JP3553723B2 - 凍結豆乳すり身 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凍結豆乳すり身およびそれを用いて製造した豆腐に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、豆腐は長い製造工程を経て製造されており、時間と労力を要するものとされている。すなわち、大豆を水に浸漬して磨砕し、加熱しておからを分離することによってまず豆乳を得て、さらにその豆乳を凝固剤で凝固させることによって、製造されている。このため、豆腐屋では早朝から豆腐製造にとりかからねばならず、長い製造工程が大きな負担となっている。また、豆腐の製造過程で出てくるおからは、原料とする大豆とほぼ同じ重量で副生するため、その取扱いも煩雑である。最近では、おからの用途が見いだされず、有料で処理を委託せねばならない状況に至っており、豆腐屋の経営を圧迫している。
【0003】
一方、豆腐製造の原料となる大豆は、季節や産地によってその品質が微妙に異なっている。このため、年間を通して同じ品質の豆腐を製造することは困難である。しかしながら、近年の消費者のグルメ化や味に対する意識の高まりに伴い、常に同じ品質を有する豆腐を提供することが求められてきている。しかしながら、大豆から豆腐を製造している現在では、依然としてこの要望には応えきれていない。
【0004】
豆腐のおいしさがその弾力性や風味にあることは、一般に広く認められているところである。このため、おいしい豆腐を製造するために、大豆の種類を厳選するなどの工夫がなされているが、製造工程自体を改良することによって良質な豆腐を製造することはほとんど検討されていない。特公昭39−7971号には、呉を40〜45℃で40〜60分加熱することによって、蛋白や固形分の収率が高い豆乳を分離する技術が開示されているが、弾力や風味のよい豆腐を製造するには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、弾力や風味のよい豆腐を簡便に製造することができる凍結豆乳すり身を提供することによって、豆腐屋の労力を大幅に軽減し、いつでも均質な豆腐を製造することができるようにすることを課題として、本発明者らは鋭意検討した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、呉に対して45〜65℃で瞬時〜20分の加熱を行った後、おからを分離することによって豆乳を得て、その豆乳を凍結した凍結豆乳すり身を提供することによって解決された。
【0007】
ここで用いる呉は、当業者が通常用いる方法により調製したものであればその種類を問わない。一般に呉は、大豆を水に浸漬した後に磨砕することによって調製することができる。原料となる大豆の種類は特に制限されない。大豆の浸漬は、湿重量が約2.2倍になるまで行うのが一般的である。得られた浸漬大豆の磨砕は、例えばグラインダー、ミキサー、マスコロイダーなどを用いて行うことができる。磨砕は、温度上昇による蛋白の変性を回避するために水を加えながら行うのが一般的である。
【0008】
呉に対する加熱は45〜65℃で行う。好ましい加熱温度は50〜65℃であり、より好ましい加熱温度は55〜65℃である。加熱時間は瞬時〜20分、好ましくは瞬時〜10分、より好ましくは3分〜7分にする。したがって、呉の温度が上記加熱温度に到達した後、ただちにおからを分離してもよいし、呉の温度が上記加熱温度に到達した後、最長20分までその温度に保持した後におからを分離してもよい。
【0009】
以下に示す試験において明らかにされているように、加熱温度が45℃より低いか、65℃より高い場合は、得られる豆腐の破断強度が低くなってしまい優れた製品を製造することができない。また、加熱時間を20分より長くしても、豆腐の破断強度は変わらないか、却って低下してしまうため好ましくない。このような加熱温度や加熱時間が豆腐の品質に及ぼす影響は、従来まったく検討されていなかったものである。
【0010】
呉の加熱方法は、特に制限されない。呉を鍋に入れて電熱器などを用いて間接的に加熱してもよいし、生蒸気を呉に吹きかけることによって直接的に加熱してもよい。いずれの方法を用いても、上記の加熱条件を満たす限り、良質な豆腐を製造しうることが確認されている。
【0011】
加熱した呉は、その後おからと豆乳に分離する。分離は、冷却せずに行うのが好ましいが、冷却してから行ってもかまわない。分離は、呉を遠心式または油圧式の分離機を用いて分離するなどの一般的な方法によって行うことができる。
【0012】
こうして得られた豆乳は凍結前に濃縮する。濃縮の方法はとくに限定されない。たとえば、エバポレーターや遠心式装置を用いて減圧濃縮することができる。常圧で行うことも可能ではあるが、加熱することによって豆乳を変性させるおそれがあるため好ましくない。濃縮豆乳を希釈還元して濃縮前後での性状変化を検討したところ、約3.5倍濃縮までは変化が認められなかった。これ以上に濃縮することは、粘度が高くて物理的に困難であることから、かなり高濃度まで豆乳を濃縮してもその性状を維持することが可能であることがうかがえる。
【0013】
これは、呉の加熱条件が穏やかであるために、蛋白構造が変化していないためであると考えられる。従来技術が採用するように厳しい加熱条件を経た豆乳はSH基が表面に現れているため、特公平3−69496号に記載されるような特別な処理を施さないと濃縮できない。しかも、わずかにBrix20程度までしか濃縮できない。一方、上記方法にしたがって濃縮する場合は、Brix13の豆乳を約50まで濃縮することが可能である。このことから、上記方法にしたがって濃縮豆乳を製造する方法は、従来技術と比較しても極めて簡便に高濃度に濃縮することができるものであることが明らかである。
【0014】
豆乳または濃縮豆乳の凍結方法は、とくに制限されない。したがって、冷凍庫の中に入れてゆっくりと凍結させてもよいし、炭酸ガスや窒素ガスなどのガスを吹きつけることによって急速に凍結させてもよい。いずれの方法を用いても有意な差はなく、豆乳の性状は維持されていることが確認されている。
【0015】
本発明の凍結豆乳すり身は、例えば流水解凍することによって、容易に凍結前と同じ蛋白変性度の豆乳に還元される。したがって、通常の豆乳が有する用途と同じ用途に供することができる。とくに、豆腐製造のための原料として極めて有用である。豆腐の製造は、当業者が一般に用いている方法によって行うことができる。本発明の凍結豆乳すり身を用いれば、従来品に比べて弾力と風味が優れた豆腐を製造することができる。また、この凍結豆乳すり身を用いた豆腐は、てりやつやも良く、非常にきめが細かくて滑らかであるという利点も有している。
【0016】
加熱絞り工法で製造した従来の豆乳は、おからを含んだ状態で100℃近くで3〜5分間加熱しているために細かい固形分が豆乳に混入している。このため、加熱絞り工法で製造した豆乳を用いて製造した豆腐は、本発明の凍結豆乳すり身を用いて製造した豆腐のようにてり、つやが良く、きめ細かくてなめらかな状態にはならない。また、40〜45℃で40〜60分加熱して得た従来の豆乳を用いた場合は、本発明の凍結豆乳すり身を用いた場合のように好ましい弾力と風味を有する豆腐を製造することができない。本発明の凍結豆乳すり身は、従来の豆乳からは製造することができなかった良質の豆腐をつくることができる点に、すぐれた用途がある。
【0017】
本発明の凍結豆乳すり身を用いれば、従来に比べて極めて簡便に豆腐を製造することができる。すなわち、大豆を水に浸漬して磨砕し、加熱しておからを分離することによって豆乳をつくる工程が不要になる。このため、豆腐屋は早朝より豆腐製造にとりかかる必要がなくなるうえ、製造設備も大幅に縮小することが可能になる。本発明の凍結豆乳すり身は安定に貯蔵することができるため、必要に応じて必要な量だけ使用すればよい。したがって、いつでも均質な豆腐を製造することが可能であり、消費者の要望にも応えることができる。また、小ロットでの製造も可能であることから、歩留まりが向上するという利点もある。
【0018】
さらに、本発明の凍結豆乳すり身を用いて豆腐を製造すれば、おからが副生しないため、その処理に頭を悩ます必要がなくなる。おからの処理にも経費がかかる現在では、本発明の凍結豆乳すり身を用いることによる経営的な利点も無視できない。
【0019】
本発明の凍結豆乳すり身は、豆腐の他にもさまざまな食品の製造原料として用いることができる。例えば、湯葉、油揚げ、豆腐ようの原料としたり、水で希釈したり他の成分と混合したりすることによって豆乳飲料にすることもできる。さらに、マヨネーズ、スプレッドなどの調味料、チーズ、ヨーグルトなどの発酵食品、フローズンヨーグルト、アイスクリーム、シャーベットなどの冷菓、プリン、プディング、ババロア、ホイップクリーム、ミルクセーキなどの生菓、スープ、ホワイトソースなどの料理といった豆乳二次加工品にすることもできる。
【0020】
本発明の凍結豆乳すり身を貯蔵する場合は、凍結状態が維持される温度で行う。好ましい貯蔵温度は−15℃以下、より好ましくは−20℃以下、さらに好ましくは−25℃以下、さらにより好ましくは−30℃以下である。貯蔵は、冷凍庫の中で行うのが一般的であるが、これに限定されるものではない。貯蔵温度が高いと、貯蔵中に蛋白変性が生じて豆乳の利用価値を減じてしまうおそれがある。そのような豆乳を使用して豆腐を製造しても、弾力性に欠けた品質の悪い豆腐しか製造できない。したがって、望ましくない程度に蛋白変性が進行する前に、凍結貯蔵豆乳を使用する必要がある。貯蔵温度と貯蔵可能日数の関係は、当業者に周知の方法により適宜明らかにすることができる。
【0021】
【実施例】
以下に参考例と実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
【0022】
(参考例1)
生大豆5kgを15℃の水に浸漬することによって、湿重量を2.2倍にした。この浸漬大豆を、水14kgを加えながらグラインダーで磨砕して、呉を得た。この呉2kgをホーロー鍋に入れ、焦げないようによく撹拌しながら60℃まで加温した(昇温時間8分)。60℃に到達後、ただちにジャッキを利用した簡易式絞り機を用いておからを分離し、豆乳1.47kgを得た。分離した豆乳1kgに豆腐用消泡剤1.5gを加えて、蒸気圧0.06kgf/cmの生蒸気で98℃まで加熱した(昇温時間1分20秒)。その後、蒸気圧を0.01kgf/cmに調整して、5分間追い炊きした。さらに、豆乳温度を80℃に調整した後、豆乳400gに対して凝固製剤[グルコノデルタラクトン44%、塩化マグネシウム26%、クエン酸ナトリウム26%、食品素材4%からなり、使用直前に10%溶液にして使用]1.8gを加え、80℃で20分間保持して豆腐を製造した。
【0023】
比較のために、呉の加熱条件を変更し、その他の条件は上と同じにして豆腐を製造した。比較例では、呉を40℃、50℃、70℃、80℃まで加熱してただちにおからを分離した。また、別の比較例では、呉を40℃、50℃に加熱して60分保持した後におからを分離した。
【0024】
製造した豆腐について破断強度を測定した。破断強度は、製造の翌日に、豆腐を直径47mm×高さ20mmの大きさに切断して、レオメーター(サン科学製CR−200D型)を用いて測定した。径20mmの円板をプランジャーとして用い、60mm/分の侵入速度で室温(約20℃)にて測定した。
【0025】
結果は、以下の表に示すとおりであった。
【0026】
【表1】
Figure 0003553723
【0027】
(参考例2)
参考例1における電熱器による加熱を生蒸気による加熱に変更して、参考例1と同じ工程を行って豆腐を製造した。生蒸気による加熱により40℃、50℃、60℃、70℃、80℃に到達させた後(昇温時間5〜13分)、ただちにおからを分離して豆乳を得た。これらの豆乳を用いて、参考例1と同じ方法で製造した豆腐の破断強度を測定した。結果は、以下の表に示すとおりであった。
【0028】
【表2】
Figure 0003553723
【0029】
(参考例3)
参考例2の生蒸気による60℃加熱の加熱時間を瞬時、5分、10分、20分、40分、60分として検討した。製造した豆腐について、破断強度を測定したところ、以下の表に示す結果が得られた。比較のため、加熱絞り工法で製造した豆腐の破断強度も測定した。なお、凝固時の豆乳のBrixはすべて13.0に調整した。
【0030】
【表3】
Figure 0003553723
【0031】
(参考例4)
生大豆5kgを15℃の水に浸漬することによって、湿重量を2.2倍にした。この浸漬大豆を、水14kgを加えながらグラインダーで磨砕して、呉を得た。この呉2kgを煮釜(高井製作所製)に入れ、よく撹拌しながら60℃まで加温した(昇温時間3分)。60℃に到達後、ただちに油圧式絞り機を用いておからを分離し、豆乳18.8kgを得た。得られた豆乳のBrixは13.5(固形分12.9%)であった。
【0032】
この豆乳をエバポレーターを用いて、1.47倍、2.21倍、2.95倍、3.73倍に減圧濃縮して濃縮豆乳を得た。濃縮時の豆乳の品温は45℃であった。
【0033】
各濃縮豆乳に水を加えて濃縮前と同じBrix13.5になるように希釈還元して豆乳の変性指標1を調べた。変性指標1は、豆乳を3000rpmで10分間遠心分離したときの、遠心前の固形分(%)に対する遠心後の上清の固形分(%)比率である。結果は以下の表に示すとおりであった。
【0034】
【表4】
Figure 0003553723
【0035】
なお、濃縮前の豆乳を用いて製造した豆腐の破断強度は147、濃縮豆乳を希釈還元したものを用いて製造した豆腐の破断強度は140であり、有意な差は認められなかった。
【0036】
(参考例5)
グラインダーで磨砕する際に添加する水の量を15kgにして、参考例4と同じ操作を繰り返すことによって、Brix12.5の豆乳を得た。この豆乳を遠心式薄膜真空蒸発装置CEP−1(大川原製作所製、1500rpm、加熱温度100℃、蒸発温度45℃)を用いて、Brix45.0(3.6倍濃縮)まで濃縮した。得られた濃縮豆乳はゲル化せず、液状を呈していた。
【0037】
(比較例1)
生大豆10kgを15℃の水に浸漬することによって、湿重量を2.2倍にした。この浸漬大豆を、水28kgを加えながらグラインダーで磨砕して、呉を得た。この呉50kgを煮釜(高井製作所製)に入れ、よく撹拌しながら60℃まで加温した(昇温時間4分)。60℃に到達後、ただちに油圧式絞り機を用いておからを分離し、豆乳36.8kgを得た。得られた豆乳のBrixは13.0(固形分12.8%)であった。この豆乳を冷却後パウチに詰めて−30℃の冷凍庫で緩慢凍結した。パウチに詰める前に、ソルビットを対豆乳0.75%添加したものと、トレハロースを0.75%添加したものも調製した。
【0038】
これらの豆乳を−30℃の冷凍庫で凍結豆乳すり身として貯蔵し、流水解凍した豆乳について変性指標1および変性指標2の経時変化を調べた。変性指標2は、豆乳を3000rpmで10分間遠心分離したときの、遠心前の蛋白(%)に対する遠心後の上清の蛋白(%)比率である。また、流水解凍した豆乳を用いて、参考例1の方法にしたがって豆腐を製造し、その破断強度も測定した。結果は、以下の表に示すとおりであった。
【0039】
【表5】
Figure 0003553723
【0040】
(比較例2)
比較例1において−30℃の冷凍庫で緩慢凍結する代わりに、−30℃の炭酸ガスによって急速凍結して凍結豆乳すり身を得た。−30℃の冷凍庫で貯蔵して、比較例1と同様に破断強度と変性指標の経時変化を調べた。結果は、以下の表に示すとおりであった。
【0041】
【表6】
Figure 0003553723
【0042】
(実施例1)
生大豆10kgを15℃の水に浸漬することによって、湿重量を2.2倍にした。この浸漬大豆を、水28kgを加えながらグラインダーで磨砕して、呉を得た。この呉50kgを煮釜(高井製作所製)に入れ、よく撹拌しながら60℃まで加温した(昇温時間4分)。60℃に到達後、ただちに油圧式絞り機を用いておからを分離し、豆乳37.5kgを得た。得られた豆乳のBrixは13.8(固形分12.9%)であった。
【0043】
この豆乳をそのままか、あるいはソルビットを対豆乳0.75%添加して、エバポレーターで3倍に減圧濃縮した。濃縮豆乳のBrixは各々42.2、43.8であり、液状を呈していた。この濃縮豆乳をパウチに詰めて−30℃の冷凍庫で凍結して凍結豆乳すり身として貯蔵し、比較例1と同様に破断強度と変性指標の経時変化を調べた。結果は、以下の表に示すとおりであった。
【0044】
【表7】
Figure 0003553723
【0045】
(実施例2)
グラインダーで磨砕する際に添加する水の量を30kgにして、実施例1と同じ操作を繰り返すことによって、Brix12.5(固形分12.5%)の豆乳を得た。この豆乳を遠心式薄膜真空蒸発装置CEP−1(大川原製作所製、1500rpm、加熱温度100℃、蒸発温度45℃)を用いて、Brix45.0(3.6倍濃縮)まで濃縮した。これを−30℃の冷凍庫で凍結して凍結豆乳すり身にした後、−30℃、ー20℃、−15℃で貯蔵して、比較例1と同様に破断強度と変性指標の経時変化を調べた。また、比較対照のため、濃縮前の豆乳を−30℃で4日間貯蔵したものについても試験した。結果は、以下の表に示すとおりであった。
【0046】
【表8】
Figure 0003553723
【0047】
(参考例6)
生大豆5kgを15℃の水に浸漬することによって、湿重量を2.2倍にした。この浸漬大豆を、水14kgを加えながらグラインダーで磨砕して、呉を得た。この呉25kgを煮釜(高井製作所製)に入れ、よく撹拌しながら60℃まで加温した(昇温時間3分)。60℃に到達後、ただちに油圧式絞り機を用いておからを分離し、豆乳19kgを得た。得られた豆乳のBrixは13.0(固形分12.7%)であった。
【0048】
この豆乳を冷却して、噴霧乾燥機(大川原製作所製L−8型、流速2〜3l/h、入口温度100〜180℃、出口温度50〜90℃)を用いて粉末化して、粉末豆乳を得た。この粉末豆乳を濃度13%になるように水に溶解して豆乳にし、この豆乳を98℃で5分間加熱して、参考例1の方法にしたがって豆腐を製造した。この豆腐の破断強度を測定した。結果は、以下の表に示すとおりであった。
【0049】
【表9】
Figure 0003553723
【0050】
(参考例7)
参考例6における噴霧乾燥時の入口温度、出口温度、流量を種々変化させて粉末豆乳を得て、豆腐を製造した。製造した豆腐の弾力と風味を調べて比較した。結果は、以下の表に示すとおりであった。
【0051】
【表10】
Figure 0003553723
【0052】
(参考例8)
参考例6の処理温度120℃で調製した粉末豆乳の水分、蛋白含量、NSIを常法にしたがって測定した。また、この粉末豆乳を13%の濃度になるように水に溶解して豆乳の変性指標1および変性指標2を測定した。さらに、この豆乳を用いて参考例1の方法にしたがって豆腐を製造し、その破断強度を測定した。比較対照のため、ハウス食品の「ほんとうふ」についても同じ試験を行った(比較例)。結果は以下の表に示すとおりであった。
【0053】
【表11】
Figure 0003553723

Claims (8)

  1. 呉に対して45〜65℃で瞬時〜20分の加熱を行った後、おからを分離することによって豆乳を得て、その豆乳をBrix29.9以上に濃縮して凍結した凍結豆乳すり身。
  2. 呉に対して45〜65℃で瞬時〜20分の加熱を行った後、おからを分離することによって豆乳を得て、その豆乳をBrix42.2以上に濃縮して凍結した凍結豆乳すり身。
  3. 呉に対して45〜65℃で瞬時〜20分の加熱を行った後、おからを分離することによって豆乳を得て、その豆乳をBrix45.0以上に濃縮して凍結した凍結豆乳すり身。
  4. 加熱温度が55〜65℃である請求項1〜3のいずれかの凍結豆乳すり身。
  5. 加熱時間が瞬時〜10分である請求項1〜4のいずれかの凍結豆乳すり身。
  6. 加熱時間が3分〜7分である請求項1〜4のいずれかの凍結豆乳すり身。
  7. 請求項1〜6のいずれかの凍結豆乳すり身を用いて製造した豆腐。
  8. 請求項1〜6のいずれかの凍結豆乳すり身の、豆腐製造への使用。
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