどに製品中に塩分が混入するのを防止することができるとともに,リボイラー57内に析出する塩分を低減することができる。
【0053】
上記のような塩分除去処理(i)または(ii)の際に、油相またはサイドカット留出液と接触させる水は、塩分含有量の少ない水であればよい。またこの水の温度は、液体を維持できる温度であればよい。通常5℃以上、さらに5〜60℃であることが好ましい。
【0054】
洗浄塔51および53において、水と油相(またはサイドカット留出液)との接触は、たとえば液−液抽出などの液々接触法や高電圧下で脱塩する電気脱塩法などにより行なうことができる。この水と油相(またはサイドカット留出液)との接触の方式は、目的とする脱塩の程度に応じて選定すればよく、具体的には並流方式、向流方式、直交流方式などが挙げられる。その中でも通常、液−液接触においては、向流方式で接触させることが好ましい。また洗浄塔51および53における水と油相(またはサイドカット留出液)との接触量は重量比では、経済的面を考慮すれば、1:1〜10、好ましくは1:5〜10程度である。
【0055】
このように気液分離器20から抜き出される油相(C-1)は洗浄塔51で塩分除去処理(i)されることによって、油相(C-1)に同伴された塩分は、効果的に除去される。また、気液分離器40から蒸留塔50に塩分除去処理(i)されることなくそのまま導入された油相(C-2)が塩分除去処理(ii)されることによって、油相(C-2)に同伴された塩分は、効果的に除去される。
【0056】
本発明においては、塩分除去処理(i)または(ii)のどちらか一方のみによっても、原料ガスの塩分含有量によっては塩分を充分に除去することができる。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0057】
【実施例1】
図1に示す炭化水素含有ガスの処理方法にしたがって、塩分が40ppmである粗天然ガスの処理を行った。
【0058】
油相、サイドカット留出液の温度などは、下記のような条件で行なった。
Figure 0003769043
サイドカット留出液(C-3) … 温度:約70℃、圧力:約26kg/cm2
洗浄塔51、53における油相(またはサイドカット留出液)/水(重量比)=10/1
蒸留塔の中段に導入されるに先立って塩分除去処理工程(i) (洗浄塔51)に導入される油相中の塩分濃度、蒸留塔塔頂に導入される油相中の塩分濃度、蒸留塔塔底液中の塩分濃度を表1に示す。
【0059】
【比較例1】
図3に示すような従来の炭化水素含有ガスの処理方法にしたがって、塩分が0.5ppmである粗天然ガスの処理を行った。
【0060】
なお粗天然ガス中の塩分以外の組成および処理条件は実施例1と変化ないものとする。
蒸留塔の中段に導入される油相中の塩分濃度、蒸留塔塔頂に導入される油相中の塩分濃度、蒸留塔塔底液中の塩分濃度を表1に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0003769043
【0062】
実施例1では、原料ガス中の塩分が多いにもかかわらず、蒸留塔塔底液の塩分含有量は1ppm と低く、本発明に係る炭化水素含有ガスの処理方法によれば塩分除去が良好に行なわれていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炭化水素含有ガスの処理方法のプロセスフローの一実施態様を示す。
【図2】本発明に係る炭化水素含有ガスの処理方法のプロセスフローの他の実施態様を示す。
【図3】従来のガス処理プラントのプロセスフローを示す。

Claims (13)

  1. 塩分を含む炭化水素含有ガスの一部を凝縮させて気液混合物とした後、得られた気液混合物を気液分離して液相と気相(G-1)とに分離するとともに、得られた液相を水相と油相(C-1)とに分離し、
    分離された油相(C-1)を蒸留塔に導入して蒸留処理するに際して、および/または
    分離された気相(G-1)の一部を凝縮させて気液混合物とした後、この気液混合物から液相を分離するとともに、得られた液相を水相と油相(C-2)とに分離し、この油相(C-2)を前記蒸留塔に導入して蒸留処理するに際して、
    (i) 蒸留塔に導入される油相の温度が水の凝固点を越える場合には、油相を水と接触させて塩分除去処理した後に蒸留塔に導入し、
    (ii)蒸留塔に導入される油相の温度が水の凝固点以下である場合には、油相をそのまま蒸留塔に導入し、蒸留塔の油相が導入された段より下方に位置する液全量捕集部からサイドカット流として留出液を抜き出し、このサイドカット留出液を水と接触させて塩分除去処理した後に蒸留塔に還流することを特徴とする炭化水素含有ガスの処理方法。
  2. 塩分を含む炭化水素含有ガスから気液分離された気相(G-1)に脱水剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  3. 塩分を含む炭化水素含有ガスから気液分離された油相(C-1)に脱水剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  4. 前記塩分除去処理(ii)において、液全量捕集部から抜き出されたサイドカット留出液を水と接触させるに先立って、サイドカット留出液を液−液分離して水分を除去することを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  5. 前記塩分除去処理(ii)において、液全量捕集部から抜き出されたサイドカット留出液を水と接触させるに先立って、サイドカット留出液を液−液分離して水分および脱水剤を除去することを特徴とする請求項2〜3のいずれかに記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  6. 前記の液全量捕集部が、チムニートレイであることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  7. 塩分除去処理を、油相と水との向流接触により行うことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  8. 塩分除去処理を、油相と5〜60℃の水とを接触させることにより行うことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  9. 塩分を含む炭化水素含有ガスが天然ガスであることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  10. 塩分を含む炭化水素含有ガスが0.1〜10000重量ppmの塩分を含むことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  11. 蒸留塔に導入されるに先立って塩分除去処理(i)される油相の温度が、25〜50℃、圧力が25〜50kg/cm2Gであることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  12. 蒸留塔から抜き出されて塩分除去処理(ii)されるサイドカット留出液の温度が、50〜80℃、圧力は20〜40kg/cm2Gであることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
  13. 油相(C-1)および/または油相(C-2)を、蒸留塔に導入するに先立って、減圧して気液混合物とした後、気相を分離するとともに液相を水相と油相とに分離する工程に付すことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素含有ガスの処理方法。
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