JP3553740B2 - メタノールの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタノールの新規な製造方法に関する。メタノールは各種化学製品の中間原料として、また、それ自身、溶剤、自動車用燃料、火力発電用燃料として安価で汎用性の高い有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
一酸化炭素と水素からメタノールを製造する方法は、古くから工業的に実施されている。例えば、1913年ドイツのBASF社により、Cr,Zn等の酸化物を主成分とする触媒を用い、300℃以上、100気圧以上の条件で水性ガスからメタノールを含む含酸素化合物の製造の可能性が示され、その後、いわゆる高圧法メタノールの製造方法が各国で開始された。1959年には、イギリスのICI社により、合成ガスの高レベルの脱硫技術を背景に、CuOを主成分とする触媒を用いて従来よりも低温、低圧下、即ち、200℃〜300℃、50〜150気圧の条件で反応を行う、いわゆる低圧法メタノールの製造方法が開発された。その後も触媒及びプロセスの改良がなされ、現在では、メタノールの工業的製造方法の殆どが銅系触媒を使用し、反応温度200℃、反応圧力100気圧程度の低圧法で実施されている。
【0003】
一酸化炭素と水素からのメタノール合成の反応は次式で示すように発熱反応である。
【0004】
CO + 2H → CHOH
ΔH298=−21.7 kcal/mol
従って、反応条件が低温、高圧であるほどメタノール合成には有利である。より低温で高活性な触媒は、原料ガスの転化率を著しく向上させる結果、未反応のガスを反応系へ再循還する必要がなくなるという点で、また、合成ガスの製造工程よりも低圧で高いメタノール生成活性を示す触媒は、原料の合成ガスをメタノール反応器へ導入するにあたり、昇圧する必要がなくなるという点で工業的に極めて有利である。
【0005】
また、生成物のメタノールが溶媒として使用できれば、溶媒の分離プロセスが不要となり、プロセス上の利点は極めて大きい。
【0006】
メタノール溶媒中、低温及び低圧、例えば160℃以下及び50気圧以下のような反応条件で、ある程度の活性を有する低温・低圧活性触媒としていくつかの触媒が知られている。
【0007】
例えば、米国特許第4,992,480号、同4,935,395号明細書には、Cu,Ni,Pd,Co,Ru,Mo,Feから選ばれた金属のカルボニル化合物とアルコキサイドを触媒とした均一触媒を使用して合成ガスからメタノールを製造する方法が開示されている。更に、例えば、米国特許第4,613,623号、同4,614,749号、同4,619,946号、同4,623,634号明細書には、M(OAc)−NaH−RONa(MはNi,Pd,Coから選ばれた金属、Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す)からなる触媒を使用して一酸化炭素と水素から80〜120℃、〜20気圧でメタノールを製造する方法が開示されている。これらの方法において、Cr(CO)、Mo(CO)による促進効果が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らが検証した限りにおいては、いずれの触媒も活性が十分とはいえない上に、ニッケル化合物や鉄化合物を使用した場合、極めて毒性が強く、沸点の低いニッケルカルボニルや鉄カルボニルが生成する等、取扱が困難である等の問題を有しており、工業的に実施するにはいまだ不十分である。
【0009】
一方、モリブデンヘキサカルボニルやクロムヘキサカルボニルを触媒として使用する場合、これらの化合物は非常に昇華しやすく、有効な触媒成分が反応前から損失するという問題点があり、工業的には使用できない。
【0010】
従って、溶媒中、特にメタノール溶媒中で、低温・低圧の反応条件下で更に高活性でかつ触媒損失のない触媒が強く切望されているのが現状である。
【0011】
本発明の目的は、低温、低圧の反応条件下で一酸化炭素と水素からメタノールを製造するための高活性で、触媒損失の極めて少ない触媒を用いる新規な製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはメタノール溶媒中において、160℃以下の低温及び50気圧以下の低圧で高活性が得られる触媒について鋭意検討した結果、モリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物と金属アルコキサイドを予め反応させることにより高活性を維持したまま、MoやCrの昇華が極めて抑制された触媒が得られることを見出し、またこれを触媒として使用することにより極めて高活性でメタノールが生成することを見出し本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、モリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物と金属アルコキサイドを40〜200℃で予め反応させて得られるモリブデンカルボニル錯体或いはクロムカルボニル錯体に更に金属アルコキサイドを添加した触媒により、少なくともメタノールを70wt%以上含む溶媒の存在下、一酸化炭素と水素を反応させることを特徴とするメタノールの製造方法である。

【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明の方法で使用するモリブデンカルボニル化合物の例としては、モリブデンヘキサカルボニルやトリフェニルホスフィンペンタカルボニル、アニソールモリブデントリカルボニル、ジフェニルメチリデンモリブデンペンタカルボニル、1,3−ジメチルイミダゾリン−2−イリデンモリブデンペンタカルボニル、メトキシ(n−ブチル)メチレンモリブデンペンタカルボニルのようなカルボニルの一部が他の化合物で置換されたモリブデンカルボニル化合物が挙げられる。
【0016】
本発明の方法で使用するクロムカルボニル化合物の例としては、クロムヘキサカルボニルやアニリンクロムトリカルボニル、アニソールクロムトリカルボニル、N−メチルアニリンクロムトリカルボニル、メチルベンゾエートクロムカルボニル、シクロヘプタトリエンクロムカルボニルのようなカルボニルの一部が他の化合物で置換されたクロムカルボニルが挙げられる。
【0017】
これらの中でもモリブデンヘキサカルボニル或いはクロムヘキサカルボニルが好ましい。
【0018】
本発明で使用するモリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物と金属アルコキサイドを予め反応させる場合、通常、液相中で行う。この時使用される溶媒は、これら原料が少量でも溶解しうるものであれば、いずれの溶媒も使用することができるが、特に、極性溶媒が好ましい。この様な溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのようなアルコール類、或いは、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテルなどのエーテル類が挙げられる。特に、モリブデンカルボニル錯体或いはクロムカルボニル錯体を触媒としてメタノールを合成する場合に使用する溶媒と類似の溶媒を使用することが好ましい。従って、これらの中ではメタノールやテトラヒドロフランが特に好ましい。
【0019】
本発明で使用するモリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物の使用量は、用いる溶媒の使用量により決定される。その使用量が少量では錯体生成の生成速度が遅く、一方、多量に用いると得られる錯体の純度が低下し好ましくない。従って、その使用量は、使用する溶媒の1リットルに対して、モリブデン或いはクロム金属として0.001〜20molの範囲であり、好ましくは0.1〜10molの範囲である。
【0020】
本発明において、モリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物と予め反応させる金属アルコキサイドは、Li,Na,Kから選ばれた金属のアルコキサイドが好ましい。この中でも、金属としてNa,Kが好ましい。また、アルコキサイドは炭素数1〜10のアルコキサイドが使用される。この中でも、アルコールから誘導されるメトキサイド、エトキサイド、プロポキサイド、ブトキサイドが好ましい。
【0021】
その金属アルコキサイドの使用量は、用いるモリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物の使用量により決定される。その使用量は用いるモリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物の金属1モルに対して、0.1〜30モル倍の範囲であり、好ましくは0.5〜10モル倍の範囲である。
【0022】
本発明では、モリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物と金属アルコキサイドとを予め反応させて錯体を得るが、その際の反応温度は、40〜200℃の温度範囲である。反応温度が200℃を越えると、Mo(CO)などの昇華量が増加し好ましくない。一方、40℃未満では、錯体の生成速度が低下し、実用的ではない。反応温度は好ましくは50〜160℃の範囲、更に好ましくは、60〜120℃の範囲である。また、錯体生成の際の反応時間は、2時間以上あれば十分である。反応時間が2時間未満では、合成が不十分で未反応のモリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物が多く、好ましくない。また、48時間を越える時間をかけても既に反応が完結しており、意味がない。従って、実用的には、2〜48時間の範囲であり、更に好ましくは10〜20時間の範囲である。更に錯体の生成は、不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウムなどの希ガス類中で、常圧或いは加圧下で行うことができる。また、こうして得られた錯体は、溶媒や未反応の金属アルコキサイドと分離せず、そのままメタノール合成反応に使用しても、或いは単離して使用しても効果があり、いずれの方法も使用できる。
【0023】
本発明においては、触媒として上記の錯体に加えて前述の金属アルコキサイドを添加することは、好ましい。ここで添加する金属アルコキサイドは錯体生成に使用した金属アルコキサイドと同じであっても、異なっていてもよい。本発明の前記錯体触媒は、この様な金属アルコキサイドを添加せずとも十分な効果を発揮するが、金属アルコキサイドの少量の添加で更に昇華が抑制される。金属アルコキサイドの添加量が多すぎるとメタノール合成反応を阻害する場合がある。従って、その添加量はモリブデンカルボニル錯体或いはクロムカルボニル錯体の金属1モルに対して、0.1〜30モル倍の範囲であり、好ましくは0.5〜10モル倍の範囲である。
【0024】
本発明で使用する溶媒としては、メタノールだけでなく、エタノール、プロパノールのようなアルコール類や、エチレングリコール、プロピレングリコールのようなジオール類等のプロトン性溶媒を混合して使用することができる。また、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテルのようなエーテル類、グライム、ジグライム、トリグライムのようなグライム類、酢酸メチル、プロピオン酸エチルのようなエステル類、ヘキサノール、ヘプタノールのような炭素数が6以上のアルコール類、ヘキサン、ベンゼン、デカリン、クロルベンゼンのような炭化水素、ハロゲン化炭化水素類、また、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンのような非プロトン性極性溶媒も混合して使用することができる。しかしながら、溶媒中のメタノールの割合は少なくとも30wt%であり、好ましくは50wt%以上、特に70wt%以上が最適である。
【0025】
本発明の方法で使用するモリブデンカルボニル錯体或いはクロムカルボニル錯体及び更に添加する金属アルコキサイドは、前もって混合しても、そのまま溶媒に順次投入しても、メタノールの合成触媒として効果があり、いずれの方法も使用できる。
【0026】
本発明では、160℃以下の低温においても優れたメタノール活性を有する触媒を使用するものであるが、反応は40〜200℃の温度範囲で行うことができる。反応温度が200℃を超えると転化率が著しく低下する。一方、反応温度が40℃未満では反応速度が小さく実用的ではない。好ましくは、60〜180℃の範囲である。さらに好ましくは80〜160℃の範囲である。しかし、反応熱の回収等を含めた総合的な経済性等を考慮して、これ以上の温度で実施しても本発明の方法を限定するものではない。
【0027】
原料の一酸化炭素及び水素には窒素や二酸化炭素が含有されていても使用することができるが、二酸化炭素は少ない方が好ましい。また、硫黄化合物や水分は場合によってはメタノール合成の反応を開始する前に、これらを痕跡量まで除去しておくことが望ましい。一酸化炭素と水素の混合比は1:0.5〜1:5の範囲である。水素の一酸化炭素に対する使用量が化学量論比である2よりも大きいとメタノールの選択率は向上するが、更に大きくなれば過剰の水素が利用されずに残り、また、更に小さくなると過剰の一酸化炭素が利用されずに残るために不経済である。従って、実用的には1:1.5〜1:2.5の範囲が好ましい。
【0028】
本発明の方法では、反応圧力が高いほどメタノール活性は高くなるが、合成ガス製造過程で得られた合成ガスを昇圧することなく反応器へ供給するための実用的な圧力として50kg/cm−G以下が好ましい。しかしながら、これ以上の圧力で実施しても本発明を限定するものではない。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0030】
実施例1
モリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO))26.4g(100mmol)、カリウムメトキサイド21g(300mmol)、メタノール100mlを反応容器へ仕込み、N雰囲気(常圧)で約15時間、還流した。反応生成物を濾過し、メタノールで洗浄後乾燥して、モリブデン−カリウムメトキサイド錯体を得た。この錯体は黄色を呈し、熱分析の結果、230℃まで安定な錯体であり、原料のモリブデンヘキサカルボニルとは全く異なる化合物であった。
【0031】
この錯体を4g、カリウムメトキサイド1.4g(20mmol)、メタノール20mlをオートクレーブへ仕込み、一酸化炭素と水素の1:2合成ガスをオートクレーブ中に流入させ、反応温度120℃、反応圧力50kg/cm−Gで反応を行った。圧力が約45分で10kg/cm−Gまで低下したのを確認した後、反応を終了した。仕込み溶媒基準の収量[STY(Space time yield)]は110g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0032】
実施例2
クロムヘキサカルボニル(Cr(CO))22g(100mmol)、カリウムメトキサイド21g(300mmol)、メタノール100mlを反応容器へ仕込み、N雰囲気(常圧)で約18時間、還流した。反応生成物を濾過し、メタノールで洗浄後乾燥して、クロム−カリウムメトキサイド錯体を得た。この錯体は黄橙色を呈し、熱分析の結果、220℃まで安定な錯体であり、原料のクロムヘキサカルボニルとは全く異なる化合物であった。
【0033】
この錯体を4g、カリウムメトキサイド1.4g(20mmol)、メタノール20mlをオートクレーブへ仕込み、反応温度120℃、反応圧力50kg/cm−Gで反応を行った。圧力が10kg/cm−Gまで低下したのを確認した後、反応を終了した。仕込み溶媒基準のSTYは103g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0034】
実施例3
メタノール合成反応に用いる金属アルコキサイドをカリウムメトキサイドからナトリウムエトキサイドに替えた以外は実施例1と同様にしてメタノール合成を行った。仕込み溶媒基準のSTYは107g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0035】
実施例4
錯体生成に用いる金属アルコキサイドをカリウムメトキサイドからナトリウムエトキサイドに替えた以外は実施例1と同様にして錯体を生成し、同様にメタノール合成を行った。仕込み溶媒基準のSTYは105g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0036】
実施例5
メタノール合成の際にカリウムメトキサイドを添加しなかった以外は実施例1と同様にしてメタノール合成を行った。仕込み溶媒基準のSTYは98g/l/hrであった。また極めてわずかではあるが、オートクレーブ上部にモリブデンヘキサカルボニルの昇華が確認された。
【0037】
実施例6
メタノール合成の反応温度を120℃から150℃に替えた以外は実施例1と同様に反応を行った。仕込み溶媒基準のSTYは145g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0038】
実施例7
モリブデンヘキサカルボニル(Mo(CO))26.4g(100mmol)、カリウムメトキサイド21g(300mmol)、メタノール100mlを反応容器へ仕込み、N雰囲気(常圧)で約15時間、還流した。得られた反応懸濁液20mlをオートクレーブへ仕込み、実施例1と同様にメタノール合成反応を行った。仕込み溶媒基準のSTYは96g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0039】
実施例8
反応圧力を50g/cm−Gから30g/cm−Gに替えた以外は実施例1と同様に反応を行った。仕込み溶媒基準のSTYは77g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0040】
実施例9
錯体合成の際の反応をN加圧下で行い、合成温度を100℃にした以外は実施例1と同様に錯体合成反応を行って錯体を得、次いで実施例1と同様にメタノール合成反応を行った。仕込み溶媒基準のSTYは112g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0041】
実施例10
錯体合成の際の溶媒をメタノールからテトラヒドロフランに替えて行った以外実施例1と同様にして錯体を得、同様にメタノール合成を行った。仕込み溶媒基準のSTYは84g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0042】
実施例11
メタノール合成の際の溶媒をメタノールに替えてメタノール70wt%及びジグライム30wt%の混合溶媒を使用した以外は実施例1と同様に反応を行った。仕込み溶媒基準のSTYは67g/l/hrであった。また触媒の損失は確認されなかった。
【0043】
比較例1
米国特許第4,623,634号明細書等に記載された方法、すなわち、モリブデンヘキサカルボニル2.6g(10mmol)、カリウムメトキサイド2.1g(30mmol)、メタノール20mlをオートクレーブへ仕込み、反応温度150℃、反応圧力50kg/cm−G(CO/H=1/2)で反応を行った。仕込み溶媒基準のSTYは131g/l/hrであったが、オートクレーブ上部に大量のモリブデンヘキサカルボニルが付着していた。次いで、同じ組成の混合ガスを圧入して同様の反応を行ったが、STYは89g/l/hrまで大幅に低下した。
【0044】
比較例2
クロムヘキサカルボニル5.6g(20mmol)、カリウムメトキサイド2.1g(30mmol)、メタノール20mlをオートクレーブへ仕込み、反応温度120℃、反応圧力50kg/cm−G(CO/H=1/2)で反応を行った。圧力が約45分で20kg/cm−Gまで低下したのを確認した後、反応を終了した。仕込み溶媒基準のSTYは104g/l/hrであったが、オートクレーブ上部に大量のクロムヘキサカルボニルが付着していた。次いで、同じ組成の混合ガスを圧入して同様の反応を行ったが、STYは80g/l/hrまで大幅に低下した。
【0045】
比較例3
メタノール合成の際の溶媒をメタノールに替えてメタノール10wt%及びテトラヒドロピラン90wt%の混合溶媒を使用した以外は実施例1と同様に反応を行ったが、若干の圧吸収が認められた程度でメタノール活性は殆ど得られなかった。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、一酸化炭素と水素からメタノールを製造する方法において、メタノール溶媒中で、モリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物とアルカリ金属のアルコキサイドから合成される錯体を触媒として反応を行うと、優れたメタノール活性が得られ、更に触媒成分の昇華が抑制される。また、本発明の方法では、生成物であるメタノールを溶媒として使用できるため、メタノールを溶媒から分離することなく、プロセスが極めて簡素化できるという効果も有する。

Claims (1)

  1. モリブデンカルボニル化合物或いはクロムカルボニル化合物と金属アルコキサイドを40〜200℃で予め反応させて得られるモリブデンカルボニル錯体或いはクロムカルボニル錯体に更に金属アルコキサイドを添加した触媒により、少なくともメタノールを70wt%以上含む溶媒の存在下、一酸化炭素と水素を反応させることを特徴とするメタノールの製造方法。
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