JP3553326B2 - コイン型電池用ホルダーの装着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、コイン型の電池を収容したホルダーを、本体ケースに対して着脱可能に装着するための装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のコイン型電池用ホルダーの装着装置は、そのホルダーを、これにコイン型電池を収容したのち、本体ケース内に対して着脱可能に挿入するように構成するものであることにより、この装着装置には、前記ホルダーを本体ケース内に挿入装着した状態で抜け不能にロックするための機構が必要であるが、従来は、このロック機構を、ホルダー又は本体ケースとは別の部品によって構成するようにしているから、部品点数が多くなるのであり、しかも、本体ケースからホルダーを引き出したとき前記ロック機構が外れ落ちることを防止するために、当該ロック機構を本体ケース又はホルダーに対して外れ落ち不能となるように組付けしなければならず、組付けに要する手数が増大するから、コストの大幅なアップを招来するのであった。
【0003】
そこで先行技術としての実開昭63−82367号公報は、本体ケースに、コイン型電池用装着室を、当該装着室が本体ケースにおける各側面のうち一つの側面に開口するように設けて、この装着室内に着脱自在に挿入したホルダーに、前記コイン型電池を当該電池の表面が前記本体ケースの表面と平行になる姿勢で収容する収容部を設け、更に、前記ホルダーに、先端が前記コイン型電池の表面と平行の方向に撓み変形するように構成したロック用弾性脚体を一体的に設け、このロック用弾性脚体の先端に設けたロック爪を、前記本体ケースに設けたロック用係合部に対して抜け不能に係合することを提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この先行技術は、ロック機構をホルダーに一体化したものであるから、前記従来の部品点数及び組付けに要する手数の増大を回避できるが、その反面、先行技術のものは、前記ロック用弾性脚体の先端におけるロック爪を、前記本体ケースにおける各側面のうち前記コイン型電池用装着室が開口する一つの側面と直角に連接する側面から挿入した操作棒にて押すことにより、当該ロック爪の本体ケースにおけるロック用係合部に対する係合を外すように構成しているから、以下に述べるような問題があった。
【0005】
すなわち、ホルダーの本体ケースに対するロック解除を、前記本体ケースにおける各側面のうち前記コイン型電池用装着室が開口する一つの側面と直角に連接する側面から挿入した操作棒にて行うものであることにより、前記本体ケース内のうち前記ホルダーと、前記コイン型電池用装着室が開口する一つの側面と直角に連接する側面との間の部分を、各種部品等を設けることに利用することができない。
【0006】
このために、前記ホルダーは、前記本体ケースのうち前記コイン型電池用装着室が開口する一つの側面と直角に連接する側面に近接する部位に設けるようにしなければならないから、ホルダーを本体ケースに対して設ける位置が限定されてしまうのであった。
本発明は、この問題を解消することを技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明は、
「本体ケースに、コイン型電池用装着室を、当該装着室が本体ケースにおける各側面のうち一つの側面に開口するように設けて、この装着室内に着脱自在に挿入したホルダーに、前記コイン型電池を当該電池の表面が前記本体ケースの表面と平行になる姿勢で収容する収容部を設け、更に、前記ホルダーに、先端が前記コイン型電池の表面と平行の方向に撓み変形するように構成したロック用弾性脚体を一体的に設け、このロック用弾性脚体の先端に、前記本体ケースに設けたロック用係合部に対して抜け不能に係合するロック爪を一体的に設けて成るコイン型電池用ホルダーの装着装置において、
前記本体ケースの表面のうち前記ロック用弾性脚体のロック爪に該当する部分に、ロック解除用操作孔を、当該操作孔内に前記ロック爪がのぞむように穿設し、前記ロック爪を、この操作孔内にて前記本体ケースの表面と平行な方向へ移動させることにより当該ロック爪の前記ロック用係合部に対する係合を外すように構成する。」
ことにした。
【0008】
【発明の作用・効果】
このように、本体ケースの表面のうち前記ロック用弾性脚体のロック爪の部分に、ロック解除用操作孔を、当該操作孔内に前記ロック爪がのぞむように穿設し、前記ロック爪を、この操作孔内にて前記本体ケースの表面と平行な方向へ移動させることで、当該ロック爪のロック用係合部に対する係合を外すように構成することにより、ホルダーの本体ケースに対するロックを解除する操作を、前記本体ケースの表面側から行うことができるから、前記本体ケース内のうち前記ホルダーと、前記コイン型電池用装着室が開口する一つの側面と直角に連接する左右両側面との間の部分を、各種部品等を設けることに利用することができるのである。
【0009】
従って、本発明によると、ホルダーを本体ケースに対して設ける位置は、前記先行技術のように、本体ケースのうち前記コイン型電池用装着室が開口する一つの側面と直角に連接する側面に近接する部位に限定されることはなく、前記本体ケース内の全体を各種部品等を設けることに有効に利用することができるものでありながら、前記コイン型電池のホルダーを本体ケースに対して設ける位置の自由度を大幅に向上できる効果を有する。
【0010】
特に、請求項2に記載したように、ロック爪のうち操作孔内に露出する部分に凹所を設けたことにより、この凹所に細いピンを引っ掛けて前記したロックの解除を行うことができるから、ロック解除の操作を容易化できると共に、操作孔の大きさを、ロック解除操作用のピン等をロック爪自体に引っ掛ける場合より小さくすることができて、操作孔を設けることにより塵等の侵入、及び、美観の低下を回避できる利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図5の図面について説明する。
この図において符号11は、各種の部品を内蔵した本体ケースを示し、この本体ケース11の内部には、コイン型電池16を装填するための装填室11aが、前記本体ケース11における一つの側面11′に開口するように設けられている。
【0012】
符号12は、前記本体ケース11における装填室11a内に抜き差し自在に挿入される合成樹脂製のホルダーを示し、このホルダー12には、左右一対の弾性脚体13,14を一体的に設けて、この両弾性脚体13,14の間に形成した収容部15内に前記コイン型電池16を収容するように構成する一方、前記両弾性脚体13,14における先端の各々にV溝型の係合片13a,14aを各々設けて、前記ホルダー12を本体ケース11における装填室11a内に押し込んだとき、前記両弾性脚体13,14の先端における係止片13a,14aが、本体ケース11内に一体的に造形した係合部17,18に対して各々着脱自在に係合するように構成する。
【0013】
そして、前記ホルダー12には、前記両弾性脚体13,14のうち一方の弾性脚体13よりも外側の部位に、ロック用弾性脚体19を、当該ロック用弾性脚体19が前記一方の弾性脚体13と同じ方向に延びるように一体的に造形して、このロック用弾性脚体19の先端に、前記本体ケース11内に一体的に造形したロック用係合部20に対して抜け不能に係合するようにしたロック爪21を一体的に設ける。
【0014】
一方、前記本体ケース11における表面のうち、前記ロック爪21に該当する箇所には、ロック爪21に設けた凹所21aに対してロック解除用のピンA等を差し込むことができるようにした操作孔22を穿設する。
また、前記本体ケース11の装填室11aにおける左右両内側面には、ホルダー12を、当該装填室11a内に押し込むとき、他方の弾性脚体14及びロック用弾性脚体19をその弾性に抗して内向きに窄まり変形するようにした円弧のガイド面11a′,11a″が設けられている。更にまた、前記本体ケース11内における両係合部17,18のうち一方の係合部17にも、ホルダー12を本体ケース11の装填室11a内に押し込むとき、一方の弾性脚体13を、その弾性に抗して内向きに窄まり変形するようにしたガイド面17aが設けられている。加えて、前記ホルダー12には、爪先を掛けるための凹所23を設けられている。
【0015】
この構成において、コイン型電池16を収容部15内に装填したホルダー12を、本体ケース11における装填室11a内に押し込むと、このホルダー12に設けた左右一対の弾性脚体13,14の先端における係止片13a,14aが、ガイド面11a′,17aに沿って内向きに弾性変形しながら本体ケース11における係合部17,18に対して各々同時に係合することに加えて、前記ホルダー12に設けたロック用弾性脚体19の先端におけるロック爪21が、ガイド面11a″に沿って内向きに弾性変形しながら本体ケース11におけるロック用係合部20に対して抜け不能に係合するから、前記ホルダー12は、本体ケース11に対して、当該本体ケース11から不測に抜けることのない状態で装着できるのである。
【0016】
そして、コイン型電池16の交換に際して、ホルダー12を本体ケース11の装填室11aより引き抜くには、本体ケース11に穿設した操作孔22内に、ピンA等を、当該ピンA等の先端が前記ロック用弾性脚体19の先端におけるロック爪21の凹所21aに係合するように挿入したのち、このピン等Aにて、前記ロック爪21を、本体ケース11の表面と平行な方向にそのロック用弾性脚体19の弾性に抗するように移動することによって、本体ケース11のロック用係合部20に対する係合を解除し、この状態で、前記ホルダー12における爪掛け用凹所23に爪先を掛けて引き出す方向に外力を加えることにより、前記両弾性脚体13,14の先端における係止片13a,14aが、本体ケース11側の係合部17,18から外れることになるから、ホルダー12を本体ケース11内から引き出すことができるのである。
【0017】
このように、本体ケース11の表面のうち前記ロック用弾性脚体19のロック爪21の部分に、ロック解除用操作孔22を、当該操作孔22内に前記ロック爪21がのぞむように穿設して、この操作孔22から前記ロック爪21のロック用係合部20に対する係合を外すように構成することにより、ホルダー12の本体ケース11に対するロックを解除する操作を、前記本体ケース11の表面側から行うことができるから、前記本体ケース11内のうち前記ホルダー12と、前記コイン型電池用装着室11aが開口する一つの側面11′と直角に連接する左右両側面11″との間の部分を、各種部品等を設けることに利用することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す一部切欠平面図である。
【図2】図1のII−II視断面図である。
【図3】図1のIII −III 視断面図である。
【図4】図1のIV−IV視断面図である。
【図5】本体ケースからホルダーを引き出したときの一部切欠平面図である。
【符号の説明】
11 本体ケース
11a コイン型電池用装填室
11′ 本体ケースの一つの側面
11″ 本体ケースの左右両側面
12 ホルダー
13,14 弾性脚体
13a,14a 係止片
15 収容部
16 コイン型電池
17,18 係合部
19 ロック用弾性脚体
20 ロック用係合部
21 ロック爪
21a 凹所
22 操作孔

Claims (2)

  1. 本体ケースに、コイン型電池用装着室を、当該装着室が本体ケースにおける各側面のうち一つの側面に開口するように設けて、この装着室内に着脱自在に挿入したホルダーに、前記コイン型電池を当該電池の表面が前記本体ケースの表面と平行になる姿勢で収容する収容部を設け、更に、前記ホルダーに、先端が前記コイン型電池の表面と平行の方向に撓み変形するように構成したロック用弾性脚体を一体的に設け、このロック用弾性脚体の先端に、前記本体ケースに設けたロック用係合部に対して抜け不能に係合するロック爪を一体的に設けて成るコイン型電池用ホルダーの装着装置において、
    前記本体ケースの表面のうち前記ロック用弾性脚体のロック爪に該当する部分に、ロック解除用操作孔を、当該操作孔内に前記ロック爪がのぞむように穿設し、前記ロック爪を、この操作孔内にて前記本体ケースの表面と平行な方向へ移動させることにより当該ロック爪の前記ロック用係合部に対する係合を外すように構成したことを特徴とするコイン型電池用ホルダーの装着装置。
  2. 前記請求項1において、前記ロック爪のうち前記操作孔内に露出する部分に凹所を設けたことを特徴とするコイン型電池用ホルダーの装着装置。
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