JP3554797B2 - 赤外線検知装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、波長10μm前後の赤外線エネルギーの変動量を検出し、移動する人間や物体を検知する赤外線検知装置に関するものであり、特に近赤外線を含む外乱光の影響を低下させ、装置のS/N比を向上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より使用されているこの種の装置は、人体や常温付近の物体が放射する赤外線を効率よく検出するものであり、300゜Kの黒体放射エネルギ−に相当する7〜15μmの波長領域を高感度に検出するよう、一般に次のような基本的手段により構成されている。それらは、赤外線エネルギーを集光する光学手段、この光学手段の焦点付近に置かれた赤外線検出手段、この赤外線検出手段により、前記赤外線エネルギーの変動量から電気信号の変化分に変換された電気信号を増幅、処理する信号処理手段、この信号処理手段により判定された内容に基づいて検知信号を出力する出力手段等である。
【0003】
前述の各手段は、装置全体をおおう容器に内蔵され、その容器には赤外線エネルギーを装置内部へ導くのに必要な窓部分を設けてある。光学手段として多く用いられるのは、放物面鏡を代表とする凹面反射鏡や、赤外線透過性を有するシリコンやゲルマニウム等で形成されたレンズである。最近では、赤外線透過特性はシリコンやゲルマニウムより劣るが、ある程度の透過率を有し、大量生産に向いた樹脂材料(特に高密度ポリエチレン)でできた板状のシートにレンズを形成した、いわゆるフレネルレンズを用いる装置も多い。
【0004】
赤外線検出手段として多用されているのは、焦電型赤外線検出素子である。この焦電型赤外線検出素子は、円筒形の金属ケースの上面に、赤外線エネルギー入射用として開口部を設け、ここに4〜7μmより短い波長の光の透過率を0.1%以下におさえたフィルター(シリコンの板材の表面に干渉膜フィルターを形成したもの)を接着している。このケースに内蔵された焦電性を有する受光エレメントは、入射した赤外線エネルギーにより温度が変化し、その温度により電気的特性が変化する性質を備えている。このような性質を利用して電気信号出力を得る熱型の赤外線検出素子としては、他にサーミスタ等があるが、短時間のうちに生ずる赤外線エネルギー変化量に対する電気信号出力が大きい、つまり、感度が高い焦電型赤外線検出素子が多く用いられている。
【0005】
焦電型赤外線検出素子は、入射エネルギーを、いったん温度変化に置き換えるため、紫外線から可視領域(0.3〜0.7μm)、近赤外線領域(0.7〜2.5μm)、赤外線領域(2.5〜20μm)まで広い波長領域の光入射に対して感度を有しており、受光感度の波長選択特性は、その素子の窓材として用いられている干渉膜フィルターの透過特性によって決定される。
受光エレメントは、互いに逆極性を示すエレメントを2つ並べた差動型の構成となったものが多用されており、これら2つの受光エレメントに同時に同じ大きさのエネルギー入射があった時には電気信号出力は相殺される。
【0006】
赤外線検出手段からの出力信号を処理する信号処理手段は、増幅器、コンパレータ等を含む電気回路からなり、コンパレータからの出力信号が後段の出力手段としてのリレー等を駆動し、無電圧の接点出力信号等として装置外部へ出力される。
装置全体をおおう容器は、樹脂成形部品で作られ、その窓部分の材料としては、高密度ポリエチレンを用いることが多い。前述のフレネルレンズを光学手段として用いた装置では、このフレネルレンズに窓及び容器としての機能をも兼ね備えさせたものもある。
【0007】
以上のような赤外線検知装置では、赤外線エネルギーを検出する素子として可視領域や近赤外線領域の光に対しても感度を有する焦電型赤外線検出素子を用いており、その波長選択特性は検出素子の窓材として用いている干渉膜フィルターの特性(7〜15μmの波長領域だけをよく透過する特性)のみに依存している。このことは、赤外線検知装置に強い可視光線が照射されると、光学手段により集束された可視光エネルギーが赤外線検出素子の干渉膜フィルター表面に達し、この干渉膜フィルター面からの2次輻射エネルギーが赤外線検出素子の受光エレメントに届き、移動物体が移動した時と同様の信号出力を発してしまうおそれがあるということを示している。
【0008】
このような、強力な可視光線の光源としては、太陽光のほか、自動車のヘッドライトや照明用の各種ライトがあり、赤外線検知装置を設置する場所において、これらの可視光線の入射を完全になくすことは実際上不可能である。各種ライトの中には、ハロゲンランプ等のように可視領域の波長とともに近赤外線領域の波長を含んだ光も存在する。
これら赤外線検知装置に、悪影響を及ぼす光のことを総称して、外来光、あるいは、外乱光と言うことが多い。
この外乱光対策として、赤外線検出素子の窓材として用いられている干渉膜フィルターの特性を向上させたり、この赤外線検出素子の近くにもう一枚の干渉膜フィルターを置いたりしていた。また、赤外線検知装置の容器に設けられた窓材として用いられているポリエチレン樹脂に、顔料を添加して、可視光線を散乱させる方法も採用されていた。
【0009】
従来は、このように外乱光の影響を少なくするために、もっぱら、装置の窓部分や赤外線検出素子の窓材における可視光線の透過率を減少することに目が向けられていた。
一方、反射鏡に関しては、可視光線を含む赤外線の波長領域全般における反射率の向上にしか注意は向けられていなかった。反射鏡は複数の光軸を備えた多面の放物面反射鏡として樹脂成形により作ることが多く、この反射鏡に要求される性能は、放物面鏡の場合、この曲面の仕上がり精度、つまり、成形金型の加工精度の高さであった。この金型によって成形された反射鏡の曲面部分に、金属の薄膜を形成させ、多面放物面反射鏡として完成させていた。鏡面仕上げを行なう手段としては、アルミニウム(Al)蒸着、クロム(Cr)メッキなどがあり、現在では、スズ・コバルト(Sn・Co)メッキも多用されている。これらの金属膜にはなるべく光沢のよい仕上げがなされることが求められ、本件赤外線検知装置においては、金属光沢を持った反射鏡によってのみ集光効率が上がるという認識であった。この金属光沢の表面に、塗装などの処理により黒色の膜を形成することがあったが、それは、反射鏡の赤外領域を含むすべての光の反射率を低下させるための手段でしかなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の外乱光対策は、装置の窓部分や、赤外線検出素子の窓材における可視光線の透過率の低下を目的としていたが、装置が検出しようとする赤外線(主として7〜15μmの波長領域)もこの対策により減衰することがあり、検出しようとする赤外線エネルギーの変動分にともなう赤外線検出素子の出力信号の大きさ「S」と、ハロゲンランプ等の可視領域や近赤外線領域の波長を含む光の、本赤外線検出装置への照射にともなう赤外線検出素子の出力信号の大きさ「N」との比(以下、外乱光に関するS/N比と言う)の更なる改善が課題となっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光学手段の中でも特に反射鏡に着目し、その反射特性を改善することにより外乱光に関するS/N比を改善するものである。
現在用いられている反射鏡の表面は、金属メッキでおおわれている。このため、普通、目で見るかぎりでは銀色の金属光沢を示している。これは、少なくとも可視領域の波長の光のすべてを反射していることを示しており、もちろん本件赤外線検知装置に用いるものであるので、可視光よりも波長の長い光(赤外線)に対しても反射率が高いことは言うまでもない。これに対し、例えば、銅や金のように可視領域の波長に対して特徴的な反射特性を示す金属にあっては、赤色がかった色や、黄色ががった色に見えることがあることはよく知られている。このことは、反射鏡表面に形成された金属膜の反射特性に波長依存性のあるものを採用すると、赤外線領域にのみ光沢を有し、可視光領域や近赤外線領域においてはそのすべてを吸収する特性をもたせることも不可能でないことを示している。
【0012】
以上のように、見かけ上あまり光沢のない表面処理の中に、赤外線をよく反射する特性を備えたものが存在するのではないかという考えに基づき、種々の工業的メッキ処理の検討、試作を行い、反射特性を測定した結果、スズ、ニッケル、銅のイオンを含む電解液による電気メッキ処理により形成された表面薄膜層と、ニッケルメッキの上にブラッククローム(Cr2O3)の電気メッキ処理を施すことにより形成された表面薄膜層に、特に良好な反射特性を見いだすことができた。
【0013】
【作用】
このように、可視領域及び近赤外線領域における反射率が低く、赤外線領域における反射率が高いという波長選択特性を有する表面薄膜層を赤外線検知装置の反射鏡に形成することにより、外乱光に関するS/N比を従来のものと比較して大幅に改善することができる。つまり、赤外線検知装置の光学手段としての反射鏡の表面に波長選択特性を持たせることにより、可視領域から近赤外線領域の、赤外線検知装置にとっては不要な波長領域のエネルギ−を反射しないようにする(吸収するようにする)ので、この反射鏡の表面で反射し、赤外線検出素子まで達するこの不要な波長域のエネルギ−が減少し、外乱光に関するS/N比の「N」の値を低減することができる。この「N」の値の低減の割合を「S」の値の低減の割合よりも大きくするような表面薄膜層を反射鏡表面に形成することにより、外乱光に関するS/N比は改善される。
見かけ上、金属光沢を示さない黒っぽい表面を持った反射鏡でありながら、赤外線検出装置が検出対象とする波長領域(7〜15μm)をよく反射する反射鏡を、赤外線検出装置の光学手段として採用することが、外乱光に関するS/N比を改善する方向に作用するのである。
【0014】
【実施例】
図1は、光学手段として凹面反射鏡を用いた赤外線検知装置において、本発明を実施した時の構成の概略を表した図である。
光学手段としての凹面反射鏡1の反射面には、可視領域及び近赤外線領域における反射率が低く、赤外線領域における反射率が高いという波長選択特性を有する表面薄膜層Mが形成されている。
本装置の窓3から入射した赤外線は、この赤外線領域における反射率の高い凹面反射鏡1で反射し、焦点部に配置された焦電型赤外線検出素子2に集光される。この焦電型赤外線検出素子2からの信号出力は、プリント配線板4に実装された信号処理手段、出力手段(図示省略)を経て、外部へ検知出力となって出て行く。窓3は、波長7〜15μmの赤外線をよく透過し、可視光線は、装置内部の収納物が外部から見えない程度に散乱させる材質(例えば、高密度ポリエチレン)で形成されている。
【0015】
この赤外線検知装置に可視光線が入射すると、窓3を通過して凹面反射鏡1へ達する。可視光線は、この窓3を通過する際に、ある程度、ポリエチレン自体が有する可視光を散乱させる特性により影響を受けるが、通過した光のうち凹面反射鏡1の光軸方向(図中の右から左)の光は、この凹面反射鏡により、焦電型赤外線検出素子2へ集束されるはずである。ところが、本発明の反射鏡の表面は、可視領域における反射率が低い表面薄膜層Mでおおわれており、可視光線はほとんどこの表面薄膜層Mで吸収されてしまう。
このため、焦電型赤外線検出素子2には可視光線は集光されず、焦電型赤外線検出素子2からは出力信号はほとんど出ない。
【0016】
従来の銀色の光沢面を持った凹面反射鏡を備えた赤外線検知装置では、窓3を通過し凹面反射鏡まで達した可視光線が、焦電型赤外線検出素子の干渉膜フィルター7に集められ、この干渉膜フィルター7を加熱し、ここからの2次輻射エネルギーが焦電型赤外線検出素子の受光エレメントまで達するという不都合があったが、本発明ではこの影響を激減させることができる。
以上の実施例は、凹面反射鏡の表面に波長選択特性を持った表面薄膜層を形成したものであるが、赤外線検知装置内の焦電型赤外線検知素子に達するまでの光路中に、少なくとも1回本発明のような波長選択特性を有する反射鏡表面で反射するような光学的構成を採用することにより、前述の実施例と同じ効果を得られる。
例えば、図2に示すように、平面反射鏡10に本発明の波長選択特性を有する表面薄膜層Mを形成した反射鏡を用い、ここで反射した赤外線エネルギーをレンズ11を用いて、焦電型赤外線検出素子2へ集光させるという構成でも、外乱光対策としての効果は得られる。
【0017】
【効果】
本発明によれば、反射鏡の表面に波長選択特性を備えさせることができたので、従来のように、装置の窓部分に可視光を透過させない様にする目的で顔料を混ぜたり、赤外線検出素子の干渉膜フィルターを2枚以上用いたりする必要がなくなった。装置の窓部分に顔料を混入する必要がなくなり、普通の高密度ポリエチンをそのまま用いることができるので、その分製造工程が簡素化された。また、普通の高密度ポリエチレンは、まったく可視光を通さないというのではなく、ある程度の透過特性を有するので、装置に内蔵された動作表示灯は、図1及び図2に示すLED6の位置でも外部から確認することが可能であり、動作表示灯のための特別な開口部を容器や窓部分に設ける必要はなくなり、構造を簡略化することができた。
赤外線検出素子の窓材として使用している干渉膜フィルターと同じものをもう1枚用いることも不要となったので、その分部品コストを低減することができた。
【0018】
可視領域及び近赤外線領域における反射率が低く、赤外線領域における反射率が高いという波長選択特性を有する表面薄膜層の例として、2つの実例についての試験結果を図3に示す。
図中、上より「Sn・Co」は、スズコバルトのメッキ膜を有する従来の反射鏡を用いた時のデータであり、2行目の「SB」は、スズ、ニッケル、銅のイオンを含む電解液を用いたメッキ処理を施すことにより形成された表面薄膜層を有する反射鏡のデータであり、いちばん下の「BCr」は、ニッケルメッキの上にさらにブラッククロームの電気メッキ処理を施すことにより形成された表面薄膜層を有する反射鏡のデータである。「S」は、背景との温度差が一定に保たれた移動物体が本装置の検知エリアを一定の速度で横切った時の信号出力を示しており、「N」は、本装置の検知エリア内で一定の明るさのハロゲンランプを一定周期で点滅させた時の信号出力である。
【0019】
「S」、「N」はともに、焦電型赤外線検出素子から出力された信号を増幅器で増幅した後の信号の振幅値(電圧値)を示している。「S/N」は、スズ・コバルトのメッキ膜を有する従来の反射鏡を用いたときに0.075となっており、これに対して、本件発明の実施例の「SB」に関しては0.137、「BCr」に関しては1.892となっている。この結果からわかることは、「SB」のメッキ処理は従来品と比較して外乱光に関するS/N比は約2倍に改善され、「BCr」のメッキ処理のものについては、約25倍と大幅に改善されているということである。
【0020】
また、本発明の反射鏡は、可視光の影響を除去するための手段として、赤外線検知装置以外にも、赤外線領域のエネルギ−のみを検出して温度を測定する計測機器等においても利用可能である。
尚、本発明の反射鏡への表面処理のうち、ブラッククロームに関して調査し、検討を加える過程において、このブラッククロームが太陽熱集熱板に用いられていることが判明した。この太陽熱集熱板に求められる特性は、太陽光線を効率よく吸収することであり、6000゜Kの黒体放射エネルギ−に相当する0.3〜2.5μmの波長域のものを良く吸収し、2.5〜20μmの赤外線領域における放射率の少ないという特性である。基本特性として、本発明にて求められている特性に近い部分があり、太陽熱集熱板の集熱部分の表面処理と赤外線検知装置の反射鏡の表面処理とは同じ傾向のものを採用しうる可能性を含んでいる。ただ、大きく異なるのは、太陽熱集熱板に求められているのは太陽光線の効率のよい吸収であり、本件発明における赤外線検知装置に求められているのは、300゜Kの黒体放射エネルギ−に相当する7〜15μmの波長領域のエネルギーの効率のよい検出であるという点である。
【0021】
本発明においては、外乱光に関するS/N比を改善するために「S」の低下を抑えながら「N」をどこまで低下させることが可能かという点に絞って検討を加えたものであり、実現するに至った前記反射鏡の表面処理の、赤外線検知装置の外乱光に関するS/N比の特性改善の効果は、赤外線検知装置特有のものである。
従来、赤外線検知装置の反射鏡においては、金属光沢を持ったもののみが赤外線反射特性においても最良であるという固定された一般常識が存在していたが、本発明はその常識を打ち破ったものであり、赤外線検知装置の外乱光による誤動作の確率を大幅に低減させうるものとして、大きな効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学手段として凹面反射鏡を用いた赤外線検知装置において、本発明を実施した時の構成を示した図である。
【図2】光学手段として、平面反射鏡を用いた赤外線検知装置において、本発明を実施した時の構成を示した図である。
【図3】波長選択特性を有する表面処理を施した反射鏡と、従来の反射鏡との外乱光に関するS/N比の比較データである。
【符号の説明】
M.可視領域及び近赤外線領域における反射率が低く、赤外線領域における反射率が高いという波長選択特性を有する表面薄膜層。
1.凹面反射鏡
2.焦電型赤外線検出素子
3.窓
4.プリント配線板
5.容器
6.LED
7.干渉膜フィルター
10.平面反射鏡
11.レンズ
【産業上の利用分野】
本発明は、波長10μm前後の赤外線エネルギーの変動量を検出し、移動する人間や物体を検知する赤外線検知装置に関するものであり、特に近赤外線を含む外乱光の影響を低下させ、装置のS/N比を向上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より使用されているこの種の装置は、人体や常温付近の物体が放射する赤外線を効率よく検出するものであり、300゜Kの黒体放射エネルギ−に相当する7〜15μmの波長領域を高感度に検出するよう、一般に次のような基本的手段により構成されている。それらは、赤外線エネルギーを集光する光学手段、この光学手段の焦点付近に置かれた赤外線検出手段、この赤外線検出手段により、前記赤外線エネルギーの変動量から電気信号の変化分に変換された電気信号を増幅、処理する信号処理手段、この信号処理手段により判定された内容に基づいて検知信号を出力する出力手段等である。
【0003】
前述の各手段は、装置全体をおおう容器に内蔵され、その容器には赤外線エネルギーを装置内部へ導くのに必要な窓部分を設けてある。光学手段として多く用いられるのは、放物面鏡を代表とする凹面反射鏡や、赤外線透過性を有するシリコンやゲルマニウム等で形成されたレンズである。最近では、赤外線透過特性はシリコンやゲルマニウムより劣るが、ある程度の透過率を有し、大量生産に向いた樹脂材料(特に高密度ポリエチレン)でできた板状のシートにレンズを形成した、いわゆるフレネルレンズを用いる装置も多い。
【0004】
赤外線検出手段として多用されているのは、焦電型赤外線検出素子である。この焦電型赤外線検出素子は、円筒形の金属ケースの上面に、赤外線エネルギー入射用として開口部を設け、ここに4〜7μmより短い波長の光の透過率を0.1%以下におさえたフィルター(シリコンの板材の表面に干渉膜フィルターを形成したもの)を接着している。このケースに内蔵された焦電性を有する受光エレメントは、入射した赤外線エネルギーにより温度が変化し、その温度により電気的特性が変化する性質を備えている。このような性質を利用して電気信号出力を得る熱型の赤外線検出素子としては、他にサーミスタ等があるが、短時間のうちに生ずる赤外線エネルギー変化量に対する電気信号出力が大きい、つまり、感度が高い焦電型赤外線検出素子が多く用いられている。
【0005】
焦電型赤外線検出素子は、入射エネルギーを、いったん温度変化に置き換えるため、紫外線から可視領域(0.3〜0.7μm)、近赤外線領域(0.7〜2.5μm)、赤外線領域(2.5〜20μm)まで広い波長領域の光入射に対して感度を有しており、受光感度の波長選択特性は、その素子の窓材として用いられている干渉膜フィルターの透過特性によって決定される。
受光エレメントは、互いに逆極性を示すエレメントを2つ並べた差動型の構成となったものが多用されており、これら2つの受光エレメントに同時に同じ大きさのエネルギー入射があった時には電気信号出力は相殺される。
【0006】
赤外線検出手段からの出力信号を処理する信号処理手段は、増幅器、コンパレータ等を含む電気回路からなり、コンパレータからの出力信号が後段の出力手段としてのリレー等を駆動し、無電圧の接点出力信号等として装置外部へ出力される。
装置全体をおおう容器は、樹脂成形部品で作られ、その窓部分の材料としては、高密度ポリエチレンを用いることが多い。前述のフレネルレンズを光学手段として用いた装置では、このフレネルレンズに窓及び容器としての機能をも兼ね備えさせたものもある。
【0007】
以上のような赤外線検知装置では、赤外線エネルギーを検出する素子として可視領域や近赤外線領域の光に対しても感度を有する焦電型赤外線検出素子を用いており、その波長選択特性は検出素子の窓材として用いている干渉膜フィルターの特性(7〜15μmの波長領域だけをよく透過する特性)のみに依存している。このことは、赤外線検知装置に強い可視光線が照射されると、光学手段により集束された可視光エネルギーが赤外線検出素子の干渉膜フィルター表面に達し、この干渉膜フィルター面からの2次輻射エネルギーが赤外線検出素子の受光エレメントに届き、移動物体が移動した時と同様の信号出力を発してしまうおそれがあるということを示している。
【0008】
このような、強力な可視光線の光源としては、太陽光のほか、自動車のヘッドライトや照明用の各種ライトがあり、赤外線検知装置を設置する場所において、これらの可視光線の入射を完全になくすことは実際上不可能である。各種ライトの中には、ハロゲンランプ等のように可視領域の波長とともに近赤外線領域の波長を含んだ光も存在する。
これら赤外線検知装置に、悪影響を及ぼす光のことを総称して、外来光、あるいは、外乱光と言うことが多い。
この外乱光対策として、赤外線検出素子の窓材として用いられている干渉膜フィルターの特性を向上させたり、この赤外線検出素子の近くにもう一枚の干渉膜フィルターを置いたりしていた。また、赤外線検知装置の容器に設けられた窓材として用いられているポリエチレン樹脂に、顔料を添加して、可視光線を散乱させる方法も採用されていた。
【0009】
従来は、このように外乱光の影響を少なくするために、もっぱら、装置の窓部分や赤外線検出素子の窓材における可視光線の透過率を減少することに目が向けられていた。
一方、反射鏡に関しては、可視光線を含む赤外線の波長領域全般における反射率の向上にしか注意は向けられていなかった。反射鏡は複数の光軸を備えた多面の放物面反射鏡として樹脂成形により作ることが多く、この反射鏡に要求される性能は、放物面鏡の場合、この曲面の仕上がり精度、つまり、成形金型の加工精度の高さであった。この金型によって成形された反射鏡の曲面部分に、金属の薄膜を形成させ、多面放物面反射鏡として完成させていた。鏡面仕上げを行なう手段としては、アルミニウム(Al)蒸着、クロム(Cr)メッキなどがあり、現在では、スズ・コバルト(Sn・Co)メッキも多用されている。これらの金属膜にはなるべく光沢のよい仕上げがなされることが求められ、本件赤外線検知装置においては、金属光沢を持った反射鏡によってのみ集光効率が上がるという認識であった。この金属光沢の表面に、塗装などの処理により黒色の膜を形成することがあったが、それは、反射鏡の赤外領域を含むすべての光の反射率を低下させるための手段でしかなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来の外乱光対策は、装置の窓部分や、赤外線検出素子の窓材における可視光線の透過率の低下を目的としていたが、装置が検出しようとする赤外線(主として7〜15μmの波長領域)もこの対策により減衰することがあり、検出しようとする赤外線エネルギーの変動分にともなう赤外線検出素子の出力信号の大きさ「S」と、ハロゲンランプ等の可視領域や近赤外線領域の波長を含む光の、本赤外線検出装置への照射にともなう赤外線検出素子の出力信号の大きさ「N」との比(以下、外乱光に関するS/N比と言う)の更なる改善が課題となっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光学手段の中でも特に反射鏡に着目し、その反射特性を改善することにより外乱光に関するS/N比を改善するものである。
現在用いられている反射鏡の表面は、金属メッキでおおわれている。このため、普通、目で見るかぎりでは銀色の金属光沢を示している。これは、少なくとも可視領域の波長の光のすべてを反射していることを示しており、もちろん本件赤外線検知装置に用いるものであるので、可視光よりも波長の長い光(赤外線)に対しても反射率が高いことは言うまでもない。これに対し、例えば、銅や金のように可視領域の波長に対して特徴的な反射特性を示す金属にあっては、赤色がかった色や、黄色ががった色に見えることがあることはよく知られている。このことは、反射鏡表面に形成された金属膜の反射特性に波長依存性のあるものを採用すると、赤外線領域にのみ光沢を有し、可視光領域や近赤外線領域においてはそのすべてを吸収する特性をもたせることも不可能でないことを示している。
【0012】
以上のように、見かけ上あまり光沢のない表面処理の中に、赤外線をよく反射する特性を備えたものが存在するのではないかという考えに基づき、種々の工業的メッキ処理の検討、試作を行い、反射特性を測定した結果、スズ、ニッケル、銅のイオンを含む電解液による電気メッキ処理により形成された表面薄膜層と、ニッケルメッキの上にブラッククローム(Cr2O3)の電気メッキ処理を施すことにより形成された表面薄膜層に、特に良好な反射特性を見いだすことができた。
【0013】
【作用】
このように、可視領域及び近赤外線領域における反射率が低く、赤外線領域における反射率が高いという波長選択特性を有する表面薄膜層を赤外線検知装置の反射鏡に形成することにより、外乱光に関するS/N比を従来のものと比較して大幅に改善することができる。つまり、赤外線検知装置の光学手段としての反射鏡の表面に波長選択特性を持たせることにより、可視領域から近赤外線領域の、赤外線検知装置にとっては不要な波長領域のエネルギ−を反射しないようにする(吸収するようにする)ので、この反射鏡の表面で反射し、赤外線検出素子まで達するこの不要な波長域のエネルギ−が減少し、外乱光に関するS/N比の「N」の値を低減することができる。この「N」の値の低減の割合を「S」の値の低減の割合よりも大きくするような表面薄膜層を反射鏡表面に形成することにより、外乱光に関するS/N比は改善される。
見かけ上、金属光沢を示さない黒っぽい表面を持った反射鏡でありながら、赤外線検出装置が検出対象とする波長領域(7〜15μm)をよく反射する反射鏡を、赤外線検出装置の光学手段として採用することが、外乱光に関するS/N比を改善する方向に作用するのである。
【0014】
【実施例】
図1は、光学手段として凹面反射鏡を用いた赤外線検知装置において、本発明を実施した時の構成の概略を表した図である。
光学手段としての凹面反射鏡1の反射面には、可視領域及び近赤外線領域における反射率が低く、赤外線領域における反射率が高いという波長選択特性を有する表面薄膜層Mが形成されている。
本装置の窓3から入射した赤外線は、この赤外線領域における反射率の高い凹面反射鏡1で反射し、焦点部に配置された焦電型赤外線検出素子2に集光される。この焦電型赤外線検出素子2からの信号出力は、プリント配線板4に実装された信号処理手段、出力手段(図示省略)を経て、外部へ検知出力となって出て行く。窓3は、波長7〜15μmの赤外線をよく透過し、可視光線は、装置内部の収納物が外部から見えない程度に散乱させる材質(例えば、高密度ポリエチレン)で形成されている。
【0015】
この赤外線検知装置に可視光線が入射すると、窓3を通過して凹面反射鏡1へ達する。可視光線は、この窓3を通過する際に、ある程度、ポリエチレン自体が有する可視光を散乱させる特性により影響を受けるが、通過した光のうち凹面反射鏡1の光軸方向(図中の右から左)の光は、この凹面反射鏡により、焦電型赤外線検出素子2へ集束されるはずである。ところが、本発明の反射鏡の表面は、可視領域における反射率が低い表面薄膜層Mでおおわれており、可視光線はほとんどこの表面薄膜層Mで吸収されてしまう。
このため、焦電型赤外線検出素子2には可視光線は集光されず、焦電型赤外線検出素子2からは出力信号はほとんど出ない。
【0016】
従来の銀色の光沢面を持った凹面反射鏡を備えた赤外線検知装置では、窓3を通過し凹面反射鏡まで達した可視光線が、焦電型赤外線検出素子の干渉膜フィルター7に集められ、この干渉膜フィルター7を加熱し、ここからの2次輻射エネルギーが焦電型赤外線検出素子の受光エレメントまで達するという不都合があったが、本発明ではこの影響を激減させることができる。
以上の実施例は、凹面反射鏡の表面に波長選択特性を持った表面薄膜層を形成したものであるが、赤外線検知装置内の焦電型赤外線検知素子に達するまでの光路中に、少なくとも1回本発明のような波長選択特性を有する反射鏡表面で反射するような光学的構成を採用することにより、前述の実施例と同じ効果を得られる。
例えば、図2に示すように、平面反射鏡10に本発明の波長選択特性を有する表面薄膜層Mを形成した反射鏡を用い、ここで反射した赤外線エネルギーをレンズ11を用いて、焦電型赤外線検出素子2へ集光させるという構成でも、外乱光対策としての効果は得られる。
【0017】
【効果】
本発明によれば、反射鏡の表面に波長選択特性を備えさせることができたので、従来のように、装置の窓部分に可視光を透過させない様にする目的で顔料を混ぜたり、赤外線検出素子の干渉膜フィルターを2枚以上用いたりする必要がなくなった。装置の窓部分に顔料を混入する必要がなくなり、普通の高密度ポリエチンをそのまま用いることができるので、その分製造工程が簡素化された。また、普通の高密度ポリエチレンは、まったく可視光を通さないというのではなく、ある程度の透過特性を有するので、装置に内蔵された動作表示灯は、図1及び図2に示すLED6の位置でも外部から確認することが可能であり、動作表示灯のための特別な開口部を容器や窓部分に設ける必要はなくなり、構造を簡略化することができた。
赤外線検出素子の窓材として使用している干渉膜フィルターと同じものをもう1枚用いることも不要となったので、その分部品コストを低減することができた。
【0018】
可視領域及び近赤外線領域における反射率が低く、赤外線領域における反射率が高いという波長選択特性を有する表面薄膜層の例として、2つの実例についての試験結果を図3に示す。
図中、上より「Sn・Co」は、スズコバルトのメッキ膜を有する従来の反射鏡を用いた時のデータであり、2行目の「SB」は、スズ、ニッケル、銅のイオンを含む電解液を用いたメッキ処理を施すことにより形成された表面薄膜層を有する反射鏡のデータであり、いちばん下の「BCr」は、ニッケルメッキの上にさらにブラッククロームの電気メッキ処理を施すことにより形成された表面薄膜層を有する反射鏡のデータである。「S」は、背景との温度差が一定に保たれた移動物体が本装置の検知エリアを一定の速度で横切った時の信号出力を示しており、「N」は、本装置の検知エリア内で一定の明るさのハロゲンランプを一定周期で点滅させた時の信号出力である。
【0019】
「S」、「N」はともに、焦電型赤外線検出素子から出力された信号を増幅器で増幅した後の信号の振幅値(電圧値)を示している。「S/N」は、スズ・コバルトのメッキ膜を有する従来の反射鏡を用いたときに0.075となっており、これに対して、本件発明の実施例の「SB」に関しては0.137、「BCr」に関しては1.892となっている。この結果からわかることは、「SB」のメッキ処理は従来品と比較して外乱光に関するS/N比は約2倍に改善され、「BCr」のメッキ処理のものについては、約25倍と大幅に改善されているということである。
【0020】
また、本発明の反射鏡は、可視光の影響を除去するための手段として、赤外線検知装置以外にも、赤外線領域のエネルギ−のみを検出して温度を測定する計測機器等においても利用可能である。
尚、本発明の反射鏡への表面処理のうち、ブラッククロームに関して調査し、検討を加える過程において、このブラッククロームが太陽熱集熱板に用いられていることが判明した。この太陽熱集熱板に求められる特性は、太陽光線を効率よく吸収することであり、6000゜Kの黒体放射エネルギ−に相当する0.3〜2.5μmの波長域のものを良く吸収し、2.5〜20μmの赤外線領域における放射率の少ないという特性である。基本特性として、本発明にて求められている特性に近い部分があり、太陽熱集熱板の集熱部分の表面処理と赤外線検知装置の反射鏡の表面処理とは同じ傾向のものを採用しうる可能性を含んでいる。ただ、大きく異なるのは、太陽熱集熱板に求められているのは太陽光線の効率のよい吸収であり、本件発明における赤外線検知装置に求められているのは、300゜Kの黒体放射エネルギ−に相当する7〜15μmの波長領域のエネルギーの効率のよい検出であるという点である。
【0021】
本発明においては、外乱光に関するS/N比を改善するために「S」の低下を抑えながら「N」をどこまで低下させることが可能かという点に絞って検討を加えたものであり、実現するに至った前記反射鏡の表面処理の、赤外線検知装置の外乱光に関するS/N比の特性改善の効果は、赤外線検知装置特有のものである。
従来、赤外線検知装置の反射鏡においては、金属光沢を持ったもののみが赤外線反射特性においても最良であるという固定された一般常識が存在していたが、本発明はその常識を打ち破ったものであり、赤外線検知装置の外乱光による誤動作の確率を大幅に低減させうるものとして、大きな効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学手段として凹面反射鏡を用いた赤外線検知装置において、本発明を実施した時の構成を示した図である。
【図2】光学手段として、平面反射鏡を用いた赤外線検知装置において、本発明を実施した時の構成を示した図である。
【図3】波長選択特性を有する表面処理を施した反射鏡と、従来の反射鏡との外乱光に関するS/N比の比較データである。
【符号の説明】
M.可視領域及び近赤外線領域における反射率が低く、赤外線領域における反射率が高いという波長選択特性を有する表面薄膜層。
1.凹面反射鏡
2.焦電型赤外線検出素子
3.窓
4.プリント配線板
5.容器
6.LED
7.干渉膜フィルター
10.平面反射鏡
11.レンズ
Claims (2)
- 波長10μm前後の赤外線エネルギーの変動量を検出し、移動する人間や物体を検知する赤外線検知装置において、それを構成する光学手段として、スズ、ニッケル、銅のイオンを含む電解液によるメッキ処理により表面薄膜層を形成した反射鏡を備えたことを特徴とする赤外線検知装置。
- 波長10μm前後の赤外線エネルギーの変動量を検出し、移動する人間や物体を検知する赤外線検知装置において、それを構成する光学手段として、その反射面にニッケルの膜を形成し、その上にブラッククロームの電気メッキ処理を施すことにより表面薄膜層を形成した反射鏡を備えたことを特徴とする赤外線検知装置。
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