JP3555016B2 - 磁石を用いた回転電機及び電磁機器 - Google Patents

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Description

[0001]
[発明の属する技術分野]
この発明は、磁石単独や電磁石と併用して用いる回転子を有する電動機や発電機及び電磁機器において、起動トルクやコギングを軽減するため、固定子と対峙する鉄心間に設けたスリットにスキューを設けた磁極構造に関する。
[0002]
【従来の技術】従来の発電機や電動機の回転子は通常円筒状の磁石を用い、それに着磁時に磁極間の境界にスキューしたスペースを設けて行っている。この場合着磁設備に膨大な費用がかかり中少量生産には適さなかった。又円筒状の磁石では磁界形成に限界があり、高出力や高効率の機器には適さなかった。
[0003]
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は交流発電機や電動機等の回転子のスキュー溝を有する鉄心構造及びその構成等により、高出力や高効率電機達成のための放射型磁極配置での▲1▼スキュー形成により起動改善やコギング低減の実現、それに▲2▼生産性の向上等を解決することを課題とする。
[0004]
【課題を解決するための手段】
▲1▼スキュー形成により起動改善やコギング低減の実現であるが、放射配置の直方体形状の磁石は通常用いられている積層鉄心のスキュー溝には、同じ形状の鉄板の積層では、ねじれ状の溝になるため隙間無しには挿入出来ない。さらにねじれ状の溝にぴったりした磁石を作ることは非常にコストが高くなり経済的ではない。そこで、鉄心の形状に工夫を凝らし、直方体形状の磁石でも隙間無しに挿入出来るようにし、鉄心の保持やシャフトとの隔離を目的とした多角形の非磁性体の辺にそってスキュー溝を形成するようにする。この場合スキュー幅Wをかえる場合(a)同じ多角形の非磁性体の場合に辺の長さをLとした場合、0≦W≦1/2Lの範囲でかえる。(b)多角形の非磁性体の辺の長さLを変えてW=1/2Lによりかえる。(c)(a),(b)にてもスキュー幅Wが不足の場合は、鉄心を軸方向に分割し、分割した鉄心の多角形の非磁性体の辺長Lによるスキュー幅Wの限界(1/2L)内で最大分割数kの倍数のスキュー幅 W=1/2kLを形成できる。又軸方向にn分割にしたストレートな(スキュー無)鉄心に,n分割した磁石を軸に平行に挿入後スキュー角によってn個の鉄心を隣接する鉄心相互に回転配置してジグザグ溝をまず形成し、その外部に(外転型回転子の場合は内部に)ストレートなスキュー溝を施した円筒状の鉄心を配置してスキュー効果を持たせて実現する。円筒状の鉄心を用いる場合ジグザグ溝による磁気特性の改善やスキュー幅を微調整するため鉄心の厚さを厚くする必要がある場合、工作上複数の鉄心で行う。この場合に生産性を上げるため、磁石鉄心や外周配置の円筒状の鉄心に積層鉄心をもちいてもよい。
又、回転子鉄心を一体の積層鉄心にて行う場合は、磁石を挿入した際に鉄心との隙間が生じない程度に、磁石をスキュー溝に挿入可能な数に分割することにより、生産性を飛躍的に向上できる。さらに、電機の特性を強さの異なる磁石の組み合せなどにより特性の変更や改善が容易に出来るようになる。
▲2▼生産性の向上ついてであるが、鉄ブロックによる鉄心形成は中量産には不向きである。理想的には固定子コアと回転子コアを一体で作るのが望ましい。そこでいくつかの積層鉄心を部分又は全体に使えるように磁石鉄心にスキュー形成用の等ピッチ孔を設けたり、その構成を工夫して実現した。
[0005]
[実施の形態]
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して内転型発電機を例に説明する。
図1は内転型の発電機で図1aが本発明のスキュー構造を有し、磁石1単独や電磁石10との組み合せにて構成した回転子3を有する発電機の断面構造を示し、図1bは従来の円筒型磁石回転子3′を用いた発電機の断面構造を示す。回転子は動力源により外から駆動されると固定子2、2’に巻き込んでいるコイル5等に回転数に応じた電圧が発生し、電気取り出しコード9、9’に抵抗等負荷をつなげば電流が流れ電力を供給する。コイルの発生電圧は固定子と回転子との空隙の磁束密度に比例し、又回転数にも比例する。本発明は回転子に放射状に配した磁石にて形成した磁石式回転子の起動トルクやコギングを軽減するためスキューを形成し、さらにその生産性を考慮したいくつかの例を示めす。
【0006】次に本発明の磁石式スキュード回転子についてその鉄心構造・材質・構成、非磁性体スペーサーの構造等について以下図面に基づき説明する。図2は内転型四極の電機に用いるスキューを施した磁石式回転子の鉄心構造を示し、図2aは内転型電機に用いる分割鉄心12で平面図と両側の側面図を示している。この場合スキュー幅Wを形成すると同時に四角形非磁性体14の稜線を跨ぎ幅Wにて跨ぐように係合する内径部分を形成(この図では直角の切り欠き部分dを形成)するとともに、鉄心の回り止め機能の同時に持たせるようにしている。図2bは図2aの分割鉄心12を四個組み合わせ四極電機のスキューを施した磁石式回転子を構成したもので平面図と両側面図を示している。この場合形成出来るスキュー幅Wは鉄心外徑、磁石寸法(特に放射方向寸法)、多角形非磁性体の辺の長さ等により自ずと限界があり、四角形非磁性体14の一辺の長さLとした時W=1/2Lを最大として0から1/2Lまでスキュー可能となる。そこで、さらに大きなスキューを行う場合は、図2cに示す例は鉄心12を軸方向に四分割にした場合で、各鉄心にて最大のスキュー幅W=1/2Lを施し、それらのスキューを総合して図2bでのスキューの約四倍のスキュー幅4Wを実現した例を示している。12cの場合、シャフト8に圧入等で固着した非磁性体14’も四分割し、しかもシャフトに固着する時スキュー形成が直線状やジグザグ状など、目的に応じてうまく出来るように適切な角度を相互にずらしたりすることがポイントとなる。これにより、スキュー幅や形を目的に応じて自由自在に変えて形成出来るようになる。
[0007]
図3は図2で示した四極の回転子に対し、六極と8極の例を示しており、図3aは6極の構成例を示し、スキュー幅W′はW′≦1/2L′で形成出来、図3bは八極の構成例を示し、スキュー幅W″はW″≦1/2L″で形成出来ている。
図4はスキュー幅をかえる場合に非磁性体14c、14d、14eの外徑を変えて行う例を八極の回転子を例に示している。非磁性体は外徑が14e>14d>14cとなっており、スキュー幅も外徑の大きさに比例して大きくなっていて、W1∠W2∠W3となっている。この場合磁界の強さを維持するため、磁石13d、eは13cに比べ放射方向の長さの減少を磁石の幅の増加で補っている。これら多極の回転子も図2cで示した鉄心の軸方向の分割にて同様にスキュー幅を自由自在に変えうることは言うまでもない。
[0008]
図5、6、7は回転子の鉄心を分割し、放射状及び軸方向に平行に挿入した磁石をスキューに応じてある角度軸心に対しずらしてジグザグにスキューを形成した、鉄心部の外周にスキュー溝を有する円筒状の鉄心を配置したスキュード磁石式回転子を示している。この場合磁石挿入鉄心23、23aは単一の鉄のブロック材は勿論、積層鉄板でも製作可能で、低コストで生産性抜群の構造となっている。鉄心に開けている孔22、22a,22bは同一円周上に位置し、スキュー角に合せて同一ピッチで複数個設けていて、分割した鉄心間での結合組み立てがスムーズに行えるようになっている。図5は円筒状鉄心24が一重の場合で、磁石21a,21b,21cをそれぞれ挿入した鉄心を孔22を用いてジグザグにスキューさせた後、円筒状鉄心24を外周に配置した構造となっている。スキューを大きくする場合は磁石21a,b,cの幅やスキュー溝20gなどの幅を大きくして、鉄心間の孔22を大きくずらすことにより達成できる。鉄心部分を積層鉄心にした場合は固定子の鉄心と同一製作工具で同時抜きで製作出来るのでコスト、生産性は非常に優れたものとなる。
図6は図5の磁石鉄心の外周に配置した円筒状鉄心24の代わりに複数の円筒状鉄心24a,b,cに置き換えたもので、図5の円筒状鉄心24が厚くなった場合に生産性を上げるために厚さ方向を分割して目的を達成するもので、さらに分割した円筒状鉄心のスキューを外部のものほど大きくして固定子と対峙する空隙でのスキュー幅の微調整や鉄心空隙部の磁気特性の改善が出来る特徴がある。
図7は円筒状鉄心の材質に積層鉄心26にし、誘導電動機等の駕籠型回転子などで通常行われているスキューを施した円筒状鉄心でジグザグスキュー磁石鉄心の外周に配置した例である。この場合鉄心類は全て積層材で出来るようになり、生産コスト、生産性抜群の量産に適した磁石式スキュード回転子を提供可能となる。
[0009]
図8は回転子鉄心を一体の積層鉄心25にて製作しスキュー後、鉄心とのギャップが最少になるように分割した複数の磁石(特性を調節出来るようにするため特性の異なるものでもよい)を外周より挿入して形成した磁石式スキュード回転子の例をしめす。この場合に鉄心スロットより磁石の飛び出しを防止するために別途かしめ、圧入、溶接あるいは別部品のリングなどで固着するようにしている。この例は一体の積層鉄心となっているため、前述の実施例に比べ、生産性抜群で量産に適した磁石式スキュード回転子を提供可能となる。
[0010]
以上内転型回転電機について説明してきたが、外転型回転電機にも反転構造になっているので内転型同様適用出来るのはいうまでもない。また、発電機について説明を行ってきたが、これらの技術は他の磁石を用いるあらゆる電機や電磁機器に適用出来ることはいうまでもない。例えば放射状以外の磁石を有する回転子、パンケーキタイプ電機、リニアーモータ、電磁石機器等。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は磁石式スキュード回転子を有する電動機や発電機の鉄心構造、材質や構成などを見直し、スキュー幅を自由自在に変化出来る構造を考案して、電機の起動トルクやコギングを低減出来、しかもコスト的に安く、設備費のかからない電機を実現できる。特にブロック回転子鉄心の分割・分離構造でのスキュー形成と同時に転りどめ多角形非磁性体の稜線またぎ構造、多角形非磁性体の一辺の長さを変えてスキュー角を変化させる方法、磁石鉄心を複数分割してスキュー幅を自由自在に変えうるようにしたものなど画期的な考案が多々含まれている。また、量産時の生産性を上げるため、鉄心に積層鉄板を使用可能にした鉄心構造の数々もコストパフオーマンスに優れたもので有効性大といえる。
【図面の簡単な説明】
[図1]本発明の磁石式スキュード回転子にて構成した回転子を有する内転型発電機の一実施例を示す構造図と従来型発電機の構造説明図
[図2]四極の分割、分離磁石鉄心を正方形の非磁性体に配した磁石式スキュード回転子の構造の例を示す図
[図3]六極及び八極の分割、分離磁石鉄心を正六及び八角形の非磁性体に配した磁石式スキュード回転子の例を示す説明図
[図4]外徑の異なる三種類の正八角形の非磁性体に配した磁石鉄心を有する磁石式スキュード回転子の例を示す説明図
[図5]積層鉄心等を用いたジグザグ磁石鉄心とスキュー溝つき円筒鉄心を組み合わせた磁石式スキュード回転子の例を示す説明図
[図6]積層鉄心等を用いたジグザグ磁石鉄心と複数のスキュー溝つき円筒鉄心を組み合わせた磁石式スキュード回転子の例を示す説明図
[図7]積層板を用いた鉄心等を用いたジグザグ磁石鉄心とスキュー溝つき積層板円筒鉄心を組み合わせた磁石式スキュード回転子の例を示す説明図
[図8]スキューした積層板鉄心に複数に分割した特性が同一又は異なる磁石を配した磁石式スキュード回転子の例を示す説明図
【符号の説明】
1’ : 磁石
2、 2’ : 固定子
3 : 磁石式スキュード回転子
3’ : 円筒型磁石回転子
4、4’ : ハウジング
5、5’ : コイル
6、6’ : エンドブラケット
7、7’ : 軸受け
8、8’、8a,8b ,8c,8d,8e: シャフト
9、9’ : 電源コード
10 : 電磁石
11、11’: ベース
12、12a,12b,12c,12d,12e、 : 分割鉄心
13 ,13a ,13b,13c,13d,13e,21a,21b,21c ,21d,21e,21f,21g,21h,21i ,31,32,33: 磁 石
14,14’、14a,14b,14c,14d,14e : 非磁性体
20a,20a’,20b,20c,20d,20e,20f ,20g 、20h 、20i ,20j : スキュー溝
d : 鉄心内徑切り欠き部
N,S : 磁石の極性
w,w’,w“,w,w,w,w,w,w,w7、4w: スキュー幅
L,L’,L“,L,L,L : 非磁性体の辺の幅
22,22a,22b : 孔
23,23a,25,26 : 積層鉄心
24 ,24a,24b,24c : 円筒状スキュー溝付き鉄心

Claims (10)

  1. 永久磁石単独又は電磁石と併用して回転子を形成するN極の回転電機において、起動トルクやコギングを少なくするための回転子のスキュー形成において、回転子軸と回転鉄心との間に設けられた正N角形の非磁性体スペーサの軸方向稜線を跨いでスペーサ外面に接する分割回転鉄心内面の跨ぎ幅の割合を軸方向に漸次変化させることによって、回転鉄心とスペーサとで形成されるスロット形状が長い直方体の永久磁石でもスロットとのギャップを生ずることなく挿入できるようにしたことを特徴とする回転電機。
  2. 請求項1の回転電機において、回転鉄心内面の跨ぎ幅を0を超えスペーサの多角形一辺の1/2まで変化させることにより、スキュー量をスペーサの多角形一辺の1/2まで任意に変化させることが出来ることを特徴とする回転電機。
  3. 請求項2の回転電機において、スペーサの多角形一辺の長さを変えることにより、スキュー量を変化させることが出来ることを特徴とする回転電機。
  4. 請求項1の回転電機において、回転鉄心及び非磁性体スペーサを回転子軸方向にK分割し、それぞれを請求項1による構成でスキューを形成したものを回転子軸上に直列に配置し、分割したそれぞれのスペーサを回転させて順次それぞれのスキュー量づつ回転方向にずらすことによって、分割された回転鉄心のスキュー量のK倍のスキュー量を形成することを特徴とする回転電機。
  5. 請求項1の回転電機において、N分割した回転鉄心を結合部材によって結合して回転子を形成する構造とすることによって、分割した回転鉄心がスペーサと接する面を開放された平面の組合せによる単純形状にすることにより加工を容易とし生産性及び精度の向上を図ることができるようにしたことを特徴とする回転電機。
  6. 永久磁石単独又は電磁石と併用して回転子を形成する回転電機において、起動トルクやコギングを少なくするため、固定子との空隙部のスキュー形成において、回転子鉄心に放射状に永久磁石を挿入するスロットを設け、回転子のシャフトに装着され、磁極がN極の場合にN角形の非磁性体でできたスペーサの辺に沿うように回転子鉄心の対峙面を形成し、軸方向にK等分に分割した積層鉄心に直方体の磁石でもスロットのギャップを生じることなくストレートに挿入できるようにしたそれぞれの回転子鉄心及びスペーサをそれぞれのスキュー量づつ角度をずらしてジグザグにスキューを形成し、更に回転子鉄心の外周に、ジグザグスキューによる磁気短絡や磁束の漏洩を極力少なくするようにスリット巾調整をした筒状磁極を形成してスキュー効果を持たせたことを特徴とする回転電機。
  7. 請求項6において、ジグザグにスキューを形成するため同一鉄心にて形成できるようにジグザグのずらし角度のピッチに合わせて結合穴を形成した積層鉄心を用いた回転電機。
  8. 請求項6において、磁気短絡や磁束の漏洩を極力少なくするようにしたスリットを形成した積層鋼板にて形成した筒状磁極にてスキュー効果を持たせたことを特徴とする回転電機。
  9. 請求項6において、外部の筒状磁極ほどスキュー幅を大きくした複数の筒状磁極にてスキュー効果をより強くするように持たせたことを特徴とする回転電機。
  10. 請求項6において、磁気短絡や磁束の漏洩を極力少なくするようにしたスリットを形成した筒状磁極と積層鉄心とを組み合わせて、回転子鉄心の外周部に筒状鉄心を配し、その外周部に積層鉄心を配したり、その逆の配置にて形成したりして、より効果的なスキュー効果を持たせたことを特徴とする回転電機。
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